JP2001013689A - 平版印刷原版の製造方法および製造装置 - Google Patents
平版印刷原版の製造方法および製造装置Info
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- JP2001013689A JP2001013689A JP18003999A JP18003999A JP2001013689A JP 2001013689 A JP2001013689 A JP 2001013689A JP 18003999 A JP18003999 A JP 18003999A JP 18003999 A JP18003999 A JP 18003999A JP 2001013689 A JP2001013689 A JP 2001013689A
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- silver
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- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ヒートモードのレーザ露光を用いて銀薄膜を除
去する平版印刷版において、露光部の着色を低減可能な
平版印刷原版の製造方法を提供すること。 【解決手段】ヒートモードのレーザ露光を用いて銀薄膜
を除去することにより平版印刷版を作製するため用いる
平版印刷原版の製造方法において、少なくとも平版印刷
原版の支持体にハロゲン化銀乳剤を塗布し、拡散転写現
像液により現像し、安定液により現像を停止した後に、
アルカリ性処理液で版面を処理する。
去する平版印刷版において、露光部の着色を低減可能な
平版印刷原版の製造方法を提供すること。 【解決手段】ヒートモードのレーザ露光を用いて銀薄膜
を除去することにより平版印刷版を作製するため用いる
平版印刷原版の製造方法において、少なくとも平版印刷
原版の支持体にハロゲン化銀乳剤を塗布し、拡散転写現
像液により現像し、安定液により現像を停止した後に、
アルカリ性処理液で版面を処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明室下にて取扱が
でき、ヒートモードのレーザ描画が可能な平版印刷原版
の製造方法に関する。
でき、ヒートモードのレーザ描画が可能な平版印刷原版
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画像部分と、インキを受理しない撥油性の非
画像部分からなり、一般に非画像部分は水を受け付ける
親水性部分から構成されている。通常の平版印刷では、
水とインキの両方を版面に供給し、画像部はインキを、
非画像部は水を選択的に受け入れ、画像部上のインキを
例えば紙等の被印刷体に転写させることによって印刷が
なされる。
る親油性の画像部分と、インキを受理しない撥油性の非
画像部分からなり、一般に非画像部分は水を受け付ける
親水性部分から構成されている。通常の平版印刷では、
水とインキの両方を版面に供給し、画像部はインキを、
非画像部は水を選択的に受け入れ、画像部上のインキを
例えば紙等の被印刷体に転写させることによって印刷が
なされる。
【0003】現在、平版印刷版は表面を親水化処理した
アルミニウム板、亜鉛板、紙等の基材上に親油性のイン
ク受理層を設けることにより製造される。これらの中で
は、PS版と呼ばれる表面を親水性処理したアルミベー
ス上にジアゾ化合物やフォトポリマー等の感光材料を用
いたものや、紙やプラスチック支持体上にハロゲン化銀
を感光材料として銀錯塩拡散転写法(DTR法)を利用
して画像形成するものなどが一般的である。
アルミニウム板、亜鉛板、紙等の基材上に親油性のイン
ク受理層を設けることにより製造される。これらの中で
は、PS版と呼ばれる表面を親水性処理したアルミベー
ス上にジアゾ化合物やフォトポリマー等の感光材料を用
いたものや、紙やプラスチック支持体上にハロゲン化銀
を感光材料として銀錯塩拡散転写法(DTR法)を利用
して画像形成するものなどが一般的である。
【0004】ジアゾ化合物やフォトポリマーによってイ
ンク受理層(以降、画像層という)を形成する方法は、
まず金属板、紙、積層板、絶縁性基板等の基材上にジア
ゾ化合物やフォトポリマー等の感光材料を塗布する。次
いで、光を照射して感光材料に化学変化を生じさせて、
現像液に対する溶解性を変化させる。感光材料は化学変
化の種類によって二つに分類される。光が照射された部
分が重合・硬化して、現像液に対して不溶性になるネガ
型と、逆に光が照射された部分の官能基が変化して、現
像液に対する溶解性を有するようになるポジ型である。
何れの場合にも、現像液による処理後に基材上に残存す
る、現像液に不溶の感光材料が画像層となる。
ンク受理層(以降、画像層という)を形成する方法は、
まず金属板、紙、積層板、絶縁性基板等の基材上にジア
ゾ化合物やフォトポリマー等の感光材料を塗布する。次
いで、光を照射して感光材料に化学変化を生じさせて、
現像液に対する溶解性を変化させる。感光材料は化学変
化の種類によって二つに分類される。光が照射された部
分が重合・硬化して、現像液に対して不溶性になるネガ
型と、逆に光が照射された部分の官能基が変化して、現
像液に対する溶解性を有するようになるポジ型である。
何れの場合にも、現像液による処理後に基材上に残存す
る、現像液に不溶の感光材料が画像層となる。
【0005】一方、DTR法を用いた平版印刷版、特に
ハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層を有する平版印
刷版は、例えば、米国特許第3,728,114号、同
第4,134,769号、同第4,160,670号、
同第4,336,321号、同第4,501,811
号、同第4,510,228号、同第4,621,04
1号明細書等に記載されており、露光されたハロゲン化
銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し、黒色の
銀となって親水性の非画像部を形成し、一方、未露光の
ハロゲン化銀結晶は現像液中の錯化剤により銀塩錯体に
なって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により
物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体と
する画像部を形成する。また、砂目立てされ陽極酸化さ
れたアルミベースの支持体上に、物理現像核層、ハロゲ
ン化銀乳剤層を順次塗布した平版印刷版については、例
えば、特開昭63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号公報等に記載されてお
り、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、ハ
ロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して、陽極酸化されたア
ルミベース上に物理現像銀を主体とするが画像部を形成
する。
ハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層を有する平版印
刷版は、例えば、米国特許第3,728,114号、同
第4,134,769号、同第4,160,670号、
同第4,336,321号、同第4,501,811
号、同第4,510,228号、同第4,621,04
1号明細書等に記載されており、露光されたハロゲン化
銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し、黒色の
銀となって親水性の非画像部を形成し、一方、未露光の
ハロゲン化銀結晶は現像液中の錯化剤により銀塩錯体に
なって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により
物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体と
する画像部を形成する。また、砂目立てされ陽極酸化さ
れたアルミベースの支持体上に、物理現像核層、ハロゲ
ン化銀乳剤層を順次塗布した平版印刷版については、例
