JP2000214469A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2000214469A
JP2000214469A JP11016136A JP1613699A JP2000214469A JP 2000214469 A JP2000214469 A JP 2000214469A JP 11016136 A JP11016136 A JP 11016136A JP 1613699 A JP1613699 A JP 1613699A JP 2000214469 A JP2000214469 A JP 2000214469A
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JP
Japan
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crystal display
spacer
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substrate
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JP11016136A
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Nobuyuki Ito
信行 伊藤
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なセル厚を実現するとともに、十分な耐
衝撃性を有し、液晶の特性に影響を与えることのない信
頼性の高い液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 本液晶表示素子は、一対の電極基板10
・20を対向させて貼り合わせ、その間に液晶が封入さ
れて液晶層31が形成される構造を有する。さらに、電
極基板10にスペーサ15が形成されているとともに、
電極基板20に凹部Mが形成されている。そして、本液
晶表示素子では、スペーサ15と凹部Mとが噛み合うこ
とで、両基板10・20が機械的に固定されている。従
って、接着剤を用いることなく基板10・20を強固に
固定することができるので、十分な耐衝撃性を得ること
ができるとともに、接着剤による液晶の特性変化を招来
することがないようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の基板間に液
晶を封入してなる液晶表示素子に関し、特に、基板間の
距離を一定に保つためのスペーサを備えた液晶表示素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一方の面に電極が形成された
2つの基板を、電極の形成面を対向させて貼り合わせ、
電極の間隙に液晶を封入してなる液晶表示素子が知られ
ている。このような液晶表示素子では、外圧による基板
の変形などにより基板間の距離が変化すると、しきい値
電圧の変化、基板間での電極ショート、液晶分子の配向
の乱れ等が生じてしまい、良好な表示を得ることができ
なくなる。
【0003】そこで、上記のような液晶表示素子では、
基板間の距離(セル厚)を一定に保つために、基板間に
スペーサを配置する方法が採られており、一般には、
(1)「球状の粒子を散布する方法」、および、(2)
「有機系または無機系の柱を形成する方法」のいずれか
が用いられている。
【0004】(1)の方法の具体的な例としては、スペ
ーサとしての真珠微粒子を窒素雰囲気中に分散させ、基
板上に散布する乾式法がある。真珠微粒子としては、例
えば、ジビニルベンゼン系重合体等の有機系樹脂が用い
られる。また、真珠微粒子をアルコール溶液などに混合
し、基板上に霧状に散布する方法もある。
【0005】しかしながら、この(1)の方法は、以下
に示す第1〜3の問題点を有している。すなわち、ま
ず、第1の問題点は、微粒子は互いに凝集する性質をも
つため、基板上に均等に散布することが困難であり、均
一なセル厚を実現し難いことである。
【0006】また、第2の問題点としては、微粒子の配
置の制御が困難であるため、微粒子が画素部分にも散布
されてしまい、配向欠陥を招来し、表示品位を低下させ
る可能性があることが挙げられる。さらに、第3の問題
点は、スペーサが微粒子であるために、基板どうしが点
接点で支持されることになり、外圧に対する十分な強度
を得ることが困難であるということである。
【0007】一方、(2)の方法の具体的な例として
は、有機または無機系材料からなる所定厚さの膜を電極
上に形成し、この膜の上にレジスト膜を形成し、マスク
露光することにより、スペーサとしての柱を形成する方
法がある。また、レジスト膜の代わりに、感光性ポリイ
ミドあるいは感光性アクリル樹脂等の、感光性有機樹脂
を用いることもできる。
【0008】この(2)の方法は、スペーサとしての柱
を画素の外部に選択的に形成することができ、また、基
板と柱との接触面を任意のパターンに形成できるという
長所を備えている。従って、(1)の方法と比較して、
セル厚の均一性、外圧に対する強度、および表示品位の
点において優れている。
【0009】近年、液晶材料として、強誘電性液晶が注
目されている。この強誘電性液晶は、自発分極を有する
ことにより、応答速度が高い等、優れた性質を有してい
る。しかしながら、強誘電性液晶は、分子配向の規則性
がより結晶に近いため、この規則性が外圧によって乱さ
れた場合、元の状態に戻りにくい、すなわち、衝撃に対
して弱い、という問題点を有している。
【0010】このため、強誘電性液晶を用いた液晶表示
素子では、基板の構造を耐衝撃性に優れたものとする必
要があり、そのためには、(1)の方法に比較して、
(2)の方法によって基板間にスペーサを設けることが
より有効であると考えられている。
【0011】図8は、従来の液晶表示素子の構造例を示
す断面図である。この図に示すように、この液晶表示素
子は、一対の基板101・102を有している。これら
基板101・102は、少なくとも一方が透光性を有す
るものであり、各基板には、ストライプ状の電極103
・104、絶縁層105・106、配向制御層107・
108がそれぞれ形成されている。
【0012】また、基板101の配向制御層107上に
は、電極103の長手方向(図面に垂直な方向)と平行
に、均一な高さの壁状のスペーサ109が設けられてい
る。そして、このスペーサ109と、基板102の配向
