JP2000219767A - 多孔質フィルムとその製造方法 - Google Patents

多孔質フィルムとその製造方法

Info

Publication number
JP2000219767A
JP2000219767A JP11022504A JP2250499A JP2000219767A JP 2000219767 A JP2000219767 A JP 2000219767A JP 11022504 A JP11022504 A JP 11022504A JP 2250499 A JP2250499 A JP 2250499A JP 2000219767 A JP2000219767 A JP 2000219767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
molecular weight
polyolefin resin
block
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11022504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4181677B2 (ja
Inventor
Tomoaki Ichikawa
智昭 市川
Kazunari Yamamoto
一成 山本
Toshisuke Nomi
俊祐 能見
Yoshihiro Uetani
慶裕 植谷
Mutsuko Yamaguchi
睦子 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP02250499A priority Critical patent/JP4181677B2/ja
Publication of JP2000219767A publication Critical patent/JP2000219767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4181677B2 publication Critical patent/JP4181677B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度、高空孔率、高通気性を有し、特に、電
池用セパレータやフィルターにおける透過膜等として好
適に用いることができる多孔質フィルムとその製造方法
を提供することにある。 【解決手段】本発明による多孔質フィルムは、(a) 重量
平均分子量が5×105 以上の超高分子量ポリオレフィ
ン樹脂60〜99重量%と、(b) エチレンブロック、水
素添加されたブタジエンブロック及び水素添加されたイ
ソプレンブロックから選ばれる少なくとも1種70〜9
0重量%とスチレンブロック10〜30重量%の共重合
体からなり、重量平均分子量が1×104 〜2×105
の範囲にある飽和型熱可塑性エラストマー1〜40重量
%とを含む重合体組成物からなり、厚みが1〜80μm
の範囲にあり、突き刺し強度が25μm当たり、400
gf以上、空孔率が70%以上、通気度が150秒/1
00cc以下、貫通孔の平均孔径が0.5μm以下の範囲
にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高分子量ポリオ
レフィン樹脂を含む重合体組成物からなる多孔質フィル
ムとその製造方法に関し、詳しくは、高強度、高空孔
率、高通気性を有し、特に、リチウムイオン電池やニッ
ケル水素電池等におけるセパレータや、種々のフィルタ
ーにおける透過膜等として好適に用いることができる多
孔質フィルムとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の電池が実用に供されている
が、最近、電子機器のコードレス化等に対応するため
に、軽量で、高起電力、高エネルギーを得ることがで
き、しかも、自己放電が少ないリチウムイオン電池やニ
ッケル水素電池が注目を集めている。例えば、円筒形リ
チウムイオン二次電池は、携帯電話やノートブックパソ
コン用として、多量に用いられており、更に、今後、電
気自動車用バッテリーとして期待されている。
【0003】一般に、このような電池においては、正極
と負極との間に、それら電極間の短絡を防止するために
セパレータが設けられている。このようなセパレータと
しては、通常、正極負極間のイオンの透過性を確保する
ために、多数の微細孔を有する多孔質フイルムが用いら
れているが、このようなセパレータ用の多孔質フイルム
には、電池特性に関係して、種々の特性が要求され、な
かでも、高強度、高空孔率、高通気性を有することが重
要な要求特性である。
【0004】フィルムが高強度であることは、電池の組
立作業性の向上や内部短絡不良率の低下に貢献し、更に
は、セパレータの薄膜化による容量の向上に繋がる。フ
ィルムが高空孔率、高通気性を有することは、フィルム
のイオン透過性を向上させ、充放電特性、特に、高レー
ト時の充放電特性や電解液の保液性を向上させる。
【0005】このようなセパレータ用の多孔質フィルム
の製造方法として、例えば、特開平9−87413号公
報に記載されているように、超高分子量ポリオレフィン
樹脂を適宜の溶媒中、加熱して溶解し、これをゲル状の
シートに成形した後、延伸処理し、次いで、脱溶媒処理
を行なって、シート中に残存する溶媒を除去することに
よって、多孔質フィルムを製造する方法が提案されてい
る。しかし、この方法によれば、得られる多孔質フィル
ムは、空孔率が40%程度であり、突き刺し強度も45
0〜550gf程度であって、いずれも、未だ不十分で
ある。
【0006】また、特開平9−169867号公報に
は、スチレン−水素添加されたブタジエンブロック共重
合体と高密度ポリエチレンとの重合体組成物からなる多
孔質フィルムが記載されているが、空孔率は55%前
後、突き刺し強度も550〜700gf程度にとどまっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多孔質フィ
ルムにおける上述したような問題を解決するためになさ
れたものであって、高強度、高空孔率、高通気性を有
し、特に、電池用セパレータやフィルターにおける透過
膜等として好適に用いることができる多孔質フィルムと
その製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明による多孔質フィ
ルムは、(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超高分
子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、(b) エチ
レンブロック、水素添加されたブタジエンブロック及び
水素添加されたイソプレンブロックから選ばれる少なく
とも1種70〜90重量%とスチレンブロック10〜3
0重量%の共重合体からなり、重量平均分子量が1×1
4 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性エラスト
マー1〜40重量%とを含む重合体組成物からなり、厚
みが1〜80μmの範囲にあり、突き刺し強度が25μ
m当たり、400gf以上、空孔率が60%以上、通気
度が200秒/100cc以下、貫通孔の平均孔径が0.
