JP2000208923A - 半田付け装置 - Google Patents

半田付け装置

Info

Publication number
JP2000208923A
JP2000208923A JP11009951A JP995199A JP2000208923A JP 2000208923 A JP2000208923 A JP 2000208923A JP 11009951 A JP11009951 A JP 11009951A JP 995199 A JP995199 A JP 995199A JP 2000208923 A JP2000208923 A JP 2000208923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
inert gas
solder
work
soldering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11009951A
Other languages
English (en)
Inventor
Suguru Tan
英 丹
Ikujiro Motomiya
育次郎 本宮
Kiyouji Oguro
教示 小黒
Kiketsu Hasegawa
貴傑 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Koki Co Ltd
Original Assignee
Sony Corp
Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Koki Co Ltd filed Critical Sony Corp
Priority to JP11009951A priority Critical patent/JP2000208923A/ja
Publication of JP2000208923A publication Critical patent/JP2000208923A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Molten Solder (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田の酸化を防止することで、確実に半田付
けを行うことができる。 【解決手段】 溶融半田10が貯められる半田槽5と、
半田槽5の上側であってワーク2を搬送する搬送機構4
の上側に位置する上側カバー26と搬送機構4の下側で
あって半田槽5の上側に位置する下側カバー27とによ
り構成され、低酸素雰囲気が形成されるチャンバ6と、
チャンバ6内の上側に配設され、チャンバ6内に窒素ガ
ス等の不活性ガスを噴出する噴出部42と、チャンバ6
内の搬送機構4と噴出部42との間に配設され、噴出部
42より噴射された不活性ガスをチャンバ6の上側に高
濃度に保持し、チャンバ6の上側に高濃度に保持された
不活性ガスをチャンバ6の下側に供給する複数の小孔4
7が半田槽5の液面に対応する領域に形成された整流板
43とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板と回路部
品から構成されるワークを搬送手段によって搬送しなが
ら、溶融はんだとワークを接触させて回路基板のランド
部に回路部品の端子を半田付けする半田付け装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、回路部品を仮止めした回路基板
(以下、ワークともいう。)を搬送手段により搬送しな
がら回路基板に形成されたランド部に回路部品の端子を
半田付けする半田付け装置は、半田付けを行う雰囲気中
の酸素により半田の表面が酸化し、半田の濡れ性が低下
し、ピンホールやブリッジ等の接続不良が生じすること
を防止するため、低酸素雰囲気で、回路部品の端子の回
路基板のランド部への半田付けを行う。
【0003】例えば図15に示す半田付け装置101
は、半田付けが行われる密閉空間部を構成するチャンバ
102を有し、このチャンバ102に溶融された半田
(以下、溶融半田ともいう。)が貯められる半田槽10
3が配設されてなる。チャンバ102は、上側カバー1
05と下側がバー106がワークの搬送機構を構成する
フレーム104に結合されることにより密閉空間部を構
成する。このチャンバ102内には、内部を予熱するプ
リヒータ107が複数配設されている。また、チャンバ
102の内部には、内部を低酸素雰囲気にするため不活
性ガスを注入するためのノズル108が配設されてい
る。ノズル108は、図16に示すように、複数の小孔
109が穿設されており、これら小孔109より不活性
ガスが噴出される。チャンバ102内は、ノズル108
の小孔109より不活性ガスが注入されることにより、
低酸素雰囲気が形成される。半田槽103の底面には、
図15に示すように、半田を溶融するヒータ110が配
設されている。半田槽103内には、溶融半田を搬送機
構により搬送されてくるワークに溶融半田を噴出するた
めの第1の半田ヘッド111及び第2の半田ヘッド11
2が配設されている。
【0004】また、チャンバ102には、ワークの入口
用開口部113及びワークの出口用開口部114が設け
られ、これら開口部113,114の周囲よりワークの
搬送方向に延長して延長カバー115,116が設けら
れている。そして、チャンバのワークの出入口用の開口
部113,114及び延長カバー115,116のワー
クの出入口用開口部117,118には、チャンバ10
2内の低酸素雰囲気を保持するためのシャッタ121,
122,123,124が配設されている。
【0005】以上のような半田付け装置101では、先
ず、搬送機構によりワークが搬送されると、上流側のシ
ャッタ117が開放され、次いで、上流側の延長カバー
115内にワークが導入され、この後シャッタ117閉
じられる。次に、チャンバ102の上流側の開口部11
3を閉塞するシャッタ121が開放され、延長カバー1
15内のワークは、チャンバ102内に搬送され、この
後シャッタ121が閉じられる。チャンバ102内にお
いて、ワークには、第1及び第2の半田ヘッド111,
112により溶融半田が接触され、半田付けが行われ
る。この後、チャンバ102の下流側の開口部114を
シャッタ122が開放し、チャンバ102内のワーク
は、下流側の延長カバー116内に搬送され、次いでシ
ャッタ122が閉じられる。そして、延長カバー116
内のワークは、シャッタ124が延長カバー116の下
流側の開口部118を開放することにより、半田付けさ
れたワークが取り出される。
【0006】以上のような半田付け装置101では、シ
ャッタ121〜124が順に開閉動作することで、チャ
ンバ102内の低濃度酸素雰囲気を保持しながらワーク
に対し半田付けを行い、搬送することができる。そし
て、半田付け装置101は、チャンバ102内が低酸素
雰囲気に保持されることで、半田の酸化を防止すること
ができ、確実に回路基板のランド部に回路部品の端子を
