JP2000210089A - アポト―シスを誘導する遺伝子 - Google Patents

アポト―シスを誘導する遺伝子

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JP2000210089A
JP2000210089A JP11327885A JP32788599A JP2000210089A JP 2000210089 A JP2000210089 A JP 2000210089A JP 11327885 A JP11327885 A JP 11327885A JP 32788599 A JP32788599 A JP 32788599A JP 2000210089 A JP2000210089 A JP 2000210089A
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protein
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apoptosis
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Katsue Yamamoto
佳津恵 山本
Yasuyuki Otake
康之 大竹
Kazunori Ochiai
和徳 落合
Seiji Isonishi
成治 礒西
Aiko Okamoto
愛光 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、癌細胞の制癌剤耐性に関与する
ヒトCRR9遺伝子とそのコードする蛋白質に関し、癌細胞
の制癌剤耐性能の獲得を予防もしくは阻害して制癌剤の
有効性を持続させる為の新しい手段を提供する。 【解決手段】 特定の塩基配列およびアミノ酸配列を有
することを特徴とするヒトCRR9遺伝子のDNA、そのヒトC
RR9遺伝子およびヒトCRR9蛋白質。アポトーシス誘導作
用を有する蛋白質またはその誘導体ならびにそれらをコ
ードする塩基配列。さらに、該塩基配列を含んでなるベ
クター、該ベクターにより形質転換された宿主細胞を、
そして、該宿主細胞の培養物から該蛋白質またはその誘
導体を製造する方法。その悪性腫瘍治療剤、悪性腫瘍遺
伝子治療剤への利用。さらに、該蛋白質またはその誘導
体の全部あるいはその部分ペプチドと特異的に反応する
抗体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、癌細胞の制癌剤
耐性に関与し、アポトーシス誘導能を有するヒトCRR9遺
伝子とそのコードする蛋白質に関するものである。これ
らの遺伝子及び蛋白質は、癌細胞が制癌剤に耐性を持っ
ているか否かの診断に役立つばかりか、癌細胞の制癌剤
耐性能の獲得を予防もしくは阻害して制癌剤の有効性を
持続させる為の新しい手段を提供する。さらに、アポト
ーシスの機構解明やアポトーシスの診断や治療に役に立
つ。
【0002】
【従来の技術】制癌剤を用いた化学療法が行われている
癌患者において、癌細胞がその薬剤に対し耐性能を獲得
して、制癌剤の効果を減少させ、治療を困難にする問題
が存在する。この薬剤耐性の機構は、使用された制癌剤
によって異なっていることが、これまでの研究で明らか
となっている。(Molecular Genetics of Drug Resista
nce, Modern Genetics, Vol.3(1997): pp299-333)。
【0003】白金錯体化合物であるシスプラチンは、強
力な制癌剤として、睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫
瘍、前立腺癌、卵巣癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、食道
癌、子宮頸癌、神経芽細胞種及び胃癌に適応が認められ
ている。しかし、このシスプラチンも他の制癌剤と同様
に、その使用が長期間に渡ると、癌細胞が耐性を獲得し
て、この薬剤を用いた治療を困難にすることが臨床上問
題になっている。
【0004】薬剤耐性の機構は、現在まで、様々なもの
が検討されてきた。その一つの機構として、多剤耐性獲
得薬剤排出ポンプとして働くATP結合カセットスーパー
ファミリーが幾つか報告されている。その中には、P−
糖蛋白質(P-Glycoprotein, MDR)やMRP1(Multidrug Resi
stance Protein)蛋白質が多剤耐性に関与していること
が報告されている(Molecular Genetics of Drug Resist
ance,Modern Genetics, Vol.3(1997): pp247-298)。こ
の耐性機構が関与している制癌剤には、アンスラサイク
リン類、ビンカアルカロイド類、ポドフィロトキシン類
があるが、その高発現株は、シスプラチンに対して交差
耐性を示さないことが報告されている。
【0005】また、ATP結合カセットスーパーファミリ
ーであるcMOAT遺伝子(MRP2)がシスプラチン耐性細胞で
高発現されている遺伝子としてクローニングされた(Ca
ncer Res., 56: 4124-4129 (1996))。cMOATの欠損は、D
ubin-Johnson症候群の原因であると考えられているが、
この蛋白質が、MRPと40%の相同性を示すため、グルタチ
オン抱合体としてシスプラチンを細胞外に排出し、シス
プラチン耐性化するのではないかと考えられている(日
本臨床,55: 1083-1090 (1997))。が、一方で、cMOATが
高発現しなくてもシスプラチン耐性になることも示され
ている(Br. J. Cancer, 77: 1089-1096 (1998)、Exp.
