JP2000218808A - インクジェットプリンタ装置及びアイリッド組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に保守を行えるアイリッドを備えたイン
クジェットプリンタ装置を提供する。 【解決手段】 始動時にインクジェットプリンタ装置の
印刷ヘッドをシールし、印刷のためにシールを開き、ク
リーニングのためにシールを更に開く技術が本発明によ
り提供される。インクジェット印刷ヘッドはインク液滴
発生器と、インク液滴発生器に隣接して位置する捕獲器
と、捕獲器の下方に位置する捕獲パンとを有する。アイ
リッド（３）はプリンタ装置の始動時に印刷ヘッド内で
インクをシールする。アクチュエータ機構はアイリッド
のための多数の位置を有する所定の非円形経路（３０）
に沿って運動をアイリッドに伝達する。多数バー式のリ
ンク機構が経路に沿ってアイリッドを移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は連続インクジェット
印刷の分野に関し、特に印刷ヘッドの始動及び保守に関
する。

【０００２】

【従来の技術】連続インクジェット印刷装置において
は、アイリッドは始動時にインクを捕獲器内へ逸らせ、
インクを印刷ヘッド内に収容したままインクをリサイク
ルさせる可動シールである。シールは典型的には約０．
０２５インチ（約０．６４ｍｍ）の厚さを有する金属製
の捕獲板のリップ部に当接して形成される。プリンタの
印刷中、アイリッドは約０．０４インチ（約１ｍｍ）開
き、インク液滴が印刷媒体上へ通過するのを許容する。
印刷ヘッドの寿命にわたってクリーニングのために、液
滴発生器及びチャージリード線を含むアイリッド背後の
領域へはしばしば接近することになる。

【０００３】印刷ヘッドは典型的には印刷媒体を担持す
るローラの頂部上に位置し、インク液滴はほぼ垂直方向
下方へ移動する。良好な印刷の質を保証するため、印刷
ヘッドは基体の上方０．０７５ないし０．１００インチ
（約１．９１ないし２．５４ｍｍ）の位置にある。アイ
リッドは、ローラ上の運動する基体と接触せずに液滴経
路に垂直にシールを行なわなければならない。従来の運
動経路は直線摺動経路又は単一の枢動経路に限定されて
いた。ある従来の直線経路は溝穴により案内されるが、
これはインク残留物を集める傾向を有し、アイリッドの
固着又は目詰まりを生じさせてしまう。

【０００４】従来のアイリッドは簡単なバネ負荷ソレノ
イドアクチュエータを使用していた。ソレノイドがアイ
リッドを印刷位置へ開くまで、バネはシール力を維持す
る。しかし、ソレノイドは、アイリッドが開いたときに
過剰な衝撃を生じさせることがあり、その印刷位置スト
ッパに衝突する。この衝撃はインクジェット印刷ヘッド
を振動させ、印刷ヘッドの故障を生じさせる。これを阻
止するため、クッションバネ又はゴムダンパを使用し
て、アイリッド及びソレノイドプランジャをその動程の
端部で緩和する。

【０００５】直線摺動及び単一枢動式のアイリッドはシ
ール位置から印刷位置へ小距離移動するシールに対して
適している。しかし、このような形状は、印刷ヘッドを
クリーニングしている間にオペレータが水平方向におい
てジェット及びチャージ電極を見ることができるのに十
分な程には移動しない。それ故、印刷ヘッドをクリーニ
ングする熟練オペレータによりアイリッドを取り外す必
要がある。これは、ネジ及びカバーの取り外しを必要と
し、ファスナーのための工具の使用を必要とし、再組立
て時に、部品が紛失したり損傷したりする危険性があ
る。繰り返しの解体の後に、捕獲板に対するシール縁の
適正な整合が困難になって、漏洩や始動不良を生じさせ
ることがある。

【０００６】印刷ヘッドが高電圧（１５０ボルト以上）
を含むので、負荷的な安全の問題が存在する。作動中、
チャージ電極との不慮の接触を回避するために適正な進
入防止を維持する必要がある。従来技術では、熟練した
保守者によるカバーの取り外しは、高電圧がオンの間に
電極への不慮の接近を阻止するために設けられた唯一の
手段である。カバーを取り外すと、アイリッドを取り外
すことができ、印刷ヘッド作動中の高電圧への故意の接
近が可能になる。装置は、製造者の設計又は所望の作動
のオペレータによる無視を検出する手段を有しない。

