JP2000221102A - 回流式風洞装置 - Google Patents

回流式風洞装置

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JP2000221102A
JP2000221102A JP11237256A JP23725699A JP2000221102A JP 2000221102 A JP2000221102 A JP 2000221102A JP 11237256 A JP11237256 A JP 11237256A JP 23725699 A JP23725699 A JP 23725699A JP 2000221102 A JP2000221102 A JP 2000221102A
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Japan
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passage
wind tunnel
air
exhaust
circulating
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JP11237256A
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English (en)
Inventor
Mikio Ikeda
三樹夫 池田
Mamoru Shimada
守 島田
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IHI Corp
INC Engineering Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
INC Engineering Co Ltd
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環空気の温度上昇の抑制と外部への騒音の
低減とを両立させた回流式風洞装置を提供する。 【解決手段】 空気が循環する回流通路14と、回流通
路14の正圧部15に接続された排気通路16と、回流
通路14の負圧部19に接続された吸気通路20と、排
気通路16および吸気通路20内に夫々設けられたサイ
レンサ17、21とを備えたもの。回流通路14を循環
する空気は、排気通路16からその一部が排気され、吸
気通路20から外気が導入され、常に一部が換気される
ので、温度上昇が抑制される。かかる換気の際に排気通
路16・吸気通路20から生じる排気騒音・吸気騒音
は、各通路16、20に夫々設けられたサイレンサ1
7、21によって消音される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、循環空気の温度上
昇の抑制と外部への騒音の低減とを両立させた回流式風
洞装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に本発明者等が先に開発した回流式
風洞装置の概要を示す。図示するようにこの回流式風洞
装置aは、基盤(底面b)上に気密に設置された風洞ケ
ーシングcと、風洞ケーシングc内に立てた状態で収容
された筒体状の仕切部材dとを有している。
【0003】そして、仕切部材dの上部に配置された送
風機eによって、仕切部材d内に形成されたメイン通路
fにおいて空気を下方へ吹き下ろし、吹き下ろされた空
気を仕切部材dと風洞ケーシングcとの間のリターン通
路gを介して送風機eの上流側に還流させることによ
り、底面b上に配置された図示しない供試体(人間等も
含む)に吹き下ろされた空気流を晒すようにしている。
【0004】かかる回流式風洞装置aによれば、空気は
メイン通路fとリターン通路gとからなる回流通路hを
循環するのみであり、吹抜式風洞のように風洞ケーシン
グcの外に吹き出さないため、外部への騒音レベルを低
くできるものの、送風機eの動力の大部分が回流通路h
内を循環する空気流の温度上昇となる。よって、底面b
における試験環境(空気温度)を保つために、リターン
通路gに冷却器iを設ける必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リターン通路
gに冷却器iを設けると、空気流が循環する回流通路h
の圧損が大きくなるため、底面b(供試体の設置部分)
において必要な風速を得るには、増加した圧損分だけ大
きな送風機eを用いなければならない。
【0006】すると、これに伴って送風機eの動力(熱
