JP2000212576A - 液状炭化水素中の水銀除去法 - Google Patents
液状炭化水素中の水銀除去法Info
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Abstract
で、効率よく水銀を除去する方法を提供する。 【解決手段】 水銀を含有する液状炭化水素を、単体状
水銀をイオン化する能力を有する物質、及び式MM’S
(M及びM’はそれぞれ水素、アルカリ金属又はアンモ
ニウム基を表し、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよい)で表される硫黄化合物と接触させる。
Description
銀除去法に関し、より詳しくは、水銀を含有する液状炭
化水素から簡便な手段で、効率よく水銀を除去する方法
に関する。
収されるNGL(天然ガス液)中には、産地により異な
るが数十〜数百ppbの水銀が含まれている。このよう
な水銀を含んだ液状炭化水素をエチレン原料等化学原料
として用いる場合、水銀は白金,パラジウム,銅,アル
ミニウムなどとアマルガムを生成して、水添触媒の劣化
原因となったり、装置材料の腐食や強度低下につながる
ことは知られており、水銀の除去技術の開発が強く望ま
れている。
は、式MM’S(M及びM’はそれぞれ水素、アルカリ
金属又はアンモニウム基を表し、それらはたがいに同一
でも異なっていてもよい)で表される硫黄化合物で処理
する工程と重金属の硫化物を含有する吸着剤に接触させ
る工程からなる方法が開示されている。しかし、工程が
複雑であり、また吸着操作を含むため吸着剤の複雑な調
製や運転条件の厳密な管理が必要である。さらに、吸着
剤の調製においては、種々の因子により吸着剤の物性が
変化し、その結果、炭化水素からの水銀除去工程に影響
を与え、安定した水銀吸着のための吸着剤の調製は困難
である。
M’SX (Mはアルカリ金属又はアンモニウム基、M’
は水素、アルカリ金属、又はアンモニウム基を表し、x
は1〜6の数を示す)で表す硫黄化合物で処理する方法
が開示されている。しかし、処理温度が40℃以下で
は、処理後の水銀濃度は30〜170ppbと高く、1
00〜120℃でも30ppbになる場合があり満足で
きる数値ではない。
らなされたもので、水銀を含有する液状炭化水素から簡
便な手段で、効率よく水銀を除去する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
を重ねた結果、水銀を含有する液状炭化水素を、単体状
水銀をイオン化する能力を有する物質、及び特定の硫黄
化合物と接触させることにより上記の目的を効果的に達
成しうることを見出し本発明を完成したものである。
炭化水素を、単体状水銀をイオン化する能力を有する物
質、及び式MM’S(M及びM’はそれぞれ水素、アル
カリ金属又はアンモニウム基を表し、それらはたがいに
同一でも異なっていてもよい)で表される硫黄化合物と
接触させることを特徴とする液状炭化水素中の水銀除去
法を提供するものである。
る。先ず、本発明において処理される水銀を含む液状炭
化水素としては、常温で液体の炭化水素であればよく特
に限定されない。例えば原油,直留ナフサ,灯油,軽
油,減圧留出油,常圧残渣油,天然ガスコンデンセート
などを挙げることができるが、特に天然ガスコンデンセ
ート(NGL)が好ましい。
単体状水銀,イオン状水銀どちらでも可である。液状炭
化水素中の水銀濃度は、特に限定されるものではない
が、通常2〜1,000W/Vppb、好ましくは5〜
100W/Vppbである。本発明は、上記の、水銀を
含有する液状炭化水素を、単体状水銀をイオン化する能
力を有する物質(以下、イオン化物質と略称する)、及
び式MM’S(M及びM’はそれぞれ水素、アルカリ金
属又はアンモニウム基を表し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよい)で表される硫黄化合物と接触さ
せることを特徴とするものである。
塩化鉄,硫化鉄,酸化鉄,硝酸鉄等の鉄化合物、硫酸
銅,塩化銅,酸化銅,硝酸銅,硫化銅等の銅化合物、酸
化バナジウム,硫化バナジウム,硫酸バナジウム等のバ
ナジウム化合物、酸化マンガン,硫化マンガン,硫酸マ
ンガン等のマンガン化合物、酸化ニッケル,硫化ニッケ
ル,硫酸ニッケル等のニッケル化合物、過酸化水素等の
無機過酸化物、過酢酸等の有機過酸化物、空気中の酸
素、原油タンクスラッジなどを挙げることができるが、
中でも硫酸鉄,硫化鉄,酸化鉄,酸化銅,酸化バナジウ
ム,原油タンクスラッジが好ましい。原油タンクスラッ
