JP2000206678A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

Info

Publication number
JP2000206678A
JP2000206678A JP11003799A JP379999A JP2000206678A JP 2000206678 A JP2000206678 A JP 2000206678A JP 11003799 A JP11003799 A JP 11003799A JP 379999 A JP379999 A JP 379999A JP 2000206678 A JP2000206678 A JP 2000206678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
lithographic printing
printing plate
laser
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11003799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Ibaraki
一彦 茨木
Akio Yoshida
章男 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP11003799A priority Critical patent/JP2000206678A/ja
Publication of JP2000206678A publication Critical patent/JP2000206678A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】平版印刷版の製版技術において、高解像性を有
する画像を得る事が出来、且つレーザーによる直接描画
方法に対応し、また特に明室下でも画像を得る事が出
来、廃液が発生する事が無いという作業性に極めて優れ
た平版印刷材料の製版方法を提供する事。 【解決手段】親水性表面上に銀薄膜を設けてなる平版印
刷原版を作製し、非画像とする部分の銀薄膜をレーザー
によって照射する事により加熱し除去する事により、平
版印刷版とする製版方法において、銀薄膜の作製を一定
の条件下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明室下にて取扱が
出来、ヒートモードのレーザー描画が可能で、顧客に於
いて処理液による処理を必要としない、高い解像性を有
する画像を得られる平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画像部分と、インキを受理しない撥油性の非
画像部分からなり、一般に非画像部分は水を受け付ける
親水性部分から構成されている。通常の平版印刷では、
水とインキの両方を版面に供給し、画像部はインキを、
非画像部は水を選択的に受け入れ、画像部上のインキを
例えば紙等の被印刷体に転写させる事によって印刷がな
される。
【0003】現在、平版印刷版は表面を親水化処理した
アルミニウム板、亜鉛板、紙等の基材上に親油性のイン
キ受理層を設ける事により製造される。これらの中で
は、PS版と呼ばれる表面を親水性処理したアルミニウ
ムベース上にジアゾ化合物やフォトポリマー等の感光材
料を用いたものや、紙やプラスチック支持体上にハロゲ
ン化銀を感光材料として銀錯塩拡散転写法(DTR法)
を利用し画像形成するものなどが一般的である。
【0004】ジアゾ化合物やフォトポリマーによってイ
ンキ受理層(以降画像層という)を形成する方法は、ま
ず金属板、紙、積層板、絶縁性基板等の基材上にジアゾ
化合物やフォトポリマー等の感光材料を塗布する。次い
で、光を照射して感光材料に化学変化を生じさせて、現
像液に対する溶解性を変化させる。感光材料は化学変化
の種類によって二つに分類される。光が照射された部分
が重合・硬化して、現像液に対して不溶性になるネガ型
と、逆に光が照射された部分の官能基が変化して、現像
液に対する溶解性を有するようになるポジ型である。何
れの場合にも、現像液による処理後に基材上に残存す
る、現像液に不溶の感光材料が画像層となる。
【0005】一方、DTR法を用いた平版印刷版、特に
ハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層を有する平版印
刷版は、例えば、米国特許第3,728,114号、同
第4,134,769号、同第4,160,670号、
同第4,336,321号、同第4,501,811
号、同第4,510,228号、同第4,621,04
1号明細書等に記載されており、露光されたハロゲン化
銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し黒色の銀
となり親水性の非画像部を形成し、一方、未露光のハロ
ゲン化銀結晶は現像液中の錯化剤により銀塩錯体になっ
て表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理
