JP2000219738A - エチレン共重合体変性物 - Google Patents

エチレン共重合体変性物

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JP2000219738A
JP2000219738A JP11329927A JP32992799A JP2000219738A JP 2000219738 A JP2000219738 A JP 2000219738A JP 11329927 A JP11329927 A JP 11329927A JP 32992799 A JP32992799 A JP 32992799A JP 2000219738 A JP2000219738 A JP 2000219738A
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ethylene
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acid
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Masaaki Tanaka
正章 田中
Hironobu Iyama
浩暢 井山
Toru Fujiki
徹 藤木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂に対し、帯電防止性のみ
ならず成形加工性も付与し得るエチレン共重合体変性物
を提供する。 【解決手段】 (A)エチレン−飽和カルボ
ン酸ビニルエステル系共重合体けん化物のアルキレンオ
キサイド付加物と(B)多価カルボン酸類とを反応させ
て得られるエチレン共重合体変性物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン共重合体
変性物に関し、詳しくは(A)エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル系共重合体けん化物のアルキレンオキ
サイド付加物と(B)多価カルボン酸類とを反応させて
得られるエチレン共重合体変性物に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】熱可塑性
樹脂は、広汎に用いられているが、電気絶縁性を有して
いるため、静電気帯電に起因する静電気障害が問題とな
っており、帯電防止性の向上が望まれている。このよう
な熱可塑性樹脂の難点である帯電防止性を改善するもの
として、本発明者らは、熱可塑性樹脂とエチレン−飽和
カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物のアルキレ
ンオキサイド付加物(以後、付加物と省略する)とを混
練してなる樹脂組成物、熱可塑性樹脂に、付加物と、カ
ルボン酸無水物基を含有するエチレン系共重合体とを溶
融混練してなる樹脂組成物などを提案している(特開平
6-80886号公報、特開平9-111130号公報)。
【0003】
【課題を解決するための手段】その後、本発明者らは付
加物との混練物について検討を重ねた結果、カルボン酸
無水物基を含有するエチレン系共重合体の代わりに、多
価カルボン酸類それ自体を使用した混練物でも、熱可塑
性樹脂に対して優れた帯電防止性を与えることを見出す
とともに、得られた樹脂組成物は射出成形および押出し
成形等における成形加工性にも優れることを見出し、本
発明を完成した。
【0004】すなわち本発明は、(A)エチレン−飽和
カルボン酸ビニルエステル系共重合体けん化物のアルキ
レンオキサイド付加物と(B)多価カルボン酸類とを反
応させて得られることを特徴とする実用的に優れたエチ
レン共重合体変性物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)成分である付加物は、例えば、エ
チレンと飽和カルボン酸ビニルエステルを共重合せしめ
て共重合体を製造し、次いで該共重合体を完全にもしく
は部分的にけん化せしめてけん化物を製造した後に、該
けん化物にアルキレンオキサイドを付加せしめることに
より製造し得る(例えば特開平3-227307号公報)。
【0006】ここで用いられるエチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル共重合体は、その製造方法については
特に制限はなく、公知の方法、例えば高圧ラジカル重合
法等により製造し得る。共重合原料である飽和カルボン
酸のビニルエステルとしては、特に限定はないが、炭素
数が2〜4程度の脂肪族カルボン酸のビニルエステルが
好ましく、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル等が挙げられ、またこれらは適宜混合して使用
することもできる。これらの中では酢酸ビニルが最も好
ましい。また共重合原料としては、エチレン、飽和カル
ボン酸ビニルエステルの他に、少量のα、β-不飽和カ
ルボン酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
これら2種以上の混合物等を用いることもできる。
【0007】エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル
共重合体におけるエチレン単位の含有量は、通常1〜90
重量%程度、好ましくは40〜80重量%程度である。ま
た、該共重合体の数平均分子量は、通常1,000〜20,000
程度、好ましくは1,000〜10,000程度である。
【0008】エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル
共重合体のけん化反応についてもその反応方法には特に
制限はなく、例えばアルコールの存在下でアルカリを用
いてけん化する一般的方法に準拠すれば良い。また、用
いるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体
の分子量、飽和カルボン酸ビニルエステルの含有量等に
応じてアルコールとの不均一液相系、アルコール溶液
系、アルコール中ペレット分散系などのけん化方法が適
宜採用できる。けん化率はエチレン−飽和カルボン酸ビ
ニルエステル共重合体の飽和カルボン酸ビニルエステル
含量によっても変わり、特に限定されないが、通常30〜
100%程度、好ましくは50〜100%程度である。
【0009】また、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエ
ステル共重合体けん化物へのアルキレンオキサイドの付
加方法についても特に制限はないが、該けん化物にアル
キレンオキサイドを気体状で反応させることが一般的で
ある。 ここで、アルキレンオキサイドとしては、特に
限定はないが、通常炭素数が2〜4程度のものが好まし
く、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。中でもエチレ
ンオキサイドが好ましく使用される。アルキレンオキサ
イドは、2種以上使用することもでき、この場合ブロッ
ク付加せしめてもランダム付加せしめても良い。アルキ
レンオキサイドの付加量は、特に限定はないが、けん化
物100重量部に対して、通常20〜1,000重量部程度、好ま
しくは50〜500重量部程度である。
【0010】本発明における(B)成分の多価カルボン
酸類としては、例えば、全炭素数2〜20の多価カルボン
酸、そのエステル、その酸ハロゲン化物、その無水物等
が挙げられる。好ましくは、カルボン酸、そのエステ
ル、その無水物である。
【0011】多価カルボン酸類の代表例としては、例え
ば、次に示す飽和脂肪族多価カルボン酸、不飽和脂肪族
多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、そのエステ
ル、その酸ハロゲン化物、その無水物等が挙げられる。
飽和脂肪族多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン
酸、アルキルマロン酸、コハク酸、モノアルキルコハク
酸、テトラフルオロコハク酸、cis−1,2,3,6−
テトラヒドロフタル酸、グルタル酸、ヘキサフルオログ
ルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、
スベリン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロ−4−メチルフタル酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸、エチルオクタデカンジカル
ボン酸等が挙げられる。
【0012】不飽和脂肪族多価カルボン酸としては、マ
レイン酸、2,3−ジクロロマレイン酸、2−ブロモマ
レイン酸、2,3−ジフェニルマレイン酸、2−メチル
マレイン酸(シトラコン酸)、イタコン酸、2,3,
5,6−テトラヒドロフタル酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸等が挙げられる。芳香族多価カル
ボン酸としては、ピロメリット酸、トリメリット酸、フ
タル酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル
酸、3−フルオロフタル酸、3,6−フルオロフタル
酸、4−メチルフタル酸、4−ブロモフタル酸、3−ニ
トロフタル酸、4−ニトロフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸等が挙げられる。
【0013】飽和脂肪族多価カルボン酸のエステル、不
飽和脂肪族多価カルボン酸のエステル、芳香族多価カル
ボン酸のエステルとしては、上記の多価カルボン酸と炭
素数1〜4程度のアルコールとのエステル、例えばメチ
ルエステル、エチルエステル等が挙げられる。飽和脂肪
族多価カルボン酸のハロゲン化物、不飽和脂肪族多価カ
ルボン酸のハロゲン化物、芳香族多価カルボン酸のハロ
ゲン化物としては、上記の多価カルボン酸の、酸塩化
物、酸臭化物が挙げられる。
【0014】飽和脂肪族多価カルボン酸の無水物、不飽
和脂肪族多価カルボン酸の無水物、芳香族多価カルボン
酸の無水物としては、上記の多価カルボン酸の分子内酸
無水物、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フ
タル酸、ドデセニル無水コハク酸、ピロメリット酸二無
