JP2000208830A - 化合物半導体多層薄膜及び磁気センサ - Google Patents

化合物半導体多層薄膜及び磁気センサ

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JP2000208830A
JP2000208830A JP11003758A JP375899A JP2000208830A JP 2000208830 A JP2000208830 A JP 2000208830A JP 11003758 A JP11003758 A JP 11003758A JP 375899 A JP375899 A JP 375899A JP 2000208830 A JP2000208830 A JP 2000208830A
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doped
layer
thin film
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Takeshi Tanaka
丈士 田中
Mineo Wajima
峰生 和島
Hideki Sato
秀樹 佐藤
Yohei Otogi
洋平 乙木
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Hitachi Cable Ltd
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気センサ等に用いられる化合物半導体多層薄
膜におけるInSb層の高移動度化と高抵抗化とを両立
させること可能にする。 【解決手段】半絶縁性のGaAs基板1上に、不純物と
してAl、Be、Zn、Mg、OまたはGaの一つをド
ーピングしたInSbバッファ層2と、アンドープまた
はTeドープまたはSeドープのInSb活性層3とを
順次堆積させた構造とする。結晶特性の悪いInSbバ
ッファ層2の部分に、Al、Be、Zn、Mg、Oまた
はGaの一つをドーピングすることよって、InSbバ
ッファ層2の抵抗率を増大させ、これにより、移動度低
下要因となる結晶欠陥が比較的に少ないInSb活性層
3の側に電流の大部分が流れるようにする。これによっ
て、InSb層は全体として高移動度かつ高抵抗という
優れた電気特性を示すようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート抵抗値とホ
ール移動度の両方を向上させた化合物半導体多層薄膜、
及び前記化合物半導体多層薄膜を用いて作製した、低消
費電力かつ高感度という優れた特性を有する磁気センサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】全てのIII −V族化合物半導体結晶のう
ち最も高いキャリア移動度を有するInSb(インジウ
ムアンチモン)の応用例の一つとして、磁電変換素子す
なわち磁気センサ(磁気抵抗素子やホール素子)がよく
知られている。この磁気センサは位置検出や速度検出用
として、ブラシレスモータや、自動車用ABS、情報機
器端末におけるCD−ROM及びDVD、VTRなど回
転制御系に広く応用されている。
【0003】これら磁気センサ用のInSb薄膜は、電
流のリークを防ぐため半絶縁性あるいは絶縁性の基板上
に形成される必要がある。このため従来よりInSb
は、『電気論A,117,7(1997)』に示される
ように絶縁体である雲母や磁性酸化物の基板上に、ある
いは『ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス,6
6,3618(1989)』に示されるように半絶縁で
あるGaAsやInP基板上に形成されていた。また、
同じGaAs基板を用いる場合でも、『ジャーナル・オ
ブ・ヴァキューム・サイエンス・テクノロジー,B1
4,2339(1996)』に示されるように、格子不
整合緩和層としてAlx In1-x Sb(x≧0.07)
をバッファ層及びバリア層をしてGaAs基板上に形成
し、その上にInSb活性層を成長する方法も知られて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には次のような問題点があった。
【0005】(問題点1)InSbを成長する基板物質
として雲母やGaAsを用いた場合、基板とInSb層
との間には大きな格子定数の差が存在するため、成長し
たInSb層中にはミスフィット転位など、大量の結晶
欠陥が混入する。これらの結晶欠陥はInSb層中を走
行する電子や正孔を散乱し、InSbの移動度を著しく
低下させる。この結果、InSbを活性層として用いた
素子において、動作や速度の低下が起こることが問題と
なっていた。
【0006】(問題点2)上に挙げた傾向は、特に基板
とInSb層の界面近傍で著しいが、成長に伴い欠陥が
緩和されるため、厚く成長したInSb層では上部すな
わち表面付近において結晶欠陥の密度が減少する。この
結果として、InSb膜厚が充分厚いと全体の移動度が
ある程度まで向上する、という効果が得られる。このこ
とは、『ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス,
74,1793(1993)』により公知になってい
