JP2000219919A - オーステナイト系ステンレス薄鋼板の製造方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス薄鋼板の製造方法

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JP2000219919A
JP2000219919A JP11019811A JP1981199A JP2000219919A JP 2000219919 A JP2000219919 A JP 2000219919A JP 11019811 A JP11019811 A JP 11019811A JP 1981199 A JP1981199 A JP 1981199A JP 2000219919 A JP2000219919 A JP 2000219919A
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Minoru Nishimae
年 西前
Toshio Watabe
十四雄 渡部
Katsuichi Mori
勝一 毛利
Haruo Sakaguchi
治男 坂口
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Pacific Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造された薄鋼板の表面の光沢むらをなく
す。 【解決手段】 Cr17.5〜22.7重量%、Ni
7.5〜11.5重量%、C0.01〜0.06重量
%、Si0.2〜0.8重量%、Mn0.8〜2.4重
量%、P0.05重量%以下およびS0.03重量%以
下を含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオース
テナイト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造
圧延法により薄帯状鋳片を鋳造する。ついで、ショット
ブラストによってこの鋳片の表面の酸化皮膜を除去する
とともに、表面近傍に歪みを与える。ついで、この鋳片
を焼鈍、酸洗する。その後、この鋳片を冷間圧延し、冷
間圧延板を焼鈍、酸洗する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば厚さ
0.3〜0.5mm程度でかつ表面に光沢むらのないオ
ーステナイト系ステンレス薄鋼板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】オーステ
ナイト系ステンレス薄鋼板を製造する方法として、半連
続鋳造法により厚さ100〜150mm程度のスラブを
鋳造した後、このスラブに熱間圧延および冷間圧延を施
すことを含む方法に代わって、近年、オーステナイト系
ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延法によ
り厚さ2〜6mmの薄帯板を鋳造した後、焼鈍、酸洗
し、ついで冷間圧延し、さらに再度焼鈍、酸洗する方法
が採用されるようになってきている。
【0003】このような方法においては、冷間圧延後の
焼鈍により、板の表面および内部の加工歪みが解消され
るとともに、板の内部組織に再結晶が生じて冷間圧延時
に生じた組織の異方性および機械的性質の異方性が矯正
され、製造されたオーステナイト系ステンレス薄鋼板
は、機械的性質の基準を十分満たす。しかしながら、凝
固時または凝固直後の復熱時に生成、残存したδフェラ
イトは、その位置がγ結晶の粒界に存在したり、粒内に
存在したりして存在位置が一定でなく、また最終製品に
おいてもγオーステナイトへの固溶が十分でない。この
ことから、製造された薄鋼板の表面の結晶粒の大きさが
不均一になり、その結果として表面粗さが不均一になっ
て、製造された薄鋼板の表面に光沢むらが発生し、商品
としての価値を減じるという問題がある。この光沢むら
は、冷間圧延の圧延方向に平行な筋状の白く見える部分
(以下、白色部分という)と、同じく冷間圧延の圧延方
向に平行な筋状の灰色に見える部分(以下、灰色部分と
いう)とが、縞状に現れたものである。
【0004】そこで、このような光沢むらの発生を防止
する方法として、オーステナイト系ステンレス鋼の溶湯