半田付けすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半田付け装
置101は、半田付けの効率を向上させるため、チャン
バ102内の酸素濃度を更に低くする必要がある。すな
わち、半田付け装置101では、チャンバ102内の酸
素濃度を更に低くすることで、接続不良を更になくすこ
とができ、また、半田槽103に生じる半田の酸化物の
発生を抑えることができ、この酸化物の除去作業の回数
を減らし、生産性の向上を図ることができる。
【0008】また、上述した半田付け装置101は、ワ
ークのチャンバ102への挿入及びワークのチャンバ1
02からの取り出しにシャッタ121〜124を必要と
し、これらを同期して操作させる必要があることから、
シャッタ121〜124の開閉機構及び制御機構が必要
となり、装置全体が複雑化し、装置全体の簡素化及び小
型化を図ることができなかった。
【0009】更に、半田付け装置101は、シャッタ1
21〜124の開閉機構及び制御機構を必要とし、装置
全体が複雑で大型であることから、チャンバ102及び
半田槽103のメンテナンスを行うのに多くの時間を要
することになり、メンテナンスの作業効率の向上を図る
ことが困難であった。
【0010】更にまた、半田付け装置101は、シャッ
タ121〜124を開閉することにより、ワークを搬送
することから、ワークの搬送速度を上げることが困難で
あり、生産性の向上を図ることが困難であった。
【0011】そこで、本発明は、半田の酸化を防止する
ことで、確実に半田付けを行うことができる新規な半田
付け装置を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、半田付け速度を上げ生産
効率の向上を図ることができる半田付け装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】更にまた、本発明は、チャンバや半田槽の
メンテナンスを容易に行うことができる半田付け装置を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半田付け装
置は、上述のような課題を解決すべく、溶融された半田
が貯められる半田槽と、半田槽の上側であってワークを
搬送する搬送手段の上側に位置する上側カバーと搬送手
段の下側であって半田槽の上側に位置する下側カバーと
により構成され、低酸素雰囲気が形成されるチャンバ
と、チャンバ内の上側に配設され、チャンバ内に窒素ガ
ス等の不活性ガスを噴出する噴出部と、チャンバ内の搬
送手段と噴出部との間に配設され、噴出部より噴射され
た不活性ガスをチャンバの上側に高濃度に保持し、チャ
ンバの上側に高濃度に保持された不活性ガスをチャンバ
の下側に供給する複数の小孔が半田槽の液面に対応する
領域に形成された整流板とを備える。整流板は、小孔よ
りチャンバ下部に緩やかに不活性ガスを供給する。チャ
ンバ下部は、不活性ガスが緩やかに供給されることか
ら、半田付けが行われるチャンバ下部の雰囲気を乱すこ
となく不活性ガスが供給され低酸素雰囲気を形成するこ
とができる。また、チャンバの下部は、チャンバの側面
に設けられた部より整流板の開口部を介して目視可能と
される。
【0015】また、この半田付け装置は、更に、ワーク
を出し入れするためチャンバのワークの搬送方向の壁面
に形成された開口部と、この開口部よりワークの搬送方
向に延長して上記ンバに設けられる延長カバーとを備
え、延長カバーの下側に、ワークの搬送方向と直交する
方向に、上記ンバー内の不活性ガスの流出を規制する規
制板が設けられてなる。また、延長カバーの上側には、
ワークの搬送方向と直交する方向に、チャンバ内の不活
性ガスの流出を規制する可撓性を有する規制カーテンが
配設されている。これにより、チャンバに設けられた出
入口要開口部より不活性ガスが流出することが防止でき
る。
【0016】また、本発明に係る半田付け装置は、上述
のような課題を解決すべく、溶融された半田が貯められ
る半田槽と、半田槽の上側であってワークを搬送する搬
送手段の上側に位置する上側カバーと搬送手段の下側で
あって半田槽の上側に位置する下側カバーとにより構成
され、低酸素雰囲気が形成されるチャンバと、チャンバ
内の上側に配設され、チャンバ内に不活性ガスを噴出す
る第1の噴出部と、チャンバ内の搬送手段と第1の噴出
部との間に配設され、第1の噴出部より噴出された不活
性ガスをチャンバの上側に高濃度に保持し、チャンバの
上側に高濃度に保持された不活性ガスをチャンバの下側
に供給する整流板と、チャンバ内の整流板の下側に配設
され、ワークに対して半田付けを行う場所に向かって不
活性ガスを噴出する第2の噴出部とを備える。この半田
付け装置は、第2の噴出部がチャンバの下部にも不活性
ガスを噴出することから、ワークの半田付けが行われる
下部の不活性ガスの濃度を高めた低濃度酸素雰囲気を形
成することができ、良好に半田付けすることができる。
また、第2の噴出部は、半田付けを行う位置に不活性ガ
スを噴出することで、常に半田付けする場所の不活性ガ
スの濃度を一定に保つことができる。さらには、第2の
噴出部は、ワークが半田付けを行う位置に搬送されたと
き、一時的に不活性ガスの濃度が下がることを防止する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された半田付
け装置について、図面を参照して説明する。この半田付
け装置1は、図1に示すように、ワーク2の搬送方向を
長手方向とするフレーム3を有し、この本体フレーム3
にワーク2を搬送する搬送機構4が配設されてなる。ま
た、半田付け装置1は、本体フレーム3の下側に半田槽
5が配設され、この半田槽5とともに密閉空間部を構成
し、低酸素雰囲気が形成されるチャンバ6が配設されて
なる。この半田付け装置1は、搬送機構4によりチャン
バ6内にワーク2が搬送されると、ワーク2に半田槽5
内の溶融半田10が接触され、半田付けが行われる。
【0018】半田付けを行うワーク2を搬送する搬送機
構4は、図1乃至図3に示すように、本体フレーム3の
内側に、ワーク2を搬送するための搬送ガイドレール
7,8を有する。搬送ガイドレール7,8は、互いに平
行に配設され、搬送するワーク2を保持する保持片9が
取り付けられるチェーン11が内蔵されている。チェー
ン11は、ワーク2の搬送路の始端と終端に配設された
スプロケットホイール12に噛合され、スプロケットホ
イール12が図示しない駆動機構により回転駆動される
ことにより走行される。そして、チェーン11には、ブ
ラケット13を介してワーク2を保持する保持片9が複
数設けられている。保持片9は、図3に示すように、本
体フレーム3の内方に向かって先端部が折曲され、ここ
にワーク2の搬送方向と平行な両側縁部に係止される係
止部9aが形成されている。ワーク2は、搬送ガイドレ
ール7,8のそれぞれに設けられた保持片9,9に保持
されて、スプロケットホイール12が回転駆動されチェ
ーン11が走行されることにより、図1中矢印X方向に
搬送される。また、このような搬送機構4は、ワーク2
の搬送方向である図1中X方向がやや上側を向くように