水物、テトラブロモ無水フタル酸、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等
が挙げられる。また、上記多価カルボン酸の分子間酸無
水物、例えばポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸
無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデ
カン二酸)無水物等であっても良い。
【0015】また本発明における多価カルボン酸類は、
カルボン酸基、エステル基および酸無水物基が、同時に
存在しても良い。その体表例としては、無水トリメリッ
ト酸、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリ
テート)、グリセロール−トリス(アンヒドロトリメリ
テート)等が挙げられる。
【0016】多価カルボン酸類は、少なくとも1個の酸
無水物基を含有することが好ましいく、その代表例とし
ては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エチレング
リコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセ
ロール−トリス(アンヒドロトリメリテート)、ピロメ
リット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0017】本発明のエチレン共重合体変性物は、上記
のような成分(A)である付加物と成分(B)である多
価カルボン酸類を反応させて得られるものであるが、そ
の条件は、特に限定されず、エステル化反応が進行する
条件であればよい。例えば、溶媒の存在下で反応させた
ものであっても、非存在下で反応させたものであっても
良い。また触媒の存在下で反応させたものあっても、非
存在下で反応させたものであっても良い。成分(B)と
しては、少なくとも1個の無水物基を有する多価カルボ
ン酸類を用いることが好ましく、この場合は、成分
(A)と混練することにより、目的物であるエチレン共
重合体変性物が容易に得られる。混練温度は通常、100
〜280℃程度、好ましくは160〜200℃程度である。
【0018】成分(A)は通常、成分(B)に対し20〜
200重量倍使用される。ここで200重量倍を超える場合、
生成物を樹脂と混練および成形した時の加工性が低下す
る傾向にあり、また20重量倍未満の場合、得られる生成
物の架橋が進み過ぎるためか、帯電防止剤としての機能
が低下する傾向にある。また本発明のエチレン共重合体
変性物は、JIS K 1557による水酸基価、酸価は、通常
それぞれ10〜180 KOH mg/g、1〜10 KOH mg/g程
度、好ましくはそれぞれ50〜150 KOH mg/g、1〜5
KOH mg/g程度である。
【0019】かくして得られる本発明のエチレン共重合
体変性物は、樹脂へ含有せしめることにより、樹脂の帯
電を防止することができる。樹脂の具体例としては、例
えば以下のものが挙げられる。 (1) ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、(2) ポリプロピレン、
(3) メチルペンテンポリマー、(4) EEA(エチレン−
アクリル酸エチル共重合)樹脂、(5) エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、(6) ポリスチレン類、 例えばポリス
チレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチ
ルスチレン)、(7) AS(アクリロニトリル−スチレン
共重合)樹脂、(8) ABS(アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合)樹脂、(9) AAS(特殊アクリ
ルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合)樹脂、(1
0) ACS(アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-ス
チレン共重合)樹脂、
【0020】(11) 塩素化ポリエチレン、(12) ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(13) メタクリル樹脂、
(14) エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、(15) フ
ッ素樹脂、(16) ポリアセタール、(17) グラフト化ポリ
フェニレンエーテル樹脂およびポリフェニレンサルファ
イド樹脂、(18) ポリウレタン、(19) ポリアミド、(20)
ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート (21) ポリカーボネート、(22) ポリアクリレート、(23)
ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルスルホン、(24) 芳香族ポリエステル樹脂など。
また、これらの熱可塑性樹脂の化学変性物、混合物、ア
ロイ化物等を使用することもできる。