から双ロール式連続鋳造圧延法により薄帯状鋳片を鋳造
する工程と、この鋳片を一旦γ単相温度領域まで冷却す
る工程と、この鋳片を再度δ+γの2相温度領域、また
はδ単相温度領域まで加熱した後γ単相温度領域まで冷
却する熱処理を施す工程と、熱処理後鋳片に冷間圧延を
施す工程とよりなる方法が知られている(特開平3−1
91025号公報参照)。
【0005】しかしながら、この方法では次のような問
題がある。すなわち、特開平3−191025号公報の
実施例を見ると、前記熱処理時におけるδ+γの2相温
度領域、またはδ単相温度領域までの加熱は、1350
〜1420℃で行われているが、このような高温に長時
間加熱すると、燃焼組織が現れ死鋼となるおそれがあ
る。しかも、加熱のためのエネルギコストが高くなる。
また、この加熱は2〜5秒程度の極めて短時間で行われ
るが、この場合1350〜1420℃という高温でかつ
短時間で加熱するための装置のコストが高くなる。
【0006】また、上述した光沢むらの発生を防止する
別な方法として、オーステナイト系ステンレス鋼の溶湯
から双ロール式連続鋳造圧延法により薄帯状鋳片を鋳造
する工程と、この鋳片を1200℃以上のα−γ遷移温
度に30分〜2時間加熱保持する拡散熱処理を施す工程
と、鋳片を冷間圧延する工程とを含む方法が知られてい
る(特開平4−254522号公報参照)。
【0007】しかしながら、この方法では非常に長い焼
鈍時間を必要とするので、板をライン焼鈍することは操
業上不可能であり、板を巻き取った後そのコイルを炉に
入れて焼鈍する必要がある。したがって、コイルの外周
側と内周側では、1時間程度の焼鈍時間のずれが生じる
こととなる。すなわち、コイルの外周側では大きな結晶
粒が分布し、コイルの内周側では比較的小さな結晶粒が
分布することになり、結晶粒の大きさに不均一が生じ
る。
【0008】この発明の目的は、上記問題を解決したオ
ーステナイト系ステンレス薄鋼板の製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と発明の効果】請求項1の
発明によるオーステナイト系ステンレス薄鋼板の製造方
法は、Cr17.5〜22.7重量%、Ni7.5〜1
1.5重量%、C0.01〜0.06重量%、Si0.
2〜0.8重量%、Mn0.8〜2.4重量%、P0.
05重量%以下およびS0.03重量%以下を含み、残
部Feおよび不可避不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延法により
薄帯状鋳片を鋳造した後、ショットブラストによってこ
の鋳片の表面の酸化皮膜を除去するとともに、表面近傍
に歪みを与え、ついで焼鈍、酸洗することを特徴とする
ものである。
【0010】請求項2の発明によるオーステナイト系ス
テンレス薄鋼板の製造方法は、Cr17.5〜22.7
重量%、Ni7.5〜11.5重量%、C0.01〜
0.06重量%、Si0.2〜0.8重量%、Mn0.
8〜2.4重量%、P0.05重量%以下およびS0.
03重量%以下を含み、残部Feおよび不可避不純物か
らなるオーステナイト系ステンレス鋼の溶湯から双ロー
ル式連続鋳造圧延法により薄帯状鋳片を鋳造した後酸洗
を行い、ついで鋳片の表面の凹凸を除去した後、ショッ
トブラストによって鋳片の表面に歪みを与え、ついで焼
鈍、酸洗することを特徴とするものである。
【0011】この発明の2つの方法において、焼鈍、酸
洗の後、鋳片を冷間圧延し、この冷冷間圧延板に、再度
焼鈍、酸洗を施すことによってオーステナイト系ステン
レス薄鋼板が製造される。
【0012】請求項2の発明の方法において、鋳片表面
の凹凸の除去は、たとえば鋳片の表面に研削加工を施す
ことによって行われる。研削によれば、鋳片の広範囲の
厚みむらを解消するとともに、表面に残存した酸化皮膜
を除去することができる。
【0013】請求項1および2の発明の方法は、本発明
者等が種々実験研究を行った結果、上述した光沢むらの
発生には、薄鋼板表面の表面粗さが大きく影響すること
を見出だしてなされたものである。
【0014】すなわち、本発明者等は、まずオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延
法により鋳造された薄帯状鋳片を冷間圧延してなる冷間
圧延板における白色部分および灰色部分の表面粗さ(十
点平均粗さ)Rzの推移を調べた。その結果を図1に示
す。図1から明らかなように、冷間圧延後の表面粗さは
白色部分と灰色部分とでは差はないが、焼鈍後および酸
洗後の表面粗さは白色部分では大きく、灰色部分では小
さくなっている。このような酸洗後の表面粗さの差はス
キンパスした後もそのまま残り、これが原因となって上
述したような光沢むらが発生すると考えられる。
【0015】次に、本発明者等は、上述したような表面
粗さの差が生じる理由を突き止めるために、製造された
薄鋼板の表面を詳細に観察し、その結晶粒度について検
討した。その結果、図2に示すように、白色部分では粒
度分布のピークが非常に微細な部分と比較的大きい部分
に2つあり、灰色部分では非常に微細な部分に1つであ
る。さらに、白色部分の表面においては、非常に微細な
結晶が塊状になって脱落している部分がある。こうし
た、脱落部分が、表面粗さとしては粗くなり、表面の反
射率が各部で異なって、光沢むらが発生すると考えられ
る。
【0016】以上から、光沢むらの発生を防止するに
は、表面の結晶粒の大きさを均一にすればよいことがわ
かる。
【0017】また、板の表面を詳細に観察すると、白色
部分と灰色部分とでは表面に残存するδフェライト相の
分布に違いがあることが分かった。すなわち、白色部分
ではδ相はγ結晶粒の粒界に存在しているのに対し、灰
色部分ではδ相はγ結晶粒の粒内に存在している。一般
に、再結晶が起こる場合には、そのもともとの結晶粒界
が、再結晶の起点となりやすい。そして、第2相である
δ相の存在位置が上述のように異なることにより、再結
晶の起こり易さが異なるであろうことが容易に考えられ
る。このようにδ相の残存位置が相違することにより、
板表面の結晶粒の大きさに不均一を生じ、結果として表
面に光沢むらが発生することになる。
【0018】次に、本発明者等は、δ相の残存位置が異
なる原因について調べた。図3にオーステナイト系ステ
ンレス鋼のFe−Cr−Ni3元状態図(Cr当量とN
i当量との和が30%の垂直断面図)を示す。但し、C
r当量=Cr%+Mo%+1.5Si%+0.5Nb%
で表され、Ni当量=Ni%+30(C%+N%)+
0.5Mn%で表される。請求項1の発明の成分範囲の
場合、図3のXで示す範囲となる。すなわち、請求項1
の発明の成分範囲では、液体からのδ相の晶出で凝固が
始まり、液体とδ相とγ相の3相共存の状態を経て、凝
固終了時点ではγ相とδ相とが共存している。双ロール
式連続鋳造圧延法においては、溶湯が各ロールに接する
ことにより熱を奪われ、溶湯が凝固温度以下になって凝
固を開始し、2つの凝固シェルが生成するとともにこれ
らの凝固シェルが互いに圧着される。ロールに最近接し
た点では、ロールに強く接触するので大きな抜熱が生
じ、鋳片表面温度は低下するが、内部の温度は高温のま
まである。このとき、ロール表面の汚れ、溶湯表面での
酸化物の巻込み、ロールと溶湯との接触の不均一性によ
って、鋳片全体での抜熱量が一定であり、鋳片の厚さが
一定であっても、鋳片表面からの抜熱は、ロールの長さ
方向に関しては一定とはならない。したがって、ロール
から鋳片が出た後の復熱過程において、抜熱が小さい領
域では復熱速度が小さいのに対し、抜熱が大きく、表面
温度が大きく低下した領域では復熱速度が大きくなり、
図3の状態図上においてγ単相領域からγ+δの2相領
域になる。
【0019】凝固完了時、すなわちロールから出た直後
においては、δ相はγ相に囲まれたように粒内に存在
し、復熱速度が小さい場合には、一部のδ相が成長する
ことで復熱時に必要なδ相が生成するので、δ相は凝固
時と同じ粒内に存在する。これに対し、復熱速度が大き
い場合には、δ相の成長と同時に析出が起こる。すなわ
ち、γ粒界が析出開始位置となり、一部γ粒内にδ相を
残したまま、γ粒界にδ相が残存する。
【0020】鋳造終了後、焼鈍および酸洗が行われ、冷
間圧延の後さらに焼鈍、酸洗された各段階での白色部分
および灰色部分におけるδ相の存在位置を図4に示す。
図4[A]に示すように、白色部分では、ロールから出
た直後においては、δ相はγ相に囲まれたように粒内に
存在し(図4[A](a) 参照)、鋳造後の復熱速度が小
さいために復熱後δ相はγ粒内に存在する(図4[A]
