JP2000219663A - Nδ−置換アミノオルニチン誘導体及びその塩 - Google Patents

Nδ−置換アミノオルニチン誘導体及びその塩

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JP2000219663A
JP2000219663A JP4018899A JP4018899A JP2000219663A JP 2000219663 A JP2000219663 A JP 2000219663A JP 4018899 A JP4018899 A JP 4018899A JP 4018899 A JP4018899 A JP 4018899A JP 2000219663 A JP2000219663 A JP 2000219663A
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ornithine
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JP4018899A
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Takeyori Saeki
武頼 佐伯
Tetsuji Asao
哲次 浅尾
Atsuhiko Kamimura
敦彦 上村
Yoshimitsu Suda
悦光 須田
Nobuhiko Katsunuma
信彦 勝沼
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高アンモニア血症の治療に有用な新規なNδ
−置換アミノオルニチン誘導体及びその塩を提供する。 【解決手段】 式(I)で表されるNδ−置換アミノオ
ルニチン誘導体、およびその塩。 【化1】 (式中、R1およびR2は同一又は異なって、水素原子、
低級アルキル基、低級アルカノイル基、ベンジル基、ベ
ンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオ
キシカルボニル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高アンモニア血症の
治療に有用な新規なNδ−置換アミノオルニチン誘導体
及びその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】L−オルニチンは塩基性のアミノ酸であ
り、高等動物の尿素生成機構に関与する重要な化合物で
あり、これら誘導体は生体中に多く存在し、また化学的
にも数多く合成されている。しかし、本発明のNδ−置
換アミノオルニチン誘導体はオルニチンのNδ位置のア
ミノ基に更に置換アミノ基が結合したものであり、この
ような化学構造を有するものは未だ知られていない。本
発明化合物に類似する化合物としては下記グルタミニル
ヒドラジンの誘導体(a)が数多く知られている。
【0003】
【化2】
【0004】これら誘導体の例としては、特開昭57−
40409号にコラーゲンの異常増殖を伴う疾病の治療
薬としてグルタミニルヒドラジンが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は高アン
モニア血症の治療に有用な新規なNδ−置換アミノオル
ニチン誘導体及びその塩を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は式(I)で表さ
れるNδ−置換アミノオルニチン誘導体、およびその塩
に係る。
【0007】
【化3】 (式中、R1およびR2は同一又は異なって、水素原子、
低級アルキル基、低級アルカノイル基、ベンジル基、ベ
ンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオ
キシカルボニル基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書の式(I)の定義におい
て低級とは炭素数1ないし6個を有する直鎖または分岐
状の炭素鎖を意味する。中でも、炭素数1ないし4個の
ものが好ましく、例えば低級アルキル基ではメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基が特に好まし
い。低級アルカノイル基としては、例えばホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブタノイル基等を、低級アルコ
キシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル基等を例
示できる。本発明の化合物の製薬上許容可能な塩として
は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、
および有機酸、例えばメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、
マレイン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、
および無機もしくは有機塩基、例えば、ナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属、シクロヘキシル
アミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペラジンなど
のアミン類が付加塩として挙げられる。これら塩は一般
的方法により製造される。
【0009】本発明の式(I)の化合物は、製造上その
水和物として、あるいはメタノール和物等の各種溶媒和
物として、さらに結晶多形をなす各結晶形を有する物質
として単離される場合もあるので、本発明の式(I)の
化合物には、これらの水和物、各種溶媒和物、あるいは
結晶多形をなす各結晶形を有する物質が含まれる。ま
た、アミノ酸残基は不斉炭素の存在に基づき立体異性体
(L体、D体もしくはS配置、R配置)が存在する。本
明細書ではこれらの異性体のすべてを含むものである。
本発明の好適な化合物は、R1およびR2が水素原子であ
る化合物である。以下に本発明の式(I)に示される化
合物の製造法を示し、詳述する。
【0010】
【化4】
【0011】(式中R及びR2は前記の意味を有し、
XもしくはYはアミノ基の保護基を意味する。)
【0012】本発明の化合物の製造のための出発物とな
るグルタミン酸のオキソオキサゾリン誘導体(II)は、
例えばテトラヘドロンレタース 25、927、(19
84)の方法により得られる。本発明におけるXまたは
Yのアミノ基の保護基としては、ペプチドN末端もしく
は、側鎖のアミノ基の保護基として通常用いられている
ものが挙げられ、"Protective Groups in Organic
Synthesis”グリーンアンド ウッツ、ニューヨーク
(1981)に記載の保護基を採用できる。これらの保
護基を反応条件に応じて適宜用いればよい。例えば本発
明においては、接触水素添加によって容易に除去できる
ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
【0013】式(III)の化合物は、式(II)の化合物
とヒドラジン誘導体(VII)を縮合させることにより製
造できる。この際に用いられる縮合剤は1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
(EDC)、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)、ジフェニルホスホリルアミド(DPP
A)、カルボニルジイダゾール(CDI)、ベンゾトリ
アゾール−1−イルオキシトリスジメチルアミノホスホ
ニウムヘキサフルオロリン酸(BOP試薬)などのペプ
チド結合形成に一般に用いられる縮合剤が挙げられる。
EDC、DCC等の縮合剤とともに用いてもよい添加剤
としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOS
u)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
の他、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ
−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)等が挙げ
られる。特にEDC、HOBtの系が好ましい。また、
酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライドや4−ニトロフ
ェノール、HOSu、HOBt等の活性エステル、エチ
ルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート塩化
ジフェニルホスホリル等の混酸無水物法も適用される。
【0014】また、適用される方法によっては、トリメ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチル
アミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、N−メチルモ
ルホリン(NMM)等の塩基の存在下に反応させるのが
反応を円滑に進行させる上で好ましい。反応は、通常溶
媒中で、冷却下あるいは室温下に行われる。好適には室
温が望ましい。用いられる溶媒は、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等が挙げられ、これらは単独あるいは任意の
混合溶媒として使用される。
【0015】式(IV)の化合物は、式(III)の化合物
の酸アミド部分の選択的還元反応を用いることにより製
造できる。還元は、テトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミド、ジオキサン、ジメトキシエタンなどの反応に
関与しない有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒中、必要
ならNMM、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基
を添加し、還元剤を加えて行うのが好ましく、使用され
る還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ト
リメトキシホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニ
ウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、アラ
ン(AlH3)、水素化ジイソブチルアルミニウム、ボラ
ン等が挙げられる。本発明においてはカルバメイトおよ
びエステルを有していることから特にボラン−テトラヒ
ドロフラン系が好ましい。ボラン−テトラヒドロフラン
錯体を1ないし3当量、好ましくは1当量を添加し、室
温ないし加熱還流下で反応させる。用いる溶媒は、前記
の如く反応に関与しない溶媒、例えば本発明において
は、テトラヒドロフランが好ましく、1ないし5時間還
流することにより製造される。
【0016】式(V)の化合物は、式(VI)の化合物の
アミノ基を保護することにより製造できる。保護基の導
入は、ペプチド反応の分野において慣用されている任意
の方法を適用することにより行われ、例えばアミノ基の
保護基がアシル系あるいはウレタン系の保護基であると
きは、上記アミド結合形成反応と同様にして行うことが
できる。保護基としては前記の如く接触水素添加によっ
て容易に除去できるベンジル基、ベンジルオキシカルボ
ニル基が好ましい。反応は上述した溶媒、例えば、テト
ラヒドロフラン中でベンジルクロリド、あるいはベンジ
ルオキシカルボニルクロリドを1ないし3当量、好まし
くは1当量を添加し上述した塩基存在下、例えばトリエ
チルアミン下で反応することにより製造される。
【0017】式(VI)の化合物は、式(V)の化合物の
塩基による開環反応により製造される。この反応は、例
えばテトラヘドロンレタース 25、927、(198
4)の方法を用いることによって得られる。式(I)の
化合物は、式(VI)の化合物の保護基を除去することに
より製造される。保護基の脱離は、ペプチド反応の分野
において慣用されている任意の方法を適用することによ
り行われ、例えばアミノ基の保護基が置換若しくは非置
換のベンジルオキシカルボニル基である場合には接触還
元が好適である。また臭化水素酸/酢酸、臭化水素酸/
トリフルオロ酢酸(TFA)、フッ化水素酸などによる
酸処理も用いることができる。本発明において保護基が
ベンジルオキシカルボニル基の場合は適当なアルコー
ル、例えばメタノールまたはエタノールと水の単独ある
いは混合溶媒系において水素雰囲気下、触媒を作用させ
る。気圧は1ないし5気圧が好適であり、触媒として
は、例えばパラジウム−炭素を用いるのが好ましい。
【0018】本発明の化合物は高アンモニア血症の治療
薬として有用である。高アンモニア血症に共通に認めら
れる症状に肝障害、嘔吐、嗜眠、けいれん、発育障害、
知能障害等が挙げられる。高アンモニア血症は、生体
内、主として肝で起こる尿素回路の異常に起因する。尿
素回路とは、アミノ酸およびタンパク質代謝より生成さ
れるアンモニアを尿素に変換し解毒、排泄する過程をい
う。この回路に障害が起こればより無毒な尿素が生成さ
れず、結果としてアンモニア量が増大し、高アンモニア
血症となることが知られている。
【0019】この尿素回路においてオルニチンは、シト
ルリンの前駆体、またアルギニンの代謝中間体として重
要であり、3つの主代謝系をもつ。1つは、オルニチン
カルバモイルトランスフェラーゼによる尿素回路の第一
段階であるシトルリン形成である。この回路の最終化合
物はアルギニンであり、この過程で体内産生されたアン
モニアを解毒化する。2つめは、オルニチンデカルボキ
シラーゼによって脱炭酸されプトレシンを形成する経路
である。この反応はポリアミン形成の第一段階であり、
細胞の増殖、分化に重要なポリアミンの形成を促す(メ
ディカルバイオケミストリー 53,121,197
5、 ライフサイエンス 13,1635,197
3)。3つめは、オルニチンアミノトランスフェラーゼ
によるα−ケトグルタル酸からのグルタミン酸とグルタ
ミン酸セミアルデヒドへの変換である。
【0020】形成されたグルタミン酸は、グルタミン酸
デカルボキシラーゼによってγ−アミノ酪酸に変換され
る。この主たるオルニチン代謝経路によるそれぞれの代
謝物への変換比は生理学的あるいは病理学的諸条件で変
化するが、例えばグルタミン酸形成へのオルニチンアミ
ノトランスフェラーゼの活性を阻害すれば、尿素回路や
ポリアミン形成のような他のオルニチン代謝経路を活性
化あるいは増強させることができる。式(I)の化合物
はオルニチンアミノトランスフェラーゼの抑制剤であ
り、尿素回路の活性上昇を通してアンモニアの解毒化を
向上させることができ、高アンモニア血症由来の前述の
疾患に対して有効である。またポリアミン形成を促進さ
せ、外傷後の組織、神経等の再生にも有効である。
【0021】式(I)の化合物が、オルニチンアミノト
ランスフェラーゼに対して選択的な阻害活性を有するこ
とは、以下に記す試験によって確認された。オルニチン
アミノトランスフェラーゼのホロ酵素による、式
(I)、特にR1およびR2がともに水素である化合物の
阻害効果をみた結果、濃度0.05mMから0.5mMの範
囲において約40%のオルニチンアミノトランスフェラ
ーゼ活性の阻害を示した。
【0022】また、式(I)の化合物は、10〜200