負荷)も大きくなるため、その分冷却器iの容量を大き
くして空気流の温度上昇を抑制する必要が生じ、この結
果さらに回流通路hの圧損が大きくなる、というマッチ
ポンプの問題が生じる。
【0007】他方、吹抜式風洞によれば、送風機eの動
力(熱負荷)が風洞ケーシングc内に籠ることはないの
で空気流の温度上昇の問題は生じないものの、空気流が
風洞ケーシングc外へ吹き出されるため、外部への騒音
の問題が大きい。
【0008】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、循環空気の温度上昇の抑制と外部への騒音の低
減とを両立させた回流式風洞装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係る回流式風洞装置は、空気が循環する回流通路
と、該回流通路の正圧部に接続された排気通路と、上記
回流通路の負圧部に接続された吸気通路と、それら排気
通路および吸気通路内に夫々設けられたサイレンサとを
備えて構成されている。
【0010】本発明によれば、回流通路を循環する空気
は、回流通路の正圧部に接続された排気通路からその一
部が排気されると共に、回流通路の負圧部に接続された
吸気通路から外気が導入されるため、常に一部が換気さ
れた状態となり、温度上昇が抑制される。
【0011】かかる換気の際に排気通路・吸気通路から
生じる排気騒音・吸気騒音は、各通路に夫々設けられた
サイレンサによって消音される。ここで、各通路は、夫
々回流通路の正圧部および負圧部に接続されているの
で、通過流量(換気流量)の割には通路断面積を小さく
でき、発生する騒音自体も小さい。
【0012】また、排気通路・吸気通路は、回流通路に
接続されるのみなので、回流通路の圧損にはならない。
よって、回流通路に冷却器を設けていた先行技術と比べ
ると、回流通路の圧損が小さくなる分だけ送風機の動力
(熱負荷)を小さくでき、これによっても回流通路を循
環する空気流の温度上昇が抑制される。
【0013】また、上記吸気通路・排気通路に、ダンパ
やファンを設けてもよい。これにより、換気量を自在に
調節でき、回流通路内を循環する空気流の温度調節を行
うことができる。なお、上記ダンパやファンは可変式に
限られず、固定式であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基いて説明する。
【0015】図1に本実施形態に係る回流式風洞装置1
の概要を示す。図示するように、この回流式風洞装置1
は、基盤(底面2)上に気密に設置された風洞ケーシン
グ3を有している。
【0016】風洞ケーシング3内には、筒体状の仕切部
材4が立てた状態で収容されている。仕切部材4の内部
には、空気が上部から下部へ流れるメイン通路5が形成
され、仕切部材4と風洞ケーシング3との間には、空気
が下部から上部へ流れるリターン通路6が形成されてい
る。
【0017】メイン通路5とリターン通路6とは、仕切
部材4の下端部に周方向に沿って形成された連絡口7を
介して連通され、リターン通路6とメイン通路5とは、
風洞ケーシング3内の上部に形成された連絡空間8を介
して連通されている。
【0018】仕切部材4の上部には、空気をメイン通路
5内において下方へ吹き下ろす送風機9(軸流ファン)
が設けられている。送風機9は、メイン通路5の上部に
設けられたダクト部材10の内部に配置され、エンジン
11によってシャフト12およびギヤボックス13等を
介して駆動される。
【0019】この構成によれば、風洞ケーシング3内の
空気は、送風機9によってメイン通路5内を下方へ吹き
下ろされ、底面2に流れ当って底面2上を放射状に広が
り、連絡口7を通ってリターン通路6内を上方へ流れ、
連絡空間8を通って再び送風機9に吸込まれる。すなわ
ち、本実施形態では、メイン通路5と連絡口7とリター
ン通路6と連絡空間8とから、風洞ケーシング3内を循
環する空気流の回流通路14が形成される。
【0020】回流通路14は、送風機9の下流が正圧側
となり、送風機9の上流が負圧側となる。回流通路14
の正圧部(風洞ケーシング3の側面の下部:底面2との
近傍部)には、排気口15が形成されている。排気口1
5は、風洞ケーシング3の周方向に間欠的に複数形成さ
れていてもよく、リング状に一体的に形成されていても
よい。排気口15には、排気通路16が接続されてい
る。
【0021】排気通路16は、排気口15を間欠的に複
数形成した場合には通常の通路状のものが用いられ、排
気口15をリング状に一体的に形成した場合には風洞ケ
ーシング3を囲繞するようなリング状のものが用いられ