現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体とする
画像部を形成する。また、砂目立てされ陽極酸化された
アルミニウムベースの支持体上に、物理現像核層、ハロ
ゲン化銀乳剤層を順次塗布した平版印刷版については、
例えば、特開昭63−260491号、特開平3−11
6151号、同4−282295号公報等に記載されて
おり、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、
ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して、陽極酸化された
アルミニウムベース上に物理現像銀を主体とする画像部
を形成する。
【0006】上記のような感光材料を用いて画像層を形
成する場合に、露光方法が解像性を決定する重要な因子
の一つとなっている。従来は、露光用フィルムを作製
し、次いで紫外光又は白色光を使用した密着露光方法を
行うのが主流であった。しかし、コンピューターの進歩
に伴って、コンピューター情報からのディジタル信号を
露光装置へと送信(コンピューター・ツゥ・プレート)
し、レーザーを用いて直接感光材料を露光するレーザー
直接描画方法が行われるようになっている。レーザー直
接描画方法は、中間に使用される製版フィルムを省略す
る事が出来るため、コストが安い、速度が速い、多品種
少ロット品での生産性が高い等の利点がある。
【0007】このレーザー直接描画方法に対応するため
には、感光材料の光学感度を高くしなければならない。
ジアゾ化合物やフォトポリマーでは、光化学反応を伴う
ために、光学感度は低く、数〜数百mJ/cm2であ
る。そのため、レーザー出力装置が高出力でなければな
らず、装置が大きくなったり、コストが高くなるなどの
問題があった。
【0008】また、ハロゲン化銀を用いたDTR法によ
り画像形成するものでは、感度は数μJ/cm2であり
簡便な半導体レーザーなどでも充分露光可能であるが、
逆に、露光工程を行う前までの保存、基材への塗布工程
等を、暗中もしくはセーフティライト下で行わなければ
ならないという、製造及び製版作業の効率を著しく悪く
する欠点があった。また、ジアゾ化合物やフォトポリマ
ーにおいても、室内光や太陽光下でも反応が進行する
し、高温下でも反応性に変化が生じる。更に、酸素が存
在すると、反応の阻害剤となる。従って、露光及び現像
前までは同様に暗室処置や低酸素状態での保存が必要と
なっていた。
【0009】更に、上述の画像形成方法では、現像液を
用いる等の液体処理を行う事が一般的であり、廃液の処
理が環境問題となっているという欠点があった。199
5年より廃液の海洋投棄が禁止され、処理のドライ化は
時代の要請となっている。
【0010】これらの課題を解決するために、特開平7
−1848号、同10−180976号公報には親水性
層の上面に銀薄膜を設け、これに画像様にレーザー光を
照射する事によって印刷版を得る方法が記載されてい
る。これらの方法では顧客に於いては現像液を用いる事
無く印刷版が得られる。しかしながら、これらの方法で
は一旦ハロゲン化銀乳剤を親水性表面層上に塗布した
後、乾燥し、その後現像処理を行っており、工程が煩雑
になる、ハロゲン化銀の塗布乾燥工程で塗布むらが生じ
やすい等の欠点を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、平版
印刷版の製版技術において、明室下で取扱が出来、レー
ザーによる直接描画方法に適合し、高解像性を有する画
像を得る事が出来、また顧客に於いて廃液の発生する事
の無い、平版印刷版を簡便に安定して製版出来る方法を
提供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見い
出した。
【0013】本発明の平版印刷版の製版方法は、親水性
表面を有するか又は親水性層を設けた支持体上に、銀薄
膜を設けてなる平版印刷材料を、ヒートモードのレーザ
ー露光を用いて銀薄膜を除去する事により平版印刷版を
作製する方法において、銀塩乳剤を塗布し、実質的に乾
燥しない内に現像液を連続塗布して現像する事により、
銀薄膜の作製を行う。
【0014】本発明に於いては上記のハロゲン化銀乳剤
は塗布後実質的に乾燥せずに現像処理液の塗布を行う必
要がある。実質的に乾燥しないとは、用いるバインダー
によっても異なるが、例えばゼラチンをバインダーとす
る場合には乾燥を行った場合に恒率乾燥から減率乾燥に
移行すると言われる固形分濃度70重量%以下で次の現
像処理工程に移る必要がある。この濃度域でバインダー
の物性のゲル性からゾル性への移行が起こり、最終的に
得られる銀薄膜の性質に影響を及ぼすと考えている。
【0015】銀塩乳剤層を塗布して乾燥した後に現像処
理を行う場合、乾燥後に一旦ベースを巻き取って、再度
現像処理を行う工程にかけるか、乾燥パートの後ろに更
に現像パートを設ける様な巨大な装置を必要とするが、
本発明の方法を用いれば、工業的に大きなコストアップ
に繋がる工程数を削減して、コンパクトな装置で銀薄膜
