JP2000211318A - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
二輪車用空気入りタイヤInfo
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- JP2000211318A JP2000211318A JP11013047A JP1304799A JP2000211318A JP 2000211318 A JP2000211318 A JP 2000211318A JP 11013047 A JP11013047 A JP 11013047A JP 1304799 A JP1304799 A JP 1304799A JP 2000211318 A JP2000211318 A JP 2000211318A
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- pneumatic tire
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 操縦性と旋回性とタイヤ性状とに優れ、かつ
これらのバランスの良好な高性能の二輪車用空気入りタ
イヤを提供する。 【解決手段】 トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配
設されたコードで形成されるスパイラルベルト層と、該
スパイラルベルト層と組み合わされるカーカスとを少な
くとも備えてなり、該コードが、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートで実質的に形成されることを特徴とする
二輪車用空気入りタイヤである。コードの、25±5℃
における引張弾性率が、7208〜15887MPaで
ある態様、コードの、JIS L 1017(化学繊維
タイヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃に
おける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾
き(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との
比(E/F)が、0.7〜1.3である態様、などが好
ましい。
これらのバランスの良好な高性能の二輪車用空気入りタ
イヤを提供する。 【解決手段】 トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配
設されたコードで形成されるスパイラルベルト層と、該
スパイラルベルト層と組み合わされるカーカスとを少な
くとも備えてなり、該コードが、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートで実質的に形成されることを特徴とする
二輪車用空気入りタイヤである。コードの、25±5℃
における引張弾性率が、7208〜15887MPaで
ある態様、コードの、JIS L 1017(化学繊維
タイヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃に
おける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾
き(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との
比(E/F)が、0.7〜1.3である態様、などが好
ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車用空気入り
タイヤに関し、更に詳しくは、操縦性と旋回性とタイヤ
性状とに優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能の
二輪車用空気入りタイヤに関する。
タイヤに関し、更に詳しくは、操縦性と旋回性とタイヤ
性状とに優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能の
二輪車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二輪車用空気入りタイヤでは、ス
パイラルベルト層のコードとして、高いタガ効果を期待
して芳香族ポリアミドなどの高弾性コードを使用する旨
が、例えば、特公平3−8961号公報、特開平3−2
27703号公報、特開平3−231003号公報、特
開平3−239602号公報、特開平3−24620号
公報、特開平3−114903号公報、特開平5−22
9306号公報、特開平5−229306号公報などに
開示されている。しかし、前記芳香族ポリアミドなどの
高弾性コードでは、加硫時の金型フィット性が悪い上、
タイヤの旋回性や性状が十分でないという問題がある。
パイラルベルト層のコードとして、高いタガ効果を期待
して芳香族ポリアミドなどの高弾性コードを使用する旨
が、例えば、特公平3−8961号公報、特開平3−2
27703号公報、特開平3−231003号公報、特
開平3−239602号公報、特開平3−24620号
公報、特開平3−114903号公報、特開平5−22
9306号公報、特開平5−229306号公報などに
開示されている。しかし、前記芳香族ポリアミドなどの
高弾性コードでは、加硫時の金型フィット性が悪い上、
タイヤの旋回性や性状が十分でないという問題がある。
【0003】また、スパイラルベルト層のコードとし
て、加硫時の金型フィット性を向上させつつタガ効果を
向上させるべく、低弾性フィラメントと高弾性フィラメ
ントとを撚り合わせた複合コードを使用し、該複合コー
ドの応力伸度曲線の非線型性を利用し、応力伸度曲線の
変曲点と、低伸度領域及び高伸度領域における弾性率比
とを限定する旨が、例えば、特開平5−604号公報、
特開平5−92702号公報、特開平5−116509
号公報などに開示されている。しかしながら、前記低弾
性フィラメントと前記高弾性フィラメントとを撚り合わ
せた複合コードの場合、応力−伸度曲線に変曲線を持つ
ため、いわゆる大入力及び小人力でのコードの挙動が異
なってしまうため、操縦性に入力依存性が出てしまい、
大入力・大変形時には操縦性が良好であるが、小入力・
小変形時には効果が十分でないという問題がある。ま
た、前記複合コードを使用する場合、加硫金型への拡張
率をトレッド幅方向で一定にするのは実際には困難であ
るという問題もある。
て、加硫時の金型フィット性を向上させつつタガ効果を
向上させるべく、低弾性フィラメントと高弾性フィラメ
ントとを撚り合わせた複合コードを使用し、該複合コー
ドの応力伸度曲線の非線型性を利用し、応力伸度曲線の
変曲点と、低伸度領域及び高伸度領域における弾性率比
とを限定する旨が、例えば、特開平5−604号公報、
特開平5−92702号公報、特開平5−116509
号公報などに開示されている。しかしながら、前記低弾
性フィラメントと前記高弾性フィラメントとを撚り合わ
せた複合コードの場合、応力−伸度曲線に変曲線を持つ
ため、いわゆる大入力及び小人力でのコードの挙動が異
なってしまうため、操縦性に入力依存性が出てしまい、
大入力・大変形時には操縦性が良好であるが、小入力・
小変形時には効果が十分でないという問題がある。ま
た、前記複合コードを使用する場合、加硫金型への拡張
率をトレッド幅方向で一定にするのは実際には困難であ