【0021】本発明のエチレン共重合体変性物を樹脂に
含有させる方法としては、例えば成分(A)と成分
(B)とを予め反応させて得られたエチレン共重合体変
性物を樹脂と混練する方法、樹脂と成分(A)と成分
(B)とを混練する方法等が挙げられる。混練温度は通
常、100〜280℃程度、好ましくは160〜250℃程度であ
る。混練は、例えば一般に使用される一軸もしくは二軸
のスクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロール、各
種ニーダーなどの混合機を用いて実施される。エチレン
共重合体変性物の含量は通常、樹脂100重量部に対し、
成分(B)換算で0.005〜1.5重量部である。ここで、エチ
レン共重合体変性物の含量が成分(B)換算で0.005重量
部未満である場合は、成形性、特にフィルム成形性の向
上効果が低下する傾向があり、また1.5重量部を超える
場合はフィルム成形時において外観が悪化する傾向があ
り、いずれの場合も好ましくない。
【0022】また本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要
に応じて、熱可塑性樹脂に使用される他の配合剤、例え
ば加工安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、核剤、
滑剤、離型剤、顔料、難燃剤、充填剤およびグラスファ
イバーなどの補強剤等を含有することができる。なお、
帯電防止効果をさらに向上させる目的で、本発明のエチ
レン系共重合体変生物以外の帯電防止剤を併用すること
もできる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。尚、以下の例中、部とあるのは特に断りのな
い限り、重量部である。
【0024】参考例 (エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造例)高圧反応器を
用いて、エチレンと酢酸ビニルを重合開始剤としてのタ
ーシャリーブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー
ト、分子量調節剤であるプロパンの存在下、圧力1400Kg
/cm2、温度190℃で共重合して酢酸ビニル含有量31重量
%、数平均分子量1800、軟化点30℃のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下、EVAと略称する)を得た。
【0025】(エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
のエチレンオキサイド付加物の製造)撹拌器と流出ライ
ン、フィードラインを付けた容量 700lのステンレス性
オートクレーブに、上記で得られたEVA 160kg、メタ
ノール160kg、および 28%ナトリウムメトキシド 3.2kg
を入れて、流出ラインを開放しながら65℃で加熱撹拌し
て2時間反応させた。その後、1時間かけて系内の温度を
142℃まで上昇させて揮発物189Kgを全量系外に追い出
し、けん化反応を完結させた。得られたけん化物のけん
化率は97%であった。次いで、水酸化ナトリウム 1.9kg
を仕込んだ後、系内の温度を180℃に上げてからエチレ
ンオキサイド(以下、EOと略称する)を196kPa(約2k
g/cm2)の圧力まで入れた。EOの付加反応による圧力
降下を確認し、引き続きEOを196kPa(約2kg/cm2)の
圧力に保つように間欠的に供給し、1時間かけて合計 27
2KgのEOを仕込んだ。圧力が39kPa(約0.4kg/cm2)に
低下したところで温度を100℃に下げて生成物を取り出
した。EVAけん化物のEO付加物 408Kgを得た。JIS
K 1557のポリウレタン用ポリエーテル試験方法に準拠し
て測定した水酸基価、および酸価は、それぞれ80 KOH m
g/g、0 KOH mg/gであった。上記によって得られた付加
物をA−1として使用した。同様にしてEOの付加量の
異なる付加物を製造した結果を表1に示した。
【0026】
【表1】 次いで、付加物A−1〜A−4と以下の多価カルボン類
(B)とを180℃で混練した得られたエチレン共重合
体変性物をCとして、結果を表2に示した。
【0027】<成分B> B−1:無水マレイン酸、B−2:無水シトラコン酸、
B−3:無水イタコン酸、B−4:無水フタル酸
【表2】
【0028】実施例1 低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製「スミカセ
ン F200」、JISK6730-1981に準じ、190℃、荷重21
60gで測定したMFRが2g/10分 )94部と、上記共
重合体変性物C−1 6部とを30mm単軸押出機(田辺
プラスチックス(株)製)を用いて混練温度200℃、ス
クリュー回転数70rpmで混練し、ペレット化した。得
られたペレットをフィルム加工前に減圧下、80℃で3時
間乾燥した。 T字ダイスを備え付けた20mm単軸押出
機(東洋精機(株)製)を用いて加工温度 230℃、巻取
り速度 5m/分、巻取りロール温度30℃でフィルム加工
を行い、厚さ50〜100μmのフィルムを得た。得られた
フィルムの帯電防止性能および、フィルム加工性を下記