制御層108とが接着されることにより、基板101・
102が貼り合わされ、その間隙に液晶が封入されて液
晶層110が形成されている。
【0013】図9は、従来の液晶表示素子における他の
構造例を示す説明図である。この図に示すように、この
液晶表示素子は、図8に示した液晶表示素子において、
基板101におけるスペーサ109,絶縁層105およ
び配向制御層107の形成順序を変えたものである。こ
の液晶表示素子では、各基板における配向制御層107
・108が接着されるようになる。
【0014】図10は、図8におけるY−Y’線矢視断
面図である。上記したように、スペーサ109は、基板
101上に、電極103の長手方向に対して平行方向に
形成されている。このため、スペーサ109が形成され
ている基板101上の領域は、電極103の厚みによる
段差の影響がなく、基板101は、スペーサ109と隙
間がなく接触するようになっている。
【0015】しかしながら、基板102における電極1
04は、スペーサ109と直交する方向に形成されてい
る。このため、基板101・102が貼り合わされる
と、基板102における電極104が形成されていない
部位には、スペーサ109の平坦な頂部との間に凹部1
11が形成されてしまう。従って、この液晶表示素子で
は、スペーサ109の頂部全体と基板102とを、隙間
なく接触させることができないようになっている。
【0016】液晶表示素子の耐衝撃性の向上は、一般に
は、一対の基板を均一な高さの壁状のスペーサで保持
し、セル厚の変化を生じにくくすることで実現できる。
また、さらに耐衝撃性を向上させるためには、壁状のス
ペーサで液晶を所定範囲に区切り、各範囲間における液
晶の流動を防ぐ必要がある。これは、加圧によるセル厚
の変化により液晶の配向が乱れても、それを1つの範囲
内にとどめ、隣接する範囲に拡げないようにするためで
ある。
【0017】しかしながら、図8および図10に示した
構造では、基板102における配向制御層108とスペ
ーサ109の頂部との間に凹部111が形成されてしま
うため、液晶層110をスペーサ109で完全に区切る
ことができない。すなわち、この構造では、凹部111
を介して、スペーサ109の長手方向に対して垂直方向
に液晶が動いてしまう。
【0018】従って、この構造では、加圧によって生じ
た配向乱れが、凹部111を介して、スペーサ109で
区切られた隣接の領域に次々と広がってしまうという問
題がある。また、液晶を注入する際に、凹部111に液
晶が入り込みにくく、注入不良が生じるという問題もあ
る。
【0019】この問題を解決するために、本願発明者等
は、スペーサ109を形成する位置を工夫し、図11お
よび図12に示すような液晶表示素子の開発に成功した
(図12は、図11に示した構成のX−X’線矢視断面
図である)。これらの図に示すように、この液晶表示素
子では、基板101上において、スペーサ109が基板
102の電極104の長手方向に平行に形成され、基板
102とスペーサ109の平坦な頂部とが隙間なく接触
するようになっている。
【0020】そして、基板101上においては、スペー
サ109は、電極103の長手方向に対して垂直方向
に、電極103による段差を横切るように形成されてい
る。すなわち、図13に示すように、基板101では、
スペーサ109により、電極103が分断されるように
なっている。
【0021】このように、基板101上に、電極103
を横切るようにスペーサ109を形成することで、両基
板101・102とスペーサ109とを隙間なく接触さ
せることができるようになっている。これにより、図1
0に示したような凹部111を解消することが可能とな
り、基板101・102間の接着力を増大させ、耐衝撃
性を向上させることが可能となっている。なお、図14
は、図11に示した構成において、スペーサ109、絶
縁層105および配向制御層107の形成順序を変えた
ものである。
【0022】また、特開平9−105945号公報に
は、双方の基板にスペーサを設けた液晶表示素子が開示
されている。図15は、この液晶表示素子の構成を示す
断面図である。この図に示すように、この液晶表示素子
では、スペーサ109を両基板101・102に形成
し、2つのスペーサ109・109どうしを対向させて
接着させるようになっている。この方法でも、スペーサ
109の平坦な頂部どうしが接着するため、図8に示し
た構成に比して接着力が増し、耐衝撃性が向上する。
【0023】しかしながら、上記したような従来の液晶
表示素子は、以下のような問題点を有している。すなわ
ち、通常、液晶表示素子における基板間の接着、例え
ば、図8に示した構成におけるスペーサ109と配向制
御層108との接着や、図15に示した構成におけるス
ペーサ109・109どうしの接着、あるいは、配向制
御層107・108どうしの接着は、接着剤による強力
な接着ではなく、材料どうしの緩やかな反応によるもの
である。従って、これらの接着における力は、一般的
に、十分に強いとは言えない。
【0024】また、本来、液晶表示素子のスペーサに
は、良好なパターニング性、均一な膜厚、および、適当
な硬さといった特性が必要である。また、配向制御層に
は、液晶を均一に配向させたり、一定のプレチルト角を
液晶に付与するといった特性が必要である。従って、こ
れらの特性に加えて、スペーサや配向制御層に接着性も
求めるならば、使用できる材料が非常に限られたものに
なり、所望の特性を得られない可能性が高くなってしま
う。
【0025】そこで、このような問題を解決するため
に、特開平6−331970号公報には、スペーサの頂
部に接着層を設け、スペーサと配向制御層とを接着剤に
より接着する構成が開示されている。
【0026】図16および図17は、図8および図9に
示した構成に、接着層121を加えた構成を示す断面図
である。また、図18および図19は、図11および図
14に示した構成に、接着層121を加えた構成を示す
断面図である。なお、図17および図19は、図16お
よび図18に示した構成において、基板101における
スペーサ109、絶縁層105および配向制御層107
の形成順序を変えたものである。
【0027】これらの図に示す接着層121は、スペー
サ109の頂部に、転写・印刷といった方法で配置され
るものである。この構成によれば、スペーサ109およ
び配向制御層108に接着性を求めなくても、これらの
間の接着強度を十分に強くすることができる。また、図
15に示したスペーサどうしを接着させる構成に、接着