るという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。本発明は、操縦性と旋回性とタイヤ性状とに
優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能の二輪車用
空気入りタイヤを提供することを目的とする。
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。本発明は、操縦性と旋回性とタイヤ性状とに
優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能の二輪車用
空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配設され
たコードで形成されるスパイラルベルト層と、該スパイ
ラルベルト層と組み合わされるカーカスとを少なくとも
備えてなり、該コードが、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートで実質的に形成されることを特徴とする二輪車
用空気入りタイヤである。 <2> コードの、25±5℃における引張弾性率が、
7208〜15887MPaである前記<1>に記載の
二輪車用空気入りタイヤである。 <3> コードの、JIS L 1017(化学繊維タ
イヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃にお
ける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾き
(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との比
(E/F)が、0.7〜1.3である前記<1>又は<
2>に記載の二輪車用空気入りタイヤである。 <4> コードが、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トで実質的に形成される原糸の撚り糸であり、該撚り糸
における以下の上撚り係数(R)が、1200〜260
0である前記<1>から<3>のいずれかに記載の二輪
車用空気入りタイヤである。 撚り係数(R)=N×√(0.9D) ただし、前記式において、Nは、上撚り数(回/10c
m)を表し、Dは、デシテックスで表したコードの総表
示繊度を表す。
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配設され
たコードで形成されるスパイラルベルト層と、該スパイ
ラルベルト層と組み合わされるカーカスとを少なくとも
備えてなり、該コードが、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートで実質的に形成されることを特徴とする二輪車
用空気入りタイヤである。 <2> コードの、25±5℃における引張弾性率が、
7208〜15887MPaである前記<1>に記載の
二輪車用空気入りタイヤである。 <3> コードの、JIS L 1017(化学繊維タ
イヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃にお
ける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾き
(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との比
(E/F)が、0.7〜1.3である前記<1>又は<
2>に記載の二輪車用空気入りタイヤである。 <4> コードが、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トで実質的に形成される原糸の撚り糸であり、該撚り糸
における以下の上撚り係数(R)が、1200〜260
0である前記<1>から<3>のいずれかに記載の二輪
車用空気入りタイヤである。 撚り係数(R)=N×√(0.9D) ただし、前記式において、Nは、上撚り数(回/10c
m)を表し、Dは、デシテックスで表したコードの総表
示繊度を表す。
【0006】前記<1>に記載の二輪車用空気入りタイ
ヤにおいては、前記コードがポリエチレン−2,6−ナ
フタレート(以下「PEN」と称することがある。) で
実質的に形成されているので、タイヤ製造時に生タイヤ
を加硫金型に装着し、生タイヤに内圧を充填させ、金型
内面に押しつける際、一般の高弾性有機繊維コードとは
異なり、タイヤ加硫成型時にコードの受ける温度下(1
65℃〜185℃)で、十分な伸びを示すので、スパイ
ラルベルト層がカーカスに食い込むこともなければ、生
タイヤが加硫金型にフィットしないこともない。このた
め、スパイラルベルト層の性状は均一となり、得られる
二輪車用空気入りタイヤの接地性も均一となり、該二輪
車用空気入りタイヤは、操縦安定性、耐偏摩耗性に優れ
る。
ヤにおいては、前記コードがポリエチレン−2,6−ナ
フタレート(以下「PEN」と称することがある。) で
実質的に形成されているので、タイヤ製造時に生タイヤ
を加硫金型に装着し、生タイヤに内圧を充填させ、金型
内面に押しつける際、一般の高弾性有機繊維コードとは
異なり、タイヤ加硫成型時にコードの受ける温度下(1
65℃〜185℃)で、十分な伸びを示すので、スパイ
ラルベルト層がカーカスに食い込むこともなければ、生
タイヤが加硫金型にフィットしないこともない。このた
め、スパイラルベルト層の性状は均一となり、得られる
二輪車用空気入りタイヤの接地性も均一となり、該二輪
車用空気入りタイヤは、操縦安定性、耐偏摩耗性に優れ
る。
【0007】前記<2>に記載の二輪車用空気入りタイ
ヤは、前記コードの、25±5℃における引張弾性率
が、7208〜15887MPaであるので、該二輪車
用空気入りタイヤの走行上にトレッド部がせり出して行
くのを抑えるというタガの役割が十分に発揮される。ま
た、入力に対する接地面での追従性が良好であり、操縦
性の剛性感が必要以上に高くなることがない。
ヤは、前記コードの、25±5℃における引張弾性率
が、7208〜15887MPaであるので、該二輪車
用空気入りタイヤの走行上にトレッド部がせり出して行
くのを抑えるというタガの役割が十分に発揮される。ま
た、入力に対する接地面での追従性が良好であり、操縦
性の剛性感が必要以上に高くなることがない。
【0008】前記<3>に記載の二輪車用空気入りタイ
ヤは、前記コードの、JIS L1017(化学繊維タ
イヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃にお
ける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾き
(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との比
(E/F)が、0.7〜1.3であるので、旋回性に優
れる。即ち、2.65mN/dtex時とは、コードに
加わる入力の中で比較的小さい入力の平均応力値であ
り、10.6mN/dtex時とは、コードに加わる入
力の中で比較的大きい入力の平均応力値であり、この大
小の入力に相当する応力下での応力−伸長曲線のそれぞ
れの傾き(E)及び(F)は、まさしく入力に対するタ
イヤ回答性を示し、この両者に差があると、入力に対す
る回答性が変わってしまうことになるが0.7〜1.3
であれば、回答性の入力依存性は許容でき、特に旋回性
が良好となる。
ヤは、前記コードの、JIS L1017(化学繊維タ
イヤコード試験方法)に規定される、25℃±5℃にお