る。排気通路16の内部には、サイレンサ17(消音
器)が収容されている。排気口15には、流量調節用の
ダンパ18が設けられている。なお、排気通路内にファ
ンを設けて流量調節してもよい。
【0022】他方、回流通路14の負圧部(風洞ケーシ
ング3の天井面の中央部:送風機9の上方部)には、吸
気口19が形成されている。吸気口19には吸気通路2
0が接続されている。吸気通路20の内部には、サイレ
ンサ21(消音器)が収容されている。吸気口19に
は、流量調節用のダンパ22が設けられている。なお、
吸気通路20内にファンを設けて流量調節してもよい。
【0023】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0024】上述の回流式風洞装置1によれば、底面2
上に配置された図示しない供試体(人間等も含む)に、
送風機9からメイン通路5内を吹き下ろされた空気流が
流れ当り、これにより、例えばヘリコプタのロータ下方
の気流が模擬される。供試体に流れ当った空気は、その
後底面2上を放射状に広がり、連絡口7を通ってリター
ン通路6内を上方へ流れ、連絡空間8を通って再び送風
機9に吸込まれ、回流通路14を循環する。
【0025】ここで、回流通路14内を循環する空気
は、回流通路14の正圧部に接続された排気通路16か
らその一部が排気されると共に、回流通路14の負圧部
に接続された吸気通路20から外気が導入さるため、常
に一部が換気される。すなわち、上記循環空気は、底面
2上を放射状に広がったときにその一部が排気口15
(正圧部)から排出されると共に、送風機9に吸込まれ
るときに吸気口19(負圧部)から外気を圧力差によっ
て取り込むため、常に一部が換気される。
【0026】この結果、送風機9の送風仕事による循環
空気の温度上昇が抑制される。すなわち、送風機9の送
風仕事によって温度が上昇した空気は、その一部が排気
通路16から排気されると共に、その分だけ吸気通路2
0から温度が低い外気が補充されて換気されるため、送
風機9の送風仕事等による熱が風洞ケーシング3内に籠
ることはなく、温度上昇が抑制される。
【0027】また、かかる換気の際に排気通路16から
生じる排気騒音、および吸気通路20から生じる吸気騒
音は、各通路16、20に夫々設けられたサイレンサ1
7、21によって消音されるため、外部への騒音レベル
が小さくなる。詳しくは、各通路16、20は、夫々回
流通路14の正圧部および負圧部に接続されており、通
過流量(換気流量)が循環流量に比べて小量のため通路
断面積を小さくでき、もって外部へ逃げ出す騒音自体が
小さくなる。
【0028】すなわち、各通路16、20は、夫々回流
通路14の正圧部および負圧部に接続されているので、
通過流量(換気流量)の割には通路断面を小さくでき、
発生する騒音自体が小さくなる。よって、温度上昇抑制
のための充分な換気量を確保しても、上記サイレンサ1
7、21によって騒音レベルを所定値まで小さくでき
る。
【0029】また、排気通路16および吸気通路20
は、図1に示すように回流通路14に接続されるのみな
ので、回流通路14(メイン通路5と連絡口7とリター
ン通路6と連絡空間8とからなる)の圧損の原因にはな
らない。よって、回流通路14におけるスムーズな空気
の循環を確保できる。この結果、本実施形態は、図2に
示すように回流通路に冷却器gを設けていた先行技術と
比べると、送風機9の動力(熱負荷)を小さくでき、そ
の分回流通路14を循環する空気流の温度上昇を抑制で
きる。
【0030】また、上記吸気口19および排気口15に
設けられたダンパ22および18の角度を適宜変更する
ことにより、吸気通路20および排気通路16の通過流
量すなわち換気量を自在に調節でき、これにより回流通
路14内を循環する空気流の温度調節を行うことができ
る。なお、吸気通路20および排気通路16に図示しな
いファンを設けて換気量を調節し、回流通路14内の循
環空気流の温度を調節するようにしてもよい。
【0031】別の実施形態を図3乃至図5に示す。
【0032】図示するようにこの回流式風洞装置1a
は、基盤(底面23)上に気密に設置された四角筒状の
風洞ケーシング24を有している。風洞ケーシング24
内には、四角筒状の仕切部材25が底面23から浮かせ
て立てた状態で同芯的に収容されている。仕切部材25
の内部には、空気が上部から下部へ流れるメイン通路2
6が形成され、仕切部材25と風洞ケーシング24との
間には、空気が下部から上部へ流れるリターン通路27
が形成されている。
【0033】メイン通路26とリターン通路27とは、