1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする。
【0009】本発明による多孔質フィルムの製造方法
は、(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超高分子量
ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、(b) エチレン
ブロック、水素添加されたブタジエンブロック及び水素
添加されたイソプレンブロックから選ばれる少なくとも
1種70〜90重量%とスチレンブロック10〜30重
量%の共重合体からなり、重量平均分子量が1×104
〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性エラストマー
1〜40重量%とを含む重合体組成物5〜30重量%と
溶媒70〜95重量%とを加熱し、上記重合体組成物を
上記溶媒中に溶解させ、得られた溶液を115〜185
℃の範囲の温度で混練りし、次いで、得られた混練り物
を用いた溶媒の凝固点以下の温度まで冷却しながら、ゲ
ル状シートに成形して、超高分子量ポリオレフィン樹脂
を結晶化させ、次いで、上記超高分子量ポリオレフィン
樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル状シートを(M+
5)℃から(M−30)℃の範囲の温度にて圧延して、
圧延フィルムとした後、この圧延フィルムから上記溶媒
を抽出し、次いで、この脱溶媒した圧延フィルムを(M
+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度にて二軸延伸
して、延伸フィルムとすることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、超高分子量ポリ
オレフィン樹脂は、重量平均分子量が5×105 〜20
×106 の範囲にあり、好ましくは、1×106 〜15
×106 の範囲にあるものである。このような超高分子
量ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン等の単独重合体、共重合体又はこれらの混合
物を挙げることができる。しかし、なかでも、本発明に
おいては、超高分子量ポリエチレン樹脂が好ましく用い
られる。
【0011】本発明において、飽和型熱可塑性エラスト
マーは、エチレンブロック、水素添加されたブタジエン
ブロック及び水素添加されたイソプレンブロックから選
ばれる少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロ
ック10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分
子量が1×104 〜2×105 の範囲にあり、好ましく
は、エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種80〜90重量%とスチレンブロック
10〜20重量%の共重合体からなる。
【0012】本発明の方法によれば、先ず、上記超高分
子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と飽和型熱可
塑性エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物
5〜30重量%と溶媒70〜95重量%とからなる混合
物を加熱し、上記重合体組成物を上記溶媒中に溶解さ
せ、かくして、得られた溶液を115〜185℃の範囲
の温度で混練りして、混練り物を調製する。
【0013】本発明において、超高分子量ポリオレフィ
ン樹脂の溶液の均一な混練り物を得るための条件の第1
は、エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
10〜30重量%とからなる飽和型熱可塑性エラストマ
ーを超高分子量ポリオレフィン樹脂と共に用いることで
ある。
【0014】即ち、飽和型熱可塑性エラストマーは、超
高分子量ポリオレフィン樹脂の可塑剤として機能して、
超高分子量ポリオレフィン樹脂溶液の混練り時の粘度を
低くすることができ、かくして、本発明によれば、溶液
が超高分子量ポリオレフィン樹脂を高濃度に含むにもか
かわらず、超高分子量ポリオレフィン樹脂を均一に混練
りすることができ、このような均一な混練り物から均質
なゲル状シートを容易に得ることができ、更に、得られ
たゲル状シートは、圧延性や延伸性にすぐれており、か
くして、本発明によれば、最終的に高強度、高空孔率、
高通気性を有する多孔質フィルムを得ることができる。
【0015】しかし、飽和型熱可塑性エラストマーにお
けるスチレンブロック含有量が30重量%を越えるとき
は、超高分子量ポリオレフィン樹脂との相溶性が悪く、
超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラス
トマーとの溶液を混練りする際に、飽和型熱可塑性エラ
ストマーが相分離を起こし、均一な混練り物を得ること
ができず、このような混練り物は、均質なゲル状シート
に成形することができない。
【0016】本発明において、超高分子量ポリオレフィ
ン樹脂に対する飽和型熱可塑性エラストマーの配合割合
は、超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エ
ラストマーとからなる重合体組成物において、1〜40
重量%の範囲である。飽和型熱可塑性エラストマーの割
合が40重量%を越えるときは、超高分子量ポリオレフ
ィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとを溶媒に溶解
し、これを混練りするときに、上記エラストマーが相分
離を起こし、混練り物が不均一となって、最終的に均一
な多孔質構造を有する多孔質フィルムを得ることができ
ない。また、飽和型熱可塑性エラストマーの割合が40
重量%を越えるときは、重合体組成物における超高分子