を得る事が出来る。
【0016】また、本発明の内、第2の発明である平版
印刷版の製版方法では、銀塩乳剤層の塗布膜厚が50μ
m以下で銀薄膜を作製する。この方法によると、アルミ
ニウムベースとの接着力が更に強固な銀薄膜が得られ、
平版印刷版の耐刷能力が向上する。
【0017】塗布膜厚の増加は現像処理液成分の浸透を
妨げ、銀薄膜の膜厚を不十分なものにし、ベースとそれ
との接着力を低下させると考えている。
【0018】また、本発明の内、第3の発明である平版
印刷版の製版方法では、現像処理液の処理を塗布によっ
て行って銀薄膜を生成する。
【0019】通常のハロゲン化銀乳剤層を塗布乾燥した
後に浸漬により現像処理を行う系とは異なり、本発明で
はハロゲン化銀乳剤層が湿潤しているので、現像処理液
中での銀析出が起こりやすい。そこで一旦用いた現像処
理液は全て廃棄出来るように、塗布して用いる事が好ま
しい。また、現像処理液の塗布によって、銀薄膜の膜厚
も厚いものが得られる。これは本発明に於いては塗布現
像の方が現像液中で析出する事によって失われる銀の量
が少なく出来る事によると考えている。
【0020】本発明によれば、所望する画像に従ってレ
ーザーにより加熱する事で、顧客に於いては、液体の現
像剤やその処理を行う装置類を用いる事無く、簡便に平
版印刷版を製版する事が可能となる。更に、平版印刷用
原版からの製版工程、及び印刷工程に至るまで明室下で
の作業が可能であると共に、明室や酸素下での長期安定
保存が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、本発明の実
施の形態を説明する。
【0022】図1はアルミニウムを支持体とした場合の
本発明に係わる平版印刷原版の一例を表す断面概略図で
ある。本発明に係わる平版印刷原版(a)は、アルミニ
ウムベース1の表面が粗面化され陽極酸化されたアルミ
ニウム表面層2を有しており、その上に銀薄膜3が設け
られている。本発明の平版印刷版の製版方法としては、
まず、平版印刷用原版(a)にレーザーにより所望する
画像様に照射を行う(非画像部露光)。ここで、銀薄膜
3がレーザー照射により、アルミニウム表面との接着が
弱くなり、真空引き等の手段で除去され、陽極酸化され
たアルミニウム表面層2が露出される事で製版が完了す
る。この後に、平版印刷機に装着すれば、残存する銀薄
膜3の部分にインキが、また露出した陽極酸化されたア
ルミニウム表面層2には水がそれぞれ受理され、平版印
刷が可能となる。
【0023】顧客においては、銀薄膜が予め設けられた
印刷原版を購入し、これにレーザー露光する事によって
版下フィルムの使用や液体現像を行う事なく印刷版を得
る事が出来る。
【0024】本発明において用いられる銀塩の種類とし
ては一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭
化銀、塩ヨウ化銀、ヨウ臭化銀、塩臭ヨウ化銀等から選
択される。また、チオ硫酸塩、アミン塩の様な形態でも
良い。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型の何れ
でも良く、また感光性ハロゲン化銀と難溶化した非感光
性ハロゲン化銀乳剤を用いた特開昭54−48544号
公報に記載の特殊なタイプであっても良い。該ハロゲン
化銀乳剤には貴金属増感、硫黄増感、還元増感及びこれ
らを組み合わせた増感等、各種の化学増感を施す事が出
来る。更に公知の方法によりカブリ防止剤、安定剤、界
面活性剤のような添加剤を含有しても良い。感光性ハロ
ゲン化銀乳剤の詳細及びその製法については、特開昭4
9−55402号公報等の記載事項が参照出来る。
【0025】本発明の平版印刷版の製版方法において、
銀薄膜を除去する効率(即ち本発明の方法における平版
印刷版の感度と言える)は、銀薄膜の膜厚に依存する
が、薄いと耐刷性が低下する。このため描画に用いるレ
ーザー出力により、銀薄膜の厚みを決定する事が好まし
い。出力が1W以上であれば厚めに設定する事が出来る
が、それ以下の場合には0.05μm〜5μmの範囲で
設置する事が好ましい。従ってこの様な範囲になる様に
銀塩の使用量を選択する。
【0026】本発明において用いられる銀塩乳剤層の親
水性バインダーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、
グラフト化ゼラチン等の各種ゼラチンを用いる事が出来
る他、ポリビニルピロリドン、各種澱粉、アルブミン、
ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ヒドロキシエチ
ルセルロース等の親水性高分子化合物を含有する事が出
来る。ここで用いるゼラチンとしては、動物のコラーゲ
ンを原料としたゼラチンであれば全て使用出来るが、豚
皮、牛皮、及び牛骨から得られるコラーゲンを原料とし
たゼラチンが好ましい。また、ゼラチンの種類も特に制
限は無いが、石灰処理ゼラチン及び酸処理ゼラチンの
他、特公昭38−4854号、同39−5514号、同
40−12237号、及び同42−26345号公報、