傾斜して配設される。
【0019】半田付け装置1に用いられる半田槽5は、
図2及び図4に示すように、略矩形状に形成され、上面
が開口されてなる。半田槽5は、外部容器16内に内部
容器17が配設され、この内部容器17内に溶融半田1
0が貯められる。内部容器17の内面には、半田を加熱
し溶融するヒータ18が配設されている。ヒータ18
は、内部容器17を構成する側壁17aの内周面に配設
され、半田の溶融温度まで内部容器17内を加熱する。
【0020】この半田槽5内には、内部容器17内の溶
融半田10を搬送機構4に保持されたワーク2に塗布す
るための第1の半田ヘッド21と第2の半田ヘッド22
とが並んで配設されている。第1の半田ヘッド21は、
搬送されるワーク2の全面に溶融半田10を噴射するヘ
ッドであり、ワーク2の搬送方向の上手側に配設され
る。第2の半田ヘッド22は、第1の半田ヘッド21に
より付着された溶融半田10のうち余分な溶融半田10
を除去する等第1の半田ヘッド21の補完的な役割を有
するヘッドであり、ワークの搬送方向の下手側に配設さ
れる。これら第1の半田ヘッド21と第2の半田ヘッド
22は、先端部が溶融半田10の液面Pよりやや突出
し、ワーク2に塗布する位置よりやや下側に位置するよ
う配設される。
【0021】このような第1の半田ヘッド21と第2の
半田ヘッド22は、図2に示すように、ワーク2の搬送
方向と直交する方向を長手方向とし、ワーク2の全面に
溶融半田10を塗布することができるように少なくとも
ワーク2の搬送方向と直交する辺より長くなるように形
成されている。第1の半田ヘッド21及び第2の半田ヘ
ッド22の先端部には、溶融半田10を噴射するための
スリット23,24が形成されている。また、詳細は省
略するが第1の半田ヘッド21と第2の半田ヘッド22
には、内部容器17内の溶融半田10を吸引し、スリッ
ト23,24より溶融半田10を噴射するための吸引機
構が配設されている。
【0022】以上のような半田槽5は、図2に示すよう
に、支持台25に支持されている。支持台25は、半田
槽5を移動操作することができるように、ワーク2の搬
送方向と平行な図1及び図2中矢印X方向及び反矢印X
方向並びにワーク2の搬送方向と直交する図1及び図2
中矢印Y方向及び反矢印Y方向に移動可能にガイドされ
いる。半田槽5は、半田槽5のメンテナンスを行うと
き、先ず図1及び図2中矢印X方向に移動される。この
とき、搬送機構4が上手側が上を向くように傾斜して設
けられていることから、半田槽5は、図1に示すよう
に、搬送機構4に対してやや離間した状態となる。この
状態で、半田槽5は、図1及び図2中反矢印Y方向に移
動させることにより、チャンバ6より取り外される。ま
た、半田槽5をチャンバ6に取り付ける場合、先ず、半
田槽5は、図1及び図2中矢印Y方向に移動操作され
る。この後、半田槽5は、図1及び図2中反矢印X方向
に移動されることにより、チャンバ6に圧着した状態で
取り付けられる。このとき、詳細は後述するチャンバ6
を構成する下側カバー27を本体フレーム3に圧着し、
チャンバ6内の気密性を維持することができる。なお、
半田槽5は、更に半田槽5を上下方向に移動操作するこ
とができる更なる支持台にも接続するようにしても良
い。
【0023】また、ワーク3に対して半田付けが行われ
るチャンバ6は、図3及び図4に示すように、本体フレ
ーム3を介して上側に配設される上側カバー26と、本
体フレーム3を介して下側に配設される下側カバー27
とにより構成される。チャンバ6を構成する上側カバー
26は、略矩形状に形成され、搬送機構4と対向する底
面が開放されてなる。また、上側カバー26は、装置本
体の正面側の側面が上側に向かって鋭角に傾斜した傾斜
面部26aにより形成され、残る3側面が垂直な垂直面
部26bにより形成されている。傾斜面部26aには、
略中央に、チャンバ6内を目視するための矩形状の窓部
28が形成されている。また、傾斜面部26aには、窓
部28を開閉するドア29が回動可能に取り付けられて
いる。ドア29には、開閉操作を容易に行うための操作
部29aが一体に設けられている。チャンバ6内は、窓
部28が傾斜面部26aに設けられていることから、容
易に内部をみることができ、チャンバ6の下部6bも容
易に見ることができる。勿論、この窓部28は、他の側
面も上側に向かって鋭角に傾斜する傾斜面部を形成し、
傾斜面部を構成する側面にそれぞれ設けるようにしても
良い。
【0024】そして、このような上側カバー26は、チ
ャンバ6内部のメンテナンス等を行うため本体フレーム
3に着脱可能により取り付けられる。このとき、上側カ
バー26は、チャンバ6が密閉空間部を構成できるよう
にパッキングにより取り付けられる。
【0025】この上側カバー26は、図3及び図5に示
すように、チャンバ6内のメンテナンス等を行う際、移
動操作機構31により背面側に移動操作することができ
る。この移動操作機構31は、図3に示すように、上側
カバー26に取り付けられ、上側カバー26をワーク2
の搬送方向と直交する図3中矢印Y方向でやや上方に向
かって移動させるための一対のガイド部材32,33
と、ガイド部材32,33が係合されるガイド溝34,
35が形成され、上側カバー26を移動操作する際、上
側カバー26を支持する支持部材36,37とを備え
る。ガイド部材32,33は、一端が上側カバー26の
ワーク2の搬送方向と直交する側の側壁26aに取り付
けられ、他端がワーク2の搬送方向と直交する方向であ
ってやや上方を向くように取り付けられる。上側カバー
26を支持する支持部材36,37は、互いに対向する
面にガイド部材32,33の他端側が係合するガイド溝
34,35が形成されている。ガイド溝34,35は、
上側カバー26をワーク2の搬送方向と直交する方向に
移動操作した際、本体フレーム3と図3中Y方向に移動
するとともに、本体フレーム3から離間する方向に移動
することができるように、ガイド部材32,33の傾斜
角に対応して設けられている。また、移動操作機構31
は、上側カバー26をワーク2の搬送方向である図3中
矢印X方向及び反矢印X方向に移動するためのガイド板
38を有する。ガイド板38は、装置本体を構成するシ
ャーシに固定され、このガイド板38には、支持部材3
6,37の基端側に設けられた係合部39,40が係合
される。
【0026】以上のような上側カバー26の移動操作機
構31は、本体フレーム3と結合するパッキングを解除
した後、図示しない駆動機構によりガイド溝34,35
にガイド部材32,33が取り付けられた上側カバー2
6が図3中矢印Y方向でやや上方に向かって図5中二点
鎖線で示す移動位置まで移動され、次いで、図示しない
駆動機構により図3中矢印X方向又は反矢印X方向に移
動される。これにより、上側カバー26は、本体フレー
ム3に衝突することなく円滑に移動操作することがで
き、また、下側カバー27と離間した位置まで移動され
ることから、容易に上側カバー26のメンテナンスを行
うことができ、また、下側カバー27若しくは半田槽5
のメンテナンスを行うことができる。また、上側カバー