量ポリオレフィン樹脂の割合が少ないので、得られる多
孔質フィルムが高強度を有しない。
【0017】他方、飽和型熱可塑性エラストマーの割合
が1重量%よりも少ないときは、飽和型熱可塑性エラス
トマーを配合することによる混練り性の改善効果を得る
ことができない。即ち、超高分子量ポリオレフィン樹脂
を含むポリオレフィンの均一な混練り物を得ることがで
きず、均質な多孔質構造をもつ多孔質フィルムを得るこ
とができない。
【0018】上記溶媒としては、上記超高分子量ポリオ
レフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとをよく溶
解すると共に、凝固点が−10℃以下のものであれば、
特に、限定されるものではないが、特に、本発明におい
ては、凝固点が−10℃から−45℃の範囲のものが好
ましく用いられる。そのような溶媒の好ましい具体例と
して、例えば、デカン、デカリン、流動パラフィン等の
脂肪族又は環式炭化水素や、凝固点がこれらに対応する
鉱油留分を挙げることができる。しかし、なかでも、流
動パラフィンのような不揮発性溶媒が好ましく、特に、
凝固点が−15℃以下であり、40℃における動粘度が
65cst以下の不揮発性溶媒が好ましく用いられる。
【0019】本発明においては、上記超高分子量ポリオ
レフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとからなる
重合体組成物を溶媒に溶解させてなる溶液を混練りする
に際して、185℃を越える温度で混練りするときは、
溶液の粘度が低すぎて、混練り物に十分なせん断力を作
用させることができず、他方、混練温度が115℃より
も低いときは、上記重合体組成物を効果的に混練するこ
とができず、かくして、上記重合体組成物の混練りにお
いて、重合体鎖の絡み合い、特に、超高分子量ポリオレ
フィン樹脂の重合体鎖の十分な絡み合いを得ることが困
難である。
【0020】本発明においては、このような超高分子量
ポリオレフィン樹脂の重合体鎖の十分な絡み合いを得る
ために、前記超高分子量ポリオレフィン樹脂と飽和型熱
可塑性エラストマーと溶媒との溶液状混合物に高いせん
断力を作用させつつ、混練りすることが好ましい。混練
り時に、十分なせん断力を作用させることができないと
きは、特に、超高分子量ポリオレフィン樹脂の重合体鎖
の十分な絡み合いを得ることができないことがある。従
って、本発明によれば、超高分子量ポリオレフィン樹脂
と飽和型熱可塑性エラストマーと溶媒との溶液状混合物
の混練りには、通常、混合物に強いせん断力を与えるこ
とができるニーダや二軸押出機等が好ましく用いられ
る。
【0021】次いで、本発明によれば、このようにして
得られたポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラスト
マーと溶媒との溶液状の混練り物を用いた溶媒の凝固点
以下の温度、好ましくは、−10℃から−45℃の範囲
の温度、好ましくは、−15℃〜−40℃の範囲の温度
に冷却しながら、通常、1〜20mm、好ましくは、2
〜10mmの範囲の厚みのゲル状シートに成形して、超
高分子量ポリオレフィン樹脂を結晶化させる。
【0022】このように、超高分子量ポリオレフィン樹
脂と飽和型熱可塑性エラストマーと溶媒との溶液状の混
練り物を用いた溶媒の凝固点以下の温度に冷却するに
は、特に、限定されるものではないが、例えば、予め2
枚の金属板をドライアイスにて冷却しておき、これら金
属板の間に上記混練り物を挟み、混練り物を加圧して、
シートに成形すればよい。
【0023】本発明によれば、混練り物を冷却しなが
ら、シートに成形する際、得られるシートの表面層のみ
ならず、シートの中心部まで、樹脂が微細に結晶化し
て、最終的に高強度、高空孔率で、均一な多孔質構造を
有する多孔質フィルムを得ることができるように、混練
り物を急冷することが好ましく、従って、その冷却速度
は平均で50℃/分以上が好ましい。
【0024】次いで、本発明によれば、用いた超高分子
量ポリオレフィン樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル
状シートを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温
度、好ましくは、M℃から(M−25)℃の範囲の温度
にて、例えば、ヒートプレスを用いて、厚み0.1〜3m
m、好ましくは、0.2〜1.5mmに圧延する。上記融点
は、DSC測定におけるオンセット温度である。この圧
延によって、ゲル状シートを均一な厚みを有する圧延フ
ィルムとすることができる。
【0025】次いで、本発明によれば、このようにして
得られた圧延フィルムから適宜の溶剤を用いてフィルム
中に残留する溶媒を除去して、多孔質フィルムとする。
【0026】上記脱溶媒処理に用いる溶剤としては、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、塩
化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ジエチル
エーテル、ジオキサン等のエーテル類等の易揮発性のも
のが好ましく用いられる。これらの溶剤は、超高分子量
ポリオレフィン樹脂と飽和型熱可塑性エラストマーとか
らなる組成物の溶液の調製に用いた溶媒に応じて適宜に
選ばれる。延伸フィルム中の溶媒を除去するには、例え
ば、延伸フィルムを溶剤に浸漬すればよい。
【0027】この後、この多孔質フィルムを(M+5)
℃から(M−30)℃の範囲の温度、好ましくは、M℃
から(M−25)℃の範囲の温度にて、二軸延伸する。
この二軸延伸は、逐次又は同時二軸延伸のいずれによっ
てもよいが、好ましくは、同時二軸延伸する。本発明に
おいて、圧延フィルムの延伸倍率は、一方向に2倍以上
であり、面積延伸倍率は10倍以上であり、好ましく
は、一方向に2〜20倍であり、面積延伸倍率は4〜4
00倍の範囲である。
【0028】この後、必要に応じて、上記延伸フィルム
