JP2000214107A - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析装置

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JP2000214107A
JP2000214107A JP11327962A JP32796299A JP2000214107A JP 2000214107 A JP2000214107 A JP 2000214107A JP 11327962 A JP11327962 A JP 11327962A JP 32796299 A JP32796299 A JP 32796299A JP 2000214107 A JP2000214107 A JP 2000214107A
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ray
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隆 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型蛍光X線分析装置や全反射蛍光X線分
析装置において、X線管から検出器に至る光路上に配置
された光学素子を含む部品の物質の影響を受けないよう
にして、分析精度を向上することができる蛍光X線分析
装置を提供する。 【解決手段】 走査型蛍光X線分析装置においては、試
料Sから検出器8に至る光路上に配置した光学素子を含
む部品4,5,7を、X線管2のターゲット材3と同一
の物質で構成しまたは表面を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料にX線管から
のX線を照射し、試料から発生した蛍光X線の強度を検
出器で測定して試料を分析する蛍光X線分析装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、X線を照射した試料から発生
する蛍光X線の強度を測定して試料を分析する蛍光X線
分析装置が知られている。このうち、波長分散型の蛍光
X線分析装置、例えば走査型の蛍光X線分析装置は、タ
ーゲット材から放射されるX線を試料に照射するX線
管、試料の測定部位からの蛍光X線のみを後述する検出
器に取り込むように視野制限する絞り孔をもつ視野制限
絞り、視野制限された蛍光X線を平行化する一次ソーラ
スリット、蛍光X線を分光する分光結晶、分光した蛍光
X線を平行化する二次ソーラスリット、分光した蛍光X
線の強度を検出する検出器、および分光結晶と検出器を
一定の角度関係を保って回動させるゴニオメータを備え
ている。すなわち、走査型蛍光X線分析装置とは、試料
からの蛍光X線を分光結晶で分光し、その分光したX線
の強度を検出器で測定し、さらに上記結晶、二次ソーラ
スリット、検出器等を駆動することにより、複数の蛍光
X線の強度を測定して、試料を分析する形式の蛍光X線
分析装置である。
【0003】上記視野制限絞り、一次,二次ソーラスリ
ット等の光学素子は、一般にステンレス鋼や真鍮等によ
り構成され、特にソーラスリットでは、X線の透過を防
止するため、重金属メッキを施している場合もある。こ
の重金属からの蛍光X線はバックグラウンドとして処理
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、X線管のター
ゲット材から放射されるX線は、連続X線と特性X線か
ら成る、図6のようなエネルギー分布を持っており、そ
のうち特性X線が特に強くなっている。したがって、検
出器で検出するX線には、試料からの蛍光X線のみなら
ず、X線管のターゲット材から放射されたX線が試料で
散乱されたものも含まれており、その中でも特性X線が
比較的強い。この散乱線は上記光学素子を構成する物質
中の元素から蛍光X線を発生させる場合がある。走査型
の蛍光X線分析装置では、種々の波長の蛍光X線(分析
対象X線)が共通の光学素子を通過するから、分析対象
の蛍光X線の波長が光学素子からの蛍光X線の波長と重
なる場合がある。
【0005】このため、例えば光学素子がステンレス鋼
(鉄)で構成されている場合、試料中の鉄を分析すると
きには、この光学素子から発生した鉄(Fe)の蛍光X
線のため、分析精度が低下するという問題があった。す
なわち、走査型の場合、試料から検出器に至る光路上に
光学素子を含む部品が配置されており、試料と検出器間
に配置された各部品からの蛍光X線の影響による分析精