26は、移動位置まで直線的に移動されることから、移
動距離を短くすることができ、移動時間の短縮を図るこ
とができる。なお、上側カバー26を移動操作する駆動
機構は、モータ等であってもよく、また、手動であって
もよい。
【0027】また、チャンバ6を構成する下側カバー2
7は、上側カバー26と大きさがほぼ同じ略矩形状に形
成され、搬送機構4と対向する上面が開放されてなる。
下側カバー27は、側面が垂直壁27aにより形成され
ている。また、下側カバー27には、底面側より半田槽
5が進入され、内部に第1及び第2の半田ヘッド21,
22が臨まされている。下側カバー27には、半田槽5
が着脱可能に取り付けられており、パッキングにより取
り付けられることによりチャンバ6内の気密性を維持で
きるようにされている。また、下側カバー27は、これ
と同様に、本体フレーム3にも着脱可能に取り付けられ
ており、パッキングにより取り付けられることによりチ
ャンバ6内の気密性を維持できるようにされている。半
田槽5は、上述したように、下側カバー27と本体フレ
ーム3とのパッキング及び下側カバー27と半田槽5と
のパッキングを外した後、支持台25を操作し、下側カ
バー27より取り外される。
【0028】以上のような上側カバー26,下側カバー
27及び本体フレーム3とにより構成されるチャンバ6
は、本体フレーム3に対して上側カバー26と下側カバ
ー27とがパッキングにより取り付けられることで気密
性の保たれた密閉空間が内部に形成される。このように
密閉空間部が形成されたチャンバ6内には、図3及び図
4に示すように、上側カバー26側に、内部を低酸素雰
囲気にするため、内部に不活性ガスを供給するためのガ
ス供給パイプ41が設けられている。具体的に、ガス供
給パイプ41は、図4に示すように、上側カバー26の
上面側に、上面と側面とがなすコーナ部に沿って配管さ
れている。そして、このガス供給パイプ41には、チャ
ンバ6の下方に向かって不活性ガスを噴出するための噴
出部42が等間隔に設けられている。例えば図3に示す
ように、噴出部42は、上側カバー26のワーク2の搬
送方向と平行な長辺方向に、6つ等間隔に設けられ、上
側カバー26のワーク2の搬送方向と直交する短辺方向
には、等間隔に3つ設けられている。チャンバ6内は、
噴出部42が等間隔に設けられることで、チャンバ6内
の不活性ガスの濃度を均一にすることができる。
【0029】ここで、チャンバ6内に注入される不活性
ガスは、半田が酸化することを防止するために用いられ
ることから、半田と化学反応を起こしにくく、酸化作用
の低い気体が用いられる。この不活性ガスは、好ましく
は窒素ガスであるが、他にヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、クセノン、ラドン等を用いることも可
能であり、また、これらの混合ガスであってもよい。
【0030】また、チャンバ6内の上側カバー26側に
は、図3及び図4に示すように、噴出部42より噴出さ
れた不活性ガスの気流を整流する整流板43が配設され
ている。この整流板43は、噴出部42と搬送機構4と
の間に、チャンバ6内を上部6aと下部6bに仕切るよ
うに配設される。この整流板43は、外側に設けられる
外側平面部44と、外側平面部44と連続して下側に向
かって折曲された傾斜面部45と、傾斜面部45と連続
して内側に設けられる内側平面部46とからなり、内側
平面部46に複数の小孔47が設けられてなる。外側平
面部44は、噴出部42と対向する位置に設けられる。
また、整流板43は、図5に示すように、上側カバー2
6の正面側が、上面より垂下するように取り付けられる
とともに、残る側面側が上側カバー26の垂直面部26
bに接合されている。これにより、チャンバ6内は、上
側カバー26の傾斜面部26aに設けられた窓部28よ
りチャンバ6の下部、例えば半田層5の液面をを、整流
板43に邪魔されることなく見ることができる。以上の
ように取り付けられた整流板43は、チャンバ6の上部
6aは、下部6bに比べて窒化ガスが高濃度に保持され
る。そして、チャンバ6の上部6aの不活性ガスは、均
等に下部6bへ供給される。
【0031】噴出部42より噴出された不活性ガスは、
噴出部42より外側平面部44に向かって噴出され、外
側平面部44により反射され、チャンバ6の上側へ向か
う。これにより、チャンバ6内における不活性ガスの濃
度は、上部6aが下部6bより高濃度になる。そして、
流速が落ちた不活性ガスは、整流板43に沿って小孔4
7が設けられた内側平面部46に向かって流れる。この
とき、整流板43には、傾斜面部45が設けられている
ことから、緩やかに内側平面部46に向かって流れる。
そして、不活性ガスは、内側平面部46に設けられた複
数の小孔47よりチャンバ6の下部6bに供給される。
このとき、不活性ガスは、チャンバ6の下部6bに緩や
かに供給されることから、下部6bの雰囲気を乱すこと
が防止でき、安定した窒化ガス雰囲気中で半田付けを行
うことができる。
【0032】以上のように構成されるチャンバ6の下部
6bには、図3及び図4に示すように、搬送機構4によ
り搬送されるワーク2を出し入れするための入口用開口
部48と出口用開口部49とが設けられている。そし
て、チャンバ6には、入口用開口部48から搬送機構4
を覆うように入口側カバー51が一体的に設けられ、出
口用開口部49から搬送機構4を覆うように出口用カバ
ー52が設けられている。
【0033】入口用カバー48には、チャンバ6内の窒
素ガスが入口用開口部48より流出すること規制する規
制カーテン53が配設されている。規制カーテン53
は、可撓性を有する耐熱性樹脂シートを略平紐状となる
ように切れ目を入れて形成されている。この規制カーテ
ン51は、入口用カバー51の上部より吊された際、下
端が搬送機構4に接触する長さに形成され、上部より垂
下するように取り付けられる。規制カーテン53は、入
口用カバー51より複数吊り下げられることで、チャン
バ6内の不活性ガスが入口用開口部48より流出するこ
とを防止している。また、規制カーテン53は、可撓性
を有することから、円滑にワーク2をチャンバ6内に搬
送することができる。
【0034】また、出口用カバー52には、チャンバ6
内の窒素ガスが出口用開口部49より流出すること規制
する規制カーテン54が設けられている。規制カーテン
54は、可撓性を有する耐熱性樹脂シートを略平紐状と
なるように切れ目を入れて形成され、出口用カバー52
の上部より吊された際、下端が搬送機構4に接触する長
さに形成され、上部より垂下するように取り付けられ
る。規制カーテン54は、出口用カバー52より複数吊
り下げられることで、チャンバ6内の不活性ガスが出口
用開口部49の上部より流出することを防止している。
また、規制カーテン54は、可撓性を有することから、
円滑にワーク2をチャンバ6内に搬送することができ
る。また、出口用カバー52には、底部側から略垂直に
チャンバ6内の窒化ガスが出口用開口部49より流出す
ることを規制する規制板55が複数設けられている。規