ける荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時の傾き
(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)との比
(E/F)が、0.7〜1.3であるので、旋回性に優
れる。即ち、2.65mN/dtex時とは、コードに
加わる入力の中で比較的小さい入力の平均応力値であ
り、10.6mN/dtex時とは、コードに加わる入
力の中で比較的大きい入力の平均応力値であり、この大
小の入力に相当する応力下での応力−伸長曲線のそれぞ
れの傾き(E)及び(F)は、まさしく入力に対するタ
イヤ回答性を示し、この両者に差があると、入力に対す
る回答性が変わってしまうことになるが0.7〜1.3
であれば、回答性の入力依存性は許容でき、特に旋回性
が良好となる。
【0009】前記<4>に記載の二輪車用空気入りタイ
ヤは、前記コードが、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートで実質的に形成される原糸の撚り糸であり、該撚り
糸における前記上撚り係数(R)が、1200〜260
0であるので、該コードに適度の集束性が与えられ、高
レベルのタガ効果が得られ、その結果、コード−ゴム間
の接着性が良好である。
ヤは、前記コードが、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートで実質的に形成される原糸の撚り糸であり、該撚り
糸における前記上撚り係数(R)が、1200〜260
0であるので、該コードに適度の集束性が与えられ、高
レベルのタガ効果が得られ、その結果、コード−ゴム間
の接着性が良好である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の二輪車用空気入りタイヤ
は、トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配設されたコ
ードで形成されるスパイラルベルト層と、該スパイラル
ベルト層と組み合わされるカーカスとを少なくとも備え
てなり、その他の構造は公知の二輪車用空気入りタイヤ
と同様である。なお、本発明の二輪車用空気入りタイヤ
は、ラジアルタイヤであってもよいし、バイアスタイヤ
であってもよい。
は、トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配設されたコ
ードで形成されるスパイラルベルト層と、該スパイラル
ベルト層と組み合わされるカーカスとを少なくとも備え
てなり、その他の構造は公知の二輪車用空気入りタイヤ
と同様である。なお、本発明の二輪車用空気入りタイヤ
は、ラジアルタイヤであってもよいし、バイアスタイヤ
であってもよい。
【0011】<コード>前記コードは、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートで実質的に形成されることが必要
である。その理由は以下の通りである。即ち、タイヤ製
造時においては、生タイヤを加硫金型に装着し、該生タ
イヤに内圧を充填させ、該生タイヤを前記加硫金型の内
面に押しつける必要があるが、その際に、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートを除く高弾性有機繊維コードで
は、タイヤ加硫成型時にコードが受ける温度下(165
℃〜185℃)で十分に伸長しないため、前記スパイラ
ルベルト層が前記カーカスに食い込んでしまうことがあ
り、また、前記生タイヤが前記加硫金型にフィットせ
ず、性状の不良な二輪車用空気入りタイヤしか得られな
い。タイヤ製造時に前記生タイヤを前記加硫金型に装着
し、該生タイヤに内圧を充填させ、該生タイヤを前記加
硫金型の内面に押しつける時、その拡張率が一定でない
トレッド各部を伸びを持って金型に密着させるため、ラ
セン状に巻きつけられたスパイラルベルト層のコード
は、タイヤ加硫成型時にコードが受ける温度下において
十分に伸びを有する必要がある。前記コードが、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートで実質的に形成されてい
る場合には、該コードにより形成されるスパイラルベル
ト層の性状は、均一となり、接地性も均一となり、該二
輪車用空気入りタイヤは、操縦安定性、耐偏摩耗性に優
れたものとなる。
2,6−ナフタレートで実質的に形成されることが必要
である。その理由は以下の通りである。即ち、タイヤ製
造時においては、生タイヤを加硫金型に装着し、該生タ
イヤに内圧を充填させ、該生タイヤを前記加硫金型の内
面に押しつける必要があるが、その際に、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートを除く高弾性有機繊維コードで
は、タイヤ加硫成型時にコードが受ける温度下(165
℃〜185℃)で十分に伸長しないため、前記スパイラ
ルベルト層が前記カーカスに食い込んでしまうことがあ
り、また、前記生タイヤが前記加硫金型にフィットせ
ず、性状の不良な二輪車用空気入りタイヤしか得られな
い。タイヤ製造時に前記生タイヤを前記加硫金型に装着
し、該生タイヤに内圧を充填させ、該生タイヤを前記加
硫金型の内面に押しつける時、その拡張率が一定でない
トレッド各部を伸びを持って金型に密着させるため、ラ
セン状に巻きつけられたスパイラルベルト層のコード
は、タイヤ加硫成型時にコードが受ける温度下において
十分に伸びを有する必要がある。前記コードが、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートで実質的に形成されてい
る場合には、該コードにより形成されるスパイラルベル
ト層の性状は、均一となり、接地性も均一となり、該二
輪車用空気入りタイヤは、操縦安定性、耐偏摩耗性に優
れたものとなる。
【0012】前記ポリエチレン−2,6−ナフタレート
は、溶融重合、固相重合などの公知の重合方法に従って
製造することができる。
は、溶融重合、固相重合などの公知の重合方法に従って
製造することができる。
【0013】前記コードは、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートの繊維で形成されるが、該繊維を製造する方
法としては、特に制限はなく、溶融紡糸法、溶液紡糸法
などにより前記ポリエチレン−2,6−ナフタレートを
繊維化する方法が挙げられ、具体的には、例えば特開平
10−88422号公報の実施例1に記載の方法に従っ
てポリエチレン−2,6−ナフタレートの繊維(原糸)
を製造することができる。
フタレートの繊維で形成されるが、該繊維を製造する方
法としては、特に制限はなく、溶融紡糸法、溶液紡糸法
などにより前記ポリエチレン−2,6−ナフタレートを
繊維化する方法が挙げられ、具体的には、例えば特開平
10−88422号公報の実施例1に記載の方法に従っ
てポリエチレン−2,6−ナフタレートの繊維(原糸)
を製造することができる。
【0014】前記ポリエチレン−2,6−ナフタレート
の繊維は、例えば、以下の溶融紡糸法に従って製造する
ことができる。即ち、前記ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(極限粘度0.84)の樹脂チップを、310
℃で溶融した後、紡糸口金(口径0.6mm)から吐出
し紡糸する。吐出量は、紡糸延伸後の繊度が1111.
