JP2000217500A - 麺帯の製造方法とその装置 - Google Patents

麺帯の製造方法とその装置

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JP2000217500A
JP2000217500A JP11021644A JP2164499A JP2000217500A JP 2000217500 A JP2000217500 A JP 2000217500A JP 11021644 A JP11021644 A JP 11021644A JP 2164499 A JP2164499 A JP 2164499A JP 2000217500 A JP2000217500 A JP 2000217500A
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dough
rolls
noodle
pair
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Akio Hirose
明朗 広瀬
Masao Takagaki
正雄 高垣
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TAKAGAKI SEISAKUSHO KK
Nisshin Seifun Group Inc
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TAKAGAKI SEISAKUSHO KK
Nisshin Seifun Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粗整機などのロール上で生地の塊を圧延する際
に、生地の巻き込み現象を発生することがなく、また、
前段の混合工程で捏ねられて良好なグルテン形成が行わ
れた生地が、麺帯状に成型される過程でグルテンの網目
構造を損傷し難くした麺帯の製造方法とその装置を提供
すること。 【解決手段】混合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせ
て塊状の生地を得、これを粗整機において定量送り出す
際に、前記粗整機のロール上の生地の塊を、少なくとも
一方が多角形を含む異形ロールから構成されるロール対
により定量送り出すことを特徴とする麺帯の製造方法、
およびこれを具体化した麺帯の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麺帯の製造方法とそ
の装置に関し、より具体的には、製麺の過程で生地に形
成されたグルテンの網目構造を破壊しないように改善さ
れた麺帯の製造方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の製麺技術の進歩・革新には目覚し
いものがあり、また同時に、より品質のよい麺作りのた
めの、各種の工夫にも見るべきものがある。製麺におけ
る小麦粉と水との混合から包装に至る段階までの作業の
手順を追ってみると、次のようになる。 (1)混合工程(ミキシング) (2)供給工程(フィーディング) (3)圧延工程(ローリング) (4)製条工程(カッティング) (5)移行工程(シューティング)
【0003】この一連の工程に配置される混合機,供給
機,ロール機などの構造および性能は、各種各様であ
り、それらがそれぞれの用途に見合った機能を果たして
いる。以下、上記各工程において用いられる装置につい
て説明する。まず、混合工程は、小麦粉と水とをよく混
ぜ合わせる(水和)ことと、小麦粉中のグルテン形成を
助長させることを目的とするものである。この工程は、
最終製品である麺の品質を左右する最も重要な工程であ
る。この混合工程には、横型,縦型その他の混合機(ミ
キサー)が用いられる。
【0004】次に、供給工程は、混合工程から圧延工程
にいく途中にセットされているものであり、生地の定量
供給を行うものである。具体的には、混合機から送り込
まれてくる麺生地を一時的に貯留し、予め決められた定
量を第一の圧延工程である粗整機に供給する供給機(定
量排出機)が用いられる。供給機の仕様としては、底の
部分に、緩やかに一定速度で回転する一枚の羽根があ
り、この羽根の移動によって供給口から一定量の生地が
排出される。一般に、蓋を開けると自動的に羽根の回転
が止まるように構成される。その他、多加水生地に対し
てミキサーからコンベアに生地を落とし、解砕機により
一定量の生地を圧延工程に供給する方式もある。
【0005】次に、圧延工程の第一段階で用いられる粗
