JP2000218511A - ホーニング加工機 - Google Patents

ホーニング加工機

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JP2000218511A
JP2000218511A JP2263299A JP2263299A JP2000218511A JP 2000218511 A JP2000218511 A JP 2000218511A JP 2263299 A JP2263299 A JP 2263299A JP 2263299 A JP2263299 A JP 2263299A JP 2000218511 A JP2000218511 A JP 2000218511A
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intermediate shaft
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honing machine
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Atsuya Hatano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸の回転機構および軸方向の振動機構を有
するホーニング加工機であって、回転駆動源となる駆動
モータからの回転力をよりスムーズに主軸に伝達でき、
かつ、小さな力で主軸を軸方向に振動させることのでき
るホーニング加工機を提供する。 【解決手段】 ホーンを保持する主軸30と駆動軸41
との間に中間軸50を配置させ、可撓性のある軸連結部
材55にて主軸30と中間軸50および駆動軸41と中
間軸50との間を連結させ、中間軸往復運動機構60に
よって中間軸30を平行に往復運動させることにより、
主軸30を回転させつつその軸方向に振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物に設けら
れた孔の壁面を研磨するためのホーニング加工機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】丸孔の内面を研磨するホーニング加工機
においては、ホーンと呼ばれる、研磨剤を側面に付着さ
せた棒状の工具を用いて行うのが一般的である。そし
て、研磨加工は、ホーンを回転させつつこの孔に挿入さ
せ、軸方向にホーンを移動させて行う。ところが精密な
加工面を形成するためには、ホーンの回転運動および軸
方向への移動運動に加え、このホーンを軸方向に微振動
させることが必要となってくる。ホーンを回転させつつ
軸方向に微振動を与えることのできる装置としては、従
来から、例えば、特開昭61−288971号公報、特
許2602165号公報等に示すようなものがあった。
【0003】特開昭61−288971号公報に示され
ているホーニング加工機を図10に示す。このホーニン
グ加工機は、主軸81を回転自在支持するハウジング8
2と、ハウジング82を軸方向に移動可能に支持する主
軸頭83と、主軸81を回転させる駆動モータ84と、
主軸81と回転駆動モータ84とを連結し、両者の相対
位置が変動しても回転を伝達できる回転伝達機構85
と、主軸頭83内に設けられハウジング82を下方に付
勢するスプリング86と、偏心軸87を回転させること
によってハウジング82を上下方向に往復運動させる振
動機構88とを備えている。そして、このホーニング加
工機では、駆動モータ84の回転で主軸81が回転させ
られることにより、主軸81の先端に取付けられたホー
ンが回転し、これと同時に、偏心軸87が回転すること
により、スプリング86に抗ってハウジング82が上下
し、その結果ホーンが軸方向に振動させられる。
【0004】また、特許2602165号公報に示され
ているホーニング加工機を図11に示す。このホーニン
グ加工機は、主軸頭91と、主軸頭91に回転自在にか
つ軸方向に移動可能に支持された主軸92と、主軸92
を回転させる駆動モータ93と、主軸92と駆動モータ
93とを連結し、両者の相対位置が変動しても回転を伝
達できる回転伝達機構94と、回転伝達機構94内にあ
り主軸92を下方に付勢するスプリング95と、一端で
主軸92の回転のみが自在となるように保持し、他端に
ローラ96aを有し、外力によって主軸92を持ち上げ
る搖動レバー96と、ローラ96aに当接する傾斜面を
持つ偏心円盤97を有し、この偏心円盤97を回転させ
ることによって搖動アームを持ち上げるように振動させ
る振動機構98とを備えている。そしてこのホーニング
加工機では、駆動モータ93の回転で主軸92が回転さ
せられることにより、主軸92の先端に取付けられたホ
ーン99が回転し、これと同時に、偏心円盤97が回転
することにより、スプリング95に抗って主軸が上下
し、その結果ホーン99が軸方向に振動させられる。
【0005】上記のような従来の加工機では、駆動モー
タからの回転力を主軸に伝達させる回転力伝達機構にお
いて、主軸が上下動した場合でも回転力をうまく伝達さ
せるために、特別な機構を採用している。この特別な機
構とは、特開昭61−288971号公報に示されてい
るホーニング加工機の場合は、スプライン加工された主
軸の上端部85aとこれに噛み合うように中心を加工さ
れたプーリ85bであり、また、特許2602165号
公報に示されているホーニング加工機の場合は、噛み合
わせるための突起をもつ2つの円盤状部材94aであ
る。ところが、このような機構では、回転力を伝達させ
る場合、主軸の上下動によって、回転力を伝達する面が