mg/kgの投与量で高アンモニア血症動物モデルに対して
効果を示した。即ち、オルニチンカルバモイルトランス
フェラーゼが欠損したspf-ashマウスに塩化アンモニウ
ム(2mmol/kg)を静脈内投与すると、5分後に肝臓内
のアンモニア濃度が891±138mmol/g liverから
3654±698mmol/g liverに上昇するのに対し、
例えば塩化アンモニウム投与6時間前に請求項2の化合
物を100mg/kg腹腔内投与しておくとアンモニア濃度
は2241±783mmol/g liverであり、51%抑制し
た。
【0023】以上のことから、本発明化合物は、オルニ
チンアミノトランスファーゼ活性を阻害することにより
尿素回路を活性化もしくは増強させ、アンモニアの解毒
化を向上させ、アンモニア濃度の上昇を抑制することを
示唆している。従って、本発明のオルニチン誘導体及び
その塩は、高アンモニア血症を呈する種々の疾患に対す
る治療薬として有効である。
【0024】
【実施例】実施例1 Nδ−アミノオルニチンの製造 (1)1−[3−{(4S)−3−(ベンジルオキシカ
ルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−4−イル}プ
ロピオニル]−2−ベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ンの製造 文献記載(テトラヘドロンレタース 25,927,1
984)の製法に従って製造した(4S)−3−(ベン
ジルオキシカルボニル)−4−(2−カルボキシルエチ
ル)−5−オキソオキサゾリジン(150g、0.51mo
l)のアセトニトリルの1000ml溶液に、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール(69g、0.51mol)、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(98g、0.51mol)のアセトニトリル
溶液(150ml)を滴下し、室温で終夜撹拌した。水を
加えアセトニトリルを減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分層し有機層を飽
和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、目的物70g(収率31%)を得た。
【0025】1H−NMR (DMSO−d6, TMS) δ:2.10〜2.55(4H,m),4.20(1H,
t,J=7Hz),4.90(2H,s),5.10〜
5.20(3H,m),5.50(1H,d,J=4H
z),7.35(10H,s) m/z:442(FAB+,M++1) [α]20D=+65° (C=1.0,エタノール)
【0026】(2)1−[3−{(4S)−3−(ベン
ジルオキシカルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−
4−イル}プロピル]−2−ベンジルオキシカルボニル
ヒドラジンの製造 (1)で得られた1−[3−{(4S)−3−(ベンジ
ルオキシカルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−4
−イル}プロピオニル]−2−ベンジルオキシカルボニ
ルヒドラジン(68g、154mmol)のテトラヒドロフ
ラン溶液(600ml)に0℃で1M−ボラン−テトラヒ
ドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液(154ml、
154mmol)を1時間を要して滴下し、2時間加熱還流
した。反応溶液を室温に戻し、6N−塩酸を加えpH2
に調整し20分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で中和後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、目的物 5.92g(収
率 9%)を得た。
【0027】1H−NMR(DMSO−d6,TMS) δ:1.50〜1.90(4H,m),3.40〜3.54
(2H,m),3.95(1H,brs),4.25(1
H,t,J=7Hz),4.80(2H,s),4.95
(2H,s),5.15(1H,d,J= 4.5H
z),5.49(1H,d,J=4.5Hz),7.35
〜7.40(10H,m),7.85(1H,brs) m/z:428(FAB+,M++1) [α]20D=+43° (C=1.0,エタノール)
【0028】(3)1−[3−{(4S)−3−(ベン
ジルオキシカルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−
4−イル}プロピル]−1',2−ジベンジルオキシカル
ボニルヒドラジンの製造 (2)で得られた1−[3−{(4S)−3−(ベンジ
ルオキシカルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−4
−イル}プロピル]−2−ベンジルオキシカルボニルヒ
ドラジン(5.5g、12.87mmol)のテトラヒドロフ
ラン溶液(100ml)に氷浴下トリエチルアミン(1.