の熱収縮を防止するために、加熱して、ヒートセット
(熱固定)してもよい。
【0029】このようにして得られる本発明による多孔
質フィルムは、厚みが1〜80μm、好ましくは、10
〜50μmの範囲にあり、突き刺し強度が25μm当た
り、400gf以上、好ましくは、400〜550gf
の範囲にあり、空孔率が60%以上、好ましい態様によ
れば、70〜75%の範囲にあり、通気度が200秒/
100cc以下、BJH法で測定した貫通孔の平均孔径
が0.1〜1.0μm、好ましい態様によれば、0.2〜0.4
μmの範囲にある。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、用いた樹脂の融点や、得られた多孔
質フィルムの特性は、次のようにして評価した。
【0031】融点 DSC(示差走査熱量)測定において、オンセット温度
を融点とした。 重量平均分子量 ゲル浸透クロマトグラフ(ウォーターズ社製、GPC−
150C)を用い、溶媒にo−ジクロロベンゼンを、ま
た、カラムとしてShodex−80M(昭和電工
(株)製)を用いて温度135℃で測定した。データ処
理は、TRC社製データ処理システムを用いて行なっ
た。分子量はポリスチレンを基準として算出した。 フィルムの厚み 1/10000mmシックネスゲージ及び多孔質フイル
ムの断面の1万倍走査電子顕微鏡写真から測定した。 空孔率 フィルムの単位面積S当たりの重量W、平均厚みt及び
密度dから下式にて算出した。 空孔率(%)=(1−(104 ×W/S/t/d))×
100
【0032】通気度 JIS P8117に準拠して測定した。 突き刺し強度 カトーテック(株)製圧縮試験機KES−G5を用い
て、突き刺し試験を行なった。得られた荷重変位曲線か
ら最大荷重を読み取り、突き刺し強度とした。針は、直
径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用い、2
cm/秒の速度で行なった。 貫通孔の平均孔径及び最大孔径 (株)島津製作所製の窒素の吸脱着方式による比表面積
・細孔分布測定器ASAP2010を用いて、BJH法
にて孔径の分布を測定し、これより平均孔径を求めた。 純水の透水率 直径47mmの円形に切り取った多孔質膜をエタノール
に10分間、浸漬して親水化処理した後、水洗して、エ
タノールを除去した。0.5気圧の減圧下に超純水50m
Lが通過する時間を計測して、透水率を求めた。
【0033】以下において、超高分子量ポリエチレン樹
脂は、重量平均分子量200万、融点134℃のものを
用い、溶媒には、流動パラフィン(凝固点−15℃、4
0℃における動粘度59cst)を用いた。
【0034】実施例1 超高分子量ポリエチレン樹脂13重量部をスチレンブロ
ック13重量%と水素添加されたイソプレンブロック8
7重量%とからなる重量平均分子量2万の飽和型熱可塑
性エラストマー2重量部と共に、流動パラフィン85重
量部に加え、スラリーとし、これを小型ニーダに仕込
み、160℃の温度で約50分間、加熱し、溶解させ、
混練りして、超高分子量ポリエチレン樹脂と飽和型熱可
塑性エラストマーと溶媒との混練り物を得た。この後、
この混練り物を−15℃まで急冷しながら、厚み5mm
のゲル状シートに成形して、超高分子量ポリエチレン樹
脂を結晶化させた。
【0035】次いで、このシートを約115℃の温度で
厚みが0.5mmになるまでヒートプレスにて圧延した
後、メチルエチルケトンに浸漬して、上記流動パラフィ
ンを抽出し、次いで、約120℃の温度で縦横3.5×3.
5倍に同時二軸延伸して、多孔質フイルムを得た。得ら
れた多孔質フィルムの厚み、空孔率、通気性、突き刺し
強度、平均孔径及び純水透水率を表1に示す。
【0036】実施例2 実施例1において、超高分子量ポリエチレン樹脂14重
量部と、スチレンブロック20重量%とイソプレンブロ
ック80重量%とからなる重量平均分子量2万の飽和型
熱可塑性エラストマー1重量部を用いた以外は、実施例
1と同様にして、本発明による多孔質フイルムを得た。
【0037】得られた多孔質フィルムの厚み、空孔率、
通気性、突き刺し強度、平均孔径及び純水透水率を表1
に示す。
【0038】比較例1 実施例1において、超高分子量ポリエチレン樹脂13重
量部と飽和型熱可塑性エラストマー2重量部に代えて、
超高分子量ポリエチレン樹脂15重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にして、多孔質フイルムを得た。
【0039】得られた多孔質フィルムの厚み、空孔率、
通気性、突き刺し強度、平均孔径及び純水透水率を表1
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、飽和型
熱可塑性エラストマーを超高分子量ポリオレフィン樹脂
の可塑剤として作用させるので、高濃度で均一な超高分
子量ポリオレフィン樹脂の溶液を得ることができ、この
ような溶液を急冷してゲル状シートとし、これを圧延
し、溶媒を除去し、延伸することによって、高強度、高
空孔率、高通気性を有する多孔質フィルムを得ることが
できる。このような多孔質フィルムは、電池用セパレー
タや分離膜として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:02) 23:02 (72)発明者 能見 俊祐 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 植谷 慶裕 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 山口 睦子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA14 AA15X AA22X AA75 AA81 AF14 AF14Y AH15 BA02 BB08 BC01 BC12 BC17 4F074 AA16 AA32B AB01 CA03 CB03 CB34 CC02Z CC04X CC05X CC22X CC29Y DA10 DA23 DA49 4J002 BB011 BP012 GQ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超