Cell Res., 240: 312-320 (1998))。
【0006】更に、最近、ATP結合カセットスーパーフ
ァミリーの遺伝子検索が行われ、MRP3,4,5,6という4つ
の薬剤排出ポンプとして働くと考えられる遺伝子群がク
ローニングされ、薬剤耐性との関連が調べられたが、何
れも、シスプラチン耐性との相関は認められなかった
(Cancer Res., 57:3537-2547 (1997), Semin. CancerB
iol., 8:205-213 (1997))。これらのことから、未だ、
白金含有化合物の耐性に薬剤排出ポンプが働いていると
いう明確な証拠は、得られていない。
【0007】一方、薬剤排出ポンプ以外のシスプラチン
耐性機構については、DNA修復酵素が関与しているので
はないかとの仮説が提唱されている(Biochemistry, 27:
4730-4734 (1988))。これは、シスプラチンがDNAと結
合してDNAに損傷を与えて、細胞増殖を抑える機構に基
づいている。DNA修復機構の内、MLH1やMLH6の欠損が、
シスプラチン耐性株で見られるが(Cancer Res., 15: 3
579-3585 (1998)、Oncogene, 15: 45-52 (1997))、シス
プラチン耐性株で欠損が見られない場合もあり、未だ確
実な証拠はない(Cancer Res. 56: 3087-3090 (1996))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、未
だ、強力な制癌剤であるシスプラチンに対する薬剤耐性
の獲得機構については、十分解明されていない。このシ
スプラチンの効力を高めるためには、分子生物学的なア
プローチでシスプラチン耐性に関与する遺伝子群を解明
することが有効であると思われる。
【0009】一方、シスプラチンはDNA中のグアニン
基、アデニン基のN-7部位等と結合してDNA鎖内に架橋を
形成する。この架橋により、DNA鎖の内転が起こり、細
胞障害のシグナルが誘導され、アポトーシスに至ると言
われている (Biochemistry, 32:982-988 (1992))。すな
わち、シスプラチン投与により誘導されるアポトーシス
のシグナル伝達系中に変異が存在するとシグナルは下流
には伝達されず、アポトーシスは抑制され、薬剤耐性の
表現型を示すと考えられる。
【0010】アポトーシスはガンおよび薬剤耐性機構だ
けでなく、その他多種多様な疾患において重要な関わり
を有する事が明らかにされてきており、これらの疾患の
診断における利用価値および細胞のアポトーシスを誘導
あるいは抑制することによりこれら疾患の予防および治
療を図る試みが近年注目されている。すなわち、その遺
伝子発現あるいは遺伝子産物によって細胞のアポトーシ
スを制御するアポトーシス関与遺伝子が提供できれば、
各細胞での発現レベルやその構造および機能解析あるい
はその発現物に関する解析等により、ガンをはじめとす
るアポトーシス関連疾患の病態解明やその診断と治療方
法も確立可能と考えられる。
【0011】これまで、アポトーシスに関与する遺伝子
群としてBclファミリー(Science,258: 302-304 (199
2)、Cell, 74: 597-608 (1993))、MAP kinaseファミリ
ー(特開平10-93、Science, 270: 1326-1331 (1995)、S
cience, 275: 90-95 (1997))、その他遺伝子(特開平1
1-89577、特開平11-89573)など数多く報告があるもの
の、これらの遺伝子だけでは現象を説明することができ
ず、それ故、上記解析は現在不可能である。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者等は、
癌細胞の薬剤耐性能獲得に関与する遺伝子を同定するた
め、 mRNA Differential Display法(Science 257:967-
971(1992))を使って、シスプラチン耐性株とその親株
である感受性株のmRNAの発現量を比較し、シスプラチン
耐性株で、過剰に発現している遺伝子をスクリーニング
した。 mRNA Differential Display法は複数のランダム
プライマーとポリ(T)プライマーを組み合わせてポリメ
ラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)を行うことに
より、多数のcDNA断片を増幅し、これらPCR産物を電気
泳動することにより、複数の細胞間で発現量の異なる遺
伝子を可視的に比較し、スクリーニングする方法であ
る。
【0013】その結果、新規なCRR9遺伝子を見出し、そ
してその遺伝子が、シスプラチンで発現が誘導されるこ
とを見出した。更に、CRR9遺伝子を薬剤感受性細胞に一
過的に発現させるとアポトーシスを誘導したのに対し、
耐性細胞に発現させてもアポトーシスは誘導されないこ
とより、本遺伝子がアポトーシス誘導能を有しているこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0014】この発明は、この発明者等によって見出さ
れた新規な事実に基づいてなされたものである。すなわ
ち、この発明は、配列番号1の塩基配列及び配列番号2
のアミノ酸配列を有することを特徴とするヒトCRR9遺伝
子を提供する。また、この発明は、配列番号1の塩基配
列又は、配列番号2のアミノ酸配列を有するcDNAがハイ
ブリダイズする約2.0kbのmRNAを発現させることを特徴
とするヒトCRR9遺伝子を特徴とする。また、この発明
は、配列番号2のアミノ酸配列を特徴とするヒトCRR9
蛋白質である。
【0015】また、この発明はアポトーシス誘導作用を
有することを特徴とする配列番号2の蛋白質またはその
誘導体ならびにそれらをコードする塩基配列を提供す
る。さらに、該塩基配列を含んでなるベクター、該ベク
ターにより形質転換された宿主細胞を、そして、該宿主
細胞の培養物から該蛋白質またはその誘導体を製造する
方法を提供する。また、該蛋白質またはその誘導体を含
んでなることを特徴とする悪性腫瘍治療剤および該蛋白
質をコードする塩基配列を含んでなる悪性腫瘍遺伝子治
療剤を提供する。さらに、該蛋白質またはその誘導体の
全部あるいはその部分ペプチドと特異的に反応する抗体
を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明のcDNAは、以下の実施例
に記載の方法によって得ることができ、また、配列番号
2のアミノ酸配列に従って公知の方法により合成するこ
とができる。また、この発明のCRR9遺伝子は、上記cDNA
をプローブとして、例えば既存のヒトDNAライブラリー
から単離することができる。また、上記cDNAのプライマ
ーを設計し、ヒトDNAやDNAライブラリーからPCR法によ
って単離することができる。
【0017】なお、この発明は配列番号1及び2の遺伝
子配列、アミノ酸配列のみに限定されるものではなく、
例えば、上記特定のアミノ酸配列において一定の改変を
有する遺伝子や上記特定の塩基配列と一定の相同性を有