ジは、原油タンク底にあるスラッジをいい、元素分析値
からみて、Fe,Si,Na,Al,P,Zn,Cu,
Ca,Mg,V,K,Cr,Mn,Ni,C,H,N,
S,O等の元素を含んでいる。該スラッジは、乾燥した
ものを使用してもよいし、若干前記の水分を含んでいる
ものを使用してもよい。
M及びM’は同一又は異なり、それぞれ独立に、水素、
アルカリ金属又はアンモニウム基である。ここで、アル
カリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リ
チウム又はセシウム等が挙げられる。硫黄化合物の具体
例としては、例えば、硫化水素,硫化ナトリウム、水硫
化ナトリウム、硫化カリウム、水硫化カリウム,硫化ア
ンモニウム等を挙げることができるが、中でも硫化水
素,硫化ナトリウム、水硫化ナトリウムが好ましい。硫
黄化合物の形態は、固体の他、ガス状、水溶液、有機溶
媒に溶解した溶液、であっても良い。
物質、及び硫黄化合物と接触させる順序については、先
に該液状炭化水素をイオン化物質と接触させ、その後硫
黄化合物と接触させてもよいし、あるいは水銀を含有す
る液状炭化水素をイオン化物質及び硫黄化合物とを同時
に接触させてもよい。また、水銀を含有する液状炭化水
素を硫黄化合物と接触させた後、それにイオン化物質を
加えて更に接触させてもよい。
水素の接触の際の割合は、重量で0.000001:
1,000〜1:1の範囲を任意に選択できるが、好ま
しくは0.0001:1,000〜10:1,000の
範囲である。前記硫黄化合物と、水銀を含む液状炭化水
素の接触の際の割合は重量で、0.000001:1,
000〜1:1の範囲を任意に選択できるが、好ましく
は0.0001:1,000〜10:1,000の範囲
である。前記硫黄化合物を含む水溶液と、水銀を含む液
状炭化水素の接触の際の割合は重量で、0.01:1,
000〜1,000:0.1の範囲を任意に選択できる
が、好ましくは1:1,000〜500:1,000の
範囲である。
おいては炭化水素の液状性を維持していればよく、通常
0〜100℃、圧力下においてもその液状性を保ってい
ればよい。例えば1MPaであれば0〜180℃の範囲
を選択すればよい。上記の接触処理の接触方法は、例え
ば、攪拌羽根による接触槽内での攪拌、ラインミキサー
による攪拌、容器自体の回転,振動による攪拌等を採用
できる。また、その接触時間は3秒〜24時間であり、
24時間を超えても問題ないが経済的に不利である。
び水の液相から固形物として除かれる。その方法として
はデカンテーション、ろ過等の固液分離の手段を選択で
きる。または、そのまま容器の底に沈降させておいても
よい。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 〔予備試験1〕水銀を含有するNGL(単体状水銀19
W/Vppb,イオン状水銀8W/Vppb)3重量部
及び第1表に示した化合物0.00006重量部を10
0mlのテフロン容器に入れ、常温で7時間マグネチッ
クスターラーでNGL中の水銀形態を分析した。その結
果を第1表に示す。
体状水銀19W/Vppb,イオン状水銀8W/Vpp
b)3重量部及び乾燥した原油タンクスラッジ0.00
06重量部を100mlのテフロン容器に入れ、常温で
7時間マグネチックスターラーでNGL中の水銀形態を
分析したところ単体状水銀はすべてイオン状に変化して
いた。
含有する水溶液1重量部と27W/Vppbの水銀を含
有するNGL3重量部及びそれぞれ硫酸第一鉄,硫酸第
二鉄,硫化第二鉄,四三酸化鉄を含んだ4種類の鉄化合
物0.00006重量部を100mlのテフロン容器に
入れ、常温で7時間マグネチックスターラーで攪拌後静
置した。静置後、NGL中の水銀濃度を測定したところ
いずれも1W/Vppb以下であった。 〔実施例2〕実施例1において、鉄化合物の代わりに酸
化第二銅0.00006重量部を用いたこと以外は同様
にして実施したところ、NGL中の水銀濃度は1W/V
ppb以下であった。
1,000、10,000W/Wppbの硫化水素を含
有する4種類の水溶液1重量部と27W/Vppbの水
銀を含有するNGL3重量部及び原油タンクスラッジ
(乾燥)0.00006重量部を100mlのテフロン
容器に入れ、常温で7時間マグネチックスターラーで攪
拌後静置した。静置後NGL中の水銀濃度を測定したと
ころ、いずれも1W/Vppb以下であった。 〔実施例4〕水硫化ナトリウムを1W/Wppm含有す
る水溶液1重量部と27W/Vppbの水銀を含有する
NGL3重量部及び原油タンクスラッジ(乾燥)0.0