仕切部材25の下端部に周方向に沿って形成された連絡
口28を介して連通されている。連絡口28は、底面2
3とそこから浮かせるように離間して配置された仕切部
材25の下端部との間の隙間に形成される。
【0034】詳しくは、連絡口28は、四角筒状の仕切
部材25の四辺の下端部の中央域と底面23との間に、
各辺の長手方向に沿って夫々形成されている(図4参
照)。また、仕切部材25の下端部の四隅域と底面23
との間にも隙間が形成されているが、この隙間は後述す
る排気通路29の排気口30となる。
【0035】風洞ケーシング24の下端部と底面23と
の間には、その周方向に沿って安全ネット31が張られ
ている。すなわち、安全ネット31は、連絡口28およ
び排気口30に取り付けられることになる。
【0036】上記連絡口28には、図4に示すように、
当該連絡口28の形状に合わせて断面が細長い長方形状
に形成されたリターン通路27が、夫々接続されてい
る。すなわち、リターン通路27は、四辺の連絡口28
ごとに夫々接続され、計4個設けられる。各連絡口28
とリターン通路27との間には、空気流をスムーズに偏
向転流させるため、屈曲通路32が夫々介設されてい
る。
【0037】各リターン通路27とメイン通路26と
は、風洞ケーシング24内の上部に略直方体形状に形成
された連絡空間33を介して連通されている。すなわ
ち、4本のリターン通路27の出口部(細長い長方形
状)は、連絡空間33に開口されている。連絡空間33
には、後述する送風機34と仕切るようにして筒状のフ
ィルタ35が張られている。また、連絡空間33は、比
較的広く設定されており、ヘッダとしての機能も有す
る。
【0038】仕切部材25の上部には、連絡空間33内
の空気を下方のメイン通路26側へ吹き下ろす送風機3
4(軸流ファン)が配置されている。送風機34は、仕
切部材25内の上部に設けられたダクトブロック36に
設置されている。ダクトブロック36は、筒体状に形成
され送風機34を支持するダクト部37と、ダクト部3
7の上面を覆うべくリング板状に形成された上板部38
と、ダクト部37の下面を覆うべくリング板状に形成さ
れた下板部39とからなる。ダクト部37の下部には安
全ネット40が張られている。
【0039】ダクトブロック36の内部には、エンジン
室41と、コントロール室42と、ブリーフィング室4
3とが形成されている。エンジン室41には、室41内
を給気・排気する給気管44・排気管45と、エンジン
46(ガスエンジン)を吸気・排気する吸気管47・排
気管48とが接続されている。送風機34は、支持部材
49を介してダクト部37に支持されており、エンジン
46によってシャフト50およびギヤボックス51等を
介して駆動される。
【0040】ダクトブロック36の下方の仕切部材25
内の上部には天井クレーン52が設けられ、天井クレー
ン52にはヘリコプタのキャビン模型53が、水平面内
移動自在に且つウインチ等によって昇降自在に取り付け
られている。仕切部材25の内側面には調光装置54と
スピーカ55とが設けられており、ダクトブロック36
の下板部39にはスピーカ56が設けられている。スピ
ーカ55、56からはヘリコプタの模擬騒音等が発せら
れ、調光装置54の明暗によって昼夜を模擬できる。
【0041】底面23には凹部57が形成されており、
凹部57には傾斜装置58を介して基盤板59が設けら
れている。基盤板59上には、風洞実験に供される供試
体(人間等も含む)が設置される。基盤板59を傾斜装
置58により適宜傾斜することで、傾斜地での訓練を模
擬できる。基盤板59の下方の凹部57には、水面訓練
のための水槽60が設けられている。水面訓練の場合に
は、蓋としての基盤板59が外される。なお、風洞ケー
シング24および仕切部材25には、図4に示すように
作業員が入退室するための扉61と開口装置62が設け
られている。
【0042】本実施形態では、メイン通路26と連絡口
28と屈曲通路32とリターン通路27と連絡空間33
とが、風洞ケーシング24内を循環する空気流の回流通
路63を構成する。すなわち、風洞ケーシング24内の
空気は、送風機34によってメイン通路26内を下方へ
吹き下ろされ、基盤板59に流れ当って基盤板59上を
放射状に広がり、連絡口28および屈曲通路32を通っ
てリターン通路27内を上方へ流れ、連絡空間33を通
って再び送風機34に吸込まれる。回流通路63は、送
風機34の下流が正圧側となり、上流が負圧側となる。
【0043】他方、回流通路63の正圧部である前記排
気口30(仕切部材25の四隅部と底面23との隙間に
4個形成される)には、排気通路29が夫々接続されて
