JP2000218782A - インクジェットプリンタ及びその印字ヘッドの駆動装置 - Google Patents

インクジェットプリンタ及びその印字ヘッドの駆動装置

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JP2000218782A
JP2000218782A JP2549899A JP2549899A JP2000218782A JP 2000218782 A JP2000218782 A JP 2000218782A JP 2549899 A JP2549899 A JP 2549899A JP 2549899 A JP2549899 A JP 2549899A JP 2000218782 A JP2000218782 A JP 2000218782A
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capacitance
print head
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Shuji Otsuka
修司 大塚
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子等のキャパシタンス(C)素子を用
いた印字ヘッドの充放電プロセスにおいて、従来顧みら
れなかったエネルギーの浪費を有効に防止することがで
きる印字ヘッドの駆動回路技術を提供することにある。 【解決手段】 駆動ノズル数が所定の数未満の場合に
は、充電側コントローラ1はトランジスタTr31をOF
Fし、トランジスタTr33のON/OFFを行う。ま
た、放電側コントローラ2はトランジスタTr32をOF
Fし、トランジスタTr34のON/OFFを行う。第1
のインダクタ(コイル)L1よりもインダクタンスの値
が小さい第2のインダクタ(コイル)L2により、印字
ヘッドHの電圧υcが平滑化され、また放電時のエネル
ギーが蓄えられる。このように、軽負荷、即ち、印字ヘ
ッドHの容量CLが小さくなる時には、コイルのインダ
クタンスも小さいものを用いることで、エネルギーの浪
費を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ及びその印字ヘッドの駆動装置に関し、特に、圧
電素子等のキャパシタンス(C)素子を用いた印字ヘッ
ド(容量性ヘッド)の駆動回路技術に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタの印字ヘッドに
は、容量性(C)素子である圧電素子に所定の電圧を印
加することにより圧電素子を機械的に変形させてインク
を吐出するタイプのものや、抵抗性(R)素子に電圧を
印加することによる発熱を利用してインクを吐出するタ
イプのものがある。このうち、圧電素子を機械的に変形
させてインクを吐出するタイプのものは、インクドット
径の可変性に優れる等の点から高画質化に有利であり、
現在、広く用いられている。
【0003】かかるインクジェットプリンタにおいて、
圧電素子はインクを吐出する回数だけ充放電を繰り返す
ことになるが、この充放電プロセスにおけるエネルギー
変換効率は必ずしも良いものではない。即ち、電源側か
ら印字ヘッドの駆動回路に供給される電力(エネルギ
ー)のうち、インクの吐出(圧電素子の機械的変形)に
使われるものは、その略半分に過ぎず、残りの略半分は
熱となって駆動回路から放出される。
【0004】また、このような印字ヘッドを電源側から
見た場合、その負荷は印字ヘッドの駆動周波数のオーダ
ーで、またノズル数に応じた非常に大きなダイナミック
レンジで変動するという特質がある。即ち、例えば、最
近のカラーのインクジェットプリンタのように、印字ヘ
ッドの駆動周波数が14〜20kHz程度であり、ノズ
ル数が数百程度[1ノズル列に64ノズル(ピン)で、
6ノズル列を有するカラーのインクジェットプリンタで
は、64×6=384ノズル(ピン)]であれば、kH
z[キロヘルツ]のオーダーで500倍近いダイナミッ
クレンジで負荷が変動することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近のインクジェット
プリンタにおいては、印字精度の向上のためにノズル数
を増加させる試みが顕著であり、このようにノズル数が
増加されると、印字ヘッドの駆動に要する電力も大きく
なり、その分だけ駆動回路からの発熱量も多くなる。一
方、印字速度の高速化の要求から印字ヘッドの駆動周波
数はどんどん高められ、近い将来にも上述した14〜2
0kHzから1MHzにまで高まることが予想される。
従って、ノズル数の増加による負荷変動のレンジの拡大
と相俟って圧電素子の充放電プロセスにおける印字ヘッ
ドの駆動回路のエネルギー損失も大きくなり、コンパク
トな回路構成では済まなくなってきている。
【0006】また、このように、充放電のプロセスごと
に、エネルギーの相当の部分が熱となって放出されるの
は、環境的にも好ましくないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、圧電素子等のキャパシタ
ンス(C)素子を用いた印字ヘッドの充放電プロセスに
おいて、従来顧みられなかったエネルギーの浪費を有効
に防止することができる印字ヘッドの駆動回路技術を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、キャパシタンス素子の充放電プロセス
によりインクを吐出するインクジェットプリンタにおい
て、前記キャパシタンス素子に蓄えられた電荷を前記充
放電プロセスにおいて再利用することを可能としたイン
クジェットプリンタを提供する。このために、複数のノ
ズルのそれぞれにキャパシタンス(C)素子を備え、該
キャパシタンス(C)素子の充放電により各ノズルから
インクを吐出して印字を行う印字ヘッドを有するインク
ジェットプリンタにおいて、少なくとも整流素子及び値
の異なるインダクタンス(L)素子及び/又は抵抗
(R)の組み合わせから成り、前記キャパシタンス素子
に充放電動作を行わせる回路を複数用意し、前記複数の
ノズルのうち駆動すべきノズル数に応じて、前記複数の
回路内で次の充電又は放電動作を行わせる回路を切り換
えるようにしている。これにより、充放電電流のきめ細
かな制御が可能となり、従来浪費されていた放電時のエ
ネルギーを電源側で再利用し得る上に、不必要なエネル
ギーの供給も減少させ得る。
【0009】尚、請求項3記載のインクジェットプリン
