JP2000216144A - 真空処理装置およびそれの処理済み基板の取り外し方法 - Google Patents

真空処理装置およびそれの処理済み基板の取り外し方法

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JP2000216144A
JP2000216144A JP1488499A JP1488499A JP2000216144A JP 2000216144 A JP2000216144 A JP 2000216144A JP 1488499 A JP1488499 A JP 1488499A JP 1488499 A JP1488499 A JP 1488499A JP 2000216144 A JP2000216144 A JP 2000216144A
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substrate
processed
resin film
electrode
insulating resin
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JP1488499A
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English (en)
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Akizo Watanabe
彰三 渡邉
Masaki Suzuki
正樹 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被処理基板を電極に対し静電吸着現象が生じた
場合にも電極からスムーズに持ち上げて確実に排出する
ことのできる真空処理装置およびそれの処理済み基板の
取り外し方法を提供する。 【解決手段】一対のうちの被処理基板1を取り付ける電
極32の凸状に膨出した表面に、絶縁性樹脂膜31を形
成する。この電極32の中央と外周端との中間に、前記
被処理基板1を表面に対して取り付けおよび取り外すた
めの基板昇降ピン12を挿通するピン挿通孔24を配設
する電極32の外周端近傍の同心円上に、複数個の収納
孔40を等間隔に配設し、この各収納孔40に、押し上
げピン43を収納するとともに、この押し上げピン43
を、弾性体44で付勢して、表面の絶縁性樹脂膜31の
頂部よりも先端が突出する位置に保持する。各押し上げ
ピン43の弾性体44による押し上げ力の合力を被処理
基板1と絶縁性樹脂膜31との間に発生する静電吸着力
よりも大きく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や液晶表示
基板などの被処理基板にドライエッチング、CVDまた
はスパッタなどの表面処理を施すのに使用される真空処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造装置におけるシリコン
基板の表面処理装置には、シリコン基板の温度制御のた
めの伝熱手段として、シリコン基板の裏面と電極との間
にヘリウムなどの不活性ガスを充満させる方法を採用さ
れている。このようなガス伝熱形の真空処理装置として
は、図4に示すような構成のものが一般に知られてい
る。
【0003】上記真空処理装置は、被処理基板1を真空
チャンバー2内にセットするに際して、ゲート3が2点
鎖線で図示するように開いて真空チャンバー2の基板出
入口7が開口され、被処理基板1が搬送アーム4上に載
せられて基板出入口7から真空チャンバー2の中央の所
定位置まで搬入される。このとき、被処理基板1の外周
端部を下部電極(サセプタ)11の上面に押し付けるた
めの円環状のクランプリング8は、シリンダなどからな
るクランプ昇降機構9の駆動によって支持棒10を介し
て下部電極11の上方へ押し上げられている。真空チャ
ンバー2内に搬入された被処理基板1は、シリンダなど
からなる基板昇降機構13の駆動によって上昇される複
数本の基板昇降ピン12の先端上に移載され、この基板