米国特許第2,525,753号、同第2,594,293
号、同第2,614,928号、同第2,763,639
号、同第3,118,766号、同第3,132,945
号、同第3,186,846号、同第3,312,553号
明細書、英国特許第1,033,189号明細書等に記載
のゼラチン誘導体等が挙げられ、これらは1種又は2種
以上を組み合わせて用いる事が出来る。
【0027】本発明に用いられる現像処理液としては、
アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム等、保恒剤
としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸
塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息
香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、特開昭47−26201号公
報に記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン
類、カテコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、
現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニ
ウム化合物等を含む事が出来る。更に現像処理液には、
米国特許第3,776,728号明細書に記載の如き、
表面の銀薄膜のインキ乗りを良くする化合物等を使用す
る事が出来る。
【0028】本発明に係る平版印刷版に用いられる支持
体としては、アルミニウムベース、紙、各種フィルム、
プラスチック、樹脂様物質を塗布した紙、金属、これら
にポリエステルフィルムや紙を張り合わせたものが使用
出来る。
【0029】それらの内でも、粗面化処理され陽極酸化
処理されたアルミニウムベースは良好な親水性を有し、
また良好な表面活性を有するものであり、これにより作
製された銀膜がレーザー露光により除去可能で、且つ、
アルミニウム表面と強固に接着して耐刷性に優れた表面
活性を付与されたものである事から特に好ましい。
【0030】該アルミニウムベースの表面処理の方法と
しては、硝酸を含有する酸性処理液で処理した後、陽極
酸化処理したものを用いる事が好ましい。このアルミニ
ウムベースは好ましい物理現像銀を生成する事の出来る
表面活性を有しており、これを用いる事により、銀薄膜
とアルミニウムベースとの接着力が更に強固になり、平
版印刷版の耐刷能力が向上する。
【0031】本発明の支持体に使用するアルミニウム板
としては純アルミニウム及び各種の金属、例えば、珪
素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、クロム、
チタン等を少量含むアルミニウム合金板が適当である。
アルミニウムに含まれる微量の不純物金属或は任意に添
加された少量の金属は電解により得られる砂目のピット
の大きさ、形状、分布に大きな影響を与え、更にはアル
ミニウム板の強度にも大きな影響を与える。
【0032】アルミニウム処理工程については、特開平
10−244775号公報に詳細に記載されており、こ
の中に記載された方法を用いて、粗面化処理され陽極酸
化処理されたアルミニウムベースが製造される。
【0033】本発明においては、良好な銀膜を作製する
ために、その作製時に物理現像核を用いる事が好まし
い。物理現像核は物理現像核、及び、予め塗布して層を
形成するには必要に応じて親水性ポリマーを用いる。物
理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウ
ム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、
金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫
化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混
晶であっても良い。これらは0.001〜0.1mmo
l/m2、好ましくは0.001〜0.01mmol/
2を用いる。物理現像核中には親水性ポリマーを含ん
でいてもいなくても良いが、該親水性ポリマーとして
は、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメ
チルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリアクリル酸ソーダ、ビニルイミダゾールとア
クリルアミドの共重合体、アクリル酸とアクリルアミド
の共重合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又
はそのオリゴマーがあり、その含有量は0.5g/m2
以下である事が好ましい。更に物理現像核層には、ハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現