えば、特開昭63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号公報等に記載されてお
り、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、ハ
ロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して、陽極酸化されたア
ルミベース上に物理現像銀を主体とするが画像部を形成
する。
【0006】これらの印刷版を製版するための製版工程
は、従来は、文字や画像・写真原稿から、中間フィルム
や版下を作製し、これらを集版して、露光用フィルムを
作製し、次いで紫外光又は白色光を使用した密着露光方
法を行うのが主流であった。また、版下を貼り合わせる
ことにより、完全版下を作製し、製版カメラで撮影する
方法も用いられていた。しかし、コンピュータの進歩に
伴って、コンピュータ情報からのディジタル信号を露光
装置へと送信(コンピュータ・ツゥ・プレート)し、レ
ーザを用いて直接感光材料を露光するレーザ直接描画方
法が行われることが可能になってきた。レーザ直接描画
方法は、中間に使用される製版フィルムを省略すること
ができるため、コストが安い、速度が速い、多品種少ロ
ット品での生産性が高い等の利点がある。
は、従来は、文字や画像・写真原稿から、中間フィルム
や版下を作製し、これらを集版して、露光用フィルムを
作製し、次いで紫外光又は白色光を使用した密着露光方
法を行うのが主流であった。また、版下を貼り合わせる
ことにより、完全版下を作製し、製版カメラで撮影する
方法も用いられていた。しかし、コンピュータの進歩に
伴って、コンピュータ情報からのディジタル信号を露光
装置へと送信(コンピュータ・ツゥ・プレート)し、レ
ーザを用いて直接感光材料を露光するレーザ直接描画方
法が行われることが可能になってきた。レーザ直接描画
方法は、中間に使用される製版フィルムを省略すること
ができるため、コストが安い、速度が速い、多品種少ロ
ット品での生産性が高い等の利点がある。
【0007】このレーザ直接描画方法に対応するために
は、感光材料の光学感度の高いものが好ましい。ジアゾ
化合物やフォトポリマーでは、光化学反応を伴うため
に、光学感度は低く、数〜数百mJ/cm2である。そ
のため、レーザ出力装置が高出力でなければならず、装
置が大きくなったり、コストが高くなるなどの問題があ
った。
は、感光材料の光学感度の高いものが好ましい。ジアゾ
化合物やフォトポリマーでは、光化学反応を伴うため
に、光学感度は低く、数〜数百mJ/cm2である。そ
のため、レーザ出力装置が高出力でなければならず、装
置が大きくなったり、コストが高くなるなどの問題があ
った。
【0008】一方、ハロゲン化銀を用いたDTR法によ
り画像形成するものでは、感度は数μJ/cm2であ
り、簡便な半導体レーザなどでも十分露光可能である
が、逆に、露光工程を行う前までの保存、基材への塗布
工程等を、暗中もしくはセーフライト下で行わなければ
ならないという、製造及び製版作業の効率を著しく悪く
する欠点があった。また、ジアゾ化合物やフォトポリマ
ーにおいても、室内光や太陽光下でも反応が進行する
し、高温下でも反応性に変化が生じる。さらに、酸素が
存在すると、反応の阻害剤となる。したがって、露光及
び現像前までは同様に暗室処置や低酸素状態での保存が
必要となっていた。
り画像形成するものでは、感度は数μJ/cm2であ
り、簡便な半導体レーザなどでも十分露光可能である
が、逆に、露光工程を行う前までの保存、基材への塗布
工程等を、暗中もしくはセーフライト下で行わなければ
ならないという、製造及び製版作業の効率を著しく悪く
する欠点があった。また、ジアゾ化合物やフォトポリマ
ーにおいても、室内光や太陽光下でも反応が進行する
し、高温下でも反応性に変化が生じる。さらに、酸素が
存在すると、反応の阻害剤となる。したがって、露光及
び現像前までは同様に暗室処置や低酸素状態での保存が
必要となっていた。
【0009】さらに、上述の画像形成方法では、現像液
を用いる等の液体処理を行うことが一般的であり、廃液
の処理が環境問題となっているという欠点があった。1
995年より廃液の海洋投棄が禁止され、処理の無廃液
化、ドライ化は時代の要請となっている。
を用いる等の液体処理を行うことが一般的であり、廃液
の処理が環境問題となっているという欠点があった。1
995年より廃液の海洋投棄が禁止され、処理の無廃液
化、ドライ化は時代の要請となっている。
【0010】このような要請に答えるものとして、親水
性表面を有する支持体上に親油性金属薄膜を設け、この
親油性金属薄膜を高出力のヒートモードのレーザを照射
して、熱を与えて除去することにより、画像形成を行う
方式の印刷版が提案されてきた。例えば、特開平10−
180976号公報に記載された、親水性層を有する支
持体上にDTR現像により銀薄膜を形成させた印刷原版
をヒートモードのレーザ露光を行うことにより、現像処
理を行うことなく、製版することができる。また、特開
平7−1848号公報には、親水性表面を有するか又は
親水性層を設けた支持体上に、金属の銀の層とその上面
に50nm未満の厚さを有する疎水性層を含むヒートモ
ード記録材料が開示されており、ハロゲン化銀乳剤層を
塗布し、DTR現像を行うことにより与えられた印刷原
版をヒートモードのレーザ露光を行うことが開示されて
いる。
性表面を有する支持体上に親油性金属薄膜を設け、この
親油性金属薄膜を高出力のヒートモードのレーザを照射
して、熱を与えて除去することにより、画像形成を行う
方式の印刷版が提案されてきた。例えば、特開平10−
180976号公報に記載された、親水性層を有する支
持体上にDTR現像により銀薄膜を形成させた印刷原版
をヒートモードのレーザ露光を行うことにより、現像処
理を行うことなく、製版することができる。また、特開
平7−1848号公報には、親水性表面を有するか又は
親水性層を設けた支持体上に、金属の銀の層とその上面
に50nm未満の厚さを有する疎水性層を含むヒートモ
ード記録材料が開示されており、ハロゲン化銀乳剤層を
塗布し、DTR現像を行うことにより与えられた印刷原
版をヒートモードのレーザ露光を行うことが開示されて
いる。
【0011】このような印刷原版を作製するため、支持
体上に銀薄膜を形成させる方法には、銀塩拡散転写法が
有効である。このような方法については、出願人による
特願平10−215186号明細書に記載されている。
その中で有効な方法として、物理現像核層を設けた支持
体上に、銀錯塩のドナーとしてハロゲン化銀乳剤層を塗
布したものに物理現像処理を行い、ハロゲン化銀乳剤層
をウォッシュオフさせ、物理現像核上に銀薄膜を形成さ
せる方式がある。
体上に銀薄膜を形成させる方法には、銀塩拡散転写法が
有効である。このような方法については、出願人による
特願平10−215186号明細書に記載されている。
その中で有効な方法として、物理現像核層を設けた支持
体上に、銀錯塩のドナーとしてハロゲン化銀乳剤層を塗
布したものに物理現像処理を行い、ハロゲン化銀乳剤層
をウォッシュオフさせ、物理現像核上に銀薄膜を形成さ
せる方式がある。
【0012】しかしながら、以上のような方法で形成さ
れた印刷原版の銀薄膜をヒートモードのレーザ露光を行
ったときに、銀薄膜が加熱除去され、親水性表面が露出
した非画像部に着色が認められるものがあった。これら
の着色は程度によって画像部の視認性が悪化し、検版性
に悪影響を及ぼすことや、印刷に供した場合に着色した
非画像部が汚れるといった印刷版として重大な問題があ
った。
れた印刷原版の銀薄膜をヒートモードのレーザ露光を行
ったときに、銀薄膜が加熱除去され、親水性表面が露出
した非画像部に着色が認められるものがあった。これら
の着色は程度によって画像部の視認性が悪化し、検版性
に悪影響を及ぼすことや、印刷に供した場合に着色した
非画像部が汚れるといった印刷版として重大な問題があ
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヒー
トモードのレーザ露光を用いて銀薄膜を除去することに
より平版印刷版を作製するために用いる平版印刷原版に
おいて、露光部(非画像部)の着色を低減可能な平版印