1dtexになるように調整する。吐出された糸条に対
し、長さ400mmにわたって370℃に加熱保持され
た領域を通過させた後、25℃で風速0.3m/秒の冷
却風を吹き出し長さ330mmにわたって吹き付け、こ
れを冷却固化し、オイリングローラで油剤を付与した
後、700m/分の速度で巻き取る。以上により、前記
ポリエチレン−2,6−ナフタレートを繊維化し、原糸
を得ることができる。
の繊維は、例えば、以下の溶融紡糸法に従って製造する
ことができる。即ち、前記ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(極限粘度0.84)の樹脂チップを、310
℃で溶融した後、紡糸口金(口径0.6mm)から吐出
し紡糸する。吐出量は、紡糸延伸後の繊度が1111.
1dtexになるように調整する。吐出された糸条に対
し、長さ400mmにわたって370℃に加熱保持され
た領域を通過させた後、25℃で風速0.3m/秒の冷
却風を吹き出し長さ330mmにわたって吹き付け、こ
れを冷却固化し、オイリングローラで油剤を付与した
後、700m/分の速度で巻き取る。以上により、前記
ポリエチレン−2,6−ナフタレートを繊維化し、原糸
を得ることができる。
【0015】前記ポリエチレン−2,6−ナフタレート
の繊維には、熱、酸素等に対して十分な耐久性を付与す
る目的で酸化防止剤を添加することが好ましく、また必
要に応じて艶消し剤、顔料、帯電防止剤などの公知の添
加剤を添加してもよい。
の繊維には、熱、酸素等に対して十分な耐久性を付与す
る目的で酸化防止剤を添加することが好ましく、また必
要に応じて艶消し剤、顔料、帯電防止剤などの公知の添
加剤を添加してもよい。
【0016】以上により得られた前記ポリエチレン−
2,6−ナフタレートの繊維(ポリマーフィラメント)
は、その引張強度が、通常40mN/dtex以上であ
り、48mN/dtex以上が好ましい。前記引張強度
が、40mN/dtex未満であると、走行中のコード
破断が発生することがある。
2,6−ナフタレートの繊維(ポリマーフィラメント)
は、その引張強度が、通常40mN/dtex以上であ
り、48mN/dtex以上が好ましい。前記引張強度
が、40mN/dtex未満であると、走行中のコード
破断が発生することがある。
【0017】前記コードは、前記ポリエチレン−2,6
−ナフタレートの繊維原糸の束の1本から形成されてい
てもよいし、2本以上から形成されていてもよく、その
場合、例えば、前記ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トの繊維に下撚りをかけ、次いでこれを2本乃至3本合
わせて、逆方向に上撚りを施し、撚糸コードとして得る
ことができる。
−ナフタレートの繊維原糸の束の1本から形成されてい
てもよいし、2本以上から形成されていてもよく、その
場合、例えば、前記ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トの繊維に下撚りをかけ、次いでこれを2本乃至3本合
わせて、逆方向に上撚りを施し、撚糸コードとして得る
ことができる。
【0018】前記有機繊維コードを撚糸コードとした場
合、下記撚り係数(R)が、1200〜2600である
のが好ましく、1500〜2300がより好ましい。 撚り係数(R)=N×√(0.9D) ただし、前記式において、Nは、上撚り数(回/10c
m)を表し、Dは、デシテックスで表したコードの総表
示繊度を表す。
合、下記撚り係数(R)が、1200〜2600である
のが好ましく、1500〜2300がより好ましい。 撚り係数(R)=N×√(0.9D) ただし、前記式において、Nは、上撚り数(回/10c
m)を表し、Dは、デシテックスで表したコードの総表
示繊度を表す。
【0019】前記撚り係数(R)が、1200〜260
0であると、該コードに適度な集束性を与えることがで
き、高レベルのタガ効果が得られる点で有利である。前
記撚り係数(R)が、1200未満であると、コード−
ゴム間の接着性が悪くなることがあり、2600を超え
ると、該コードの伸びが増大し、初期モジュラスが低下
するため、タガ効果が低下してしまうことがある。
0であると、該コードに適度な集束性を与えることがで
き、高レベルのタガ効果が得られる点で有利である。前
記撚り係数(R)が、1200未満であると、コード−
ゴム間の接着性が悪くなることがあり、2600を超え
ると、該コードの伸びが増大し、初期モジュラスが低下
するため、タガ効果が低下してしまうことがある。
【0020】前記コードの、25±5℃における引張弾
性率としては、7208〜15887MPaが好まし
く、8100〜11800MPaがより好ましい。前記
引張弾性率は、5883.99MPa未満であると、該
二輪車用空気入りタイヤが走行中、トレッド部がせり出
して行くのを抑えるという単純なタガとしての役割を十
分に発揮しなくなることがあり、また、入力に対して接
地面での追従性が十分でないことがある。したがって、
タガ効果だけに着目すれば、前記前記引張弾性率の下限
値を5883.99MPaとしても問題ないが、前記前
記引張弾性率が7208MPa未満であると、入力に対
する接地面での追従性が不十分となるので、本発明にお
いては、前記引張弾性率の下限値としては7208MP
aであることが好ましい。
性率としては、7208〜15887MPaが好まし
く、8100〜11800MPaがより好ましい。前記
引張弾性率は、5883.99MPa未満であると、該
二輪車用空気入りタイヤが走行中、トレッド部がせり出
して行くのを抑えるという単純なタガとしての役割を十
分に発揮しなくなることがあり、また、入力に対して接
地面での追従性が十分でないことがある。したがって、
タガ効果だけに着目すれば、前記前記引張弾性率の下限
値を5883.99MPaとしても問題ないが、前記前
記引張弾性率が7208MPa未満であると、入力に対
する接地面での追従性が不十分となるので、本発明にお
