JP3986185B2 - セメント組成物、それを用いたセメント硬化体 - Google Patents

セメント組成物、それを用いたセメント硬化体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築において使用されるセメント組成物、それを用いたセメント硬化体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
近年、現場作業員確保の困難性や大規模施工の増大から、施工の省力化を目的として、普通ポルトランドセメント又は混合セメントに、減水剤や増粘剤などを配合して、締め固めの不要な、又は、微振動で締め固めのできるコンクリート組成物が提案されている(特開平3−45522号公報や特開平3−237049号公報など)。
しかしながら、これらのコンクリート組成物は、初期の強度発現性が乏しくスランプロスも大きいという課題を有していた。
【0003】
本発明者は、前記課題を解決すべく、種々検討を重ねた結果、特定のセメント組成物を使用することにより、初期の強度発現性が良好で、しかもスランプロスが少なく、材料分離抵抗性にも富んだ締め固め不要のコンクリートが得られるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0004】
なお、本発明においてセメント硬化体とは、セメントペースト、モルタル、又はコンクリートから製造した、あるいは、さらに、鉄筋等と複合化したコンクリート二次製品やコンクリート構造物を総称するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記(1)〜(5)を含有してなるセメント組成物であり、
(1) 3CaO SiO 2 含有量が 60 重量%以上のセメント
(2)セメント 100 重量部に対して、無水セッコウ1〜5重量部
(3)セメント 100 重量部に対して、硫酸アルミニウムを無水物換算で 0.2 〜3重量部
(4)セメント 100 重量部に対して、アルカリ金属アルミン酸塩 0.1 0.8 重量部
(5)セメント、無水セッコウ、硫酸アルミニウム、及びアルカリ金属アルミン酸塩からなる結合材 100 重量部に対して、(5−1)と(5−2)を含有してなるポリカルボン酸系減水剤 0.1 5.0 重量部
(5−1)式 (1) (2) 、及び (3) で示される構成単位からなり、Rが、水素又は炭素数1〜5のアルキル基であり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体 ( ) 中のカルボキシル基1モルに対して 10 60 モルであり、分子量が 5,000 100,000 の共重合体 ( )
(5−2)(5−1)共重合体 ( )100 重量部に対して、式 (4) で示される構成単位からなり、分子量が 5,000 100,000 の共重合体 (II)30 100 重量部
(5−1)の共重合体 ( ) が、ポリオキシエチレンモノアリルモノアルキルエーテル、無水マレイン酸、及びスチレン単量体を共重合して得られた共重合体である該セメント組成物であり、
(5−2)の共重合体 (II) が、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られた共重合体である該セメント組成物であり、
セメントが早強ポルトランドセメントである該セメント組成物であり、
該セメント組成物を含有する締め固め不要のコンクリートであり、
該セメント組成物を含有するコンクリートからなるセメント硬化体である
【0006】
【化5】
Figure 0003986185
【0007】
【化6】
Figure 0003986185
【0008】
【化7】
Figure 0003986185
【0009】
【化8】
Figure 0003986185
【0010】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0011】
本発明で使用するセメントの3CaO・SiO2含有量は60重量%以上であり、66重量%以上が好ましい。60重量%未満では充分な初期強度発現性が得られない場合がある。通常は、市販の早強ポルトランドセメントが使用できる。
セメントの粒度は、ブレーン値が3,500〜7,000cm2/gが好ましく、4,000〜5,000cm2/gがより好ましい。ブレーン値が3,500cm2/g未満では充分な初期強度発現性が得られない場合があり、7,000cm2/gを越えるとコンクリートのスランプロスが大きくなる場合がある。
【0012】
本発明で使用する無水セッコウは、無水物であれば特に限定されるものではなく、天然に産出する天然無水セッコウ、半水セッコウや二水セッコウを熱処理して得られる無水セッコウ、及び工業副産物として発生する無水セッコウ等の使用が可能である。
無水セッコウの粒度は、ブレーン値で2,500cm2/g以上のものが好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。2,500cm2/g未満では長期材令において未水和残存セッコウにより膨張破壊が発生する場合がある。
無水セッコウの使用量は、セメント100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、3〜4重量部がより好ましい。1重量部未満では初期強度の発現性が悪くなる場合があり、5重量部を越えると長期材令において未水和残存セッコウにより膨張破壊が発生する場合がある。
【0013】
本発明で使用する硫酸アルミニウムは特に限定されるものではなく、いずれの含水率のものも使用可能であり、本発明では硫酸アルミニウムの使用量を無水物換算として規定する。