互いに擦れ合う構造となっている。したがって、その擦
れ合いによって、回転力伝達面が摩耗し、長期のホーニ
ング加工機の稼動により、ガタが発生したり、回転力伝
達機構が破損する原因となっていた。また、この擦れ合
いをベアリング等の手段によって緩和しようとする場
合、回転力伝達機構が複雑なものとならざるを得なかっ
た。
【0006】また、主軸を上下振動させる場合、慣性力
によって主軸がバウンド(いわゆる「躍る」という状
態)する。このバウンドを防止するために、主軸に対し
て常に下向きの力を付勢している。上記の従来の加工機
では、主軸を上下動させる際、スプリングにより主軸に
対して軸方向における上方向の力を付勢していた。した
がって、スプリングから受ける力に抗って主軸を上方に
持ち上げる力はかなり大きいものとなり、上記した振動
機構が有する偏心軸87あるいは搖動レバー96、偏心
円盤97等には大きな荷重がかかる。しかもこの荷重は
偏荷重であるため、振動機構についても、摩耗、破損と
いった現象が発生する要因ともなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記ような
従来のホーニング加工機の抱える問題を解決するために
なされたものである。主軸の回転機構および軸方向の振
動機構を有するホーニング加工機であって、回転駆動源
となる駆動モータからの回転力をよりスムーズに主軸に
伝達でき、かつ、小さな力で主軸を軸方向に振動させる
ことのできるホーニング加工機を提供することを課題と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のホーニング加工
機は、ホーンを回転させつつ該ホーンをその軸方向に振
動させて被加工物をホーニング加工するホーニング加工
機であって、前記被加工物に対して相対的に移動する主
軸頭と、一端に前記ホーンを同軸的に保持し、軸方向が
前記主軸頭の相対移動方向と同方向であり、該主軸頭に
回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持されている主軸
と、前記主軸頭に固定され、前記主軸を回転させるため
の駆動軸を有する駆動モータと、前記主軸と前記駆動軸
との間に位置し、該駆動軸の回転を該主軸に伝達する中
間軸と、前記主軸の前記ホーンが保持されていない一端
と前記中間軸の一端および前記駆動軸と該中間軸の他端
とを連結し、2以上の屈曲点をもち屈曲した状態でも回
転を伝達可能な2つの軸連結部材と、前記主軸をその軸
方向に往復運動させるために、前記中間軸をその軸方向
と垂直な方向に付勢し該中間軸を往復平行運動させる中
間軸往復運動機構とを備えることを特徴とする。
【0009】つまり、本発明のホーニング加工機は、主
軸と主軸を回転させる駆動源となる駆動モータの駆動軸
との間に中間軸を介在させ、それぞれの間を可撓性のあ
る連結部材で連結するように構成されている。そして、
この中間軸に対して垂直な方向、つまり主軸の軸方向と
は異なる方向の力を加えることにより、中間軸を変位さ
せ、主軸と駆動軸との間の距離を変化させて主軸を軸方
向に振動させるものである。このように、主軸の軸方向
と異なる方向の力によって主軸を振動させることで、主
軸を振動させる機構にかかる負荷を小さなものにするこ
とができる。また、回転力の伝達についても、可撓部を
用いることで、単純な機構となり、また主軸および駆動
軸との接続部において大きな擦れ合いがなく円滑なもの
となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のホーニング加工
機の実施形態について、模式図を用いて、概念的に説明
する。図1に、本発明のホーニング加工機の最も単純な
実施形態について示す。本実施形態のホーニング加工機
は、主軸頭10の上方に固定された駆動モータ40と、
主軸頭10の下方に回転自在にかつ軸方向に移動可能に
支持された主軸30と、駆動モータ40の駆動軸41と
主軸30との間に位置する中間軸50と、駆動軸41と
中間軸50の上端および主軸30の上端と中間軸50の
下端とを連結する2つの軸連結部材55から構成されて
いる。主軸30の下端には図示していないがホーンが取
付けられる。2つの連結部材55は、可撓性を有し、自
在に屈曲するものとなっている。なお、本実施形態で
は、主軸30と駆動軸41とは、両者の軸心線が同一に
なるように(同軸的に)配置されている。
【0011】駆動モータ40を作動させて駆動軸41を
回転させれば、この回転力は中間軸50と2つの軸連結
部材55を介して主軸30に伝達され、主軸30は回転
させられる。中間軸50に何も力を加えていない場合、
中間軸50は主軸30および駆動軸41と同軸的に位置
している。したがって、主軸30と駆動軸41との間の
距離は最も大きい状態となっている。つまり、本実施形
態では、主軸30は最下方に位置し、この位置で回転さ
せられている。
【0012】この状態から、中間軸50がその軸心が元
の状態と平行な状態を保つように、中間軸50に対して
直角方向の力M(以下「中間軸平行移動力」Mという)
を加えることにより、中間軸50は平行に移動させら
れ、中間軸50の軸心線(図中のl)は、主軸30の軸
心と駆動軸41の軸心を結ぶ線(図中のcl:以下「基
準軸線」という)から変位する。中間軸50は連結部材
55を介して駆動軸41主軸30と連結されており、駆
動軸41はその位置が固定されているために、中間軸5
0が変位すると、主軸30が駆動軸41に近づく方向
(図のUの方向)、つまり上方に、中間軸50の変位量
wに応じた距離vだけ移動する。