いては、前記引張弾性率の下限値としては7208MP
aであることが好ましい。
【0021】一方、前記引張弾性率が、15887MP
aを超えると、入力に対して接地面での追従性は良好で
なくなる上、適切でないレベルにまでタイヤの剛性が高
くなりすぎ、換言すれば、蛇角に対する横力の発生が急
激になりすぎ、操縦性の剛性感が必要以上に高くなって
しまう。その結果、ドライバーにとってはまるで720
8MPa未満であるコードを使用したかのような、接地
面での追従性が悪くなったかの印象を受けるといった不
具合が出てくる。
aを超えると、入力に対して接地面での追従性は良好で
なくなる上、適切でないレベルにまでタイヤの剛性が高
くなりすぎ、換言すれば、蛇角に対する横力の発生が急
激になりすぎ、操縦性の剛性感が必要以上に高くなって
しまう。その結果、ドライバーにとってはまるで720
8MPa未満であるコードを使用したかのような、接地
面での追従性が悪くなったかの印象を受けるといった不
具合が出てくる。
【0022】前記コードの、JIS L 1017−1
983(化学繊維タイヤコード試験方法)に規定され
る、25℃±5℃における荷重−伸長曲線の2.65m
N/dtex時の傾き(E)と10.6mN/dtex
時の傾き(F)との比(E/F)が、0.8〜1.3で
あるのが好ましく、1.0に近い程より好ましく、1.
0であるのが最も好ましい。
983(化学繊維タイヤコード試験方法)に規定され
る、25℃±5℃における荷重−伸長曲線の2.65m
N/dtex時の傾き(E)と10.6mN/dtex
時の傾き(F)との比(E/F)が、0.8〜1.3で
あるのが好ましく、1.0に近い程より好ましく、1.
0であるのが最も好ましい。
【0023】即ち、2.65mN/dtex時とは、該
二輪車用空気入りタイヤ中のコードに加わる入力の中で
比較的小さい入力の平均応力値を意味し、10.6mN
/dtex時とは、該二輪車用空気入りタイヤ中のコー
ドに加わる入力の中で比較的大きい入力の平均応力値を
意味する。したがって、この大小の入力に相当する応力
下での応力−伸長曲線(S−S曲線ともいうことがあ
る)におけるそれぞれの傾きE及びFは、まさしく大小
の入力に対する該二輪車用空気入りタイヤの回答性を示
し、この両者に差があると入力に対する回答性が変わっ
てしまうことになる。この入力に対する回答性は、タイ
ヤの旋回時に特に顕著にドライバーに感じられる。
二輪車用空気入りタイヤ中のコードに加わる入力の中で
比較的小さい入力の平均応力値を意味し、10.6mN
/dtex時とは、該二輪車用空気入りタイヤ中のコー
ドに加わる入力の中で比較的大きい入力の平均応力値を
意味する。したがって、この大小の入力に相当する応力
下での応力−伸長曲線(S−S曲線ともいうことがあ
る)におけるそれぞれの傾きE及びFは、まさしく大小
の入力に対する該二輪車用空気入りタイヤの回答性を示
し、この両者に差があると入力に対する回答性が変わっ
てしまうことになる。この入力に対する回答性は、タイ
ヤの旋回時に特に顕著にドライバーに感じられる。
【0024】前記比(E/F)が、0.7未満である
と、大入力時の回答性が相対的に小入力時の回答性に対
して悪くなる傾向があり、1.3を超えるとその逆とな
る傾向がある。一方、前記比(E/F)が、前記数値範
囲内にあると、回答性の入力依存性は許容できるレベル
にある点で好ましい。タイヤの旋回性は、スパイラルベ
ルト層のコードが受ける大荷重下と小荷重下とにおける
各々のモジュラスの絶対値よりも、その比によって大き
く左右されるのである。
と、大入力時の回答性が相対的に小入力時の回答性に対
して悪くなる傾向があり、1.3を超えるとその逆とな
る傾向がある。一方、前記比(E/F)が、前記数値範
囲内にあると、回答性の入力依存性は許容できるレベル
にある点で好ましい。タイヤの旋回性は、スパイラルベ
ルト層のコードが受ける大荷重下と小荷重下とにおける
各々のモジュラスの絶対値よりも、その比によって大き
く左右されるのである。
【0025】前記比(E/F)は、例えば、以下のよう
にして求められる。即ち、供試タイヤのクラウンセンタ
ー部を中心にしてスパイラルベルト層からコード試験片
を採取する。このコード試験片を、25±5℃の各恒温
下において、引張試験機(例えば、島津製作所(株)製
のオートグラフなど)によって、JIS L 1017
−1983(化学繊維タイヤコード試験方法)に従っ
て、荷重−伸長曲線(S−S線、引張特性曲線)を描
く。そして、応力の目盛で2.65mN/dtex時の
該曲線の接線の傾きを求め、また、同様に10.6mN
/dtex時の該曲線の接線の傾きを求め、両者の比を
算出することにより求められる。
にして求められる。即ち、供試タイヤのクラウンセンタ
ー部を中心にしてスパイラルベルト層からコード試験片
を採取する。このコード試験片を、25±5℃の各恒温
下において、引張試験機(例えば、島津製作所(株)製
のオートグラフなど)によって、JIS L 1017
−1983(化学繊維タイヤコード試験方法)に従っ
て、荷重−伸長曲線(S−S線、引張特性曲線)を描
く。そして、応力の目盛で2.65mN/dtex時の
該曲線の接線の傾きを求め、また、同様に10.6mN
/dtex時の該曲線の接線の傾きを求め、両者の比を
算出することにより求められる。
【0026】なお、前記コードの物性として、19.9
mN/dtex荷重下での伸度(%)(JIS L 1
017−1983の手法による) が3.5%以下である
のが、コードに適度な熱収縮性を与えることができる点
で好ましい。なお、適度な熱収縮性がないコードを用い
ると、タイヤ内の比較的加硫拡張の小さい部分でコード
の蛇行が発生することがあり好ましくない。
mN/dtex荷重下での伸度(%)(JIS L 1
017−1983の手法による) が3.5%以下である
のが、コードに適度な熱収縮性を与えることができる点
で好ましい。なお、適度な熱収縮性がないコードを用い
ると、タイヤ内の比較的加硫拡張の小さい部分でコード