度の低下が問題となる。なお、波長分散型でも、いわゆ
る多元素同時蛍光X線分析装置は、分析対象X線ごとに
対応する光学素子(固定ゴニオ)を備えるので、かかる
問題は生じにくい。
【0006】一方、全反射蛍光X線分析装置等のエネル
ギー分散型の蛍光X線装置においては、半導体検出器
(SSD)のようなX線検出器を収容する密閉容器の内
面および窓の縁の部分に、励起用の一次X線および試料
で発生した二次X線が入射し、これらX線で励起されて
発生した蛍光X線が検出器に入射するため、この部分か
らの蛍光X線に起因して分析精度が劣化するという問題
があり、この容器の内面および窓の縁の部分を、検出し
ようとする物質に含まれるおそれのない物質で被覆し
て、この部分からの蛍光X線に起因する分析精度の低下
を防止したものが知られている(実公平8−2604
号)。また、このエネルギー分散型の場合、試料の表面
と検出器とを接近させて配置しており、走査型のように
試料と検出器間の光学素子の存在が問題となることは少
ない。
【0007】しかし、X線管から試料に至る光路上に、
一次X線の単色化のための分光結晶や、全反射が起こる
ような微小な入射角を実現し、試料の測定部位のみに一
次X線を照射するためのスリット等の光学素子を含む部
品が配置されており、X線管と試料間に配置された各部
品からの蛍光X線の影響による分析精度、感度の低下が
問題となる。
【0008】本発明は上記問題点を解決して、走査型蛍
光X線分析装置や全反射蛍光X線分析装置において、X
線管から検出器に至る光路上に配置された光学素子を含
む部品の物質の影響を受けないようにして、分析精度を
向上することができる装置を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、試料にX線管からのX線を照射
し、試料から発生した蛍光X線を分光結晶で分光し、分
光した蛍光X線の強度を検出器で測定して試料を分析す
る走査型蛍光X線分析装置であって、試料から検出器に
至る光路上に配置した光学素子を含む1つ以上の部品の
うちの1つまたは複数について、その部品の少なくとも
一部分を、X線管のターゲット材と同一の物質で構成し
または表面を被覆している。
【0010】上記構成によれば、X線管のターゲット材
と同一の物質で構成しまたは表面を被覆している部品か
ら発生する蛍光X線は、ターゲット材から放射されて周
囲の部品で散乱した特性X線の散乱線と同一のエネルギ
ーであり、通常、特性X線の散乱線の付近の元素分析は
しないので、新たに分析の妨害となることがないから、
分析対象元素の分析精度が向上する。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、さらに、前記X線管が、相異なる物質のターゲット
材を複数有して各ターゲット材が選択可能に設けられ、
前記部品の少なくとも1つは、相異なる前記物質で構成
されまたは表面が被覆された構成部分を複数有し、選択
されたターゲット材に応じた前記物質の構成部分を前記
光路上に配置させる交換機構を備えている。したがっ
て、ターゲット材に応じた物質の構成部分を容易に光路
上に配置させることができる。
【0012】請求項3の発明は、試料にX線管からのX
線を照射し、試料から発生した蛍光X線を分光結晶で分
光し、分光した蛍光X線の強度を検出器で測定して試料
を分析する走査型蛍光X線分析装置であって、試料から
検出器に至る光路上に配置した光学素子を含む1つ以上
の部品のうちの1つまたは複数について、その部品の少
なくとも一部分を、試料の分析対象物質の特性X線に近
接したエネルギーの特性X線を持たない物質で構成しま
たは表面を被覆している。
【0013】上記構成によれば、試料の分析対象物質の
特性X線に近接したエネルギーの特性X線を持たない物
質で構成しまたは表面を被覆している部品から発生する
蛍光X線は、分析対象である試料中の元素からの蛍光X
線とはエネルギーが近接していないので、新たに分析の
妨害となることがないから、分析対象元素の分析精度が
向上する。
【0014】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、さらに、前記部品少なくとも1つは、相異なる前記
物質で構成されまたは表面が被覆された構成部分を複数
有し、試料に応じた前記物質の構成部分を前記光路上に
配置させる交換機構を備えている。したがって、試料に
応じた物質の構成部分を容易に光路上に配置させること
ができる。
【0015】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかにおいて、前記部品の少なくとも1つは、一次ソ