制板55は、チャンバ6内の不活性ガスが出口用開口部
49の下部より流出することを防止している。すなわ
ち、不活性ガスは、ワーク2の搬送方向となる出口用開
口部49より流出しやすいことから、入口用カバー51
側には、規制カーテン52が設けられているのみに対
し、出口用カバー52には、規制カーテン54及び規制
板55が設けられ、不活性ガスが出口用開口部49より
不活性ガスが流出しにくくなっている。
【0035】なお、この規制板55は、出口用カバー4
9側に設けるのみならず、入口用カバー51側に設ける
ようにしても良い。入口用カバー51側にも設けた場合
には、さらに入口用開口部48からの不活性ガスの流出
を防止することができる。
【0036】以上のような半田付け装置1は、先ずチャ
ンバ6内を低酸素の窒化ガスの雰囲気を形成した後、搬
送機構4によりワーク2がチャンバ6内に搬送される。
すなわち、チャンバ6内には、図3及び図4に示すよう
に、図示しない不活性ガスの供給機構によりガス供給パ
イプ41に不活性ガスが供給され、噴出部42より不活
性ガスが噴出されることにより不活性ガスが供給され
る。すると、この不活性ガスは、噴出部42より外側平
面部44に向かって噴出され、外側平面部44により反
射され、チャンバ6の上側へ向かう。これにより、不活
性ガスは、流速が落ち、この後、整流板43に沿って外
側平面部44より傾斜面部45を介して内側平面部46
に向かって流れる。このとき、整流板43には、傾斜面
部45が設けられていることから、緩やかに内側平面部
46に向かって流れ、不活性ガスは、小孔47よりチャ
ンバ6の下部6bに供給される。かくして、チャンバ6
内には、不活性ガスによる低酸素雰囲気が形成される。
また、半田槽5では、半田がヒータ18により溶融半田
10にされている。
【0037】ここで、図6は、チャンバ6内に窒素ガス
を160リットル/minで供給したときの、窒素ガス
の供給時間(分)とチャンバ6内に残留する酸素の酸素
濃度(ppm)との関係を示す図であり、ここでの酸素
濃度は、実際に半田付けが行われるチャンバ6の下部6
bの第1及び第2の半田ヘッド21,22より10mm
上で測定したものである。図6に示すように、チャンバ
6内では、窒素ガスの供給開始後約7分経過した後より
酸素濃度を約300ppm以下にすることができる。な
お、図示しないが、このときのチャンバ6の上部6aの
酸素濃度は、5ppm以下となる。
【0038】また、図7は、チャンバ6内に供給する窒
素ガスの供給量(リットル/min)とチャンバ6内に
残留する酸素濃度(ppm)との関係を示す図である。
図7に示すように、チャンバ6内(下部6bの第1及び
第2の半田ヘッド21,22より10mm上)では、窒
素ガスの供給量を増やすことで、低酸素雰囲気を効率よ
く形成することができる。すなわち、従来の半田付け装
置において、半田付けは、チャンバ6内の酸素濃度が数
千ppmの雰囲気で行われていたが、この半田付け装置
1では、チャンバ6内に窒素ガスを160リットル/m
inで供給したとき、酸素濃度を300ppm以下の低
酸素雰囲気を形成することができ、半田付けを良好な半
田付けを行うことができるとともに、半田槽5に生じる
半田の酸化物であるドロスの発生量を抑えることができ
る。
【0039】この後、チャンバ6内には、搬送機構4に
よりワーク2が搬送される。すなわち、ワーク2は、搬
送ガイドレール7,8のそれぞれに設けられた保持片
9,9に保持されて、スプロケットホイール12が回転
駆動されチェーン11が走行されることにより、図1中
矢印X方向に搬送される。このとき、入口用カバー51
には、規制カーテン53が設けられていることから、チ
ャンバ6内の不活性ガスが入口用開口部48より流出す
ることが防止できる。また、規制カーテン53は、可撓
性を有することから、ワーク2を円滑にチャンバ6内に
搬送することができる。
【0040】そして、チャンバ6内に搬送されたワーク
2には、溶融半田10が噴出される。すなわち、溶融半
田10は、第1の半田ヘッド21及び第2の半田ヘッド
22より噴出され、ワークに接触される。このとき、チ
ャンバ6内は、低酸素雰囲気が形成されていることか
ら、半田の酸化を防止することができ、良好な半田付け
を行うことができる。また、チャンバ6内は、低酸素雰
囲気が形成されていることから、半田槽5内にドロスの
発生量を抑えることができ、ドロスの除去作業等のメン
テナンスの回数を減らすことができ、生産効率の向上を
図ることができる。また、半田付け装置1は、ドロスの
発生を押させることができることから、半田の使用量を
減らすことができる。
【0041】半田付けが行われたワーク2は、搬送機構
4により出口用開口部49より排出される。このとき、
出口用カバー52には、規制カーテン54及び規制板5
5が設けられていることから、不活性ガスの流出量を抑
えることができる。
【0042】また、この半田付け装置1は、上側カバー
26の傾斜面部26aに設けられた窓部28よりチャン
バ6の内部を目視することができ、また、チャンバ6の
下部6bや半田槽5を目視することができる。このと
き、窓部28は、上側カバー26の正面側の傾斜面部2
6aに形成されていることから、容易にチャンバ6内を
目視することができる。
【0043】そして、この半田付け装置1では、チャン
バ6のメンテナンスを容易に行うことができる。すなわ
ち、上側カバー26を取り外す場合には、本体フレーム
3と上側カバー26とを結合するパッキングを解除し、
この後、図示しない駆動機構によりガイド溝34,35
にガイド部材32,33が取り付けられた上側カバー2
6を図3中矢印Y方向でやや上方に向かって移動操作
し、図5中2点鎖線で示す移動位置まで移動する。この
後、上側カバー26は、図示しない駆動機構により図3
中矢印X方向に移動されることで、本体フレーム3より
取り外される。これにより、上側カバー26は、本体フ
レーム3に衝突することなく円滑に移動操作することが
でき、また、下側カバー27と離間した位置まで移動さ
れることから、容易に上側カバー26のメンテナンスを
行うことができ、また、下側カバー27若しくは半田槽
5のメンテナンスを行うことができる。なお、上側カバ
ー26を本体フレーム3の所定位置に取り付ける場合に
は、先ず、上側カバー26を、図示しない駆動機構によ
り図3中反矢印X方向に移動し、この後、反矢印Y方向
に移動することで本体フレーム3の所定位置に移動さ
れ、この後、本体フレーム3と上側カバー26とをパッ
キングすることにより本体フレーム3に結合される。
【0044】また、半田槽5に発生したドロスを除去す
る場合、半田槽5は、上述したように、下側カバー27
と本体フレーム3とのパッキング及び下側カバー27と
半田槽5とのパッキングを外した後、支持台25を操作
し、下側カバー27より取り外される。すなわち、半田
槽5は、先ず図1及び図2中矢印X方向に移動される。
このとき、搬送機構4が上手側が上を向くように傾斜し
て設けられていることから、半田槽5は、図1に示すよ
うに、搬送機構4に対してやや離間した状態となる。こ