層121を加える構成も、同様の理由で非常に有効であ
る。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成において、接着層121における接着剤量を適切に
制御することは、印刷・転写による方法を用いても非常
に困難な作業となる。そして、過少・過多の接着剤は、
以下に示すような問題を引き起こしてしまう。
【0029】すなわち、接着層121における接着剤の
量が少な過ぎると(転写不良)、スペーサ109と配向
制御層108との接着力が不十分となり、液晶表示素子
における耐衝撃性が低下してしまう。一方、接着剤の量
が多すぎると、スペーサ109の頂部から接着層121
がはみ出して画素部に侵入し、液晶のスイッチング不良
の原因となる。
【0030】さらに、上記の構成では、接着剤として、
液晶に影響を及ぼさないものを用いる必要がある。しか
しながら、液晶と接着剤との反応については未知の部分
が多く、接着剤成分の液晶への直接の溶解や、接着剤成
分から生成されるイオン性物質の液晶への溶解について
は不明な部分が多い。このため、接着剤の材料選択は極
めて困難な作業となっている。
【0031】本発明は、上記したような従来技術の問題
を解決するためになされたものである。そして、その目
的は、均一なセル厚を実現するとともに、十分な耐衝撃
性を有し、液晶の特性に影響を与えることのない信頼性
の高い液晶表示素子を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の液晶表示素子は、一対
の基板と、基板間に封入された液晶と、基板間の距離を
一定に保つためのスペーサとを備えた液晶表示素子にお
いて、一方の基板に凹部が設けられているとともに、他
方の基板にスペーサとなる凸部が設けられており、これ
ら凹部と凸部とが噛み合うように、両基板が貼り合わさ
れていることを特徴としている。
【0033】上記の構成では、一対の基板が、スペーサ
によって均一な間隔で互いに貼り合わされている。そし
て、特に、上記の構成では、一方の基板に凹部が形成さ
れている一方、他方の基板にスペーサとなる凸部が形成
されており、両基板が貼り合わされたときには、凸部と
凹部とは、対向した状態、すなわち、互いに噛み合った
状態となっている。すなわち、この構成では、凸部と凹
部とが互いに噛み合わされることで、両基板が機械的に
固定されるようになっている。このため、基板間の接着
のための構成(接着剤等)を用いることなく、両基板を
強固に固定することが可能となっている。
【0034】また、本発明の請求項2に記載の液晶表示
素子は、請求項1の構成において、上記凹部が、上記一
方の基板における電極の間隙に形成されていることを特
徴としている。これにより、スペーサとなる凸部に対す
る、電極あるいは金属配線の厚さに起因する凹凸による
段差の影響を軽減することができるようになっている。
さらに、凹部が設けられた基板における電極が、スペー
サによって分断されることがないので、電極の形成が容
易となるとともに、断線の発生を防ぐこともできる。
【0035】また、本発明の請求項3に記載の液晶表示
素子は、請求項1の構成において、上記凸部の幅が、凹
部の幅より広いことを特徴としている。上記の構成にお
いて、凸部および凹部の幅とは、例えば凸部が壁状であ
り、凹部が溝形状の場合であれば、それぞれの長手方向
に垂直な方向であって、基板に平行な方向の長さのこと
である。
【0036】そして、上記の構成では、凸部が凹部より
幅広に形成されているため、これらを噛み合わせた際、
これらの少なくとも一方が変形されることになる。この
ため、噛み合わせにおける摩擦力を増大させることがで
き、両基板の結合力を高めることが可能となる。また、
これら凸部の幅と凹部の幅との差異は、請求項4および
請求項5に記載のように、0.1μm〜5μmであるこ
とが好ましく、0.5μm〜2μmであることがさらに
好ましい。このようにすることで、請求項3に記載の構
成を実現することが容易となる。
【0037】さらに、上記の構成では、請求項6に記載
のように、凸部および凹部の少なくとも一方が弾性体か
らなるか、あるいは、請求項7に記載のように、凸部お
よび凹部が、互いに異なる弾性定数を有する弾性体から
なることが好ましい。上記の構成において、凹部をなす
物質とは、凹部の内壁を構成する物質のことである。そ
して、請求項6あるいは請求項7に記載の構成では、凸
部と凹部との噛み合わせの際、これらの間の摩擦力をさ
らに増大させることができるとともに、変形を可逆的な
ものとすることができる。従って、凹部および凸部に無
理な力がかかることを防止できるとともに、噛み合わせ
の際の凹部・凸部の破壊を防ぐことが可能となってい
る。
【0038】また、上記のように、凸部および凹部が互
いに異なる弾性定数を有する弾性体からなる場合、これ
ら凸部および凹部の材料としては、例えば、請求項8に
記載のように、ガラス、アクリル、ポリイミドおよびプ
ラスチックのいずれか2つを用いることが可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の第1の
実施の形態について以下に説明する。
【0040】図1は、本実施の形態にかかる液晶表示素
子(以下、本液晶表示素子とする)の構成を示す断面図
である。この図に示すように、本液晶表示素子は、一対
の電極基板10・20を対向させて貼り合わせ、その間
に液晶が封入されて液晶層31が形成される構造を有す
る。
【0041】電極基板10は、絶縁性基板11と、互い
に平行に配され、かつストライプ状に形成された複数の
電極12と、絶縁性基板11および電極12を覆うよう
に形成された絶縁膜13と、この絶縁膜13を覆うよう
に形成された配向制御層14と、この配向制御層14上
に形成された壁状のスペーサ15とによって構成されて
いる。図2は、この電極基板10における電極12とス
ペーサ15との形状を示す説明図である。この図に示す
ように、スペーサ15は、電極12…の長手方向に対し
て垂直方向に、各電極12を分断するように配されてい
る。
【0042】また、電極基板20は、絶縁性基板21
と、互いに平行に配され、かつストライプ状に形成され
た複数の電極22と、絶縁性基板21および電極22を
覆うように形成された絶縁膜23と、この絶縁膜23を
覆うように形成された配向制御層24とによって構成さ
れている。
【0043】図2に示すように、この電極基板20にお
ける絶縁性基板21には、周期的に、ストライプ形状の
