JP2000219767A - 多孔質フィルムとその製造方法 - Google Patents
多孔質フィルムとその製造方法Info
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Abstract
池用セパレータやフィルターにおける透過膜等として好
適に用いることができる多孔質フィルムとその製造方法
を提供することにある。 【解決手段】本発明による多孔質フィルムは、(a) 重量
平均分子量が5×105 以上の超高分子量ポリオレフィ
ン樹脂60〜99重量%と、(b) エチレンブロック、水
素添加されたブタジエンブロック及び水素添加されたイ
ソプレンブロックから選ばれる少なくとも1種70〜9
0重量%とスチレンブロック10〜30重量%の共重合
体からなり、重量平均分子量が1×104 〜2×105
の範囲にある飽和型熱可塑性エラストマー1〜40重量
%とを含む重合体組成物からなり、厚みが1〜80μm
の範囲にあり、突き刺し強度が25μm当たり、400
gf以上、空孔率が70%以上、通気度が150秒/1
00cc以下、貫通孔の平均孔径が0.5μm以下の範囲
にあることを特徴とする。
Description
レフィン樹脂を含む重合体組成物からなる多孔質フィル
ムとその製造方法に関し、詳しくは、高強度、高空孔
率、高通気性を有し、特に、リチウムイオン電池やニッ
ケル水素電池等におけるセパレータや、種々のフィルタ
ーにおける透過膜等として好適に用いることができる多
孔質フィルムとその製造方法に関する。
が、最近、電子機器のコードレス化等に対応するため
に、軽量で、高起電力、高エネルギーを得ることがで
き、しかも、自己放電が少ないリチウムイオン電池やニ
ッケル水素電池が注目を集めている。例えば、円筒形リ
チウムイオン二次電池は、携帯電話やノートブックパソ
コン用として、多量に用いられており、更に、今後、電
気自動車用バッテリーとして期待されている。
と負極との間に、それら電極間の短絡を防止するために
セパレータが設けられている。このようなセパレータと
しては、通常、正極負極間のイオンの透過性を確保する
ために、多数の微細孔を有する多孔質フイルムが用いら
れているが、このようなセパレータ用の多孔質フイルム
には、電池特性に関係して、種々の特性が要求され、な
かでも、高強度、高空孔率、高通気性を有することが重
要な要求特性である。
立作業性の向上や内部短絡不良率の低下に貢献し、更に
は、セパレータの薄膜化による容量の向上に繋がる。フ
ィルムが高空孔率、高通気性を有することは、フィルム
のイオン透過性を向上させ、充放電特性、特に、高レー
ト時の充放電特性や電解液の保液性を向上させる。
の製造方法として、例えば、特開平9−87413号公
報に記載されているように、超高分子量ポリオレフィン
樹脂を適宜の溶媒中、加熱して溶解し、これをゲル状の
シートに成形した後、延伸処理し、次いで、脱溶媒処理
を行なって、シート中に残存する溶媒を除去することに
よって、多孔質フィルムを製造する方法が提案されてい
る。しかし、この方法によれば、得られる多孔質フィル
ムは、空孔率が40%程度であり、突き刺し強度も45
0〜550gf程度であって、いずれも、未だ不十分で
ある。
は、スチレン−水素添加されたブタジエンブロック共重
合体と高密度ポリエチレンとの重合体組成物からなる多
孔質フィルムが記載されているが、空孔率は55%前
後、突き刺し強度も550〜700gf程度にとどまっ
ている。
ルムにおける上述したような問題を解決するためになさ
れたものであって、高強度、高空孔率、高通気性を有
し、特に、電池用セパレータやフィルターにおける透過
膜等として好適に用いることができる多孔質フィルムと
その製造方法を提供することを目的とする。
ルムは、(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超高分
子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、(b) エチ
レンブロック、水素添加されたブタジエンブロック及び
水素添加されたイソプレンブロックから選ばれる少なく
とも1種70〜90重量%とスチレンブロック10〜3
0重量%の共重合体からなり、重量平均分子量が1×1
04 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性エラスト
マー1〜40重量%とを含む重合体組成物からなり、厚
みが1〜80μmの範囲にあり、突き刺し強度が25μ
m当たり、400gf以上、空孔率が60%以上、通気
度が200秒/100cc以下、貫通孔の平均孔径が0.