タでは、複数のノズルのそれぞれにキャパシタンス
(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充放
電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印字
ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて、前記
キャパシタンス(C)素子の放電時のエネルギーを蓄え
るインダクタンス素子と、該インダクタンス素子に蓄え
られたエネルギーを電源側に帰還させるための整流素子
とを備え、前記インダクタンス素子に放電時のエネルギ
ーを蓄えて、該エネルギーを電源側に帰還させることに
より、エネルギーの浪費を防止することを可能とした。
【0010】また、請求項4記載の印字ヘッドの駆動装
置では、複数のノズルのそれぞれにキャパシタンス
(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充放
電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印字
ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける前記印
字ヘッドの駆動装置において、少なくとも、両者ともそ
れぞれ前記キャパシタンス(C)素子の充放電の経路に
設けられ放電時のエネルギーを一時的に蓄えるインダク
タであって、所定のインダクタンス値を有する第1のイ
ンダクタと、該第1のインダクタよりもインダクタンス
値の小さい第2のインダクタとを有すると共に、前記放
電時に各インダクタに蓄えられたエネルギーを電源側に
帰還させるための整流素子を備え、前記複数のノズルの
うち駆動すべきノズル数が所定の数に満たない場合に、
前記第1のインダクタから第2のインダクタへ、前記充
放電の経路を切り換えることを可能とした。
【0011】また、請求項5記載の印字ヘッドの駆動装
置においては、更に充電側と放電側それぞれのコントロ
ーラと、該各コントローラによりオン・オフされること
により前記第1又は第2のインダクタを介して前記キャ
パシタンス(C)素子の充電又は放電される電流を増幅
する充電側及び放電側一対のトランジスタを前記第1又
は第2のインダクタごとに備え、前記複数のノズルのう
ち駆動すべきノズル数が所定の数に満たない場合には、
前記第1のインダクタ側のトランジスタをオフし、前記
第2のインダクタ側のトランジスタをオン・オフするこ
とにより、前記充放電の経路を切り換えることを特徴と
する。
【0012】また、請求項6記載の印字ヘッドの駆動装
置においては、更に、印字データとの関係から駆動すべ
きノズル数を指示する駆動ノズル数指示手段を備え、前
記充電側及び放電側のコントローラは、該駆動ノズル数
指示手段により指示された駆動ノズル数と前記所定数と
を比較し、該駆動ノズル数が前記所定数を下回った場合
に、前記充放電の経路を切り換えることを特徴とする。
【0013】一方、請求項7記載のインクジェットプリ
ンタでは、複数のノズルのそれぞれにキャパシタンス
(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充放
電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印字
ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて、前記
キャパシタンス(C)素子の充放電のエネルギーを制限
する抵抗と、前記キャパシタンス(C)素子の放電時の
エネルギーを電源側に帰還させるためのダイオードを備
え、予め前記抵抗により前記キャパシタンス(C)素子
の充放電のエネルギーを制限することにより、エネルギ
ーの浪費を防止することを可能とした。
【0014】また、請求項8記載の印字ヘッドの駆動装
置では、複数のノズルのそれぞれにキャパシタンス
(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充放
電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印字
ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける前記印
字ヘッドの駆動装置において、少なくとも、両者ともそ
れぞれ前記キャパシタンス(C)素子への充放電の経路
に設けられ充放電時のエネルギーを制限する抵抗であっ
て、所定の抵抗値を有する第1の抵抗と、該第1の抵抗
よりも抵抗値の大きい第2の抵抗とを有すると共に、前
記キャパシタンス(C)素子の放電時のエネルギーを電
源側に帰還させるためのダイオードを備え、前記複数の
ノズルのうち駆動すべきノズル数が所定の数に満たない
場合に、前記第1の抵抗から第2の抵抗へ、前記充放電
の経路を切り換えることを可能とした。
【0015】尚、請求項9記載の印字ヘッドの駆動装置
においては、更に充電側と放電側それぞれのコントロー
ラと、該各コントローラによりオン・オフされることに
より前記第1又は第2の抵抗を介した前記キャパシタン
ス(C)素子の充電又は放電される電流を増幅する充電
側及び放電側一対のトランジスタを前記第1又は第2の
抵抗ごとに備え、前記複数のノズルのうち駆動すべきノ
ズル数が所定の数に満たない場合には、前記第1の抵抗
側のトランジスタをオフし、前記第2の抵抗側のトラン
ジスタをオン・オフすることにより、前記充放電の経路
を切り換えることを特徴とする。
【0016】また、請求項10記載の印字ヘッドの駆動
装置においては、更に、印字データとの関係から駆動す
べきノズル数を指示する駆動ノズル数指示手段を備え、
前記充電側及び放電側のコントローラは、該駆動ノズル
数指示手段により指示された駆動ノズル数と前記所定数
とを比較し、該駆動ノズル数が前記所定数を下回った場
合に、前記充放電の経路を切り換えることを特徴とす
る。
【0017】更にまた、請求項11記載の印字ヘッドの
駆動装置においては、更に、前記キャパシタンス(C)
素子の充放電の経路における前記第1及び第2の抵抗と
前記キャパシタンス(C)素子の間に、少なくとも、両
者とも前記キャパシタンス(C)素子の放電時のエネル
ギーを一時的に蓄えるインダクタであって、所定のイン
ダクタンス値を有する第1のインダクタと、該第1のイ
ンダクタよりもインダクタンス値の小さい第2のインダ
クタとをそれぞれ設け、前記複数のノズルのうち駆動す
