JP2000212729A - 真空ア―ク蒸着装置 - Google Patents

真空ア―ク蒸着装置

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JP2000212729A
JP2000212729A JP11014508A JP1450899A JP2000212729A JP 2000212729 A JP2000212729 A JP 2000212729A JP 11014508 A JP11014508 A JP 11014508A JP 1450899 A JP1450899 A JP 1450899A JP 2000212729 A JP2000212729 A JP 2000212729A
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cathode plate
water flow
magnetic field
refrigerant
field generator
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Hirobumi Fujii
博文 藤井
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極プレートからアーク放電によって蒸発さ
せたイオン粒子を、真空室内で基材表面へ付着堆積させ
るようにした真空アーク蒸着装置において、粒径の粗い
溶融粒子を減らすために陰極プレートの裏面部で永久磁
石を円周移動させるようにしたものがある。従来、この
永久磁石の円周移動は、電動モータと歯車機構との組み
合わせにより行っていた。そのため、構造が複雑且つ大
型化していた。 【解決手段】 一般に、陰極プレート3の裏面部へは水
等の冷媒が供給されているため、この冷媒にできる水流
を駆動源として有効利用する。即ち、永久磁石9を偏心
軸18で保持させ、この偏心軸18に水流ロータ22を
設け、この水流ロータ22が冷媒の水流で回転する構造
にした。従って、永久磁石9は偏心軸18の回転に伴っ
て円周移動する。これにより、構造簡潔化及び小型化が
できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空アーク蒸着装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削工具、機械部品、電子部品、光学機
器部品等において耐磨耗性コーティング等を施すための
真空アーク蒸着装置は、被処理対象となる基材を真空室
内へ収納したうえで、この基材に負のバイアスを印加さ
せ、陰極プレートを負極、真空室側を陽極としてアーク
放電を行わせることで、陰極プレートから蒸発させたイ
オン粒子を基材表面へ付着堆積させるようになってい
る。この種、真空アーク蒸着装置では、基材表面に付着
堆積した被膜密度を高密で均一なものとさせるうえで不
適物質となる、粒径の粗い溶融粒子を減らすことが要請
されている。
【0003】そこで、この要請に応えるための技術とし
て、陰極プレートの裏側(真空室外側)に多数の永久磁
石を設けて、各永久磁石の極性が隣接するもの相互間で
逆になるようにし、これによって複雑な磁界を発生させ
て、所期の目的を達成しようとしたもの(特開平8−2
83933号公報参照)や、陰極プレートから基材まで
の中間位置に粒子通路の径小化部分を設けたうえで、こ
のまわりにリング状の電磁コイルを設け、これによって
磁力線を収束させて、所期の目的を達成しようとしたも
の(特開平2−194167号公報参照)等、種々様々
なものが提案されている。
【0004】しかし、これらの装置では、発生磁場等を
想定通りの状態に制御するのが困難であって、期待した
ほどの効果が得られ難いということがあり、また装置が
複雑で大型化する等の点も指摘されている。一方、これ
らとは別構成の装置として、陰極プレートの裏面側(真
空室外側)で、この面方向に沿って永久磁石を機械的に
移動させるものが知られている(特開昭64−262号
公報参照)。この構成の装置は、粒径の粗い溶融粒子を
確実に減らすことができる方法として着目されている。
【0005】ところが、この装置において、永久磁石の
移動は、モータを駆動源として歯車機構を動作させるこ
とで行っているという事情があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように永久磁石
を移動させる構成の装置では、この移動のための構造自
体(歯車機構等)において複雑化や大型化を招来してお
り、また、モータを作動させるための別電源及び別制御
が必要となることから、それだけ動作の信頼性について
不安要因が増えることになり、更にランニングコスト的
にも高騰化する等、種々の問題があった。また、陰極プ
レートの周囲は高温雰囲気であるため、永久磁石の磁力
低下や材質劣化、及びモータや歯車機構の故障等に繋が