昇降ピン12が下降して下部電極11内に埋入すること
により、下部電極11上に載置され、そののちに、クラ
ンプ昇降機構9の駆動により下降してくるクランプリン
グ8によって外周端縁部を下部電極11上に押し付けら
れ、下部電極11上にセットされる。
【0004】下部電極11は、上方に凸形状の球面に形
成されており、被処理基板1は、クランプリング8によ
り外周端部を下部電極11に押し付けられて、下部電極
11に沿った球面状に湾曲するよう変形される。つぎ
に、ゲート3が閉まると、真空チャンバー2の内部にお
いては、真空ポンプ14の駆動により真空排気されなが
ら、反応ガス供給口17からプラズマを発生させるため
の反応ガス18が導入されて適当な圧力に保持される。
【0005】一方、被処理基板1と下部電極11との間
には、被処理基板1を処理温度になるよう温度調節する
ための伝熱媒体となるヘリウムのような不活性ガス19
が、不活性ガス供給源(図示せず)から真空チャンバー
2のガス供給通路20、絶縁支台21のガス供給通路2
2および下部電極11のガス供給通路23を経て供給さ
れる。
【0006】この不活性ガス19は、被処理基板1と下
部電極11との間から基板昇降ピン12とピン挿通孔2
4との隙間を経てガス空間27に流れ、ガス排出手段2
8により余剰分を排気されて、被処理基板1と下部電極
11との間において適当な圧力に保持される。これによ
り、被処理基板1は、不活性ガス19の圧力を受けて上
方に球面状に膨れ上がるよう変形し、上方に凸形状の球
面である下部電極11の上面との間に全体にわたりほぼ
均等な隙間が生じ、その隙間に不活性ガスが充満され
る。すなわち、被処理基板1と下部電極11との間に
は、不活性ガス19が全体にわたり均等に充満されるこ
とになる。このとき、被処理基板1の外周端部はクラン
プリング8により下部電極11に気密に押し付けられて
いるから、不活性ガス19は被処理基板1と下部電極1
1との隙間から漏洩しない。
【0007】上記状態において、下部電極11に高周波
電源29から高周波電力が供給されることにより、真空
チャンバー2内部の下部電極11と上部電極30との間
にはプラズマが励起されて、このプラズマによって被処
理基板1にエッチングなどの表面処理が行われる。被処
理基板1は、表面処理を施されるときに高温のプラズマ
によって加熱されるが、極めて流動性の良いヘリウムガ
スなどの不活性ガス19は被処理基板1から効率的に熱
を吸収して下部電極11に対し伝熱する。伝熱された下
部電極11は、内部の冷却水路(図示せず)内を常時流
れる冷却水により冷却される。これにより、被処理基板
1は、プラズマの熱により過熱されたり、レジストが変
質してエッチングなどの表面処理不良が発生したりする
のを未然に防止されているとともに、被処理基板1の温
度を一定に保持して良好な表面処理特性を得るようにし
ている。表面処理が終了した被処理基板1は、クランプ
リング8が上昇して固定を解除されたのちに、基板昇降
ピン12の上昇により下部電極11の上方に持ち上げら
れて搬送アーム4上に移載され、真空チャンバー2の外
部に搬出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、下部電極1
1は、図5(a),(b)の拡大平面図および拡大縦断
面図に示すように、被処理基板1を載置する上面全体
に、被処理基板1のチャージアップダメージを低減する
ための絶縁性樹脂膜31が形成されている。ところが、
この絶縁性樹脂膜31は、被処理基板1の表面処理を長
時間連続して行うと、経時変化によって絶縁性が低下す
る。そのため、被処理基板1におけるクランプリング8
により下部電極11に押し付けられている外周端部は、
下部電極11に対し容量結合して静電吸着してしまう。
このように静電吸着現象が生じた被処理基板1は、基板
昇降ピン12により突き上げられたときに跳ね上がって
しまうので、被処理基板1を搬送アーム4に移載するこ
とができず、搬送ミスが発生する問題がある。
【0009】そこで本発明は、上記従来の課題に鑑みな
されたもので、被処理基板を電極に対し静電吸着現象が
生じた場合にも電極からスムーズに持ち上げて確実に排