る。ただし、この場合、結晶欠陥濃度が高く移動度が低
い下部の層も全体の伝導には寄与するため、InSb層
全体の抵抗値が著しく低下してしまうという欠点があ
る。この様な抵抗値の低いInSbを組み込んだ素子
は、動作時に激しく発熱し、消費電力が大幅に増大する
とともに、雪崩的にキャリアーが発生することによって
自己破壊が起こる恐れもあった。
【0007】このように従来技術では、InSb層の高
移動度と高抵抗の両立が困難であった。
【0008】本発明の目的は、上記課題を解決し、In
Sb層の高移動度化と高抵抗化とを両立させること、及
び得られたInSb層を利用して、感度が高く消費電力
が小さい磁気センサの作製を可能とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化合物半
導体多層薄膜におけるInSb層の高移動度化と高抵抗
化との両立を図るべく鋭意研究した結果、結晶特性の悪
いInSb層の部分(バッファ層)にAl(アルミニウ
ム)またはBe(ベリリウム)またはZn(亜鉛)また
はMg(マグネシウム)またはO(酸素)またはGa
(ガリウム)を不純物としてドーピングすることよっ
て、当該部分のInSb層の抵抗率を増大させることが
非常に有効であることを見い出した。本発明は、かかる
認識を前提として、次のように構成したものである。
【0010】(1)請求項1に記載の化合物半導体多層
薄膜は、単位面積当たりの電気伝導率が0.005S以
下である半絶縁または絶縁性の物質と、前記物質上に形
成され不純物としてAlまたはBeまたはZnまたはM
gまたはOまたはGaがドーピングされたInSbバッ
ファ層と、前記InSbバッファ層上に形成されアンド
ープまたはSiまたはTeまたはSeがドーピングされ
たInSb活性層とからなることを特徴とする。
【0011】また、請求項6に記載の磁気センサは、単
位面積当たりの電気伝導率が0.005S以下である半
絶縁または絶縁性の物質と、前記物質上に形成され不純
物としてAlまたはBeまたはZnまたはMgまたはO
またはGaがドーピングされたInSbバッファ層と、
前記InSbバッファ層上に形成されアンドープまたは
SiまたはTeまたはSeがドーピングされたInSb
活性層と、前記InSb活性層上に設けられ、かつ前記
InSb活性層との間にオーミック特性を有する電極
と、前記InSb活性層上に形成された絶縁性保護膜と
からなることを特徴とする。
【0012】上記請求項1または6記載の発明によれ
ば、半絶縁または絶縁性の物質上に、InSbバッファ
層とInSb活性層とを順次堆積した構造において、結
晶特性の悪いInSbバッファ層の部分に、Alまたは
BeまたはZnまたはMgまたはOまたはGaを不純物
としてドーピングすること、すなわちAl、Be、Z
n、Mg、OまたはGaよりなる群より選択される一ま
たは複数の原子を不純物としてドーピングすることよっ
て、InSbバッファ層の抵抗率を増大させることがで
きる。これによってInSbバッファ層への電流の漏れ
量を大幅に減少させることができる。すると、移動度低
下要因となる結晶欠陥が比較的少ないアンドープまたは
TeドープまたはSeドープのInSb活性層側に電流
の大部分が流れるようになるため、InSb層は全体と
して高移動度・高抵抗という優れた電気特性を示すよう
になる。
【0013】また、磁気センサの感度は移動度に比例
し、磁気センサの消費電力は比抵抗に反比例することか
ら、得られたInSb層を用いることにより、磁気セン
サは高感度・低消費電力という優れた素子特性を呈する
ようになる。
【0014】すなわち、従来技術ではInSb層の高移
動度と高抵抗の両立は困難であったが、本発明者らは、
今回、低移動度層を高抵抗化することにより、前記低移
動度層が全体の電気特性に及ばす悪影響を最小限に留め
ることに成功し、使用時のInSb層の高移動度化と高
抵抗化の両方に成功した。また、このInSb層を用い
たホール素子等の磁気センサの高感度化、低消費電力化
にも成功した。
【0015】(2)ところで、InSb活性層は、その
実用的な厚さが、疑似整合状態を維持できる臨界膜厚以
下となるようにする必要がある。そのためには、Alが
ドーピングされたInSbバッファ層のAl組成比を、
InSb活性層の成長層中にミスフィット転移が導入さ
れない範囲の値とすることが重要である。これは、前記
請求項1の化合物半導体多層薄膜または請求項6の磁気
センサにおいて、AlがドーピングされたInSbバッ
ファ層中の、特にAlとGa(例えば基板側から熱拡散
されるGa)とを合計した組成比率xを、0.05>x
≧0.00の範囲とすることで達成することができる
(請求項2、7)。
【0016】(3)請求項1または2の化合物半導体多
層薄膜及び請求項6または7の磁気センサは、前記Al
またはBeまたはZnまたはMgまたはOまたはGaが
ドーピングされたInSbバッファ層中で、少なくとも
Be、Zn、Mgのうち1種類以上の原子と同時にSi
(ケイ素)またはTe(テルル)またはSe(セレン)
のうち1種類以上の原子がドーピングされたものから得
ることができる(請求項3、8)。
【0017】(4)請求項1、2または3の化合物半導
体多層薄膜または請求項6、7または8に記載の磁気セ
ンサにおいて、前記単位面積当たりの電気伝導率が0.
