JP2000215822A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2000215822A
JP2000215822A JP11012385A JP1238599A JP2000215822A JP 2000215822 A JP2000215822 A JP 2000215822A JP 11012385 A JP11012385 A JP 11012385A JP 1238599 A JP1238599 A JP 1238599A JP 2000215822 A JP2000215822 A JP 2000215822A
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JP
Japan
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color selection
selection mechanism
ray tube
leaf spring
cathode ray
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JP11012385A
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English (en)
Inventor
Hiromi Tagusari
洋見 田鎖
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極線管において、センターシフト現象及びセ
ンターツイスト現象を抑制して温度ドリフト特性を改善
する。 【解決手段】蛍光体55面に入射する電子ビームを制御
することで色選別を行なう色選別機構60をパネル52
に対して支持するにあたり、一端部75aが色選別機構
60側に他端部75bがパネル52側にそれぞれ接続さ
れた支持部材75を採用し、この支持部材75を、一端
部と他端部とに挟まれる中間領域が熱的に変形した際
に、蛍光体面と略平行でかつ水平方向において一端部と
他端部とが相対的に移動しないように、この方向に伸長
するような断面略V字形状の板バネに形成し、一端部か
ら折り返し部までの熱的膨縮量と他端部から折り返し部
までの熱的膨縮量とが略等しくなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネルの内面に設
けられた蛍光体面に入射する電子ビームを制御すること
で色選別を行なう色選別機構を備えた陰極線管(CR
T)に関し、特に、色選別機構の支持構造に特徴をもつ
陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の陰極線管、例えばトリニトロン方
式のカラーブラウン管では、図8及び図9に示すよう
に、陰極線管の管体1は、パネル11とファンネル部1
2とがフリットガラス13で接着されて一体化され、フ
ァンネル部12のネック部14には電子銃15が配置さ
れている。パネル11の表示面11a領域の内面には、
蛍光体(不図示)がストライプ状の所定パターンをなす
ように形成されている。このパネル11の内面と対向し
た位置には、所定間隔をおいて色選別機構20が配置さ
れ、支持部材である板バネ30を介してパネル11の内
壁に取り付けられている。
【0003】この色選別機構20は、電子ビームを選択
的に透過させ、所定の蛍光体に到達させるためのストラ
イプ状のスリットが所定間隔で形成された金属製のマス
ク部すなわち色選別電極21を有しており、陰極線管の
動作中、電子銃15から放出された電子ビームを、所定
の蛍光体に衝突するビームのみに選別した後、所定の蛍
光体に衝突させて発光させるものである。この際、電子
ビームの透過率は15〜20%であり、残りの80〜8
5%の電子ビームは色選別電極21に直接衝突して、そ
の温度を上昇させ、色選別機構20は熱膨張することに
なる。
【0004】また、このような色選別機構20をパネル
11に対して支持する支持部材30の構造としては、図
10に示す4点支持方式(3+1方式)、あるいは、図
11に示す4点支持方式(風車方式)等が採用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記色選別
機構20あるいはパネル11が熱膨張すると、電子ビー
ムが蛍光体面の所望の位置からずれた位置にランディン
グ(ミスランディング)する温度ドリフトが発生する。
この温度ドリフトは、図10に示す支持方式の場合に
は、図12に示すようなセンターシフト現象として現
れ、図11に示す支持方式の場合には、図13に示すよ
うなセンターツイスト現象として現れる。これらセンタ
ーシフト現象あるいはセンターツイスト現象を発生させ
る要因の一つとして、色選別機構20のX方向(水平方
向)への熱膨張による変形が大きく影響している。そこ
で、この熱膨張による変形を抑えるべく熱膨張率(熱膨
張係数)の小さいSUS材を使用すると、材料のコスト