出することのできる真空処理装置およびそれの処理済み
基板の取り外し方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の真空処理装置は、被処理基板を内部に収容
し、内部に反応ガスを供給するための反応ガス供給口を
有する真空チャンバーと、この真空チャンバーの内部の
空気を排気する真空排気手段と、少なくとも一方の凸状
に膨出した表面に絶縁性樹脂膜が形成されている一対の
電極と、前記電極にプラズマ発生用の高周波電力を供給
する高周波電源と、前記被処理基板を変形させながら該
被処理基板の外周端部を前記一方の電極の表面に押し付
けて気密に密着させるクランプリングとを備えてなり、
前記一方の電極は、中央部に形成され、前記被処理基板
と前記一方の電極との間に不活性ガスを供給するガス供
給通路と、中央と外周端との中間に配設され、前記被処
理基板を表面に対して取り付けおよび取り外すための基
板昇降ピンが挿通されたピン挿通孔と、外周端近傍の同
心円上に等間隔に配設された複数個の収納孔と、前記各
収納孔に収納され、表面の前記絶縁性樹脂膜の頂部より
も先端が突出する位置に弾性体の付勢により保持された
押し上げピンとを有し、前記各押し上げピンの前記弾性
体による押し上げ力の合力が前記被処理基板と前記絶縁
性樹脂膜との間に発生する静電吸着力よりも大きく設定
されている構成になっている。
【0011】この真空処理装置では、被処理基板の表面
処理が終了して一方の電極から取り外す場合に、クラン
プリングが上昇することによって一方の電極に対する固
定を解除されたのちに、基板昇降ピンの上昇により一方
の電極の上方に持ち上げられるが、このとき、被処理基
板の外周端部と電極との間に静電吸着現象が生じていて
も、被処理基板の外周端部は、弾性体で付勢されている
各押し上げピンにより、電極の表面の絶縁性樹脂膜から
静電吸着力に抗して強制的に引き離され、クランプリン
グの上昇に伴いこのクランプリングに押し上げピンで押
し付けられながら、自体の弾性によって元の平面状に復
帰する。これにより、静電吸着力は解消し、被処理基板
は、押し上げピンで突き上げられるが、クランプリング
に押し付けられていることによって飛び跳ねたりするこ
となく搬送手段に確実に移載することができる。
【0012】上記真空処理装置において、ピン挿通孔お
よび収納孔の各々の内壁全体に絶縁体が形成されている
構成とすることが好ましい。
【0013】これにより、電極の内部に位置する押し上
げピンおよび弾性体と基板昇降ピンとをそれぞれ絶縁体
で覆って、押し上げピンおよび弾性体または基板昇降ピ
ンを通じて被処理基板と電極との間に発生しようとする
異常放電を確実に防止することができ、被処理基板にダ
メージを与えるのを未然に防げる。
【0014】一方、本発明の真空処理装置における処理
済み基板の取り外し方法は、真空チャンバーの内部に一
対設けた電極のうちの一方の電極における凸状に膨出す
る表面に形成した絶縁性樹脂膜上に、クランプリングに
よる被処理基板の外周端部への押し付け力によって前記
被処理基板を球面状に湾曲するよう変形させながら気密
に密着させ、前記真空チャンバーにおける真空排気した
内部に反応ガスを供給し、前記被処理基板と前記絶縁性
樹脂膜との間に不活性ガスを供給した状態において、前
記両電極間に高周波電力を供給して発生させたプラズマ
によって前記被処理基板に表面処理を施し、その処理済
み後に前記絶縁性樹脂膜に静電吸着している前記被処理
基板を前記絶縁性樹脂膜から取り外すに際して、前記ク
ランプリングを上昇させて処理済みの前記被処理基板の
前記一方の電極への固定を解除するとともに、前記被処
理基板の下面における外周端近傍の同一円上における等
間隔の複数箇所を、それぞれ押し上げピンで押し上げる
ことにより、前記被処理基板を、前記各押し上げピンの
押し上げ力の合力により静電吸着力に抗して前記絶縁性
樹脂膜から強制的に引き離すとともに、上昇していく前
記クランプリングに対し押し付けるようにしたことを特
徴とする。
【0015】この処理済み基板の取り外し方法では、複
数の押し上げピンの各押し上げ力の合力を、クランプリ