【０００７】先に述べたように、アイリッドが固着又は
目詰まりすることがある。簡単なソレノイドアクチュエ
ータを備えた従来技術はアイリッドの位置又は圧力のフ
ィードバックを有しない。閉じている間にアイリッドが
目詰まりした場合、装置の故障は表示されない。このた
め、始動又は一時休止中インクが印刷ヘッドから噴出す
ることがある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来技術の上述の弱点
に鑑み、本発明の目的は、始動時に印刷ヘッドをシール
し、印刷のためにシールを開き、クリーニングのための
任意の経路においてシールを更に開く手段を提供するこ
とである。

【０００９】本発明の別の目的は、シール及び関連する
部品が動くときの機械的な衝撃を最少化するシール手段
を提供することである。本発明の更に別の目的は、電気
的なショックからオペレータを保護するためにアイリッ
ドの位置に対するチャージリード線の電圧のインターロ
ックを提供することである。インターロックはまた、ア
イリッドを印刷ヘッドから取り外した場合に高電圧をオ
フに維持するように設計される。

【００１０】本発明の他の目的は、アイリッドの圧力及
び位置を印刷ステーションへフィードバックする手段を
提供することである。アイリッドの閉鎖、適正な印刷用
のアイリッドの開き及び保守位置がチェックされ、アイ
リッドの故障を検出できる。

【００１１】

【課題を解決するための手段並びに作用効果】これらの
要求は本発明のアイリッド装置により満たされる。本発
明の１つの態様によれば、アイリッド装置はモータでア
イリッドを作動させて機構のための複数の位置を提供す
る手段と；４本バー式の機構でアイリッド位置を案内
し、更に複雑で正確な運動経路を可能にする手段と；ス
イッチを使用してアイリッドの位置を決定する手段であ
って、これらのスイッチ作動位置を調整するコンパクト
な手段を含む決定手段と；アイリッドのためのモータ又
は他の位置スイッチとは独立に機能を果たし、アイリッ
ドが開き過ぎた場合に高電圧チャージ電極を不作動にす
る安全インターロックを提供する手段と；加熱されたイ
ンクからの凝縮物の形成を阻止するためにアイリッドの
本体を加熱する手段と；を有する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、本発明は金属
インサート２に接着され、アイリッド本体３上に配置さ
れたシール１を有する。アイリッド本体はロッカー４及
びクランク５にピン止めされるか又は他の方法で取り付
けられる。ロッカーはシャフト延長部７に固定される。
シャフト延長部はブッシュ８の如き適当な手段によりベ
ース内に配置され、モータ９に接続される。モータはモ
ータ装着板１０によりベースに取り付けられる。

【００１３】組立体は２つの捩りバネ１１ａ、１１ｂに
より予負荷され、ロッカーをベースに締結するピン１２
の両端に装着される。バネ１１ａの一端はベースの開口
１３内で固定され、他端はロッカー／アイリッドピン１
４上に当接する。機構を予負荷すると、すべての枢動ク
リアランスが予測できる態様でバイアスされる。付加的
なシール力もバネから得られる。

【００１４】組立体は土台としてのベースと一緒に４本
バー式のリンク機構を形成する。クランクは駆動リンク
となり、アイリッドは連結リンクとなり、ロッカーは被
駆動リンクとなる。これが、捕獲板に対するシールを行
いながらの実質上水平な運動及び保守のためのオペレー
タの接近を許容する垂直運動を可能にする。

【００１５】シール位置３２から印刷位置へ３４そして
保守位置３６へ移動するときにアイリッドが進む経路３
０を図２に示す。図示のように、アイリッドの運動の下
表面はシール位置の下方で最少の運動を有する。それ
故、アイリッドが印刷媒体に接触する危険性が最小限と
なる。この４本バー式の装置のためのピボットはすべて
液滴発生器の上方に位置し、インクによる機構の汚染を
最小限に抑える。

【００１６】ベースは印刷ヘッドのフレームに装着さ
れ、穴２０及び楕円穴２１に係合する印刷ヘッドフレー
ムの２つの整合ピンにより正確に位置決めされる。穴２
２に螺入した係留ネジがアイリッドをフレームに締結す
る。このような位置決め構造により、捕獲板に対するア
イリッドの整合の一貫性が保証され、印刷ヘッドの確固
たるシールを保証する。

【００１７】本発明の好ましい実施の形態においては、
４本バー式のリンク機構を備えたアイリッドのアクチュ
エータはステッパモータである。ステッパモータは、機
構の使用中に、アイリッドを各機能位置に保持するのに
必要な保持トルクを提供する。当業者にとっては、この
実施の形態におけるステッパと同じ機能を遂行するため
に別のモータ又はモータ／エンコーダの組み合わせを使
用できることは明らかである。従来技術で使用されたソ
レノイド作動の代わりにステッパモータを使用すること
により、２以上の位置でアイリッドを位置決めすること
が可能となる。望ましい第３の位置は保守位置である。
これは、チャージ板及びオリフィス板からアイリッドを
一層遠くへ移動させた位置であり、オペレータはこれら
の板の表面を点検し、必要に応じて手動でクリーニング
することができる。従って、このような機能を遂行する
ためにアイリッドを取り外す必要はない。