る等の問題もあった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、装置の複雑化や大型化等を招来することな
く、また困難な制御を行わなくとも、粒径の粗い溶融粒
子を確実に減らすことができるようにした真空アーク蒸
着装置を提供することを目的とする。なお、この発明で
は、陰極プレートの裏面部にアークスポット誘導に用い
る磁場発生体を設けるものとするが、この磁場発生体が
高温雰囲気を原因として品質低下や破損等することがな
いようにできる真空アーク上記発生装置を提供すること
をも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る真空アーク蒸着装置では、陰極プレートからア
ーク放電によって蒸発させたイオン粒子を、真空室内で
基材表面へ付着堆積させるものにおいて、陰極プレート
の裏面部(真空室に対して室外側となる方)に、アーク
スポット誘導用の磁場発生体(永久磁石等)と、この磁
場発生体を陰極プレート裏面に沿って移動自在に保持す
る移動保持手段と、陰極プレートに対して供給される冷
媒の流れから磁場発生体の移動力を取り出す駆動手段と
が設けられた構成となっている。
【0009】このように、磁場発生体を移動させるため
の駆動手段が冷媒の流れから移動力を得るものであれ
ば、この冷媒が、元来、陰極プレートを冷却させるため
にその周部まで供給されているものであることを考え合
わせれば、別途、モータを具備させた場合とは異なって
別電源や別制御が不要となり、それだけでも、構造的な
簡潔化や小型化等が図れることになり、そのうえ、制御
の容易さも図れるものとなる。移動保持手段は、陰極プ
レートの裏面部に直交する軸心まわりで回転自在となっ
て、且つ、その軸心の偏心位置で磁場発生体を支持する
保持部材を有した構造とすればよい。またこの場合、駆
動手段は、前記保持部材に対してその回転軸心まわりに
設けられた水流ロータと、この水流ロータへ冷媒を誘導
する冷媒通路とを有した構造とすればよい。
【0010】この水流ロータとしての形体は、プロペラ
型、水車型、スクリュウネジ軸型等、冷媒の流れに接触
することで回転力を生じるようにしたものと、スプリン
クラー型のように冷媒の噴射力の反動で回転力を生じる
ようにしたものとに大別することができる。従って、こ
れらの型式に応じて、冷媒通路も水流ロータに対する外
部供給型と内部供給型とに分かれることになる。駆動手
段において、冷媒通路の一部に、陰極プレートの裏面部
に臨んだ状態で磁場発生体の移動領域を取り囲むような
冷却槽を設けておくと、磁場発生体が常時又は一回転す
るごとにこの冷却槽内で滞留する冷媒中へ浸し漬けられ
ることになる。
【0011】従って、磁場発生体が永久磁石である場合
に、これを陰極プレートの高温雰囲気による磁力低下や
材質劣化等から保護できる点で、特に顕著な効果が得ら
れるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明に係る真
空アーク蒸着装置1の第1実施形態を示している。この
真空アーク蒸着装置1は、真空室2と、この真空室2の
内壁に設けられた陰極プレート3とを有しており、真空
室2内には、被処理対象となる基材Wを保持可能な材料
台5が設けられている。
【0013】陰極プレート3は、チタンやクロム等によ
り形成されたもので、真空室2内へ面する方を蒸発面3
aとしている。図示は省略するが、陰極プレート3及び
材料台5は、いずれも真空室2に対して電気的な絶縁状
態に保持されており、陰極プレート3を負極、真空室2
側を陽極としてアーク放電電圧を印加可能になってお
り、これに伴って陰極プレート3から真空室2へ向けた
アーク放電(図1中の矢符X参照)を行わせることが可
能になっている。
【0014】また、材料台5を通じて基材Wに負のバイ
アスを印加可能になっており、これにより上記アーク放
電に伴って陰極プレート3から蒸発したイオン粒子を基
材Wの表面へ付着堆積できるようになっている。そし
て、この真空室2では、必要に応じて開閉可能とされた
ガス供給口6及び排気口7(開閉機構の図示は省略し
た)を具備しており、窒素やメタン等の反応ガスを供給
・排気できるようになっている。この陰極プレート3の
裏面部には、その裏面全体を内包するかたちで冷却槽8
が設けられており、この冷却槽8内に、永久磁石等によ
って形成された磁場発生体9が設けられている。
【0015】冷却槽8は、水や液体窒素等に代表される
冷媒を循環させる冷媒通路10の一部とされており、こ
の冷媒通路10に設けられたポンプ11等を作動させる
ことにより、槽内部が常に冷媒で満たされて、給水口1
2から排水口13へ向かう水流が生じるようになってい
る。磁場発生体9は、冷却槽8内において、移動保持手
段15及び駆動手段16により、陰極プレート3の裏面
に沿うような機械的な移動が可能になっている。すなわ
ち、移動保持手段15は、陰極プレート3の裏面部に直
交する軸心回りに回転自在となって該軸心の偏心位置で
磁場発生体9を支持する保持部材20を有しており、具
体的に本実施形態では、前記保持部材20は、軸受部材
17と、この軸受部材17に回転自在に保持された保持
軸18とを有し、保持軸18の軸心が保持部材20の回
転軸心となって陰極プレート3の裏面部に直交する方向
に保持されている。そして、この保持軸18は、先端部
に設けられたブラケット部材19を介して、軸心から偏
心した位置で磁場発生体9を支持可能になっている。
【0016】従って、この保持軸18の回転により、磁
場発生体9は陰極プレート3の裏面に沿って円周移動を
することになる。一方、駆動手段16は、上記した冷媒
通路10(特に、冷却槽8の部分)を構成の一部とする
と共に、これに移動保持手段15の保持軸18に対して
その軸心まわりに設けられた水流ロータ22とを有した
ものとなっている。この水流ロータ22としては、ボス
部23まわりに複数の羽根板24が等配状に突設されて
成るプロペラ型のものを採用してある。
【0017】また、冷却槽8において、上記した給水口
12は水流ロータ22の背面側に位置付けられ、排水口
13は水流ロータ22の径方向外方に位置付けられたも
のとなっている。このようなことから、冷媒通路10に
おいて冷媒の循環が行われるときには、冷却槽8内を通
過する冷媒の流れが水流ロータ22を直接に回転させる
ことになり、これによって磁場発生体9の移動力が取り
出されるものである。なお、この第1実施形態のように
水流ロータ22にプロペラ型を採用する場合、羽根板2
4の取付数は2〜4枚程度にするのが好適である。ま
た、水流ロータ22(磁場発生体9)の回転方向は、特
に限定されるものではない。
【0018】このような構成の真空アーク蒸着装置1で
は、真空室2内の材料台5上へ基材Wを設置してこの基
材Wに負のバイアスを印加させ、陰極プレート3を負
極、真空室2側を陽極としてアーク放電を行わせる。ま
た、必要に応じてガス供給口6から真空室2内へ反応ガ
スを供給する。この状況下にあって、冷媒通路10にお
いて冷媒の循環を行わせると、冷媒が冷却槽8内を通過
するときに、その水流を受けて水流ロータ22が回転す
るようになり、その結果、磁場発生体9は陰極プレート
3の裏面部で円周移動をするようになる。
【0019】従って、陰極プレート3の蒸発面3aで
は、磁場発生体9の円周移動に合わせて万遍なく、適度
な粒径の(即ち、粒径の粗い溶融粒子を殆ど含まない状
態で)イオン粒子が蒸発するようになり、このイオン粒
子が順次、基材Wの表面へ付着堆積されることになる。
そして、このとき、陰極プレート3及び磁場発生体9
は、共に冷媒によって冷却され続け、高温雰囲気から保
護されることになる。なお、本実施形態では、真空室2
側を陽極としてアーク放電電圧を印加するものといてい
るが、この陽極として真空室2とは電気的に絶縁状態と
された独立電極を用いてもよい。
【0020】図3は、本発明に係る真空アーク蒸着装置
1の第2実施形態を示している。この第2実施形態にお
いて、第1実施形態と異なるところは、駆動手段16に
設けられる水流ロータ22として、水車型のものが採用
されている点にある。すなわち、この水流ロータ22
は、ボス部23まわりに複数本の支持杆27が放射状に
突出され、各支持杆27の先端部に、ピンポン玉を半分
に割ったような中空半球体状の羽根28が、周方向一方
側に向きを揃えて取り付けられたものとなっている。
【0021】また、このような水流ロータ22を採用し
ていることに伴い、冷却槽8における給水口12及び排
水口13は、水流ロータ22の回転方向に準じた接線方
向に配されたものとなっており、冷媒の水流に対して水
流ロータ22が効率よく回転するようになっている。そ
の他の構成及び作用効果は、第1実施形態と略同じであ
る。図4は、本発明に係る真空アーク蒸着装置1の第3
実施形態を示している。この第3実施形態でも、第1実
施形態との相違点は、駆動手段16に設けられる水流ロ
ータ22にあるが、これに加えて、この水流ロータ22
が、移動保持手段15の保持軸18を一体的に兼ねた構
造になっているところにも、顕著な相違点がある。
【0022】すなわち、この第3実施形態の水流ロータ
22は、保持軸18を径大化してその軸外周面に螺旋状
の溝30を凹設することによって形成されている。そし
て、この保持軸18は、その基端部18aと先端部18
bとを除いた略全長が軸受具31に外嵌された状態で回
転自在となっており、このとき、軸受具31の内周面と
溝30との間で、冷媒を通す流路が形成されるものであ
る。また、この溝30は、保持軸18の先端部18b寄
りでは軸受具31内から冷却槽8内へ露出する位置まで
延びている。これに対し、保持軸18の基端部18a側
では、軸受具31に対する保持軸18の位置決め構造や
回転保持構造等が設けられる(図例ではスナップリング
32を用いているだけであるが、その他、水封型ベアリ
ング等を設けることも可能である)関係上、溝30が基
端部18aへは突き抜けないものとし、代わりに、基端