像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の
公知の硬膜剤を含んでいても良い。
【0034】本発明に係わる平版印刷原版の物理現像後
の銀薄膜は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に
変換ないしは受容性を増強させる事が好ましい。この様
な処理液としては、例えば特公昭48−29723号公
報、米国特許第3,721,559号明細書等に記載さ
れている。
【0035】本発明に用いられる支持体の表面は、上層
として塗設される層との接着を良くするために表面処理
を行う事、固形微粒子を含む事も可能である。
【0036】本発明において、レーザー照射による銀薄
膜の除去を促進させ陽極酸化されたアルミニウム表面層
を露出させる効率(即ち本発明の方法における平版印刷
原版の感度と言える)を向上させるために、物理現像核
層、もしくは、支持体の何れかに光吸収剤を含有させる
事が出来る。こうする事によって、銀薄膜をレーザー光
の一部が透過しても、その下層で吸収させる事により、
熱効率を向上させる事が可能となる。
【0037】光吸収剤としては一般的に染料又は顔料で
あれば良く、例えばカーボンブラック、シアニン、無金
属又は金属フタロシアニン、金属ジチオレン、アントラ
キノン等を挙げる事が出来る。
【0038】また粗面化され陽極酸化処理されたアルミ
ニウムベースに光吸収剤を含有させる場合においては、
一般的に黒染と呼ばれる、化学的或は電気化学的な金属
着色法を用いる事が出来、有機もしくは無機の染料を浸
漬染色により、陽極酸化膜が有する微細な多孔に染料を
導入し、後に封孔処理を行い染色する事が出来る。
【0039】また、支持体の裏面には、描画装置などで
の搬送性を考慮してマット剤や帯電防止剤を含む層を設
けても良い。
【0040】本発明の平版印刷原版の製版方法におい
て、陽極酸化された表面を露出させるために用いられる
レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、窒素レーザー、
Arレーザー、He/Neレーザー、He/Cdレーザ
ー、Krレーザー等の気体レーザー、液体(色素)レー
ザー、ルビーレーザー、Nd/YAGレーザー等の固体
レーザー、GaAs/GaAlAs、InGaAsレー
ザー等の半導体レーザー、KrFレーザー、XeClレ
ーザー、XeFレーザー、Ar2等のエキシマレーザー
等を挙げる事が出来る。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例により詳説するが、本発
明はその主旨を超えない限り、下記実施例に限定される
ものではない。
【0042】実施例1 <平版印刷原版1の作製>幅300mm、厚み0.2m
mのA1050タイプアルミニウム板帯を1.3m/m
inの処理速度で移動させ、50℃、4重量%水酸化ナ
トリウム水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し、間接給
電方式の電解槽に、20℃の1.5重量%塩酸を満た
し、電源より20A/dm2 、50Hzの単相交流電流
を60秒間流して、交流電解粗面化し、水洗し、その後
60℃、6重量%硝酸水溶液に30秒間浸漬してデスマ
ットし、水洗し、その後25℃、20重量%硫酸中に6
0秒間通して5A/dm2 の直流電流で陽極酸化し、水
洗し、その後乾燥して、オフセット印刷版用アルミニウ
ムベースAを得た。
【0043】このアルミニウムベースAの上に、硫化パ
ラジウムを含む、親水性ポリマー溶液を塗布し、物理現
像核層を形成させた。硫化パラジウムの量は0.001
5mmol/m2の割合で含ませる様にした。親水性ポ
リマーは特開昭53−21602号公報の実施例2に記
載のNo.3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重
合体を用い4mg/m2 の割合で含ませるようにした。
【0044】<ハロゲン化銀乳剤液A>不活性ゼラチン
の水溶液を60℃に保ち、強く攪拌しながら、塩化ナト
リウムと臭化カリウムの混合水溶液(臭化カリウム2
9.5モル%)及び硝酸銀水溶液を同時に加える事によ
り、平均粒子サイズ0.28μmの塩臭化銀乳剤を調製
し、0.5モル%/1モルAgに相当するヨウ化カリウ
ムを添加し、表面置換させた。ハロゲン化銀乳剤は、塩
化銀70重量%、臭化銀29.5重量%、及び、ヨウ化
銀0.5重量%からなる、全粒子の90%が平均粒子サ
イズの±30%以内にある、単分散の塩ヨウ臭化銀乳剤
であった。また、この液には全体量に対して最初に使用
した硝酸銀換算で6重量%の銀原子を含んでいた。
【0045】この様にして得られたハロゲン化銀乳剤を
上記の物理現像核層を形成したアルミニウムベース上に
塗布膜厚が26μmになる様に塗布した。
【0046】その直後、下記現像液Aで、22℃45秒
間現像を行った後、直ちに流水でゼラチン層を洗い流し
( ウォッシュオフ)して、その後、下記中和液Aにて、
室温15秒間処理して、銀薄膜を露出させた平版印刷版
を作製した。