    高分子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、 (b) エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
    ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
    る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
    10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分子量
    が1×104 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性
    エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物から
    なり、厚みが1〜80μmの範囲にあり、突き刺し強度
    が25μm当たり、400gf以上、空孔率が60%以
    上、通気度が200秒/100cc以下、貫通孔の平均
    孔径が0.1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする多
    孔質フィルム。
  2. 【請求項2】(a) 重量平均分子量が5×105 以上の超
    高分子量ポリオレフィン樹脂60〜99重量%と、 (b) エチレンブロック、水素添加されたブタジエンブロ
    ック及び水素添加されたイソプレンブロックから選ばれ
    る少なくとも1種70〜90重量%とスチレンブロック
    10〜30重量%の共重合体からなり、重量平均分子量
    が1×104 〜2×105 の範囲にある飽和型熱可塑性
    エラストマー1〜40重量%とを含む重合体組成物5〜
    30重量%と溶媒70〜95重量%とを加熱し、上記重
    合体組成物を上記溶媒中に溶解させ、得られた溶液を1
    15〜185℃の範囲の温度で混練りし、次いで、得ら
    れた混練り物を用いた溶媒の凝固点以下の温度まで冷却
    しながら、ゲル状シートに成形して、超高分子量ポリオ
    レフィン樹脂を結晶化させ、次いで、上記超高分子量ポ
    リオレフィン樹脂の融点をMとするとき、上記ゲル状シ
    ートを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度に
    て圧延して、圧延フィルムとした後、この圧延フィルム
    から上記溶媒を抽出し、次いで、この脱溶媒した圧延フ
    ィルムを(M+5)℃から(M−30)℃の範囲の温度
    にて二軸延伸して、延伸フィルムとすることを特徴とす
    る多孔質フイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】超高分子量ポリオレフィン樹脂が重量平均
    分子量1×106 〜15×106 の範囲の超高分子量ポ
    リエチレン樹脂である請求項2に記載の多孔質フィルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】溶媒が流動パラフィンである請求項2に記
    載の多孔質フイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】脱溶媒した圧延フィルムから延伸フィルム
    への延伸倍率が面積倍率にて4〜400倍の範囲である
    請求項2に記載の多孔質フイルムの製造方法。
JP02250499A 1999-01-29 1999-01-29 多孔質フィルムとその製造方法 Expired - Lifetime JP4181677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02250499A JP4181677B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 多孔質フィルムとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02250499A JP4181677B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 多孔質フィルムとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000219767A true JP2000219767A (ja) 2000-08-08
JP4181677B2 JP4181677B2 (ja) 2008-11-19

Family

ID=12084588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02250499A Expired - Lifetime JP4181677B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 多孔質フィルムとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4181677B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105121A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Tonen Chem Corp ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
