JP2000219556A - セメント混和材、セメント組成物、それを用いたセメント硬化体、及びその製造方法 - Google Patents

セメント混和材、セメント組成物、それを用いたセメント硬化体、及びその製造方法

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    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期強度発現性が良好で、施工性の良好なコ
ンクリートが得られる、主に、土木・建築において使用
されるセメント混和材、セメント組成物、それを用いた
セメント硬化体、及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 チオシアン酸塩類と特定のポリカルボン
酸系減水剤を含有してなるセメント混和材、該セメント
混和材とセメントを含有するセメント組成物、該セメン
ト組成物を含有するコンクリートからなるセメント硬化
体、並びに、該セメント硬化体の製造方法を構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、土木・建築
において使用されるセメント混和材、セメント組成物、
それを用いたセメント硬化体、及びその製造方法に関す
る。なお、本発明においてセメント硬化体とは、セメン
トペースト、モルタル、又はコンクリートから製造した
もの、あるいは、さらに、鉄筋等と複合化したコンクリ
ート二次製品やコンクリート構造物を総称するものであ
る。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、現場作業員確保の困難性
や大規模施工の増大から、施工の省力化を目的として、
普通ポルトランドセメント又は混合セメントに、減水剤
や増粘剤などを配合して、締め固めの不要な、又は、微
振動で締め固めのできるコンクリート組成物が提案され
ている(特開平3-45522号公報や特開平3-237049号公報
など)。しかしながら、これらのコンクリート組成物
は、初期の強度発現性が乏しいという課題を有してい
た。
【0003】本発明者は、前記課題を解決すべく、種々
検討を重ねた結果、特定のセメント混和材を使用するこ
とにより、初期の強度発現性が良好で、材料分離抵抗性
にも富んだ締め固め不要のコンクリートが得られるとい
う知見を得て本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、チオシ
アン酸塩類とポリカルボン酸系減水剤とを含有してなる
セメント混和材であり、該ポリカルボン酸系減水剤が、
ポリオキシアルキレン基、酸無水物基及び/又はカルボ
キシル基、並びに、フェニル基を含有する該セメント混
和材であり、該ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、
(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチ
レン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1
モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,0
00の共重合体(I)である該セメント混和材であり、該ポ
リカルボン酸系減水剤が、式(4)で示される構成単位か
らなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)と、共
重合体(I)からなる該セメント混和材であり、該セメン
ト混和材とセメントとを含有するセメント組成物であ
り、該セメント組成物を含有するコンクリートからなる
セメント硬化体、並びに、該セメント硬化体の製造方法
である。
【0005】
【化5】
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】本発明で使用するチオシアン酸塩類とは、
強度発現性の向上に必要であり、成分的に特に限定され
るものでなく、チオシアン酸のアルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩などの一種又は二種以上からなるものであ
る。特に、ナトリウム塩、カリウム塩、又はカルシウム
塩の使用が経済的に好ましい。チオシアン酸塩類の使用
量は、セメント100重量部に対して、0.5〜5重量部が好
ましい。0.5重量部未満では強度発現性が悪い場合があ
り、5重量部を越えるとセメント組成物の流動性が悪く
なる場合がある。
【0011】本発明で使用するポリカルボン酸系減水剤
とは、セメント分散効果、減水効果、及び流動性保持効
果を有するものである。本発明の式(1)、(2)、及び(3)
の構成単位からなる共重合体(I)は、ポリオキシエチレ
ンモノアリルモノアルキルエーテル、無水マレイン酸、
及びスチレン単量体を共重合して得られる。
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】式(1)におけるRは、水素又は炭素数1〜
5のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル
基、及びイソアミル基等が挙げられる。
【0016】本発明における共重合体(I)中のオキシエ
チレン単位の重合度は重要であり、分子中のカルボキシ
ル基の量に依存する。即ち、共重合体(I)中のカルボキ
シル基1モルに対して、n、即ち、オキシエチレン単位
が10〜60モルであることが好ましく、15〜50モルである
ことがより好ましい。オキシエチレン単位が10モル未満
では脱型時の短期強度発現性が劣り、ブリージング率も
高い場合があり、60モルを越えるとモルタルやコンクリ
ート(以下、セメント混練物という)の流動性が低下す
る場合がある。本発明におけるカルボキシル基として
は、遊離のカルボキシル基の他、酸無水物基に水を加え
た場合に加水分解して生じる2モルのカルボキシル基も
含まれ、さらに、これらカルボキシル基が、塩又は加水