溝部S…が形成されており、これら溝部S…を挟むよう
に,電極22…がストライプ状に形成されている。ま
た、図1に示すように、絶縁膜23および配向制御層2
4は、溝部Sの内部も覆うように成膜されており、溝部
Sとともに電極基板20における凹部Mを形成してい
る。そして、本液晶表示素子では、図1に示すように、
絶縁性基板11上に形成されたスペーサ15の頂部が電
極基板20における凹部Mと対向され、これらが機械的
に噛み合わされることにとにより、電極基板10・20
が貼り合わされている。
【0044】上記の絶縁性基板11・21は、少なくと
も一方が透光性を有する材料からなる。また、電極12
・22は、画像を形成するために、液晶層31の液晶に
所定電圧を印加するものであり、材料として、一般に、
ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極が用いられ
る。なお、ITOに限らず、他の金属からなる電極を用
いてもよい。また、液晶層31に用いる液晶としては、
強誘電性液晶組成物を用いることができる。強誘電性液
晶は、高速応答が可能でメモリ性を有するといった優れ
た特性を持つことから、大容量かつ高精細な画像を表示
することを可能にする。
【0045】上記の構成を備える本液晶表示素子は、以
下の工程により作製される。まず、電極12・22を形
成するために、絶縁性基板11・21の全表面に、スパ
ッタ法あるいはEB(電子ビーム蒸着)等によりITO
を成膜する。そして、これをフォトマスクを用いて露光
・現像し、臭化水素酸、塩化第2鉄等によってエッチン
グすることにより、ストライプ形状の電極12・22を
形成する。なお、このエッチングは、所定の形状にパタ
ーニングされたフォトレジストにより一部が保護された
状態で行われる。また、ITOの厚さは1000Åであ
る。
【0046】また、電極基板20に対しては、電極22
を形成した直後に、フォトレジストを除去せず、続いて
絶縁性基板21をフッ酸等によりエッチングすることに
よって、溝部Sを、幅が120μm、深さ0.35μm
となるように形成する。なお、溝部Sの幅とは、電極2
2の長手方向に垂直な方向の溝部Sの長さのことであ
る。
【0047】さらに、これら電極12・22上に、Si
2 をスピンコート法により塗布し、均一な表面を有す
る絶縁膜13・23を、膜厚が1000Åとなるように
形成する。次いで、チッソ社製の配向膜PSI−A−2
101をスピンコート法により塗布し、所定温度および
所定時間焼成を行い、配向制御層14・24を、膜厚が
500Åとなるように形成する。これにより、絶縁性基
板21の溝部Sの部位に、深さが0.2μm、幅が11
9.7μmの溝形状の凹部Mが、ストライプ状に形成さ
れる。なお、凹部Mの幅とは、凹部Mの長手方向に垂直
な方向の、凹部Mの開口の長さのことである。
【0048】その後、電極基板10における配向制御層
14上のスペーサ15を形成すべき位置に、新日鉄化学
社製のネガ型感光性アクリル樹脂V−259を、焼成後
の膜厚が1.7μm、幅が121μmになるようにスピ
ンコート法により塗布し、フォトマスクにより露光・現
像した後、約180℃で1時間の焼成を行うことによ
り、互いに平行な両側面および平坦な頂部を有する、均
一な高さの壁形状のスペーサ15を形成する。これによ
り、スペーサ15は、実質的に、凹部Mより1.3μm
だけ幅が広い構造となる。なお、スペーサ15の幅と
は、スペーサ15の長手方向に垂直な方向の、スペーサ
15における頂部(先端部)の長さのことである。
【0049】なお、このスペーサ15を形成する方向お
よび位置は、電極基板10における電極12の長手方向
に対して垂直方向かつ基板面方向、すなわち、電極基板
20における電極22の長手方向に対して平行方向であ
って、電極22・22の間に相当する位置である。
【0050】そして、両基板10・20にラビング処理
を施した後、スペーサ15と凹部Mとの位置を合わせて
これら基板を対向させ、0.9kg/cm2 の圧力で押
し合わせる。これにより、両基板10・20を固定する
ことができ、セル厚1.37μmの空パネルが作成され
る。そして、この空パネルに強誘電性液晶SCE8を注
入することにより、本液晶表示素子が完成される。
【0051】以上のような工程により作製された本液晶
表示素子における空パネルを顕微鏡で観察したところ、
凹部Mとスペーサ15とが噛み合い、両基板10・20
が堅固に固定されていることが確認された。また、本液
晶表示素子は、20kg/cm2 で加圧しても表示画像
の乱れが生じず、実用上十分な、優れた耐衝撃性を備え
ていることが確認された。
【0052】以上のように、本液晶表示素子は、電極基
板10にスペーサ15が形成されており、このスペーサ
15が電極基板20における凹部Mに嵌まり込み、両基
板10・20を機械的に固定するようになっている。従
って、基板間の結合に接着剤を用いることがないので、
接着剤と液晶との反応による液晶特性の変化等を全く危
惧する必要がないようになっている。
【0053】さらに、本液晶表示素子では、スペーサ1
5の幅が、凹部Mよりも1.3μmだけ大きくなってい
る。そして、絶縁性基板21がガラスからなる一方、ス
ペーサ15が樹脂からなるため、ガラスに囲まれている
凹部Mは弾性定数が大きく変形しにくい一方、樹脂から
なるスペーサ15は弾性定数が小さく変形しやすくなっ
ている。このため、両電極基板10・20を貼り合わせ
る際、スペーサ15が変形して凹部M内に挿入されるた
め、スペーサ15と凹部Mとの摩擦力が強くなり、これ
らが強固に噛み合うようになっている。これにより、電
極基板10・20の結合を非常に強くすることが可能と
なる。
【0054】ここで、スペーサ15の幅と凹部Mの幅と
の関係について簡単に説明する。図3(a)に示すよう
に、スペーサ15の幅が凹部Mの幅よりも狭い場合は、
両基板10・20を強固に固定することはできない。ま
た、図3(b)に示すように、スペーサ15の幅が凹部
Mの幅と同一である場合も、強固な固定は困難である。
【0055】一方、スペーサ15の幅が凹部Mよりも広
い場合、これらの一方が弾性体であれば、図3(c)に
示すように、弾性体の方の部材が変形して噛み合わされ
るため、摩擦力の増大により両基板10・20を堅固に
固定することができる。なお、スペーサ15および凹部
Mの双方が弾性体であってもよく、この場合、両者の弾
性定数が異なっていることが好ましい。
【0056】このように、本液晶表示素子では、両基板