アップを招き、又、色選別機構20の製造工程において
シワ不良の発生率が高くなるという問題がある。
【0006】また、蛍光体面と色選別機構20との間隔
を所定の値に調節するグリルハイト補正機構を備えた場
合においても、図10あるいは図11に示す支持方式を
採用する限り、上述のセンターシフト現象及びセンター
ツイスト現象が発生するという問題がある。本発明は、
上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、そ
の目的とするところは、コストの増加あるいは構造の複
雑化等を招くことなく、上記センターシフト現象及びセ
ンターツイスト現象を抑制して温度ドリフト特性を改善
することのできる陰極線管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するべく鋭意検討を重ねた結果、以下の如き構成を
なす発明を見出すに至った。すなわち、本発明の陰極線
管は、パネルの内面に設けられた蛍光体面に対向するよ
うに配置されて蛍光体面に入射する電子ビームを制御す
ることで色選別を行なう色選別機構と、この色選別機構
をパネルに対して支持する支持手段とを備える陰極線管
であって、上記支持手段は、一端部が色選別機構側に他
端部がパネル側にそれぞれ接続された支持部材を有し、
この支持部材は、一端部と他端部とに挟まれる中間領域
が熱的に変形した際に、上記蛍光体面と略平行な面内で
かつ色選別機構の縁に沿う方向においてその一端部と他
端部とが相対的に移動しないように形成されている、こ
とを特徴としている。
【0008】上記構成においては、上記支持部材は、蛍
光体面と略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向
に伸長して上記中間領域に折り返し部を有し、かつ、そ
の一端部から折り返し部までの熱的膨縮量とその他端部
から折り返し部までの熱的膨縮量とが略等しくなるよう
に形成された構成を採用することができる。また、上記
構成においては、上記支持部材は、その一端部から折り
返し部までを形成する第1板バネ及びその他端部から折
り返し部までを形成する第2板バネからなる断面略V字
状の板バネであり、この第1板バネ及び第2板バネが、
同一の熱膨張係数をもつ材料により略同一の長さに形成
された構成を採用することができる。また、上記構成に
おいては、上記支持部材は、別体をなす上記第1板バネ
及び第2板バネを結合して形成された構成を採用するこ
とができる。さらに、上記構成においては、上記色選別
機構は、鉛直方向に伸長する複数個の色選別電極と、こ
の複数個の色選別電極を水平方向に所定間隔をおいて配
列した状態で支持すると共に水平方向に伸長する長辺フ
レーム及び鉛直方向に伸長する短辺フレームからなる略
矩形形状のフレームとを有し、上記支持部材の一端部
は、少なくとも上記長辺フレームの水平方向略中央部に
結合された構成を採用することができる。
【0009】また、本発明の陰極線管は、パネルの内面
に設けられた蛍光体面に対向するように配置されて蛍光
体面に入射する電子ビームを制御することで色選別を行
なう色選別機構と、この色選別機構をパネルに対して支
持する支持手段とを備える陰極線管であって、上記支持
手段は、色選別機構側に接続された保持部材と、一端部
がこの保持部材側に他端部が上記パネル側にそれぞれ接
続された支持部材とを有し、上記保持部材は、上記蛍光
体面と色選別機構との離隔距離を調節するバイメタル機
構を有し、上記支持部材は、その一端部と他端部とに挟
まれる中間領域が熱的に変形した際に、上記蛍光体面と
略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向において
その一端部と他端部とが相対的に移動しないように形成
されている、ことを特徴としている。
【0010】上記構成においては、上記支持部材は、蛍
光体面と略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向
に伸長して上記中間領域に折り返し部を有し、かつ、そ
の一端部から折り返し部までの熱的膨縮量とその他端部
から折り返し部までの熱的膨縮量とが略等しくなるよう
に形成された構成を採用することができる。また、上記
構成においては、上記支持部材は、その一端部から折り
返し部までを形成する第1板バネ及びその他端部から折
り返し部までを形成する第2板バネからなる断面略V字
状の板バネであり、上記第1板バネ及び第2板バネは、
同一の熱膨張係数をもつ材料により略同一の長さに形成
された構成を採用することができる。また、上記構成に
おいては、上記支持部材は、別体をなす上記第1板バネ
及び第2板バネを結合して形成された構成を採用するこ
とができる。さらに、上記構成においては、上記色選別
機構は、鉛直方向に伸長する複数個の色選別電極と、こ
の複数個の色選別電極を水平方向に所定間隔をおいて配
列した状態で支持すると共に水平方向に伸長する長辺フ