硫酸アルミニウムの使用量は、セメント100重量部に対して、無水物換算で0.2〜3重量部が好ましく、1〜2重量部がより好ましい。0.2重量部未満では初期強度の発現性が悪い場合があり、3重量部を越えると作業性が悪くなる場合がある。
【0014】
本発明で使用するアルカリ金属アルミン酸塩は、初期、中期、及び長期強度の発現性を向上させるために不可欠であり、成分的には特に限定されるものでないが、アルミン酸ナトリウムを使用することが経済的に好ましい。
アルカリ金属アルミン酸塩の使用量は、セメント100重量部に対して、0.1〜0.8重量部が好ましく、0.3〜0.5重量部がより好ましい。0.1重量部未満では充分な強度発現性が得られない場合があり、0.8重量部を越えると作業性が悪くなる場合がある。
【0015】
本発明で使用するポリカルボン酸系減水剤とは、セメント分散効果、減水効果、及び流動性保持効果を有するものである。
本発明の式(1)、(2)、及び(3)の構成単位からなる共重合体(I)は、ポリオキシエチレンモノアリルモノアルキルエーテル、無水マレイン酸、及びスチレン単量体を共重合して得られる。
【0016】
【化9】
Figure 0003986185
【0017】
【化10】
Figure 0003986185
【0018】
【化11】
Figure 0003986185
【0019】
式(1)におけるRは、水素又は炭素数1〜5のアルキル基である。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、及びイソアミル基等が挙げられる。
【0020】
本発明における共重合体(I)中のオキシエチレン単位の重合度は重要であり、分子中のカルボキシル基の量に依存する。
即ち、共重合体(I)中のカルボキシル基1モルに対して、n、即ち、オキシエチレン単位が10〜60モルであることが好ましく、15〜50モルであることがより好ましい。オキシエチレン単位が10モル未満では脱型時の短期強度発現性が劣り、ブリージング率も高い場合があり、60モルを越えるとモルタルやコンクリートのセメント混練物の流動性が低下する場合がある。
本発明におけるカルボキシル基としては、遊離のカルボキシル基の他、酸無水物基に水を加えた場合に加水分解して生じる2モルのカルボキシル基も含まれ、さらに、これらカルボキシル基が、塩又は加水分解しやすいエステルとして存在する場合も本発明におけるカルボキシル基に含まれる。
本発明の共重合体(I)は、使用に際して水と共存する。その際に無水マレイン酸が開環して生じる2個のカルボキシル基は親水性であるが、セメントの水和遅延因子である。
そこで、他の親水性単位であるオキシエチレンの重合度を調整し、カルボキシル基とポリオキシエチレン単位とのモル比を1:10〜60にすることにより、水和遅延がなくセメント混練物の流動性が良好なセメント用の減水剤が得られる。
【0021】
本発明の共重合体(I)の分子量は5,000〜100,000が好ましく、10,000〜80,000がより好ましい。5,000未満では減水効果が不充分となる場合があり、100,000を越えるとセメント混練物の流動性が低下する場合がある。
【0022】
本発明の式(4)の構成単位からなる共重合体(II)は、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られる。
ここで、式(4)中のlとmは、オキシエチレン単位のモル数である。
【0023】
【化12】
Figure 0003986185
【0024】
本発明の共重合体(II)の分子量は5,000〜100,000である。5,000未満では減水効果が不充分となる場合があり、100,0000を越えるとセメント混練物の流動性が低下する場合がある。
本発明の共重合体(II)は共重合体(I)と組み合せて使用するが、その配合比率は、共重合体(I) 100重量部に対して、共重合体(II)50〜100重量部がセメント混練物の流動性保持の面から好ましい。
【0025】
本発明で使用するポリカルボン酸系減水剤は粉状でも水溶液状でも使用可能である。
粉状として使用する際に、ポリカルボン酸系減水剤自体が粉状になり難い性状である場合には、無機粉体に坦持させて粉体とする方法や、多価金属との塩にすることにより粉体として取扱い可能な性状にする方法などにより粉体とすることが可能である。
粉状で使用するポリカルボン酸系減水剤の平均粒径は、0.1〜500μmが好ましい。平均粒径500μmを越える粉体では溶媒に対する溶解速度の違いや偏析などにより本来の性能が再現よく得られず好ましくない場合がある。
ポリカルボン酸系減水剤の使用量は、セメント、無水セッコウ、硫酸アルミニウム、及びアルカリ金属アルミン酸塩からなる結合材100重量部に対して、0.1〜5.0重量部が好ましい。0.1重量部未満では充分な分散性が得られない場合があり、5.0重量部を越えると凝結遅延をひきおこす場合があり、経済的にも好ましくない。
【0026】
本発明の各材料を混合する装置としては、既存のいかなる撹拌装置も使用可能である。例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサ等の使用が可能である。
また、混合は、それぞれの材料を施工時に混合してもよいし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
【0027】
本発明では、上記各材料の他に、砂や砂利などの骨材、セメント膨張材、凝結調整剤、AE剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、高分子エマルジョン、酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどのカルシウム化合物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属亜硫酸塩、及びアルカリ金属重亜硫酸塩等の硫酸塩、ベントナイト等の粘土鉱物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、及びハイドロカルマイト等のイオン交換体、無機リン酸塩、並びに、ホウ酸等のうちの一種又は二種以上を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