する遺伝子であることができる。すなわち、本発明遺伝
子には配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1
または複数のアミノ酸が欠失、置換または付加された改
変されたアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基
配列を含む遺伝子も包括する。ここで、「アミノ酸の欠
失、置換または付加」の程度およびそれらを行い得る位
置は、改変された蛋白質が、配列番号2で示されるアミ
ノ酸配列からなる蛋白質と同等の機能を有する同効物で
あることを前提として、特に制限されるものではない。
例えば、配列番号1の塩基配列の一部を部位特異的変異
法などで改変することで、自在に欠失、置換、付加誘導
体を製造することができる。
【0018】この発明のcDNAは、その全塩基配列または
一部配列をプローブとして、癌細胞のCRR9遺伝子の発現
量を見ることにより、アポトーシスや薬剤耐性の診断、
治療に用いることができる。また、その全塩基配列また
は一部配列からプライマーを設計し、PCR法により癌細
胞のCRR9遺伝子の発現量を見ることによりアポトーシス
や薬剤耐性の診断、治療に用いることができる。またプ
ライマーを使って、CRR9遺伝子の変異欠損等を解析する
ことによりアポトーシスや薬剤耐性の診断、治療に用い
ることができる。
【0019】この発明のcDNAはその全塩基配列または一
部配列を癌細胞や癌組織に投与することによってセンス
あるいはアンチセンス遺伝子を発現させ、CRR9遺伝子の
発現を増幅したり発現を抑制したりすることができる。
これによって、アポトーシスを調節したり、制癌剤の治
療効果を高めたり持続させることができる。また、この
遺伝子を遺伝子治療のためのベクターの選択マーカーと
して利用することができる。
【0020】また、このcDNAおよびその改変体から既知
の方法によりCRR9蛋白質を得ることができる。このcDNA
およびその改変体を適当なプラスミドベクター、ウイル
スベクター、およびリポソームベクターなどのベクター
に発現可能に挿入し、適当な宿主細胞、例えば大腸菌、
酵母、昆虫細胞、COS細胞、ミンク肺上皮細胞、リンパ
細胞、繊維芽細胞、NIH/3T3細胞、CHO細胞、血液系細
胞、および腫瘍細胞を形質転換させ、 その宿主細胞を
培養し、その培養物からCRR9蛋白質またはその誘導体を
製造することができる。CRR9蛋白質または、その部分ペ
プチドは、これを有効成分とする医薬品として医薬分野
において用いることができる。また、当該遺伝子および
蛋白質を用いてアポトーシス誘導剤あるいは抑制剤、薬
剤耐性解除剤などのスクリーニングおよびその評価に用
いることができる。さらに、このCRR9蛋白質またはその
部分ペプチドは抗体作成のための免疫原として利用する
ことができ、既知の方法でそれらに対する抗体を自由に
作ることができる。この抗体をアポトーシスや薬剤耐性
の診断、治療に用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。
【0022】実施例1:Differential Display法によ
る、シスプラチン耐性株で高発現している遺伝子のスク
リーニング (1)細胞株 シスプラチン感受性細胞株として卵巣癌細胞株A2780、2
008を用いた。また、耐性株として、感受性株より樹立
したA2780/CP70、2008/C13*5.25、2008/D'240を用い
た。これらの細胞を10%牛胎児血清(ニッスイ社)、
100U/mlペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン
(共にシグマ社)を含むRPMI1640培地(Gibco BRL社
製)で5%CO2の加湿大気中で、37℃で培養した。
【0023】(2) mRNA Differential Display法によ
る解析 以下に記すmRNA Differential Display法はRNA image
(登録商標)キット(ジーンハンター社)を用いて行っ
た。
【0024】上述の細胞株の内、4種類の卵巣癌細胞株
(A2780、A2780/CP70、2008、2008/C13*5.25)から、Qu
ickprep mRNA Purification kit(ファルマシア社)を
用いて、本キットの説明書に従い、それぞれのmRNAを調
製した。 得られたmRNA より逆転写反応により、それぞ
れのcDNAを合成した。すなわち、0.2μg mRNA、2μMロ
ーダミン標識ポリ(T)プライマー(5’-AAGCTTTTTTTTT
TTM-3’) 2.0μl、250μM dNTP 1.6μl、キット中の5
×RT buffer 4.0μlを含む全量19μlの反応液を65℃で
5分加熱して変性させた後、37℃で10分間インキュベー
トし、mRNAとプライマーのアニーリングを行った。その
後、逆転写酵素(MMLV reverse transcriptase 100U)
を1μl添加し、37℃で50分間インキュベートしてcDNA
を合成した。次いで、75℃で5分加熱して酵素を失活さ
せた。
【0025】次に、合成したcDNAを鋳型として、ポリメ
ラーゼ・チェーン・リアクション反応(PCR)を行っ
た。20μlのPCR反応液中には、RNA image(登録商標)キ
ット(ジーンハンター社)に含まれる10×PCR buffer
2.0μl、2μM ローダミン標識ポリTプライマー(5’-AA
GCTTTTTTTTTTTM-3’) 2.0μl、arbitrary primer 2μ
l、25μM dNTP 1.6μl、逆転写反応により合成したcDNA
を含む反応液 2.0μl、およびrTaq DNA Polymerase(東
洋紡績社)を含む。PCRの反応条件は以下の通りであ
る。94℃で30秒加熱した後、40℃ 2分間保持、次いで72
℃ 30秒間保持の3段階温度変化を40回繰り返し行い、最
後に72℃で5分間保持した。また、上記のPCR反応を、キ
ット中の80種類のarbitrary primer各々について行っ
た。
【0026】次に、シスプラチン耐性能の有無により発
現量の異なる遺伝子をスクリーニングするため、4種の
細胞株のmRNA各々から得られたPCR産物について、6% 変
性アクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った。電気
泳動は1600Vで約3.5時間行った。検出は、ポリTプライ
マーの末端に付加したローダミンを蛍光イメージアナラ
イザー(FMBIO:宝酒造社)で検出する方法を用いた。結
果を図1に示す。80種類のプライマーの1つ(H-AP9 :
5’-AAGCTTCATTCCG-3’)を用いたPCR産物より、シスプ
ラチン耐性株に共通して発現が亢進している遺伝子断片
DD9を得た。
【0027】実施例2:cDNAクローニング 実施例1で得られた遺伝子断片をアクリルアミドゲル中
より抽出バッファー(0.5M酢酸アンモニウム、1mM EDTA
(pH8.0))を用いて抽出し、プラスミドベクター pCR2.