ングによる被処理基板の一方の電極に対する押し付け力
よりも小さく、且つ被処理基板と絶縁性樹脂膜との間に
発生する静電吸着力よりも大きく設定しておくことによ
り、処理済みの被処理基板を、可及的に大きな押し上げ
力に設定した各押し上げピンにより突き上げて絶縁性樹
脂膜から確実に引き離すことができる。しかも、処理済
みの被処理基板を、クランプリングの上昇に伴いこのク
ランプリングに押し付けながら、自体の弾性によって元
の平面状に復帰させるので、押し上げピンによる比較的
大きな押し上げ力で突き上げられても飛び跳ねたりする
ことがなく、取出用搬送手段に確実に移載することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明
の一実施の形態に係る真空処理装置を示す縦断面図であ
り、同図において、図4と同一若しくは同等のものには
同一の符号を付してある。このガス伝熱形の真空処理装
置が図4の従来装置と相違する点は、下部電極32の構
成のみであるが、その説明に先立って、他の構成につい
ても補足説明する。不活性ガス19は、例えば、低圧ガ
ス供給源から被処理基板1と下部電極32との間に100
パスカル前後の圧力で供給されることにより、被処理基
板1を上方に膨らませながら被処理基板1と下部電極3
2との隙間を若干拡げ、その隙間に充満していく。
【0017】下部電極32における被処理基板1が載置
される上面が予め上方に凸形状の球面に形成されている
のは、若し仮に、下部電極32の上面を平坦面とする
と、被処理基板1が不活性ガス19の圧力を受けて上方
に球形状に膨れあがったときに、被処理基板1と下部電
極32との間には、中心部が最も大きくなる不均一な隙
間ができてしまい、特に、隙間の大きな中心部におい
て、被処理基板1の熱を下部電極32に効率的に伝熱で
きなくなるためである。そこで、被処理基板1の上面を
凸形状の球面にしておけば、不活性ガス19の圧力を受
けて上方に球形状に膨れあがった被処理基板1と下部電
極32の上面との間には、ほぼ均等な隙間が形成されて
不活性ガス19もほぼ均等な分布で充満されることにな
る。被処理基板1の外周端部は、クランプ昇降機構9が
下降するよう駆動したときに、ばね39を介して弾力的
に下部電極32に押し付けられて、下部電極32に気密
状態に密着する。
【0018】また、上部電極30は、図示していない
が、アース線により接地されている。
【0019】下部電極32には、高周波電源29から接
続端子33を通じて高周波電力が供給される。クランプ
昇降機構9の支持棒10は、ベローズ34により真空シ
ールされ、クランプ昇降機構9の駆動により所定範囲内
で上下動する。また、ガス空間27を構成するケーシン
グ37は、Oリングのようなゴムシール材38を介して
気密状態で真空チャンバー2の底面に固定されている。
つぎに、本発明の要旨である下部電極32について、そ
の拡大平面図および拡大縦断面図を示した図2(a),
(b)を参照しながら説明する。この下部電極32は、
上方に凸形状の球面に形成された上面に絶縁性樹脂膜3
1が形成され、、その中心部にガス供給通路23が穿孔
され、半径の約半分の半径を有する同心円上に、ガス排
気用を兼ねる3個のピン挿通孔24が等間隔に穿孔され
ているのは既存のものと同じである。相違する点は、外
周端よりの同心円上に3個の収納孔40が形成されてい
るとともに、収納孔40の上端部近傍に段部42が形成
され、且つ収納孔40の下端部が絶縁性キャップ部材4
1を嵌め込んで閉塞されており、さらに、下端に係止片
47を有する押し上げピン43が、収納孔40内に収納
されて、収納孔40におけるキャップ部材41と段部4
2との間に介挿された圧縮ばね44の付勢力により係止
片47が段部42に押し付けられて、先端が絶縁性樹脂
膜31の上方に突出した状態で保持されている構成のみ
である。
【0020】押し上げピン43は、図2(b)に示すよ
うに、係止片47が段部42に押し付けられたときに、
先端が絶縁性樹脂膜31の中心の頂部よりも僅かに上方
に突出した状態に保持される。また、この実施の形態に
