JP2000212850A - 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体 - Google Patents

織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体

Info

Publication number
JP2000212850A
JP2000212850A JP11004920A JP492099A JP2000212850A JP 2000212850 A JP2000212850 A JP 2000212850A JP 11004920 A JP11004920 A JP 11004920A JP 492099 A JP492099 A JP 492099A JP 2000212850 A JP2000212850 A JP 2000212850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
original
data
image data
hls
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11004920A
Other languages
English (en)
Inventor
Taneo Imafuku
苗生 今福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP11004920A priority Critical patent/JP2000212850A/ja
Publication of JP2000212850A publication Critical patent/JP2000212850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原版と実際に作成される織物とで、色彩の印
象が大きく変化することないように、かつ効率的に色ま
とめをする。 【解決手段】 コンピュータ2は、画像入力装置18か
ら織物作成用原版のRGB画像データを入力する。コン
ピュータ2はまた、電子式ジャガード織機20で使用す
る色糸の数(色数)をキーボード6より入力する。コン
ピュータ2は、織物作成用原版の画像データの色分布を
解析し、織物の柄作成時に用いられる糸の色に対応する
選定色を生成する。選定色はまた、オペレータが選定
し、コンピュータ2に入力することも可能である。コン
ピュータ2は、原版の画像データおよび選定色の色デー
タをHLS表色系で表される色データに変換し、原版の
各画素ごとに画像データと選定色の色データとを比較す
る。そして、織物作成用原版の各画素の色データを上記
選定色のうちのもっとも近い色の色データに置き換え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキャナ等の画像
入力装置を用いて入力した織物の原版の画像データを処
理し、織物の柄作成に際して用いられる糸のカラーコー
ドデータに変換する織物作成用画像処理システムおよび
織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】織物を作成する場合、先ず織物のデザイ
ンをし、そのデザインに必要な柄を作成、あるいは編集
する。既に存在する柄を使用する場合、その織物柄作成
用の原版をドラムスキャナ等の画像入力装置を用いてコ
ンピュータ内に入力する。このようにコンピュータ内に
入力して得られる原版の画像データは通常、R、G、B
各色8ビットの階調で表現される1,670万色のいわ
ゆるフルカラー画像データである。以下、本明細書中で
は織物柄作成用の原版を単に「原版」と称する。
【0003】一方、実際の織物に用いられる糸の色数
は、多くても256色程度である場合が普通である。し
たがって、織機で実際に用いられる糸の色数に応じて原
版の画像データの色数をいわば整理する必要がある。具
体的には、色合いがある程度似通っている複数の色に対
して1色の糸を用いることにより、フルカラーの原版の
柄を限られた色数の糸で織物として再現する。このよう
にフルカラーの原版の色を織機で実際に用いられる糸の
色数に類別・整理して色数を減らす手法を「色まとめ」
と称する。また、上記色まとめにより織機で実際に用い
る色として選定される候補色を「選定色」と称する。
【0004】コンピュータは、原版の画像データの各画
素に対応するR、G、B各8ビットの色データと、選定
色のR、G、B各8ビットの色データとを比較して、原
版の画像データの各画素の色合いが、どの選定色の色合
いに最も近いかを後述する手順によって順次求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フルカラーの原版の柄
を、上述した色まとめによってたとえば256色の糸を
用いて織物上に再現するような場合、出来上がる織物の
色調は原版の色調にほぼ準じたものを得ることができ
る。しかし、織物あるいは織機の仕様により使用可能な
糸の数が限られる場合、出来上がる織物の印象が原版の
有する印象と異なるものとなる場合やコンピュータがう
まく色まとめを行うことができない場合があった。以
下、原版の色数に比して織機で実際に使用可能な糸の色
数が少ないことにより生じる問題点を説明する。
【0006】コンピュータは、上述したように原版の画
像データの各画素に対応するR、G、B各8ビットの色
データと、選定色のR、G、B各8ビットの色データと
を比較して色まとめを行う。これを概念的に説明する
と、R軸、G軸およびB軸からなる3次元の直交座標系
に各選定色の色データをプロットしておき、この座標系
に原版の画像データの所定画素の色データをさらにプロ
ットする。そしてこの原版の画像データの所定画素の色
データがどの選定色の色データに近いかを座標間距離に
基づいてコンピュータは判定する。この判定を原版の画
像データの全画素について順次繰り返す。
【0007】上述した座標間距離は、比較する2色の座
標値を(R1、G1、B1)および(R2、G2、B
2)としたときに、以下の式(1)で表される。この式
(1)に基づいて算出される座標間距離が最も小さくな
る選定色を求め、色まとめがなされる。なお、下記式
(1)で求められる値は実際の座標間距離を2乗したも
のとなるが、以下では説明の簡略化のため、式(1)で
求められる値を単に「座標間距離」と称する。
【数1】 座標間距離=(R1−R2)2+(G1−G2)2−(B1−B2)2 … 式(1)
【0008】ところで、選定色の色数が少ない場合、座
標間距離が最小となる選定色を求めて色まとめをしただ
けでは出来上がる織物の印象が原版の印象と異なる場合
がある。これについてRGB座標系で定義される色空間
の概念を示す図7を参照して説明する。いま、原版の所
定画素の色データが座標P2に位置するものとし、この
色データに比較的近い選定色が座標P1およびP3に位
置するものとする。
【0009】式(1)によって座標P1〜P2および座
標P2〜P3間の座標間距離を求めて両者を比較した場
合、座標P1〜P2の座標間距離の方が小さくなること
が図7より直観的に理解できる。したがって、座標P2
に位置する原版の色データは座標P1に位置する選定色
の色データに色まとめされる。
【0010】しかし、このように色まとめされると原版
の薄ピンクが織物上では薄水色として再現されてしま
い、原版の印象と織物の印象とが大きく異なってしま
う。この場合には、座標間距離が多少大きくても座標P
2に位置する原版の色データを座標P3に位置する選定
色の色データに色まとめした方がより好ましい結果を得