レーム及び鉛直方向に伸長する短辺フレームからなる略
矩形形状のフレームとを有し、上記支持部材の一端部
は、少なくとも上記長辺フレームの水平方向略中央部に
結合された構成を採用することができる。
【0011】本発明の陰極線管においては、色選別機構
をパネルに対して支持する支持手段が、一端部が色選別
機構側に他端部がパネル側にそれぞれ接続され、一端部
と他端部とに挟まれる中間領域が熱的に変形した際に、
蛍光体面と略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方
向における一端部と他端部との相対的な移動が生じない
ように形成された支持部材であることから、色選別機構
全体が温度の上昇によりその縁に沿う方向(水平方向)
に熱膨張し、又、支持部材が同方向に熱膨張する際に、
色選別機構に接続された一端部とパネルに接続された他
端部とが、その熱膨張方向において相対的な移動を生じ
ない。したがって、温度ドリフトとしてのセンターシフ
ト現象及びセンターツイスト現象が抑制ないしは解消さ
れる。
【0012】また、本発明の陰極線管においては、色選
別機構をパネルに対して支持する支持手段が、色選別機
構側に接続され蛍光体面と色選別機構との離隔距離を調
節するバイメタル機構を有する保持部材と、一端部がこ
の保持部材に他端部がパネルにそれぞれ接続され一端部
と他端部とに挟まれる中間領域が熱的に変形した際に蛍
光体面と略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向
におけるその一端部と他端部との相対的な移動が生じな
いように形成された支持部材とにより構成されることか
ら、色選別機構全体が温度の上昇により熱膨張する際
に、保持部材のバイメタル機構が作用してグリルハイト
補正を行ない、ドーミング現象を抑制する。また、色選
別機構全体が温度の上昇によりその縁に沿う方向(水平
方向)に熱膨張し、又、支持部材が同方向に熱膨張する
際に、色選別機構に接続される一端部とパネルに接続さ
れる他端部とが、その熱膨張方向において相対的な移動
を生じない。したがって、温度ドリフトとしてのセンタ
ーシフト現象及びセンターツイスト現象が抑制ないしは
解消される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る陰極
線管の一実施形態を示す概略断面図である。この陰極線
管50は、管体51の前面を構成するパネル52と管体
51の後部を構成するファンネルガラス53とを、フリ
ットガラス54により接合することにより外輪郭が形成
されている。管体51の前方側であるパネル52の内面
には、蛍光体55がストライプ状に設けられて蛍光体面
を形成している。一方、管体51の後方側であるファン
ネルガラス53のネック部53aには、電子銃56が設
けられており、この電子銃56から放出された電子ビー
ムが蛍光体55に衝突することにより、蛍光体55が発
光するようになっている。
【0014】パネル52の内面と対向する位置には、所
定の間隔をおいて、蛍光体面に入射する電子ビームを制
御することで色選別を行なう色選別機構60が配置され
ている。この色選別機構60においては、図2に示すよ
うに、水平方向(X方向)に伸長する長辺フレーム61
aと鉛直方向(Y方向)に伸長する短辺フレーム61b
とが組み合わされて略矩形形状のフレーム61が形成さ
れており、この長辺フレーム61a間において、ストラ
イプ状のスリットを有するアパーチャーグリルと呼ばれ
る色選別電極(マスク)62が架張されている。
【0015】また、上記色選別機構60は、支持手段と
しての保持部材71及び支持部材75を介して、パネル
52の内壁に支持されている。この保持部材(スプリン
グホルダ)71は、長辺フレーム61a及び短辺フレー
ム61bの略中央部に配置されており、このスプリング
ホルダ71に対して、支持部材75の一端部75aが接
続され、支持部材75の他端部75bがパネル52に接
続されている。この状態で、支持部材75の一端部75
aは、長辺フレーム61a及び短辺フレーム61bの略
中央部に位置して支点の役割をなし、一方他端部75b
も、長辺フレーム61a及び短辺フレーム61bの略中
央部を通る直線上に位置して作用点の役割をなしてい
る。すなわち、支点である一端部75aと作用点である
他端部75bとは、蛍光体面と略平行な面(色選別機構
60の主面と略平行な面)内で、かつ、色選別機構60
の縁に沿う方向(X方向、Y方向)において、略等しい
位置に位置付けられている。
【0016】支持部材75は、図3に示すように、板厚
0.8mmのSUS301材を曲げ加工して形成された
第1板バネ76と、同様に板厚0.8mmのSUS30
1材を曲げ加工して形成された第2板バネ77とを、ス
ポット溶接により接合することで、一端部75aと他端
部75bとに挟まれる中間領域の略中央部に、折り返し
部75cを有するような断面が略V字状の板バネとして
形成されている。