005S以下である半絶縁または絶縁性の物質として適
切なものとしては、具体的にはGaAsがある(請求項
4、9)。
【0018】(5)請求項1、2、3または4の化合物
半導体多層薄膜または請求項6、7、8または9に記載
の磁気センサにおいて、前記単位面積当たりの電気伝導
率が0.005S以下である半絶縁または絶縁性の物質
と、前記AlまたはBeまたはZnまたはMgまたはO
またはGaがドーピングされたInSbバッファ層との
間には、InAlAsからなるバッファ層を設けること
ができる(請求項5、10)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。
【0020】図1に、本発明に係る化合物半導体多層薄
膜の実施形態を示す。図1において、1は単位面積当た
りの電気伝導率が0.005S以下である半絶縁または
絶縁性の物質としてのGaAsから成る基板であり、こ
のGaAs基板1上には、不純物としてBeがドーピン
グされたInSb薄膜(InSbバッファ層)と、アン
ドープのInSb薄膜(InSb活性層)3とが順次堆
積されている。
【0021】既に述べたように、結晶特性の悪いInS
bバッファ層2の部分にBeを不純物としてドーピング
することよって、InSbバッファ層2の抵抗率を増大
させることができ、これによってInSbバッファ層2
への電流の漏れ量を大幅に減少させることができる。す
ると、相対的に、移動度低下要因となる結晶欠陥が比較
的少ないアンドープのInSb活性層3の側に電流の大
部分が流れるようになるため、InSb層は全体として
高移動度かつ高抵抗という優れた電気特性を示すように
なる。
【0022】InSbバッファ層2に添加する不純物は
Beに限定されない。上記の高移動度かつ高抵抗という
優れた電気特性は、InSb活性層3のシート抵抗がI
nSbバッファ層2のものより低いという条件の下で、
InSbバッファ層2の不純物として、Beの代わりに
AlまたはZnまたはMgまたはOまたはGaのうちの
いずれか一つをドーピングしても得ることができる。ま
た、InSb活性層3も同様であって、InSb活性層
3のシート抵抗がInSbバッファ層2のものより低い
という条件の下で、アンドープからSiドープまたはT
eドープまたはSeドープのものに変更しても、上記高
移動度かつ高抵抗という優れた電気特性を得ることがで
きる。
【0023】上記のInSbバッファ層2及びInSb
活性層3として区分けされる部分を持つInSb薄膜の
形成は、例えばInSbバッファ層2中で、少なくとも
Be、Zn、Mgのうち1種類以上の原子と同時にSi
またはTeまたはSeのうち1種類以上の原子をドーピ
ングするという方法で行うことができる。
【0024】ところで、InSb活性層3は、その実用
的な厚さが、疑似整合状態を維持できる臨界膜厚以下と
なるようにする必要があるため、InSbバッファ層2
が例えばAlドープのInSbバッファ層である場合に
は、そのInSbバッファ層2のAl組成比、正確には
AlとGa(例えば基板側から熱拡散されるGa等)と
を合計した組成比率xが、0.05>x≧0.00の範
囲に入るようにする。これによりInSb活性層3の成
長層中にミスフィット転移が導入されなくなる。
【0025】図2及び図3に、上記化合物半導体多層薄
膜を用いて作製した磁気センサの実施形態を示す。この
磁気センサは、上記のようにして得られた化合物半導体
多層薄膜をエッチング加工して十字形状の感磁部層と
し、その十字形状の感磁部層を構成しているInSb活
性層3の表面を絶縁性保護膜5で覆った後、その十字形
端部の保護膜を除去して部分的にInSb活性層3を露
出させ、その露出部分に、当該InSb活性層3との間
にオーミック特性を有する電極4を設けた構成を有す
る。
【0026】この磁気センサの構成も、半絶縁性のGa
As基板1上に、上述のInSbバッファ層2とInS
b活性層3とを有するものであり、結晶特性の悪いIn
Sbバッファ層2の部分には、AlまたはBeまたはZ
nまたはMgまたはOまたはGaが不純物としてドーピ
ングされ、その抵抗率が増大されているため、InSb
バッファ層2への電流の漏れ量が大幅に減少し、相対的
に、移動度低下要因となる結晶欠陥が少ないアンドープ
またはTeドープまたはSeドープのInSb活性層3
側に電流の大部分が流れるようになる。このため、In
Sb層は全体として高移動度かつ高抵抗という優れた電
気特性を有する。また、磁気センサの感度は移動度に比
例し、磁気センサの消費電力は比抵抗に反比例すること
から、得られたInSb層を用いることにより、磁気セ
ンサは高感度かつ低消費電力という優れた素子特性を有
する。
【0027】上記GaAs基板1とInSbバッファ層
2との間には、必要に応じ、InAlAsからなるバッ