ることができる。
【0011】以上のように、原版の色データと選定色の
色データとの座標間距離が単に最小となるようにして色
まとめしたのでは必ずしも好結果を得ることができな
い。この問題を解決する方法として、原版の色データと
選定色の色データとの座標間距離にあらかじめしきい値
を設けておき、座標間距離がこのしきい値内にない場合
には色まとめに際して類別不能の色としてオペレータに
判定を委ねるものがある。この方法によれば、上記しき
い値を小さくするほど上述した不具合が低減される反
面、類別不能としてはじかれる色も増えてしまう。類別
不能色が増えた場合、オペレータがこれらの類別不能色
を手動操作により類別して色まとめする必要があり、場
合によっては選定色を再選定しなおす必要も生じ、色ま
とめの作業性を大きく低下させていた。
【0012】上記不具合を解決するための1案として、
以下に示す手順により色まとめするものが特開平5−5
4137号公報に開示されている。すなわち、 1) 原版のRGB画像データを色相Hと彩度Sとで表
されるHS画像データに変換し、 2) このHS画像データに関してHS平面上で2次元
ヒストグラムを作成し、 3) HS画像データの分布状態(分散および平均値)
に基づいて指定された色数の代表色を求め、 4) 上記代表色で色まとめされた限定色画像を生成す
る。
【0013】上記手順によれば、原版のRGB画像デー
タをHS画像データに変換してから色まとめの処理を行
うことにより、RGB色空間における座標間距離の大小
に基づいて生じる上記不具合は抑制される。しかし、上
記代表色は統計的に処理されて自動的に生成されるた
め、織機で実際に使用可能な糸の色に必ずしも一致しな
い場合があった。結果として、自動的に生成された代表
色に基づいてオペレータが織機で実際に使用する色を再
度選定しなおす必要のある場合があった。また、上記手
順では原版の色の明度の差が考慮されていない。そのた
め、原版の色が濃い赤、薄い赤、…、などというよう
に、明度の相異なる同系色で構成される、いわゆるモノ
トーンのものである場合に望ましい結果を得ることがで
きない場合があった。
【0014】本発明は、原版と実際に作成される織物と
で、色彩の印象が大きく変化することなく、かつ効率的
に色まとめをすることの可能な織物作成用画像処理シス
テムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記
憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1) 一実施の形態を
示す図1および図3に対応付けて説明をすると、第1の
発明は、織物柄作成用原版の画像データが有する原版色
情報の色種類数を織物作成時に用いられる糸の色種の数
に応じて減じ、色まとめをする織物作成用画像処理シス
テムに適用される。そして、RGB表色系で表される織
物柄作成用原版の画像データを、HLS表色系で表され
るHLS原版画像データに変換する原版画像データ変換
手段(コンピュータ2により実行される図3のフローチ
ャートで示される処理においてステップS106〜ステ
ップS107の処理に相当)と;織物作成時に用いる糸
の色種である複数の選定色を設定する選定色設定手段
(同じくステップS103の処理に相当)と;RGB表
色系で表され、複数の選定色に対応するRGB選定色デ
ータのそれぞれを、HLS表色系で表されるHLS選定
色データに変換する選定色データ変換手段(同じくステ
ップS104の処理に相当)と;HLS原版画像データ
とHLS選定色データとの比較結果に基づいて、織物柄
作成用原版の画像データの画素ごとの原版色情報を複数
種類の選定色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそ
れぞれ変換して柄作成用データを生成する柄作成用デー
タ生成手段(同じくステップS108〜ステップS11
3およびステップS120〜121の処理に相当)とを
有することにより上述した目的を達成する。 (2) 一実施の形態を示す図1および図6に対応付け
て説明をすると、第2の発明は、織物柄作成用原版の画
像データが有する原版色情報の色種類数を織物作成時に
用いられる糸の色種の数に応じて減じ、色まとめをする
織物作成用画像処理システムに適用され;RGB表色系
で表される織物柄作成用原版の画像データを、HLS表
色系で表されるHLS原版画像データに変換する原版画
像データ変換手段(コンピュータ2により実行される図
6のフローチャートに示される処理においてステップS
206〜ステップS207の処理に相当)と;織物作成
時に用いる糸の色種である複数の選定色を設定する選定
色設定手段(同じくステップS103の処理に相当)
と;RGB表色系で表され、複数の選定色に対応するR
GB選定色データのそれぞれを、HLS表色系で表され
るHLS選定色データに変換する選定色データ変換手段
(同じくステップS104の処理に相当)と;HLS原
版画像データとHLS選定色データとの比較結果に基づ
いて、織物柄作成用原版の画像データの画素ごとの原版
色情報を複数種類の選定色のうちのいずれかの色種を表
す色情報にそれぞれ変換する際に用いられる変換テーブ
ルを作成する色変換テーブル作成手段(同じくステップ
S108〜ステップS111、ステップS120、ステ
ップS212〜ステップS213およびステップS22
1の処理に相当)とを有するものである。 (3) 一実施の形態を示す図1、図3および図6に対
応付けて説明をすると、第3の発明に係る織物作成用画
像処理システムは、柄作成用データ生成手段(コンピュ
ータ2により実行される図3のフローチャートに示され
る処理においてステップS108〜ステップS113お
よびステップS120〜121の処理に相当)または色
変換テーブル作成手段(コンピュータ2により実行され
る図6のフローチャートに示されるフローチャートに示
される処理においてステップS108〜ステップS11
1、ステップS120、ステップS212〜ステップS
213およびステップS221の処理に相当)が、HL
S原版画像データとHLS選定色データとの比較に際
し、少なくともH(色相)データ同士およびS(彩度)
データ同士の比較を行うものである。 (4) 一実施の形態を示す図1および図3に対応付け
て説明すると、第4の発明に係る織物作成用画像処理シ
ステムは、織物作成用原版の画像データが有する原版色
情報の分布を解析する解析手段(コンピュータ2により
実行される図3のフローチャートに示される処理におい
てステップS101の処理に相当)をさらに有し;選定
色設定手段は、入力された選定色数と、上記解析手段に
より解析された原版色情報の分布の状態とに基づいて選
定色を設定(同じくステップS103の処理に相当)す
るものである。 (5) 一実施の形態を示す図1および図3に対応付け
て説明をすると、第5の発明は、織物柄作成用原版の画
像データが有する原版色情報の色種類数を織物作成時に
用いられる糸の色種の数に応じて減じ、色まとめをする
織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶
媒体である。そして、RGB表色系で表される織物柄作
成用原版の画像データを、HLS表色系で表されるHL
S原版画像データに変換する原版画像データ変換手順
(コンピュータ2により実行される図3のフローチャー
トで示される処理においてステップS106〜ステップ
S107の処理に相当)と;織物作成時に用いる糸の色
種である複数の選定色を設定する選定色設定手順(同じ
く、ステップS103の処理に相当)と;RGB表色系