【0028】
本発明ではセメント組成物中の連行空気量を調整する目的で、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、及びリン酸エステル類、並びに、金属石けん系、鉱物油系、ポリエーテル系、及びシリコーン系といった従来公知の消泡剤を使用できる。この中でポリエーテル系の消泡剤が好ましく、そのうちの、ポリオキシエチレンポリプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類、ポリオキシアルキレンの末端構造の一部をアルキル基でエーテル化してなるポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンの末端構造の一部をアリール基あるいはアルキルアリール基でエーテル化してなるポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類、アセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類、ポリオキシアルキレンの末端構造の一部を脂肪酸エステル化してなるポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、硫酸エステル基を導入したポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類、リン酸エステル基を導入したポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類、並びに、アミン基を導入したポリオキシアルキレンアルキルアミン類等のポリオキシアルキレン系消泡剤が特に好ましい。
消泡剤の使用方法としては、ポリカルボン酸系減水剤水溶液と消泡剤溶液とを別々に使用する方法や、あらかじめ調整されたポリカルボン酸系減水剤水溶液と消泡剤溶液の混合水溶液を使用する方法、ポリカルボン酸系減水剤の製造工程内で消泡剤成分をあらかじめ加えておきポリカルボン酸系減水剤と一緒に粉体化して使用する方法、消泡剤をホワイトカーボンやシリカなどの無機粉体に含浸あるいは坦持させて粉体状消泡剤とし、粉状ポリカルボン酸系減水剤とあらかじめブレンドして使用する方法、並びに、粉状ポリカルボン酸系減水剤と粉状消泡剤を別々に添加して使用する方法等がある。
消泡剤の使用量は、ポリカルボン酸系減水剤100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満では充分な消泡効果が得られない場合があり、10重量部を越えて使用しても、それ以上に消泡効果が向上しないばかりか、逆にセメント混練物中の連行空気量を増加させることもあり、性能とコストの両面から好ましくない場合がある。
【0029】
本発明ではセメント組成物の粘性を改良し、ブリージングや骨材沈降のような材料分離を防止する目的や、材料分離を防止し高流動性を得る目的で増粘剤を併用することができる。
増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、澱粉、ザンタンガム、アラビアガム、ウエランガム、及びアルギン酸ナトリウム等の天然多糖類、並びに、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、及びポリ酢酸ビニル等の合成高分子が挙げられる。これらの中では効果が大きい面でセルロース系高分子の使用が好ましい。
増粘剤の使用量は、セメント100重量部に対して、0.0001〜1.0重量部が好ましく、0.001 〜0.5重量部がより好ましい。0.0001重量部未満では添加効果がなく、1.0重量部を越えると粘性が大きくなりコンクリートの施工性が悪くなる場合がある。
【0030】
本発明ではセメントの凝結時間を調整する目的で、ポリカルボン酸系減水剤に凝結調整剤を併用することが可能である。
凝結調整剤としては、グルコン酸等の有機酸、アルコール類、リン酸塩類、及びホウ酸塩等が使用できるが、これらの中でも相性の面から有機酸、特に、グルコン酸がより好ましい。
凝結調整剤の使用量は、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましい。0.05重量部未満では添加効果がなく、3重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となる場合がある。
【0031】
本発明において、セメント硬化体を製造する際の成型方法は特に限定されるものではなく、形状や大きさによっても異なるので一義的に決めることはできない。例えば、ボックスカルバートやU字型コンクリート溝などを製造する場合は、型枠内にセメント混練物をバイブレータ等により振動締固め充填を行なったり、あるいは、セメント混練物自体を高流動化して流し込んだり、あるいは、微振動で締め固めることにより成型される。また、ヒューム管、パイル、及びポール等は遠心力で成型される。
遠心力成型条件は、セメント硬化体の種類により異なるが、通常、3段階に分けて遠心力をかけるもので、重力加速度は1〜30G程度である。
【0032】
本発明のセメント硬化体は、初期に脱型可能であり、材齢12時間程度から実用強度を発現するが、脱型後に水中養生や散水養生を行なうことが、品質向上の面から好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0034】
実験例1