1(インビトロジェン社)にクローニングした。塩基配
列の決定はサンガーらの方法(F. Sunger et al; Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463-5467(1977))に従
い、DNAシークエンサー373XL(パーキン・エルマー社)
を用いて行った。その結果、得られた130bpのDD9遺伝子
断片の塩基配列を図2に示す。次に、得られた130bpの
塩基配列を基に、5’RACE法により全長cDNAをクローニ
ングした。方法は、5’ RACE System Version2.0(Gibco
BRL社)に添付のAdditional Protocolに従った。
【0028】すなわち、ヒト卵巣癌細胞株A2780/CP70よ
りQuickprep mRNA Purification kit(ファルマシア社
製)を用いて調製したmRNAを鋳型として、合成オリゴヌ
クレオチド9P3(TCAAGAAAAATGCCACAGCCAG)をプライマ
ーとしてファーストストランドcDNAを合成した。得られ
たcDNAをGLASSMAX DNA Isolation Spin Cartridge (Gib
co BRL社)を用いて精製し、ターミナルデオキシヌクレ
オチジルトランスフェラーゼ (TdT)を用いて5’末端に
ポリ(A)を付加した後、3’RACE APプライマー(Gibco
BRL社)を用いてセカンドストランドcDNAを合成した。
得られたcDNAを再度、 GLASSMAX DNA Isolation Spin C
artridge (Gibco BRL社)を用いて精製し、PCR反応に供
した。全量50μlのPCR反応液中には、10×KlenTaq PCR
reaction buffer 5μl、10mM dNTP 1μl、10μM 合成
オリゴヌクレオチド9P5 (GCCTTTGATCCCAGAGTCCATGCGG)
1μl、10μM AUAP(Gibco BRL社)1μl、セカンドスト
ランドcDNA溶液 5μl、Advantage KlenTaq Polymerase
Mix(50×)(クロンテック社)1μlを含む。PCRの反応
条件は以下の通りである。94℃で30秒加熱した後、60℃
30秒間保持、次いで68℃ 6分間保持の3段階温度変化を
30回繰り返し行った。得られたPCR産物をプラスミドベ
クター pCR2.1(インビトロジェン社)にクローニング
し、前述の方法で塩基配列を決定した。決定した塩基配
列が完全な5’末端を持つかどうかを確認するため、更
に、ヒト正常卵巣細胞由来のMarathon-ready cDNAライ
ブラリー(クロンテック社)を鋳型として、Marathon A
daptor上のAP1プライマーとオリゴヌクレオチドP4R(CA
GATGTGCCACTGACTTCAACTTG)をプライマーとして、上述の
反応条件でPCRを行い、PCR産物を得た。これをpCR2.1に
クローニングして、塩基配列の決定を行った。その結
果、完全長のcDNAが得られた。この塩基配列が正確な配
列かどうか確認するため、得られた配列の5’末のプラ
イマー 9-5’2(TGGTGGGCGTGTTCGTGGTCTACGTG)と3’末の
プライマー9P5(GCCTTTGATCCCAGAGTCCATGCGG) を設計
し、正常卵巣細胞のcDNAライブラリー(クロンテック
社)からPCRにより、この配列を増幅し、PCR産物を得
て、pCR2.1にクローニングし、塩基配列を前述の方法で
決定し、塩基配列を確認した。
【0029】以上により、本遺伝子(Cisplatin Resist
ance Related Gene 9 (CRR9))のコード領域を特定し、
配列表に示した塩基配列(配列番号1)、およびアミノ
酸配列(配列番号1及び2)を有することを確認した。
また、既存のデーターベース(GenBank)とホモロジ
ー検索を、解析ソフトBLAST(Nucleic Acids Res. 25:3
389-3402(1997))を用いて行ったところ、高い相同性を
示す配列はなく、CRR9は新規な遺伝子であることが明ら
かとなった。
【0030】実施例3:ノーザンブロッティング 前述の5種類のヒト卵巣癌細胞株(A2780、A2780/CP7
0、2008、2008/C13*5.25、2008/D'240)をシスプラチン
非添加下で培養し、Quickprep mRNA Purification kit
(ファルマシア社製)を用いてmRNAを調製した。このmR
NAを用いてノーザンブロットを行った。各mRNAを、1.5%
アガロース・ホルマリン変性ゲルで120Vで泳動した。1
レーンあたりのmRNA量は5μgである。ゲル中のmRNAを毛
細管作用を利用してニトロセルロースフィルター(アマ
シャム社製、商品名 ハイボンド-N+)に転写し、80℃
60分ベーキングしてRNAを膜に固定した。プローブとし
て、DIG DNA ラベリングキット(ベーリンガー・マンハ
イム社)を用いて、CRR9遺伝子をDIG標識したものを用
いた。また、インターナルマーカーとしてグリセルアル
デヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(G3PDH)を用いた。
ノーザンブロッティングはベーリンガー・マンハイム社
の、DIGシステムを用いてハイブリダイゼーションを行
うためのユーザーガイドに基づいて行った。検出は化学
発光により行い、基質としてCDP-Star(ベーリンガー・
マンハイム社)を用いた。化学発光によって得られたシ
グナルはX線フィルム(アマシャム社 商品名 Hyper f
ilm)に露光し、現像液(富士フィルム社 商品名 レ
ンドール、レンフィックス)を用いて現像した。
【0031】結果を図3に示す。シスプラチン耐性株に
おけるCRR9の発現量は、その親株と比較して亢進してお
り、それぞれ親株に対して約1.2倍〜1.7倍であった。
【0032】実施例4:シスプラチンによるCRR9の発現
誘導 卵巣癌細胞株2008、2008/C13*5.25を25mlフラスコ(コ
ーニング社)あたり1×105個植え込み、RPMI1640で一晩
培養した。各細胞のIC50値に相当する濃度のシスプラチ
ンを添加し、1〜3時間培養した後、Trypsin/EDTA(Gi
bco BRL社)で細胞を剥離し、PBSで一回洗浄後、2000rp
m、5分間遠心分離することにより回収した。得られた細
胞をTRIzol Reagent(Gibco BRL社)を用いて、本試薬
の説明書に則り、RNAを抽出した。このRNAを用いて、実
施例3に記した方法によりノーザンブロッティングを行
い、シスプラチンによりCRR9の発現が誘導されるか検討
した。1レーンあたりのRNA量は2.5μgである。
【0033】結果を図4に示す。2008株では1時間以
上、2008/C13*5.25株では2時間以上、シスプラチンを
添加培養することにより、 CRR9の発現が誘導されるこ
とが明らかになった。
【0034】実施例5:CRR9に対する抗体の作成および
精製 配列番号2の497〜512番のアミノ酸配列からなるペプチ