の方法により評価し、結果を表3に示した。 (1)帯電防止性(表面固有抵抗):23℃、50%RHの
条件下で24時間以上状態調整した上記のフィルムの表面
固有抵抗を、東亜電波工業(株)製 極超絶縁計DSM-81
03、平板用電極SME-8311を用い、23℃、50%RHの雰囲
気下で測定した。単位Ω/□。 (2) フィルム加工性:フィルム加工中のフィルムの
状態もしくは得られたフィルムの状態を目視観察で評価
した。 ○:得られたフィルムの状態が良好。×:加工
中にフィルムがスジ状に裂け、得られたフィルムの状態
が不良
【0029】実施例2〜4 実施例1において、共重合体変性物C−1に代えて共重
合体変性物C−6〜C−8をそれぞれ用いた以外は、実
施例1と同様にしてフィルムに加工した。結果を表3に
示した。
【0030】比較例1 実施例1において、共重合体変性物を用いない以外
は、、実施例1と同様にしてフィルムに加工した。結果
を表3に示した。
【0031】比較例2 実施例1において、共重合体C−1に代えて付加物A−
1を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムに加
工した。結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】実施例5〜10および比較例3〜5 ポリプロピレン(住友化学工業(株)製ノーブレン Z
101」、JIS K 6758-7112に準じ、230℃、荷重2160g
で測定したMFRが25g/10分 )と付加物A−1、およ
び下記の成分(B)をそれぞれ第4表に示した重量比で
ドライブレンドした後、30mmφの二軸押出機(L/D=4
2)に供給し、200℃の温度条件下、200rpmのスクリュー
回転数にて溶融混合した。得られた熱可塑性樹脂組成物
を20mmφのTダイ押出機に供給し、シリンダー温度210
℃、ダイ温度230℃、巻取りロール温度40℃で厚さ50μ
mのフィルムに成形した。
【0034】<成分(B)> B−1:無水マレイン酸 B−5:エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメ
リテート)、新日本理化(株)製「リカシッド TME
G−500」 B−6:エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エチル
共重合体(組成比は、68%−2%−30%であり、JIS K 6
730-1981に準じ、190℃、荷重2160gで測定したMFR
が7g/10分 ) <評価> (1)帯電防止性:23℃、50%RHの条件下で24時間以
上状態調整した上記のフィルムの表面固有抵抗を、東亜
電波工業(株)製 極超絶縁計DSM-8103、平板用電極SM
E-8311を用い、23℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
単位Ω/□。 (2)成形加工性:成形加工中の熱可塑性樹脂組成物の
状態もしくは得られたフィルムの状態を目視で評価し
た。○:成形加工状態良好、フィルム状態良好。△:成
形加工状態不良、フィルムにスジ状の厚みムラが発生。
×:成形加工状態不良、フィルム得られず。
【0035】
【表4】
【0036】実施例11〜22および比較例6〜14 <各成分> (熱可塑性樹脂) ポリプロピレン:実施例5〜10で使用したものと同じ。 低密度ポリエチレン−1:住友化学工業(株)製 「ス
ミカセン L705」(JIS K 6730-1981に準じて190℃、
荷重2160gで測定したMFRが7g/10分) 低密度ポリエチレン−2:住友化学工業(株)製 「ス
ミカセン F200」(JIS K 6730-1981に準じて190℃、
荷重2160gで測定したMFRが2g/10分)エチレン −酢酸ヒ゛ニル共重合体:住友化学工業(株)製 「エ
バテート D3012」(JIS K 6730-1981に準じて190
℃、荷重2160gで測定したMFRが6g/10分、酢酸ビ
ニル含有量=10重量%) ポリスチレン:住友化学工業(株)製 「スミブライト
E183」(JIS K 7210に準じて200℃、荷重5000g
で測定したMFRが 3g/10分) (成分A、B) A−1:実施例5〜10で使用したものと同じ。 B−1、B−5:実施例5〜10で使用したものと同じ。
【0037】第5表に示した重量比で熱可塑性樹脂、
(A)および(B)の各成分をドライブレンドした後、
30mmφの二軸押出機(L/D=42)に供給し、200℃の温
度条件下、200rpmのスクリュー回転数にて溶融混合し
た。得られた熱可塑性樹脂組成物を20mmφの5.5オン
ス射出成形機に供給し、シリンダー温度230℃、金型温
度50℃でシートを成形した。尚、実施例22は230℃で溶
融混合し、シリンダー温度200℃、金型温度60℃でシー
トを成形した。評価は、以下の方法で実施し、結果を表
5に示した。
【0038】(1)帯電防止性:23℃、50%RHの条件
下で24時間以上状態調整した厚さ51mmのシートの表面
固有抵抗を、東亜電波工業(株)製 極超絶縁計DSM-81
03、平板用電極SME-8311を用い、23℃、50%RHの雰囲
気下で測定した。単位Ω/□。 (2)成形加工性:成形加工中の熱可塑性樹脂組成物の