ファ層を設けることもできる。
【0028】
【実施例】次に実施例について説明する。
【0029】[実施例1]図6は、本発明の一実施例に
係る化合物半導体多層薄膜(サンプルC)の断面図であ
り、図4及び図5は、比較例として試作した化合物半導
体多層薄膜(サンプルA、B)の断面図である。
【0030】具体的に説明すると、比較例である図4
(サンプルA)のものは半絶縁性のaAs基板11の表
面に、MBE(分子線エピタキシャル成長)装置を用い
て、膜厚200nmのInSb活性層12を成長した化合
物半導体薄膜であり、同じく比較例である図5(サンプ
ルB)のものは、半絶縁性のGaAs基板11の表面
に、MBE装置を用いて、膜厚800nmのInSb活性
層13を成長した化合物半導体薄膜(サンプルB)であ
る。
【0031】一方、本発明の実施例である図6(サンプ
ルC)のものは、半絶縁性のGaAs基板11の表面
に、MBE装置を用いて、厚さ400nmの半絶縁Alx
In1-x Sb(x=0.15)バッファ層14と、厚さ
200nmのBeドープInSb(Be:3×1017c
m-3)バッファ層15、及び厚さ200nmのアンドープ
InSb活性層16を成長した化合物半導体多層薄膜か
ら成る。
【0032】これら各サンプルA〜Cの化合物半導体多
層薄膜を用いて、次のようにして各サンプルA〜Cのホ
ール素子を作成した。まず、InSb活性層21(図7
(a))を、公知のフォトリソグラフィー技術を利用し
て、十字形状に感磁部層となるべき領域及び入出力電極
を形成するべき領域が残るようにエッチング加工し、下
の半絶縁性GaAs基板11の層を露出させることによ
り、十字形状の感磁部層をメサ状に形成する(図7
b))。次に、この感磁部層を保護するため、絶縁性保
護膜23としてSiO2 膜を蒸着する(図7(c))。
次に、十字形感磁部層の末端部における絶縁性保護膜2
3を除去してInSb活性層を露出させ(図7
(d))、ここにInSb層との間でオーミック特性を
有するAu/Ge電極24を蒸着により張り付ける(図
7(c))、という手順によりホール素子を作成した。
【0033】これらサンプルA〜Cの化合物半導体多層
薄膜を用いた各ホール素子について、単位面積当たりの
抵抗値及びキャリア移動度を、ファン・デル・パウ(v
ander Pauw)法によるホール測定により測定
した。この結果を、表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】この化合物半導体薄膜の電気特性表から分
かるように、比較例のサンプルAにおいては、電子の移
動度はGaAs/InSb界面で生じる欠陥の影響を受
けて、移動度は10,700cm2 /Vs程度に留まって
いる。この場合、従来技術の(問題点1)として指摘し
た不都合が生じる、すなわち充分な移動度が得られてい
ないことから、この薄膜を素子へ応用しても高感度など
の優れた特性は得られない。
【0036】比較例のサンプルBについては、結晶欠陥
が減少したことにより、サンプルAのホール移動度2
8,800cm2 /Vsという値に比ベて、ホール移動度
に約3倍の向上が見られる。しかしながら、サンプルB
は上記サンプルAに比べて膜厚を厚くしており、シー卜
抵抗値は上記サンプルAの5分の1〜6分の1にまで減
少してしまっている。この場合、従来技術の(問題点
2)として指摘した不都合が生じる、すなわち充分高い
比抵抗が得られていないことから、消費電力が増大して
しまい、素子への応用は困難である。
【0037】これら2つのサンプルA、Bに対し、本発
明の実施例に係るサンプルCの場合、移動度については
30,900cm2 /Vsと、サンプルBと同様あるいは
それ以上の高い移動度が得られており、なおかつ、不純
物ドーピングにより、低移動度InSb層(Beドープ
InSbバッファ層15)になるべく電流が流れない構
造となっているため、全体のシート抵抗値についても、
224Ω/sqと、非常に高い値が得られており、この
値は同様の移動度が得られたサンプルBの約3倍にも達
している。
【0038】要するに、本実施例によれば、従来両立さ
せることが困難であった半絶縁性の基板上に高移動度か
つ高抵抗のInSb層を形成することを実現することが
できた。また、このInSb層を応用して作製したホー
ル素子においては、その高移動度に比例した大きな感度
と、その抵抗値に反比例した低消費電力特性とを合わせ
持つ素子とすることができた。
【0039】上記の現象は、InSb活性層16のシー
ト抵抗がInSbバッファ層15よりも低いという条件
の下で、InSbバッファ層15へのドーピング種をB
eからAlまたはZnまたはMgまたはOまたはGaへ
変更しても観察され、またInSb活性層16をアンド
ープからSiドープまたはTeドープまたはSeドープ