ド(H2N-CGESYEEKATRAPHTD-COOH)を常法により合成
し、HPLCを用いて精製した。次いで、このペプチドをMB
S法によりKeyhole limpet hemocyaninとカップリング
し、Freund’s adjuvantと混合してウサギに免疫し、CR
R9に対する抗体を作成した。得られた抗CRR9抗体を含む
血清を50%硫安により濃縮・透析した後、プロテインGカ
ラムにて抗体を精製した。すなわち、HiTrap Protein G
カラム(アマシャム・ファルマシア社)1mlを5ml のPBS
で3回洗浄した後、抗血清1.5mlをカラムにアプライし
た。カラムを5mlのPBSで2回洗浄した後、0.1M グリシ
ン(pH2.7)で抗CRR9抗体を溶出した。溶出液1mlあたり40
μlの1M Tris-HCl (pH9.0)を添加して、精製抗体溶液と
した。
【0035】実施例6:ウエスタンブロッティング 前述の2種類のヒト卵巣癌細胞株(A2780、A2780/CP7
0)をシスプラチン非添加下で培養し、 Trypsin/EDTA
(Gibco BRL社)で細胞を剥離し、PBSで3回洗浄後、20
00rpm、5分間遠心分離することにより回収した。得られ
た2種類の細胞を、1×107個あたり100 μlの2×SDS Sa
mple buffer(1.52g Tris, 20ml グリセリン, 2g SDS,
2mlの2-メルカプトエタノール, 1mgのブロモフェノール
ブルーを水40mlに溶解させ、1N塩酸でpH6.8とし、水で1
00mlとした)に懸濁し、沸騰水浴中で10分間加熱した。
この細胞粗抽出液を4-20%濃度のアクリルアミドゲル
(厚さ1mm, TEF Corporation製)のサンプルウェルにそ
れぞれ10μlずつのせ、SDS-PAGE用緩衝液中で 、18mAの
定電流下で泳動した。泳動後、ゲル上の分離した蛋白質
をPVDF膜(ミリポア社 商品名 イモビロン)に電気的
に転写した。転写したPVDF膜は1%ブロッキング試薬(ベ
ーリンガー・マンハイム社)でブロッキングした後、BM
ケミルミネッセンス ウエスタンブロティング試薬(ベ
ーリンガー・マンハイム社)を用いて、本キットの説明
書に従い、ウエスタンブロットを行った。1次抗体とし
て、1,000倍希釈した実施例5にて作成したウサギ抗CRR
9抗体を、2次抗体として、3,000倍希釈したパーオキシ
ダーゼ標識ロバ抗ウサギIgG抗体(ジャクソン・イムノ
リサーチ社)を用いた。検出は化学発光により行い、基
質としてルミノールを用いた。化学発光により得られた
シグナルはX線フィルム(アマシャム社 商品名 Hyper
film)に露光し、現像液(富士フィルム社 商品名レ
ンドール、レンフィックス)を用いて現像した。結果を
図5に示す。約60kDaの付近にCRR9のバンドが検出され
た。
【0036】実施例7:発現ベクターの構築 Marathon-ready cDNAライブラリーよりクローニングし
たCRR9クローンを用いて発現ベクターを構築した。すな
わち、Marathon cDNAアダプター中のSma I部位と、CRR9
の終止コドンより下流に存在するSma I部位でcDNA断片
を切り出し、pTracer-SV40(インビトロジェン社)のSV
40プロモーターの下流に存在するEcoR V部位に組み込
み、それぞれ、senseおよびantisense方向に挿入された
クローンを1クローンづつ選択した。pTracer-SV40中に
は、選択マーカーとしてZeocin耐性遺伝子とGreen Fluo
rescent Protein (GFP)が組み込まれている。
【0037】実施例8:薬剤耐性試験 CRR9をsenseあるいはantisense方向に組み込んだ発現ベ
クター、およびコントロールとして何も挿入されていな
いpTracer-SV40を、エレクトロポレーション法により一
過的に細胞に導入した。すなわち、1ウェル当たり5×1
06の細胞を20%FCSを含むRPMI培地でリンスした後、500
μlの同培地に懸濁し、10μgの発現ベクターを添加し、
ジーンパルサーII(バイオラッド社)を用いて、0.3k
V、950μFでエレクトロポレーションした。トランスフ
ェクションした細胞を含む培地を6ウェルプレートに、
1ウェル当たり150μlづつ3ウェルに巻き込み、2mlの10
% FCSを含むRPMI培地を添加して37℃で培養した。ト
ランスフェクションから24時間後、10% FCSを含むRPMI
培地で培地交換し、さらにCDDPを添加して24時間培養
し、薬剤耐性能を測定した。薬剤耐性能は、ベクターを
取り込んだ細胞がGFPにより緑色に発色することを用い
て、遺伝子が導入された細胞中における、アポトーシス
様形態変化(細胞膜のブレッビング、DNAの断片化な
ど)を起こしている細胞の割合を、蛍光顕微鏡下で計測
することにより算出した。結果をCDDP非添加下のアポト
ーシス誘導率を図6に、CDDP添加下でのアポトーシス誘
導率の変化を図7に示す。CDDP感受性株2008について、
sense方向にCRR9遺伝子を挿入した発現ベクターを導入
してCRR9を高発現させた細胞では、コントロールと比較
して、アポトーシスを誘導した細胞は約20倍増加し
た。一方、CDDP耐性株2008/C13*5.25ではCRR9を高発現
させても、その発現を抑制してもアポトーシス誘導能に
顕著な差はみられなかった。本実験は細胞の状態等を考
慮して、3度行い、いずれも同様の結果が得られた。
【0038】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Asahi Breweries, Ltd <120> Apotosis related gene <130> 98T3-17 <150> JP H10-330302 <151> 1998-11-20 <160>2 <210>1 <211>2040 <212>DNA <213>Human <220> <221>CDS <222>(65)...(1600) <400>1 cagctccttc accagcttgg tggtgggcgt gttcgtggtc tacgtggtgc acacctgctg 60 ggtc atg tac ggc atc gtc tac acc cgc ccg tgc tcc ggc gac gcc aac 109 Met Tyr Gly Ile Val Tyr Thr Arg Pro Cys Ser Gly Asp Ala Asn 1 5 10 15 tgc atc cag ccc tac ctg gcg cgg cgg ccc aag ctg cag ctg agc gtg 157 Cys Ile Gln Pro Tyr Leu Ala Arg Arg Pro Lys Leu Gln Leu Ser Val 20 25 30 tac acc acg acg agg tcc cac ctg ggt gct gag aac aac atc gac ctg 205 Tyr Thr Thr Thr Arg Ser His Leu Gly Ala Glu Asn Asn Ile Asp Leu 35 40 45 