べきノズル数に応じて、それぞれ前記第1の抵抗と前記
第1のインダクタ、前記第2の抵抗と前記第1のインダ
クタ、前記第1の抵抗と前記第2のインダクタ、前記第
2の抵抗と前記第2のインダクタ、を含む、少なくとも
4経路内で前記充放電の経路を切り換えることを特徴と
する。
【0018】
【発明の実施形態】まず、本発明の理解を容易にするた
め、本発明の基本原理をインクジェットプリンタの印字
ヘッドの駆動回路に具現した実施形態について、図1及
び図2を参照しつつ詳細に説明する。図1は、かかる実
施形態の駆動回路の主要部を示すものであり、図2は、
図1に示した駆動回路における各回路素子の動作を示す
タイミングチャートである。
【0019】この駆動回路は、図1に示すように、圧電
素子から成るキャパシタンス(C)素子(ピエゾエレク
トリックコンデンサ)を用いた印字ヘッド(容量性ヘッ
ド)H(その容量をCLとする)を駆動・制御する回路
であり、図示しない波形生成回路から所定の基準波形W
が入力される演算増幅器Aと、演算増幅器Aの出力側に
それぞれ充電側コントローラ1及び放電側コントローラ
2が接続され、充電側コントローラ1にトランジスタT
r1が接続されると共にそのコレクタ側にダイオードD1
がカソード接続され、同様に放電側コントローラ2にト
ランジスタTr2が接続されると共にそのコレクタ側にダ
イオードD2 がアノード接続され、これら充電側回路素
子と放電側回路素子が平滑用のインダクタ(コイル)L
を介して上述した印字ヘッドHと接続された構成を有し
ている。演算増幅器Aに入力される基準波形Wは、上述
した波形生成回路(図示せず)内のD/Aコンバータ等
で作られる、実際に印字ヘッドHを駆動する波形(0〜
42V程度)の基となる通常2V程度の電圧波形であ
り、例えば図のような台形波が(波形繰り返し)周波数
f0 で印字ヘッドHに印加される。尚、印字ヘッドHか
ら演算増幅器Aの反転入力に帰還するフィードバックル
ープが、図のように、n:1の抵抗値を有する抵抗Rn
とR1を伴って構成されており、演算増幅器Aは、印字
ヘッドHの電圧υcの1/n+1と基準波形を比較して
その差を出力する。
【0020】充電側コントローラ1は、ヘッドパルスに
よりトランジスタTr1を高速にON/OFF(スイッチ
ング)する。上述したフィードバックループを介して基
準電圧(0〜42V)より低いという指示を受けると、
トランジスタTr1のON時間を長くする方向の制御を行
う。尚、このようなON/OFFによるトランジスタT
r1の制御周期は、上記した波形繰り返し周波数f0 の1
000倍ぐらい速く行われる。一方、放電側コントロー
ラ2は、トランジスタTr2を高速にON/OFF(スイ
ッチング)する。上述したフィードバックループを介し
て基準電圧(0〜42V)より高いという指示を受ける
と、トランジスタTr2の駆動機会を多くし、印字ヘッド
Hの容量CLからの電荷吸収を多く行う方向に制御す
る。トランジスタTr2の制御周期も、上記した波形繰り
返し周波数f0 の1000倍ぐらい速く行う。インダク
タ(コイル)Lは、印字ヘッドHに印加される電圧υc
を滑らかにするための平滑用のインダクタ(コイル)で
あると共に、後述するように、放電時のエネルギーを貯
える働きもする。
【0021】更に、この駆動回路は、駆動ノズル数指示
部Gを有している。この駆動ノズル数指示部Gは、駆動
ノズル数のデータそのもの又は駆動ノズル数に比例した
電圧を充電側コントローラ1及び放電側コントローラ2
に入力することにより、駆動すべきノズル数を指示する
ものである。上述したように、印字ヘッドH全体として
の容量CLの大きさは、上述したように、0〜500ほ
どの間で印字中に刻々時々と増減する駆動ノズル数に応
じて変化するものであり、この駆動ノズル数に応じたエ
ネルギーを印字ヘッドHに供給するためである。この例
では、図示しないD/Aコンバータ等で駆動ノズル数
(=CLの大きさ)に比例した電圧を作り、これを信号
として充電側コントローラ1及び放電側コントローラ2
に入力するようにした。尚、ノズルごとに、例えば、駆
動(=1)、非駆動(=0)というように、単に1、0
から成るデータを入力するようにしても良い。
【0022】図1及び図2を参照して、印字ヘッドHの
容量CLを充電するプロセスでは、電源V+ からの電流
を高速にON/OFF制御し、それを平滑化したものを
用いて行う。即ち、充電側コントローラ1によりトラン
ジスタTr1が、図2(a)のように、ON/OFFされ
ると、トランジスタTr1を流れる電流iTr1とダイオー
ドD1 を流れる電流iD1 は、それぞれ図2(b)、
(c)のようになり、これらによりインダクタ(コイ
ル)Lを流れる電流iLは、図2(d)のような波形と
なる。インダクタ(コイル)Lの平滑作用により、印字
ヘッドHに加わる電圧υcは、図2(e)のような滑ら
かな波形となり、この電圧υcが印字ヘッドHの各圧電
素子に印加されることにより、その容量CLが充電され
る。かかる充電過程では、印字ヘッドHから直接にフィ
ードバック信号を得て、このフィードバック信号を参照
しつつ、印字ヘッドHに印加される電圧が基準波形どお
りになるように制御している。そして、かかる圧電素子
(容量性)素子が理想的な素子であれば、上述した充電
のプロセスでは、印字ヘッドHの容量CLに充電される
エネルギー以外には消費しない。
【0023】一方、印字ヘッドの駆動における放電のプ
ロセスでは、印字ヘッドHの容量CLの電荷を、図1に
示したインダクタ(コイル)Lを介してトランジスタT
r2とダイオードD2に流すようにしている。即ち、印字
ヘッドHの容量CLに蓄積された電荷がインダクタ(コ
イル)Lを介して充放電回路側に電圧として加わり、こ
の電圧υcは、図2(e)のように低下していく。即
ち、放電側コントローラ2によりトランジスタTr2が、
図2(f)のように、ON/OFFされると、トランジ
スタTr2を流れる電流iTr2とダイオードD2を流れる
電流iD2は、それぞれ図2(g)、(h)のようにな
る。即ち、この電荷がトランジスタTr2に流れている
間、コイル(インダクタンス)Lにはエネルギーが蓄え
られ、印字ヘッドHを駆動するためにトランジスタTr2
が急峻にOFFされると、このインダクタ(コイル)L
に蓄えられていたエネルギーは、図1から明らかなよう
に、ダイオードD2を流れて電源V+ に還元される。理
想的な回路であれば、印字ヘッドHの容量CLのエネル
ギーの1/2は電源V+ に還元されるはずである。勿
論、放電のプロセスでも、上述したフィードバックルー