1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする。
は、(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超高分子量
ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、(b) エチレン
ブロック、水素添加されたブタジエンブロック及び水素
添加されたイソプレンブロックから選ばれる少なくとも
1種70〜90重量%とスチレンブロック10〜30重
量%の共重合体からなり、重量平均分子量が1×104
〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性エラストマー
1〜40重量%とを含む重合体組成物5〜30重量%と
溶媒70〜95重量%とを加熱し、上記重合体組成物を
上記溶媒中に溶解させ、得られた溶液を115〜185
℃の範囲の温度で混練りし、次いで、得られた混練り物
を用いた溶媒の凝固点以下の温度まで冷却しながら、ゲ
ル状シートに成形して、超高分子量ポリオレフィン樹脂
を結晶化させ、次いで、上記超高分子量ポリオレフィン
樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル状シートを(M+
5)℃から(M−30)℃の範囲の温度にて圧延して、
圧延フィルムとした後、この圧延フィルムから上記溶媒
を抽出し、次いで、この脱溶媒した圧延フィルムを(M
+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度にて二軸延伸
して、延伸フィルムとすることを特徴とする。
オレフィン樹脂は、重量平均分子量が5×105 〜20
×106 の範囲にあり、好ましくは、1×106 〜15
×106 の範囲にあるものである。このような超高分子
量ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン等の単独重合体、共重合体又はこれらの混合
物を挙げることができる。しかし、なかでも、本発明に
おいては、超高分子量ポリエチレン樹脂が好ましく用い
られる。
マーは、エチレンブロック、水素添加されたブタジエン
ブロック及び水素添加されたイソプレンブロックから選
ばれる少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロ
ック10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分
子量が1×104 〜2×105 の範囲にあり、好ましく
は、エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種80〜90重量%とスチレンブロック
10〜20重量%の共重合体からなる。
子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と飽和型熱可
塑性エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物
5〜30重量%と溶媒70〜95重量%とからなる混合
物を加熱し、上記重合体組成物を上記溶媒中に溶解さ
せ、かくして、得られた溶液を115〜185℃の範囲
の温度で混練りして、混練り物を調製する。
ン樹脂の溶液の均一な混練り物を得るための条件の第1
は、エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
10〜30重量%とからなる飽和型熱可塑性エラストマ
ーを超高分子量ポリオレフィン樹脂と共に用いることで
ある。
高分子量ポリオレフィン樹脂の可塑剤として機能して、
超高分子量ポリオレフィン樹脂溶液の混練り時の粘度を
低くすることができ、かくして、本発明によれば、溶液
が超高分子量ポリオレフィン樹脂を高濃度に含むにもか
かわらず、超高分子量ポリオレフィン樹脂を均一に混練
りすることができ、このような均一な混練り物から均質
なゲル状シートを容易に得ることができ、更に、得られ
たゲル状シートは、圧延性や延伸性にすぐれており、か
くして、本発明によれば、最終的に高強度、高空孔率、
高通気性を有する多孔質フィルムを得ることができる。
けるスチレンブロック含有量が30重量%を越えるとき
は、超高分子量ポリオレフィン樹脂との相溶性が悪く、
超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラス
トマーとの溶液を混練りする際に、飽和型熱可塑性エラ
ストマーが相分離を起こし、均一な混練り物を得ること
ができず、このような混練り物は、均質なゲル状シート