で表され、複数の選定色に対応するRGB選定色データ
のそれぞれを、HLS表色系で表されるHLS選定色デ
ータに変換する選定色データ変換手順(同じくステップ
S104に相当)と;HLS原版画像データとHLS選
定色データとの比較結果に基づいて、織物柄作成用原版
の画像データの画素ごとの原版色情報を複数種類の選定
色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変換
して柄作成用データを生成する柄作成用データ生成手順
(同じくステップS108〜ステップS113およびス
テップS120〜121の処理に相当)とを有する織物
作成用画像処理システムの制御手順を記憶したものであ
る。 (6) 一実施の形態を示す図1および図6に対応付け
て説明をすると、第6の発明は、織物柄作成用原版の画
像データが有する原版色情報の色種類数を織物作成時に
用いられる糸の色種の数に応じて減じ、色まとめをする
織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶
媒体である。そして、RGB表色系で表される織物柄作
成用原版の画像データを、HLS表色系で表されるHL
S原版画像データに変換する原版画像データ変換手順
(コンピュータ2により実行される図3のフローチャー
トで示される処理においてステップS106〜ステップ
S107の処理に相当)と;織物作成時に用いる糸の色
種である複数の選定色を設定する選定色設定手順(同じ
く、ステップS103の処理に相当)と;RGB表色系
で表され、複数の選定色に対応するRGB選定色データ
のそれぞれを、HLS表色系で表されるHLS選定色デ
ータに変換する選定色データ変換手順(同じくステップ
S104に相当)と;HLS原版画像データとHLS選
定色データとの比較結果に基づいて、織物柄作成用原版
の画像データの画素ごとの原版色情報を複数種類の選定
色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変換
する際に用いられる変換テーブルを作成する色変換テー
ブル作成手順(同じくステップS108〜ステップS1
11、ステップS120、ステップS212〜ステップ
S213およびステップS221の処理に相当)とを有
する織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した
ものである。
【0016】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を参照したが、これにより
本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】(1) 第1または第5の発明によれ
ば、RGB表色系で表される織物柄作成用原版の画像デ
ータをHLS表色系で表されるHLS原版画像データ
に、そしてRGB表色系で表される選定色の色データを
HLS表色系で表されるHLS選定色データにそれぞれ
変換し、HLS原版画像データとHLS選定色データと
の比較結果に基づいて、織物柄作成用原版の画像データ
の画素ごとの原版色情報を複数の選定色種のうちのいず
れかの選定色種を表す色情報にそれぞれ変換して柄作成
用データを生成することにより、織物柄作成用原版と実
際に作成される織物とで色彩の印象が大きく変化するこ
とがない。 (2) 第2または第6の発明によれば、RGB表色系
で表される織物柄作成用原版の画像データをHLS表色
系で表されるHLS原版画像データに、そしてRGB表
色系で表される選定色の色データをHLS表色系で表さ
れるHLS選定色データにそれぞれ変換し、HLS原版
画像データとHLS選定色データとの比較結果に基づい
て、織物柄作成用原版の画像データの画素ごとの原版色
情報を複数の選定色種のうちのいずれかの選定色種を表
す色情報にそれぞれ変換する際に用いられる変換テーブ
ルを作成することにより、この変換テーブルを用いて色
まとめされた柄作成用データに基づいて作成された織物
と織物柄作成用原版とで色彩の印象が大きく変化するこ
とがない。 (3) 第3の発明によれば、色変換手段または色変換
テーブル作成手段が、HLS原版画像データとHLS選
定色データとを比較する際に少なくともH(色相)デー
タ同士およびS(彩度)データ同士の比較を行うことに
より画像処理の速度を増すことができる。 (4) 第4の発明によれば、織物作成用原版の画像デ
ータが有する原版色情報の分布の解析結果と入力された
選定色数とに基づいて選定色を設定することにより、従
来オペレータの勘で行われていた選定色の決定を自動的
に行うことができ、色まとめに要する作業時間の短縮が
可能となるとともに経験の少ないオペレータが操作して
も安定した色まとめ処理結果を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】− 第1の実施の形態 − 図1は、本発明の実施の形態に係る織物作成用画像処理
システムの概略的構成を示すブロック図である。
【0019】図1において、織物作成用画像処理システ
ムの中核をなすコンピュータ2にはディスプレイ4、キ
ーボード6、ハードディスクドライブ8、フロッピーデ
ィスクドライブ10、CD−ROMドライブ12、マウ
ス14、そしてタブレット16が接続される。コンピュ
ータ2はまた、フラットベッドスキャナやドラムスキャ
ナ等の画像入力装置18、カラープリンタ22および電
子色ジャガード織機20が接続される。なお、本明細書
中ではハードディスクドライブを「HDD」と称し、フ
ロッピーディスクドライブを「FDD」と称する。
【0020】オペレータが画像入力装置18に原版をセ
ットし、コンピュータ2を操作することにより原版の画
像データ(フルカラー、あるいはこれに準じたRGBデ
ータ)はコンピュータ2内に入力される。あるいは、フ
ロッピーディスクやCD−ROMなどの記憶媒体に記憶
されている原版の画像データをFDD10やCD−RO
Mドライブ12からコンピュータ2内に入力することも
できる。また、画像入力装置18やFDD10、あるい
はCD−ROMドライブ12から入力した同じ画像デー
タを頻繁に用いる必要がある場合にはHDD8にこの画
像データを記憶しておき、このHDD8から原版の画像
データを入力することもできる。
【0021】上述のようにコンピュータ2に入力された
原版の画像データはディスプレイ4に表示される。この
画像データに基づく画像は、必要に応じてカラープリン
タ22より出力することもできる。
【0022】オペレータは、キーボード6、タブレット
16あるいはマウス14を操作して後述する色まとめの
処理開始の指令をコンピュータ2に発する。色まとめさ
れた原版の画像データ(色まとめされて色情報の種類が
減じられたRGBデータ)は、電子式ジャガード織機2
0に出力される。あるいは、この色まとめされた原版の
画像データを一度フロッピーディスクに記憶させ、この
フロッピーディスクに記憶された画像データを電子式ジ
ャガード織機20に接続されるFDD24を介して電子
式ジャガード織機20に入力するものであってもよい。
【0023】さらに、コンピュータ2から電子式ジャガ
ード織機20へは、色まとめされた原版の画像データに
代えて、色まとめする前の画像データが有する色情報の
それぞれをどの選定色に変換して色まとめするのかの対
応関係をまとめた変換テーブルを出力するものであって
もよい。この場合、色まとめする前の画像データはフロ
ッピーディスクドライブ24を介して電子式ジャガード
織機20内に入力してもよいし、あるいは上記変換テー
ブルとともにコンピュータ2から入力するものであって