へ変更しても観察された。また、上記の例ではInSb
バッファ層15の厚さを200nm、InSb活性層の厚
さを200nmとしたが、本発明の効果はInSb活性層
16のシート抵抗がInSbバッファ層15よりも低い
という条件の下であれば、膜厚に関係なく観察される。
【0040】[実施例2]図8はJ.W.Matthe
ws等により提案されたジャーナル・オブ・クリスタル
・グロウス(1974年.27号.118ぺ−ジ)で公
知となっている式を用いて計算した、InSbバッファ
層中のAl組成比に対する、InSb活性層の臨界膜厚
を示している。この図によると、例えばInSbバッフ
ァ層中のAl組成比を『ジャーナル・オブ・ヴァキュー
ム・サイエンス・テクノロジー,B14,2339(1
996)』で示されるように、0.07とした場合に
は、InSb活性層は40nmの膜厚を超えて成長しよう
としたとき、格子不整合による応力に耐えきれず、成長
層中にミスフィット転位が導入されることが解る。
【0041】実用上の厚さである50nm以上の膜厚でI
nSb層を成長するためには、この図からAl組成比は
0.05未満とすることが望ましい。よって、InSb
活性層を正常に成長するには、InSbバッファ層中
の、Al及びAlと同じIII 族元素であるGaを合計し
た組成比率xを、0.05>x≧0.00とすることが
必要であることが解る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
絶縁または絶縁性の物質上に、InSbバッファ層とI
nSb活性層とを順次堆積した構造において、結晶特性
の悪いInSbバッファ層の部分に、AlまたはBeま
たはZnまたはMgまたはOまたはGaを不純物として
ドーピングすることよって、InSbバッファ層の抵抗
率を増大させ、当該InSbバッファ層への電流の漏れ
量を大幅に減少させることができる。また、これによ
り、移動度低下要因となる結晶欠陥が比較的に少ないア
ンドープまたはTeドープまたはSeドープのInSb
活性層の側に電流の大部分が流れるようになるため、I
nSb層は全体として高移動度かつ高抵抗という優れた
電気特性を示す。
【0043】また、磁気センサの感度は移動度に比例
し、磁気センサの消費電力は比抵抗に反比例することか
ら、得られたInSb層を用いることにより、磁気セン
サは高感度かつ低消費電力という優れた素子特性を呈す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る化合物半導体多層薄
膜の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る磁気センサの断面図
である。
【図3】本発明の一実施形態に係る磁気センサの上面図
である。
【図4】比較例として半絶縁性GaAS基板上に厚さ2
00nmのInSbを成長した化合物半導体多層薄膜(サ
ンプルA)の断面図である。
【図5】比較例として半絶縁性GaAs基板上に厚さ8
00nmのInSbを成長した化合物半導体多層薄膜(サ
ンプルB)の断面図である。
【図6】本発明の一実施例であり、半絶縁性のGaAs
基板上に、AlInSbバッファ層、BeドープInS
bバッファ層、及びアンドープInSb活性層を成長し
た化合物半導体多層薄膜(サンプルC)の断面図であ
る。
【図7】本発明の一実施例に係る化合物半導体多層薄膜
を用いた磁気センサの作製工程を示した図である。
【図8】本発明の一実施例に係る化合物半導体多層薄膜
のInSbバッファ層のAlのドーピング量とInSb
活性層の臨界膜厚との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性のGaAs基板 2 BeドープInSbバッファ層 3 アンドープInSb活性層 4 電極 5 絶縁性保護膜 11 半絶縁性のGaAs基板 12 厚さ200nmのInSb活性層 13 厚さ800nmのInSb活性層 14 厚さ400nmのAlx In1-x Sb(x=0.1
5)バッファ層 15 厚さ200nmのBeドープInSbバッファ層 16 厚さ200nmのアンドープInSb活性層 21 InSb活性層 22 半絶縁性のGaAs基板 23 絶縁性保護膜 24 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 秀樹 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 (72)発明者 乙木 洋平 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE41 DA05 EB01 EF01 5E049 AA09 AA10 AC05 BA30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単位面積当たりの電気伝導率が0.005