刷原版の製造方法を提供することである。
トモードのレーザ露光を用いて銀薄膜を除去することに
より平版印刷版を作製するために用いる平版印刷原版に
おいて、露光部(非画像部)の着色を低減可能な平版印
刷原版の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見い
出した。
を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見い
出した。
【0015】本発明の製造方法はヒートモードのレーザ
露光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷版を
作製するため用いる平版印刷原版の製造方法において、
少なくとも平版印刷原版の支持体にハロゲン化銀乳剤を
塗布し、拡散転写現像液により現像し、安定液により現
像を停止した後に、アルカリ性処理液で版面を処理する
ことを特徴としている。
露光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷版を
作製するため用いる平版印刷原版の製造方法において、
少なくとも平版印刷原版の支持体にハロゲン化銀乳剤を
塗布し、拡散転写現像液により現像し、安定液により現
像を停止した後に、アルカリ性処理液で版面を処理する
ことを特徴としている。
【0016】本発明のうち、第2の発明である平版印刷
原版の製造方法は、該アルカリ性処理液のpHが12以
上であることを特徴としている。
原版の製造方法は、該アルカリ性処理液のpHが12以
上であることを特徴としている。
【0017】本発明のうち、第3の発明である平版印刷
原版の製造方法は、該アルカリ性処理液での処理時間が
3秒以上60秒以下であることを特徴としている。
原版の製造方法は、該アルカリ性処理液での処理時間が
3秒以上60秒以下であることを特徴としている。
【0018】本発明のうち、第4の発明である平版印刷
原版の製造方法は、アルカリ性処理液で版面を処理した
後、少なくとも版面を中性から酸性処理液で処理するこ
とを特徴としている。
原版の製造方法は、アルカリ性処理液で版面を処理した
後、少なくとも版面を中性から酸性処理液で処理するこ
とを特徴としている。
【0019】本発明のうち、第5の発明である平版印刷
原版の製造装置は、平版印刷原版の支持体の搬送手段を
有し、搬送手段の搬送路に沿って、少なくとも、ハロゲ
ン化銀乳剤塗布手段を有する塗布部、拡散転写現像液供
給手段を有する現像部、安定液供給手段、アルカリ性処
理液供給手段を順に有することを特徴としている。
原版の製造装置は、平版印刷原版の支持体の搬送手段を
有し、搬送手段の搬送路に沿って、少なくとも、ハロゲ
ン化銀乳剤塗布手段を有する塗布部、拡散転写現像液供
給手段を有する現像部、安定液供給手段、アルカリ性処
理液供給手段を順に有することを特徴としている。
【0020】本発明によれば、ヒートモードのレーザ露
光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷版を作
製するために用いる平版印刷原版において、ヒートモー
ドのレーザ露光による露光部の着色が低減可能で、印刷
に及ぼす悪影響を防止することができる。また、本発明
により製造される平版印刷原版を用いることにより、所
望する画像に従ってレーザにより加熱することで、液体
の現像剤やその処理を行う装置類を用いることなく、平
版印刷版を製版することが可能となる。さらには、平版
印刷原版からの製版工程、及び印刷工程に至るまで明室
下での作業が可能であると共に、明室や酸素下での長期
安定保存が可能である。
光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷版を作
製するために用いる平版印刷原版において、ヒートモー
ドのレーザ露光による露光部の着色が低減可能で、印刷
に及ぼす悪影響を防止することができる。また、本発明
により製造される平版印刷原版を用いることにより、所
望する画像に従ってレーザにより加熱することで、液体
の現像剤やその処理を行う装置類を用いることなく、平
版印刷版を製版することが可能となる。さらには、平版
印刷原版からの製版工程、及び印刷工程に至るまで明室
下での作業が可能であると共に、明室や酸素下での長期
安定保存が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、まず、本発
明により製造される平版印刷原版の形態を説明する。
明により製造される平版印刷原版の形態を説明する。
【0022】図1はアルミを支持体とした場合の本発明
に係わる平版印刷原版の一例を表す断面概略図である。
本発明に係わる平版印刷原版(a)は、アルミベース1
の表面が粗面化され陽極酸化された表面層2を有してお
り、その上に銀薄膜3が設けられている。本発明により
製造される平版印刷原版から平版印刷版に製版する方法
としては、まず、平版印刷原版(a)にレーザにより所
望する画像様に照射を行う(非画像部露光)。ここで、
銀薄膜3がレーザ照射により、アブレーションによって
除去され、又は、アルミ表面との接着が弱くなり、真空
引き等の手段で除去され、陽極酸化された表面層2が現
れることで製版が完了する。この後に、平版印刷機に装
着すれば、画像部の銀薄膜3の部分にインキが、非画像
部では、陽極酸化された表面層2には水がそれぞれ受理
され、平版印刷が可能となる。
に係わる平版印刷原版の一例を表す断面概略図である。
本発明に係わる平版印刷原版(a)は、アルミベース1
の表面が粗面化され陽極酸化された表面層2を有してお
り、その上に銀薄膜3が設けられている。本発明により
製造される平版印刷原版から平版印刷版に製版する方法
としては、まず、平版印刷原版(a)にレーザにより所
望する画像様に照射を行う(非画像部露光)。ここで、
銀薄膜3がレーザ照射により、アブレーションによって
除去され、又は、アルミ表面との接着が弱くなり、真空
引き等の手段で除去され、陽極酸化された表面層2が現
れることで製版が完了する。この後に、平版印刷機に装
着すれば、画像部の銀薄膜3の部分にインキが、非画像
部では、陽極酸化された表面層2には水がそれぞれ受理
され、平版印刷が可能となる。
【0023】銀膜作製について銀錯塩拡散転写法を用い
て行う場合、以下のような方式で銀膜作製を行う。粗面
化処理され陽極酸化処理されたアルミベース上に前述の
物理現像核層を設け、その上に銀錯塩のドナーとしてハ
ロゲン化銀乳剤層を塗布したものを、物理現像液で現像
を行い、安定液により現像を停止させハロゲン化銀乳剤
層をウォッシュオフさせ、物理現像核上に銀薄膜を形成
させる。
て行う場合、以下のような方式で銀膜作製を行う。粗面
化処理され陽極酸化処理されたアルミベース上に前述の
物理現像核層を設け、その上に銀錯塩のドナーとしてハ
ロゲン化銀乳剤層を塗布したものを、物理現像液で現像
を行い、安定液により現像を停止させハロゲン化銀乳剤
層をウォッシュオフさせ、物理現像核上に銀薄膜を形成
させる。
【0024】上記銀膜作製は、図2に示した平版印刷原
版の製造装置で行うこともできる。製造装置は、ハロゲ
ン化銀乳剤塗布手段11を有する塗布部A、拡散転写現
像液供給手段21を有する現像部B、安定液供給手段3
1を有する第2現像部Cから構成されている。親水性表
面を有するか又は親水性層を設けた支持体上に、予め、
物理現像核層を設けるか、又は、物理現像に対して活性
な表面を有するように準備された支持体は、搬送手段で
ある、図示しない駆動手段により駆動されるロール1
2、23、24、33及びロール対34、35により構
成された搬送路41に従って図中矢印9の進行方向から
搬送される。まず、支持体上に、塗布部Aにおいて、ハ
ロゲン化銀乳剤がハロゲン化銀乳剤塗布手段11により
塗布される。さらに現像部Bにおいて、拡散転写現像液
を拡散転写現像液供給手段21から供給して塗布現像が
行われ、次に、版面絞液手段22で版面の現像液が一定
量除去される。次いで第2現像部Cにおいて、安定液供
給手段31から安定液を供給して中和した後、版面掻き
取り手段32が版面に接触し、乳剤層が除去される。次
に、絞りロール対34、35により絞液されて平版印刷
原版が作製される。
版の製造装置で行うこともできる。製造装置は、ハロゲ