セメント100重量部、無水セッコウ4重量部、無水物換算の硫酸アルミニウム1重量部、及びアルカリ金属アルミン酸塩0.5重量部よりなる結合材を使用し、コンクリート中の単位量を結合材400kg/m3、水140kg/m3、細骨材990kg/m3、及び粗骨材825kg/m3とし、表1に示す減水剤を配合したコンクリートを調製し、スランプフローと圧縮強度の測定を行った。結果を表2に示す。
なお、減水剤は練り混ぜ水と同時添加した。
【0035】
<使用材料>
セメントα:電気化学工業社製早強ポルトランドセメント、3CaO・SiO2含有量66重量%、ブレーン値4,460cm2/g
セメントβ:電気化学工業社製、早強ポルトランドセメント54重量部と普通ポルトランドセメント46重量部の混合品、3CaO・SiO2含有量60重量%、ブレーン値3,870cm2/g
セメントγ:電気化学工業社製早強ポルトランドセメント、3CaO・SiO2含有量53重量%、ブレーン値3,340cm2/g
無水セッコウ:天然無水セッコウ、ブレーン値4,120cm2/g
硫酸アルミニウム:水沢化学工業社製粉末硫酸バンド、Al2317重量%、含水率43重量%
アルカリ金属アルミン酸塩:アルミン酸ナトリウム、試薬1級、ブレーン値3,690cm2/g
細骨材 :新潟県姫川産砂
粗骨材 :新潟県姫川産川砂利
水 :水道水
減水剤 :式(5)、(6)、及び(3)の構成単位からなる共重合体(III)、式(7)に示す構成単位からなる共重合体(IV)、並びに、これらをブレンドして表1に示すように調製したもの
【0036】
【化13】
Figure 0003986185
【0037】
【化14】
Figure 0003986185
【0038】
【化15】
Figure 0003986185
【0039】
【化16】
Figure 0003986185
【0040】
【表1】
Figure 0003986185
【0041】
<試験方法>
スランプフロー:財団法人、沿岸開発技術センター及び漁港漁村建設技術研究所発行、水中不分離性コンクリート・マニュアル、付録「水中分離性コンクリートの試験、スランプフロー試験」に従い、コンクリートの広がりを直角方向に2点測定。
圧縮強度 :10φ×20cmの供試体を作製して、JIS A 1108に準じて測定
【0042】
【表2】
Figure 0003986185
【0043】
実験例2
セメントαを使用し、無水セッコウの使用量を表3に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0044】
【表3】
Figure 0003986185
【0045】
実験例3
セメントαを使用し、硫酸アルミニウムの使用量を表4に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0046】
【表4】
Figure 0003986185
【0047】
実施例4
セメントαを使用し、アルカリ金属アルミン酸塩の使用量を表5に示すように変化したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
【0048】
【表5】
Figure 0003986185
【0049】
【発明の効果】
本発明のセメント組成物を使用することにより、初期強度発現性が良好で、しかもスランプロスの少ない、締め固め不要のコンクリートが得られる。

Claims (6)

  1. 下記(1)〜(5)を含有してなるセメント組成物。
    (1) 3CaO SiO 2 含有量が 60 重量%以上のセメント
    (2)セメント 100 重量部に対して、無水セッコウ1〜5重量部
    (3)セメント 100 重量部に対して、硫酸アルミニウムを無水物換算で 0.2 〜3重量部
    (4)セメント 100 重量部に対して、アルカリ金属アルミン酸塩 0.1 0.8 重量部
    (5)セメント、無水セッコウ、硫酸アルミニウム、及びアルカリ金属アルミン酸塩からなる結合材 100 重量部に対して、(5−1)と(5−2)を含有してなるポリカルボン酸系減水剤 0.1 5.0 重量部
    (5−1)式 (1) (2) 、及び (3) で示される構成単位からなり、Rが、水素又は炭素数1〜5のアルキル基であり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体 ( ) 中のカルボキシル基1モルに対して 10 60 モルであり、分子量が 5,000 100,000 の共重合体 ( )
    (5−2)(5−1)共重合体 ( )100 重量部に対して、式 (4) で示される構成単位からなり、分子量が 5,000 100,000 の共重合体 (II)30 100 重量部
    Figure 0003986185
    Figure 0003986185
    Figure 0003986185
    Figure 0003986185
  2. (5−1)の共重合体 ( ) が、ポリオキシエチレンモノアリルモノアルキルエーテル、無水マレイン酸、及びスチレン単量体を共重合して得られた共重合体である請求項1記載のセメント組成物。
  3. (5−2)の共重合体 (II) が、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られた共重合体である請求項1記載のセメント組成物。
  4. セメントが早強ポルトランドセメントである請求項1記載のセメント組成物。
  5. 請求項1〜4のうちの1項記載のセメント組成物を含有する締め固め不要のコンクリート。
  6. 請求項1〜のうちの1項記載のセメント組成物を含有するコンクリートからなるセメント硬化体。
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