に成形することができない。
ン樹脂に対する飽和型熱可塑性エラストマーの配合割合
は、超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エ
ラストマーとからなる重合体組成物において、1〜40
重量%の範囲である。飽和型熱可塑性エラストマーの割
合が40重量%を越えるときは、超高分子量ポリオレフ
ィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとを溶媒に溶解
し、これを混練りするときに、上記エラストマーが相分
離を起こし、混練り物が不均一となって、最終的に均一
な多孔質構造を有する多孔質フィルムを得ることができ
ない。また、飽和型熱可塑性エラストマーの割合が40
重量%を越えるときは、重合体組成物における超高分子
量ポリオレフィン樹脂の割合が少ないので、得られる多
孔質フィルムが高強度を有しない。
が1重量%よりも少ないときは、飽和型熱可塑性エラス
トマーを配合することによる混練り性の改善効果を得る
ことができない。即ち、超高分子量ポリオレフィン樹脂
を含むポリオレフィンの均一な混練り物を得ることがで
きず、均質な多孔質構造をもつ多孔質フィルムを得るこ
とができない。
レフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとをよく溶
解すると共に、凝固点が−10℃以下のものであれば、
特に、限定されるものではないが、特に、本発明におい
ては、凝固点が−10℃から−45℃の範囲のものが好
ましく用いられる。そのような溶媒の好ましい具体例と
して、例えば、デカン、デカリン、流動パラフィン等の
脂肪族又は環式炭化水素や、凝固点がこれらに対応する
鉱油留分を挙げることができる。しかし、なかでも、流
動パラフィンのような不揮発性溶媒が好ましく、特に、
凝固点が−15℃以下であり、40℃における動粘度が
65cst以下の不揮発性溶媒が好ましく用いられる。
レフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとからなる
重合体組成物を溶媒に溶解させてなる溶液を混練りする
に際して、185℃を越える温度で混練りするときは、
溶液の粘度が低すぎて、混練り物に十分なせん断力を作
用させることができず、他方、混練温度が115℃より
も低いときは、上記重合体組成物を効果的に混練するこ
とができず、かくして、上記重合体組成物の混練りにお
いて、重合体鎖の絡み合い、特に、超高分子量ポリオレ
フィン樹脂の重合体鎖の十分な絡み合いを得ることが困
難である。
ポリオレフィン樹脂の重合体鎖の十分な絡み合いを得る
ために、前記超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱
可塑性エラストマーと溶媒との溶液状混合物に高いせん
断力を作用させつつ、混練りすることが好ましい。混練
り時に、十分なせん断力を作用させることができないと
きは、特に、超高分子量ポリオレフィン樹脂の重合体鎖
の十分な絡み合いを得ることができないことがある。従
って、本発明によれば、超高分子量ポリオレフィン樹脂
と飽和型熱可塑性エラストマーと溶媒との溶液状混合物
の混練りには、通常、混合物に強いせん断力を与えるこ
とができるニーダや二軸押出機等が好ましく用いられ
る。
得られたポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラスト
マーと溶媒との溶液状の混練り物を用いた溶媒の凝固点
以下の温度、好ましくは、−10℃から−45℃の範囲
の温度、好ましくは、−15℃〜−40℃の範囲の温度
に冷却しながら、通常、1〜20mm、好ましくは、2
〜10mmの範囲の厚みのゲル状シートに成形して、超
高分子量ポリオレフィン樹脂を結晶化させる。
脂と飽和型熱可塑性エラストマーと溶媒との溶液状の混
練り物を用いた溶媒の凝固点以下の温度に冷却するに
は、特に、限定されるものではないが、例えば、予め2
枚の金属板をドライアイスにて冷却しておき、これら金
属板の間に上記混練り物を挟み、混練り物を加圧して、
シートに成形すればよい。
ら、シートに成形する際、得られるシートの表面層のみ
ならず、シートの中心部まで、樹脂が微細に結晶化し
て、最終的に高強度、高空孔率で、均一な多孔質構造を
有する多孔質フィルムを得ることができるように、混練
り物を急冷することが好ましく、従って、その冷却速度
は平均で50℃/分以上が好ましい。
量ポリオレフィン樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル
状シートを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温
度、好ましくは、M℃から(M−25)℃の範囲の温度
にて、例えば、ヒートプレスを用いて、厚み0.1〜3m
m、好ましくは、0.2〜1.5mmに圧延する。上記融点
は、DSC測定におけるオンセット温度である。この圧
延によって、ゲル状シートを均一な厚みを有する圧延フ
ィルムとすることができる。
得られた圧延フィルムから適宜の溶剤を用いてフィルム
中に残留する溶媒を除去して、多孔質フィルムとする。
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、塩
化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ジエチル
エーテル、ジオキサン等のエーテル類等の易揮発性のも
のが好ましく用いられる。これらの溶剤は、超高分子量
ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとか
らなる組成物の溶液の調製に用いた溶媒に応じて適宜に
選ばれる。延伸フィルム中の溶媒を除去するには、例え
ば、延伸フィルムを溶剤に浸漬すればよい。
℃から(M−30)℃の範囲の温度、好ましくは、M℃
から(M−25)℃の範囲の温度にて、二軸延伸する。
この二軸延伸は、逐次又は同時二軸延伸のいずれによっ
てもよいが、好ましくは、同時二軸延伸する。本発明に
おいて、圧延フィルムの延伸倍率は、一方向に2倍以上
であり、面積延伸倍率は10倍以上であり、好ましく
は、一方向に2〜20倍であり、面積延伸倍率は4〜4
00倍の範囲である。
の熱収縮を防止するために、加熱して、ヒートセット
(熱固定)してもよい。
質フィルムは、厚みが1〜80μm、好ましくは、10
〜50μmの範囲にあり、突き刺し強度が25μm当た
り、400gf以上、好ましくは、400〜550gf
の範囲にあり、空孔率が60%以上、好ましい態様によ
れば、70〜75%の範囲にあり、通気度が200秒/
100cc以下、BJH法で測定した貫通孔の平均孔径
が0.1〜1.0μm、好ましい態様によれば、0.2〜0.4
μmの範囲にある。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、用いた樹脂の融点や、得られた多孔
質フィルムの特性は、次のようにして評価した。
を融点とした。 重量平均分子量 ゲル浸透クロマトグラフ(ウォーターズ社製、GPC−
150C)を用い、溶媒にo−ジクロロベンゼンを、ま
た、カラムとしてShodex−80M(昭和電工
(株)製)を用いて温度135℃で測定した。データ処
理は、TRC社製データ処理システムを用いて行なっ
た。分子量はポリスチレンを基準として算出した。 フィルムの厚み 1/10000mmシックネスゲージ及び多孔質フイル
ムの断面の1万倍走査電子顕微鏡写真から測定した。 空孔率 フィルムの単位面積S当たりの重量W、平均厚みt及び
密度dから下式にて算出した。 空孔率(%)=(1−(104 ×W/S/t/d))×
100
て、突き刺し試験を行なった。得られた荷重変位曲線か
ら最大荷重を読み取り、突き刺し強度とした。針は、直
径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用い、2
cm/秒の速度で行なった。 貫通孔の平均孔径及び最大孔径 (株)島津製作所製の窒素の吸脱着方式による比表面積
・細孔分布測定器ASAP2010を用いて、BJH法
にて孔径の分布を測定し、これより平均孔径を求めた。 純水の透水率 直径47mmの円形に切り取った多孔質膜をエタノール
に10分間、浸漬して親水化処理した後、水洗して、エ
タノールを除去した。0.5気圧の減圧下に超純水50m
Lが通過する時間を計測して、透水率を求めた。
脂は、重量平均分子量200万、融点134℃のものを
用い、溶媒には、流動パラフィン(凝固点−15℃、4
0℃における動粘度59cst)を用いた。
ック13重量%と水素添加されたイソプレンブロック8
7重量%とからなる重量平均分子量2万の飽和型熱可塑
性エラストマー2重量部と共に、流動パラフィン85重
量部に加え、スラリーとし、これを小型ニーダに仕込
み、160℃の温度で約50分間、加熱し、溶解させ、
混練りして、超高分子量ポリエチレン樹脂と飽和型熱可
塑性エラストマーと溶媒との混練り物を得た。この後、
この混練り物を−15℃まで急冷しながら、厚み5mm
のゲル状シートに成形して、超高分子量ポリエチレン樹
脂を結晶化させた。
厚みが0.5mmになるまでヒートプレスにて圧延した
後、メチルエチルケトンに浸漬して、上記流動パラフィ
ンを抽出し、次いで、約120℃の温度で縦横3.5×3.