もよい。
【0024】コンピュータ2で実行される色まとめの処
理の説明に先立ち、HLS表色系の概要について図2を
参照して説明する。HLS表色系は、図2に示されるよ
うに二つの同一形状の円錐の底面同士を合わせた紡錘形
状の色空間を有する。つまり、円錐の底面の半径方向に
彩度Sを、円周方向に色相角度Hを、円錐の高さ方向に
明度Lをそれぞれとって、極座標と直交座標とを組み合
わせてなる色空間となっている。
【0025】この色空間内において、円錐の回転対称軸
(L軸)上に沿って変化する座標値で表現される色は無
彩色となり、この回転対称軸上を図2に示す紡錘形の上
から下に向かうにつれて表現される色は白から黒へと変
化する。
【0026】また、円錐の底面上で所定の色相角度を保
ちつつ半径を増減する方向に沿って変化する座標値で表
現される色は一定の色相を有する色となり、上記底面の
中心からの距離を増す方向に向かうにつれて表現される
色は無彩色から所定の色相の純色となる。
【0027】さらに、円錐の底面上で所定の半径を保ち
つつ周方向に沿って変化する座標値で表現される色は一
定の彩度を有する色となり、色相角度H=0(度)の位
置から反時計回りの方向に向かうにつれて色相が赤→橙
→黄→緑→…と変化する。
【0028】上述したHLS表色系において、座標値
(H、L、S)によって任意の色を一義に定めることが
できる。
【0029】コンピュータ2により実行される色まとめ
処理プログラムのフローチャートを示す図3を図1とと
もに参照し、コンピュータ2により実行される色まとめ
の処理手順について説明する。なお、図3のフローチャ
ートは、色まとめの処理手順のみを示すものであり、図
3のプログラムの実行に先立ち、コンピュータ2には画
像入力装置18、FDD10、CD−ROMドライブ1
2あるいはHDD8より画像データが入力されている。
【0030】図3に示されるプログラムは、オペレータ
がマウス14またはタブレット16を操作して色まとめ
処理の実行開始指令をコンピュータ2に発するのにとも
なって実行開始される。
【0031】ステップS101においてコンピュータ2
は、原版の画像データの色分布を解析する。つまり、原
版の画像を形成する各画素ごとの色情報の度数分布を求
める。この色分布の解析により、コンピュータ2は原版
の色の傾向、たとえば原版は赤系統の色が多用されてい
る等の状態を把握することが可能となる。ステップS1
01における色分布の解析結果の一例を図4に概念的に
示す。図4の例においては、赤と、青から紫にかけての
範囲に色が偏って分布している。つまり、赤系統および
青系統の色が多用されている状態にある。
【0032】ステップS102においてコンピュータ2
は、キーボード6、マウス14、あるいはタブレット1
6等を介してオペレータにより設定される選定色数、す
なわち電子式ジャガード織機で実際に柄を織る際に用い
ようとする色数を入力する。このときの選定色の設定方
法としては、オペレータが単に選定色数の総数を設定す
るものであってもよいし、あるいは赤系統に何色、緑系
統に何色、青系統に何色、…と、色の系統ごとに選定色
数を設定することによりオペレータの思考を反映するも
のであってもよい。
【0033】ステップS103においてコンピュータ2
は、ステップS101における原版の画像データの色分
布解析結果とステップS102で入力した選定色数とに
基づいて選定色を生成する。ステップS102で入力し
た選定色数が色の系統ごとに設定されたものでない、す
なわち総選定色数のみが入力される場合には以下のよう
にして選定色を生成する。原版の画像データの色分布解
析結果が図4で示されるようなものの場合、上述したよ
うに原版には赤系統および青系統の色が多用されている
ことがわかる。このような場合、コンピュータ2は赤系
統および青系統に重きをおいて選定色を生成し、出現頻
度の少ない緑系統に割り振る選定色数を減じる。このよ
うに選定色を生成することにより、原版の有する色合い
や階調をより忠実に織物上に再現することが可能とな
る。
【0034】一方、ステップS102で入力した選定色
数がオペレータにより色の系統ごとに設定されたもので
ある場合、コンピュータ2はステップS102での選定
色数入力結果を尊重しつつ、ステップS101における
原版の画像データの色分布解析結果に基づいて選定色を
生成する。たとえば、赤系統に3色、という設定がオペ
レータによりなされている場合には、原版のRGB画像
データのうちのR画像データの分布から平均値と標準偏
差とを求める。そしてこの平均値と標準偏差とに基づい
て赤系統の選定色を決定し、原版の画像の有する色調や
階調をできるだけ忠実に再現できるようにする。
【0035】このとき、オペレータによって設定された
各色の系統ごとの選定色数に従ったのでは好ましい結果
が得られないことが予測される場合にはオペレータに対
して選定色数の再入力を促してもよい。あるいは、ステ
ップS102で入力した各色の系統ごとの選定色数を自
動的に増減するものであってもよい。
【0036】ところで、織機で実際に使用可能な糸の色
種が限られていている場合、コンピュータ2により生成
された選定色がかならずしも織機で実際に使用可能な糸
の色と合致しない場合もある。このような場合には、ス
テップS101でコンピュータ2が解析した色分布に基
づいてオペレータが使用可能な糸の色種の中から選定色
を選び出すものであってもよい。この場合、ステップS
102およびS103の処理が省略され、代わりにオペ
レータにより設定された選定色のデータを入力するステ
ップが追加される。あるいは、コンピュータ2がステッ
プS103で選定色を生成する際に、織機で実際に使用
可能な糸の色種が記録されているデータベースにアクセ
スし、このデータベース中より選定色を抽出するもので
あってもよい。
【0037】ステップS104においてコンピュータ2
は、ステップS103で生成された、RGB表色系で表
される選定色の色データをHLS表色系で表される色デ
ータに変換する。具体的には、以下の式(2)を用いて
変換する。なお、以下の式(2)からもあきらかなよう
に、L値については算出していないが、この理由につい
ては後で説明する。
【数2】 式(2)において、a11、a12、…、a23はRG
B表色系で表される色データをHLS表色系で表される
色データに変換するための変換係数である。なお、上記
RGB表色系からHLS表色系への色データの変換方法
に関しては式(2)に示される行列式を用いるものだけ
でなく、変換関数を用いて変換するものであってもよ
い。
【0038】ステップS105においてコンピュータ2
は、H(色相)値およびS(彩度)値のしきい値Thお
よびTsを算出または入力する。これらのしきい値Th
およびTsは、後述するステップS108およびステッ
プS111で用いられるものであり、原版の画像を構成
する各画素の色データがステップS103で求めた選定
色のいずれかに色まとめ可能であるか否かを判定するた
めの基準として用いられる。しきい値ThおよびTsを
コンピュータ2が算出するものである場合、ステップS
102で入力した選定色数とステップS101における
原版の画像データの色分布解析結果とに基づいて、色ま
とめ不能な色(以下、本明細書中では色まとめ不能な色
を「不明色」と称する)が多数生じないように、かつ原
版の画像の有する色調や階調をできるだけ損なわないよ
うに求められる。しきい値ThおよびTsをコンピュー
タ2が入力するものである場合、オペレータが原版の色
調と電子式ジャガード織機20で使用可能な糸の色数と
に基づいてこれらのしきい値ThおよびTsを、キーボ
ード6、マウス14あるいはタブレット16を操作して
設定し、コンピュータ2はこの設定値を入力する。
【0039】以上に説明したステップS101〜ステッ
プS105の処理が色まとめ処理に際しての準備処理と
なる。以上の準備処理結果に基づき、以下で説明するス
テップS106〜ステップS113での色まとめ処理が
実行される。この色まとめの処理は、原版の画像を構成
するすべての画素について繰り返し行われる。
【0040】ステップS106においてコンピュータ2
は、原版の注目画素を選択する。つまり、色まとめの対
象となる原版の画素を選択する。
【0041】ステップS107においてコンピュータ2
は、上述の式(2)を用いて注目画素のH値およびS値
を算出する。以下、選定色および注目画素のH値、S値
をHS座標平面(HLS色空間内におけるL=0.5で
定義される平面)上にプロットした様子を示す図5を適
宜参照してコンピュータ2の処理を説明する。図5にお
いて、×印はステップS104で算出された選定色のH
値およびS値に基づき、黒丸印(点P)はステップS1
07で算出された注目画素のH値およびS値に基づき、
それぞれプロットされている。
【0042】ステップS108においてコンピュータ2
は、ステップS107で算出した注目画素のH値に基づ
いて、各選定色のH値との差δHを求める。コンピュー
タ2は、この差δHの絶対値がステップS105で算出
ないし入力されたしきい値Th以下となる選定色をサー
チする。このとき、この条件を満たす選定色が複数あれ
ばそれらをすべて候補色とする。図5の例では、注目画
素のH値Hpに対して選定色C1〜C6が候補色とな
る。
【0043】ステップS109においてコンピュータ2
は、ステップS108でのサーチ結果に基づいてδHの
絶対値がTh以下となる選定色の有無を判定する。ステ
ップS109での判定が肯定、すなわち候補色があると
判定されるとコンピュータ2はステップS110に進
む。そして、ステップS108でサーチされ、候補色と
された選定色についてδHの小さい順にソートする。こ
の結果、候補色はδHの小さいものを先頭にして並べ替
えられる。そして、ソートされた候補色についてδHの
小さいものから順に以下で説明する処理が行われる。
【0044】ステップS111においてコンピュータ2
は、ステップS107で算出した注目画素のS値に基づ
いて、候補色のS値との差δSを求める。コンピュータ
2は、この差δSの絶対値がステップS105で算出な
いし入力されたしきい値Ts以下であると判定するとス
テップS112に分岐し、この候補色を注目画素の色と
する。つまり、色まとめを行う。図5の例では、δHの
絶対値の最も小さい候補色C5のS値と注目画素のS値
Spとの差が、たまたましきい値Ts内にあるので注目
画素は候補色C5の色データで色まとめされる。一方、
ステップS111での判定が否定された場合、つまり、
図5の例で候補色C5のS値と注目画素のS値Spとの
差の絶対値がしきい値Ts内にない場合には、ステップ
S120に分岐する。ステップS120においてコンピ
ュータ2は次の候補色の有無を判定し、肯定される、す
なわち候補色があると判定されるとステップS111に
戻る。そして、ステップS111における前回の判定の
対象となった候補色に次いでδHの絶対値の小さい候補
色について上述したのと同様の判定を繰り返す。
【0045】ステップS109での判定が否定された場
合、あるいはステップS120での判定が否定された場
合、コンピュータ2の処理はステップS121に分岐す
る。つまり、「δHの絶対値がTh以下」の条件を満た
す候補色が一つもない場合、あるいは「δHの絶対値が
Th以下」の条件は満たすけれども「δSの絶対値がT
s以下」の条件を満たす候補色が一つもない場合にコン
ピュータ2はステップS121に分岐する。ステップS
121においてコンピュータ2は、注目画素のH値およ
びS値と選定色のH値およびS値とに基づいて以下の式
(3)で求められる値Dが最も小さくなる選定色を注目
画素の色とする。つまり、(HC−HS)および(SC
S)の2乗和が最小となる選定色を注目画素の色とす
る。
【数3】 D=(HC−HS2+(SC−SS2 … 式(3) ここに、HC、SC:注目画素のH値およびS値 HS、CS:選定色のH値およびS値
【0046】以上に説明したステップS112またはス
テップS121での処理を終えてコンピュータ2はステ
ップS113に進み、原版の次の注目画素の有無を判定
する。ステップS113での判定を肯定、すなわち色ま
とめの対象がまだあると判定するとコンピュータ2はス
テップS106に戻って上述の処理を繰り返す。一方、
ステップS113での判定を否定、すなわち原版のすべ
ての画素についての色まとめを完了したと判定するとコ
ンピュータ2はステップS114で色まとめ処理後のデ
ータをFDD10または電子式ジャガード織機20に出
力して色まとめ処理を終了する。コンピュータ2により
実行される以上の色まとめ処理により、原版のフルカラ
ーあるいはそれに準じた画像データ(RGBデータ)か
ら色情報の種類が減じられて色まとめされた画像データ
(RGBデータ)がFDD10または電子式ジャガード
織機20に出力される。
【0047】本発明の実施の形態に係る織物作成用画像
処理システムにおいて、コンピュータ2により実行され
る以上の色まとめ処理の特徴部分について説明する。
【0048】 原版の画像データの色分布解析および
選定色の自動生成 コンピュータ2は、原版の画像データの色分布を解析
し、オペレータにより入力された選定色数に基づいて選
定色を生成する(図3のステップS101〜ステップS
103での処理)。これによれば、従来オペレータの勘
で行われていた選定色の決定をコンピュータにより自動
的に行うことができ、色まとめに要する作業時間の短縮
が可能となるとともに経験の少ないオペレータが操作し
ても安定した色まとめ処理結果を得ることができる。
【0049】 HLS表色系を用いて選定色の色デー
タと原版画像の色データとを比較 コンピュータ2は、HLS表色系で表される選定色の色
データと原版の注目画素の色データとを比較し、両デー
タのH値の差、S値の差がそれぞれしきい値内にある選
定色があるかないかを判定する。そして、しきい値内に
選定色がある場合に原版の注目画素の色をその選定色に
色まとめする(ステップS106〜ステップS11
2)。このとき、HLS表色系では図2からも理解でき
るようにH値が少々変わっただけで色相がたとえば赤か
ら青へ、というように急変することはない。したがっ
て、従来の技術で説明したRGB表色系を用いての色ま
とめに比して、しきい値を多少大きくしても、それによ
って色まとめ結果が予想しないものとなってしまうこと
がない。また、まずH値の差がしきい値にあるものを色
まとめの候補色として選択してH値の差の少ない順にソ
ートし、H値の差の少ないものから順にS値の差がしき
い値内にあるかどうかを判定するので、色相の差の少な
い候補色が優先的に色まとめの対象の色となる。このた
め、織物の印象が原版の印象と大きく異なる可能性は少
なくなる。
【0050】一方、上記しきい値内に選定色がない場合
には、式(3)で求められるDが最小となる選定色に色
まとめする(ステップS121)。この式(3)におい
て、HC、HSの取りうる値が0〜360近くであるのに
対してSC、SSの取りうる値は0〜1である。したがっ
て、式(3)で求められるDの値はS値の変化に対して
よりもH値の変化に対して敏感に変化する。このため、
式(3)で求められるDの値が最小となる選定色を色ま
とめする色とすれば、色相が大きくずれてしまう可能性