ーラスリットである。
【0016】請求項6の発明は、試料にX線管からのX
線を照射して全反射させ、試料から発生した蛍光X線の
強度を検出器で測定して試料を分析する全反射蛍光X線
分析装置であって、X線管から検出器に至る光路上に配
置した光学素子を含む1つ以上の部品のうちの1つまた
は複数について、その部品の少なくとも一部分を、試料
の分析対象物質の特性X線に近接したエネルギーの特性
X線を持たない物質で構成しまたは表面を被覆してい
る。請求項6の発明によれば、上記請求項3の発明と同
様の作用効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係
る走査型蛍光X線分析装置の正面図を示す。本装置は、
試料Sが載置される試料台9、ターゲット材3から放射
される一次X線B1を試料Sに照射するX線管2、試料
Sの測定部位からの蛍光X線(二次X線)B2のみを後
述する検出器8に取り込むように視野制限する絞り孔4
aをもつ視野制限絞り4、視野制限された蛍光X線B2
を平行化する一次ソーラスリット5、ブラッグの式を満
足する波長の蛍光X線B2のみを入射角θと同一の回折
角θで回折する分光結晶6、回折した蛍光X線B3を平
行化する二次ソーラスリット7、および蛍光X線B3の
強度を検出する検出器8を備えており、この検出値に基
づいて試料Sの元素分析がなされる。分光結晶6と検出
器8とは、図示しないゴニオメータにより、分光結晶6
で分光される蛍光X線B3の波長を変えながら分光され
た蛍光X線B3が検出器8に入射するように、一定の角
度関係を保って回動される。つまり、本装置は走査型の
蛍光X線分析装置である。
【0018】ターゲット材3には、一般に、軽元素分析
用にはロジウム(Rh),クロム(Cr)等、重元素分
析用にはタングステン(W),モリブデン(Mo)等が
用いられる。一次,二次ソーラスリット5,7は、図1
の紙面に垂直に置かれた多数の箔(平板)を同一間隔で
平行に並べてその間にX線を通過させ、所望の方向に平
行化したX線を得るものである。分光系の光学素子であ
る視野制限絞り4、一次,二次ソーラスリット5,7
は、例えばステンレス鋼を母材として構成される。
【0019】本装置は、試料Sから検出器8に至る光路
L上に配置した光学素子4,5,7を、X線管2のター
ゲット材3と同一の物質でその表面を被覆している。例
えば、X線管2のターゲット材3にロジウム(Rh)を
用いる場合、図2(a)に示すように、視野制限絞り4
の母材31の表面に、Rhメッキ50が施される。同様
に、図2(b)に示すように、一次ソーラスリット5の
上記多数の箔32およびこれらの箔32を囲む外板33
の表面にもRhメッキ50が施される。二次ソーラスリ
ット7も同様である。このRhメッキの厚さは、母材3
1、32、33がステンレス鋼(Fe)である場合、約
1μm以下でよい。ターゲット材3(図1)にクロム
(Cr)を用いる場合には、各光学素子の表面にCrメ
ッキが施される。上記メッキの他、スパッタ蒸着、電子
ビーム蒸着等で被覆するようにしてもよい。
【0020】上記構成の装置の動作を説明する。図1に
おいて、試料S中の元素分析を行う際に、まず、X線管
2のターゲット材3から発生した一次X線B1が試料S
に照射される。試料Sからは、試料S中の元素の蛍光X
線とともに、ターゲット材3からの1次X線B1の散乱
線が、分光系の各光学素子4,5,7に入射する。各光
学素子4,5,7は、その表面にターゲット材3と同一
の物質であるロジウム(Rh)メッキが施されている。
【0021】上記蛍光X線B2は、視野制限絞り4によ
り視野制限され、一次ソーラスリット5により平行化さ
れ、分光結晶6によりブラッグの式を満足する所定の波
長の蛍光X線B2のみが入射角θと同一の回折角θで回
折される。つぎに、回折された蛍光X線B3は、二次ソ
ーラスリット7により平行化され、検出器8により蛍光
X線B3の強度が検出される。
【0022】この場合、ターゲット材3からの1次X線
B1の散乱線が、上記視野制限絞り4、一次ソーラスリ
ット5、二次ソーラスリット7の各光学素子の表面のR
hメッキに当たって、これらに含まれる元素の蛍光X
線、つまり、Rhの蛍光X線が発生し、検出器8に入射
される。
【0023】これらの蛍光X線は、もともとターゲット
材3からの特性X線として検出されていたX線と同一の
エネルギーであり、通常、Rhの特性X線の付近の元素
分析はしないことから、新たに分析の妨害となることが
ない。