5倍に同時二軸延伸して、多孔質フイルムを得た。得ら
れた多孔質フィルムの厚み、空孔率、通気性、突き刺し
強度、平均孔径及び純水透水率を表1に示す。
量部と、スチレンブロック20重量%とイソプレンブロ
ック80重量%とからなる重量平均分子量2万の飽和型
熱可塑性エラストマー1重量部を用いた以外は、実施例
1と同様にして、本発明による多孔質フイルムを得た。
通気性、突き刺し強度、平均孔径及び純水透水率を表1
に示す。
量部と飽和型熱可塑性エラストマー2重量部に代えて、
超高分子量ポリエチレン樹脂15重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にして、多孔質フイルムを得た。
通気性、突き刺し強度、平均孔径及び純水透水率を表1
に示す。
熱可塑性エラストマーを超高分子量ポリオレフィン樹脂
の可塑剤として作用させるので、高濃度で均一な超高分
子量ポリオレフィン樹脂の溶液を得ることができ、この
ような溶液を急冷してゲル状シートとし、これを圧延
し、溶媒を除去し、延伸することによって、高強度、高
空孔率、高通気性を有する多孔質フィルムを得ることが
できる。このような多孔質フィルムは、電池用セパレー
タや分離膜として好適に用いることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超
高分子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、 (b) エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分子量
が1×104 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性
エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物から
なり、厚みが1〜80μmの範囲にあり、突き刺し強度
が25μm当たり、400gf以上、空孔率が60%以
上、通気度が200秒/100cc以下、貫通孔の平均
孔径が0.1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする多
孔質フィルム。 - 【請求項2】(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超
高分子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、 (b) エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分子量
が1×104 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性
エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物5〜
30重量%と溶媒70〜95重量%とを加熱し、上記重
合体組成物を上記溶媒中に溶解させ、得られた溶液を1
15〜185℃の範囲の温度で混練りし、次いで、得ら
れた混練り物を用いた溶媒の凝固点以下の温度まで冷却
しながら、ゲル状シートに成形して、超高分子量ポリオ
レフィン樹脂を結晶化させ、次いで、上記超高分子量ポ
リオレフィン樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル状シ
ートを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度に
て圧延して、圧延フィルムとした後、この圧延フィルム
から上記溶媒を抽出し、次いで、この脱溶媒した圧延フ
ィルムを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度
にて二軸延伸して、延伸フィルムとすることを特徴とす
る多孔質フイルムの製造方法。 - 【請求項3】超高分子量ポリオレフィン樹脂が重量平均
分子量1×106 〜15×106 の範囲の超高分子量ポ
リエチレン樹脂である請求項2に記載の多孔質フィルム
の製造方法。 - 【請求項4】溶媒が流動パラフィンである請求項2に記
載の多孔質フイルムの製造方法。 - 【請求項5】脱溶媒した圧延フィルムから延伸フィルム
への延伸倍率が面積倍率にて4〜400倍の範囲である
請求項2に記載の多孔質フイルムの製造方法。
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---|---|---|---|
JP02250499A JP4181677B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 多孔質フィルムとその製造方法 |
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