【００１８】本発明の好ましい実施の形態においては、
ステッパモータはミクロモ・エレクトロニクス社(Micro
Mo Electronics) （フロリダ州クリアウォーター(Clear
water)）のＡＭ１５２４で、１５９：１の遊星歯車減速
器を具備する。このステッパモータは、その寸法が小さ
く（１５ｍｍの直径）、トルクが大きい（４２オンス・
インチ）ので、好ましい。シール位置から印刷位置への
アイリッドの移動を行うには、モータを４５゜の回転だ
けステップ移動させる。ステッパモータへの作動パルス
を制御することにより、アイリッドの加速を制御する。
それ故、従来技術のソレノイド作動により生じる機械的
な衝撃を排除できる。

【００１９】図３を参照すると、アイリッド本体３に取
り付けられたスイッチ手段５５は閉位置及び印刷位置に
おけるアイリッドを検出するために使用される。このよ
うなスイッチ手段５５は、アイリッドが十分に閉じたと
きに、ベース６に取り付けられたアクチュエータ板５３
のフィンガ５４により作動される。多数のスイッチ作動
位置が設けられ、アイリッドの閉鎖及び印刷位置を決定
し、高電圧インターロックを提供する。位置を決定する
１つの手段は所望の位置で１つのスイッチを開き、別の
スイッチを閉じるものである。モータコントローラは、
必要に応じて、スイッチの状態に基づき、スイッチを開
閉でき、適正な開度を提供する。

【００２０】スイッチ作動運動はアイリッドベースとア
イリッドとの間で行われるのが望ましい。こうすること
により、リンク機構に関連するバックラッシュを回避で
きる。しかし、アイリッドがスイッチの作動のための最
適な方向に移動しなかった場合又は所望のスイッチ位置
がその動程のある地点で機構と抵触した場合は、スイッ
チの位置を拘束できない。スイッチの作動位置を調整で
きるような状態で機構の近くにスイッチを保持すること
によりアイリッドの寸法を最小化するのが望ましい。ス
イッチの作動位置の調整のためのコンパクトな手段は止
めネジ５２の位置による調整である。ベース６の多数の
ネジ穴５１内に位置するこれらの止めネジはフィンガ５
４に分割された可撓性のアクチュエータ板５３上に当接
する。これが、板の面に垂直な方向に対して、スイッチ
作動フィンガの位置を偏向させる。このようにして、ス
イッチ手段５５の多数のスイッチは、アイリッドの閉鎖
及び印刷位置を検出し、高電圧インターロックを提供す
るために多数のアイリッド位置で作動することができ
る。本発明の好ましい実施の形態においては、これらの
スイッチは政府承認の等級及びコンパクトな寸法に基づ
くハネウエル・マイクロスイッチ社(Honeywell Microsw
itch) のＵＭ４０Ｂスイッチである。付加的なスイッチ
５６がベースに装着されて、保守位置を決定する。この
スイッチは、アイリッドが保守位置へ開いたときにロッ
カーと接触することにより作動される。このスイッチは
調整を必要としない。

【００２１】高電圧インターロックスイッチはチャージ
リード線への高電圧を制御するリレーのコイルに接続さ
れる。スイッチが作動板と接触していないときは、回路
が開き、高電圧を不作動にする。残りのスイッチはアイ
リッド位置の印刷ステーションへ論理信号を提供する。
アイリッドの故障又は取り外しは印刷ステーションによ
り検出することができ、オペレータに警告を発し、ある
作動を禁止する。

【００２２】多数の電気装置が組立てを容易にするため
に可撓性の回路板により接続される。スイッチは機械的
な組立ての前にはんだ付けされ、アイリッドの組立て中
にモータが接続され、設置時に印刷ヘッドへの最終的な
電気接続が行われる。

【００２３】本発明の別の実施の形態においては、図４
に示すように、可撓性の回路ヒータ７０がアイリッドの
内表面に取り付けられる。加熱されたインクからの湿気
が印刷ヘッド内の空気を水蒸気で飽和させることがあ
る。この蒸気は次いでアイリッドの冷えた金属上で凝縮
して水滴となり、印刷ヘッドの活動領域内へ落下する。
これにより、印刷妨害やチャージ電極の短絡が生じるこ
とがある。露結点以上にアイリッドを加熱することによ
り、凝縮物の形成を阻止する。ヒータに供給される電圧
は印刷ヘッドの状態に応じて開ループ様式で変化する。