部18aから溝30へ連通する内部連通路33を設けて
ある。
【0023】そして、軸受具31には、その基端側(図
4左側)に、保持軸18の上記内部連通路33へ冷媒を
供給可能にするためのカプラー器具35が結合されてい
る。このようなことから、カプラー器具35を介して保
持軸18の基端部18a側へ冷媒を供給すると、この冷
媒は内部連通路33から溝30へと導かれ、この溝30
を流路として冷却槽8内へ吹き出すようになる。そし
て、これに伴い、溝30の内側面が直進しようとする冷
媒によって押圧されることになり、この押圧力で保持軸
18(即ち、水流ロータ22)が、溝30のねじれ方向
とは逆向きに回転されることになる。
【0024】このように、この第3実施形態の水流ロー
タ22は、いわゆるスクリュウネジ軸式となっているも
のである。なお、溝30は、軸受具31の内周面との間
にできる流路の開口面積を可及的に大きくして押圧力を
強くさせるのが好適であるが、保持軸18(水流ロータ
22)に対してそのまわりで均一な回転力が得られるよ
うにすることの方が更に重要であるため、多条ネジ状に
複数本の溝30を等配状に設けるようにするとよい(図
例では2条ネジ状とした)。すなわち、溝30は、保持
軸18の軸径が許す範囲で、可及的に条数を多くし、そ
のうえで溝幅や溝深さをも可及的に大きくするのが好適
である。
【0025】図5及び図6は、本発明に係る真空アーク
蒸着装置1の第4実施形態を示している。この第4実施
形態も、第1実施形態との相違点は、駆動手段16に設
けられる水流ロータ22にある。ただ、上記した第1実
施形態乃至第3実施形態は、冷媒が水流ロータ22に対
してその外面に接触して回転力を与える外部供給型とさ
れていたのに対し、この第4実施形態の水流ロータ22
は、冷媒が水流ロータ22の内部へ通される内部供給型
となっている。
【0026】すなわち、この第4実施形態の水流ロータ
22は、保持軸18が中空パイプにより形成されたもの
としてあり、この保持軸18の先端部18bには、磁場
発生体9を偏心支持するブラケット部材19用の保持部
を兼ねた噴射管接続具37が連結されている。そして、
この噴射管接続具37の周方向等配位置に対して、複数
本(図例では2本)の噴射管38が接続されている。こ
れら噴射管38は、保持軸18の軸心から径方向外方へ
突出した状態で、突出端側が周方向へ折曲されており、
その内部が保持軸18の中空部分と内部連通している。
【0027】なお、図示は省略したが、保持軸18の回
転を保持する軸受部材(図1中の符号17参照)には、
ロータリ管継手(図示略)等が接続され、保持軸18の
中空部分へ冷媒を供給可能になっている。このようなこ
とから、保持軸18内へ冷媒を供給すると、この冷媒が
噴射管接続具37を介して各噴射管38へと導かれ、そ
の突出端側から冷却槽8内へ噴射されることになり、こ
の噴射力の反動で保持軸18が回転されることになる。
このように、この第4実施形態の水流ロータ22は、い
わゆるスプリンクラー型となっている。
【0028】図7及び図8は、本発明に係る真空アーク
蒸着装置1の第5実施形態を示している。この第5実施
形態において、第1実施形態と異なるところは、移動保
持手段15の保持部材20として、軸受部材17及び保
持軸18を備えない構成とし、これらに代えて、冷却槽
8の外周部に設けた周方向の係合溝41と、水流ロータ
22の羽根板24外端部に設けられていて前記係合溝4
1に対して周方向移動自在に係合する係合片42とを備
えたものとしている。
【0029】また、水流ロータ22のボス部23先端に
ブラケット部材19が設けられ、このブラケット部材1
9を介してボス部23から偏心した位置に磁場発生体9
が設けられている。すなわち、本実施形態では、水流ロ
ータ22が保持部材20の一部を兼ねるものであり、係
合溝41及び係合片42により水流ロータ22及びブラ
ケット部材19を介して磁場発生体9が支持され、冷媒
の循環が行われると、係合片42が係合溝41により周
方向に案内されながらボス部23を回転軸心として水流
ロータ22が回転し、磁場発生体9が円周移動するもの
となっている。
【0030】なお、その他の構成及び作用効果は第1実
施形態と略同じである。図9及び図10は、本発明に係
る真空アーク蒸着装置1の第6実施形態を示している。
この第6実施形態においては、移動保持手段15の保持
部材20として軸受部材17及び保持軸18を備えない
点、及び冷却槽8の外周部に係合溝41を形成した点で
第5実施形態と同様であるが、この係合溝41に係合す
る係合片42を、ブラケット部材19の両外端部を延長
することにより構成したものである。
【0031】したがって、本実施形態における保持部材
20は、係合溝41、係合片42、ブラケット部材19
により構成され、保持部材20の回転軸心位置に相当す
る部分に水流ロータ22のボス部23を固定したものと
なっている。なお、その他の構成及び作用効果は第1実