おいて3個設けた圧縮ばね44のばね力の合力は、被処
理基板1と下部電極32との間に発生する静電吸着の予
測される最大吸着力よりも大きく、且つクランプリング
8の押し下げ力よりも小さい範囲内で可及的に大きい値
に設定されている。また、クランプ昇降機構9のクラン
プリング8の押し下げ力は、3個の圧縮ばね44のばね
力の合力と、表面処理時における被処理基板1の表面側
が真空で且つ裏面側が不活性ガス圧力であることによる
圧力差により被処理基板1に作用する押し上げ力との和
よりも十分に大きく設定されている。なお、押し上げピ
ン43は、被処理基板1をバランス良く押し上げるため
に、この実施の形態のように最低3個必要であるが、3
個以上配置してもよい。その場合、各押し上げピン43
は同心円上に等間隔に配置することが好ましい。
【0021】つぎに、この実施の形態の真空処理装置の
作用について説明する。先ず、被処理基板1を下部電極
32にセットするに際して、ゲート3が2点鎖線で図示
するように開いて真空チャンバー2の基板出入口7が開
口され、被処理基板1が搬送アーム4上に載せられて基
板出入口7から真空チャンバー2内に搬入される。この
とき、被処理基板1を下部電極32の上面に押し付ける
ための円環状のクランプリング8は、シリンダなどから
なるクランプ昇降機構9の駆動によって支持棒10を介
して下部電極32の上方へ押し上げられている。真空チ
ャンバー2内の中央の所定位置まで搬入された被処理基
板1は、シリンダなどからなる基板昇降機構13の駆動
によって先端がクランプリング8よりも上方位置まで上
昇される複数本の基板昇降ピン12上に移載され、この
基板昇降ピン12が下降して下部電極32内に埋入する
ことにより、下部電極32上に載置される。
【0022】そののちに、被処理基板1は、クランプリ
ング8が下降して外周端部を下部電極32に押し付けら
れると、下部電極32における上方に凸形状の球面に形
成された上面に沿って球面状に湾曲するよう変形しなが
ら絶縁性樹脂膜31上に押し付けられる。このとき、被
処理基板1は、絶縁性樹脂膜31の上方に突出している
3個の押し上げピン43を収納孔40内に押し下げる。
つぎに、ゲート3が閉まると、真空チャンバー2の内部
においては、真空ポンプ14の駆動により真空排気され
ながら、反応ガス供給口17からプラズマを発生させる
ための反応ガス18が導入されて適当な圧力に保持され
る。
【0023】一方、被処理基板1と下部電極32との間
には、被処理基板1を処理温度になるよう温度調節する
ための伝熱媒体となるヘリウムのような不活性ガス19
が、ガス供給源(図示せず)から真空チャンバー2のガ
ス供給通路20、絶縁支台21のガス供給通路22およ
び下部電極32のガス供給通路23を経て供給される。
この不活性ガス19は、被処理基板1と下部電極32と
の間から基板昇降ピン12とピン挿通孔24との隙間を
経てガス空間27に流れ、ガス排出手段28により余剰
分を排気されて、被処理基板1と下部電極32との間に
おいて適当な圧力に調整して保持される。
【0024】これにより、被処理基板1は、不活性ガス
19の圧力を受けて上方に球面状に膨れ上がるよう変形
し、上方に凸形状の球面である下部電極32の上面との
間に全体にわたりほぼ均等な隙間が生じる。したがっ
て、被処理基板1と下部電極32との間には、不活性ガ
ス19が均等に充満される。このとき、被処理基板1の
外周端部はクランプリング8により下部電極32に気密
状態に押し付けられ、不活性ガス19が被処理基板1と
下部電極32との隙間から漏洩するのを防止されてい
る。
【0025】上記状態において、下部電極32に高周波
電源29から高周波電力が供給されることにより、真空
チャンバー2内部の下部電極32と上部電極30との間
にはプラズマが励起されて、このプラズマによって被処
理基板1にエッチングなどの表面処理が行われる。被処
理基板1は、表面処理を施されるときに高温のプラズマ
によって加熱され、極めて流動性の良いヘリウムガスな
どの不活性ガス19は被処理基板1から効率的に熱を吸
収して下部電極32に対し伝熱する。伝熱された下部電
極32は、内部の冷却水路(図示せず)を常時流れる冷