    S以下である半絶縁または絶縁性の物質と、前記物質上
    に形成され不純物としてAlまたはBeまたはZnまた
    はMgまたはOまたはGaがドーピングされたInSb
    バッファ層と、前記InSbバッファ層上に形成されア
    ンドープまたはSiまたはTeまたはSeがドーピング
    されたInSb活性層とからなることを特徴とする化合
    物半導体多層薄膜。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物半導体多層薄膜に
    おいて、前記AlまたはBeまたはZnまたはMgまた
    はOまたはGaがドーピングされたInSbバッファ層
    中の、特にAlとGaを合計した組成比率xが0.05
    >x≧0.00であることを特微とする化合物半導体多
    層薄膜。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の化合物半導体多
    層薄膜において、前記AlまたはBeまたはZnまたは
    MgまたはOまたはGaがドーピングされたInSbバ
    ッファ層中で、少なくともBe、Zn、Mgのうち1種
    類以上の原子と同時にSiまたはTeまたはSeのうち
    1種類以上の原子がドーピングされたことを特徴とする
    化合物半導体多層薄膜。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載の化合物半導
    体多層薄膜において、前記単位面積当たりの電気伝導率
    が0.005S以下である半絶縁または絶縁性の物質を
    GaAsとしたことを特徴とする化合物半導体多層薄
    膜。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載の化合物
    半導体多層薄膜において、前記単位面積当たりの電気伝
    導率が0.005S以下である半絶縁または絶縁性の物
    質と、前記AlまたはBeまたはZnまたはMgまたは
    OまたはGaがドーピングされたInSbバッファ層と
    の間に、InAlAsからなるバッファ層を設けたこと
    を特徴とする化合物半導体多層薄膜。
  6. 【請求項6】単位面積当たりの電気伝導率が0.005
    S以下である半絶縁または絶縁性である物質と、前記物
    質上に形成され不純物としてAlまたはBeまたはZn
    またはMgまたはOまたはGaがドーピングされたIn
    Sbバッファ層と、前記InSbバッファ層上に形成さ
    れアンドープまたはSiまたはTeまたはSeがドーピ
    ングされたInSb活性層と、前記InSb活性層上に
    設けられ、かつ前記InSb活性層との間にオーミック
    特性を有する電極と、前記InSb活性層上に形成され
    た絶縁性保護膜とを備えたことを特徴とする磁気セン
    サ。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の磁気センサにおいて、前
    記AlまたはBeまたはZnまたはMgまたはOまたは
    GaがドーピングされたInSbバッファ層中の、特に
    AlとGaを合計した組成比率xが0.05>x≧0.
    00であることを特微とする磁気センサ。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の磁気センサにお
    いて、前記AlまたはBeまたはZnまたはMgまたは
    OまたはGaがドーピングされたInSbバッファ層中
    で、少なくともBe、Zn、Mgのうち1種類以上の原
    子と同時にSiまたはTeまたはSeのうち1種類以上
    の原子がドーピングされたことを特徴とする磁気セン
    サ。
  9. 【請求項9】請求項6、7または8に記載の磁気センサ
    において、前記単位面積当たりの電気伝導率が0.00
    5S以下である半絶縁または絶縁性の物質をGaAsと
    したことを特徴とする磁気センサ。
  10. 【請求項10】請求項6、7、8または9に記載の磁気
    センサにおいて、前記単位面積当たりの電気伝導率が
    0.005S以下である半絶縁または絶縁性の物質と、
    前記AlまたはBeまたはZnまたはMgまたはOまた
    はGaがドーピングされたInSbバッファ層との間
    に、InAlAsからなるバッファ層を設けたことを特
    徴とする磁気センサ。
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