(b) 参照)。ついで、冷間圧延によってもδ相の存在位
置は変わらず(図4[A](c) 参照)、冷間圧延後の焼
鈍による再結晶にさいしてはγ粒界が再結晶の起点とな
り易いことから、結果として再結晶時に粒界にδ相が残
存すると考えられる(図4[A](d) 参照)。これに対
し、図4[B]に示すように、灰色部分では、ロールか
ら出た直後においては、δ相はγ相に囲まれたように粒
内に存在し(図4[B](a) 参照)、鋳造後の復熱速度
が大きいために復熱後δ相はγ粒界に残存する(図4
[B](b) 参照)。ついで、冷間圧延によってもδ相の
存在位置は変わらず(図4[B](c) 参照)、冷間圧延
後の焼鈍による再結晶にさいしてはγ粒界が再結晶の起
点となり易いことから、結果として再結晶時にδ相がγ
相に囲まれた粒内に残存すると考えられる(図4[B]
(d) 参照)。
【0021】このように、復熱後のδ相の残存位置が不
均一に分布することによって、後の工程である焼鈍によ
り生じる再結晶に差が生じ、表面の粗さが異なることが
原因で表面に光沢むらが発生するものと考えられる。
【0022】したがって、δフェライトを十分にγ相に
固溶させるか、あるいはδ相の残存位置を、再結晶時に
差が生じないように分布させることによって、光沢むら
の発生を防止しうることが判明した。
【0023】請求項1および2の発明の方法によれば、
鋳片の表面に歪みを与えた後に焼鈍するので、表面部の
再結晶が十分に進む。表面近傍のδ相は、機械的に分断
または変形しており、焼鈍時の加熱によってγ相への固
溶が促進され、結果としてδ相が減少し、その残存位置
がγ結晶粒界であるか粒内であるかにかかわらず、表面
光沢の不均一度が目立つほどには表面粗さに差が生じな
くなるものと考えられる。
【0024】請求項1の発明の方法によれば、ショット
ブラスト処理を施すことで、化学的な処理で鋳片表面の
酸化皮膜を除去する工程を省略することができるのみな
らず、ショットブラストにより鋳片の表面に歪みを与え
ているので、鋳片の厚みが一部不均一になっていたとし
ても、鋳片表面には一定の歪みを与えることができ、次
の工程である焼鈍処理によって、鋳片表面近傍の再結晶
粒の大きさが均一となり、表面光沢の均一化に有効に働
く。
【0025】また、請求項2の発明の方法によれば、シ
ョットブラストにより鋳片の表面に歪みを与える前に酸
洗を施し、さらに鋳片表面の凹凸を除去しているので、
表面の酸化皮膜が完全に除去されており、ショットブラ
ストのエネルギは、酸化膜除去に費やされることなく、
鋳片表面への歪み付与のみに寄与する。したがって、鋳
片表面に均一に歪みを与えることができ、次の工程であ
る焼鈍処理によって、鋳片表面近傍の再結晶粒の大きさ
が均一となり、表面光沢の均一化に有効に働く。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的実施例に
ついて、比較例とともに説明する。
【0027】実施例1 Cr18.38重量%、Ni8.63重量%、C0.0
68重量%、Si0.43重量%、Mn1.08重量
%、P0.035重量%およびS0.0022重量%を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延
法により厚さ2.5mmの薄帯状鋳片を鋳造した。つい
で、球径1mmのショットを用いたショットブラストに
よって、この鋳片表面の酸化皮膜を除去するとともに、
表面近傍に歪みを与えた。ついで、この鋳片に1100
℃×3.8分の焼鈍処理を施し、さらに酸洗を施した。
その後、この鋳片を1.3mmの厚さまで冷間圧延し、
1100℃×2分の焼鈍を施し、さらに0.5mmまで
冷間圧延した後1100℃×0.8分の焼鈍を施した。
【0028】こうして、製造された薄鋼板の表面を観察
したところ、光沢むらは発生しておらず、美麗な表面と
なっていた。
【0029】実施例2 Cr18.38重量%、Ni8.63重量%、C0.0
68重量%、Si0.43重量%、Mn1.08重量
%、P0.035重量%およびS0.0022重量%を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延
法により厚さ2.5mmの薄帯状鋳片を鋳造した。つい
で、鋳片表面の酸化皮膜を酸洗により除去した後、0.