いる。各排気通路29は、図4に示すように、風洞ケー
シング24と仕切り部材25との間に、リターン通路2
7に隣接して形成される。すなわち、風洞ケーシング2
4と仕切部材25との間の平断面ロ字状の隙間には、排
気通路29とリターン通路27とを仕切る仕切板64が
上下方向に沿って設けられている。
【0044】各排気通路29の内部には、サイレンサ6
5(消音器)が収容されている。サイレンサ65は、各
排気通路29内を通って排出される排気騒音を低減す
る。各排気通路29内には、サイレンサ65の上流側に
位置させて、排気流量(すなわち換気流量)を調節する
ファン69が設けられている。なお、排気口30にダン
パを設けて排気流量(換気流量)を調節するようにして
もよい。
【0045】回流通路63の負圧部である風洞ケーシン
グ24の天井面の中央部(送風機34の上方部)には、
吸気口66が形成されている。吸気口66には吸気通路
67が接続されている。吸気通路67の内部には、サイ
レンサ68(消音器)が収容されている。なお、吸気口
66にダンパを設けて吸気流量(すなわち換気流量)の
流量調節してもよい。また、吸気通路67内に図示しな
いファンを設けて吸気流量(換気流量)を調節するよう
にしてもよいが、前述したように排気通路29内にファ
ン69を設けて換気流量の調節を行う方が好ましい。
【0046】何故なら、仮に吸気通路67にファン(図
示せず)を設けたとすると、そのファンの送風仕事によ
って発生する熱が風洞ケーシング24内に入り、回流通
路63内の循環空気流の温度を高めてしまうのに対し、
図例のように排気通路29にファン69を設ければ、そ
のファン69の送風仕事によって発生する熱は風洞ケー
シング24外に排出され、循環空気流の温度に影響を与
えないからである。また、図例では、ファン69を排気
用サイレンサ65の上流側に配置しているので、ファン
69自体の騒音もサイレンサ65で消音されて外部に至
り、低騒音となる。
【0047】吸気口66の下方の連絡空間33内には、
整流板70が設けられている。整流板70は、例えば所
定間隔を隔てて水平に配置された複数の細長板等からな
り、回流通路63内を循環する空気流の連絡通路33に
おける抵抗になることなく、吸気口66から導かれた空
気を連絡空間33内に拡散させるものである。
【0048】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0049】上述の回流式風洞装置1aによれば、基盤
板59上に配置された図示しない供試体(人間等も含
む)に、メイン通路26内を送風機34から吹き下ろさ
れた空気流が流れ当り、これにより、ヘリコプタのロー
タ下方の気流が模擬される。このとき、スピーカ55、
56からはヘリコプタの模擬騒音等が発せられ、調光装
置54の明暗によって昼夜を模擬でき、基盤板59を傾
斜装置58で適宜傾斜させることで傾斜地での訓練を模
擬できる。
【0050】供試体に流れ当った空気は、その後基盤板
59上を放射状に広がる。そして、かかる空気の大半
は、仕切部材25の四辺の下端部の中央域と底面23と
の間に形成された連絡口28を通過し、屈曲通路32を
介してリターン通路27内を上方へ流れ、連絡空間33
を介して再び送風機34に吸込まれ、回流通路63を循
環する。
【0051】また、基盤板59上を放射状に広がった空
気の一部は、仕切部材25の下端部の四隅域と底面23
との間に形成された排気口30を通過し、排気通路29
を通って風洞ケーシング24外に排出される。そして、
このように風洞ケーシング24外に排出された空気と同
量の外気が、吸気通路67および吸気口66を通過して
風洞ケーシング24内に吸込まれ、補充される。
【0052】すなわち、風洞ケーシング24内を循環す
る空気は、回流通路63の正圧部に接続された排気通路
29からその一部が排気されると共に、回流通路63の
負圧部に接続された吸気通路67から外気が導入される
ため、常に一部が換気される。詳しくは、上記循環空気
は、基盤板59上を放射状に広がったときにその一部が
排気口30(正圧部)から排出されると共に、送風機3
4に吸込まれるときに吸気口66(負圧部)から外気を
圧力差によって取り込み、常に一部が換気される。
【0053】この結果、送風機34の送風仕事による循
環空気の温度上昇が抑制される。すなわち、送風機34
の送風仕事によって温度が上昇した空気は、その一部が
排気通路29から排気されると共に、その分だけ吸気通
路67から温度が低い外気が補充されて換気されるた
め、送風機34による熱が風洞ケーシング24内に籠る