10・20を強固に結合させるために、スペーサ15の
幅が凹部Mの幅よりわずかに広くなっているとともに、
これらが、互いに弾性定数の異なる材料から構成されて
いる。これにより、両基板10・20を貼り合わせる際
に、スペーサ15と凹部Mとの少なくとも一方が変形す
るので、双方に無理な力がかかることなく両基板10・
20を堅固に固定することができるようになっている。
なお、スペーサ15と凹部Mとの幅の差異は、0.1μ
mから5μmの範囲であることが好ましく、0.5μm
から2μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0057】また、本液晶表示素子では、凹部Mが、電
極基板20における電極22…の間隙に形成されてい
る。これにより、本液晶表示素子では、電極22の形状
が、スペーサ15にも凹部Mにも影響されることがな
い。このため、電極22の形成が容易であるとともに、
断線の発生を防ぐことができるようになっている。ま
た、電極22…の間隙に凹部Mを形成しない場合に比べ
て、基板10・20間の結合を強くすることができる。
【0058】ここで、電極22…と凹部Mとの位置関係
について説明する。図2に示すように、絶縁性基板21
における電極22…の間隙に、凹部Mとなる溝部Sを形
成し、この溝部Sに対向させて電極基板10にスペーサ
15を形成した場合、電極12・22の双方とも、基板
形状の影響を受けることがない。しかしながら、図4に
示すように、電極22…の間隙にスペーサ15を形成
し、このスペーサ15に対向させて、絶縁性基板11に
おける電極12に垂直な方向に凹部Mとなる溝部Sを形
成した場合、電極12が溝部Sの段差を覆うように形成
されることになり、断線が発生しやすい。
【0059】また、図2に示した構成では、電極基板2
0におけるスペーサ15との接触面が平面であるため、
スペーサ15と電極基板20との摩擦が大きく、かつ、
液晶が流動することもない。しかしながら、図4に示し
た構成では、絶縁性基板11における溝部Sに、電極1
2による段差が発生してしまう。このため、スペーサ1
5と電極基板10との摩擦が低減してしまうとともに、
液晶が流動する隙間が発生してしまうことになる。この
ように、凹部Mは、電極基板20における電極22…の
間隙に形成されることが好ましいといえる。
【0060】なお、本実施の形態では、スペーサ15が
樹脂からなり、凹部Mがガラスに囲まれているとしてい
るが、本液晶表示素子の構成はこれに限らない。これら
スペーサ15の材料および凹部Mを囲む物質としては、
例えば、ガラス、アクリル、ポリイミド、プラスチック
などの樹脂を用いることができる。
【0061】また、本液晶表示素子では、両基板10・
20のスペーサとして、壁状のスペーサ15を用いるよ
うになっているが、これに限らず、柱状のスペーサを用
いるようにしてもよい。
【0062】また、上記では、スペーサ15が配向制御
層14上に形成されるようになっているが、これに限ら
ず、スペーサ15を配向制御層14の下に形成すること
で、本液晶表示素子を、配向制御層14と配向制御層2
4とが接する構成とすることも可能である。この場合、
図5に示すように、スペーサ15は、絶縁膜13および
配向制御層14とともに、凹部Mに挿入されることにな
る。
【0063】図5は、このような構成を有する本液晶表
示素子の断面図である。この液晶表示素子は、図1に示
した液晶表示素子の構成において、絶縁膜13および配
向制御層14の下層に、スペーサ15が配されている構
成である。すなわち、この液晶表示素子における電極基
板10では、電極12が形成された絶縁性基板11に、
ネガ型感光性アクリル樹脂V−259からなるスペーサ
15が形成され、その後、絶縁膜13および配向制御層
14が積層された構成となっている。
【0064】このような構成の液晶表示素子を、スペー
サ15の幅を120μm、スペーサの高さを1.9μ
m、絶縁性基板21における溝部Sの幅を120μm、
凹部Mの深さを0.45μm、絶縁膜13・23の厚さ
を1000Å、配向制御層14・24の厚さを500Å
として作成した。なお、作成の工程は、電極基板10の
各層における形成順序以外は、図1に示した液晶表示素
子の形成工程と同様である。このように作成した場合、
凹部Mの幅が119.7μmとなるとともに、スペーサ
15の幅が120.3μmとなり、実質的に、スペーサ
15の幅が、凹部Mの幅より0.6μmだけ広い構造と
なる。また、セル厚は1.35μmとなる。
【0065】この液晶表示素子における空パネルを顕微
鏡で観察したところ、凹部Mとスペーサ15とが噛み合
い、両基板10・20が堅固に固定されていることが確
認された。また、この液晶表示装置に20kg/cm2
の圧力試験を施したところ、表示画像の乱れもなく、実
用上十分な耐衝撃性を備えていることが確認された。ま
た、この液晶表示素子では、図1に示した液晶表示装置
と同様に、2枚の電極基板10・20を固定するために
接着剤を使用しないので、接着剤と液晶との反応による
液晶特性の変化等を全く危惧する必要がない。
【0066】〔実施の形態2〕本発明の第2の実施の形
態について以下に説明する。なお、上記した実施の形態
1に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の
符号を付し、その説明を省略する。
【0067】図6は、本実施の形態にかかる液晶表示素
子(以下、本液晶表示素子とする)の構成を示す説明図
である。この図に示すように、本液晶表示素子は、図1
に示した液晶表示素子の構成において、電極基板20に
代えて、電極基板20aが用いられている構成である。
そして、電極基板20aは、電極基板20の構成におい
て、絶縁性基板21に代えて絶縁性基板21aが用いら
れているとともに、樹脂層25が形成されている構成で
ある。すなわち、この電極基板20aは、絶縁性基板2
1a上に、樹脂層25、電極22、絶縁膜23、配向制
御層24がこの順に積層されてなる構成である。
【0068】絶縁性基板21aは、溝部のない、平らな
表面を有するガラスからなっている。また、樹脂層25
は、この絶縁性基板21a上に、電極22の直下となる
位置に、ストライプ状に形成されている。このように、
本液晶表示素子では、平面形状の絶縁性基板21aと電
極22…との間に樹脂層25を配し、電極22…を絶縁
性基板21aから離すことで、電極22…の間に凹部M
を形成するようになっている。
【0069】この樹脂層25は、焼成後の膜厚が0.2