3g、12.87mmol)を加え次いでベンジルオキシカル
ボニルクロリド(2.2g、12.87mmol)を滴下し1
5分間撹拌した。水を加えた後テトラヒドロフランを減
圧留去し残渣に酢酸エチルを加え抽出、飽和食塩水で洗
浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、目的物 3.83g(収率53%)を得た。
【0029】mp 105〜109℃1 H−NMR (DMSO−d6,TMS) δ:1.81〜2.10(4H,m),3.50〜3.55
(2H,m),4.30(1H,t,J=7Hz),5.
0〜5.25(7H,m),5.42(1H,d,J=
4.5Hz),7.30〜7.50(15H,m),9.8
0(1H,brs) m/z:562 (FAB+,M++1) [α]20D=+51° (C=1.0,エタノール)
【0030】(4)Nα,Nδ−ジベンジルオキシカル
ボニル−Nδ−ベンジルオキシカルバモイル−L−オル
ニチンの製造 (3)で得られた1−[3−{(4S)−3−(ベンジ
ルオキシカルボニル)−5−オキソオキサゾリジン−4
−イル}プロピル]−1',2−ジベンジルオキシカルボ
ニルヒドラジン(3.83g、6.82mmol)のテトラヒ
ドロフラン溶液(10ml)に2N水酸化ナトリウム水溶
液(10ml)を滴下し1時間撹拌した。反応溶液に6N
塩酸を加え、pH2に調整し酢酸エチル、飽和食塩水で
洗浄、分層した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、油状の目的物 3.15g(収率 92%)
を得た。
【0031】1H−NMR(DMSO−d6,TMS) δ:1.82〜2.00(4H,m),3.45〜3.55
(2H,m),4.20〜4.30(1H,m),4.9
5(2H,s),5.10〜5.25(4H,m),5.
80(1H,br),7.31(5H,s),7.40〜
7.51(10H,m) m/z:550(FAB+,M++1) [α]20D=+22° (C=1.0,メタノール)
【0032】(5) Nδ−アミノオルニチンの製造 (4)で得られたNα,Nδ−ジベンジルオキシカルボ
ニル−Nδ−ベンジルオキシカルバモイル−L−オルニ
チン(3g,5.46mmol)およびパラジウム−炭素(5
0%含水)のメタノール(50ml)、水(10ml)の混
合溶液を水素雰囲気下2時間撹拌した。水(40ml)を
加え不溶物をセライト濾去し、濾液を減圧濃縮した。得
られた油状残渣に水を加え再度セライト濾過し濾液を凍
結乾燥することにより、目的物0.83g(収率97%)
を得た。
【0033】mp.65−72℃1 H−NMR(D2O) δ:1.66〜1.80(4H,m),2.83〜3.08
(2H,m),3.70(1H,t,J=6.5Hz) m/z:146(FAB−,M+−1) [α]20D=+17.5° (C=1.0,H2O)
【0034】
【発明の効果】本発明のオルニチン誘導体及びその塩は
尿素回路のオルニチン代謝経路を活性化あるいは増強す
ることができ、従って、アンモニアの解毒化を向上さ
せ、高アンモニア血症を呈する種々の疾患に対して有効
な抗高アンモニア血症剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝沼 信彦 徳島県徳島市名東町3−246−2 Fターム(参考) 4C206 AA03 HA03 ZA75 ZC37 4H006 AA01 AB21 AB26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表されるNδ−置換アミノオ
    ルニチン誘導体、およびその塩。 【化1】 (式中、R1およびR2は同一又は異なって、水素原子、
    低級アルキル基、低級アルカノイル基、ベンジル基、ベ
    ンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオ
    キシカルボニル基を示す。)
  2. 【請求項2】 R1及びR2が水素原子である請求項1の
    化合物。
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