分解しやすいエステルとして存在する場合も本発明にお
けるカルボキシル基に含まれる。本発明の共重合体(I)
は、使用に際して水と共存する。その際に無水マレイン
酸が開環して生じる2個のカルボキシル基は親水性であ
るが、セメントの水和遅延因子である。そこで、他の親
水性単位であるオキシエチレンの重合度を調整し、カル
ボキシル基とポリオキシエチレン単位とのモル比を1:
10〜60にすることにより、水和遅延がなくセメント混練
物の流動性が良好なセメント用の減水剤が得られる。
【0017】本発明の共重合体(I)の分子量は5,000〜1
00,000が好ましく、10,000〜80,000がより好ましい。5,
000未満では減水効果が不充分となる場合があり、100,0
00を越えるとセメント混練物の流動性が低下する場合が
ある。
【0018】本発明の式(4)の構成単位からなる共重合
体(II)は、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエ
ーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレ
ンモノアリルエーテルとエステル化することにより得ら
れる。ここで、式(4)中のlとmは、オキシエチレン単位
のモル数である。
【0019】
【化12】
【0020】本発明の共重合体(II)の分子量は5,000〜1
00,000である。5,000未満では減水効果が不充分となる
場合があり、100,000を越えるとセメント混練物の流動
性が低下する場合がある。本発明の共重合体(II)は共重
合体(I)と組み合せて使用するが、その配合比率は、共
重合体(I) 100重量部に対して、共重合体(II)50〜100
重量部がセメント混練物の流動性保持の面から好まし
い。
【0021】本発明で使用するポリカルボン酸系減水剤
は粉状でも水溶液状でも使用可能である。粉状として使
用する際に、ポリカルボン酸系減水剤自体が粉状になり
難い性状である場合には、無機粉体に坦持させて粉体と
する方法や、多価金属との塩にすることにより粉体とし
て取扱い可能な性状にする方法などにより粉体とするこ
とが可能である。粉状で使用するポリカルボン酸系減水
剤の平均粒径は、0.1〜500μmが好ましい。平均粒径50
0μmを越える粉体では溶媒に対する溶解速度の違いや
偏析などにより本来の性能が再現よく得られず好ましく
ない場合がある。
【0022】ポリカルボン酸系減水剤の使用量は、セメ
ント100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましい。0.
5重量部未満ではセメント分散効果や減水効果が十分で
なく、5重量部を越えてもさらなる効果が期待できず、
経済的に好ましくない。
【0023】本発明では、チオシアン酸塩類とポリカル
ボン酸系減水剤とをセメント混和材として使用するが、
粉状でも水溶液状でも使用可能である。
【0024】本発明で使用するセメントとしては、普通
・早強・超早強等の各種ポルトランドセメントや、これ
らポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ
又はシリカを混合した各種混合セメント、あるいはポル
トランドセメントに膨張材を混合した膨張セメント等が
挙げられる。
【0025】本発明の各材料を混合する装置としては、
既存のいかなる撹拌装置も使用可能である。例えば、傾
胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、及びナウターミキサー等の使用が可能であ
る。また、混合は、それぞれの材料を施工時に混合して
もよいし、あらかじめ一部又は全部を混合しておいても
差し支えない。
【0026】本発明では、前記各材料の他に、砂や砂利
などの骨材、セメント膨張材、凝結調整剤、AE剤、消
泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、高分子エマルジョン、
酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどのカルシウム化
合物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属亜硫酸塩、及
びアルカリ金属重亜硫酸塩等の硫酸塩、ベントナイト等
の粘土鉱物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、及びハ
イドロカルマイト等のイオン交換体、無機リン酸塩、並
びに、ホウ酸等のうちの一種又は二種以上を本発明の目
的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能であ
る。
【0027】本発明ではセメント組成物の粘性を改良
し、ブリージングや骨材沈降のような材料分離を防止す
る目的や、材料分離を防止し高流動性を得る目的で増粘
剤を併用することができる。増粘剤としては、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロ
ピルセルロース等のセルロース系高分子、澱粉、ザンタ
ンガム、アラビアガム、ウエランガム、及びアルギン酸
ナトリウム等の天然多糖類、並びに、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、及
びポリ酢酸ビニル等の合成高分子が挙げられる。これら
の中では効果が大きい面でセルロース系高分子の使用が
好ましい。増粘剤の使用量は、セメント100重量部に対
して、0.0001〜1.0重量部が好ましく、0.001 〜0.5重量
部がより好ましい。0.0001重量部未満では添加効果がな
く、1.0重量部を越えると粘性が大きくなりコンクリー
トの施工性が悪くなる場合がある。
【0028】本発明において、セメント硬化体を製造す
る際の成型方法は特に限定されるものではなく、形状や
大きさによっても異なるので一義的に決めることはでき
ない。例えば、ボックスカルバートやU字型コンクリー
ト溝などを製造する場合は、型枠内にセメント混練物を
高流動化して流し込んだり、あるいは、微振動で締め固
めることにより成型される。また、ヒューム管、パイ
ル、及びポール等は遠心力で成型される。遠心力成型条
件は、セメント硬化体の種類により異なるが、通常、3
段階に分けて遠心力をかけるもので、重力加速度は1〜
30G程度である。
【0029】本発明のセメント硬化体は、初期に脱型可
能であり、材齢12時間程度から実用強度を発現するが、
脱型後に水中養生や散水養生を行なうことが、品質向上
の面から好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実験例により本発明を詳細に説明す
る。
【0031】実験例1 コンクリート中の単位量をセメント500kg/m3、水200kg/
m3、細骨材870kg/m3、及び粗骨材720kg/m3とし、セメン
ト100重量部に対して、表1に示す減水剤と、チオシア
ン酸塩類a3重量部とを配合し、コンクリートを調製
し、そのスランプフローと圧縮強度を測定した。結果を
表2に併記する。なお、減水剤とチオシアン酸塩類は練
り混ぜ水と同時に添加した。
【0032】<使用材料> セメントα:早強ポルトランドセメント、ブレーン値4,
460cm2/g、市販品 セメントβ:普通ポルトランドセメント、ブレーン値3,
340cm2/g、市販品 チオシアン酸塩類a:チオシアン酸カルシウム、試薬一
級 細骨材 :新潟県姫川産砂 粗骨材 :新潟県姫川産川砂利 水 :水道水 減水剤 :ポリカルボン酸系減水剤、式(5)、(6)、及
び(3)の構成単位からなる共重合体(III)、式(7)に示す
構成単位からなる共重合体(IV)、並びに、これらをブレ
ンドして表1に示すように調製したもの
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【表1】
【0038】<試験方法> スランプフロー:財団法人、沿岸開発技術センター及び
漁港漁村建設技術研究所発行、水中不分離性コンクリー
ト・マニュアル、付録「水中分離性コンクリートの試
験、スランプフロー試験」に従い、コンクリートの広が
りを直角方向に2点測定 圧縮強度 :10φ×20cmの供試体を作製して、JIS A 11
08に準じて測定
【0039】
【表2】
【0040】実験例2 セメントαと、セメント100重量部に対して、減水剤H
1.0重量部を使用し、表3に示すチオシアン酸塩類を使
用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3
に併記する。
【0041】<使用材料> チオシアン酸塩類b:チオシアン酸カリウム、試薬一級 チオシアン酸塩類c:チオシアン酸ナトリウム、試薬一
級 チオシアン酸塩類d:チオシアン酸アンモニウム、試薬
一級
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明のセメント組成物を使用すること
により、初期強度発現性が良好で、施工性の良好なコン
クリートが得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオシアン酸塩類とポリカルボン酸系減
    水剤とを含有してなるセメント混和材。
  2. 【請求項2】 ポリカルボン酸系減水剤が、ポリオキシ
    アルキレン基、酸無水物基及び/又はカルボキシル基、
    並びに、フェニル基を含有することを特徴とする請求項
    1記載のセメント混和材。
  3. 【請求項3】 ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、
    (2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチ
    レン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1
    モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,0
    00の共重合体(I)であることを特徴とする請求項1又は
    2記載のセメント混和材。 【化1】 【化2】 【化3】
  4. 【請求項4】 ポリカルボン酸系減水剤が、式(4)で示
    される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共
    重合体(II)と、請求項3記載の共重合体(I)からなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のセメント混和材。 【化4】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちの1項記載のセメン
    ト混和材とセメントとを含有してなるセメント組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のセメント組成物を含有す
    るコンクリートからなるセメント硬化体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のセメント硬化体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100888243B1 (ko) 2007-06-19 2009-03-10 주식회사 실크로드시앤티 동절기 플라이애쉬의 혼화율을 증대시키기 위한 촉진형혼화제 조성물
JP2010235384A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nof Corp 遠心成形コンクリート用強度向上添加剤および遠心成形組成物
JP2017007922A (ja) * 2015-06-26 2017-01-12 花王株式会社 遠心成型用水硬性組成物
CN108517027A (zh) * 2018-05-07 2018-09-11 上海台界化工有限公司 一种含苯基的聚羧酸减水剂的合成方法及其产品

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