は少なくなる。
【0051】 HLS表色系のL値を加味せず選定色
の色データと原版画像の色データとを比較 図3に示す色まとめの処理において、コンピュータ2は
L値を加味しない。これは、たとえば原版が1,670
万色のフルカラーのもので、それをたとえば30色程度
に色まとめしようとした場合、L値を加味することがほ
とんど意味をなさない場合があるからである。言い換え
れば、L値を加味せずに上述のとおり色まとめ処理する
ことにより、コンピュータ2の色まとめ処理速度を高速
化することができる一方で色まとめの結果はL値を加味
したものと遜色のないものを得ることができる。なお、
織物の柄によっては、たとえば同一系統の色合いで色の
濃さのみを変化させた、いわゆるモノトーン調のものも
存在しうる。このような場合には濃度(明るさ)のみを
加味した処理を行うことで処理を簡便かつ高速に行うこ
とができる。もちろん、図3に示す色まとめの処理でL
値の処理を追加することも可能である。このような場合
には、ステップS104およびステップS107におけ
る演算を以下の式(4)によって行えばよい。
【数4】 上記式(4)において、a11、a12、…、a33は
RGB表色系で表される色データをHLS表色系で表さ
れる色データに変換するための変換係数である。なお、
上記RGB表色系からHLS表色系への色データの変換
方法に関しては式(4)に示される行列式を用いるもの
だけでなく、変換関数を用いて変換するものであっても
よい。
【0052】コンピュータ2により実行される図3の色
まとめ処理プログラムは、CD−ROMやフロッピーデ
ィスク等の記憶媒体に記憶される。この処理プログラム
は、CD−ROMドライブ12またはFDD10を介し
てHDD8にインストールされた後、適宜HDD8より
コンピュータ2のRAM(不図示)に読み込まれて実行
される。あるいは、ファームウエアとしてコンピュータ
2内部のROM(不図示)に格納されるものであっても
よい。また、コンピュータ2に代えて専用のハードウエ
アロジックや画像処理回路を用いて上述した色まとめの
処理を行うものであってもよい。
【0053】− 第2の実施の形態 − 第2の実施の形態に係る織物作成用画像処理システム
も、第1の実施の形態に係る織物作成用画像処理システ
ム(図1)と同じハードウェア構成を有する。したがっ
て、ここでは図1とともに、図1のコンピュータ2で実
行される色まとめ処理プログラムのフローを示す図6を
参照して第2の実施の形態に係る織物作成用画像処理シ
ステムについて説明する。なお、図6において図3に示
す処理のステップと同様の処理が行われる処理ステップ
には同じステップ番号を付し、さらに図3のものと相違
するステップには*マークを付す。そして図3に示す処
理との差異を中心に説明をする。
【0054】第1の実施の形態に係る織物作成用画像処
理システムは、入力された原版の画像データの画素それ
ぞれに対応する選定色を求め、色まとめした画像データ
をFDD10または電子式ジャガード織機20に出力す
るものである。これに対して第2の実施の形態に係る織
物作成用画像処理システムは、原版の画像データの有す
る色情報のそれぞれをどの色に色まとめするのかのルッ
クアップテーブル(以下、本明細書中ではルックアップ
テーブルを「LUT」と称する)を作成するものであ
る。そして、このLUTをFDD10または電子式ジャ
ガード織機20に出力する。電子式ジャガード織機20
は、コンピュータ2、またはFDD24からこのLUT
データとともに原版の画像データを入力する。あるい
は、原版の画像データとともにフロッピーディスクに一
度記憶されたLUTデータをFDD10よりコンピュー
タ2内に読み込み、色まとめの処理をした上で電子式ジ
ャガード織機20に出力するものであってもよい。
【0055】図6において、ステップS101〜ステッ
プS105で行われる原版の画像データの色分布解析お
よび選定色の自動生成は第1の実施の形態に係る織物作
成用画像処理システムと同様である。
【0056】ステップS206においてコンピュータ2
は、原版の注目色を選択する。これについて具体的に説
明すると、ステップS101における原版の画像データ
の色分布解析結果に基づき、原版の画像データが有する
すべての色について一つづつ順番に注目色として選択す
る。このとき、原版の画像データ中に一つも存在しない
R、G、Bデータの組み合わせについては注目色から除
外される。
【0057】ステップS207においてコンピュータ2
は、ステップS206で選択した注目色のH値およびS
値を、式(2)を用いて算出する。そして第1の実施の
形態で説明したのと同様にして注目色に対応する色まと
め色の候補色を求め、ステップS212で注目色に対応
する選定色を決定する。また、候補色が見つからない場
合にはステップS221において式(3)で求められる
値Dが最も小さくなる選定色を注目画素の色とする。L
UTには、注目色の色データ(RGBデータ)に対応す
る選定色の色データ(RGBデータ)が書き込まれる。
【0058】ステップS213においてコンピュータ2
は、次の注目色が原版の画像データ中にあるか否かの判
定をし、肯定されるとステップS206に戻って上記処
理内容を繰り返す一方、否定されるとステップS214
に分岐する。ステップS214においてコンピュータ2
は、完成したLUTのデータをFDD10または電子式
ジャガード織機20に出力して色まとめの処理を終了す
る。
【0059】第1の実施の形態に係る織物作成用画像処
理システムと同様に、コンピュータ2により実行される
図6の色まとめ処理プログラムはCD−ROMやフロッ
ピーディスク等の記憶媒体に記憶される。この処理プロ
グラムは、CD−ROMドライブ12またはFDD10
を介してHDD8にインストールされた後、適宜HDD
8よりコンピュータ2のRAM(不図示)に読み込まれ
て実行される。あるいは、ファームウエアとしてコンピ
ュータ2内部のROM(不図示)に格納されるものであ
ってもよい。また、コンピュータ2に代えて専用のハー
ドウエアロジックや画像処理回路を用いて上述した色ま
とめの処理を行うものであってもよい。
【0060】本発明の実施の形態に係る織物作成用画像
処理システムにおいて、コンピュータ2により実行され
る以上の色まとめ処理の特徴部分について説明する。
【0061】 原版の注目色選択 ステップS206においてコンピュータ2は、ステップ
S101における原版の画像データの色分布解析結果に
基づき、原版の画像データが有する色数すべてについて
一つづつ順番に注目色として選択する。このとき、原版
の画像データ中に一つも存在しないR、G、Bデータの
組み合わせについては注目色から除外されるので処理時
間を短縮することができる。たとえば、織物の柄が比較
的小さなパターンの繰り返しからなるものの場合、この
織物柄の原版は一つの柄のパターンを有していればよい
ので原版の画素数は1,670万を下回ることがあり得
る。このような原版にはもともと1,670万種類もの
色情報が存在し得ないので、ステップS101およびス
テップS206における処理が有効となる。また、原版
の色がある特定の色合いに偏っている場合にも原版の色
情報の数が1,670万色を下回ることもあり得る。こ
のような場合に、原版の画像に存在する色情報の種類の
みに対応して色まとめを行うことにより処理時間の短縮
やLUTを記憶するための主記憶装置あるいはフロッピ
ーディスク等の補助記憶装置に必要な記憶容量を最小化
することが可能となる。
【0062】以上では、ジャガード織機用の織物作成用
画像処理システムを例にとって説明したが、他の織機に