却水により冷却される。これにより、被処理基板1は、
プラズマの熱により過熱されたり、レジストが変質して
エッチングなどの表面処理不良が発生したりするのを未
然に防止されているとともに、被処理基板1の温度を一
定に保持して良好な表面処理特性を得るようにしてい
る。
【0026】被処理基板1の表面処理が終了すると、被
処理基板1と下部電極32との隙間に充満している不活
性ガス19はガス排出手段28によって外部に排出され
る。
【0027】続いて、被処理基板1は、クランプリング
8が上昇することによって下部電極32に対する固定を
解除されたのちに、基板昇降ピン12の上昇により下部
電極32の上方に持ち上げられる。
【0028】このとき、被処理基板1の外周端部と下部
電極32との間に静電吸着現象が生じていても、被処理
基板1の外周端部は、圧縮ばね44によって可及的に大
きな押し上げ力に設定した各押し上げピン43により、
下部電極32の絶縁性樹脂膜31から静電吸着力に抗し
て確実に引き離され、クランプリング8の上昇に伴いこ
のクランプリング8に押し上げピン43で押し付けられ
ながら、自体の弾性によって元の平面状に復帰する。こ
れにより、静電吸着力は解消し、被処理基板1は、押し
上げピン43の可及的に大きく設定した押し上げ力で突
き上げられるが、クランプリング8に押し付けられてい
ることによって飛び跳ねることがない。そののち、被処
理基板1は、基板昇降ピン12により下部電極32の上
方に持ち上げられて搬送アーム4上に確実に移載され、
真空チャンバー2の外部に搬出される。
【0029】図3(a),(b)は、本発明の他の実施
の形態に係る真空処理装置における下部電極48を示す
平面図および縦断面図であり、同図において、図2と同
一若しくは同等のものには同一の符号を付してその説明
を省略し、以下に、異なる構成についてのみ説明する。
すなわち、この下部電極48が図2のものと相違するの
は、、収納孔40およびピン挿通孔24の各々の内壁全
体に絶縁体49を形成している構成のみである。
【0030】この下部電極48では、自体の内部に位置
する押し上げピン43および圧縮ばね44と基板昇降ピ
ン12とをそれぞれ絶縁体49で覆っているので、押し
上げピン43および圧縮ばね44または基板昇降ピン1
2を通じて被処理基板1と下部電極48との間に発生し
ようとする異常放電を確実に防止することができ、被処
理基板1にダメージを与えるのを未然に防げる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の真空処理装置に
よれば、被処理基板を取り付ける電極の外周端近傍の同
心円上に複数個の収納孔を等間隔に配設し、各収納孔に
収納した押し上げピンを、電極の表面の絶縁性樹脂膜の
頂部よりも先端が突出する位置に弾性体の付勢により保
持する構成としたので、被処理基板の表面処理が終了し
て電極から取り外す場合に、被処理基板の外周端部と電
極との間に静電吸着現象が生じていても、被処理基板の
外周端部は、弾性体で付勢されている各押し上げピンに
より、電極の表面の絶縁性樹脂膜から静電吸着力に抗し
て強制的に引き離すことができ、しかも、押し上げピン
で突き上げられても、クランプリングに押し付けられて
いることによって飛び跳ねたりすることなく搬送手段に
確実に移載することができる。
【0032】また、本発明の真空処理装置における処理
済み基板の取り外し方法によれば、処理済みの被処理基
板を複数の押し上げピンにより外周端近傍箇所を突き上
げることによって絶縁性樹脂膜から確実に引き離すこと
ができるとともに、上昇するクランプリングに被処理基
板を押し付けて、被処理基板の飛び跳ねなどを防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る真空処理装置を示
す縦断面図。
【図2】(a),(b)は同上真空処理装置における下
部電極を示す拡大平面図および拡大縦断面図。
【図3】(a),(b)は本発明の他の実施の形態に係
る真空処理装置における下部電極を示す平面図および縦
断面図。
【図4】従来の真空処理装置を示す縦断面図。