プにより印字ヘッドHの容量CLの電圧は制御され、こ
の電圧波形が所定の基準波形と同じになるように、コン
トローラ2がトランジスタTr2をON/OFF動作させ
る。
【0024】上記のように、充放電のプロセスともにト
ランジスタTr1とTr2のパルス信号によるON/OFF
とかかるON/OFFによる電流で印字ヘッドHの容量
CLの電荷が制御されるので、連続的なアナログ制御に
比べてスイッチング素子の損失が少ない(理想的には、
損失はゼロである)反面、電流波形も乱れることを免れ
ない。この影響をできるだけ小さくするため、上述した
ように、トランジスタTr1,Tr2の制御を十分に高速に
行うようにしている。
【0025】しかしながら、前述したように、ノズル数
が増加されると、印字ヘッドHにおける圧電素子の数も
増えるので、印字ヘッドH全体として、CLの変動が大
きくなる傾向にある。
【0026】本発明者は、かかるインクジェットプリン
トヘッドの駆動において、上述した負荷の変動は、印字
データとの関係から、予め(各圧電素子に充電する前
に)把握(予測)できるパラメータであるという点に着
眼し、ダイオード及びインダクタンス(L)/抵抗
(R)の組み合わせから成る回路を複数用意し、所定の
波形の電圧が圧電素子に印加される期間と期間の間に、
上述した負荷変動の予測に従って前記複数の回路内で次
の充電又は放電動作を行わせる回路を切り換えることに
より、エネルギーの浪費を防止することを考案したもの
である。
【0027】即ち、上述したCLの変動は、少なく見て
も100倍以上はあり、基準波形の電圧の傾き変化を一
定のCLで作り出すiLの変化も大きいのにCLまで変動
するため、出力波形が安定せず、精度の高い波形出力は
困難となる。そこで、負荷CLの変動は、印字データと
の関係から駆動ノズル数の増減ということにより予め把
握(予測)できる点に着眼し、予め負荷CLの大きさを
知って、平滑用のインダクタ(コイル)Lをインダクタ
ンスの値の異なるものに切り換えたり、抵抗を付加する
ことによってトランジスタに流れる電流を制限すること
で、振動の少ない精度の高い波形出力を得るようにし
た。
【0028】このように、負荷CLの大きさを予め知っ
て制御することで、例えば、単にモノクロで細い直線を
印字する場合のように、非常に負荷の軽い場合には、図
1に破線で示すように、それぞれ電流制限抵抗Rc、R
dを付加したトランジスタTr1´、Tr2´を使用して電
源V+ から流入し帰還する電流そのものを制限するよう
にしても良い。即ち、この場合、駆動ノズル数指示部G
からの信号により、駆動ノズル数が所定のノズル数以下
の軽負荷であると判断すると、充電のプロセスではコン
トローラ1が、トランジスタTr1はOFFにしたままト
ランジスタTr1´のみをON/OFF制御する一方、放
電のプロセスではコントローラ2が、トランジスタTr2
はOFFにしたままトランジスタTr2´のみをON/O
FF制御する。このように軽負荷時には、制限された電
流により充放電がなされるので、きめ細かな制御も容易
となる。このように電流制限した制御において、上述し
た平滑用のインダクタ(コイル)Lをインダクタンスの
値の異なるものに切り換える制御を併用しても良い。
尚、反面、このような電流制限した構成では、充放電さ
れるエネルギーの一部が電流制限抵抗Rc、Rdで消費
され、無駄にはなるが、軽負荷時には、電流そのものが
小さく制限されているので、問題とするほどのものでは
ない。このような場合、不必要に大きなエネルギーを使
わないことと制御の精度を高めることを、如何に両立さ
せるかの方を重視すべきである。
【0029】さて、以上に述べた本発明の実施形態を印
字ヘッドの駆動装置として具体化した3つの例につい
て、以下、図面を参照しつつ述べる。まず、図3を参照
して、かかる印字ヘッドの駆動装置の第1の例について
述べる。
【0030】この第1の例は、ダイオード及びインダク
タンス(L)素子の組み合わせから成る回路を複数用意
し、上述した所定の波形による駆動がされていない期間
に、印字データに基づく負荷変動の予測に従って、当該
複数の回路内で次の充電又は放電動作を行わせる回路を
切り換えるものである。
【0031】図3は、第1の例に係る印字ヘッドの駆動
装置の主要部を成す、ダイオード及びインダクタンス
(L)素子の組み合わせから成る複数の回路と、これら
回路の切り換えも含め印字ヘッド(各圧電素子)の充放
電制御を行うコントローラが示されている。同図に示す
ように、この印字ヘッドの駆動装置も、圧電素子から成
るキャパシタンス(C)素子(ピエゾエレクトリックコ
ンデンサ)を用いた印字ヘッド(容量性ヘッド)H(そ
の容量をCLとする)を駆動・制御するものである。ま
た、波形生成回路から所定の基準波形が入力される演算
増幅器、充電側及び放電側のコントローラに駆動ノズル
数を指示する駆動ノズル数指示部等を有するのは、上述
した実施形態のものと同様であるが、その図示及び詳し
い説明は省略する。
【0032】即ち、この印字ヘッドの駆動装置も、演算
増幅器A(図1参照)の出力側にそれぞれ接続された充
電側コントローラ1及び放電側コントローラ2を有して
いる。この印字ヘッドの駆動装置は、それぞれ充電側コ
ントローラ1及び放電側コントローラ2の双方に接続さ
れた第1及び第2の電流制御回路TDL1及びTDL2
を備えている。第1の電流制御回路TDL1は、充電側
コントローラ1に接続されたトランジスタTr31とその
コレクタ側にカソード接続されたダイオードD131 と、
放電側コントローラ2に接続されたトランジスタTr32
とそのコレクタ側にアノード接続されたダイオードD13
2 と、トランジスタTr31のコレクタ側(ダイオードD1
31 のカソード)とトランジスタTr32のコレクタ側(ダ
イオードD132 のアノード)の双方に接続された第1の
インダクタ(コイル)L1から成る。第2の電流制御回
路TDL2は、充電側コントローラ1に接続されたトラ
ンジスタTr33とそのコレクタ側にカソード接続された
ダイオードD133 と、放電側コントローラ2に接続され
たトランジスタTr34とそのコレクタ側にアノード接続
されたダイオードD134 と、トランジスタTr33のコレ
クタ側(ダイオードD133 のカソード)とトランジスタ
Tr34のコレクタ側(ダイオードD134 のアノード)の
双方に接続された第2のインダクタ(コイル)L2から
成る。第2のインダクタ(コイル)L2には、第1のイ
ンダクタ(コイル)L1よりもインダクタンスの値が小
さいものが用いられている。