の蛇行が発生することがあり好ましくない。
【0027】また、前記コードは、ゴムによってコーテ
ィングされてスパイラルベルト層を形成してもよく、そ
の場合のコーティングゴムとしては、特に限定されない
が、50%伸長時の引張応力E(MPa)が、0.98
〜1.96であるのが好ましい。前記引張応力E(MP
a)が、0.98未満であると、ややレスポンス性が悪
くなる傾向があり、1.96を超えると、ゴムがタイヤ
剛性に対して固くなりすぎ、場合によってはセパレーシ
ョンが発生することがある。
ィングされてスパイラルベルト層を形成してもよく、そ
の場合のコーティングゴムとしては、特に限定されない
が、50%伸長時の引張応力E(MPa)が、0.98
〜1.96であるのが好ましい。前記引張応力E(MP
a)が、0.98未満であると、ややレスポンス性が悪
くなる傾向があり、1.96を超えると、ゴムがタイヤ
剛性に対して固くなりすぎ、場合によってはセパレーシ
ョンが発生することがある。
【0028】前記コードは、トレッドの内側でかつタイ
ヤ周方向に配設され、例えば、トレッドの内側において
タイヤ周方向に巻回されて、スパイラルベルト層を形成
する。該スパイラルベルト層は、カーカスと組み合わせ
れる。本発明の二輪車用空気入りタイヤにおいては、前
記コードを除く他の構成については、特に制限はなく、
公知のものと同様に設計することができる。
ヤ周方向に配設され、例えば、トレッドの内側において
タイヤ周方向に巻回されて、スパイラルベルト層を形成
する。該スパイラルベルト層は、カーカスと組み合わせ
れる。本発明の二輪車用空気入りタイヤにおいては、前
記コードを除く他の構成については、特に制限はなく、
公知のものと同様に設計することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明は、これらの実施例に何ら限定れるものではな
い。
本発明は、これらの実施例に何ら限定れるものではな
い。
【0030】(実施例1〜8及び比較例1〜5)トレッ
ド周方向に対して90°の角度で延びるナイロンコード
(840d/2)の2プライによってカーカスを形成
し、このカーカスのそれぞれの側端部分をビードコアの
周りで内側から外側に向けて折り返した。そして、該カ
ーカスのクラウン部の外周側であって、かつ前記トレッ
ドの内側に、PENの繊維により形成したコードの一本
を、螺旋状に巻回して、トレッドの幅とほぼ等しい幅を
有する一層のスパイラルベルト層を形成した。したがっ
て、該スパイラルベルト層のコードは、実質的にトレッ
ド周方向に延在している。以上の構成の二輪車用空気入
りタイヤ(タイヤのサイズ:170/60R17)を製
造した。
ド周方向に対して90°の角度で延びるナイロンコード
(840d/2)の2プライによってカーカスを形成
し、このカーカスのそれぞれの側端部分をビードコアの
周りで内側から外側に向けて折り返した。そして、該カ
ーカスのクラウン部の外周側であって、かつ前記トレッ
ドの内側に、PENの繊維により形成したコードの一本
を、螺旋状に巻回して、トレッドの幅とほぼ等しい幅を
有する一層のスパイラルベルト層を形成した。したがっ
て、該スパイラルベルト層のコードは、実質的にトレッ
ド周方向に延在している。以上の構成の二輪車用空気入
りタイヤ(タイヤのサイズ:170/60R17)を製
造した。
【0031】前記コードは、以下のようにして形成し
た。まず、85モル%以上がポリエチレン−2,6−ナ
フタレートからなる重合体を重合により得た。次に、こ
の重合体のチップを溶融紡糸した。その際の条件は、紡
糸速度を600m/分とし、紡糸口金直下に雰囲気温度
340℃、長さ44cmの加熱筒を設定した。紡糸され
た未延伸糸をオイリングローラーで油剤を付与して巻き
取った。次いで、得られた未延伸糸を1%のプリテンシ
ョンをかけた後、227℃の加熱ロールと非加熱ロール
との間で2.2%弛緩率で収縮熱セットを行い、300
m/分で巻き取った。
た。まず、85モル%以上がポリエチレン−2,6−ナ
フタレートからなる重合体を重合により得た。次に、こ
の重合体のチップを溶融紡糸した。その際の条件は、紡
糸速度を600m/分とし、紡糸口金直下に雰囲気温度
340℃、長さ44cmの加熱筒を設定した。紡糸され
た未延伸糸をオイリングローラーで油剤を付与して巻き
取った。次いで、得られた未延伸糸を1%のプリテンシ
ョンをかけた後、227℃の加熱ロールと非加熱ロール
との間で2.2%弛緩率で収縮熱セットを行い、300
m/分で巻き取った。
【0032】なお、紡糸機の温度は重合体が溶融したエ
クストルーダーの後半部で300〜315℃、以降口金
から吐出するまでの温度を318℃とした。また、上記
加熱筒を通過させた後に長さ35cmにわたり相対湿度
65%、温度25℃にて冷却固化させた。以上により、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの原糸を得た。次
に、この原糸を前記撚り係数Rが表1及び表2に示す値
に調整し、撚糸コードを得た。この撚糸コードを次の条
件にて接着剤付与と熱処理を施した。
クストルーダーの後半部で300〜315℃、以降口金
から吐出するまでの温度を318℃とした。また、上記
加熱筒を通過させた後に長さ35cmにわたり相対湿度
65%、温度25℃にて冷却固化させた。以上により、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの原糸を得た。次
に、この原糸を前記撚り係数Rが表1及び表2に示す値
に調整し、撚糸コードを得た。この撚糸コードを次の条
件にて接着剤付与と熱処理を施した。
【0033】まず、この撚糸コードを、特公昭63−1
2503号公報の実施例1に示された、レゾルシン−ホ
ルマリン、ラテックス系の接着剤に浸漬した後、乾燥ゾ
ーンの処理温度を170℃、処理時間を60〜160秒
間とし、またヒートセットゾーン及びノルマライジング
ゾーンの処理温度を250〜270℃とし、処理時間を