整機について説明する。粗整機は、供給機から送られて
くる生地を麺帯にするものであり、圧延の第二段階であ
るロール機による圧延の前段のいわば粗麺帯作りを行う
ものである。通常、粗整機のロールは、雄ロールと雌ロ
ールとで構成され、雌ロールの軸が固定されて駆動側と
なり、雄ロールは可動側として調整ハンドルないしはス
プリングで雌ロールとの間隙を調節する。つまり、所定
の厚さの粗麺帯を作ると共に、麺帯がスムーズに流れる
ようにするものである。なお、ロールの幅は215m
m,300mm,360mm,450mm,600mm
など、生産量によって種々の幅のものが使用されてい
る。
【0006】次に、圧延の第二段階であるロール機によ
る圧延について説明する。ロール機は、粗整機で作られ
た厚さ6〜25mmの粗麺帯をさらに圧延して所望の厚
さに仕上げるものである。直径の大きいロールと小さい
ロールとの組み合わせによって、圧延がスムーズに行わ
れるようにセットされる。通常は、大径ロールから小径
ロールへと麺帯は流れる。圧延の基本は、麺帯に過度な
圧力を掛けることを極力避けることにある。つまり、麺
帯を一度に(急に)薄くすると、生地のつながりにおい
て組織破壊が起きて、麺の食感が著しく損なわれること
になる。麺の厚さが厚ければそれだけロール圧が強くな
る計算で、この点に十分に配慮すべきである。
【0007】このため、最近の連続圧延機においては、
各段階のロールでのロール間隙と回転数の調節,麺帯の
流れに不規則性が生じたときの自動制御などのチェック
機能が備えられており、より自然に所望の麺帯が流れ出
てくるシステムが志向されている。また、大型の装置で
は、生地を2組のロールで麺帯とし、この2枚の麺帯を
比較的大きなロールに通すことで1枚の麺帯とする装置
が用いられる。なお、中型以下の装置では、1枚の麺帯
を折り重ねる装置も用いられている。前述の粗整機によ
る粗麺帯作り工程と上述のロール機による圧延工程とを
合わせた工程を、複合工程と呼ぶことがある。
【0008】次の製条工程では、圧延工程で得られた最
終麺帯を所望の麺の幅に縦裁断(線切り)して、細い糸
状,ひも状あるいは幅広のひも状に送り出しする。これ
をさらに所定の長さに裁断する。このように一定の幅と
長さに切断された麺は、次の工程である包装,茹で,乾
燥など、用途別によってそれぞれの作業工程に送り出さ
れるが、この送り出し工程が最終段階の移行工程であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、先にも述べ
たように、製麺において最も注意すべき点は、麺帯の圧
延を行う際に、麺帯に過度な圧力を掛けることを極力避
けることである。この理由は、麺帯を一度に(急に)薄
くすると、生地のつながりにおいて組織破壊が起きて、
麺の食感が著しく損なわれることになるためである。つ
まり、圧延工程の目的は、単に生地を成型するだけでは
なく、生地中にグルテンの網目構造を形成させることに
よって、それぞれの麺に適した組織を作ることにある。
従って、圧延機の機種の選択や圧延工程の諸条件の決定
には、それぞれがグルテン形成にどのような影響を与え
るかを十分に検討した上で決定しなければならない。一
般に、同じ小麦粉を使用した場合であれば、きめの細か
いグルテンの網目構造が形成されるほど、製品である麺
の粘弾性が優れ、茹で上げに際しても溶出、肌荒れなど
の少ない麺が得られる。
【0010】従来の、一般的な製麺装置では、多加水製
麺(45〜65%)を行う場合、混合工程で小麦粉と水
とをよく混ぜ合わせて塊状の生地を得、これを粗整機に
掛けると、粗整機のロール上の生地の塊が圧延される際
に、ロールの回転に従ってその表面から巻き込まれるよ
うな現象が生じる。このような生地の巻き込み現象が発
生すると、前段の混合工程で捏ねられて良好なグルテン
形成が行われた生地が、麺帯状に成型される過程でグル
テンの網目構造がズタズタに切断されてしまうという問
題が発生する。
【0011】すなわち、麺帯を一度に(急に)薄くする
と、生地の組織破壊が生じて、麺帯のあちこちに「す」
が入ったような状態になってしまう。このようになって
しまったものは、その後の圧延成型により麺にして茹で
ても、品質的には麺の表面が茹で溶けし、べた付きのあ
る粘弾性のない、茹で伸びしやすい麺になってしまい、
食感が著しく損なわれることになる。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、従来の技術における問題
を解消し、粗整機などのロール上で生地の塊を圧延する