【0033】これら第1及び第2の電流制御回路TDL
1及びTDL2における各回路素子の機能は、前述した
実施形態のものと基本的に同様であるので、その説明は
省略する。
【0034】この第1の例に係る印字ヘッドの駆動装置
では、印字ヘッドHが駆動すべきノズル数に応じて、印
字ヘッドHの容量CLへの充放電電流を制御する回路を
第1の電流制御回路TDL1と第2の電流制御回路TD
L2との間で切り換えることを特徴としている。即ち、
例えば、充電側コントローラ1及び放電側コントローラ
2により、第1の電流制御回路TDL1を介して充放電
電流の制御が行われている場合に、駆動ノズル数指示部
G(図1参照)から入力される信号により駆動ノズル数
が所定の数未満であると判断された場合(以下、軽負荷
と呼ぶ)には、上述した所定の波形による駆動がされて
いない期間に、充放電電流の制御を行う回路を第1の電
流制御回路TDL1から第2の電流制御回路TDL2に
切り換える。即ち、充電側コントローラ1は、トランジ
スタTr31をOFFし、トランジスタTr33のON/OF
Fを行う。また、放電側コントローラ2は、トランジス
タTr32をOFFし、トランジスタTr34のON/OFF
を行う。これにより、第1のインダクタ(コイル)L1
よりもインダクタンスの値が小さい第2のインダクタ
(コイル)L2により、印字ヘッドHの電圧υcが平滑
化され、また放電時のエネルギーが蓄えられる。このよ
うに、軽負荷、即ち、印字ヘッドHの容量CLが小さく
なる時には、コイルのインダクタンスも小さいものを用
いることで、エネルギーの浪費を防止することが可能と
なる。尚、第2の電流制御回路TDL2(インダクタ
(コイル)L2)の使用は、駆動ノズル数指示部G(図
1参照)から新たに入力された信号により、充電側コン
トローラ1及び放電側コントローラ2により、駆動ノズ
ル数が所定の数以上であると判断された場合(以下、通
常負荷と呼ぶ)まで継続され、通常負荷と判断された場
合には、再び第1の電流制御回路TDL1(インダクタ
(コイル)L1)に切り換えられる。
【0035】次に、図4を参照して、本発明の実施形態
に係る印字ヘッドの駆動装置の第2の例について述べ
る。この第2の例は、上述した電流制限抵抗を付加した
トランジスタを使用して電源V+ から流入し帰還する電
流そのものを制限するものである。また、その電流制限
抵抗も抵抗値の異なるものを複数用いて負荷の変動に応
じて切り換えるようにした。
【0036】図4には、第2の例に係る印字ヘッドの駆
動装置の主要部を成す、それぞれ抵抗値の異なる電流制
限抵抗(R)とトランジスタの組み合わせから成る複数
の回路、これら回路の切り換えも含め印字ヘッド(各圧
電素子)の充放電制御を行うコントローラ、整流素子と
しての一対のダイオードが示されている。同図に示すよ
うに、この印字ヘッドの駆動装置も、圧電素子から成る
キャパシタンス(C)素子(ピエゾエレクトリックコン
デンサ)を用いた印字ヘッド(容量性ヘッド)H(その
容量をCLとする)を駆動・制御するものである。波形
生成回路から所定の基準波形が入力される演算増幅器、
充電側及び放電側のコントローラに駆動ノズル数を指示
する駆動ノズル数指示部等を有するのは、上述した実施
形態や図3に示した第1の例のものと同様であるが、そ
の図示及び詳しい説明は省略する。
【0037】即ち、この印字ヘッドの駆動装置も、演算
増幅器A(図1参照)の出力側にそれぞれ接続された充
電側コントローラ1及び放電側コントローラ2を有して
いる。この印字ヘッドの駆動装置は、それぞれ充電側コ
ントローラ1及び放電側コントローラ2の双方に接続さ
れた第1、第2及び第3の電流制御回路TRD1、TR
D2及びTRD3を備えている。第1の電流制御回路T
RD1は、充電側コントローラ1に接続されたトランジ
スタTr41とそのコレクタ側に接続された抵抗R0と、
放電側コントローラ2に接続されたトランジスタTr42
とそのコレクタ側に接続された他の抵抗R0とを有す
る。第2の電流制御回路TRD2は、充電側コントロー
ラ1に接続されたトランジスタTr43とそのコレクタ側
に接続された抵抗R1と、放電側コントローラ2に接続
されたトランジスタTr44とそのコレクタ側に接続され
た他の抵抗R1とを有する。第3の電流制御回路TRD
3は、充電側コントローラ1に接続されたトランジスタ
Tr45とそのコレクタ側に接続された抵抗R2と、放電
側コントローラ2に接続されたトランジスタTr46とそ
のコレクタ側に接続された他の抵抗R2とを有する。ま
た、第1、第2及び第3の電流制御回路TRD1、TR
D2及びTRD3は、放電時のエネルギーを電源V+ 側
に帰還させるための整流素子としての一対のダイオード
D141 とD142を共有している。尚、第1、第2及び第
3の電流制御回路TRD1、TRD2及びTRD3が、
それぞれこのような一対のダイオードを有する構成でも
良い。
【0038】抵抗R0、抵抗R1、抵抗R2には、それ
ぞれ抵抗値の異なるものが用いられ、抵抗R0よりも抵
抗R1が、また抵抗R1よりも抵抗R2の方が抵抗値の
大きいものが用いられている。尚、第1の電流制御回路
TRD1は、一対の抵抗R0を有していない、換言する
と抵抗R0の抵抗値=0Ωとしても良い。以下このよう
な場合を例として、この第2の例に係る印字ヘッドの駆
動装置の動作について説明する。尚、この第2の例にお
いても、各トランジスタやダイオードの機能は、前述し
た実施形態や第1の例のものと基本的に同様であるの
で、その説明は省略する。
【0039】この第2の例に係る印字ヘッドの駆動装置
では、印字ヘッドHが駆動すべきノズル数に応じて、印
字ヘッドHの容量CLへの充放電電流を制御する回路を
第1、第2及び第3の電流制御回路TRD1、TRD2
及びTRD3の間で切り換えることを特徴としている。
例えば、充電側コントローラ1及び放電側コントローラ
2により、第1の電流制御回路TRD1を介して充放電
電流の制御が行われている場合を考える。この場合、充
電側コントローラ1は、トランジスタTr41のみをON
/OFFし、トランジスタTr43とトランジスタTr45は
OFFにしている。同様に、放電側コントローラ2は、
トランジスタTr42のみをON/OFFし、トランジス
タTr44とトランジスタTr46はOFFにしている。この
ような場合において、駆動ノズル数指示部Gから入力さ
れる信号により駆動ノズル数が所定の数未満であると判
断された場合(以下、中負荷と呼ぶ)には、上述した所
定の波形による駆動がされていない期間に、充放電電流
の制御を行う回路を第1の電流制御回路TRD1から第