状態もしくは得られたシート成形品の状態を目視で評価
した。○:成形加工性良好、シート状態良好。△:成形
加工状態不良、成形機ゲート付近のシートが層状に剥
離。×:成形加工状態不良、シートが層状に剥離。
【0039】
【表5】
【0040】(表5の続き)
【0041】(表5の続き)
【0042】実施例23 実施例10で得られた試験片を純水中、超音波洗浄機にて
10分間の超音波洗浄し、さらに23℃、50%RHの雰囲気
下で24時間状態調整したのち、実施例6と同様に帯電防
止性を測定したところ、表面固有抵抗は1.4×1013Ω/
□となり、帯電防止性の初期値である実施例10の1.8×1
013Ω/□とほぼ同等の帯電防止性が持続された。
【0043】実施例24 実施例22で得られた試験片を使用して実施例23と同様の
処理を行い、表面固有抵抗を測定したところ、2.7×10
12Ω/□となり、帯電防止性の初期値である実施例22の
3.7×1013Ω/□とほぼ同等の帯電防止性が持続され
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂に対し、帯電防止
性のみならず成形加工性も付与し得るエチレン共重合体
変性物を提供できる。また本発明のエチレン共重合体変
性物を含有する熱可塑性樹脂組成物は、その優れた特性
を活用し、例えば電子部品関連用途などの分野に利用し
得る。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン−飽和カルボン酸ビニルエ
    ステル系共重合体けん化物のアルキレンオキサイド付加
    物と(B)多価カルボン酸類とを反応させて得られるエ
    チレン共重合体変性物。
  2. 【請求項2】成分(B)に対する成分(A)の使用比
    が、20〜200重量倍である請求項1記載の共重合体変性
    物。
  3. 【請求項3】水酸基価が10〜180、酸価が1〜15である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレン共重
    合体変性物。
  4. 【請求項4】成分(A)がエチレン−飽和カルボン酸ビ
    ニルエステル系共重合体けん化物100重量部に対し、ア
    ルキレンオキサイドを20〜1000重量部付加せしめたもの
    である請求項1〜3いずれかに記載の共重合体変性物。
  5. 【請求項5】エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル
    系共重合体けん化物が、エチレン−飽和カルボン酸ビニ
    ルエステル系共重合体を30〜100%けん化せしめたもの
    である請求項4記載の共重合体変性物。
  6. 【請求項6】エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル
    系共重合体が、数平均分子量1,000〜20,000であり、エ
    チレン含量が1〜90重量%である請求項5記載の共重合
    体変性物。
  7. 【請求項7】アルキレンオキサイドが、エチレンオキサ
    イドおよび/またはプロピレンオキサイドである請求項
    1〜4いずれかに記載の共重合体変性物。
  8. 【請求項8】成分(B)が、全炭素数2〜20の多価カル
    ボン酸、そのエステル、その酸ハロゲン化物、その無水
    物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7いず
    れかに記載の共重合体変性物。
  9. 【請求項9】成分(B)が、少なくとも1個の無水物基
    を有する全炭素数2〜20の多価カルボン酸類から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1〜7いずれかに記載の
    共重合体変性物。
  10. 【請求項10】成分(B)が無水マレイン酸、無水フタ
    ル酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水イタコン
    酸、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテ
    ート)から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7
    いずれかに記載の共重合体変性物。
  11. 【請求項11】反応させる方法が成分(A)と成分
    (B)とを混練する方法である請求項9〜10いずれかに
    記載の共重合体変性物。
  12. 【請求項12】請求項1〜11いずれかに記載の共重合体
    変性物を有効成分とする帯電防止剤。
  13. 【請求項13】請求項1〜12いずれかに記載の共重合体
    変性物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  14. 【請求項14】共重合体変性物の含量が樹脂100重量部
    に対し成分(B)換算で0.005〜1.5重量部であることを特
    徴とする請求項11記載の樹脂組成物。
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