本発明を適用することも可能である。また、色まとめを
して原版の色情報の種類数を減じる他の機器に本発明を
適用することもできる。また、以上ではR、G、B各8
ビットの色情報からなる1,670万色のフルカラー画
像データを、HLS表色系に変換処理した上で色まとめ
する例について説明したが、原版の画像の色数はこの例
に限られるものではなく、色まとめに際してHLS表色
系以外の他の表色系に変換するものであってもよい。
【0063】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、コンピュータ2により実行される図3のフロ
ーチャートのステップS107の処理が原版画像データ
変換手段および原版画像データ変換手順を、ステップS
103の処理が選定色設定手段および選定色設定手順
を、ステップS104の処理が選定色データ変換手段お
よび選定色データ変換手順を、ステップS108〜ステ
ップS113、ステップS120およびステップS12
1の処理が柄作成用データ生成手段および柄作成用デー
タ生成手順を、図6のフローチャートのステップS10
8〜ステップSS111、ステップS120、ステップ
S212〜ステップS213およびステップS221の
処理が色変換テーブル作成手段および色変換テーブル作
成手順を、図6のフローチャートのステップS101の
処理が解析手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る織物作成用画像処理
システムの概略的構成を示すブロック図である。
【図2】HLS表色系の色空間を概念的に示す図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る織物作成用画
像処理システムのコンピュータにより実行される色まと
めの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】色分布の解析結果の一例を概念的に示す図であ
る。
【図5】HLS表色系のHS座標平面上における候補色
の色データと注目画素の色データとの関係を概念的に示
す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る織物作成用画
像処理システムのコンピュータにより実行される色まと
めの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】RGB表色系の色空間に色データがプロットさ
れる様子を概念的に示す図である。
【符号の説明】
2 コンピュータ 4 ディスプレイ 6 キーボード 8 ハードディスクドライブ(HDD) 10 フロッピーディスクドライブ(FDD) 18 画像入力装置 20 電子式ジャガード織機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織物柄作成用原版の画像データが有する原
    版色情報の色種類数を織物作成時に用いられる糸の色種
    の数に応じて減じ、色まとめをする織物作成用画像処理
    システムにおいて、 RGB表色系で表される前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータを、HLS表色系で表されるHLS原版画像データ
    に変換する原版画像データ変換手段と、 前記織物作成時に用いる糸の色種である複数の選定色を
    設定する選定色設定手段と、 RGB表色系で表され、前記複数の選定色に対応するR
    GB選定色データのそれぞれを、HLS表色系で表され
    るHLS選定色データに変換する選定色データ変換手段
    と、 前記HLS原版画像データと前記HLS選定色データと
    の比較結果に基づいて、前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータの画素ごとの前記原版色情報を、前記複数種類の選
    定色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変
    換して柄作成用データを生成する柄作成用データ生成手
    段とを有することを特徴とする織物作成用画像処理シス
    テム。
  2. 【請求項2】織物柄作成用原版の画像データが有する原
    版色情報の色種類数を織物作成時に用いられる糸の色種
    の数に応じて減じ、色まとめをする織物作成用画像処理
    システムにおいて、 RGB表色系で表される前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータを、HLS表色系で表されるHLS原版画像データ
    に変換する原版画像データ変換手段と、 前記織物作成時に用いる糸の色種である複数の選定色を
    設定する選定色設定手段と、 RGB表色系で表され、前記複数の選定色に対応するR
    GB選定色データのそれぞれを、HLS表色系で表され
    るHLS選定色データに変換する選定色データ変換手段
    と、 前記HLS原版画像データと前記HLS選定色データと
    の比較結果に基づいて、前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータの画素ごとの前記原版色情報を前記複数種類の選定
    色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変換
    する際に用いられる変換テーブルを作成する色変換テー
    ブル作成手段とを有することを特徴とする織物作成用画
    像処理システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の織物作成用画像
    処理システムにおいて、前記柄作成用データ生成手段ま
    たは前記色変換テーブル作成手段は、前記HLS原版画
    像データと前記HLS選定色データとの比較に際し、少
    なくともH(色相)データ同士およびS(彩度)データ
    同士の比較を行うことを特徴とする織物作成用画像処理
    システム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物
    作成用画像処理システムにおいて、 前記織物作成用原版の画像データが有する原版色情報の
    分布を解析する解析手段をさらに有し、 前記選定色設定手段は、入力された選定色数と前記解析
    手段により解析された前記原版色情報の分布の状態とに
    基づいて前記選定色を設定することを特徴とする織物作
    成用画像処理システム。
  5. 【請求項5】織物柄作成用原版の画像データが有する原
    版色情報の色種類数を織物作成時に用いられる糸の色種
    の数に応じて減じ、色まとめをする織物作成用画像処理
    システムの制御手順を記憶した記憶媒体において、 RGB表色系で表される前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータを、HLS表色系で表されるHLS原版画像データ
    に変換する原版画像データ変換手順と、 前記織物作成時に用いる糸の色種である複数の選定色を
    設定する選定色設定手順と、 RGB表色系で表され、前記複数の選定色に対応するR
    GB選定色データのそれぞれを、HLS表色系で表され
    るHLS選定色データに変換する選定色データ変換手順
    と、 前記HLS原版画像データと前記HLS選定色データと