ことはなく、温度上昇が抑制される。また、排気通路2
9に設けられたファン69の運転を制御することによ
り、排気量すなわち換気量を調節でき、循環空気流の温
度調節が可能となる。
【0054】また、上述の換気の際に排気通路29から
生じる排気騒音、および吸気通路67から生じる吸気騒
音は、各通路29、67に夫々設けられたサイレンサ6
5、68によって消音されるため、外部への騒音レベル
が小さくなる。詳しくは、各通路29、67は、夫々の
通路流量が回流通路63の循環流量に比べ小量となるの
で各通路断面積を小さくでき、もって外部に逃げる騒音
自体が小さくなる。
【0055】すなわち、各通路29、67は、夫々回流
通路63の正圧部および負圧部に接続されているので、
通過流量(換気流量)の割には通路断面積を小さくで
き、発生する騒音自体が小さくなる。よって、各通路2
9、67により温度上昇抑制のための充分な換気量を確
保しつつ、サイレンサ65、68によって騒音レベルを
所定レベルに抑えられる。
【0056】また、排気通路29および吸気通路67
は、図5に示すように回流通路に接続されるのみなの
で、回流通路63(メイン通路26と連絡口28と屈曲
通路32とリターン通路27と連絡空間33とからな
る)の圧損の原因にはならない。よって、回流通路63
におけるスムーズな空気の循環を確保できる。この結
果、本実施形態は、図2に示すように回流通路に冷却器
iを設けていた先行技術と比べると、送風機34の動力
(熱負荷)を小さくでき、その分回流通路63を循環す
る空気流の温度上昇を抑制できる。
【0057】また、本実施形態の回流式風洞装置1a
は、図4に示すように風洞ケーシング24と仕切部材2
5との隙間に周方向に交互に排気通路29とリターン通
路27とを形成し、風洞ケーシング24内に排気通路2
9とリターン通路27とを納めているため、図1に示す
前実施形態のように風洞ケーシング3の外側に排気通路
16を形成するタイプに比べると、設置面積を小さくで
きる。
【0058】なお、本実施形態のように、風洞ケーシン
グ24の周方向に沿って排気通路29とリターン通路2
7とを交互に形成すると、図1に示す前実施形態よりも
排気通路29の排気口30の面積が小さくなるため、換
気流量が制限されることになるが、かかる小面積でも実
用上(ヘリコプタ訓練上)問題ないレベルまで空気流の
温度を下げられる。
【0059】さらに別の実施形態を図6乃至図8に示
す。
【0060】図示するようにこの回流式風洞装置1b
は、図3乃至図5を用いて説明した前実施形態と基本的
には同様の構造なので、同一の部品には同一の符号を付
して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0061】先ず、本実施形態の回流式風洞装置1b
は、図7に示すように四角筒状に形成された仕切部材2
5の下端部と底面23との隙間を周方向に沿って全て連
絡口28としている点が、図4に示すように上記隙間に
連絡口28と排気口30とを形成した前実施形態と相違
する。
【0062】また、本実施形態は、図7に示すように仕
切部材25と風洞ケーシング24との隙間を全てリター
ン通路27としている点が、図4に示すように上記隙間
にリターン通路27と排気通路29とを形成した前実施
形態と相違する。本実施形態の排気通路29は、図8に
示すように、リターン通路27の途中に排気口30を介
して接続されている。排気通路29および排気口30
は、図7に示すように四角筒状の風洞ケーシングの四隅
のみに配置される。
【0063】本実施形態によれば、前実施形態と同様の
作用効果を奏する上、前実施形態よるもリターン通路2
7の断面積および排気口28の面積が大きくなるため、
回流通路63の圧損が小さくなり、これにより空気流の
温度上昇が抑えられる。
【0064】さらに別の実施形態を図9に示す。
【0065】図示するようにこの回流式風洞装置1c
は、図3乃至図5に記載した実施形態に係る回流式風洞
装置1aの仕切部材25を省略したものであり、その他
は前記回流式風洞装置1aと同様の構成となっている。
よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略
し、相違点のみ説明する。
【0066】図9に示す回流式風洞装置1cによれば、
仕切部材25を省略しているので、送風機34の下方の
基盤59上に配置される供試体の設置面積を、仕切部材
25が有る図3乃至図5の回流式風洞装置1aよりも、
仕切部材25およびリターン通路27の分だけ拡大でき
る。よって、大型の供試体も風洞装置1cに供すること