【0013】主軸30が上方に移動した状態から、次
に、平行状態を保つように中間軸30に対して逆向きの
中間軸平行移動力M’を加えれば、中間軸50の変位量
wは小さくなり、主軸30は駆動軸41から離れる方向
(図のU’の方向)、つまり下方に移動する。このよう
に、中間軸30が平行状態を保ちつつ往復運動させられ
ることにより、主軸30はその軸方向に往復運動させら
れる。
【0014】例えば、最大変位量が一定になるように中
間軸50を往復平行運動させれば、主軸30を一定の振
幅となるように軸方向に振動させることができ、最大変
位量と最小変位量となる位置が一定の周期で訪れるよう
に中間軸50を往復平行運動させれば、主軸30を一定
の振動数となるように振動させることができる。以上
が、本発明のホーニング加工機の特徴である主軸振動機
構の原理である。このように、従来のホーニング加工機
のもつ振動機構とは異なり、主軸をその軸方向に常に付
勢する力を必要としないことから、非常に小さな力でか
つスムーズに、主軸を軸方向に振動させることができ
る。
【0015】また、上記実施形態に代えて、主軸に対し
て軸方向の力を常に付勢しつつ、主軸を軸方向に振動さ
せる機構を採用することもできる。この実施形態につい
て説明する。図1において、主軸30に対して、軸方向
であってホーンが保持されている一端に向かう方向、つ
まり下方に付勢されているものとする(この力を以下
「主軸スラスト力」という:図中のS)。主軸スラスト
力Sが負荷された状態では、中間軸50を変位させて主
軸30をU方向に移動させる場合、この主軸スラスト力
Sに抗って主軸30を移動させるため、中間軸平行移動
力Mは、前記実施形態の場合と比較して大きいものとな
る。ところが、U’の方向に主軸30を移動させる場合
は、主軸スラスト力Sを利用できるため、中間軸平行移
動力M’を必要としない。つまり、この主軸スラスト力
を負荷した実施形態を採用した場合、中間軸平行移動力
を一方向にしか必要としないという利点がある。
【0016】従来の振動機構は、主軸スラスト力Sに直
接抗うように、主軸の軸方向(図のU’の方向)に力を
加えて振動を発生させていた。これと異なり、本実施形
態では、主軸30と直行する向きの力を中間軸50に加
えて振動させるものであることから、振動を発生させる
その力は非常に小さいものしか必要としない。したがっ
て、主軸スラスト力を付勢しつつ、主軸を軸方向に振動
させる場合であっても、主軸を振動させる機構にかかる
負荷を小さなものにすることができる。
【0017】なお、上記実施形態では、駆動軸41と主
軸30とが同軸的に配置されている。本発明のホーニン
グ加工機では、これに代えて、図2に示すように、駆動
軸41と主軸30とが両者の軸心線が平行ではあるがず
れているような位置に配置された実施形態(図2
(a))、駆動軸41と主軸30とが両者の軸心線が平
行でないような位置に配置された実施形態(図2
(b))等を採用することもできる。図2に示すような
様々な位置関係に駆動軸41および主軸30を配置でき
ることで、両者が配置される主軸頭の形状を目的に応じ
た種々の形状とすることができ、ホーニング加工機自体
の自由度、適用範囲が広がる。ただし、中間軸50を往
復平行運動させて主軸30を軸方向に振動させる際の中
間軸平行移動力は、駆動軸41と主軸30とが同軸的に
配置されている場合にもっとも小さく、この点を考慮す
れば、両軸を同軸的に配置することが望ましい。
【0018】主軸は、保持するホーン、加工する孔径・
孔深さ等によって決まる加工負荷等に応じて、その径、
長さ等を決定すればよい。主軸に保持されるホーンにつ
いても被加工物に応じて種々のものを採用できる。ホー
ンの保持の方法は、主軸30と同軸的であればよく、特
に限定されるものではない。例えば、主軸の先端にチャ
ックを設けこのチャックよって保持する方法、主軸の先
端をスリーブ状に加工しこのスリーブに嵌合させて保持
する方法等が採用できる。主軸頭への主軸の支持方法に
ついても、主軸が回転自在にかつ軸方向に移動可能なよ
うに支持するものであればよく、特に限定されるもので
はない。例えば、ボールベアリング、無給油の摺動ブッ
シュ(いわゆるドライベアリング)等の公知の支持手段
が採用できる。
【0019】主軸を回転させる動力源となる駆動モータ
は主軸頭に固定される。駆動モータは、ホーニング加工
の加工条件、加工負荷に応じて、その回転数、原動力等
を決定すればよい。例えば、電動モータ、油圧あるいは
空気圧を利用したモータ等種々のものを使用できる。駆
動モータの駆動軸と主軸の間に位置させる中間軸は、駆
動軸の回転を主軸に伝達するものであり、かつ、中間軸
往復運動機構によって平行移動力が負荷され往復平行運
動させられるものである。したがって、その径は伝達す
る回転力等に応じて決定すればよく、またその長さは中
間軸往復運動機構との関係等に応じて決定すればよい。
【0020】主軸と中間軸および駆動軸と中間軸を連結
する軸連結部材は、屈曲した状態であってかつその屈曲
度合が変動する状態にあっても、回転駆動力を伝達でき
るものでなければならず、したがって、可撓性を必要と
する。しかも、中間軸を平行に移動可能なように駆動軸
および主軸に連結させなければならず、そのためには、
2以上の屈曲点を有する必要がある。図3に示すもの
は、2つの屈曲点Bを有するものである。この2つの屈
曲点Bにおいて屈曲できることで、中間軸は連結された
状態で平行に移動できることになる。軸連結部材は、2
以上の屈曲点を有するものと定義したが、連続的にある
範囲で屈曲するものをも含む意味であり、例えば、コイ
ルスプリング、硬質ゴム等のある程度の弾性を有する弾
性体であってもよい。
【0021】使用できるものの中では、軸連結部材には
自在継手を用いるのが望ましい。自在継手とは、後の実
施例の説明において図示するが、いわゆるフレキシブル
ジョイントを2つ連結したようなもので、一般にユニバ
ーサルジョイントと呼ばれているものである。この自在
継手は、回転力を確実に伝達でき、また、弾性変形しな
いため、中間軸の平行移動による主軸の軸方向への移動
の即応性が高いという利点がある。
【0022】本発明のホーニング加工機では、上述した
ような機構的に単純な連結部材を用いて、軸方向に移動
する主軸に対して回転を伝達させている。このような可
撓性のある軸連結部材を用いた本発明のホーニング加工
機が有する回転力伝達機構では、従来方法のように、回
転を伝達する面がほとんど摺動しないことで、連結部材
自体の摩耗が少なく、また、回転力の伝達をより円滑に
行うことができる。
【0023】中間軸往復運動機構は、中間軸の回転を阻
害しない状態で、中間軸をその軸方向と直角な方向に付
勢し、往復平行運動させるものである。このような機能
を奏するものであればいかなる機構であってもよい。採
用できるいくつかの中間軸往復運動機構の態様を、図4
に示す。図示したいずれの中間軸往復運動機構も、中間
軸50を回転可能にかつその軸方向に移動可能に保持
し、かつ、主軸頭10に中間軸50と垂直な方向に移動
可能に支持されている中間軸保持具61と、この中間軸
保持具61を往復運動させる往復運動発生部65とから
構成されている。図示した態様のものの場合、中間軸保
持具61は、中間軸50を保持する保持部61aと、主
軸頭10に支持される棒状の支持部61bとからなる
が、上記中間軸保持具の機能を果たすものであればいか
なる態様のものでもよい。
【0024】往復運動発生部65は、図4(a)の態様
のものは、油圧、空気圧等のピストンシリンダを用いる
態様のものであり、(b)の態様のものはクランク機構
を利用するものであり、(c)の態様のものはカム機構
を利用するものである。このように公知の様々な往復運
動を発生させる機構を利用するものであってよい。これ
らの態様の中でも、図4(c)に示すように、カム板材
63を回転させて振動を発生させる態様のものは、コン
パクトに構成することができ、また、高速振動(単位時
間あたりの振動数の大きい振動)に対応し得るというメ
リットを有する。なお、図4(b)(c)の態様の場
合、往復運動発生部65の駆動は、主軸駆動のモータと
は別の駆動モータを用いて行ってもよく、主軸駆動のモ
ータから回転力を得るものであってもよい。また、カム
板材63は、偏心させた円盤形状のもの、楕円盤、異形
状の有するもの等、種々の形状のものを採用できる。
【0025】中間軸の往復平行運動は、主軸と駆動軸と
の軸心線を同一とした場合、図5に示すようなそれぞれ
の態様とすることができる。図5(a)は、中間軸の軸
心線が基準軸線(主軸の軸心と駆動軸の軸心とを結ぶ
線)を挟んで両側に変位するように往復運動させる態様
であり、(b)は、中間軸の軸心線が基準軸線から片側
に変位するように往復運動させる態様であり、(c)
は、中間軸の軸心線が基準軸線から常に片側に変位した
状態で往復運動させる態様である。図5(a)の態様の
場合、上記中間軸往復運行機構は、中間軸に対して両側
から付勢するように作用させる。これに対して、図5
(b)、(c)の態様を採用した場合、上述した主軸ス
ラスト力を付勢した状態で主軸を往復運動させようとす
れば、片側からの力つまり中間軸の軸心線の基準軸線か
らの変位量が大きくなる方向の力しか要しない。このこ
とは、上記中間軸往復運動機構において、例えば図4に
示す態様のものでは、中間軸保持具61と往復運動発生
機構との接点62は連結される必要はなく、当接させら
れているだけでよい。この中間軸保持具61と往復運動
発生部とを連結しないメリットについては、後に述べる
安全機構との関係で後述する。
【0026】以上の構成要素は、主軸頭の中に組み込ま
れ、ホーンは回転させられつつ軸方向に振動させられ
る。本発明のホーニング加工機では、主軸頭は、ホーン
の軸方向つまり主軸の軸方向であって被加工物に対して
近づく方向に、相対移動する。相対移動とは、主軸頭ま
たは被加工物が移動するもしくは両者が移動することを
意味する。本発明のホーニング加工機は、竪型、横型の
いずれの形態をも採ることができる。竪型のホーニング
加工機とする場合であって主軸頭を移動させる場合は、
被加工物に対して鉛直に設けられたコラムにホーンおよ
び主軸の軸方向と同じ方向にレールを取り付け、このレ
ールに沿って主軸頭を移動させればよい。移動手段に
は、ボールネジによる送り、油圧のシリンダ等、通常の
ホーニング加工機が採用する手段を用いればよい。
【0027】以上の構成要素からなるホーニング加工機
とすることにより、ホーンは、回転させられつつ振動さ
せられ、かつ軸方向に移動させられて、被加工物に設け
られた孔の内壁面を精密に研磨加工するものとなる。本
発明のホーニング加工機では、安全機構を設けることが
望ましい。ここでいう安全機構とは、加工時にホーンに
対して過負荷の状態となった場合についての安全機構で
ある。研磨代が大きすぎた場合等、ホーンが過負荷とな
った状態で、回転、振動しつつ被加工物に対する相対移
動を続ければ、ホーンが破損しまたは被加工物が損傷を
受けるといった事態が発生する。したがって、ホーンが
過負荷となった場合、ホーンの被加工物に対する相対移
動を停止させることが望ましい。
【0028】安全機構としての機能を発揮させるには、
上記実施形態の中で、以下の実施態様を採用すればよ
い。主軸と駆動軸とを同軸的に配置し、主軸にスラスト
力を付勢した状態で、中間軸往復運動機構は、中間軸を
その軸心線が基準軸心線上に位置しないように基準軸線
から常に片側に変位した状態で往復運動させ(図5
(c))、かつ、中間軸の軸心線の基準軸線からの変位
量が大きくなる方向にのみ付勢するのである。
【0029】上記態様の作用を図6に模式的に表す。主
軸30はスラスト力Sを付勢されながら、中間軸50が
1の振幅で往復運動することにより軸方向に振動させ
られている。いま、ホーンに対して過負荷の状態で、主
軸頭を図面の下方に向かって移動させ場合、主軸30に
は上方に向かう力Gが加わる。この力Gがスラスト力S
を上回った場合、主軸30はさらに持ち上げられ、中間
軸50はその変位量を増そうとする(w2)。ここで、
中間軸の変位量が増加させられる場合、上記態様の中間
軸往復運動機構では、中間軸50の変位量が増加する方
向にしか付勢されていないため、中間軸往復運動機構か
ら中間軸が拘束を解かれることにより、その変位量を増
加させることができる。このような態様の構成を採用す
れば、中間軸の変位量が増加した場合に、主軸30は上
方に持ち上げられ、主軸頭が下方に向けて移動を続ける
場合でも、ホーンの移動は停止されることになる。
【0030】中間軸が中間軸往復運動機構からその拘束
を解かれるためには、常に一方方向に、その変位量を増
すようにする必要がある。そのためには、上述した図5
(b)、(c)に示す態様のように、基準軸線から常に
片側に変位した状態で往復運動させる必要があり、ま
た、中間軸が基準軸線と一致する場合のことを考えれ
ば、図5(c)に示す態様のものを採用するのが望まし
い。さらに、中間軸が中間軸往復運動機構からその拘束
を解かれるためには、中間軸往復運動機構が中間軸を基
準軸線からの変位量が大きくなる方向にのみ付勢するこ
とのできるものである必要がある。つまり、図4に示す
中間軸往復運動機構において言い換えれば、中間軸保持
具61と往復運動発生部65とが、接点62において連
結されておらず、分離し得るものであることが望まし
い。
【0031】上述のような態様とすることで、本発明の
ホーニング加工機は、安全機構をも有する加工機とな
る。なお、過負荷の状態が短く、迅速に過負荷の状態か
ら脱した場合は、スラスト力Sにより復帰し、通常の状
態で主軸が振動させられることになる。上記安全機構を
有する場合においても、過負荷な状態が長い間継続する
ことが想定される。この場合には、主軸頭自体の相対移
動を停止させてホーンの破損、被加工物の損傷を防止す
ることが望ましい。本発明のホーニング加工機では、継
続する過負荷を想定し、上記安全機構において、中間軸
の軸心線の基準軸線からの変位量を検知する中間軸変位
量検知機構、その検知した変位量が予め任意に設定して
おいた設定変位量より大きくなった場合に、主軸頭の被
加工物に対する相対移動を停止する主軸頭停止機構とを
設ける実施形態とすることができる。
【0032】中間軸変位量検知機構は、中間軸の基準線
軸線からの変位量を測定するものであるが、主軸頭のあ
る位置からの中間軸の位置を検出することで基準軸線か
らの変位量を間接的に検知するものを含む。また、変位
量を絶対的な値で検知するものだけでなく、ある設定し
た変位量に達したときに特定の信号を出力するものをも
含む。例えば、主軸頭の壁面に、近接スイッチあるいは
接触を検知するスイッチを配設し、中間軸または中間軸
保持具がこれらのスイッチにある距離にまで近づいたと
きあるいは触れたときに、停止信号を出力するようなも
のであってもよい。なお、主軸頭停止機構は、例えば、
リレー、プログラマブルコントローラ、マイコン等を利
用し、上記停止信号が入力されたとき、主軸頭の駆動装
置に対しての動作電力等の供給を停止させるような態様
のものとすればよい。さらなる安全性を考慮すれば、主
軸頭の相対移動と同時に、主軸の回転、主軸の軸方向の
振動を停止させるものであってもよい。
【0033】ホーン対してに過負荷が継続する場合、こ
の状態を主軸の軸方向における位置にて検出することも
できる。主軸頭に対する主軸の位置は、やはり近接スイ
ッチ等を用いて検出することができる。ところが、一般
に、主軸は主軸頭の内部の奥まったところに位置するた
め、近接スイッチ等の検知手段を設ける場合、付設しに
くく、また検出位置を変更する場合等に困難性が付きま
とう。主軸の軸方向の位置にて検出する方法と比べ、中
間軸の基準軸線からの変位量を検出する場合、中間軸保
持具に補助的な非測定具(例えば、主軸頭の壁面を貫通
させる棒状のもの等)を付設すれば、その変位量を主軸
頭の外部から検出でき、主軸頭の構造自体を簡便なもの
とすることができることに加え、設定変位量の変更等を
容易に行うことができる。
【0034】
【実施例】以下に、上記実施形態に基づく竪型のホーニ
ング加工機についての一実施例を掲げ、本発明のホーニ
ング加工機をさらに具体的に説明する。ただし、本発明
のホーニング加工機は、結して、以下の実施例に示すも
のに限定されるものではない。
【0035】図7に、本実施例のホーニング加工機の、
被加工物が保持されるベッド部を除く上部の全体を側面
から示す。また、図8に、本実施例のホーニング加工機
の主軸頭の内部を示す。本実施例のホーニング加工機
は、図7に示すように、ホーンを回転、振動させるため
の機構を含んで構成される主軸頭10と、被加工物が保
持されるベッドに鉛直に立てられ、主軸頭10を鉛直方
向にスライドさせるためのレール2を付設したコラム1
と、コラム1に付設され、主軸頭10を鉛直方向に移動
させるための主軸頭移動機構3とからなる。
【0036】主軸頭10は、レール2に取付けられる主
軸頭ベース11と、主軸の回転、振動機構を内部に組み
込んだ主軸頭ハウジング13と、主軸頭ハウジング13
を主軸頭ベース11に支持させるハウジング支持部12
とからなる。主軸頭10の主軸ハウジング13の上部に
は、主軸を回転させるための駆動モータ40が固定され
ており、後に詳しく説明するが、ハウジング支持部12
には、中間軸往復運動機構60の往復運動発生部65が
組み込まれている。主軸頭ハウジング13の下端部に
は、主軸の下端部が突出しており、この主軸下端部には
チャック4が保持され、チャック4にホーンが保持され
ることで、主軸に対してホーンが同軸的に保持される構
造となっている。また、主軸頭移動機構3は、ボールネ
ジと、それに嵌合し主軸頭10に接続されたナットと、
ボールネジを回転させるためのボールネジ駆動モータと
からなる。
【0037】後に詳しく説明する主軸頭内に構成される
機構により、チャック4に取付けられたホーンは、回転
させられつつ軸方向に振動させられる。そして、主軸頭
10が、主軸頭移動機構3によって、下方につまり被加
工物に対して接近する方向に移動させられることによ
り、ホーンが下方に移動して、ホーニング加工が進行す
る。
【0038】次に、主軸頭10に設けられた主軸回転機
構および主軸の軸方向の振動機構について説明する。図
8に示すように、主軸頭10の内部には、主軸頭ハウジ
ング13のハウジング本体13aに回転自在にかつ軸方
向に移動可能に支持される主軸30と、主軸頭ハウジン
グ13の駆動モータ取付け部13bに固定された駆動モ
ータ40の駆動軸41と、主軸30と駆動軸41との間
に位置する中間軸50と、駆動軸41と中間軸50の上
端、および、主軸30の上端および中間軸50の下端と
を連結する2つの軸連結部材55と、中間軸50を回転
自在にかつ軸方向に移動可能に保持する中間軸保持具6
1とが収納されている。ちなみに、主軸30は、その軸
方向が主軸頭10の移動方向と一致するように配置さ
れ、駆動軸41は、主軸30と同軸的に配置されてい
る。図8は、中間軸55の基準軸線(主軸30の軸心と
駆動軸41の軸心とを結ぶ線)からの変位量が最も小さ
い状態を示している。図では明確にできないが、この状
態においても、中間軸50の変位量は0ではなく、中間
軸50は図における右方向に微小量変位している。
【0039】主軸30は、ボールベアリング14および
ドライベアリング15により回転自在にかつ軸方向に移
動可能に支持される。さらに、主軸30は、主軸頭ハウ
ジング13に固定されたスプリング17により、スラス
トベアリング16を介し付勢されており、回転を阻害さ
れることなく下方にスラスト力が付与されている。軸連
結部材55は、図示するように、それぞれ2つの屈曲点
Bをもつ自在継手(ユニバーサルジョイント)を使用し
ている。軸連結部材55と駆動軸41との連結は、スラ
ストベアリングを有する楔を利用した締結材18によっ
て、回転を阻害されることなくしっかりと締結されてい
る。また、中間軸50および主軸30との連結は、スト
レートピンを挿入して固着することにより行われてい
る。
【0040】中間軸保持具61は、中間軸50を保持す
る保持部61aと、保持部61aに回り止めナットを併
用してネジ結合され、主軸頭ハウジング13を構成する
板状部材13cにドライベアリング64により中間軸5
0の軸方向に直角な方向に移動可能に支持され、かつ往
復運動発生部65からの往復運動を保持部61aに伝達
する支持部61bと、支持部61bに対向する位置で保
持部61aにネジ結合され、主軸頭ハウジング本体13
aにドライベアリング64を介して移動可能に支持され
た補助支持部61cとからなっている。このような中間
軸保持具61によって保持されることにより、中間軸5
0は、常にその軸心線が平行となる状態を維持しつつ往
復運動できることとなる。
【0041】往復運動発生部65は、ハウジング支持部
12に固定したカム駆動モータ70と、カム駆動モータ
70によって回転させられる偏心円盤形状のカム板材6
3とからなり、カム板材63の端面は、カム面となり、
中間軸保持具61の支持部61bの先端に当接してい
る。偏心板材63を下部から見た正面図である図9が示
すように、カム板材63は、偏心位置に穿孔させられた
孔に、内周と外周とが偏心したスリーブ67を介して、
締結具68によりカム駆動モータ70の駆動軸69に締
結されている。スリーブ67を回転させて、任意の位置
でキーにて固定することにより、カム板材63の駆動軸
69に対する偏心量が決定され、中間軸50の往復平行
運動の振幅が決定される。なお、カム面と支持部61b
の先端との接点62における摩擦抵抗をなくするため、
支持部61bの先端には、ローラ軸72にベアリングを
介して軸支持されたローラ71を配しており、このロー
ラ71がカム板材63の端面に当接するようになってい
る。
【0042】なお、本実施例の場合は、補助支持部61
cの先端の位置を検出するため、主軸頭ハウジング本体
13aに近接スイッチハウジング13dを設け、近接ス
イッチハウジング13dに近接スイッチ70を取付けて
いる。また、この近接スイッチハウジング13d内に補
助スプリング66を設け、補助支持部61bを中間軸5
0の変位量が小さくなる方向に付勢している。補助スプ
リング66を設けたことで、カム板材63が高速回転す
る場合であっても、カム板材63と中間軸保持具61の
支持部61bとの接点62が慣性力で離反することをよ
り確実に防止している。
【0043】駆動モータ40を作動させて駆動軸41を
回転させれば、この回転は、軸連結部材55、中間軸5
0、もう一つの軸連結部材55により伝達され、主軸3
0が回転させられる。カム駆動モータ70を作動させれ
ば、カム板材63が回転し、カム面となるカム板材63
の端面に当接する中間軸保持具61が、中間軸50の基
準軸線からの変位量が増加する方向つまり、図の右方向
に付勢され移動させられる。同時に、主軸30にスラス
ト力を与えるスプリング17により主軸が下方に付勢さ
れているため、中間軸50は常に変位量が減少する方向
に移動しようとしている。この2つ作用によって、中間
軸50は往復平行運動させられ、主軸30は軸方向に振
動させられる。このような主軸30の回転機構と振動機
構とを同時に作動させることにより、主軸30先端に保
持されるホーンは、回転しつつ、軸方向に振動させられ
る。
【0044】ホーンによる研磨加工が過負荷となった場
合は、主軸頭10が被加工物の方向に移動し続ければ、
主軸30は上方に押し上げられるような力が加わること
になる。この主軸30への押し上げ力が、主軸30への
スプリング17によるスラスト力より大きくなった時点
で、主軸30は持ち上げられ、中間軸保持具61はカム
板材63から離れ、中間軸50は変位量を増大する方向
に移動させられる。この作用によって、ホーンの軸方向
の移動は、被加工物に対して相対的に停止させられるこ
とになる。いわゆるホーンにかかる負荷を吸収するよう
に作用する安全機構の役割を奏する。
【0045】さらに主軸頭10の移動が継続し、主軸3
0が持ち上げられ続ければ、中間軸50の変位量の増大
に伴って、中間軸保持具61の補助支持部61cの先端
と近接スイッチ71との距離が小さくなる。限界となる
距離を予め設定してあるため、この設定距離より小さく
なった場合に近接スイッチ71から信号が出力され、こ
の信号を受けたコントローラにより、主軸頭移動機構3
が停止することで、主軸頭10はその移動を停止する。
なお、さらなる安全を考え、主軸頭10の移動のみなら
ず、主軸の回転、主軸の軸方向の振動をも停止させるよ
うに制御してもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明のホーニング加工機は、ホーンを
保持する主軸と駆動軸との間に中間軸を配置させ、可撓
性のある軸連結部材にて主軸と中間軸および駆動軸と中
間軸との間を連結させ、中間軸往復運動機構によって中
間軸を平行に往復運動させることにより、主軸を回転さ
せつつその軸方向に振動させる構成となっている。この
ように構成することにより、本発明のホーニング加工機
は、駆動軸からの回転を円滑に主軸に伝達できるととも
に、小さな力で主軸を軸方向に振動させることができ
る。また、軸連結部材に自在継手を用いることで、さら
に円滑な主軸の回転および振動が確保でき、主軸と駆動
軸とを同軸的に配置させることで、より小さな力で主軸
を軸方向に振動させることができる。
【0047】また、本発明のホーニング加工機は、主軸
に対してスラスト力を付勢しつつ、中間軸が基準軸線か
ら常に変位した状態で、中間軸に対してその変位量が大
きくなる方向にのみ付勢する中間軸往復運動機構を用い
ることで、ホーニング加工が過負荷な状態となった場合
でも、ホーンの被加工物に対する移動を停止させること
ができ、安全性に優れたホーニング加工機となる。さら
に、中間軸の変位量を検知するという簡便な手段で、過
負荷時における主軸頭の移動を停止させることができ、
より安全性に優れたホーニング加工機となる。なお、本
発明のホーニング加工機では、中間軸往復運動機構に回
転するカム板材を用いることにより、主軸頭をコンパク
トなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホーニング加工機の最も単純な実施
形態を模式的に示す。
【図2】 本発明のホーニング加工機の実施形態におい
て、採用できる主軸と駆動軸との位置関係を模式的に示
す。
【図3】 本発明のホーニング加工機で用いる軸連結材
を概念的に示す。
【図4】 本発明のホーニング加工機で採用することの
できる中間軸往復運動機構の態様を模式的に示す。
【図5】 本発明のホーニング加工機において採用する
ことのできる中間軸の往復運動の態様を模式的に示す。
【図6】 本発明のホーニング加工機において負荷する
ことのできる安全機構の概念を示す。
【図7】 本発明の実施例のホーニング加工機の主軸頭
を中心とした部分の側面図を示す。
【図8】 本発明の実施例のホーニング加工機の主軸頭
内部の構造を示す。
【図9】 本発明の実施例のホーニング加工機に用いる
カム板材を下部側から表した図を示す。
【図10】 従来のホーニング加工機の一例を示す。
【図11】 図10とは異なる従来のホーニング加工機
の一例を示す。
【符号の説明】
10:主軸頭 30:主軸 40:駆動モータ 41:駆動軸 50:中間軸 55:軸連結部材 60:中間軸往復運動機構 61:中間軸保持具 63:カム板材 65:往復運動発生部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月5日(2000.4.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】中間軸の往復平行運動は、主軸と駆動軸と
の軸心線を同一とした場合、図5に示すようなそれぞれ
の態様とすることができる。図5(a)は、中間軸の軸
心線が基準軸線(主軸の軸心と駆動軸の軸心とを結ぶ
線)を挟んで両側に変位するように往復運動させる態様
であり、(b)は、中間軸の軸心線が基準軸線から片側
に変位するように往復運動させる態様であり、(c)
は、中間軸の軸心線が基準軸線から常に片側に変位した