US6814406B2 (en) 2002-02-21 2004-11-09 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Seat vertical position adjusting device
JP2008540794A (ja) * 2005-05-16 2008-11-20 エスケー ホルディングス カンパニー リミテッド 押出混練性及び物性に優れる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法
JP2014124780A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池
US11466115B2 (en) 2018-06-01 2022-10-11 3M Innovative Properties Company Porous membranes including triblock copolymers

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105121A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Tonen Chem Corp ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
US6814406B2 (en) 2002-02-21 2004-11-09 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Seat vertical position adjusting device
JP2008540794A (ja) * 2005-05-16 2008-11-20 エスケー ホルディングス カンパニー リミテッド 押出混練性及び物性に優れる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法
JP4889733B2 (ja) * 2005-05-16 2012-03-07 エスケー イノベーション シーオー., エルティーディー. 押出混練性及び物性に優れる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法
JP2014124780A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池
US11466115B2 (en) 2018-06-01 2022-10-11 3M Innovative Properties Company Porous membranes including triblock copolymers

Also Published As

Publication number Publication date
JP4181677B2 (ja) 2008-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4397121B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜
JP5005387B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
WO2004089627A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜
JP2010538097A (ja) ポリオレフィン微多孔膜、その製造方法、電池用セパレータ及び電池
JP3917721B2 (ja) 微多孔膜の製造方法
JP4177929B2 (ja) 多孔質フィルム及びその製造方法
JP2011184671A (ja) 耐熱性ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法。
JP4220329B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP4230584B2 (ja) ポリエチレン微多孔膜
JP3699561B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
KR100557380B1 (ko) 폴리올레핀 미다공막
JP2000072908A (ja) 多孔質フィルム並びにその製造と用途
JP2000219767A (ja) 多孔質フィルムとその製造方法
JPH11322988A (ja) 多孔質フィルム並びにその製造と用途
JPH1044348A (ja) ポリオレフィン多孔膜、その製造方法及びそれを用いた電池用セパレーター
JP2021174656A (ja) ポリオレフィン系微多孔膜およびその製造法
JP4713441B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
JP2002047372A (ja) 多孔質フィルムとその製造方法および電池
JP2009149710A (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP4998967B2 (ja) 多孔質フィルム
JPH09259858A (ja) セパレーター用ポリエチレン微多孔膜及びその製造方法
JP2001002812A (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP2000109586A (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP2000044709A (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP2000072909A (ja) 多孔質フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140905

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term