【0047】 <現像液A> 水 700ml 水酸化ナトリウム 25g 無水亜硫酸ナトリウム 120g ハイドロキノン 25g 4−ヒドロキシメチル−4′−メチル −3−ピラゾリドン 4g エチレンジアミン四酢酸 5g チオ硫酸ナトリウム・5水化物 10g N−メチルエタノールアミン 40g グリセリン 20g 更に、水を加えて1リットルとする。
【0048】 <中和液A> 水 600ml クエン酸 20g クエン酸ナトリウム 25g モノエタノールアミン 10ml 3−n−オクチル−5−メルカプトオキサジアゾール 0.6g エチレングリコール 5ml 更に、水を加えて1リットルとする。
【0049】<ハロゲン化銀乳剤Bの作製>ハロゲン化
銀乳剤Aを脱塩水で1.8倍に希釈して得た。
【0050】<平版印刷原版2の作製>平版印刷原版1
の作製の際に用いたハロゲン化銀乳剤Aの代わりにハロ
ゲン化銀乳剤Bを用い、この液の塗布厚を48μmにし
た他は同様に処理をして得た。
【0051】<ハロゲン化銀乳剤Cの作製>ハロゲン化
銀乳剤Aを脱塩水で2.1倍に希釈して得た。
【0052】<平版印刷原版3の作製>平版印刷原版1
の作製の際に用いたハロゲン化銀乳剤Aの代わりにハロ
ゲン化銀乳剤Cを用い、この液の塗布厚を55μmにし
た他は同様に処理をして得た。
【0053】<平版印刷原版4の作製>ハロゲン化銀乳
剤Aを上記の物理現像核層を形成させたアルミニウムベ
ース上に26μmになる様に塗布し、その直後、現像液
Aを90ml/m2になる様に塗布し、22℃45秒間
現像を行った後、直ちに流水でゼラチン層を洗い流し
(ウォッシュオフ)して、その後、中和液Aにて、室温1
5秒間処理して、銀薄膜を露出させた平版印刷版を作製
した。
【0054】<平版印刷原版5の作製>平版印刷原版4
の作製の際に用いたハロゲン化銀乳剤Aの代わりにハロ
ゲン化銀乳剤Cを用い、この液の塗布厚を55μmにし
た他は同様に処理をして得た。
【0055】<平版印刷原版6(比較例)の作製>
【0056】ハロゲン化銀乳剤Aを上記の物理現像核層
を形成させたアルミニウムベース上に塗布厚が26μm
になる様に塗布し、50℃5分間乾燥した。
【0057】その後、現像液Aで、22℃20秒間現像
を行った後、直ちに流水でゼラチン層を洗い流し( ウォ
ッシュオフ)して、その後、中和液Aにて、室温15秒
間処理して、銀薄膜を露出させた平版印刷版を作製し
た。
【0058】この様にして得られた平版印刷版6では平
版印刷版1〜5では見られなかったむらが見られた。こ
れらは細線の再現性等に影響を与えた。
【0059】この様にして作製した、本発明の平版印刷
原版1〜5及び比較例の平版印刷原版6を波長1064
nmの8WのYAGレーザーで露光し、親水性層を露出
させて平版印刷版1〜6を得た。この様にして得られた
平版印刷版を、オフセット印刷機(リョウビイマジクス
(株)製3200MCD)に装着し、15万枚まで印刷
を行ったところ、平版印刷版4では非画像部汚れの無い
印刷画質に優れた印刷物が得られた。平版印刷版1、6
では10万枚まで、平版印刷版2では4万枚まで、平版
印刷版5では2万枚まで、平版印刷版3では1万枚まで
は同様に問題ない印刷物が得られたが、それ以上では細
線部にトビを生じ印刷物として不可であった。また平版
印刷原版1〜3では5m2以上の製版を行うと現像液が
疲労し、その後の現像が行えなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の平版印刷の
製版方法は、従来のジアゾ化合物やフォトポリマーを用
いた平版印刷版の製版方法と異なり、明室下でも作業が
行え、且つ顧客に於いて現像液を使用する事が無いので
作業環境が非常に良好である。また、レーザーを用いて
の直接描画方法に対応する事が出来、高解像性を有する
画像を低コストで得る事が出来るという秀逸な効果をも
たらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷材料を表す概念図である。
【符号の説明】
1 アルミニウムベース 2 粗面化処理され陽極酸化処理されたアルミニウム表
面層 3 銀薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AB03 AC08 BB00 DA17 DA36 EA04 EA10 FA21 2H096 AA06 BA13 CA03 CA12 CA20 EA04 GA43 2H114 AA04 AA14 AA23 BA01 BA05 DA04 GA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有するか又は親水性層を設
    けた支持体上に、銀薄膜を設けてなる平版印刷原版を、
    ヒートモードのレーザー露光を用いて銀薄膜を除去する
    事により平版印刷版を作製する方法において、銀塩乳剤
    を塗布し、実質的に乾燥しない内に現像処理液で処理し
    て現像する事により、銀薄膜を形成する事を特徴とする
    平版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】 銀塩乳剤層の塗布膜厚が50μm以下で