1mm以下の研削を行って表面の凹凸を除去した。つい
で、球径1mmのショットを用いたショットブラストに
よって、この鋳片表面の酸化皮膜を除去するとともに、
表面近傍に歪みを与えた。ついで、この鋳片に1100
℃×3.8分の焼鈍処理を施し、さらに酸洗を施した。
その後、この鋳片を1.3mmの厚さまで冷間圧延し、
1100℃×2分の焼鈍を施し、さらに0.5mmまで
冷間圧延した後1100℃×0.8分の焼鈍を施した。
【0030】こうして、製造された薄鋼板の表面を観察
したところ、光沢むらは発生しておらず、美麗な表面と
なっていた。
【0031】比較例 Cr18.38重量%、Ni8.63重量%、C0.0
68重量%、Si0.43重量%、Mn1.08重量
%、P0.035重量%およびS0.0022重量%を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造圧延
法により厚さ2.5mmの薄帯状鋳片を鋳造した。つい
で、この鋳片に1100℃×3.8分の焼鈍処理を施
し、さらに酸洗を施した。その後、この鋳片を1.3m
mの厚さまで冷間圧延し、1100℃×2分の焼鈍を施
し、さらに0.5mmまで冷間圧延した後1100℃×
0.8分の焼鈍を施した。
【0032】こうして、製造された薄鋼板の表面を観察
したところ、光沢むらが発生していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーステナイト系ステンレス鋼の溶湯から双ロ
ール式連続鋳造圧延法により鋳造された薄帯状鋳片を冷
間圧延してなる冷間圧延板における白色部分および灰色
部分の表面粗さの推移を示すグラフである。
【図2】従来法により製造された薄鋼板の表面の結晶粒
度の粒度分布を示す図である。
【図3】オーステナイト系ステンレス鋼のFe−Cr−
Ni3元状態図(Cr等量とNi等量との和が30%の
垂直断面図)である。
【図4】鋳造終了後、焼鈍および酸洗が行われ、冷間圧
延の後さらに焼鈍、酸洗された各段階での白色部分およ
び灰色部分におけるδ相の存在位置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/58 C22C 38/58 (72)発明者 渡部 十四雄 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 大 平洋金属株式会社内 (72)発明者 毛利 勝一 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 坂口 治男 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 Fターム(参考) 4E004 DA13 SD02 4K037 EA05 EA12 EA15 EA16 EA21 EA23 EA25 EA27 EB05 EB08 EB09 EC02 EC05 FF03 FG03 FH01 FH05 FJ07 GA08 HA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr17.5〜22.7重量%、Ni
    7.5〜11.5重量%、C0.01〜0.06重量
    %、Si0.2〜0.8重量%、Mn0.8〜2.4重
    量%、P0.05重量%以下およびS0.03重量%以
    下を含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオース
    テナイト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造
    圧延法により薄帯状鋳片を鋳造した後、ショットブラス
    トによってこの鋳片の表面の酸化皮膜を除去するととも
    に、表面近傍に歪みを与え、ついで焼鈍、酸洗すること
    を特徴とするオーステナイト系ステンレス薄鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 Cr17.5〜22.7重量%、Ni
    7.5〜11.5重量%、C0.01〜0.06重量
    %、Si0.2〜0.8重量%、Mn0.8〜2.4重
    量%、P0.05重量%以下およびS0.03重量%以
    下を含み、残部Feおよび不可避不純物からなるオース
    テナイト系ステンレス鋼の溶湯から双ロール式連続鋳造
    圧延法により薄帯状鋳片を鋳造した後酸洗を行い、つい
    で鋳片の表面の凹凸を除去した後、ショットブラストに
    よって鋳片の表面に歪みを与え、ついで焼鈍、酸洗する
    ことを特徴とするオーステナイト系ステンレス薄鋼板の
    製造方法。
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