2の電流制御回路TRD2に切り換える。即ち、充電側
コントローラ1は、トランジスタTr41をOFFし、ト
ランジスタTr43のON/OFFを行う。また、放電側
コントローラ2は、トランジスタTr42をOFFし、ト
ランジスタTr44のON/OFFを行う。これにより、
抵抗R0よりも抵抗値が大きい抵抗R1により(上述し
たように、この第1の例では、抵抗R0の抵抗値=0Ω
なので、正確には、所定の抵抗値を有する抵抗R1によ
り)電源V+ から流入する電流が制限されるので、駆動
ノズル数が所定の数未満に減少した中負荷の場合に、通
常負荷と同様の量のエネルギーを不必要に使用すること
がなくなる。
【0040】さて、第2の電流制御回路TRD2(抵抗
R1)の使用は、駆動ノズル数指示部Gから新たに入力
された信号により、充電側コントローラ1及び放電側コ
ントローラ2により、駆動ノズル数が所定の数以上であ
る、通常負荷と判断された場合には、再び第1の電流制
御回路TRD1(抵抗R0)に切り換えられる。
【0041】一方、駆動ノズル数指示部Gから入力され
る信号により駆動ノズル数が上述した中負荷の場合の所
定の数より更に少ない所定の数未満であると判断された
場合(以下、軽負荷と呼ぶ)には、上述した所定の波形
による駆動がされていない期間に、充放電電流の制御を
行う回路を第2の電流制御回路TRD2から第3の電流
制御回路TRD3に切り換える。即ち、充電側コントロ
ーラ1は、トランジスタTr43をOFFし、トランジス
タTr45のON/OFFを行う。また、放電側コントロ
ーラ2は、トランジスタTr44をOFFし、トランジス
タTr46のON/OFFを行う。これにより、抵抗R1
よりも抵抗値が大きい抵抗R2により電源V+ から流入
する電流が制限されるので、駆動ノズル数が更に減少し
た軽負荷の場合に、通常負荷や中負荷と同様の量のエネ
ルギーを不必要に使用することがなくなる。
【0042】次に、図5を参照して、本発明の実施形態
に係る印字ヘッドの駆動装置の第3の例について述べ
る。この第3の例は、上述した実施形態の最後で言及し
た、(抵抗R1やR2により)電流制限した制御におい
て、上述した平滑用のインダクタ(コイル)Lをインダ
クタンスの値の異なるものに切り換える制御を併用する
ものである。
【0043】図5には、第3の例に係る印字ヘッドの駆
動装置の主要部を成す、それぞれ上記第2の例における
TRD1、TRD2、TRD3にインダクタ(コイル)
L1、L2、L3を組み合わせた第1、第2及び第3の
電流制御回路TRDL1、TRDL2、TRDL3と、
これら回路の切り換えも含め印字ヘッド(各圧電素子)
の充放電制御を行うコントローラが示されている。同図
に示すように、この印字ヘッドの駆動装置も、圧電素子
から成るキャパシタンス(C)素子(ピエゾエレクトリ
ックコンデンサ)を用いた印字ヘッド(容量性ヘッド)
H(その容量をCLとする)を駆動・制御するものであ
る。尚、この第3の例では、第1、第2及び第3の電流
制御回路TRDL1、TRDL2及びTRDL3が、そ
れぞれ整流素子としての一対のダイオードをTRD1、
TRD2、TRD3部分の内部に有している以外は、こ
れらTRD1、TRD2、TRD3部分の構成は上述し
た第2の例と同様であるので、その内部構成の図示は省
略する。また、波形生成回路から所定の基準波形が入力
される演算増幅器、充電側及び放電側のコントローラに
駆動ノズル数を指示する駆動ノズル数指示部等を有する
のも、上述した実施形態や第1及び第2の例のものと同
様であるが、その図示及び詳しい説明は省略する。
【0044】即ち、この印字ヘッドの駆動装置も、演算
増幅器A(図1参照)の出力側にそれぞれ接続された充
電側コントローラ1及び放電側コントローラ2を有して
いる。この印字ヘッドの駆動装置は、それぞれ充電側コ
ントローラ1及び放電側コントローラ2の双方に接続さ
れた第1、第2及び第3の電流制御回路TRDL1、T
RDL2及びTRDL3を備えている。第1の電流制御
回路TRDL1は、上記した第2の例におけるTRD1
(但し、固有のダイオードを一対含む)にインダクタL
1を組み合わせた構成、第2の電流制御回路TRDL2
は、上記した第2の例におけるTRD2(但し、固有の
ダイオードを一対含む)にインダクタL2を組み合わせ
た構成、第3の電流制御回路TRDL3は、上記した第
2の例におけるTRD3(但し、固有のダイオードを一
対含む)にインダクタL3を組み合わせた構成を有して
いる。インダクタL1、L2、L3には、それぞれイン
ダクタンスの値の異なるものが用いられ、L1よりもL
2が、またL2よりもL3の方がインダクタンスの値の
小さいものが用いられている。尚、この第3の例におい
ても、各トランジスタやダイオードの機能は、前述した
実施形態や第1及び第2の例のものと基本的に同様であ
るので、その説明は省略する。
【0045】即ち、この第3の例に係る印字ヘッドの駆
動装置では、印字ヘッドHが駆動すべきノズル数に応じ
て、印字ヘッドHの容量CLへの充放電電流を制御する
回路を第1、第2及び第3の電流制御回路TRDL1、
TRDL2及びTRDL3の間(インダクタL1、L
2、L3の間)で切り換えるだけでなく、第1、第2及
び第3の電流制御回路TRDL1、TRDL2及びTR
DL3それぞれの中で、電流制限抵抗をR0、R1、R
2(図4参照)間で切り換えることを特徴としている。
即ち、以上に述べたところから明らかなように、この第
3の例に係る印字ヘッドの駆動装置では、9段階の切り
換えを可能としている。従って、駆動ノズル数指示部G
から入力される信号に基づき、充電側コントローラ1及
び放電側コントローラ2は、駆動ノズル数(負荷)に応
じて、より柔軟な電流の制御を行う。これにより、駆動
ノズル数に対応した、よりエネルギーの浪費の少ない制
御が可能である。
【0046】このように、この第3の例は、上述した第
1の例に第2の例を組み合わせたものであり、複数のイ
ンダクタンス(L)素子のそれぞれに複数の抵抗(R)
素子を接続する構成により、上述した所定の波形による
駆動がされていない期間に、印字データに基づく負荷変
動の予測に従って、複数のインダクタンス(L)及び抵
抗(R)素子の中で、次の充電又は放電動作を行う電流
経路をより細かく切り換えることにより、フレキシブル
な制御を可能としたものである。
【0047】以上、本発明を特定の実施形態について述
べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、特許
請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態
についても適用される。例えば、以上に述べた例では、
説明を簡単にするために、駆動ノズル数に応じて2乃至
3個のインダクタ(L)及び/又は抵抗(R)を切り換
えることを述べたが、切り換えるインダクタ(L)及び
/又は抵抗(R)の数は、より多くても良いのは勿論で
ある。実用上は、10個以上設けて駆動ノズル数に応じ
てきめ細かな切り換え・制御を行うのが望ましい。
【0048】また、上述した例では、圧電素子(容量性
ヘッド)を有するインクジェットプリンタを例として説
明したが、例えば、サーマルインクジェットプリンタの
ように抵抗への通電による発熱を利用してインクを吐出
するもの等、他のプリンタにも適用され得るのは勿論で
ある。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧電素
子等のキャパシタンス(C)素子を用いた印字ヘッドの
充放電プロセスにおいて、従来顧みられなかったエネル
ギーの浪費を有効に防止することができる印字ヘッドの
駆動回路技術を提供することができる。また、非常に簡
単且つ部品点数の少ない印字ヘッドの駆動回路が得られ
る。
【0050】従って、今後ノズル数が更に増加されて
も、コンパクトな回路構成の印字ヘッドの駆動装置及び
かかる駆動装置を有するインクジェットプリンタを提供
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェットプリ
ンタの印字ヘッドの駆動回路の構成を示す図である。
【図2】 図1に示した印字ヘッドの駆動回路における
各回路素子の動作を説明するためのタイミングチャート
である。
【図3】 本発明の実施形態における印字ヘッドの駆動
回路の第1の例を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態における印字ヘッドの駆動
回路の第2の例を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態における印字ヘッドの駆動
回路の第3の例を示す図である。
【符号の説明】
H 印字ヘッド CL 印字ヘッドの容量 A 演算増幅器 1 充電側コントローラ 2 放電側コントローラ Tr1 トランジスタ D1 ダイオード Tr2 トランジスタ D2 ダイオード L インダクタ(コイル) W 基準波形 Rn 抵抗 RO 抵抗 R1 抵抗 R2 抵抗 υc 交流電圧 G 駆動ノズル数指示部 V+ 電源 Tr1´ トランジスタ Tr2´ トランジスタ TDL1 第1の電流制御回路 TDL2 第2の電流制御回路 Tr31 トランジスタ D131 ダイオード Tr32 トランジスタ D132 ダイオード L1 第1のインダクタ(コイル) Tr33 トランジスタ D133 ダイオード Tr34 トランジスタ D134 ダイオード L2 第2のインダクタ(コイル) TRD1 第1の電流制御回路 TRD2 第2の電流制御回路 TRD3 第3の電流制御回路 Tr41 トランジスタ Tr42 トランジスタ Tr43 トランジスタ Tr44 トランジスタ Tr45 トランジスタ Tr46 トランジスタ D141 ダイオード D142 ダイオード TRDL1 第1の電流制御回路 TRDL2 第2の電流制御回路 TRDL3 第3の電流制御回路 L1 インダクタ L2 インダクタ L3 インダクタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャパシタンス素子の充放電プロセスに
    よりインクを吐出するインクジェットプリンタにおい
    て、前記キャパシタンス素子に蓄えられた電荷を前記充
    放電プロセスにおいて再利用することを可能としたイン
    クジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 複数のノズルのそれぞれにキャパシタン
    ス(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充
    放電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印
    字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて、少
    なくとも整流素子及び値の異なるインダクタンス(L)
    素子及び/又は抵抗(R)の組み合わせから成り、前記
    キャパシタンス素子に充放電動作を行わせる回路を複数
    用意し、前記複数のノズルのうち駆動すべきノズル数に
    応じて、前記複数の回路内で次の充電又は放電動作を行
    わせる回路を切り換えることを可能としたインクジェッ
    トプリンタ。
  3. 【請求項3】 複数のノズルのそれぞれにキャパシタン
    ス(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充
    放電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印
    字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて、前
    記キャパシタンス(C)素子の放電時のエネルギーを蓄
    えるインダクタンス素子と、該インダクタンス素子に蓄
    えられたエネルギーを電源側に帰還させるための整流素
    子とを備え、前記インダクタンス素子に放電時のエネル
    ギーを蓄えて、該エネルギーを電源側に帰還させること
    により、エネルギーの浪費を防止することを可能とした
    インクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 複数のノズルのそれぞれにキャパシタン
    ス(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充
    放電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印
    字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける前記
    印字ヘッドの駆動装置において、少なくとも、両者とも
    それぞれ前記キャパシタンス(C)素子の充放電の経路
    に設けられ放電時のエネルギーを一時的に蓄えるインダ