    の比較結果に基づいて、前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータの画素ごとの前記原版色情報を、前記複数種類の選
    定色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変
    換して柄作成用データを生成する柄作成用データ生成手
    順とを有することを特徴とする織物作成用画像処理シス
    テムの制御手順を記憶した記憶媒体。
  6. 【請求項6】織物柄作成用原版の画像データが有する原
    版色情報の色種類数を織物作成時に用いられる糸の色種
    の数に応じて減じ、色まとめをする織物作成用画像処理
    システムの制御手順を記憶した記憶媒体において、 RGB表色系で表される前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータを、HLS表色系で表されるHLS原版画像データ
    に変換する原版画像データ変換手順と、 前記織物作成時に用いる糸の色種である複数の選定色を
    設定する選定色設定手順と、 RGB表色系で表され、前記複数の選定色に対応するR
    GB選定色データのそれぞれを、HLS表色系で表され
    るHLS選定色データに変換する選定色データ変換手順
    と、 前記HLS原版画像データと前記HLS選定色データと
    の比較結果に基づいて、前記織物柄作成用原版の画像デ
    ータの画素ごとの前記原版色情報を前記複数種類の選定
    色のうちのいずれかの色種を表す色情報にそれぞれ変換
    する際に用いられる変換テーブルを作成する色変換テー
    ブル作成手順とを有することを特徴とする織物作成用画
    像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体。
JP11004920A 1999-01-12 1999-01-12 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体 Pending JP2000212850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11004920A JP2000212850A (ja) 1999-01-12 1999-01-12 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11004920A JP2000212850A (ja) 1999-01-12 1999-01-12 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000212850A true JP2000212850A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11597063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11004920A Pending JP2000212850A (ja) 1999-01-12 1999-01-12 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000212850A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100369065C (zh) * 2005-11-24 2008-02-13 北京金山软件有限公司 一种动态变换图像颜色的方法
JP4629150B1 (ja) * 2009-10-19 2011-02-09 有限会社サン・オリオン 織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法、及び画像データ処理のためのコンピュータプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100369065C (zh) * 2005-11-24 2008-02-13 北京金山软件有限公司 一种动态变换图像颜色的方法
JP4629150B1 (ja) * 2009-10-19 2011-02-09 有限会社サン・オリオン 織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法、及び画像データ処理のためのコンピュータプログラム
JP2011106080A (ja) * 2009-10-19 2011-06-02 Sun Orion:Kk 織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法、及び画像データ処理のためのコンピュータプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4870363B2 (ja) 複数のフォアグランド平面を有する高圧縮画像データファイルの生成装置、方法及びプログラムを記憶した記憶媒体
JP4307095B2 (ja) 色変換方法及びプロファイル作成方法
US6873344B2 (en) Media production system using flowgraph representation of operations
JP4171574B2 (ja) 画像処理条件決定装置および画像処理条件決定プログラム記憶媒体
JP3607059B2 (ja) 色特徴抽出装置および色特徴の抽出方法およびプログラム記憶媒体
JP4329475B2 (ja) 装飾画像の選択
JP4968882B2 (ja) 画像検索装置、画像検索方法およびプログラム
JPH09270924A (ja) 画像表現特性設定装置
JP2011018354A (ja) 画像修整プログラムを記録した媒体、画像修整装置および画像修整方法
JPH1132227A (ja) 画像処理方法及び装置及び記憶媒体
JP2000513130A (ja) ターゲットカラーイメージに基づく色変換システム
JPWO2005124690A1 (ja) 配色支援システム、配色支援プログラムおよび記憶媒体、並びに配色支援方法
US7787151B2 (en) Tone setting for monochrome image using ink color diagram
JPH11196285A (ja) 画像処理方法、装置および記録媒体
JP2000212850A (ja) 織物作成用画像処理システムおよび織物作成用画像処理システムの制御手順を記憶した記憶媒体
US7532759B2 (en) Method, system and computer software product for selecting elements of a digital image
JP3452212B2 (ja) 減色処理を行なうカラー画像処理装置
JP4866065B2 (ja) クロマキー装置
JP2001251505A (ja) 画像処理条件設定装置、および画像処理条件設定プログラム記憶媒体
JP2009147632A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体
JP5028241B2 (ja) 色処理装置および色処理方法
JP5966661B2 (ja) 墨定義ファイル生成装置、デバイスリンクプロファイル作成装置、墨定義ファイル生成方法、墨定義ファイル生成プログラム
JPH1032723A (ja) 画像処理装置
CN117689768A (zh) 一种自然场景驱动的服装模板着色方法和系统
JP2987169B2 (ja) 切抜きマスク作成方法