【0024】なお、この実施形態では、視野制限絞り
4、一次ソーラスリット5、二次ソーラスリット7につ
いて、ターゲット材3と同一の物質で表面を被覆してい
るが、いずれか1つ、例えば一次ソーラスリット5のみ
を被覆してもよいし、さらに、上記光学素子の他に、分
光結晶6や検出器8の図示しない架台、分光系のチャン
バーの内面等の部品に適用してもよい。
【0025】なお、この実施形態では、各光学素子を、
ターゲット材3と同一の物質で表面を被覆しているが、
各光学素子の全体をターゲット材3と同一の物質で構成
してもよい。
【0026】本発明の第2実施形態を図3に示す。本装
置では、試料Sから検出器8に至る光路L上に配置した
光学素子である視野制限絞り14、一次ソーラスリット
15、二次ソーラスリット17は、試料Sの分析対象物
質の特性X線に近接したエネルギーの特性X線を持たな
い物質でその表面が被覆されている。上記光学素子1
4,15,17は、それぞれ、相異なる上記物質でその
表面が被覆されて独立して光学素子の機能を果たす構成
部分を複数有し、各交換機構24,25,27は、それ
ぞれ試料Sに応じた物質の構成部分を光路L上に配置さ
せる。この例では、各光学素子14,15,17は、各
素子ごとに、相異なる複数のメッキ材でその表面がそれ
ぞれメッキされた構成部分を複数有している。その他の
構成は図1と同様である。
【0027】上記複数の視野制限絞り14は、試料Sか
らの蛍光X線B2を通過させる光路Lと直交するように
置かれた、例えば1枚の円盤状に形成されている。その
交換機構24は、例えば視野制限絞り14をその軸14
a回り(R1方向)に回動させるロータリー型であり、
光路Lと平行な軸心回りに回動させることにより、図4
に示す視野制限絞り14の複数の絞り孔14A〜14G
(構成部分)のいずれか1つに交換するものである。こ
の例ではロータリー型にしているが、光路L(図3)に
直交する方向に進退させるスライド型であってもよい。
視野制限絞り14は、試料S(図3)が小さく絞り孔径
が小さい程、絞り孔の周辺部分に衝突するX線の量の、
絞り孔を通過するX線の量に対する比率が増すので、そ
の構成物質から出る蛍光X線の影響が大きくなる。絞り
孔径の小さい絞り孔については、同一孔径同士の複数の
絞り孔(例えば14A,14B)を1組とし、孔径の異
なる複数の組が設けられており(14A,14Bと14
C,14D)、同一孔径同士の絞り孔の周縁部(構成部
分)は、それぞれ、相異なるメッキ材51,52でその
表面がメッキされている。絞り孔径の大きい14E〜1
4Gにはメッキが施されていない。
【0028】図3の上記複数の一次ソーラスリット15
(15A〜15C)は、蛍光X線B2を通過させる光路
L方向の長さは同一で、光路Lと直交する方向に連結さ
れている。その交換機構25は、例えばスライド式であ
り、視野制限絞り14で視野制限された蛍光X線B2の
光路Lと直交する方向に進退させることにより、スリッ
ト15A〜15C(構成部分)のいずれか1つを光路L
上に進出させるものである。この例ではスライド型にし
ているが、光路Lと平行な軸心回りに回動させるロータ
リー型であってもよい。二次ソーラスリット17および
その交換機構27も同様の構成である。
【0029】複数の分光面を円周上に配置した分光結晶
16(16A〜16J)は、蛍光X線B2がその分光面
により所定の分光角を得られるように配置されている。
その交換機構26は、例えば分光結晶16をその軸16
a回り(R2方向)に回動させるロータリー型であり、
図3の紙面に垂直な軸心回りに回動させることにより、
任意の分光結晶16A〜16Jに交換するものである。
【0030】なお、この実施形態では、各光学素子を、
試料Sの分析対象物質の特性X線に近接したエネルギー
の特性X線を持たない物質で表面を被覆しているが、各
光学素子の全体をこの物質で構成してもよい。
【0031】上記構成の装置の動作を説明する。試料S
中の元素分析を行う際に、まず、X線管2から発生した
一次X線B1が試料Sに照射される。試料Sから、試料
S中の元素の蛍光X線B2が分光系の各光学素子14,
15,17に入射する。各光学素子14,15,17
は,試料Sの分析対象物質の特性X線に近接したエネル
ギーの特性X線を持たない相異なる物質のメッキが個々
の構成部分に施されており、試料Sに応じて各交換機構
24,25,27により構成部分が交換される。したが
って、試料Sに応じた物質の構成部分を容易に光路L上
に配置させることができる。
【0032】この場合、光路L上の光学素子14,1
5,17から発生する蛍光X線は、分析対象である試料
S中の元素からの蛍光X線とはエネルギーが近接してい
ないので、新たに分析の妨害となることがないから、分
析対象元素の分析精度が向上する。
【0033】ここで、分析対象の試料Sとメッキ材との
組合せ例を示す。分析対象の試料Sがステンレス鋼の場
合、メッキ材として例えばRu,Rh,Pd,Ag,C
d,In,Sn,Sb,Teのいずれかが選択される。
分析対象の試料Sがセラミックの場合、メッキ材として
例えばRu,Rh,Pt,Auのいずれかが選択され
る。
【0034】また、試料Sの分析対象物質の特性X線
と、光学素子のメッキ材の特性X線は、装置の波長(エ
ネルギー)分解能や分析対象X線の波長に大きく依存す
るが、エネルギーが約50〜500eV程度離れている
必要がある。
【0035】この実施形態では、各ソーラスリット15
A〜15C,17A〜17Cの箔間隔は同一でもよい
が、装置の要求される分解能と感度によっては、箔間隔
を変えたものを用いるようにしてもよい。例えば、箔間
隔を狭くして高分解能に、箔間隔を広くして高感度にす
る。特に、二次ソーラスリット17においては、軽元素
分析用では蛍光収率が小さく高感度にする必要があるこ
とから箔間隔を広くし、重元素分析用ではスペクトルが
接近して高分解能にする必要があることから箔間隔を狭
くする。また、検出器8も、軽元素分析用は例えば比例
計数管(PC)、重元素分析用では例えばシンチレーシ
ョンカウンタ(SC)を交換して使用する。
【0036】なお、この実施形態によれば、複数の光学
素子(構成部分)を交換する交換機構を有しているが、
交換機構を設けずにそれぞれ単一の光学素子を用いても
よい。
【0037】また、この実施形態では、視野制限絞り1
4、一次ソーラスリット15、二次ソーラスリット17
について、試料Sの分析対象物質の特性X線に近接した
エネルギーの特性X線を持たない物質で表面を被覆して
いるが、いずれか1つ、例えば一次ソーラスリット15
のみを被覆してもよいし、さらに、上記光学素子の他
に、分光結晶16や検出器8の図示しない架台、分光系
のチャンバーの内面等の部品に適用してもよい。
【0038】本発明の第3実施形態を図5に示す。本装
置は、第1実施形態のように、X線管2のターゲット材
3と同一の物質で部品34,35,37を構成しまたは
表面を被覆して、部品34,35,37から発生する蛍
光X線が新たに分析の妨害となることがないようにした
ものであるが、第1実施形態と異なり、X線管2は、相
異なる物質のターゲット材3を複数有して、各ターゲッ
ト材3が選択可能に設けられている。これとともに、本
装置は、第2実施形態のように、部品34,35,37
が相異なる物質で構成されまたは表面が被覆された構成
部分を複数有し、選択されたターゲット材3に応じた物
質の構成部分を光路L上に配置させる交換機構24,2
5,27を備えている。
【0039】図5(b)のように、ターゲット材3は、
例えばRh/CrデュアルターゲットX線管のように半
円形の異なる材質のターゲット材2つが組み合わされて
いる。ターゲット材3の周りには電子源となるフィラメ
ントFが設けられている。フィラメントFは各ターゲッ
ト材3に相対してA領域とB領域を有し、これら各領域
に独立に電流を流す切替スイッチ28(図5(a))が
設けられている。この切り替えにより、A領域とB領域
のいずれか一方のみを発熱させ、熱電子を放出させるこ
とができる。この熱電子はフィラメントFとターゲット
材3間の電位差により加速されてターゲット材3に入射
し、X線が発生する。このX線管をRhX線管として使
用するときにはフィラメントFのA領域に電流が流さ
れ、この領域から放出された熱電子はRh部分に入射す
る。同様に、CrX線管として使用するときにはフィラ
メントFのB領域に電流が流される。
【0040】図5(a)の部品34,35,37は、例
えばRhメッキが施された構成部分とCrメッキが施さ
れた構成部分を有し、交換機構24,25,27は、タ
ーゲット材3にCrが選択されるとき、それぞれCrメ
ッキが施された構成部分を光路L上に配置させる。これ
により、選択されたターゲット材3に応じた物質の構成
部分を光路L上に配置させるので、部品34,35,3
7から発生する蛍光X線は新たに分析の妨害となること
がないから、分析対象元素の分析精度が向上する。
【0041】次に、本発明の第4実施形態の装置につい
て説明する。図7に示すように、この装置は、いわゆる
全反射蛍光X線分析装置であって、試料台9に載置され
た半導体ウエハ等の試料Sに、例えば0.08度程度の