の状態で、半田槽5は、図1及び図2中反矢印Y方向に
移動させることにより、チャンバ6より取り外され、ド
ロスの除去作業を行うことができる。また、半田槽5を
チャンバ6に取り付ける場合、先ず、半田槽5は、図1
及び図2中矢印Y方向に移動操作され、この後、図1及
び図2中矢印X方向に移動されることにより、チャンバ
6に圧着した状態で取り付けられる。このとき、下側カ
バー27を本体フレーム3に圧着し、チャンバ6内の気
密性を維持することができる。
【0045】ここで、図8は、ドロスの発生量(kg/
8h)とチャンバ6内に残存する酸素の酸素濃度(pp
m)との関係を示す図であり、ここでの酸素濃度は、図
6及び図7と同様に、実際に半田付けが行われるチャン
バ6の下部6bの第1及び第2の半田ヘッド21,22
より10mm上で測定したものである。図8に示すよう
に、図6に示す条件、すなわち、チャンバ6内に窒素ガ
スを160リットル/minで供給し、300ppmの
酸素濃度では、約0.5kgのドロスが発生した。従来
の半田付け装置では、図示しないが8時間で10kgの
ドロスが発生していたことから、約9.5kg減少させ
ることができた。従来の半田付け装置では、半田槽より
ドロスがあふれ出ることを防止するため、通常3,4時
間に一度ラインを止めてドロスの除去作業を行っていた
が、この半田付け装置1では、48時間の運転で1回の
ドロス除去作業を行えばよいことになり、生産効率の向
上を図ることができる。
【0046】次に、本発明が適用された他の半田付け装
置61について、図面を参照して説明する。なお、上述
した半田付け装置1と同一の部材については、同一の符
号を付してその詳細は省略する。この半田付け装置61
は、上側カバー26と下側カバー27とにより構成され
るチャンバ6内の整流板43により仕切られる上部6a
と下部6bのそれぞれに不活性ガスを噴出する第1の噴
出部62と第2の噴出部63が設けられたことを特徴と
する。ここで、第1の噴出部62は、上述した半田付け
装置1の噴出部42と同一であるため詳細は省略する。
【0047】第2の噴出部63は、図9に示すように、
下側カバー27と本体フレーム3との間に配設される。
第2の噴出部63は、略矩形状のチャンバ6の正面側と
背面側、すなわち、ワーク2の搬送方向と平行な側に配
設される。第2の噴出部63は、図10に示すように、
断面が略五角形となるようなガス供給パイプ64の先端
部に複数設けられた小孔よりなる。そして、第2の噴出
部63は、チャンバ6の内方、すなわちワーク2と溶融
半田10との接触部に向かうように設けられている。こ
のような第2の噴出部63からは、ガス供給パイプ64
に不活性ガスが図示しないガス供給機構より供給される
ことで噴出される。ここで、噴出される不活性ガスは、
第1の噴出部62より噴出される不活性ガスと同じもの
であり、例えば窒化ガスである。
【0048】この第2の噴出部63が形成されたガス供
給パイプ64は、本体フレーム3と下側カバー27の開
口端との間に配設される。そして、このガス供給パイプ
64と本体フレーム3との間には、チャンバ6の気密性
を確保するための気密材66が配設される。このような
第2の噴出部63が設けられた半田付け装置61は、上
述した半田付け装置1と同様に、下側カバー27を着脱
することができる。
【0049】このように第2の噴出部63は、チャンバ
6の下部6bにも不活性ガスを噴出することから、ワー
ク2の半田付けが行われる下部6bの不活性ガスの濃度
を高めることができ、上述した半田付け装置1のチャン
バ6の下部6bより更に低濃度酸素雰囲気を形成するこ
とができ、良好に半田付けすることができる。また、第
2の噴出部63は、半田付けを行う位置に不活性ガスを
噴出することで、常に半田付けする場所の不活性ガスの
濃度を一定に保つことができる。さらには、第2の噴出
部63は、ワーク2が半田付けを行う位置に搬送された
とき、一時的に不活性ガスの濃度が下がることを防止す
ることができる。
【0050】なお、この半田付け装置61に用いる整流
板は、上述した小孔が形成されたものの他、不活性ガス
をチャンバ6の下部6bに供給できるものであれば、例
えば中央部に、矩形或いは円形の開口部が設けられたも
のであってもよい。
【0051】ここで、図11は、チャンバ6内に第1の
噴出部62により窒素ガスを130リットル/minで
供給し、第2の噴出部63により窒素ガスを30リット
ル/min供給し、合計でチャンバ6内に160リット
ル/min供給したときの、窒素ガスの供給時間(分)
とチャンバ6内に残留する酸素の酸素濃度(ppm)と
の関係を示す図であり、ここでの酸素濃度は、実際に半
田付けが行われるチャンバ6の下部6bの第1及び第2
の半田ヘッド21,22より10mm上で測定したもの
である。図11に示すように、チャンバ6内では、窒素
ガスの供給開始後約5分経過した後より酸素濃度を約3
0ppm以下にすることができる。なお、図示しない
が、このときのチャンバ6の上部6aの酸素濃度は、5
ppm以下となる。
【0052】また、図12は、ワーク2の搬送中に、第
1の噴出部62からのみ窒素ガスを130リットル/m
in供給したときのチャンバ6内の酸素濃度(ppm)
の変動を示したものであり、ここでの酸素濃度は、実際
に半田付けが行われるチャンバ6の下部6bの第1及び
第2の半田ヘッド21,22より10mm上で測定した
ものである。この場合、図12に示すように、酸素濃度
の変動は、450ppmから850ppmの範囲で変動
していることがわかる。これに対して、図13は、ワー
ク2の搬送中に、第1の噴出部62がら窒素ガスを13
0リットル/min供給し、第2の噴出部63から窒素
ガスを30リットル/min供給したときのチャンバ6
内の酸素濃度(ppm)の変動を示したものであり、こ
こでの酸素濃度は、実際に半田付けが行われるチャンバ
6の下部6bの第1及び第2の半田ヘッド21,22よ
り10mm上で測定したものである。この場合、図13
に示すように、酸素濃度の変動は、50ppmから20
0ppmの範囲で変動していることがわかる。このよう
に、半田付け装置61では、第2の噴出部63より窒素
ガスを噴出することで、ワーク2の搬送時においても、
従来よりも低酸素雰囲気で酸素濃度の変動を少なくする
ことができる。従って、半田付け装置1は、半田付けを
良好に行うことができると共に、半田槽5に生じる半田
の酸化物であるドロスの発生量を抑えることができる。
【0053】また、図14は、ドロスの発生量(kg/
8h)とチャンバ6内に残存する酸素の酸素濃度(pp
m)との関係を示す図であり、ここでの酸素濃度は、実
際に半田付けが行われるチャンバ6の下部6bの第1及
び第2の半田ヘッド21,22より10mm上で測定し
たものである。図14に示すように、第1の噴出部62
がら窒素ガスを130リットル/min供給し、第2の
噴出部63から窒素ガスを30リットル/min供給し
た30ppmの酸素濃度では、約0.3kgのドロスが
発生した。従来の半田付け装置では、図示しないが8時
間で10kgのドロスが発生していたことから、約9.
7kg減少させることができた。従来の半田付け装置で
は、半田槽よりドロスがあふれ出ることを防止するた
め、通常3,4時間に一度ラインを止めてドロスの除去
作業を行っていたが、この半田付け装置1では、80時
間の運転で1回のドロス除去作業を行えばよいことにな
り、生産効率の向上を図ることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る半田付け装置によれば、噴
出部より噴射された不活性ガスは、整流板の上側に高濃
度に保持され、整流板の小孔よりチャンバ下部の半田付
けが行われるチャンバ下部に不活性ガスが供給されるこ
とで、従来より酸素濃度の低い低酸素雰囲気を形成する
ことができ、半田の酸化を防止することができ、半田付
けを確実に行うことができる。また、この半田付け装置
は、従来より酸素濃度の低い低酸素雰囲気を形成するこ
とができることから、半田槽に半田の酸化物が発生する
ことを抑えることができ、半田の使用量を減らすことが
できるとともに、この酸化物の除去作業の回数を減らす
ことができ、生産効率の向上を図ることができる。
【0055】また、本発明に係る半田付け装置によれ
ば、第2の噴出部がチャンバの下部にも不活性ガスを噴
出することから、ワークの半田付けが行われる下部の不
活性ガスの濃度を高めた低濃度酸素雰囲気を形成するこ
とができ、良好に半田付けすることができる。また、第
2の噴出部は、半田付けを行う位置に不活性ガスを噴出
することで、常に半田付けする場所の不活性ガスの濃度
を一定に保つことができる。さらには、第2の噴出部
は、ワークが半田付けを行う位置に搬送されたとき、一
時的に不活性ガスの濃度が下がることを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された半田付け装置の外観斜視図
である。
【図2】上記半田付け装置の半田槽を示す斜視図であ
る。
【図3】上記半田付け装置のチャンバの構成を示す斜視
図である。
【図4】上記半田付け装置の断面図である。
【図5】上記半田付け装置をワークの上手側からみた側
面図である。
【図6】チャンバ内に窒素ガスを200リットル/mi
nで供給したときの、窒素ガスの供給時間(分)とチャ
ンバ内に残留する酸素の酸素濃度(ppm)との関係を
示す図である。
【図7】チャンバ内に供給する窒素ガスの供給量(リッ
トル/min)とチャンバ内に残留する酸素濃度(pp
m)との関係を示す図である。
【図8】ドロスの発生量(kg/8h)とチャンバ内に
残存する酸素の酸素濃度(ppm)との関係を示す図で
ある。
【図9】本発明が適用された他の半田付け装置をワーク
の上手側からみた側面図である。
【図10】上記半田付け装置の第2の噴出部を示す斜視
図である。
【図11】チャンバ内に第1の噴出部により窒素ガスを
130リットル/minで供給し、第2の噴出部により
窒素ガスを30リットル/min供給し、合計でチャン
バ6内に160リットル/min供給したときの、窒素
ガスの供給時間(分)とチャンバ6内に残留する酸素の
酸素濃度(ppm)との関係を示す図である。
【図12】ワークの搬送中に、第1の噴出部からのみ窒
素ガスを130リットル/min供給したときのチャン
バ6内の酸素濃度(ppm)の変動を示した図である。
【図13】ワークの搬送中に、第1の噴出部がら窒素ガ
スを130リットル/min供給し、第2の噴出部から
窒素ガスを30リットル/min供給したときのチャン
バ内の酸素濃度(ppm)の変動を示した図である、。
【図14】ドロスの発生量(kg/8h)とチャンバ内
に残存する酸素の酸素濃度(ppm)との関係を示す図
である。
【図15】従来の半田付け装置の示す断面図である。
【図16】上記半田付け装置のチャンバ内に不活性ガス
を供給するノズルの斜視図である。
【符号の説明】
1 半田付け装置、2 ワーク、3 本体フレーム、4
搬送機構、5 半田槽、6 チャンバ、6a 上部、
6b 下部、18ヒータ、21 第1の半田ヘッド、2
2 第2の半田ヘッド、26 上側カバー、27 下側
カバー、28 窓部、31 移動操作機構、41 ガス
供給パイプ、42 噴出部、43 整流板、47 小
孔、51 入口用カバー、52 出口用カバー、53,
54 規制カーテン、規制板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本宮 育次郎 宮城県加美郡中新田町字雁原325 ソニー 中新田株式会社内 (72)発明者 小黒 教示 東京都足立区千住旭町32−1 株式会社弘 輝内 (72)発明者 長谷川 貴傑 東京都足立区千住旭町32−1 株式会社弘 輝内 Fターム(参考) 4E080 AA01 AB01 BA07 CA06 CA07 DA04 EA02 EA07 5E319 AC01 CC23 CD28 CD35 GG05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融された半田が貯められる半田槽と、 上記半田槽の上側であってワークを搬送する搬送手段の
    上側に位置する上側カバーと上記搬送手段の下側であっ
    て上記半田槽の上側に位置する下側カバーとにより構成
    され、内部に低酸素雰囲気が形成されるチャンバと、 上記チャンバ内の上側に配設され、上記チャンバ内に不
    活性ガスを噴出する噴出部と、 上記チャンバ内の上記搬送手段と上記噴出部との間に配
    設され、上記噴出部より噴射された不活性ガスを上記チ
    ャンバの上側に高濃度に保持し、上記チャンバの上側に
    高濃度に保持された不活性ガスを上記チャンバの下側に
    供給する複数の小孔が上記半田槽の液面に対応する領域
    に形成された整流板とを備える半田付け装置。
  2. 【請求項2】 上記不活性ガスは、窒素ガスであること
    を特徴とする請求項1記載の半田付け装置。
  3. 【請求項3】 上記チャンバは、底面より上側に鋭角に
    形成された側壁が設けられ、この側壁に上記チャンバ内
    部を目視するための窓部が形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の半田付け装置。
  4. 【請求項4】 更に、上記ワークを出し入れするため上
    記チャンバの上記ワークの搬送方向の壁面に形成された
    開口部と、この開口部より上記ワークの搬送方向に延長
    して上記チャンバに設けられる延長カバーとを備え、上
    記延長カバーの下側には、上記ワークの搬送方向と直交
    する方向に、上記チャンバ内の不活性ガスの流出を規制
    する規制板が設けられることを特徴とする請求項1記載