施形態と略同じである。ところで、本発明は、上記各実
施形態に限定されるものではない。例えば、磁場発生体
9には、電磁石を用いることも可能である。また、この
磁場発生体9の移動は、上記各実施形態で説明したよう
な単純な円周移動にすることに限定されるものではな
く、カム機構やリンク機構等を具備した移動保持手段1
5を採用することで、複雑な平面移動を行わせるように
してもよい。
【0032】このように、移動保持手段15をはじめ、
駆動手段16、冷媒通路10(冷却槽8を含む)、真空
室2等の細部にわたる構成は、実施の形態に応じて適宜
変更可能である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る真空アーク蒸着装置では、陰極プレートの裏面部
で、アークスポット誘導用の磁場発生体を機械的に移動
させる構成とするうえで、このための駆動手段として、
陰極プレートに対して供給される冷媒の流れから磁場発
生体の移動力を取り出す構成としている。そのため、こ
の冷媒の持つ動的エネルギーを有効活用したことにな
り、構造的な簡潔化及び小型化が図れるものとなる。
【0034】このようなことから、装置の複雑化や大型
化を招来することなく、また困難な制御を何ら行うこと
なく、粒径の粗い溶融粒子を確実に減らすことができる
ようになる。また、冷媒通路として、陰極プレート及び
磁場発生体を内包する冷却槽を備えた構成とすれば、こ
れら陰極プレートや磁場発生体が効率的に冷却され、高
温雰囲気による磁力低下や材質劣化等を防止できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第1
実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第2
実施形態の主要部を図2と比較し易いように示した図で
ある。
【図4】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第3
実施形態の主要部を拡大して示す側断面図である。
【図5】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第4
実施形態の主要部を拡大して示す側断面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第5
実施形態の主要部を拡大して示す側断面図である。
【図8】同移動保持手段及び駆動手段の正面図である。
【図9】本発明に係る真空アーク蒸着装置における第6
実施形態の主要部を拡大して示す側断面図である。
【図10】同移動保持手段及び駆動手段の正面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空アーク蒸着装置 2 真空室 3 陰極プレート 8 冷却槽 9 磁場発生体 10 冷媒通路 15 移動保持手段 16 駆動手段 20 保持部材 22 水流ロータ W 基材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極プレート(3)からアーク放電によ
    って蒸発させたイオン粒子を真空室(2)内で基材
    (W)表面へ付着堆積させる真空アーク蒸着装置におい
    て、 陰極プレート(3)の裏面部には、アークスポット誘導
    用の磁場発生体(9)と、該磁場発生体(9)を陰極プ
    レート(3)裏面に沿って移動自在に保持する移動保持
    手段(15)と、陰極プレート(3)に対して供給され
    る冷媒の流れから磁場発生体(9)の移動力を取り出す
    駆動手段(16)とが設けられていることを特徴とする
    真空アーク蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記移動保持手段(15)は、陰極プレ
    ート(3)の裏面部に直交する軸心まわりで回転自在と
    なって軸心の偏心位置で磁場発生体(9)を支持する保
    持部材(20)を有しており、前記駆動手段(16)
    は、前記保持部材(20)に対してその回転軸心まわり
    に設けられた水流ロータ(22)と、該水流ロータ(2
    2)へ冷媒を誘導する冷媒通路(10)とを有している
    ことを特徴とする請求項1記載の真空アーク蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段(16)において、冷媒通
    路(10)の一部に、陰極プレート(3)の裏面部に臨
    んだ状態で磁場発生体(9)の移動領域を取り囲む冷却
    槽(8)が設けられていることを特徴とする請求項2記
    載の真空アーク蒸着装置。
JP11014508A 1999-01-22 1999-01-22 真空ア―ク蒸着装置 Pending JP2000212729A (ja)

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