ができる。この大型の供試体は、後述するように、一重
構造の扉61から装置1cの内部へアクセスされる。
【0067】また、回流式風洞装置1cによれば、仕切
部材25が省略されているため、装置1cの外郭構造が
風洞ケーシング24のみからなる一重構造となり、風洞
内部への出入口が一重構造の扉61となり、図3乃至図
5に示す装置1aのように、二重扉構造とする必要はな
い。よって、扉61の構造が簡単になって低コスト化を
図れると共に、扉61の開口面積を大きくし易いので前
述した大型物の搬入も容易となる。
【0068】なお、この回流式風洞装置1cのように、
仕切部材25を省略しても、図9(b) に示すように空気
が風洞内部を仕切部材25が有る場合と同様に乱れるこ
となく回流し、不都合が生じないことが確認されてい
る。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る回流式
風洞装置によれば、次のような効果を発揮できる。
【0070】(1)請求項1記載の発明によれば、回流通
路内を循環する空気の温度上昇の抑制と、外部への騒音
の低減とを両立できる。
【0071】(2)請求項2記載の発明によれば、循環空
気の温度を調節できる。
【0072】(3)請求項3記載の発明によれば、循環空
気の温度を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回流式風洞装置の概
要図である。
【図2】本発明者が先に開発した回流式風洞装置の概要
図である。
【図3】別の実施家形態に係る回流式風洞装置の側断面
図である。
【図4】図3の IV-IV線断面図である。
【図5】図4の V-V線断面図である。
【図6】さらに別の実施家形態に係る回流式風洞装置の
側断面図である。
【図7】図6の VII-VII線断面図である。
【図8】図7の VIII-VIII線断面図である。
【図9】さらに別の実施形態に係る回流式風洞装置の説
明図であり、図9(a) は図9(b) のa−a線断面図、図
9(b) は回流式風洞装置の側断面図、図9(c) は図9
(a) のc−c線断面図である。
【符号の説明】
1 回流式風洞装置 1a 回流式風洞装置 1b 回流式風洞装置 14 回流通路 15 正圧部としての排気口 16 排気通路 17 サイレンサ 18 ダンパ 19 負圧部としての吸気口 20 吸気通路 21 サイレンサ 29 排気通路 30 正圧部としての排気口 63 回流通路 65 サイレンサ 66 負圧部としての吸気口 67 吸気通路 68 サイレンサ 69 ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 守 東京都新宿区百人町一丁目15番18号 株式 会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気が循環する回流通路と、該回流通路
    の正圧部に接続された排気通路と、上記回流通路の負圧
    部に接続された吸気通路と、それら排気通路および吸気
    通路内に夫々設けられたサイレンサとを備えたことを特
    徴とする回流式風洞装置。
  2. 【請求項2】 上記吸気通路および排気通路の少なくと
    も一方に、ダンパを設けた請求項1記載の回流式風洞装
    置。
  3. 【請求項3】 上記吸気通路および排気通路の少なくと
    も一方に、ファンを設けた請求項1乃至2記載の回流式
    風洞装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10230013A1 (de) * 2002-07-04 2004-01-22 Bayerische Motoren Werke Ag Geschlossener Windkanal Göttinger Bauart
JP2010175422A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 風洞装置
CN108663187A (zh) * 2018-05-09 2018-10-16 复旦大学 基于手自动双模式功率匹配回流风洞加热系统及使用方法
CN108827590A (zh) * 2018-08-29 2018-11-16 中国环境科学研究院 一种基于双面腔体的风速、压力、温度标定系统
CN109406091A (zh) * 2018-12-06 2019-03-01 中国航空工业集团公司沈阳空气动力研究所 一种对冲型空气桥天平系统

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