μm以上(0.35μm)になり、かつ、各樹脂層25
…の間隔が120μmとなるように、新日鉄化学社製の
ネガ型感光性アクリル樹脂V−259をスピンコート法
により絶縁性基板21aの所定位置に塗布し、フォトマ
スクにより露光・現像した後、約180℃で1時間の焼
成を行うことにより形成される。
【0070】このように樹脂層25が形成された絶縁性
基板21a上に、電極22、1000Åの絶縁膜23、
500Åの配向制御層24を図1に示した液晶表示素子
の製造工程と同様に形成し、幅が119.7μm、深さ
が0.2μmの凹部Mを有する電極基板20aを形成し
た。
【0071】また、絶縁性基板11上に、電極12、1
000Åの絶縁膜13、500Åの配向制御層14を図
1に示した液晶表示素子の製造工程と同様に形成し、こ
の配向制御層14上に、膜厚が1.8μm、幅が121
μmの、ガラスからなるスペーサ15を形成して、電極
基板10を作成した。なお、このスペーサ15の形成
は、配向制御層14上に、スパッタ法によりSiO2
を形成し、その後、レジスト形成、フォトマスクにより
露光・現像し、必要な部分を保護してから、フッ酸によ
り不要な部分を除去することによって行われた。これに
より、実質的に、スペーサ15が凹部Mより1.3μm
広い構造となる。
【0072】そして、両基板10・20aにラビング処
理を施した後、スペーサ15と凹部Mとの位置を合わせ
てこれら基板を対向させ、0.9kg/cm2 の圧力で
押し合わせる。これにより、両基板10・20aを固定
することができ、セル厚1.35μmの空パネルが作成
される。そして、この空パネルに強誘電性液晶SCE8
を注入することにより、本液晶表示素子が完成される。
【0073】以上のような工程により作製された本液晶
表示素子における空パネルを顕微鏡で観察したところ、
凹部Mとスペーサ15とが噛み合い、両基板10・20
aが堅固に固定されていることが確認された。また、本
液晶表示素子に、20kg/cm2 の圧力試験を施した
ところ、表示画像の乱れもなく、実用上十分な耐衝撃性
を備えていることが確認された。
【0074】また、本液晶表示素子では、従来の液晶表
示装置のように、2枚の電極基板10・20aを固定す
るために接着剤を使用しないので、接着剤と液晶との反
応による液晶特性の変化等を全く危惧する必要がない。
【0075】さらに、本液晶表示素子では、スペーサ1
5の幅が、凹部Mよりも1.3μmだけ大きくなってい
る。そして、樹脂層25が樹脂からなる一方、スペーサ
15がガラスからなるため、樹脂の内壁を有する凹部M
は弾性定数が小さくて変形しやすい一方、ガラスからな
るスペーサ15は弾性定数が大きく変形しにくくなって
いる。
【0076】このため、両電極基板10・20aを貼り
合わせる際、スペーサ15の形状に応じて凹部Mが変形
されるため、これらスペーサ15と凹部Mとが強固に噛
み合うようになっている。これにより、電極基板10・
20aの結合を非常に強くすることが可能となる。
【0077】なお、上記では、スペーサ15が配向制御
層14上に形成されるようになっているが、これに限ら
ず、スペーサ15を配向制御層14の前に形成すること
で、本液晶表示素子を、配向制御層14と配向制御層2
4とが接する構成とすることも可能である。この場合、
スペーサ15は、絶縁膜13および配向制御層14とと
もに、凹部Mに挿入されることになる。
【0078】図7は、このような構成を有する本液晶表
示素子の断面図である。この図に示す液晶表示素子は、
図6に示した液晶表示素子の構成において、絶縁膜13
および配向制御層14の下層に、スペーサ15が配され
ている構成である。すなわち、この液晶表示素子におけ
る電極基板10では、電極12が形成された絶縁性基板
11に、SiO2 からなるスペーサ15が形成され、そ
の後、絶縁膜13および配向制御層14が積層された構
成となっている。
【0079】このような構成の液晶表示素子を、スペー
サ15の幅を120μm、各樹脂層25…の間隔を12
0μm、深さ0.35μm、絶縁膜13・23の厚さを
1000Å、配向制御層14・24の厚さを500Åと
して作成した。なお、作成の工程は、電極基板10の各
層における形成順序以外は、図6に示した液晶表示素子
の形成工程と同様である。このように作成した場合、凹
部Mの幅が119.7μm、同じく深さが0.2μmと
なるとともに、スペーサ15の幅が120.3μmとな
り、実質的に、スペーサ15の幅が、凹部Mの幅より
0.6μmだけ広い構造となる。また、セル厚は1.3
5μmとなる。
【0080】この液晶表示素子における空パネルを顕微
鏡で観察したところ、凹部Mとスペーサ15とが噛み合
い、両基板10・20aが堅固に固定されていることが
確認された。また、この液晶表示装置に20kg/cm
2 の圧力試験を施したところ、表示画像の乱れもなく、
実用上十分な耐衝撃性を備えていることが確認された。
【0081】また、この液晶表示素子では、図6に示し
た液晶表示装置と同様に、2枚の電極基板10・20a
を固定するために接着剤を使用しないので、接着剤と液
晶との反応による液晶特性の変化等を全く危惧する必要
がない。
【0082】また、本発明の液晶表示素子は、以下の第
1〜第8の液晶表示素子として表現することもできる。
すなわち、第1の液晶表示素子は、少なくとも一方が光
透過性を有する一対の基板間に液晶を封入してなる液晶
表示素子において、該一対の基板の一方に柱状あるいは
壁状の凸部(スペーサ)が、該一対の基板の他の一方に
孔状あるいは溝状の凹部が形成され、両基板が凸部と凹
部の位置を合わせて対向され貼り合わされるとともに凸
部と凹部の摩擦により固定されていることを特徴とする
構成である。
【0083】この構成によれば、一方の基板に形成され
る凸部と他の基板に形成される凹部とを噛み合わせて両
基板を機械的に固定するため、材料間の接着や接着剤を
利用する必要がない。このため、両基板は強固に固定さ
れ、十分な耐ショック性が得られるとともに、液晶と接
着剤との反応による特性変化や信頼性低下といった問題
も発生しない。
【0084】また、第2の液晶表示素子は、第1の液晶
表示素子の構成において、凸部の高さが凹部の深さより
大きく、凸部の高さと凹部の深さの差により液晶層のセ
ル厚を形成することを特徴とする構成である。
【0085】また、第3の液晶表示素子は、第1あるい
は第2の液晶表示素子の構成において、凸部の幅が上記
凹部の幅よりわずかに広く、凸部と凹部の幅の差が0.