60〜160秒間とし、更にヒートセットゾーンコード
張力及びノルマライジングゾーンコード張力を共に、
2.2〜9.0mN/dtexに設定した。以上によ
り、コードを得た。
2503号公報の実施例1に示された、レゾルシン−ホ
ルマリン、ラテックス系の接着剤に浸漬した後、乾燥ゾ
ーンの処理温度を170℃、処理時間を60〜160秒
間とし、またヒートセットゾーン及びノルマライジング
ゾーンの処理温度を250〜270℃とし、処理時間を
60〜160秒間とし、更にヒートセットゾーンコード
張力及びノルマライジングゾーンコード張力を共に、
2.2〜9.0mN/dtexに設定した。以上によ
り、コードを得た。
【0034】得られた各実施例及び比較例の二輪車用空
気入りタイヤ(タイヤのサイズ:170/60R17)
について、以下の評価を行った。その結果は、表1及び
表2に示した。なお、各タイヤにおける相違は、前記コ
ードとして表1及び表2に示したものを用いた点のみに
ある。なお、実施例1におけるコードは、表示デニール
が1500D/2、下撚りが39回/10cm、上撚り
が39回/10cm〔撚り数が下×上(回/10cm)
39×39と表示〕であった。
気入りタイヤ(タイヤのサイズ:170/60R17)
について、以下の評価を行った。その結果は、表1及び
表2に示した。なお、各タイヤにおける相違は、前記コ
ードとして表1及び表2に示したものを用いた点のみに
ある。なお、実施例1におけるコードは、表示デニール
が1500D/2、下撚りが39回/10cm、上撚り
が39回/10cm〔撚り数が下×上(回/10cm)
39×39と表示〕であった。
【0035】<評価> −引張弾性率− 未走行の新品タイヤからコードに傷つけることなく、注
意深く取り出したスパイラルベルト層のコードに付着し
ている余分なゴムを、鋏を用いて注意深くそぎ落とした
後、JIS L 1017−1983に従って、オート
グラフ(島津製作所製)にて室温(25±2℃)で引張
荷重−伸長曲線を描いた。この曲線の荷重軸を引張前の
総デシテックス(dtex)数で除した値に換算し、応
力−伸長曲線に書き直し、この曲線における7.94g
/dtex荷重点に接線を引き、この接線の傾きを求め
た。この値に〔9.81×繊維の比重〕を乗じた値を引
張弾性率(MPa)とした。
意深く取り出したスパイラルベルト層のコードに付着し
ている余分なゴムを、鋏を用いて注意深くそぎ落とした
後、JIS L 1017−1983に従って、オート
グラフ(島津製作所製)にて室温(25±2℃)で引張
荷重−伸長曲線を描いた。この曲線の荷重軸を引張前の
総デシテックス(dtex)数で除した値に換算し、応
力−伸長曲線に書き直し、この曲線における7.94g
/dtex荷重点に接線を引き、この接線の傾きを求め
た。この値に〔9.81×繊維の比重〕を乗じた値を引
張弾性率(MPa)とした。
【0036】−比(E/F)− 前記曲線における、2.65g/dの荷重点に接線を引
き、この接線の傾き(E)を求めた。この値に〔9.8
1×繊維の比重〕を乗じた値が、ここでいう引張弾性率
(MPa)である。同様にして、10.6mN/dte
x荷重点に接線を引き、この接線の傾き(F)を求め
た。そして、これらの値から前記比(E/F)を算出し
た。
き、この接線の傾き(E)を求めた。この値に〔9.8
1×繊維の比重〕を乗じた値が、ここでいう引張弾性率
(MPa)である。同様にして、10.6mN/dte
x荷重点に接線を引き、この接線の傾き(F)を求め
た。そして、これらの値から前記比(E/F)を算出し
た。
【0037】−操縦性及び旋回性− 各タイヤを排気量が750ccの二輸車の後輪に装着し
て操縦安定性評価テストコースで専門のドライバー2名
が実車走行を行い、操縦性及び旋回性を官能評価した。
各項目について、1〜10点で評価し、ドライバー2名
の評価の平均点を求めた。なお、数値の大きい程、優れ
ていることを意味する。
て操縦安定性評価テストコースで専門のドライバー2名
が実車走行を行い、操縦性及び旋回性を官能評価した。
各項目について、1〜10点で評価し、ドライバー2名
の評価の平均点を求めた。なお、数値の大きい程、優れ
ていることを意味する。
【0038】−性状− 各タイヤをラジアル方向(タイヤ半径方向と実質平行)
にカットし、断面表面をバフした後、断面のカーカス層
とスパイラルベルト層との層間ゲージを目視にて観察
し、以下の基準にて評価した。 タイヤ幅方向に均一なゲージを持ったもの・・・・・・
・良好(◎) 均一ではないが層間ゲージが十分に保たれているもの・
・普通(○) 均一でなく一部分が層間ゲージが不足しているもの・・
・やや不良(△) 耐久安全上問題になるほどに性状不良があるもの・・・
・不良(×) なお、◎〜△は、耐久安全上問題ないレベルであるが、
◎に近くなるほど、安全マージンの高いタイヤであると
いえる。
にカットし、断面表面をバフした後、断面のカーカス層
とスパイラルベルト層との層間ゲージを目視にて観察
し、以下の基準にて評価した。 タイヤ幅方向に均一なゲージを持ったもの・・・・・・
・良好(◎) 均一ではないが層間ゲージが十分に保たれているもの・
・普通(○) 均一でなく一部分が層間ゲージが不足しているもの・・
・やや不良(△) 耐久安全上問題になるほどに性状不良があるもの・・・
・不良(×) なお、◎〜△は、耐久安全上問題ないレベルであるが、
◎に近くなるほど、安全マージンの高いタイヤであると
いえる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1及び表2の結果から、以下のことが明
らかである。請求項1から4に規定する条件を満たす、
実施例1〜5の二輪車用空気入りタイヤは、操縦性と旋
回性とタイヤ性状とに優れ、かつこれらのバランスの良
好であり、高性能であることが明らかである。また、請
求項2に規定する条件を満たさない実施例8の二輪車用
空気入りタイヤの場合、実施例1〜5に比べて、操縦性