【0017】第1板バネ76は、図3(b)に示すよう
に、一端部75aに相当する第1曲げ部76aと、第2
曲げ部76bを有するように形成され、又、第2板バネ
77は、図3(c)に示すように、第1曲げ部77a
と、他端部75bに相当するピン孔77bを有するよう
に形成され、さらに、第1曲げ部76a(一端部75
a)から第2曲げ部76b(折り返し部75c)までの
長さと、ピン孔77b(他端部75b)から第1曲げ部
77a(折り返し部75c)までの長さとが略等しくな
るように形成されている。尚、ピン孔77bには、パネ
ル52の内壁に突出して設けられたパネルピン52aが
挿貫されるようになっている。
【0018】すなわち、第1板バネ76と第2板バネ7
7とは、同一の熱膨張係数(熱膨張率)をもち、かつ、
一端部75a(第1曲げ部76a)から折り返し部75
cまでの距離と他端部75b(ピン孔77b)から折り
返し部75cまでの距離が略等しいため、支持部材75
全体特に一端部75aと他端部75bとに挟まれる中間
領域が熱的に変形(熱膨張)しても、一端部75aと他
端部75bとは、蛍光体面と略平行な面内でかつ色選別
機構60の縁に沿う方向(特にX方向)において相対的
に移動することはなく、両者の相対的な位置関係は変わ
らない。
【0019】ここでは、支持部材75を、第1板バネ7
6と第2板バネ77との別体ものを結合することにより
形成したが、一体ものとして折り曲げ加工により形成し
てもよい。また、一端部75aから折り返し部75cま
でと他端部75bから折り返し部75cまでの距離及び
熱膨張係数を略同一としたが、一端部75aから折り返
し部75cまでの熱的膨縮量と他端部75bから折り返
し部75cまでの熱的膨縮量とが略等しくなる限り、両
者の長さあるいは熱膨張係数を異ならせてもよい。
【0020】保持部材71は、例えば片持ち梁状に形成
され、温度の上昇により一方側へ撓むようなバイメタル
機構を備えており、温度の変化に応じて、蛍光体面と色
選別機構60の主面との距離を所定の間隔に調節するグ
リルハイト補正を行なうようになっている。
【0021】次に、この陰極線管の動作、特に支持部材
75及び保持部材71の作用について説明する。陰極線
管50が図1に示すように組み付けられた状態で、電子
銃56から電子ビームが放出されると、この電子ビーム
は偏向ヨーク(不図示)で所定の向きに偏向され、色選
別機構60で選択され、パネル52の内面に設けられた
所定の蛍光体55に到達する。そして、色選別機構60
の色選別電極62で吸収された電子は、色選別機構60
全体の温度、さらには支持部材75及び保持部材71の
温度を上昇させる。
【0022】ここで、色選別機構60及び支持部材75
が、水平方向(X方向)左右に向けて熱膨張する場合
は、図4(a)に示すような熱膨張前の状態から、図4
(b)に示すように、色選別機構60の長辺フレーム6
1aが水平方向左右に伸び、又、支持部材75も水平方
向に伸びる。この際、支持部材75においては、折り返
し部75cのみが水平方向に移動するのみで、一端部7
5aと他端部75bとの位置関係は、水平方向において
相対的な移動を生じない。
【0023】したがって、色選別機構60の水平方向に
おけるセンターシフト現象を抑制することができる。特
に、支持部材75の一端部75a及び他端部75bが、
水平方向において長辺フレーム61aの中央部を通る線
上に位置付けられている場合は、図5に示すように、セ
ンターシフト現象を確実に防止することができる。
【0024】一方、色選別機構60及び保持部材71の
温度が上昇すると、保持部材71が湾曲変形して、蛍光
体面と色選別機構60との間隔を所定の距離に補正、す
なわちグリルハイト補正(GH補正)を行なう。詳述す
ると、図6(a)に示すように、保持部材71が湾曲変
形していない状態から、図6(b)に示すように、保持
部材71が湾曲変形してGH補正を行なう際に、支持部
材75の一端部75aと他端部75bとは、水平方向に
おいて相対的な移動を生じることなく、保持部材71の
撓み移動に追従して相対的に移動することになる。
【0025】したがって、支持部材75の折り返し部7
5cのみが水平方向(X方向)において相対的に移動す
るだけであり、この支持部材75が、色選別機構60を
水平方向(X方向)に動かすような力は発生しない。そ
の結果、センターシフト現象及びセンターツイスト現象
を抑制しつつ、ドーミング現象を抑制ないしは解消する
ことができる。
【0026】上記実施形態においては、色選別機構60
の支持方式として風車方式を採用した場合を示したが、
図7に示すように、3+1方式の支持方式において、本
発明に係る支持部材75及び保持部材71を適用するこ
とも可能である。また、上記実施形態においては、スプ
リングホルダとしての保持部材71に対して支持部材7
5を設ける構成を示したが、グリルハイト補正を別の手
段で行なわせることができれば、支持部材75を色選別
機構60のフレーム61に対して直接設ける構成を採用