gtc ttg aat gtg gaa gac ttt gat gtg gag tcc aaa ttt gaa agg aca 253 Val Leu Asn Val Glu Asp Phe Asp Val Glu Ser Lys Phe Glu Arg Thr 50 55 60 gtt aat gtt tct gta cca aag aaa acg aga aac aat ggg acg ctg tat 301 Val Asn Val Ser Val Pro Lys Lys Thr Arg Asn Asn Gly Thr Leu Tyr 65 70 75 gcc tac atc ttc ctc cat cac gct ggg gtc ctg ccg tgg cac gac ggg 349 Ala Tyr Ile Phe Leu His His Ala Gly Val Leu Pro Trp His Asp Gly 80 85 90 95 aag cag gtg cac ctg gtc agt cct ctg acc acc tac atg gtc ccc aag 397 Lys Gln Val His Leu Val Ser Pro Leu Thr Thr Tyr Met Val Pro Lys 100 105 110 cca gaa gaa atc aac ctg ctc acc ggg gag tct gat aca cag cag atc 445 Pro Glu Glu Ile Asn Leu Leu Thr Gly Glu Ser Asp Thr Gln Gln Ile 115 120 125 gag gcg gag aag aag ccg acg agt gcc ctg gat gag cca gtg tcc cac 493 Glu Ala Glu Lys Lys Pro Thr Ser Ala Leu Asp Glu Pro Val Ser His 130 135 140 tgg cga ccg cgg ctg gcg ctg aac gtg atg gcg gac aac ttt gtc ttt 541 Trp Arg Pro Arg Leu Ala Leu Asn Val Met Ala Asp Asn Phe Val Phe 145 150 155 gac ggg tcc tcc ctg cct gcc gat gtg cat cgg tac atg aag atg atc 589 Asp Gly Ser Ser Leu Pro Ala Asp Val His Arg Tyr Met Lys Met Ile 160 165 170 175 cag ctg ggg aaa acc gtg cat tac ctg ccc atc ctg ttc atc gac cag 637 Gln Leu Gly Lys Thr Val His Tyr Leu Pro Ile Leu Phe Ile Asp Gln 180 185 190 ctc agc aac cgc gtg aag gac ctg atg gtc ata aac cgc tcc acc acc 685 Leu Ser Asn Arg Val Lys Asp Leu Met Val Ile Asn Arg Ser Thr Thr 195 200 205 gag ctg ccc ctc acc gtg tcc tac gac aag gtc tca ctg ggg cgg ctg 733 Glu Leu Pro Leu Thr Val Ser Tyr Asp Lys Val Ser Leu Gly Arg Leu 210 215 220 cgc ttc tgg atc cac atg cag gac gcc gtg tac tcc ctg cag cag ttc 781 Arg Phe Trp Ile His Met Gln Asp Ala Val Tyr Ser Leu Gln Gln Phe 225 230 235 ggg ttt tca gag aaa gat gct gat gag gtg aaa gga att ttt gta gat 829 Gly Phe Ser Glu Lys Asp Ala Asp Glu Val Lys Gly Ile Phe Val Asp 240 245 250 255 acc aac tta tac ttc ctg gcg ctg acc ttc ttt gtc gca gcg ttc cat 877 Thr Asn Leu Tyr Phe Leu Ala Leu Thr Phe Phe Val Ala Ala Phe His 260 265 270 ctt ctc ttt gat ttc ctg gcc ttt aaa aat gac atc agt ttc tgg aag 925 Leu Leu Phe Asp Phe Leu Ala Phe Lys Asn Asp Ile Ser Phe Trp Lys 275 280 285 aag aag aag agc atg atc ggc atg tcc acc aag gca gtg ctc tgg cgc 973 Lys Lys Lys Ser Met Ile Gly Met Ser Thr Lys Ala Val Leu Trp Arg 290 295 300 tgc ttc agc acc gtg gtc atc ttt ctg ttc ctg ctg gac gag cag acg 1021 Cys Phe Ser Thr Val Val Ile Phe Leu Phe Leu Leu Asp Glu Gln Thr 305 310 315 agc ctg ctg gtg ctg gtc ccg gcg ggt gtt gga gcc gcc att gag ctg 1069 Ser Leu Leu Val Leu Val Pro Ala Gly Val Gly Ala Ala Ile Glu Leu 320 325 330 335 tgg aaa gtg aag aag gca ttg aag atg act att ttt tgg aga ggc ctg 1117 Trp Lys Val Lys Lys Ala Leu Lys Met Thr Ile Phe Trp Arg Gly Leu 340 345 350 atg ccc gaa ttt cag ttt ggc act tac agc gaa tct gag agg aaa acc 1165 Met Pro Glu Phe Gln Phe Gly Thr Tyr Ser Glu Ser Glu Arg Lys Thr 355 360 365 gag gag tac gat act cag gcc atg aag tac ttg tca tac ctg ctg tac 1213 Glu Glu Tyr Asp Thr Gln Ala Met Lys Tyr Leu Ser Tyr Leu Leu Tyr 370 375 380 cct ctc tgt gtc ggg ggt gct gtc tat tca ctc ctg aat atc aaa tat 1261 Pro Leu Cys Val Gly Gly Ala Val Tyr