と、性状とがやや劣っていた。また、請求項3に規定す
る条件を満たさない実施例7の二輪車用空気入りタイヤ
の場合、実施例1〜5に比べて、旋回性がやや劣ってい
た。また、請求項4に規定する条件を満たさない実施例
6の二輪車用空気入りタイヤの場合、実施例1〜5に比
べて、操縦性がやや劣っていた。
らかである。請求項1から4に規定する条件を満たす、
実施例1〜5の二輪車用空気入りタイヤは、操縦性と旋
回性とタイヤ性状とに優れ、かつこれらのバランスの良
好であり、高性能であることが明らかである。また、請
求項2に規定する条件を満たさない実施例8の二輪車用
空気入りタイヤの場合、実施例1〜5に比べて、操縦性
と、性状とがやや劣っていた。また、請求項3に規定す
る条件を満たさない実施例7の二輪車用空気入りタイヤ
の場合、実施例1〜5に比べて、旋回性がやや劣ってい
た。また、請求項4に規定する条件を満たさない実施例
6の二輪車用空気入りタイヤの場合、実施例1〜5に比
べて、操縦性がやや劣っていた。
【0042】これに対し、比較例1〜5のように、有機
繊維コードとしてポリエチレン−2,6−ナフタレート
の繊維のコードを用いなかった場合には、操縦性と旋回
性とタイヤ性状とのバランスが悪く、しかもこれらの値
は低いレベルであった。
繊維コードとしてポリエチレン−2,6−ナフタレート
の繊維のコードを用いなかった場合には、操縦性と旋回
性とタイヤ性状とのバランスが悪く、しかもこれらの値
は低いレベルであった。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、操縦性と旋回性とタイ
ヤ性状とに優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能
の二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
ヤ性状とに優れ、かつこれらのバランスの良好な高性能
の二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 トレッドの内側でかつタイヤ周方向に配
設されたコードで形成されるスパイラルベルト層と、該
スパイラルベルト層と組み合わされるカーカスとを少な
くとも備えてなり、該コードが、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートで実質的に形成されることを特徴とする
二輪車用空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 コードの、25±5℃における引張弾性
率が、7208〜15887MPaである請求項1に記
載の二輪車用空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 コードの、JIS L 1017(化学
繊維タイヤコード試験方法)に規定される、25℃±5
℃における荷重−伸長曲線の2.65mN/dtex時
の傾き(E)と10.6mN/dtex時の傾き(F)
との比(E/F)が、0.7〜1.3である請求項1又
は2に記載の二輪車用空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 コードが、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートで実質的に形成される原糸の撚り糸であり、該
撚り糸における以下の上撚り係数(R)が、1200〜
2600である請求項1から3のいずれかに記載の二輪
車用空気入りタイヤ。 撚り係数(R)=N×√(0.9D) ただし、前記式において、Nは、上撚り数(回/10c
m)を表し、Dは、デシテックスで表したコードの総表
示繊度を表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11013047A JP2000211318A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 二輪車用空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11013047A JP2000211318A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 二輪車用空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000211318A true JP2000211318A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11822219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11013047A Pending JP2000211318A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 二輪車用空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000211318A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020027031A (ko) * | 2000-10-04 | 2002-04-13 | 신형인 | 카카스 플라이에 pen 코드가 적용된 공기입 타이어 |
-
1999
- 1999-01-21 JP JP11013047A patent/JP2000211318A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020027031A (ko) * | 2000-10-04 | 2002-04-13 | 신형인 | 카카스 플라이에 pen 코드가 적용된 공기입 타이어 |
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