    クタであって、所定のインダクタンス値を有する第1の
    インダクタと、該第1のインダクタよりもインダクタン
    ス値の小さい第2のインダクタとを有すると共に、前記
    放電時に各インダクタに蓄えられたエネルギーを電源側
    に帰還させるための整流素子を備え、前記複数のノズル
    のうち駆動すべきノズル数が所定の数に満たない場合
    に、前記第1のインダクタから第2のインダクタへ、前
    記充放電の経路を切り換えることを可能とした印字ヘッ
    ドの駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の印字ヘッドの駆動装置に
    おいて、更に充電側と放電側それぞれのコントローラ
    と、該各コントローラによりオン・オフされることによ
    り前記第1又は第2のインダクタを介して前記キャパシ
    タンス(C)素子の充電又は放電される電流を増幅する
    充電側及び放電側一対のトランジスタを前記第1又は第
    2のインダクタごとに備え、前記複数のノズルのうち駆
    動すべきノズル数が所定の数に満たない場合には、前記
    第1のインダクタ側のトランジスタをオフし、前記第2
    のインダクタ側のトランジスタをオン・オフすることに
    より、前記充放電の経路を切り換えることを特徴とする
    印字ヘッドの駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印字ヘッドの駆動装置に
    おいて、更に、印字データとの関係から駆動すべきノズ
    ル数を指示する駆動ノズル数指示手段を備え、前記充電
    側及び放電側のコントローラは、該駆動ノズル数指示手
    段により指示された駆動ノズル数と前記所定数とを比較
    し、該駆動ノズル数が前記所定数を下回った場合に、前
    記充放電の経路を切り換えることを特徴とする印字ヘッ
    ドの駆動装置。
  7. 【請求項7】 複数のノズルのそれぞれにキャパシタン
    ス(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充
    放電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印
    字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて、前
    記キャパシタンス(C)素子の充放電のエネルギーを制
    限する抵抗と、前記キャパシタンス(C)素子の放電時
    のエネルギーを電源側に帰還させるためのダイオードを
    備え、予め前記抵抗により前記キャパシタンス(C)素
    子の充放電のエネルギーを制限することにより、エネル
    ギーの浪費を防止することを可能としたインクジェット
    プリンタ。
  8. 【請求項8】 複数のノズルのそれぞれにキャパシタン
    ス(C)素子を備え、該キャパシタンス(C)素子の充
    放電により各ノズルからインクを吐出して印字を行う印
    字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける前記
    印字ヘッドの駆動装置において、少なくとも、両者とも
    それぞれ前記キャパシタンス(C)素子への充放電の経
    路に設けられ充放電時のエネルギーを制限する抵抗であ
    って、所定の抵抗値を有する第1の抵抗と、該第1の抵
    抗よりも抵抗値の大きい第2の抵抗とを有すると共に、
    前記キャパシタンス(C)素子の放電時のエネルギーを
    電源側に帰還させるためのダイオードを備え、前記複数
    のノズルのうち駆動すべきノズル数が所定の数に満たな
    い場合に、前記第1の抵抗から第2の抵抗へ、前記充放
    電の経路を切り換えることを可能とした印字ヘッドの駆
    動装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の印字ヘッドの駆動装置に
    おいて、更に充電側と放電側それぞれのコントローラ
    と、該各コントローラによりオン・オフされることによ
    り前記第1又は第2の抵抗を介した前記キャパシタンス
    (C)素子の充電又は放電される電流を増幅する充電側
    及び放電側一対のトランジスタを前記第1又は第2の抵
    抗ごとに備え、前記複数のノズルのうち駆動すべきノズ
    ル数が所定の数に満たない場合には、前記第1の抵抗側
    のトランジスタをオフし、前記第2の抵抗側のトランジ
    スタをオン・オフすることにより、前記充放電の経路を
    切り換えることを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印字ヘッドの駆動装置
    において、更に、印字データとの関係から駆動すべきノ
    ズル数を指示する駆動ノズル数指示手段を備え、前記充
    電側及び放電側のコントローラは、該駆動ノズル数指示
    手段により指示された駆動ノズル数と前記所定数とを比
    較し、該駆動ノズル数が前記所定数を下回った場合に、
    前記充放電の経路を切り換えることを特徴とする印字ヘ
    ッドの駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10記載の印字ヘッドの駆
    動装置において、更に、前記キャパシタンス(C)素子
    の充放電の経路における前記第1及び第2の抵抗と前記
    キャパシタンス(C)素子の間に、少なくとも、両者と
    も前記キャパシタンス(C)素子の放電時のエネルギー
    を一時的に蓄えるインダクタであって、所定のインダク
    タンス値を有する第1のインダクタと、該第1のインダ
    クタよりもインダクタンス値の小さい第2のインダクタ
    とをそれぞれ設け、前記複数のノズルのうち駆動すべき
    ノズル数に応じて、それぞれ前記第1の抵抗と前記第1
    のインダクタ、前記第2の抵抗と前記第1のインダク
    タ、前記第1の抵抗と前記第2のインダクタ、前記第2
    の抵抗と前記第2のインダクタ、を含む、少なくとも4
    経路内で前記充放電の経路を切り換えることを特徴とす
    る印字ヘッドの駆動装置。
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