ン化銀乳剤塗布手段11を有する塗布部A、拡散転写現
像液供給手段21を有する現像部B、安定液供給手段3
1を有する第2現像部Cから構成されている。親水性表
面を有するか又は親水性層を設けた支持体上に、予め、
物理現像核層を設けるか、又は、物理現像に対して活性
な表面を有するように準備された支持体は、搬送手段で
ある、図示しない駆動手段により駆動されるロール1
2、23、24、33及びロール対34、35により構
成された搬送路41に従って図中矢印9の進行方向から
搬送される。まず、支持体上に、塗布部Aにおいて、ハ
ロゲン化銀乳剤がハロゲン化銀乳剤塗布手段11により
塗布される。さらに現像部Bにおいて、拡散転写現像液
を拡散転写現像液供給手段21から供給して塗布現像が
行われ、次に、版面絞液手段22で版面の現像液が一定
量除去される。次いで第2現像部Cにおいて、安定液供
給手段31から安定液を供給して中和した後、版面掻き
取り手段32が版面に接触し、乳剤層が除去される。次
に、絞りロール対34、35により絞液されて平版印刷
原版が作製される。
【0025】本発明では、平版印刷原版上に銀膜を上記
方法で作製された後、さらにアルカリ性処理液で版面の
処理を行う。
方法で作製された後、さらにアルカリ性処理液で版面の
処理を行う。
【0026】アルカリ性処理液のpHは10以上である
ことが好ましく、さらに好ましくはpH12以上であ
る。本発明において用いられるアルカリ性処理液は、水
を主溶媒としたアルカリ溶液であり、無機もしくは有機
の塩基性化合物が用いられる。例えば、ケイ酸アルカリ
金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アル
カリ金属、アンモニウム塩、アミン類等を使用すること
が出来る。
ことが好ましく、さらに好ましくはpH12以上であ
る。本発明において用いられるアルカリ性処理液は、水
を主溶媒としたアルカリ溶液であり、無機もしくは有機
の塩基性化合物が用いられる。例えば、ケイ酸アルカリ
金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アル
カリ金属、アンモニウム塩、アミン類等を使用すること
が出来る。
【0027】本発明において、アルカリ処理時間として
は、長すぎると支持体を過度に腐食する等の印刷性に悪
影響を及ぼす場合がある。これは支持体の変化により銀
薄膜との接着力が弱くなって容易に剥離するため、印刷
版として必要な耐刷性が大きく失われることとなる。ま
た、処理時間が短すぎるとその効果が十分に発揮できな
い。処理時間は3秒以上60秒以下、好適には5秒以上
30秒以下で行う。
は、長すぎると支持体を過度に腐食する等の印刷性に悪
影響を及ぼす場合がある。これは支持体の変化により銀
薄膜との接着力が弱くなって容易に剥離するため、印刷
版として必要な耐刷性が大きく失われることとなる。ま
た、処理時間が短すぎるとその効果が十分に発揮できな
い。処理時間は3秒以上60秒以下、好適には5秒以上
30秒以下で行う。
【0028】本発明ではさらに、上記方法で処理された
後も版面のpHが強アルカリ性のままであればアルカリ
による支持体への腐食等が進行するため、中性から酸性
の水溶液で処理することで、版面のpHを下げることが
できる。
後も版面のpHが強アルカリ性のままであればアルカリ
による支持体への腐食等が進行するため、中性から酸性
の水溶液で処理することで、版面のpHを下げることが
できる。
【0029】上記の中性から酸性の処理液としては、水
または無機もしくは有機酸の水溶液である。酸水溶液の
場合、好ましくは版面のpHを中和可能な3.0から
8.0のpH域のものであればよい。本発明の中性から
酸性の処理液としてより好ましくは、版面保護のために
例えばアラビアガム、ポリビニルアルコール等の天然も
しくは合成品からなる親水性ポリマーや親水性表面の活
性をより高めるため各種親水化剤、界面活性剤等を含有
させることができる。また、後述する親水性ポリマー層
形成用塗液を用いることもできる。
または無機もしくは有機酸の水溶液である。酸水溶液の
場合、好ましくは版面のpHを中和可能な3.0から
8.0のpH域のものであればよい。本発明の中性から
酸性の処理液としてより好ましくは、版面保護のために
例えばアラビアガム、ポリビニルアルコール等の天然も
しくは合成品からなる親水性ポリマーや親水性表面の活
性をより高めるため各種親水化剤、界面活性剤等を含有
させることができる。また、後述する親水性ポリマー層
形成用塗液を用いることもできる。
【0030】上記平版印刷原版の製造装置は、図3に示
したような装置で行うこともできる。製造装置は、ハロ
ゲン化銀乳剤塗布手段101を有する塗布部A、拡散転
写現像液供給手段201を有する現像部B、安定液供給
手段302を有する第2現像部C、アルカリ処理液供給
手段を有す402から構成されている第3現像部、中性
もしくは酸性処理液供給手段を有す502から構成され
ている第4現像部から構成されている。親水性表面を有
するか又は親水性層を設けた支持体上に、予め、物理現
像核層を設けるか、又は、物理現像に対して活性な表面
を有するように準備された支持体は、搬送手段である、
図示しない駆動手段により駆動されるロール102、2
03、301、及びロール対303、304により構成
された搬送路601に従って図中矢印9の進行方向から
搬送される。まず、支持体上に、塗布部Aにおいて、ハ
ロゲン化銀乳剤がハロゲン化銀乳剤塗布手段101によ
り塗布される。さらに現像部Bにおいて、拡散転写現像
液を拡散転写現像液供給手段201から供給して塗布現
像が行われ、次に、版面絞液手段204で版面の現像液
が一定量除去される。次いで第2現像部Cにおいて、安
定液供給手段302から安定液を供給して中和した後、
版面掻き取り手段305が版面に接触し乳剤層が除去さ
れる。次に、絞りロール対303、304により絞液さ
れ、第3現像部Dにおいてアルカリ処理液供給手段40
2からアルカリ処理液が供給され絞りロール対403、
404により絞液され、次いで第4現像部Eにおいて中
性もしくは酸性処理液が供給され版面のpHが中和さ
れ、絞りロール504により絞液されて平版印刷原版が
作製される。
したような装置で行うこともできる。製造装置は、ハロ
ゲン化銀乳剤塗布手段101を有する塗布部A、拡散転
写現像液供給手段201を有する現像部B、安定液供給
手段302を有する第2現像部C、アルカリ処理液供給
手段を有す402から構成されている第3現像部、中性
もしくは酸性処理液供給手段を有す502から構成され
ている第4現像部から構成されている。親水性表面を有
するか又は親水性層を設けた支持体上に、予め、物理現
像核層を設けるか、又は、物理現像に対して活性な表面
を有するように準備された支持体は、搬送手段である、
図示しない駆動手段により駆動されるロール102、2
03、301、及びロール対303、304により構成
された搬送路601に従って図中矢印9の進行方向から
搬送される。まず、支持体上に、塗布部Aにおいて、ハ
ロゲン化銀乳剤がハロゲン化銀乳剤塗布手段101によ
り塗布される。さらに現像部Bにおいて、拡散転写現像
液を拡散転写現像液供給手段201から供給して塗布現
像が行われ、次に、版面絞液手段204で版面の現像液
が一定量除去される。次いで第2現像部Cにおいて、安
定液供給手段302から安定液を供給して中和した後、
版面掻き取り手段305が版面に接触し乳剤層が除去さ
れる。次に、絞りロール対303、304により絞液さ
れ、第3現像部Dにおいてアルカリ処理液供給手段40
2からアルカリ処理液が供給され絞りロール対403、
404により絞液され、次いで第4現像部Eにおいて中
性もしくは酸性処理液が供給され版面のpHが中和さ
れ、絞りロール504により絞液されて平版印刷原版が
作製される。
【0031】本発明に係わる平版印刷原版においては、
粗面化処理され陽極酸化処理されたアルミベースが好ま
しい。これは良好な親水性を有し、また良好な表面活性
を有するものであり、これにより作製された銀膜がレー
ザ露光により除去可能で、且つ、アルミ表面と強固に接
着して耐刷性に優れた表面活性を付与されたものである
ことから特に好ましい。
粗面化処理され陽極酸化処理されたアルミベースが好ま
しい。これは良好な親水性を有し、また良好な表面活性
を有するものであり、これにより作製された銀膜がレー
ザ露光により除去可能で、且つ、アルミ表面と強固に接
着して耐刷性に優れた表面活性を付与されたものである
ことから特に好ましい。
【0032】本発明に係る平版印刷原版の支持体に使用
するアルミニウム板としては純アルミニウム及び各種の
金属、例えば、珪素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マ
ンガン、クロム、チタン等を少量含むアルミニウム合金
板が適当である。アルミニウムに含まれる微量の不純物
金属或は任意に添加された少量の金属は電解により得ら
れる砂目のピットの大きさ、形状、分布に大きな影響を
与え、さらにはアルミニウム板の強度にも大きな影響を
与える。
するアルミニウム板としては純アルミニウム及び各種の
金属、例えば、珪素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マ
ンガン、クロム、チタン等を少量含むアルミニウム合金
板が適当である。アルミニウムに含まれる微量の不純物
金属或は任意に添加された少量の金属は電解により得ら
れる砂目のピットの大きさ、形状、分布に大きな影響を
与え、さらにはアルミニウム板の強度にも大きな影響を
与える。
【0033】上記アルミニウム板はオフセット印刷版用
の支持体とするため、表面処理を施すことが好ましい。
表面処理では一般に脱脂、粗面化、デスマット、陽極酸
化の各処理が行われ、アルミニウムのコイルを用いて連
続的に処理される。各処理の後には必要に応じて水洗が
加えられ、乾燥して支持体とされる。
の支持体とするため、表面処理を施すことが好ましい。
表面処理では一般に脱脂、粗面化、デスマット、陽極酸
化の各処理が行われ、アルミニウムのコイルを用いて連
続的に処理される。各処理の後には必要に応じて水洗が
加えられ、乾燥して支持体とされる。
【0034】アルミ処理工程については、特開平10−
244775号公報に詳細に記載しており、この中に記
載された方法を用いて、粗面化処理され陽極酸化処理さ
れたアルミベースが製造される。
244775号公報に詳細に記載しており、この中に記
載された方法を用いて、粗面化処理され陽極酸化処理さ
れたアルミベースが製造される。
【0035】例えば、特開平10−244775号公報
に記載したように、オフセット印刷版用アルミニウム支
持体の場合、陽極酸化膜は最終工程である陽極酸化で形
成される酸化膜がそのまま最表面に露出するわけではな
く、陽極酸化直前の処理により形成された変性層が酸化
膜の表面に存在していると推定される。これらの変性層
の性質は銀薄膜を形成する場合に大きな影響を与えると
予想されるが、既存のPS版や、OPC印刷版では、通
常、感光層は有機溶剤系の塗工で形成されるので、これ
らの変性層の影響が現れることはほとんどない。しか
し、本発明における様に、銀薄膜とアルミ表面の接着が
耐刷性に大きな影響を与える場合には、これらの変性層
の影響が現れる。陽極酸化直前のデスマット処理等の化
学処理は酸性処理液が好ましく、特に硝酸を含む処理液
が好ましい。
に記載したように、オフセット印刷版用アルミニウム支
持体の場合、陽極酸化膜は最終工程である陽極酸化で形
成される酸化膜がそのまま最表面に露出するわけではな
く、陽極酸化直前の処理により形成された変性層が酸化
膜の表面に存在していると推定される。これらの変性層
の性質は銀薄膜を形成する場合に大きな影響を与えると
予想されるが、既存のPS版や、OPC印刷版では、通
常、感光層は有機溶剤系の塗工で形成されるので、これ
らの変性層の影響が現れることはほとんどない。しか
し、本発明における様に、銀薄膜とアルミ表面の接着が
耐刷性に大きな影響を与える場合には、これらの変性層
の影響が現れる。陽極酸化直前のデスマット処理等の化
学処理は酸性処理液が好ましく、特に硝酸を含む処理液
が好ましい。
【0036】本発明に係る平版印刷原版の支持体におい
ては、アルミベースの表面処理の中でデスマット処理が
重要な工程となっている。電解粗面化処理されたアルミ
ニウム板帯は充分に水洗されるが、その表面には通常ス
マットが付着して、水洗のみでは取れず、ピットを塞い
でいる。そのスマットを除去するため、デスマット処理
が施される。デスマット処理ではスマットが溶解し、ピ
ット面が現われる。その溶解量は前記電解液による処理
条件によって異なるが、0.1〜1g/m2が適当であ
る。
ては、アルミベースの表面処理の中でデスマット処理が
重要な工程となっている。電解粗面化処理されたアルミ
ニウム板帯は充分に水洗されるが、その表面には通常ス
マットが付着して、水洗のみでは取れず、ピットを塞い
でいる。そのスマットを除去するため、デスマット処理
が施される。デスマット処理ではスマットが溶解し、ピ
ット面が現われる。その溶解量は前記電解液による処理
条件によって異なるが、0.1〜1g/m2が適当であ
る。
【0037】デスマット処理には、脱脂処理に使用され
る水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは燐酸、硫酸、
硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混合物が使用で
きるが、それぞれスマット除去能力に違いがあり、処理
液の種類或いはその濃度或いは処理温度によってその除
去能力を調整して使用される。デスマット処理が強すぎ
る場合には粗面化の工程で形成された凹凸を溶解して平
坦化させ、また弱すぎる場合にはスマットが残留するの
で好ましくない。残留したスマットは陽極酸化処理後も
そのまま残り、銀薄膜形成時の異常点の原因となる。
る水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは燐酸、硫酸、
硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混合物が使用で
きるが、それぞれスマット除去能力に違いがあり、処理
液の種類或いはその濃度或いは処理温度によってその除
去能力を調整して使用される。デスマット処理が強すぎ
る場合には粗面化の工程で形成された凹凸を溶解して平
坦化させ、また弱すぎる場合にはスマットが残留するの
で好ましくない。残留したスマットは陽極酸化処理後も
そのまま残り、銀薄膜形成時の異常点の原因となる。
【0038】本発明に係る平版印刷原版の支持体におい
て用いられる酸性処理液によるデスマット処理は好まし
い物理現像銀を生成することのできる表面活性を与え
る。特に硝酸を含有する酸性処理液が好ましく、現像さ
れた画像銀の接着性もよく、従って耐刷力の大きい印刷
版をつくることができる。酸性処理液でスマットが除去
し難い場合は例えばアルカリでデスマット後さらに酸性
処理液で処理するような2段階処理により、アルカリに
よるデスマットの影響の残らないデスマット処理にする
ことができる。
て用いられる酸性処理液によるデスマット処理は好まし
い物理現像銀を生成することのできる表面活性を与え
る。特に硝酸を含有する酸性処理液が好ましく、現像さ
れた画像銀の接着性もよく、従って耐刷力の大きい印刷
版をつくることができる。酸性処理液でスマットが除去
し難い場合は例えばアルカリでデスマット後さらに酸性
処理液で処理するような2段階処理により、アルカリに
よるデスマットの影響の残らないデスマット処理にする
ことができる。
【0039】粗面化され、デスマットされたアルミニウ
ム板帯には、次に陽極酸化処理が施される。陽極酸化処
理は、例えば、特開平10−244775号公報に記載
したように、公知の方法で施される。
ム板帯には、次に陽極酸化処理が施される。陽極酸化処
理は、例えば、特開平10−244775号公報に記載
したように、公知の方法で施される。
【0040】本発明に係る平版印刷原版においては、支
持体表面が親水性にならない場合には、親水性層を形成
させて、用いることができる。このような親水性層を形
成する親水性ポリマーとしては、以下の例が挙げられ、
これらは地汚れ性や耐刷性など印刷性能を鑑みて2種以
上混合して用いることができる。
持体表面が親水性にならない場合には、親水性層を形成
させて、用いることができる。このような親水性層を形
成する親水性ポリマーとしては、以下の例が挙げられ、
これらは地汚れ性や耐刷性など印刷性能を鑑みて2種以
上混合して用いることができる。
【0041】天然物では、澱粉類、海藻マンナン、寒天
およびアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるも
の、マンナン、ペクチン、トラガントガム、カラヤガ
ム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビン
ガム、アラビアガム等の植物性粘質物、デキストラン、
グルカン、キサンタンガム、およびレバンなどのホモ多
糖類、サクシノグルカン、プルラン、カードラン、およ
びザンタンガムなどのヘテロ多糖等の微生物粘質物、に
かわ、ゼラチン、カゼインおよびコラーゲン等のタンパ
ク質、キチンおよびその誘導体等が挙げられる。
およびアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるも
の、マンナン、ペクチン、トラガントガム、カラヤガ
ム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビン
ガム、アラビアガム等の植物性粘質物、デキストラン、
グルカン、キサンタンガム、およびレバンなどのホモ多
糖類、サクシノグルカン、プルラン、カードラン、およ
びザンタンガムなどのヘテロ多糖等の微生物粘質物、に
かわ、ゼラチン、カゼインおよびコラーゲン等のタンパ
ク質、キチンおよびその誘導体等が挙げられる。
【0042】また、半天然物(半合成物)類としては、
セルロース誘導体、カルボキシメチルグアーガム等の変
性ガム、並びにデキストリン等の培焼澱粉類、酸化澱粉
類、エステル化澱粉類等の加工澱粉等が挙げられる。
セルロース誘導体、カルボキシメチルグアーガム等の変
性ガム、並びにデキストリン等の培焼澱粉類、酸化澱粉
類、エステル化澱粉類等の加工澱粉等が挙げられる。
【0043】合成品には、ポリビニルアルコール、部分
アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等の
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩、
及びポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導体及
びポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニ
ルピロリドン/酢酸ビニル共重合物、カルボキシビニル
重合物、スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/ク
ロトン酸共重合物等が挙げられる。
アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等の
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩、
及びポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導体及
びポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニ
ルピロリドン/酢酸ビニル共重合物、カルボキシビニル
重合物、スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/ク
ロトン酸共重合物等が挙げられる。
【0044】ゼラチンを親水性層に用いる場合には、ゼ
ラチン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤
としては、例えば、クロム明ばんのような無機化合物、
ホルマリン、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿
素等のN−メチラール化合物、ムコクロル酸、2,3−
ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド
類縁化合物、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−
S−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合
物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−
トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員
環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個
以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒ
ド澱粉等の種々の化合物の1種もしくは2種以上を用い
ることができる。
ラチン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤
としては、例えば、クロム明ばんのような無機化合物、
ホルマリン、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿
素等のN−メチラール化合物、ムコクロル酸、2,3−
ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド
類縁化合物、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−
S−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合
物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−
トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員
環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個
以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒ
ド澱粉等の種々の化合物の1種もしくは2種以上を用い
ることができる。
【0045】本発明に係わる平版印刷原版の親水性層に
は、印刷地汚れ性を防止する目的でチタニア、コロイダ
ルシリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾル等の無機ゾル
を含有させることができるし、その他の無機物について
も含有させることができる。含有させる割合は、印刷に
用いる印刷インキや湿し水等や印刷速度や印刷圧など各
種条件により適宜所望の範囲で決められる。
は、印刷地汚れ性を防止する目的でチタニア、コロイダ
ルシリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾル等の無機ゾル
を含有させることができるし、その他の無機物について
も含有させることができる。含有させる割合は、印刷に
用いる印刷インキや湿し水等や印刷速度や印刷圧など各
種条件により適宜所望の範囲で決められる。
【0046】また、本発明に係わる平版印刷原版の親水
性層を塗設するために、助剤としてアニオン系、カチオ
ン系もしくはノニオン系界面活性剤のいくつかを用いて
も良いし、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を用いるこ
ともできる。
性層を塗設するために、助剤としてアニオン系、カチオ
ン系もしくはノニオン系界面活性剤のいくつかを用いて
も良いし、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を用いるこ
ともできる。
【0047】本発明に係わる平版印刷原版においては、
親水性表面を有するか又は親水性層を設けたウェブ状の
支持体上に、物理現像核層を設けるか、又は、物理現像
に対して活性な表面を有する支持体を選択することが必
要である。
親水性表面を有するか又は親水性層を設けたウェブ状の
支持体上に、物理現像核層を設けるか、又は、物理現像
に対して活性な表面を有する支持体を選択することが必
要である。
【0048】本発明に係わる平版印刷原版においては、
物理現像核層は、物理現像核を含有する塗液を塗布する
ことにより設けられる。その塗液は物理現像核、及び、
必要に応じて親水性ポリマーが含有される。物理現像核
としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバ
ルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金
等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多
硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっ
ても良い。物理現像核中には親水性ポリマーを含んでい
てもいなくても良いが、該親水性ポリマーとしては、ゼ
ラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ポ
リアクリル酸ソーダ、ビニルイミダゾールとアクリルア
ミドの共重合体、アクリル酸とアクリルアミドの共重合
体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオ
リゴマーがあり、その含有量は0.5g/m2以下であ
ることが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主
薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知
の硬膜剤を含んでいてもよい。
物理現像核層は、物理現像核を含有する塗液を塗布する
ことにより設けられる。その塗液は物理現像核、及び、
必要に応じて親水性ポリマーが含有される。物理現像核
としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバ
ルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金
等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多
硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっ
ても良い。物理現像核中には親水性ポリマーを含んでい
てもいなくても良いが、該親水性ポリマーとしては、ゼ
ラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ポ
リアクリル酸ソーダ、ビニルイミダゾールとアクリルア
ミドの共重合体、アクリル酸とアクリルアミドの共重合
体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオ
リゴマーがあり、その含有量は0.5g/m2以下であ
ることが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主
薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知
の硬膜剤を含んでいてもよい。
【0049】本発明に係わる平版印刷原版においては、
物理現像核層は、支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に設
置される。
物理現像核層は、支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に設
置される。
【0050】本発明に係わる平版印刷原版においては、
物理現像核層を設ける代わりに、物理現像に対して活性
な表面を有する支持体を選択することもできる。このよ
うな目的で用いられる支持体の好ましいものは、出願人
による特願平9−304390号明細書に記載されてい
る、良好な表面活性を有する粗面化処理され陽極酸化処
理されたアルミベースであり、その表面活性とは、下記
物理現像液1を用いて、23℃30分処理することによ
り0.5g/m2以上の物理現像銀を生成することので
きるものである。
物理現像核層を設ける代わりに、物理現像に対して活性
な表面を有する支持体を選択することもできる。このよ
うな目的で用いられる支持体の好ましいものは、出願人
による特願平9−304390号明細書に記載されてい
る、良好な表面活性を有する粗面化処理され陽極酸化処
理されたアルミベースであり、その表面活性とは、下記
物理現像液1を用いて、23℃30分処理することによ
り0.5g/m2以上の物理現像銀を生成することので
きるものである。
【0051】
【0052】このような活性な表面を有するアルミベー
スはアルミ表面処理により得ることができ、それを得る
のに重要な工程は上述の酸性処理液によるデスマット処
理である。特に硝酸を含有する酸性処理液であれば表面
活性が高く好ましく、物理現像核層を設けなくても好ま
しい物理現像銀を生成することができる。
スはアルミ表面処理により得ることができ、それを得る
のに重要な工程は上述の酸性処理液によるデスマット処
理である。特に硝酸を含有する酸性処理液であれば表面
活性が高く好ましく、物理現像核層を設けなくても好ま
しい物理現像銀を生成することができる。
【0053】本発明に係わる平版印刷原版においては、
親水性表面を有するか又は親水性層を設けたウェブ状の
支持体上に、物理現像核層を設けるか、又は、物理現像
に対して活性な表面を有する支持体を選択し、その支持
体上に、ハロゲン化銀乳剤層を塗布することが必要であ
る。
親水性表面を有するか又は親水性層を設けたウェブ状の
支持体上に、物理現像核層を設けるか、又は、物理現像
に対して活性な表面を有する支持体を選択し、その支持
体上に、ハロゲン化銀乳剤層を塗布することが必要であ
る。
【0054】本発明に係わる平版印刷原版において用い
られるハロゲン化銀としては、公知のものが用いられ、
例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ
化銀が挙げられ、これらは結晶の形で用いられる。ハロ
ゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウ
ム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩
を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化銀1モル当り
10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に
特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらには
コアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶
は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径
は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つ
としては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩
化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶があ
る。更に公知の方法によりカブリ防止剤、安定剤、界面
活性剤のような添加剤を含有しても良い。感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の詳細及びその製法については、特開昭49
−55402号公報等の記載事項が参照出来る。
られるハロゲン化銀としては、公知のものが用いられ、
例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ
化銀が挙げられ、これらは結晶の形で用いられる。ハロ
ゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウ
ム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩
を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化銀1モル当り