微小な入射角で一次X線B5を照射し、全反射したX線
B6を試料Sの直上に位置するSSD等の検出器8に入
射させないように逃がしつつ、試料Sから発生した蛍光
X線B2の強度を検出器8で測定して試料Sを分析す
る。
【0042】ここで、試料Sに入射される一次X線B5
は、試料Sにおいて分析対象物質の特性X線に近接した
エネルギーの特性X線を励起しないように、すなわち分
析線に重なって測定の妨害となるような蛍光X線を発生
させないように、X線管2から発生したX線B4を分光
結晶6で単色化したものである。また、試料Sに入射さ
れる一次X線B5は、上記全反射が起こるような微小な
入射角を実現するために、分光結晶6に対向する光学素
子であるナイフエッジ41、および、スリット孔(紙面
に垂直な線状の孔)42a,43aを有して分光結晶6
から試料Sまでの光路L上に配置された光学素子である
2つのスリット42,43により、絞られ、紙面に垂直
な方向に幅をもつ帯状のX線である。
【0043】さて、このように全反射蛍光X線分析装置
においてX線管2から検出器8に至る光路L上に配置し
た光学素子であるナイフエッジ41およびスリット4
2,43は、従来はMoで構成されていた。しかし、試
料Sの分析対象物質がMoである場合には、X線管2か
ら発生したX線B4や分光結晶6で単色化された一次X
線B5により、ナイフエッジ41やスリット42,43
のMoが励起されて特性X線Mo−Kαが発生し、それ
が検出器8に入射すると、本来検出器8で測定されるべ
き試料S中のMoからの特性X線Mo−Kαのバックグ
ラウンドとなるので、Moについて感度が不十分であっ
た。
【0044】そこで、この第4実施形態の装置では、ナ
イフエッジ41およびスリット42,43を、Pdで構
成している。すなわち、X線管2から検出器8に至る光
路L上に配置した光学素子41,42,43を、試料S
の分析対象物質Moの特性X線Mo−Kαに近接したエ
ネルギーの特性X線を持たない物質Pdで構成してい
る。
【0045】第4実施形態の装置によれば、全反射蛍光
X線分析において、光路L上の光学素子41,42,4
3から蛍光X線Pd−Kαが発生しても、分析対象であ
る試料S中の元素Moからの蛍光X線Mo−Kαとはエ
ネルギーが近接していないので、新たに分析の妨害(バ
ックグラウンド)となることがないから、分析対象元素
Moの分析精度、感度(S/N比)が向上する。しか
も、Pdで構成すれば、Moで構成するのと同様に、加
工が精度よくできるので、スリット孔42a,43aの
形状を正確に作製できる。
【0046】なお、この実施形態の装置では、ナイフエ
ッジ41およびスリット42,43について、試料Sの
分析対象物質の特性X線に近接したエネルギーの特性X
線を持たない物質で構成しているが、いずれか1つ、例
えばスリット43のみをそのような物質で構成してもよ
いし、さらに、上記光学素子41,42,43の他に、
分光結晶6や検出器8の図示しない架台、一次X線光学
系のチャンバーの内面等の部品に適用してもよい。
【0047】また、この実施形態の装置では、各光学素
子41,42,43全体を、試料Sの分析対象物質の特
性X線に近接したエネルギーの特性X線を持たない物質
で構成しているが、各光学素子41,42,43の表面
をこの物質で被覆してもよい。
【0048】さらに、この実施形態では、各光学素子4
1,42,43を、試料Sの分析対象物質の特性X線に
近接したエネルギーの特性X線を持たない物質で構成し
ているが、各光学素子をターゲット材3と同一の物質で
構成するか、ターゲット材3と同一の物質で表面を被覆
してもよい。その場合には、第1実施形態の装置と同様
の作用効果が得られる。
【0049】さらにまた、この実施形態の装置では、交
換機構を設けずにそれぞれ単一の光学素子41,42,
43を用いているが、第2実施形態または第3実施形態
の装置のように、各光学素子について、複数の光学素子
(構成部分)とそれを交換する交換機構を有してもよ
い。その場合には、第2実施形態または第3実施形態の
装置と同様の作用効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の一構成によれ
ば、走査型蛍光X線分析装置や全反射蛍光X線分析装置
において、X線管のターゲット材と同一の物質で構成し
または表面を被覆している部品から発生する蛍光X線
は、ターゲット材から放射されて周囲の部品で散乱した
特性X線の散乱線と同一のエネルギーであり、通常、特
性X線の散乱線の付近の元素分析はしないので、新たに