Ser Leu Leu Asn Ile Lys Tyr 385 390 395 aag agc tgg tac tcc tgg tta atc aac agc ttc gtc aac ggg gtc tat 1309 Lys Ser Trp Tyr Ser Trp Leu Ile Asn Ser Phe Val Asn Gly Val Tyr 400 405 410 415 gcc ttt ggt ttc ctc ttc atg ctg ccc cag ctc ttt gtg aac tac aag 1357 Ala Phe Gly Phe Leu Phe Met Leu Pro Gln Leu Phe Val Asn Tyr Lys 420 425 430 ttg aag tca gtg gca cat ctg ccc tgg aag gcc ttc acc tac aag gct 1405 Leu Lys Ser Val Ala His Leu Pro Trp Lys Ala Phe Thr Tyr Lys Ala 435 440 445 ttc aac acc ttc att gat gac gtc ttt gcc ttc atc atc acc atg ccc 1453 Phe Asn Thr Phe Ile Asp Asp Val Phe Ala Phe Ile Ile Thr Met Pro 450 455 460 acg tct cac cgg ctg gcc tgc ttc cgg gac gac gtg gtg ttt ctg gtc 1501 Thr Ser His Arg Leu Ala Cys Phe Arg Asp Asp Val Val Phe Leu Val 465 470 475 tac ctg tac cag cgg tgg ctt tat cct gtg gat aaa cgc aga gtg aac 1549 Tyr Leu Tyr Gln Arg Trp Leu Tyr Pro Val Asp Lys Arg Arg Val Asn 480 485 490 495 gag ttt ggg gag tcc tac gag gag aag gcc acg cgg gcg ccc cac acg 1597 Glu Phe Gly Glu Ser Tyr Glu Glu Lys Ala Thr Arg Ala Pro His Thr 500 505 510 gac tga aggccgcccg ggctgccgcc agccaagtgc aacttgaatt gtcaatgagt 1653 Asp 512 atttttggaa gcatttggag gaattcctag acattgcgtt ttctgtgttg ccaaaatccc 1713 ttcggacatt tctcagacat ctcccaagtt cccatcacgt cagatttgga gctggtagcg 1773 cttacgatgc ccccacgtgt gaacatctgt cttggtcaca gagctgggtg ctgccggtca 1833 ccttgagctg tggtggctcc cggcacacga gtgtccgggg ttcggccatg tcctcacgcg 1893 ggcaggggtg ggagccctca caggcaaggg ggctgttgga tttccatttc aggtggtttt 1953 ctaagtgctc cttatgtgaa tttcaaacac gtatggaatt cattccgcat ggactctggg 2013 atcaaaggct ctttcctctt ttgtttg 2040 <210>2 <211>512 <212>PRT <213>Human <400>2 Met Tyr Gly Ile Val Tyr Thr Arg Pro Cys Ser Gly Asp Ala Asn Cys 1 5 10 15 Ile Gln Pro Tyr Leu Ala Arg Arg Pro Lys Leu Gln Leu Ser Val Tyr 20 25 30 Thr Thr Thr Arg Ser His Leu Gly Ala Glu Asn Asn Ile Asp Leu Val 35 40 45 Leu Asn Val Glu Asp Phe Asp Val Glu Ser Lys Phe Glu Arg Thr Val 50 55 60 Asn Val Ser Val Pro Lys Lys Thr Arg Asn Asn Gly Thr Leu Tyr Ala 65 70 75 80 Tyr Ile Phe Leu His His Ala Gly Val Leu Pro Trp His Asp Gly Lys 85 90 95 Gln Val His Leu Val Ser Pro Leu Thr Thr Tyr Met Val Pro Lys Pro 100 105 110 Glu Glu Ile Asn Leu Leu Thr Gly Glu Ser Asp Thr Gln Gln Ile Glu 115 120 125 Ala Glu Lys Lys Pro Thr Ser Ala Leu Asp Glu Pro Val Ser His Trp 130 135 140 Arg Pro Arg Leu Ala Leu Asn Val Met Ala Asp Asn Phe Val Phe Asp 145 150 155 160 Gly Ser Ser Leu Pro Ala Asp Val His Arg Tyr Met Lys Met Ile Gln 165 170 175 Leu Gly Lys Thr Val His Tyr Leu Pro Ile Leu Phe Ile Asp Gln Leu 180 185 190 Ser Asn Arg Val Lys Asp Leu Met Val Ile Asn Arg Ser Thr Thr Glu 195 200 205 Leu Pro Leu Thr Val Ser Tyr Asp Lys Val Ser Leu Gly Arg Leu Arg 210 215 220 Phe Trp Ile His Met Gln Asp Ala Val Tyr Ser Leu Gln Gln Phe Gly 225 230 235 240 Phe Ser Glu Lys Asp Ala Asp Glu Val Lys Gly Ile Phe Val Asp Thr 245 250 255 Asn Leu Tyr Phe Leu Ala Leu Thr Phe Phe Val Ala Ala Phe His Leu 260 265 270 Leu Phe Asp Phe Leu Ala Phe Lys Asn Asp Ile Ser Phe Trp Lys Lys 275 280 285 Lys Lys Ser Met Ile Gly Met Ser Thr Lys Ala Val Leu Trp Arg Cys 290 295 300 Phe Ser Thr Val Val Ile Phe Leu Phe Leu Leu Asp Glu Gln Thr