006重量部を100mlのテフロン容器に入れ、常温
で7時間マグネチックスターラーで攪拌後静置した。静
置後、NGL中の水銀濃度を測定したところ1W/Vp
pb以下であった。
Wppm含有する水溶液1重量部と27W/Vppbの
水銀を含有するNGL3重量部及び原油タンクスラッジ
(乾燥)0.0006重量部を100mlのテフロン容
器に入れ、常温で7時間マグネチックスターラーで攪拌
後静置した。静置後、NGL中の水銀濃度を測定したと
ころ1W/Vppb以下であった。 〔比較例1〕実施例1において、硫化水素を含有する水
溶液の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は同様に
して実施した。常温で7時間マグネチックスターラーで
攪拌後、静置してNGL中の水銀濃度を測定したとこ
ろ、いずれも27W/Vppbのままであった。さら
に、24時間攪拌した後、静置してNGL中の水銀濃度
を測定したところ、いずれも27W/Vppbのままで
あった。
を含有する水溶液の代わりに海水を用いたこと以外は同
様にして実施した。常温で7時間マグネチックスターラ
ーで撹件後、静置してNGL中の水銀濃度を測定したと
ころ、いずれも27W/Vppbのままであった。さら
に、24時間攪拌した後、静置してNGL中の水銀濃度
を測定したところ、いずれも27W/Vppbのままで
あった。 〔比較例3〕実施例1において、鉄化合物を添加しない
こと以外は同様にして実施した。常温で7時間マグネチ
ックスターラーで撹絆後、静置してNGL中の水銀濃度
を測定したところ、27W/Vppbのままであった。
5重量部と水銀を含有するNGL(水銀濃度27W/V
ppb)3重量部及び四三酸化鉄0.00003重量部
を100mlのテフロン容器に入れ、常温で7時間攪拌
後静置した。静置後、NGL中の水銀濃度を測定したと
ころ1W/Vppb以下であった。 〔実施例7〕実施例6において、四三酸化鉄の代わりに
硫化鉄0.00003重量部を用いたこと以外は同様に
した。静置後、NGL中の水銀濃度を測定したところ1
W/Vppb以下であった。
鉄の代わりに酸化第二銅0.00006重量部を用いた
こと以外は同様にした。静置後、NGL中の水銀濃度を
測定したところ1W/Vppb以下であった。 〔実施例9〕実施例6において、四三酸化鉄の代わりに
原油タンクスラッジ0.00003重量部を用いたこと
以外は同様にした。静置後、NGL中の水銀濃度を測定
したところ1W/Vppb以下であった。
り、液状炭化水素中の水銀濃度を1W/Vppb以下に
低減できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 水銀を含有する液状炭化水素を、単体状
水銀をイオン化する能力を有する物質、及び式MM’S
(M及びM’はそれぞれ水素、アルカリ金属又はアンモ
ニウム基を表し、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよい)で表される硫黄化合物と接触させることを特
徴とする液状炭化水素中の水銀除去法。 - 【請求項2】 前記硫黄化合物が、該硫黄化合物を含有
する水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の液
状炭化水素中の水銀除去法。 - 【請求項3】 単体状水銀をイオン化する能力を有する
物質が、硫酸鉄、硫化鉄、酸化鉄、酸化銅及び原油タン
クスラッジから選ばれるものである請求項1又は2に記
載の液状炭化水素中の水銀除去法。 - 【請求項4】 式MM’Sで表される硫黄化合物が、硫
化水素、硫化ナトリウム及び水硫化ナトリウムから選ば
れるものである請求項1〜3のいずれかに記載の液状炭
化水素中の水銀除去法。
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JP28766499A JP3824457B2 (ja) | 1998-11-16 | 1999-10-08 | 液状炭化水素中の水銀除去法 |
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---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-10-08 JP JP28766499A patent/JP3824457B2/ja not_active Expired - Fee Related
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