分析の妨害となることがないから、分析対象元素の分析
精度が向上する。
【0051】また、本発明の他の構成によれば、走査型
蛍光X線分析装置や全反射蛍光X線分析装置において、
試料の分析対象物質の特性X線に近接したエネルギーの
特性X線を持たない物質で構成しまたは表面を被覆して
いる部品から発生する蛍光X線は、分析対象である試料
中の元素からの蛍光X線とはエネルギーが近接していな
いので、新たに分析の妨害となることがないから、分析
対象元素の分析精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る走査型蛍光X線分
析装置を示す正面図である。
【図2】(a)は視野制限絞りを示す横断面図、(b)
はソーラスリットを示す縦断面図である。
【図3】第2実施形態に係る走査型蛍光X線分析装置を
示す正面図である。
【図4】第2実施形態の視野制限絞りの平面図である。
【図5】(a)は第3実施形態に係る走査型蛍光X線分
析装置を示す正面図、(b)はRh/Crデュアルター
ゲットX線管の要部の概略を示す斜視図である。
【図6】X線管からのX線のエネルギー分布を示す特性
図である。
【図7】第4実施形態に係る全反射蛍光X線分析装置を
示す正面図である。
【符号の説明】
2…X線管、3…ターゲット材、4,14,34…視野
制限絞り(光学素子)、5,15,35…一次ソーラス
リット(光学素子)、7,17,37…二次ソーラスリ
ット(光学素子)、8…検出器、24,25,27…交
換機構、S…試料、L…光路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にX線管からのX線を照射し、試料
    から発生した蛍光X線を分光結晶で分光し、分光した蛍
    光X線の強度を検出器で測定して試料を分析する走査型
    蛍光X線分析装置であって、 試料から検出器に至る光路上に配置した光学素子を含む
    1つ以上の部品のうちの1つまたは複数について、その
    部品の少なくとも一部分を、X線管のターゲット材と同
    一の物質で構成しまたは表面を被覆した走査型蛍光X線
    分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、 前記X線管は、相異なる物質のターゲット材を複数有し
    て各ターゲット材が選択可能に設けられ、 前記部品の少なくとも1つは、相異なる前記物質で構成
    されまたは表面が被覆された構成部分を複数有し、選択
    されたターゲット材に応じた前記物質の構成部分を前記
    光路上に配置させる交換機構を備えた走査型蛍光X線分
    析装置。
  3. 【請求項3】 試料にX線管からのX線を照射し、試料
    から発生した蛍光X線を分光結晶で分光し、分光した蛍
    光X線の強度を検出器で測定して試料を分析する走査型
    蛍光X線分析装置であって、 試料から検出器に至る光路上に配置した光学素子を含む
    1つ以上の部品のうちの1つまたは複数について、その
    部品の少なくとも一部分を、試料の分析対象物質の特性
    X線に近接したエネルギーの特性X線を持たない物質で
    構成しまたは表面を被覆した走査型蛍光X線分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、さらに、 前記部品の少なくとも1つは、相異なる前記物質で構成
    されまたは表面が被覆された構成部分を複数有し、試料
    の分析対象物質に応じた前記物質の構成部分を前記光路
    上に配置させる交換機構を備えた走査型蛍光X線分析装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、 前記部品の少なくとも1つは、一次ソーラスリットであ
    る走査型蛍光X線分析装置。
  6. 【請求項6】 試料にX線管からのX線を照射して全反
    射させ、試料から発生した蛍光X線の強度を検出器で測
    定して試料を分析する全反射蛍光X線分析装置であっ
    て、 X線管から検出器に至る光路上に配置した光学素子を含
    む1つ以上の部品のうちの1つまたは複数について、そ
    の部品の少なくとも一部分を、試料の分析対象物質の特
    性X線に近接したエネルギーの特性X線を持たない物質
    で構成しまたは表面を被覆した全反射蛍光X線分析装
    置。
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