    の半田付け装置。
  5. 【請求項5】 更に、上記ワークを出し入れするため上
    記チャンバの上記ワークの搬送方向の壁面に形成された
    開口部と、この開口部より上記ワークの搬送方向に延長
    して上記チャンバに設けられる延長カバーとを備え、上
    記延長カバーの上側には、上記ワークの搬送方向と直交
    する方向に、上記チャンバ内の不活性ガスの流出を規制
    する可撓性を有する規制カーテンが配設されることを特
    徴とする請求項1記載の半田付け装置。
  6. 【請求項6】 溶融された半田が貯められる半田槽と、 上記半田槽の上側であってワークを搬送する搬送手段の
    上側に位置する上側カバーと上記搬送手段の下側であっ
    て上記半田槽の上側に位置する下側カバーとにより構成
    され、内部に低酸素雰囲気が形成されるチャンバと、 上記チャンバ内の上側に配設され、上記チャンバ内に不
    活性ガスを噴出する第1の噴出部と、 上記チャンバ内の上記搬送手段と上記第1の噴出部との
    間に配設され、上記第1の噴出部より噴出された不活性
    ガスを上記チャンバの上側に高濃度に保持し、上記チャ
    ンバの上側に高濃度に保持された不活性ガスを上記チャ
    ンバの下側に供給する整流板と、 上記チャンバ内の上記整流板の下側に配設され、ワーク
    に対して半田付けを行う場所に向かって不活性ガスを噴
    出する第2の噴出部とを備える半田付け装置。
  7. 【請求項7】 上記整流板は、この整流板の上側に高濃
    度に保持された不活性ガスを下側に供給する複数の小孔
    が上記半田槽の液面に対応して設けられてなることを特
    徴とする請求項6記載の半田付け装置。
  8. 【請求項8】 上記整流板は、この整流板の上側に高濃
    度に保持された不活性ガスを下側に供給する開口部設け
    られてなることを特徴とする請求項6記載の半田付け装
    置。
JP11009951A 1999-01-18 1999-01-18 半田付け装置 Pending JP2000208923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11009951A JP2000208923A (ja) 1999-01-18 1999-01-18 半田付け装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11009951A JP2000208923A (ja) 1999-01-18 1999-01-18 半田付け装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000208923A true JP2000208923A (ja) 2000-07-28

Family

ID=11734289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11009951A Pending JP2000208923A (ja) 1999-01-18 1999-01-18 半田付け装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000208923A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103786032A (zh) * 2014-01-24 2014-05-14 中国核工业二三建设有限公司 废水接收槽的安装方法
JP2016219650A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 株式会社タムラ製作所 はんだ付け装置
CN114473108A (zh) * 2022-03-23 2022-05-13 美的集团股份有限公司 波峰焊设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103786032A (zh) * 2014-01-24 2014-05-14 中国核工业二三建设有限公司 废水接收槽的安装方法
JP2016219650A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 株式会社タムラ製作所 はんだ付け装置
CN114473108A (zh) * 2022-03-23 2022-05-13 美的集团股份有限公司 波峰焊设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100310756B1 (ko) 웨이브 솔더링 방법 및 장치
JP3638415B2 (ja) ガス雰囲気はんだ付け装置
KR100953462B1 (ko) 막제거 장치, 막제거 방법 및 기판 처리 시스템
EP0500135B2 (en) Wave soldering in a protective atmosphere enclosure over a solder pot
KR0123188B1 (ko) 리플로장치
TW201707805A (zh) 淨化裝置、淨化倉儲及清潔方法
JP2000208923A (ja) 半田付け装置
JPS60119792A (ja) ソルダ−のレベリング・システム
JP2000208922A (ja) 半田付け装置
JP4210738B2 (ja) 半田付け装置
JP2000208920A (ja) 半田付け装置
JP2000208921A (ja) 半田付け装置
JP3306468B2 (ja) 自動ハンダ付け機構及びその機構を用いる装置並びにそのハンダ付け方法
JPS59218262A (ja) 半田デイツプ装置
JP3955657B2 (ja) ウェハー移送装置及び方法
JP2823999B2 (ja) 低酸素雰囲気はんだ付け装置
JP2834966B2 (ja) 噴流式半田付け装置
JPH06198428A (ja) 発泡式フラックス塗布装置
JPH05261529A (ja) 局所はんだ付け装置
JPH0890217A (ja) 自動半田付け方法、自動半田付け装置、噴射孔型半田噴流 ノズル及びフラックス塗布ブラシ装置
JP3406005B2 (ja) リフロー装置およびリフロー方法
JPH0741409B2 (ja) コンベア式無酸化ハンダ付け装置
JP2502887B2 (ja) はんだ付け装置
JPH04154118A (ja) 半導体ウエハの処理装置
JP2832566B2 (ja) 半田付用不活性雰囲気装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090127