【００２４】アイリッドの１つの実施の形態はまた、上
縁に沿ったバネ金属シールを有する。アイリッドが印刷
位置及びシール位置にある間、これがアイリッドのまわ
りでの空気の漏洩を減少させる。このバネ金属シールは
ＥＭＩシールドとして作用し、印刷ヘッドに内部で発生
した電子ノイズを閉じ込める補助を行う。

【００２５】本発明の好ましい実施の形態によれば、ア
イリッドシールはニッケルメッキしたアルミニウムスト
リップにモールド成形されたゴムストリップである。こ
のシールはアイリッドの本体から取り外すことができ、
損傷した場合に現場でシールを交換できる。別の実施の
形態においては、アイリッドシールはアイリッドの本体
に形成された保持溝内へ滑入されるモールド成形又は押
出し加工されたゴムシールとすることができる。別の実
施の形態においては、ゴムシールはアイリッド本体に接
着できる。これらの別の実施の形態は、容易に交換でき
ないので、あまり望ましくない。

【００２６】ある好ましい実施の形態を特に参照して本
発明を説明したが、本発明の要旨内で種々の修正、変形
が可能であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従って構成されたアイリッド装置の斜
視図である。

【図２】作動位置を通って移動するときの図１のアイリ
ッドにより描かれる経路を示す図である。

【図３】本発明に係るアイリッド組立体の分解部品図で
ある。

【図４】可撓な状態でヒータを取り付けた、本発明のア
イリッドの実施の形態を示す図である。

【符号の説明】

１ シール ３ アイリッド本体 ９ モータ ３０ 経路 ３２ シール位置 ３４ 印刷位置 ３６ 保守位置 ５２ 止めネジ ５３ アクチュエータ板 ５４ フィンガ ５５ スイッチ手段 ５６ スイッチ ７０ 回路ヒータ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットプリンタ装置において、 （イ） インク液滴発生器と、上記インク液滴発生器に
   隣接して位置する捕獲器と、上記捕獲器の下方に位置す
   る捕獲パンとを有するインクジェット印刷ヘッド； （ロ） プリンタ装置の始動時に上記印刷ヘッド内でイ
   ンクをシールするためのアイリッド；及び （ハ） 所定の非円形の湾曲経路に沿って運動を上記ア
   イリッドに伝達するための作動手段；を有することを特
   徴とするインクジェットプリンタ装置。
2. 【請求項２】 上記非円形の経路が上記アイリッドのた
   めの多数の位置を有することを特徴とする請求項１に記
   載のインクジェットプリンタ装置。
3. 【請求項３】 運動の上記所定の経路に沿って上記アイ
   リッドの位置を決定するためのアイリッド位置感知手段
   を更に有することを特徴とする請求項２に記載のインク
   ジェットプリンタ装置。
4. 【請求項４】 上記アイリッドの位置を決定するための
   スイッチ手段を更に有することを特徴とする請求項１に
   記載のインクジェットプリンタ装置。
5. 【請求項５】 上記アイリッドが所定の最大位置を越え
   て開いた場合に高電圧電極を不作動にするための安全イ
   ンターロック手段を更に有することを特徴とする請求項
   １に記載のインクジェットプリンタ装置。
6. 【請求項６】 上記アイリッド上での凝縮物の形成を阻
   止するために当該アイリッドを加熱する手段を更に有す
   ることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットプ
   リンタ装置。
7. 【請求項７】 連続インクジェット印刷装置のためのア
   イリッド組立体において、 アイリッドを複数の位置へ移動させるための作動手段
   と；上記アイリッドの位置を案内するためのアイリッド
   案内手段と；上記アイリッドの位置を決定するスイッチ
   手段と；を有することを特徴とするアイリッド組立体。
8. 【請求項８】 上記アイリッドの位置が所定の非円形経
   路に沿っていることを特徴とする請求項７に記載のアイ
   リッド組立体。
9. 【請求項９】 上記スイッチ手段が、 少なくとも１つのスイッチと；上記少なくとも１つのス
   イッチの作動位置を調整するための調整手段と；を有す
   ることを特徴とする請求項７に記載のアイリッド組立
   体。
10. 【請求項１０】 上記アイリッド上での凝縮物の形成を
    阻止するために当該アイリッドを加熱する手段を更に有
    することを特徴とする請求項７に記載のアイリッド組立
    体。