することも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の陰極線管に
よれば、色選別機構をパネルに対して支持する支持手段
として、一端部が色選別機構側に他端部がパネル側にそ
れぞれ接続され、一端部と他端部とに挟まれる中間領域
が熱的に変形した際に、蛍光体面と略平行な面内でかつ
色選別機構の縁に沿う方向における一端部と他端部との
相対的な移動が生じないように形成された支持部材を採
用したことにより、色選別機構全体が温度の上昇により
その縁に沿う方向(水平方向)に熱膨張し、又、支持部
材が同方向に熱膨張する際に、色選別機構に接続される
一端部とパネルに接続される他端部とが、その熱膨張方
向において相対的な移動を生じない。したがって、温度
ドリフトとしてのセンターシフト現象及びセンターツイ
スト現象を抑制ないしは解消することができる。また、
色選別機構の少なくとも長辺フレームの水平方向略中央
部に、支持部材の一端部を結合することにより、センタ
ーシフト現象等を確実に防止することができる。
【0028】また、本発明の陰極線管によれば、色選別
機構をパネルに対して支持する支持手段として、色選別
機構側に接続され蛍光体面と色選別機構との離隔距離を
調節するバイメタル機構を有する保持部材と、一端部が
この保持部材に他端部がパネルにそれぞれ接続され一端
部と他端部とに挟まれる中間領域が熱的に変形した際に
蛍光体面と略平行な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方
向におけるその一端部と他端部との相対的な移動が生じ
ないように形成された支持部材とからなる構成を採用し
たことにより、色選別機構全体が温度の上昇により熱膨
張する際に、保持部材のバイメタル機構が作用してグリ
ルハイト補正が行なわれ、ドーミング現象を抑制ないし
は解消することができる。また、色選別機構全体が温度
の上昇によりその縁に沿う方向(水平方向)に熱膨張
し、又、支持部材が同方向に熱膨張する際に、色選別機
構に接続される一端部とパネルに接続される他端部と
が、その熱膨張方向において相対的な移動を生じない。
したがって、ドーミング現象を抑制ないしは解消しつ
つ、温度ドリフトとしてのセンターシフト現象及びセン
ターツイスト現象を抑制ないしは解消することができ、
又、色選別機構の少なくとも長辺フレームの水平方向略
中央部に、支持部材の一端部を結合することにより、セ
ンターシフト現象等を確実に防止することができる。
【0029】さらに、蛍光体の製造工程でパネルに色選
別機構を組み込む作業、又は、パネルに組み込んだ色選
別機構を取り外す作業の際に用いられる設備装置の改造
等を必要としないため、製造ラインにおいて既存の設備
を流用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陰極線管の一実施形態を示す横断
面図である。
【図2】本発明に係る陰極線管の色選別機構及びその支
持手段を示す正面図である。
【図3】本発明に係る色選別機構の支持部材を示すもの
であり、(a)は支持部材の斜視図、(b)は支持部材
の一部を構成する第1板バネを示す斜視図、(c)は支
持部材の一部を構成する第2板バネを示す斜視図であ
る。
【図4】支持部材の作用を説明するための図であり、
(a)は熱膨張前の状態図、(b)は熱膨張後の状態図
である。
【図5】支持部材の作用による効果を説明する図であ
る。
【図6】保持部材(スプリングホルダ)の作用を説明す
るための図であり、(a)は熱膨張前の状態図、(b)
は熱膨張後の状態図である。
【図7】色選別機構を支持する他の方式を示す正面図で
ある。
【図8】従来の陰極線管を示す横断面図である。
【図9】従来の陰極線管の一部を示す分解斜視図であ
る。
【図10】従来における色選別機構の支持方式を示す正
面図である。
【図11】従来における色選別機構の支持方式の他の例
を示す正面図である。
【図12】図10に示す支持方式による温度ドリフト現
象を示す正面図である。
【図13】図11に示す支持方式による温度ドリフト現
象を示す正面図である。
【符号の説明】
50・・・陰極線管、52・・・パネル、52a・・・
パネルピン、55・・・蛍光体、56・・・電子銃、6
0・・・色選別機構、61・・・フレーム、61a・・
・長辺フレーム、61b・・・短辺フレーム、62・・
・色選別電極、71・・・保持部材(支持手段)、75
・・・支持部材(支持手段)、75a・・・一端部、7
5b・・・他端部、75c・・・折り返し部、76・・
・第1板バネ、76a・・・第1曲げ部(一端部)、7
6b・・・第2曲げ部、77・・・第2板バネ、77a
・・・第1曲げ部、77b・・・ピン孔(他端部)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルの内面に設けられた蛍光体面に対
    向するように配置されて蛍光体面に入射する電子ビーム
    を制御することで色選別を行なう色選別機構と、前記色
    選別機構をパネルに対して支持する支持手段と、を備え
    る陰極線管であって、 前記支持手段は、一端部が前記色選別機構側に他端部が
    前記パネル側にそれぞれ接続された支持部材を有し、 前記支持部材は、前記一端部と他端部とに挟まれる中間
    領域が熱的に変形した際に、前記蛍光体面と略平行な面
    内でかつ色選別機構の縁に沿う方向において前記一端部
    と他端部とが相対的に移動しないように形成されてい
    る、ことを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、前記蛍光体面と略平行
    な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向に伸長して前記
    中間領域に折り返し部を有し、かつ、前記一端部から折
    り返し部までの熱的膨縮量と前記他端部から折り返し部
    までの熱的膨縮量とが略等しくなるように形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は、前記一端部から折り返
    し部までを形成する第1板バネ及び前記他端部から折り
    返し部までを形成する第2板バネからなる断面略V字状
    の板バネであり、 前記第1板バネ及び第2板バネは、同一の熱膨張係数を
    もつ材料により略同一の長さに形成されている、ことを
    特徴とする請求項2記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記支持部材は、別体をなす前記第1板
    バネ及び第2板バネを結合して形成されている、ことを
    特徴とする請求項3記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】 前記色選別機構は、鉛直方向に伸長する
    複数個の色選別電極と、前記複数個の色選別電極を水平
    方向に所定間隔をおいて配列した状態で支持すると共に
    水平方向に伸長する長辺フレーム及び鉛直方向に伸長す
    る短辺フレームからなる略矩形形状のフレームとを有
    し、 前記支持部材の一端部は、少なくとも前記長辺フレーム
    の水平方向略中央部に結合されている、ことを特徴とす
    る請求項1記載の陰極線管。
  6. 【請求項6】 パネルの内面に設けられた蛍光体面に対
    向するように配置されて蛍光体面に入射する電子ビーム
    を制御することで色選別を行なう色選別機構と、前記色
    選別機構をパネルに対して支持する支持手段と、を備え
    る陰極線管であって、 前記支持手段は、前記色選別機構側に接続された保持部
    材と、一端部が前記保持部材側に他端部が前記パネル側
    にそれぞれ接続された支持部材とを有し、 前記保持部材は、前記蛍光体面と前記色選別機構との離
    隔距離を調節するバイメタル機構を有し、 前記支持部材は、前記一端部と他端部とに挟まれる中間
    領域が熱的に変形した際に、前記蛍光体面と略平行な面
    内でかつ色選別機構の縁に沿う方向において前記一端部
    と他端部とが相対的に移動しないように形成されてい
    る、ことを特徴とする陰極線管。
  7. 【請求項7】 前記支持部材は、前記蛍光体面と略平行
    な面内でかつ色選別機構の縁に沿う方向に伸長して前記
    中間領域に折り返し部を有し、かつ、前記一端部から折
    り返し部までの熱的膨縮量と前記他端部から折り返し部
    までの熱的膨縮量とが略等しくなるように形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項6記載の陰極線管。
  8. 【請求項8】 前記支持部材は、前記一端部から折り返
    し部までを形成する第1板バネ及び前記他端部から折り
    返し部までを形成する第2板バネからなる断面略V字状
    の板バネであり、 前記第1板バネ及び第2板バネは、同一の熱膨張係数を
    もつ材料により略同一の長さに形成されている、ことを
    特徴とする請求項7記載の陰極線管。
  9. 【請求項9】 前記支持部材は、別体をなす前記第1板
    バネ及び第2板バネを結合して形成されている、ことを
    特徴とする請求項8記載の陰極線管。
  10. 【請求項10】 前記色選別機構は、鉛直方向に伸長す
    る複数個の色選別電極と、前記複数個の色選別電極を水
    平方向に所定間隔をおいて配列した状態で支持すると共
    に水平方向に伸長する長辺フレーム及び鉛直方向に伸長
    する短辺フレームからなる略矩形形状のフレームとを有
    し、 前記支持部材の一端部は、少なくとも前記長辺フレーム
    の水平方向略中央部に結合されている、ことを特徴とす
    る請求項6記載の陰極線管。
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