Ser 305 310 315 320 Leu Leu Val Leu Val Pro Ala Gly Val Gly Ala Ala Ile Glu Leu Trp 325 330 335 Lys Val Lys Lys Ala Leu Lys Met Thr Ile Phe Trp Arg Gly Leu Met 340 345 350 Pro Glu Phe Gln Phe Gly Thr Tyr Ser Glu Ser Glu Arg Lys Thr Glu 355 360 365 Glu Tyr Asp Thr Gln Ala Met Lys Tyr Leu Ser Tyr Leu Leu Tyr Pro 370 375 380 Leu Cys Val Gly Gly Ala Val Tyr Ser Leu Leu Asn Ile Lys Tyr Lys 385 390 395 400 Ser Trp Tyr Ser Trp Leu Ile Asn Ser Phe Val Asn Gly Val Tyr Ala 405 410 415 Phe Gly Phe Leu Phe Met Leu Pro Gln Leu Phe Val Asn Tyr Lys Leu 420 425 430 Lys Ser Val Ala His Leu Pro Trp Lys Ala Phe Thr Tyr Lys Ala Phe 435 440 445 Asn Thr Phe Ile Asp Asp Val Phe Ala Phe Ile Ile Thr Met Pro Thr 450 455 460 Ser His Arg Leu Ala Cys Phe Arg Asp Asp Val Val Phe Leu Val Tyr 465 470 475 480 Leu Tyr Gln Arg Trp Leu Tyr Pro Val Asp Lys Arg Arg Val Asn Glu 485 490 495 Phe Gly Glu Ser Tyr Glu Glu Lys Ala Thr Arg Ala Pro His Thr Asp 500 505 510 512
【図面の簡単な説明】
【図1】mRNA Differential Display法で検出したCRR9
遺伝子のcDNA断片を示したゲル電気泳動図である。
【図2】図1で検出したCRR9遺伝子のcDNA断片とCRR9の
全cDNAを5’RACE法でクローニングする為に用いたプラ
イマーを示した塩基配列である。
【図3】この発明のcDNAをプローブとした癌細胞株のノ
ーザンブロット図である。
【図4】癌細胞にシスプラチン(CDDP)を添加培養した
時のCRR9遺伝子の発現量の経時変化を、この発明のcDNA
をプローブとして検出した時のノーザンブロット図であ
る。
【図5】 実施例5で作成した抗CRR9抗体を用いて、各
細胞抽出物中のCRR9蛋白質を検出したウエスタンブロッ
ト図である。
【図6】 CRR9遺伝子を一過的に発現させ、CDDP非添加
下で各細胞のアポトーシス誘導率を算出した図である。
【図7】 CRR9遺伝子を一過的に発現させ、CDDP添加下
での各細胞のアポトーシス誘導率の変化を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 A61K 37/02 C12P 21/02 C12N 5/00 B (72)発明者 礒西 成治 東京都杉並区成田西3−5−7 (72)発明者 岡本 愛光 東京都杉並区井草4−5−2

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1の塩基配列およびアミノ酸配
    列を有することを特徴とするヒトCRR9遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列番号1の塩基配列およびアミノ酸配
    列を有するcDNAがハイブリダイズするmRNAを発現するこ
    とを特徴とするヒトCRR9遺伝子。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列を有するヒト
    CRR9蛋白質。
  4. 【請求項4】 アポトーシス誘導作用を有する、配列番
    号2の蛋白質またはその誘導体。
  5. 【請求項5】 配列番号2のアミノ酸配列に1以上のア
    ミノ酸が付加および/または挿入され、および/または
    前記配列番号2のアミノ酸配列の1以上のアミノ酸が置
    換および/または欠失された蛋白質またはその誘導体。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載された蛋白質ま
    たはその誘導体をコードする塩基配列。
  7. 【請求項7】 請求項1、2または6に記載の塩基配列
    を含んでなるベクター。
  8. 【請求項8】 プラスミドベクター、ウイルスベクタ
    ー、およびリポソームベクターからなる群から選択され
    る、請求項7に記載のベクター。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のベクターによ
    って形質転換された宿主細胞。
  10. 【請求項10】 大腸菌、酵母、昆虫細胞、COS細胞、
    ミンク肺上皮細胞、リンパ細胞、繊維芽細胞、NIH/3T3
    細胞、CHO細胞、血液系細胞、および腫瘍細胞からなる
    群から選択されるものである、請求項9に記載の宿主細
    胞。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の宿主細胞
    を培養し、そしてその培養物から請求項3または4に記
    載の蛋白質またはその誘導体を単離することを含む、請
    求項3〜5のいずれか1項に記載の蛋白質またはその誘
    導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の
    蛋白質またはその誘導体を含んでなる悪性腫瘍治療剤。
  13. 【請求項13】 請求項1、2または6に記載の塩基配
    列を含んでなる悪性腫瘍遺伝子治療剤。
  14. 【請求項14】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の
    蛋白質またはその誘導体を悪性腫瘍治療剤の製造に使用
    する方法。
  15. 【請求項15】 請求項1,2または6に記載の塩基配
    列を悪性腫瘍遺伝子治療剤の製造に使用する方法。
  16. 【請求項16】 請求項3または4に記載の蛋白質また
    はその誘導体の全部あるいはその部分ペプチドと特異的
    に反応する抗体。
  17. 【請求項17】 ポリクローナル抗体である請求項16
    に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の抗体と
    特異的に反応する蛋白質またはその誘導体。
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