    ある事を特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の製版
    方法。
  3. 【請求項3】 現像処理液を塗布する事を特徴とする請
    求項1に記載の平版印刷版の製版方法。
JP11003799A 1999-01-11 1999-01-11 平版印刷版の製版方法 Pending JP2000206678A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11003799A JP2000206678A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 平版印刷版の製版方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11003799A JP2000206678A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 平版印刷版の製版方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000206678A true JP2000206678A (ja) 2000-07-28

Family

ID=11567254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11003799A Pending JP2000206678A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 平版印刷版の製版方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000206678A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0609941B1 (en) A heat mode recording material and method for making a lithographic plate
US5916734A (en) Method for making lithographic printing plate
US6132938A (en) Process for making lithographic printing plate
JP2000206678A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11338156A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2001013690A (ja) 平版印刷原版の作製方法
JPH11139024A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11139022A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11139023A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11139026A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11208136A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11216963A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11139025A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2000047374A (ja) 平版印刷版の製版方法
US6869743B1 (en) Method of processing light-sensitive material
JP2000284490A (ja) 平版印刷原版の製造方法
JP2001042536A (ja) 平版印刷原版の製造方法および製造装置
JP2960198B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2001042512A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2001013689A (ja) 平版印刷原版の製造方法および製造装置
JP2000296598A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2988772B2 (ja) 平版印刷版
JP2000352814A (ja) 平版印刷原版の製造方法
JP3710270B2 (ja) 平版印刷材料
JP2000241982A (ja) 平版印刷原版の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees