JP2000217547A - 苦味が低減されたアミノ酸類含有組成物 - Google Patents
苦味が低減されたアミノ酸類含有組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】苦味アミノ酸及びペプチド等を含有した組成物
において、添加により組成物自体の呈味を著しく損なう
ことなく充分に苦味を低減した良好な呈味質の組成物を
得る。 【解決手段】 苦味を有するアミノ酸類（ペプチド等を
含む）１種類以上に、グルコン酸ナトリウムを添加す
る。
において、添加により組成物自体の呈味を著しく損なう
ことなく充分に苦味を低減した良好な呈味質の組成物を
得る。 【解決手段】 苦味を有するアミノ酸類（ペプチド等を
含む）１種類以上に、グルコン酸ナトリウムを添加す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、苦味アミノ酸及び
ペプチド等を経口摂取する場合における苦味低減化に関
する。
ペプチド等を経口摂取する場合における苦味低減化に関
する。
【０００２】
【従来の技術と問題点】苦味を有する物質に関する苦味
除去、抑制方法については、これまでに様々な取り組み
がなされている。
除去、抑制方法については、これまでに様々な取り組み
がなされている。
【０００３】苦味低減化方法については、医薬品では固
形剤の場合、糖衣，コーティング剤の使用、カプセル
化、包摂化合物の使用、甘味による矯味等が行われてい
る。また、液剤に関しては固形剤と比較し液体内で安定
してコーティングすることが困難なため、高濃度の糖，
有機酸，フレーバーの添加が行われている。また、最近
では、苦味抑制作用を持つレシチンの添加による苦味抑
制方法もしられている。
形剤の場合、糖衣，コーティング剤の使用、カプセル
化、包摂化合物の使用、甘味による矯味等が行われてい
る。また、液剤に関しては固形剤と比較し液体内で安定
してコーティングすることが困難なため、高濃度の糖，
有機酸，フレーバーの添加が行われている。また、最近
では、苦味抑制作用を持つレシチンの添加による苦味抑
制方法もしられている。
【０００４】しかしながら、これらの方法では充分な苦
味の抑制ができなかったり、水溶液で保存中に分解等で
効果が持続しなかったり、抑制剤自体の味が好ましくな
いという問題点がある。
味の抑制ができなかったり、水溶液で保存中に分解等で
効果が持続しなかったり、抑制剤自体の味が好ましくな
いという問題点がある。
【０００５】また最近では食品分野においても栄養強化
の目的でビタミン，アミノ酸，ミネラル等が添加される
ものも多く、添加した強化剤には苦味があり食品の呈味
を著しく損なう場合、食品の呈味を保つために添加量
（又は濃度）を控える場合がある。
の目的でビタミン，アミノ酸，ミネラル等が添加される
ものも多く、添加した強化剤には苦味があり食品の呈味
を著しく損なう場合、食品の呈味を保つために添加量
（又は濃度）を控える場合がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】苦味アミノ酸及びペプ
チド等を含有した組成物において、添加により組成物自
体の呈味を著しく損なうことなく充分に苦味を低減した
良好な呈味質の組成物を得る。
チド等を含有した組成物において、添加により組成物自
体の呈味を著しく損なうことなく充分に苦味を低減した
良好な呈味質の組成物を得る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】苦味アミノ酸を含有して
なる組成物にグルコン酸ナトリウムを併用することによ
り、添加物由来の塩味や旨味等の味を強く呈することな
く、苦味を顕著に抑制しうるとの知見に至り本発明を完
成した。
なる組成物にグルコン酸ナトリウムを併用することによ
り、添加物由来の塩味や旨味等の味を強く呈することな
く、苦味を顕著に抑制しうるとの知見に至り本発明を完
成した。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の対象となる苦味物質は、
ロイシン，イソロイシン，メチオニン，バリン，ヒスチ
ジン等の苦味を有するアミノ酸及びそれらの疎水性アミ
ノ酸をＮ末端及びＣ末端に有する苦味ペプチド、具体的
にはカゼイン又は大豆由来の蛋白加水分解物などであ
る。上記苦味物質は、１種類でも２種類以上の組み合わ
せでもよい。
ロイシン，イソロイシン，メチオニン，バリン，ヒスチ
ジン等の苦味を有するアミノ酸及びそれらの疎水性アミ
ノ酸をＮ末端及びＣ末端に有する苦味ペプチド、具体的
にはカゼイン又は大豆由来の蛋白加水分解物などであ
る。上記苦味物質は、１種類でも２種類以上の組み合わ
せでもよい。
【０００９】これらの苦味物質と併用するグルコン酸ナ
トリウムの由来はいかなる物質でも構わない。
トリウムの由来はいかなる物質でも構わない。
【００１０】但し、苦味低減化の効果は組成物中に共存
する物質、標的苦味物質の種類により異なる。
する物質、標的苦味物質の種類により異なる。
【００１１】本発明の苦味低減化組成物は飲食品及び経
口で摂取する医薬品等であり、液体，粉末，顆粒，その
他の固形状，ペースト等の如何なる形状のものでも構わ
ない。
口で摂取する医薬品等であり、液体，粉末，顆粒，その
他の固形状，ペースト等の如何なる形状のものでも構わ
ない。
【００１２】また、アミノ酸類及びグルコン酸ナトリウ
ムの添加の時期及び方法については規制はない。
ムの添加の時期及び方法については規制はない。
【００１３】グルコン酸ナトリウム及び苦味アミノ酸類
の添加量（重量）に規制はないが、苦味アミノ酸１に対
してグルコン酸ナトリウムは０．５〜２程度が好まし
い。
の添加量（重量）に規制はないが、苦味アミノ酸１に対
してグルコン酸ナトリウムは０．５〜２程度が好まし
い。
【００１４】次に実施例により、本発明を更に説明す
る。
る。
【００１５】
【実施例】グルコン酸ナトリウムの添加濃度による苦
味抑制効果と塩味 ２％混合アミノ酸溶液（L-ロイシン、L-イソロイシン、
Ｌ−バリン）に、グルコン酸ナトリウムを下記の濃度で
添加したときの苦味抑制効果を熟練されたパネル５名で
官能評価を行った。苦味レベルは無水カフェイン水溶液
を指標として用い等価濃度として求めた。結果は、添加
量を増量すると比例的に効果も高くなることが確認され
た。図１にデータを示した。また、添加範囲における塩
味について等モル濃度の塩味を比較するため、塩化ナト
リウムの等価モル濃度を求めた。結果は塩化ナトリウム
に比べて同等のモル濃度で１／５程度の塩味であった。
図２にデータを示した。
味抑制効果と塩味 ２％混合アミノ酸溶液（L-ロイシン、L-イソロイシン、
Ｌ−バリン）に、グルコン酸ナトリウムを下記の濃度で
添加したときの苦味抑制効果を熟練されたパネル５名で
官能評価を行った。苦味レベルは無水カフェイン水溶液
を指標として用い等価濃度として求めた。結果は、添加
量を増量すると比例的に効果も高くなることが確認され
た。図１にデータを示した。また、添加範囲における塩
味について等モル濃度の塩味を比較するため、塩化ナト
リウムの等価モル濃度を求めた。結果は塩化ナトリウム
に比べて同等のモル濃度で１／５程度の塩味であった。
図２にデータを示した。
【００１６】アミノ酸・ペプチドに対する各種グルコ
ン酸塩類（ナトリウム・カリウム・カルシウム）の苦味
低減効果 ２％混合アミノ酸溶液（L-ロイシン、L-イソロイシン、
Ｌ−バリン）及び、２％ペプチド溶液（大豆分解ペプチ
ド）に、グルコン酸ナトリウム・グルコン酸カルシウム
・グルコン酸カリウムを各０．０５mol／ｌになるよう
添加したときの苦味抑制効果を熟練されたパネル１名で
官能評価を行った。苦味レベルは無水カフェイン水溶液
を指標として用い等価濃度として求めた。結果は、アミ
ノ酸及びペプチドの両方に対してグルコン酸ナトリウム
は顕著な苦味低減効果を示したが、グルコン酸カリウム
及びカルシウムはほとんど苦味低減効果はみられなかっ
た。図３にデータを示した。
ン酸塩類（ナトリウム・カリウム・カルシウム）の苦味
低減効果 ２％混合アミノ酸溶液（L-ロイシン、L-イソロイシン、
Ｌ−バリン）及び、２％ペプチド溶液（大豆分解ペプチ
ド）に、グルコン酸ナトリウム・グルコン酸カルシウム
・グルコン酸カリウムを各０．０５mol／ｌになるよう
添加したときの苦味抑制効果を熟練されたパネル１名で
官能評価を行った。苦味レベルは無水カフェイン水溶液
を指標として用い等価濃度として求めた。結果は、アミ
ノ酸及びペプチドの両方に対してグルコン酸ナトリウム
は顕著な苦味低減効果を示したが、グルコン酸カリウム
及びカルシウムはほとんど苦味低減効果はみられなかっ
た。図３にデータを示した。
【００１７】アミノ酸飲料におけるグルコン酸ナトリ
ウムの苦味低減効果 下記配合に従い、1%苦味アミノ酸混合物を含む飲料にグ
ルコン酸ナトリウムを2%（約0.1mol/ｌ）添加したとき
の呈味特性について苦味・塩味・甘味等について熟練さ
れたパネル１０名で官能評価を行った。結果は苦味・え
ぐみが顕著に抑制されその他突出した呈味を示さなかっ
た。その結果、おいしさも向上した。図４にデータを示
した。
ウムの苦味低減効果 下記配合に従い、1%苦味アミノ酸混合物を含む飲料にグ
ルコン酸ナトリウムを2%（約0.1mol/ｌ）添加したとき
の呈味特性について苦味・塩味・甘味等について熟練さ
れたパネル１０名で官能評価を行った。結果は苦味・え
ぐみが顕著に抑制されその他突出した呈味を示さなかっ
た。その結果、おいしさも向上した。図４にデータを示
した。
【００１８】 ＜アミノ酸飲料の配合＞ 無添加区 添加区 アミノ酸混合物(ロイシン・イソロイシン・ハ゛リン) １．００％ １．００％ 果糖ブドウ糖液糖 ５．００％ ５．００％ グラニュー糖 ２．００％ ２．００％ クエン酸 ０．１０％ ０．１０％ クエン酸ナトリウム ０．０３％ ０．０３％ 濃縮果汁 １．００％ １．００％ 香料 ０．０７％ ０．０７％ 水 ９０．９０％ ８８．９０％ グルコン酸ナトリウム − ２．００％
【００１９】
【発明の効果】苦味を有するアミノ酸類（ペプチド等を
含む）１種類以上に、グルコン酸ナトリウムを添加する
ことにより、強い塩味や旨味などを呈することなく、苦
味が抑制された食品及び医薬品を得られる。
含む）１種類以上に、グルコン酸ナトリウムを添加する
ことにより、強い塩味や旨味などを呈することなく、苦
味が抑制された食品及び医薬品を得られる。
【図１】グルコン酸ナトリウム添加量とアミノ酸混合物
の苦味強度（カフェイン等価濃度 g/100g）を示す。
の苦味強度（カフェイン等価濃度 g/100g）を示す。
【図２】グルコン酸ナトリウム添加量と塩味強度（食塩
等価濃度 g/100g）を示す。
等価濃度 g/100g）を示す。
【図３】アミノ酸混合物及び大豆分解ペプチドに対する
各種グルコン酸塩類の苦味低減効果を示す。
各種グルコン酸塩類の苦味低減効果を示す。
【図４】アミノ酸飲料におけるグルコン酸ナトリウムの
添加効果を示す。
添加効果を示す。
Claims (2)
- 【請求項１】苦味を有する物質とグルコン酸ナトリウム
を含有することを特徴とする組成物 - 【請求項２】苦味を有する物質がアミノ酸類及びペプチ
ドであることを特徴とする請求項１記載の組成物
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11017882A JP2000217547A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 苦味が低減されたアミノ酸類含有組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11017882A JP2000217547A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 苦味が低減されたアミノ酸類含有組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000217547A true JP2000217547A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=11956083
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11017882A Pending JP2000217547A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 苦味が低減されたアミノ酸類含有組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000217547A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003259808A (ja) * | 2002-03-07 | 2003-09-16 | Mitakado:Kk | 低アレルゲン化処理された小麦粉を用いた菓子類及びその製造方法 |
| US7241391B1 (en) * | 2004-05-12 | 2007-07-10 | Cortec Corporation | Biodegradable scale and corrosion inhibitor composition |
| US7649029B2 (en) | 2004-05-17 | 2010-01-19 | 3M Innovative Properties Company | Dental compositions containing nanozirconia fillers |
| WO2014034176A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | 日清オイリオグループ株式会社 | 造粒物及び造粒物の製造方法 |
| US20160058726A1 (en) * | 2013-04-16 | 2016-03-03 | The Children's Hospital Of Philadelphia | Compositions and methods for the treatment of brain injury |
| JP2016198052A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 味の素株式会社 | アミノ酸含有組成物 |
| CN113390994A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-09-14 | 上海应用技术大学 | 一种提取、分离、鉴定和验证黄酒中苦味肽的方法 |
| CN114504092A (zh) * | 2022-01-21 | 2022-05-17 | 上海应用技术大学 | 一种大豆蛋白水解物苦味掩盖的方法 |
-
1999
- 1999-01-27 JP JP11017882A patent/JP2000217547A/ja active Pending
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003259808A (ja) * | 2002-03-07 | 2003-09-16 | Mitakado:Kk | 低アレルゲン化処理された小麦粉を用いた菓子類及びその製造方法 |
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| JP5828962B2 (ja) * | 2012-08-30 | 2015-12-09 | 日清オイリオグループ株式会社 | 咀嚼・嚥下困難者向け食品用造粒物の製造方法及び咀嚼・嚥下困難者向け食品の製造方法 |
| JPWO2014034176A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2016-08-08 | 日清オイリオグループ株式会社 | 咀嚼・嚥下困難者向け食品用造粒物の製造方法及び咀嚼・嚥下困難者向け食品の製造方法 |
| US20160058726A1 (en) * | 2013-04-16 | 2016-03-03 | The Children's Hospital Of Philadelphia | Compositions and methods for the treatment of brain injury |
| US11576885B2 (en) | 2013-04-16 | 2023-02-14 | The Children's Hospital Of Philadelphia | Compositions and methods for the treatment of brain injury |
| JP2016198052A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 味の素株式会社 | アミノ酸含有組成物 |
| CN113390994A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-09-14 | 上海应用技术大学 | 一种提取、分离、鉴定和验证黄酒中苦味肽的方法 |
| CN113390994B (zh) * | 2021-06-16 | 2023-03-21 | 上海应用技术大学 | 一种提取、分离、鉴定和验证黄酒中苦味肽的方法 |
| CN114504092A (zh) * | 2022-01-21 | 2022-05-17 | 上海应用技术大学 | 一种大豆蛋白水解物苦味掩盖的方法 |
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