1μmから5μm、好ましくは0.5μmから2μmで
あることを特徴とする構成である。この構成によれば、
凸部が凹部よりわずかに広いことにより、両者が噛み合
う際に摩擦による強固な基板の固定が可能となる。
【0086】また、第4の液晶表示素子は、第1〜第3
の液晶表示素子の構成において、上記凸部を構成する物
質の弾性定数が上記凹部を構成する物質の弾性定数より
大きいことを特徴とする構成である。
【0087】また、第5の液晶表示素子は、第1〜第3
の液晶表示素子の構成において、上記凸部を構成する物
質の弾性定数が上記凹部を構成する物質の弾性定数より
小さいことを特徴とする構成である。
【0088】第4あるいは第5の液晶表示素子の構成に
よれば、第3の液晶表示素子のように、凸部が凹部より
わずかに広く両者が強固に噛み合う際に、両者の弾性定
数の大きさが異なるため、無理に力がかかることがな
く、凸部または凹部が破壊されてしまうといったことが
ない。
【0089】すなわち、凸部が凹部よりも狭い場合は、
基板を対向させても固定することはできない。また、凸
部と凹部とが同じ幅の場合も、強固な固定は困難であ
る。凸部が凹部よりも広く、凸部・凹部のどちらか一方
が弾性体である場合、あるいは両者が弾性体であり、弾
性定数が異なる場合には、一方が変形して噛み合うた
め、噛み合わせによる摩擦が大きくなり、強固な固定が
可能となる。このように、上記の構成によれば、均一な
セル厚を有するとともに、十分な耐衝撃性を備え、液晶
の特性に影響を与えることのない信頼性の高い液晶表示
素子を提供することができる。
【0090】また、第6の液晶表示素子は、第1〜第5
の液晶表示素子の構成において、一方の基板の電極の間
隙に凹部が形成され、他方の基板には対向する上記一方
の基板の電極の間隙に形成された凹部に対向する位置に
凸部が形成されることを特徴とする構成である。この構
成によれば、電極の間隙に凹部を形成することで、電極
形状が凸部にも凹部にも影響されることがない。このた
め、電極形成が容易で、断線の発生を防ぐこともでき
る。
【0091】また、電極の間隙に凹部を形成しない場合
に比べて、より強い固定が可能となる。すなわち、一方
の基板における電極の間隙に凹部を形成し、対向基板に
凸部を形成した場合、両基板の電極とも基板形状の影響
は受けない。また、凸部と凹部との対向するそれぞれの
頂部と底部は平坦であり、摩擦が最大であり、液晶が流
動することもない。
【0092】これに対し、一方の基板における電極の間
隙に凸部を形成し、対向基板の電極に垂直な方向に凹部
を形成した場合、対向基板の電極が凹部の段差を覆うよ
うに形成されることになるため、断線が発生しやすい。
さらに、対向基板の表面の凹部に電極の厚みによる段差
が発生するため、凸部との摩擦が低減し、液晶が流動す
る隙間が発生してしまう。
【0093】また、第7の液晶表示素子は、第1〜第6
の液晶表示素子の構成において、上記凸部および凹部を
構成する弾性物質が、ガラス,アクリル,ポリイミドお
よびプラスチックなどの樹脂からなることを特徴とする
構成である。これら第1〜第7の液晶表示素子は、耐衝
撃性に優れ、液晶の特性に影響を与えることのない信頼
性の高い液晶表示素子となっている。
【0094】また、第8の液晶表示素子は、互いに貼り
合わされた第1および第2の基板と、これら基板間の距
離を一定に保つためのスペーサとを備えた液晶表示素子
において、第1の基板に凹部が設けられているととも
に、第2の基板にスペーサとなる凸部が設けられてお
り、両基板が貼り合わされたときに、これら凸部と凹部
とが互いに噛み合うようになっていることを特徴とする
構成である。
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の液晶表示素子は、一対の基板と、基板間に封入された
液晶と、基板間の距離を一定に保つためのスペーサとを
備えた液晶表示素子において、一方の基板に凹部が設け
られているとともに、他方の基板にスペーサとなる凸部
が設けられており、これら凹部と凸部とが噛み合うよう
に、両基板が貼り合わされている構成である。上記の構
成では、凸部と凹部とが噛み合うことで、両基板が機械
的に固定されるようになっている。このため、上記の構
成によれば、基板間の接着のための構成(接着剤等)を
用いることなく、両基板を強固に固定することが可能と
なるという効果を奏する。
【0096】また、本発明の請求項2に記載の液晶表示
素子は、請求項1に記載の構成において、上記凹部が、
上記一方の基板における電極の間隙に形成されている構
成である。これにより、請求項1の効果に加えて、スペ
ーサとなる凸部に対する、電極あるいは金属配線の厚さ
に起因する、凹凸による段差の影響を軽減することがで
きるという効果を奏する。さらに、凹部が設けられた基
板における電極がスペーサによって分断されることがな
いので、電極の形成が容易となるとともに、断線の発生
を防ぐことも可能となる。
【0097】また、本発明の請求項3に記載の液晶表示
素子は、請求項1の構成において、上記凸部の幅が、凹
部の幅より広い構成である。上記の構成では、凸部が凹
部より幅広に形成されているため、これらを噛み合わせ
た際、これらの少なくとも一方が変形されることにな
る。このため、請求項1の効果に加えて、噛み合わせに
おける摩擦力を増大させることができ、両基板の結合力
を高めることが可能となるという効果を奏する。
【0098】また、これら凸部の幅と凹部の幅との差異
は、請求項4および請求項5に記載のように、0.1μ
m〜5μmであることが好ましく、0.5μm〜2μm
であることがさらに好ましい。このようにすることで、
請求項3の効果に加えて、請求項3の構成を実現するこ
とが容易となるという効果を奏する。
【0099】さらに、請求項3の構成では、請求項6に
記載のように、凸部および凹部の少なくとも一方が弾性
体からなるか、あるいは、請求項7に記載のように、凸
部および凹部が互いに異なる弾性定数を有する弾性体か
らなることが好ましい。このようにすれば、噛み合わせ
の際、弾性体が変形されることにより、凹部と凸部との
摩擦力をさらに増大させることができるとともに、変形
を可逆的なものとすることができる。従って、請求項3
の効果に加えて、凹部および凸部に無理な力がかかるこ
とを防止できるとともに、噛み合わせの際の凹部・凸部
の破壊を防ぐことが可能となるという効果を奏する。
【0100】また、上記のように、凸部および凹部が互
いに異なる弾性定数を有する弾性体からなる場合、これ
ら凸部および凹部の材料としては、例えば、請求項8に
記載のように、ガラス、アクリル、ポリイミドおよびプ
ラスチックのいずれか2つを用いることが可能である。
このようにすれば、請求項7の効果に加えて、請求項7
の構成を実現することが容易となるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態にかかる液晶
表示素子の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した液晶表示素子における基板の形状
を示す説明図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、図1に示した液晶表示
素子における2つの基板の固定状態を示す説明図であ
り、図3(a)はスペーサの幅が凹部の幅よりも狭い場
合、図3(b)はスペーサの幅が凹部の幅と同一の場
合、図3(c)はスペーサの幅が凹部の幅よりも広い場
合における、2つの基板の固定状態を示す説明図であ
る。
【図4】一方の基板における電極の間隙にスペーサを形
成し、このスペーサに対向させて、他方の基板における
電極に垂直な方向に溝部を形成した場合の、各基板の形
状を示す説明図である。
【図5】本発明における第1の実施の形態にかかる液晶
表示素子の他の構成を示す説明図である。
【図6】本発明における第2の実施の形態にかかる液晶
表示素子の構成を示す説明図である。
【図7】本発明における第2の実施の形態にかかる液晶
表示素子の他の構成を示す説明図である。
【図8】従来の液晶表示素子の構成を示す断面図であ
る。
【図9】従来の液晶表示素子の他の構成を示す断面図で
ある。
【図10】図8に示した液晶表示素子のY−Y’線矢視
断面図である
【図11】従来の液晶表示素子の他の構成を示す断面図
である。
【図12】図11に示した液晶表示素子のX−X’線矢
視断面図である
【図13】図11に示した液晶表示素子の基板形状を示
す説明図である。
【図14】図11に示した液晶表示素子の構成におい
て、一方の基板におけるスペーサ、絶縁層および配向制
御層の形成順序を変えた構成を有する液晶表示素子を示
す説明図である。
【図15】従来の液晶表示素子の他の構成を示す断面図
である。
【図16】図8に示した液晶表示素子の構成に接着層を
加えた構成を有する液晶表示素子の断面図である。
【図17】図9に示した液晶表示素子の構成に接着層を
加えた構成を有する液晶表示素子の断面図である。
【図18】図11に示した液晶表示素子の構成に接着層
を加えた構成を有する液晶表示素子の断面図である。
【図19】図14に示した液晶表示素子の構成に接着層
を加えた構成を有する液晶表示素子の断面図である。
【符号の説明】
10,20,20a 電極基板 11,21,21a 絶縁性基板 12,22 電極 15 スペーサ M 凹部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板と、基板間に封入された液晶
    と、基板間の距離を一定に保つためのスペーサとを備え
    た液晶表示素子において、 一方の基板に凹部が設けられているとともに、他方の基
    板にスペーサとなる凸部が設けられており、これら凹部
    と凸部とが噛み合うように、両基板が貼り合わされてい
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】上記凹部が、上記一方の基板における電極
    の間隙に形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】上記凸部の幅が凹部の幅より広いことを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】上記凸部の幅と凹部の幅との差が、0.1
    μm〜5μmであることを特徴とする請求項3に記載の
    液晶表示素子。
  5. 【請求項5】上記凸部の幅と凹部の幅との差が、0.5
    μm〜2μmであることを特徴とする請求項3に記載の
    液晶表示装置。
  6. 【請求項6】上記凸部および凹部の少なくとも一方が、
    弾性体からなることを特徴とする請求項3に記載の液晶
    表示装置。
  7. 【請求項7】上記凸部および凹部が、互いに異なる弾性
    定数を有する弾性体からなることを特徴とする請求項3
    に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記凸部および凹部が、ガラス、アクリ
    ル、ポリイミドおよびプラスチックのいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
JP11016136A 1999-01-25 1999-01-25 液晶表示素子 Pending JP2000214469A (ja)

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