際に、生地の巻き込み現象を発生することがなく、ま
た、前段の混合工程で捏ねられて良好なグルテン形成が
行われた生地が、麺帯状に成型される過程でグルテンの
網目構造を損傷し難くした麺帯の製造方法とその装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る麺帯の製造方法においては、混合工程
で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせて塊状の生地を得、こ
れを粗整機において定量送り出す際に、前記粗整機のロ
ール上の生地の塊を、少なくとも一方が多角形を含む異
形ロールから構成されるロール対により定量送り出すよ
うにしたことを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る麺帯の製造方法におい
ては、上述の定量送り出し工程に続けて、前記生地の塊
を、少なくとも一方が多角形を含む異形ロールから構成
されるロール対により圧延することを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る麺帯の製造方法におい
ては、混合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせて塊状
の生地を得、これを圧延機において圧延する際に、前記
圧延機のロール上の生地の塊を、ロール対を構成するロ
ールの形状がいずれも多角形を含む異形ロールから構成
されるロール対により圧延することを特徴とする。
【0016】さらにまた、本発明に係る麺帯の製造方法
においては、前記ロール対を構成するロールの形状がい
ずれも多角形を含む異形ロールから構成されるロール対
を、該異形ロールの角部が互いに対向しない位置になる
ように組み合わせて用いることを特徴とする。
【0017】一方、本発明に係る麺帯の製造装置は、混
合工程で得た小麦粉と水とをよく混ぜ合わせた塊状の生
地を、少なくとも一方が多角形を含む異形ロールから構
成されるロール対により定量送り出す定量送り出し手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0018】また、本発明に係る麺帯の製造装置は、上
述の定量送り出し手段に加えて、前記生地の塊を、少な
くとも一方が多角形を含む異形ロールから構成されるロ
ール対により圧延する圧延手段を有することを特徴とす
る。
【0019】また、本発明に係る麺帯の製造装置は、混
合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせて塊状の生地を
得、これを圧延機において圧延する際に用いる前記圧延
機のロール対を構成するロールの形状が、いずれも多角
形を含む異形ロールから構成されることを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る麺帯の製造装置は、前
記ロール対を構成するロールの形状がいずれも多角形を
含む異形ロールから構成されるロール対を、該異形ロー
ルの角部が互いに対向しない位置になるように組み合わ
されていることを特徴とするものである。
【0021】また、本発明に係る麺帯の製造装置におい
ては、前記ロール対を構成するロールの形状・大きさ
は、処理対象となる麺帯の物性・量に応じて決定するこ
とを特徴とする。またさらに、本発明に係る麺帯の製造
装置は、前記ロール対を構成するロールの表面に、生地
の粘り付きを抑える表面処理を施すことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
麺生地の定量送り出し装置におけるロールの形状・寸法
および配置を示す図である。図1において、1はまな板
ロール(円形ロール)(以下、単にまな板ロールとい
う)、2は案内送り出しロール、3は圧延ロール、4
a,4bはホッパの内壁、5は麺生地を示している。こ
こで、まな板ロール1は断面が円形でその直径が300
mm、案内送り出しロール2は断面が角を面取りした6
角形でその平均径(直径)が120mm、圧延ロール3
は断面が円形でその直径が160mmに構成されてい
る。
【0024】本実施の形態に係る麺生地の定量送り出し
装置においては、生地の送り出し・圧延部に断面が6角
形の異形ロールを組み合わせることにより、実質的に生
地のフィードとブレーキを繰り返し行うようにして、生
地を充分に送りながら、なおかつ送り過ぎにならない、
理想的な生地の送り方式を実現している。ここで、まな
板ロール1,案内送り出しロール2および圧延ロール3
の表面は、それぞれ生地が粘り付き難い材料により加工
することにより、生地のロールへの粘り付きを抑えて、
生地を余分に引き込まないようにして、生地中のグルテ
ン等の蛋白質の網目構造を破壊しないように工夫してい
る。
【0025】なお、上述のまな板ロール1、案内送り出
しロール2および圧延ロール3の形状(断面形状)・寸
法については、扱う生地の水分量,添加物の種類および
分量などにより、最適な形状・寸法を選択するようにし
ている。案内送り出しロール2の形状としては、4角形
以上の角を面取りした多角形が好適に利用可能である。
圧延ロール3の形状としては、円形または、6角形以上
の角を面取りした多角形が好適に利用可能である。な
お、案内送り出しロール2の寸法としては、平均径で1
20mm〜まな板ロール1と同径程度が好ましく、ま
た、圧延ロール3の寸法としては、平均径で160mm
〜まな板ロール1と同径程度が好ましい。
【0026】上記実施の形態に示した麺生地の定量送り
出し装置によれば、生地を充分に送りながら、なおかつ
送り過ぎにならない、理想的な生地の送り方式を実現す
ると共に、生地を内部に余分に引き込まないようにし
て、生地中のグルテン等の蛋白質の網目構造を破壊しな
いようにすることができる。
【0027】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る麺生地の
圧延装置におけるロールの形状・寸法および配置を示す
図である。図2において、5は麺生地、11,12は圧
延ロールを示している。ここで、両圧延ロール11,1
2は、それぞれ断面が角を面取りした8角形で、その平
均径(直径)が180mmに構成されている。また、図
からも明らかなように、両圧延ロール11,12は、そ
れぞれの8角形の頂点が互いに当接しないよう、1/2
ピッチずれた配置となっている。
【0028】なお、本実施の形態に示す麺生地の圧延装
置は、8角形状の圧延ロール11,12の頂点を互いに
1/2ピッチずらして配置したことにより、角部の周速
は速く、平面部の周速は遅くなることになる。これによ
り、麺生地は角部通過時に引っ張りを受けるが、平面部
通過時には押圧を受ける。これを交互に行うことによ
り、麺生地はその厚さAと、圧延後の厚さBとの差を大
きくすることができることになる。
【0029】本実施の形態に示した麺生地の圧延装置に
よれば、上述のような作用によって、蛋白質の網目構造
を痛めずに、麺生地の圧延比(上記B/A)を大きくす
ることができる。なお、圧延ロール11,12の表面摩
擦係数を小さくするような表面処理を行うことにより、
ロールへの麺生地の粘り付きを抑え、生地を内部に余分
に引き込ませないようにしたことにより、蛋白質の網目
構造を維持したまま、圧延比をさらに大きくすることが
できる。
【0030】上記表面処理は、麺生地の水分量、添加物
の種類および分量により、表面処理を行わないことを含
めて、その方法を変化させることが好ましい。また、圧
延ロール11,12の形状・寸法および設置数なども、
麺生地の水分量,添加物の種類および分量に応じて、適
宜決定すればよい。
【0031】第2の実施の形態に示した麺生地の圧延装
置は、麺帯機または複合機による2枚合わせ処理以降の
後段ロールとして、多加水麺帯を圧延する際に一旦成型
された麺帯を無理なく圧延し、グルテン構造にダメージ
を与えることなく、連続圧延がスムーズに行えるように
なるという点で、極めて大きな実用的効果を有するもの
である。
【0032】また、この装置は、すでに存在する通常の
連続型製麺機にも組み込むことが可能であり、このよう
な形で用いた場合にも、上と同様の効果を得ることが期
待できる。
【0033】図3は、このような連続型製麺機の形態を
採った場合の本発明に係る麺帯製造装置20の要部を示
すものである。図中、記号1〜5,11,12は先に図
1、図2に示したと同じ構成要素を示している。また、
13,13はスクレーパ、14はコンベアを示してい
る。ここで、スクレーパ13,13は、スクレーパブレ
ード13a,13aを有し、軸13b,13bを支点と
して回動可能に構成され、また、図示されていないバネ
により、まな板ロール1、圧延ロール3に軽く押圧され
ている。
【0034】コンベア14は、ロール15,15、1
6,16および駆動ロール17間に掛け渡されており、
定量送り出し装置から一定量ずつ送り出される麺帯を、
コンベア14により圧延装置に送り込む機能を有する。
上述のように構成された、本発明に係る麺帯製造装置2
0によれば、麺生地を定量切出し装置に供給することに
より、高能率に連続的な製麺を行うことが可能になる。
【0035】なお、上記各実施の形態はいずれも本発明
の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定され
るべきものではないことはいうまでもない。
【0036】〔実施例1〕上述のように構成された麺生
地の定量送り出し・圧延装置と従来の装置(すなわち、
異形ロールを含まない定量送り出し・圧延装置)とを用
いて、下記の配合仕様の麺生地の定量送り出し・圧延処
理を行った。
【0037】
【表1】
【0038】混合工程では、小麦粉と水とを実公平4−
49908号公報に記載された麺用バー型ミキサーで5
分間(真空処理時間を含む)よく混ぜ合わせて塊状の生
地を得た。この生地を、上述のように、本実施の形態に
係る麺生地の定量送り出し装置と従来の装置とを用いた
以外は、後段の圧延,切り出しは同じ装置を用いて行っ
て製麺した。このように製麺した麺を茹で、試食評価を
行い、10名のパネラーによる評価点を、それぞれの項
目ごとに平均した。結果を、表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2中、「実」は実施の形態に係る装置を
用いたことを、また、「比」は従来の装置を用いたこと
を、それぞれ示している。各評価項目における評点1〜
5の意味するところは、下記の通りである。 (滑らかさ) 5 非常に滑らかで良好 4 やや滑らかさあり良い 3 普通 2 やや滑らかさに欠ける 1 滑らかさがない
【0041】(粘弾性) 5 非常に粘弾性ありバランスも良く良好 4 やや粘弾性強く良い 3 普通 2 やや粘弾性に欠ける 1 粘弾性がない (茹で伸び) 5 茹で伸び非常に遅く良好 4 やや茹で伸び遅く良い 3 普通 2 やや茹で伸び早く劣る 1 茹で伸び早く悪い
【0042】表2に示した結果からも明らかなように、
4種類の配合仕様のいずれにおいても、実施の形態に係
る装置を用いた場合の方が、比較例に比べて優れた食感
を与える麺が得られている。すなわち、本実施の形態に
係る装置を用いた場合には、食感の優れた麺を製麺する
ことが可能であることが実証された。
【0043】〔実施例2〕同様の比較を、異なる配合仕
様の麺生地について行った。なお、本実施例において
は、切り出し後の麺を、冷蔵庫に1日保管した後、麺を
茹で、試食評価を行った。10名のパネラーによる評価
点を、それぞれの項目ごとに平均した。配合仕様を表3
に、結果を表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】なお、ここで、評価点については、下記の
弾力性以外は、表2と同じ基準に基づいている。 (弾力性) 5 弾力性強くバランスも良く良好 4 弾力性強く良い 3 普通 2 やや弾力性に欠ける 1 弾力性弱く劣る
【0047】表4に示した結果からも明らかなように、
4種類の配合仕様のいずれにおいても、実施の形態に係
る装置を用いた場合の方が、比較例に比べて優れた食感
を与える麺が得られている。すなわち、本実施の形態に
係る装置を用いた場合には、うどんばかりでなく、ラー
メンにおいても食感の優れた麺を製麺することが可能で
あることが実証されたということができる。
【0048】これは、上述の2種類の麺(うどん、ラー
メン)生地のいずれについても、生地中のグルテン等の
蛋白質の網目構造の破壊の少ない、良好な麺帯を形成す
ることができたことを示しているといえる。なお、上述
の2種類の麺(うどん、ラーメン)生地のいずれについ
ても、加水が多くなるほど、従来の装置、すなわち、異
形ロールを含まない定量送り出し・圧延装置を用いた場
合との差が大きくなっている。
【0049】なお、上記各実施の形態は本発明の一例を
示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきも
のではないことはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、粗整機,圧延機などのロール上で生地の塊を圧
延する際に、生地の巻き込み現象を発生することがな
く、また、前段の混合工程で捏ねられて良好なグルテン
形成が行われた生地が、麺帯状に成型される過程でグル
テンの網目構造を損傷し難くした麺帯の製造方法とその
装置を実現することが可能である。
【0051】すなわち、本発明によれば、粗整機,圧延
機などのロールとして、多角形を含む異形ロールを用い
るようにしたことにより、生地を充分に送りながら、な
おかつ送り過ぎにならない、理想的な生地の送り方式を
実現し、これにより、生地を麺帯状に成型する過程でグ