状態で往復運動させる態様である。図5(a)の態様の
場合、上記中間軸往復運行機構は、中間軸に対して両側
から付勢するように作用させる。これに対して、図5
(b)、(c)の態様を採用した場合、上述した主軸ス
ラスト力を付勢した状態で主軸を往復運動させようとす
れば、片側からの力つまり中間軸の軸心線の基準軸線か
らの変位量が大きくなる方向の力しか要しない。このこ
とは、上記中間軸往復運動機構において、例えば図4に
示す態様のものでは、中間軸の軸心線が基準軸線から片
側に変位するように往復運動させるように調整した場
合、中間軸保持具61と往復運動発生機構との接点62
は連結される必要はなく、当接させられているだけでよ
い。この中間軸保持具61と往復運動発生部とを連結し
ないメリットについては、後に述べる安全機構との関係
で後述する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】なお、本実施例の場合は、補助支持部61
cの先端の位置を検出するため、主軸頭ハウジング本体
13aに近接スイッチハウジング13dを設け、近接ス
イッチハウジング13dに近接スイッチ73を取付けて
いる。また、この近接スイッチハウジング13d内に補
助スプリング66を設け、補助支持部61bを中間軸5
0の変位量が小さくなる方向に付勢している。補助スプ
リング66を設けたことで、カム板材63が高速回転す
る場合であっても、カム板材63と中間軸保持具61の
支持部61bとの接点62が慣性力で離反することをよ
り確実に防止している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】さらに主軸頭10の移動が継続し、主軸3
0が持ち上げられ続ければ、中間軸50の変位量の増大
に伴って、中間軸保持具61の補助支持部61cの先端
近接スイッチ73との距離が小さくなる。限界となる
距離を予め設定してあるため、この設定距離より小さく
なった場合に近接スイッチ73から信号が出力され、こ
の信号を受けたコントローラにより、主軸頭移動機構3
が停止することで、主軸頭10はその移動を停止する。
なお、さらなる安全を考え、主軸頭10の移動のみなら
ず、主軸の回転、主軸の軸方向の振動をも停止させるよ
うに制御してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホーンを回転させつつ該ホーンをその軸
    方向に振動させて被加工物をホーニング加工するホーニ
    ング加工機であって、 前記被加工物に対して相対的に移動する主軸頭と、 一端に前記ホーンを同軸的に保持し、軸方向が前記主軸
    頭の相対移動方向と同方向であり、該主軸頭に回転自在
    にかつ軸方向に移動可能に支持されている主軸と、 前記主軸頭に固定され、前記主軸を回転させるための駆
    動軸を有する駆動モータと、 前記主軸と前記駆動軸との間に位置し、該駆動軸の回転
    を該主軸に伝達する中間軸と、 前記主軸の前記ホーンが保持されていない一端と前記中
    間軸の一端および前記駆動軸と該中間軸の他端とを連結
    し、2以上の屈曲点をもち屈曲した状態でも回転を伝達
    可能な2つの軸連結部材と、 前記主軸をその軸方向に往復運動させるために、前記中
    間軸をその軸方向と垂直な方向に付勢し該中間軸を往復
    平行運動させる中間軸往復運動機構と、 を備えるホーニング加工機。
  2. 【請求項2】 前記軸連結部材は自在継手からなる請求
    項1に記載のホーニング加工機。
  3. 【請求項3】 前記主軸と前記駆動軸とは、両者の軸心
    線が同一になるように配置され、前記中間軸は、往復並
    行運動中、その軸心線が該主軸および該駆動軸の軸心線
    に対し常に平行になるように配置されている請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載のホーニング加工機。
  4. 【請求項4】 前記主軸は、その軸方向であって前記ホ
    ーンが保持される一端に向かう方向に付勢されており、 前記中間軸の軸心線は、該中間軸の往復平行運動中のい
    ずれの位置においても、前記主軸と前記駆動軸との軸心
    とを結ぶ線上に位置せず、 前記中間軸往復運動機構は、前記主軸と前記駆動軸との
    軸心を結ぶ線からの前記中間軸の軸心線の変位量が大き
    くなる方向にのみ付勢することができるように構成され
    ている請求項3に記載のホーニング加工機。
  5. 【請求項5】 前記中間軸往復運動機構は、 前記中間軸を回転自在にかつその軸方向に移動可能に保
    持し、かつ前記主軸頭に該中間軸と垂直な方向に移動可
    能に支持されている中間軸保持具と、 回転させられることによりカム面となる端面を有し、該
    端面が前記中間軸保持具に当接する板状カムとを含んで
    なり、 前記板状カムを回転させることにより前記中間軸を付勢
    するように構成されている請求項4に記載のホーニング
    加工機。
  6. 【請求項6】 前記主軸と前記駆動軸との軸心を結ぶ線
    からの前記中間軸の軸心線の変位量を検知する中間軸変
    位量検知機構と、 前記中間軸変位量検知機構によって検知された前記中間
    軸の軸心線変位量が任意に設定された変位量より大きく
    なった場合に、前記主軸頭の被加工物に対する相対移動
    を停止させる主軸頭停止機構とを備えた請求項4または
    請求項5のいずれかに記載のホーニング加工機。
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