【図5】(a),(b)は同上真空処理装置における下
部電極を示す拡大平面図および拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 被処理基板 2 真空チャンバー 8 クランプリング 12 基板昇降ピン 14 真空ポンプ(真空排気手段) 17 反応ガス供給口 18 反応ガス 19 不活性ガス 24 ピン挿通孔 29 高周波電源 30 上部電極 31 絶縁性樹脂膜 32,48 下部電極(一方の電極) 40 収納孔 43 押し上げピン 44 圧縮ばね(弾性体) 49 絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F004 AA06 AA16 BA04 BA09 BB18 BB21 BB25 BC08 5F031 CA02 CA05 HA06 HA16 HA28 HA30 HA33 MA28 MA29 MA32 NA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板を内部に収容し、内部に反応
    ガスを供給するための反応ガス供給口を有する真空チャ
    ンバーと、 この真空チャンバーの内部の空気を排気する真空排気手
    段と、 少なくとも一方の凸状に膨出した表面に絶縁性樹脂膜が
    形成されている一対の電極と、 前記電極にプラズマ発生用の高周波電力を供給する高周
    波電源と、 前記被処理基板を変形させながら該被処理基板の外周端
    部を前記一方の電極の表面に押し付けて気密に密着させ
    るクランプリングとを備えてなり、 前記一方の電極は、 中央部に形成され、前記被処理基板と前記一方の電極と
    の間に不活性ガスを供給するガス供給通路と、 中央と外周端との中間に配設され、前記被処理基板を表
    面に対して取り付けおよび取り外すための基板昇降ピン
    が挿通されたピン挿通孔と、 外周端近傍の同心円上に等間隔に配設された複数個の収
    納孔と、 前記各収納孔に収納され、表面の前記絶縁性樹脂膜の頂
    部よりも先端が突出する位置に弾性体の付勢により保持
    された押し上げピンとを有し、 前記各押し上げピンの前記弾性体による押し上げ力の合
    力が前記被処理基板と前記絶縁性樹脂膜との間に発生す
    る静電吸着力よりも大きく設定されていることを特徴と
    する真空処理装置。
  2. 【請求項2】 ピン挿通孔および収納孔の各々の内壁全
    体に絶縁体が形成されている請求項1に記載の真空処理
    装置。
  3. 【請求項3】 真空チャンバーの内部に一対設けた電極
    のうちの一方の電極における凸状に膨出する表面に形成
    した絶縁性樹脂膜上に、クランプリングによる被処理基
    板の外周端部への押し付け力によって前記被処理基板を
    球面状に湾曲するよう変形させながら気密に密着させ、 前記真空チャンバーにおける真空排気した内部に反応ガ
    スを供給し、 前記被処理基板と前記絶縁性樹脂膜との間に不活性ガス
    を供給した状態において、前記両電極間に高周波電力を
    供給して発生させたプラズマによって前記被処理基板に
    表面処理を施し、 その処理済み後に前記絶縁性樹脂膜に静電吸着している
    前記被処理基板を前記絶縁性樹脂膜から取り外す方法で
    あって、 前記クランプリングを上昇させて処理済みの前記被処理
    基板の前記一方の電極への固定を解除するとともに、前
    記被処理基板の下面における外周端近傍の同一円上にお
    ける等間隔の複数箇所を、それぞれ押し上げピンで押し
    上げることにより、 前記被処理基板を、前記各押し上げピンの押し上げ力の
    合力により静電吸着力に抗して前記絶縁性樹脂膜から強
    制的に引き離すとともに、上昇していく前記クランプリ
    ングに対し押し付けるようにしたことを特徴とする真空
    処理装置における処理済み基板の取り外し方法。
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