ルテンの網目構造を損傷し難くすることを可能にしたも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る麺生地の定
量送り出し装置におけるロールの形状・寸法および配置
を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る麺生地の圧
延装置におけるロールの形状・寸法および配置を示す図
である。
【図3】 図1に示した麺生地の定量切出し装置と図2
に示した麺生地の圧延装置とを組み合わせた麺帯製造装
置の構成図である。
【符号の説明】
1 まな板ロール(円形ロール) 2 案内送り出しロール 3 圧延ロール 4a,4b ホッパの内壁 5 麺生地 11,12 圧延ロール 13 スクレーパ 14 コンベア 20 麺帯製造装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高垣 正雄 兵庫県加古郡稲美町加古字上新田前 1900 番地の4 株式会社高垣製作所内 Fターム(参考) 4B031 CA01 CD02 CD06 CD08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせ
    て塊状の生地を得、これを粗整機において定量送り出す
    際に、前記粗整機のロール上の生地の塊を、少なくとも
    一方が多角形を含む異形ロールから構成されるロール対
    により定量送り出すことを特徴とする麺帯の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の定量送り出し工程に続け
    て、前記生地の塊を、少なくとも一方が多角形を含む異
    形ロールから構成されるロール対により圧延することを
    特徴とする麺帯の製造方法。
  3. 【請求項3】混合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせ
    て塊状の生地を得、これを圧延機において圧延する際
    に、前記圧延機のロール上の生地の塊を、ロール対を構
    成するロールの形状がいずれも多角形を含む異形ロール
    から構成されるロール対により圧延することを特徴とす
    る麺帯の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ロール対を構成するロールの形状がい
    ずれも多角形を含む異形ロールから構成されるロール対
    を、該異形ロールの角部が互いに対向しない位置になる
    ように組み合わせて用いることを特徴とする請求項3に
    記載の麺帯の製造方法。
  5. 【請求項5】混合工程で得た小麦粉と水とをよく混ぜ合
    わせた塊状の生地を、少なくとも一方が多角形を含む異
    形ロールから構成されるロール対により定量送り出す定
    量送り出し手段を備えたことを特徴とする麺帯の製造装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の定量送り出し手段に加え
    て、前記生地の塊を、少なくとも一方が多角形を含む異
    形ロールから構成されるロール対により圧延する圧延手
    段を有することを特徴とする麺帯の製造装置。
  7. 【請求項7】混合工程で小麦粉と水とをよく混ぜ合わせ
    て塊状の生地を得、これを圧延機において圧延する際に
    用いる前記圧延機のロール対を構成するロールの形状
    が、いずれも多角形を含む異形ロールから構成されるこ
    とを特徴とする麺帯の製造装置。
  8. 【請求項8】前記ロール対を構成するロールの形状がい
    ずれも多角形を含む異形ロールから構成されるロール対
    を、該異形ロールの角部が互いに対向しない位置になる
    ように組み合わされていることを特徴とする請求項7に
    記載の麺帯の製造装置。
  9. 【請求項9】前記ロール対を構成するロールの形状・大
    きさは、処理対象となる麺帯の物性・量に応じて決定す
    ることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の麺
    帯の製造装置。
  10. 【請求項10】前記ロール対を構成するロールの表面に
    は、生地の粘り付きを抑える表面処理を施すことを特徴
    とする請求項5〜9のいずれかに記載の麺帯の製造装
    置。
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