10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に
特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらには
コアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶
は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径
は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つ
としては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩
化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶があ
る。更に公知の方法によりカブリ防止剤、安定剤、界面
活性剤のような添加剤を含有しても良い。感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の詳細及びその製法については、特開昭49
−55402号公報等の記載事項が参照出来る。
【0055】本発明に係わる平版印刷原版において用い
られる、銀薄膜作製のための現像処理液としては、pH
調整の為のアルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウ
ム等、酸性物質、例えば硫酸、硝酸、燐酸等、保恒剤と
しての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸
塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息
香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、現像変性剤、例えばポリオキ
シアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことが出
来る。さらに現像処理液には、米国特許第3,776,
728号明細書に記載の如き、表面の銀薄膜のインキ乗
りを良くする化合物等を使用することが出来る。更に、
安定液による中和の後、ウォッシュオフ時にゼラチンを
凝集させるための、沈澱剤として、公知の親水性ポリマ
ー、例えば、ポリスチレンスルホン酸塩ポリマー等を使
用することもできる。
られる、銀薄膜作製のための現像処理液としては、pH
調整の為のアルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウ
ム等、酸性物質、例えば硫酸、硝酸、燐酸等、保恒剤と
しての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸
塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息
香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、現像変性剤、例えばポリオキ
シアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことが出
来る。さらに現像処理液には、米国特許第3,776,
728号明細書に記載の如き、表面の銀薄膜のインキ乗
りを良くする化合物等を使用することが出来る。更に、
安定液による中和の後、ウォッシュオフ時にゼラチンを
凝集させるための、沈澱剤として、公知の親水性ポリマ
ー、例えば、ポリスチレンスルホン酸塩ポリマー等を使
用することもできる。
【0056】本発明に係わる平版印刷原版において用い
られる安定液としては、一般に使われている緩衝剤、保
恒剤、保存剤、湿潤剤、インキ乗り促進剤及び界面活性
剤等を混合することができる。例えば、緩衝剤には、リ
ン酸、硫酸等の無機酸、こはく酸、プロピオン酸等の有
機酸を使用しpHを5〜7に保つようにする。更に、イ
ミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の錯化剤も混合
することができる。インキ乗り促進剤としては上述の米
国特許第3,776,728号明細書に記載された化合
物がある。又、コロイダルシリカ等の無機の微粒子もメ
ルカプト基等を有する化合物の作用を阻害しない範囲で
混合することが出来る。
られる安定液としては、一般に使われている緩衝剤、保
恒剤、保存剤、湿潤剤、インキ乗り促進剤及び界面活性
剤等を混合することができる。例えば、緩衝剤には、リ
ン酸、硫酸等の無機酸、こはく酸、プロピオン酸等の有
機酸を使用しpHを5〜7に保つようにする。更に、イ
ミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の錯化剤も混合
することができる。インキ乗り促進剤としては上述の米
国特許第3,776,728号明細書に記載された化合
物がある。又、コロイダルシリカ等の無機の微粒子もメ
ルカプト基等を有する化合物の作用を阻害しない範囲で
混合することが出来る。
【0057】本発明に係わる平版印刷原版においては、
ヒートモードのレーザ露光前までに版面の保護等の目的
で必要に応じて、親水性ポリマー層を設けることができ
る。設置される親水性ポリマー層は、赤外分光領域では
光透過性があり、ヒートモード・レーザで露光する際、
感度を低下させることが無いとともに、レーザ照射部が
疎水化されるのを防ぐ役割を果たすものである。本発明
に用いられる親水性ポリマーは、天然物では、マンナ
ン、ペクチン、トラガントガム、カラヤガム、キサンチ
ンガム、グアービンガム、ローカストビンガム、アラビ
アガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、キ
サンタンガム、およびレバンなどのホモ多糖類、サクシ
ノグルカン、プルラン、カードラン、およびザンタンガ
ムなどのヘテロ多糖等の微生物粘質物等が挙げられる。
ヒートモードのレーザ露光前までに版面の保護等の目的
で必要に応じて、親水性ポリマー層を設けることができ
る。設置される親水性ポリマー層は、赤外分光領域では
光透過性があり、ヒートモード・レーザで露光する際、
感度を低下させることが無いとともに、レーザ照射部が
疎水化されるのを防ぐ役割を果たすものである。本発明
に用いられる親水性ポリマーは、天然物では、マンナ
ン、ペクチン、トラガントガム、カラヤガム、キサンチ
ンガム、グアービンガム、ローカストビンガム、アラビ
アガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、キ
サンタンガム、およびレバンなどのホモ多糖類、サクシ
ノグルカン、プルラン、カードラン、およびザンタンガ
ムなどのヘテロ多糖等の微生物粘質物等が挙げられる。
【0058】また、半天然物(半合成物)類としては、
セルロース誘導体、カルボキシメチルグアーガム等の変
性ガム、並びにデキストリン等の培焼澱粉類等が挙げら
れる。
セルロース誘導体、カルボキシメチルグアーガム等の変
性ガム、並びにデキストリン等の培焼澱粉類等が挙げら
れる。
【0059】合成品には、ポリビニルアルコール、部分
アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等の
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分けん化物、等のポリアクリル酸誘
導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビ
ニル共重合物等が挙げられる。
アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等の
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分けん化物、等のポリアクリル酸誘
導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビ
ニル共重合物等が挙げられる。
【0060】設置される親水性ポリマー層の厚みは0.
01〜0.5μmが好ましい。その厚みのが、0.01
μm未満の場合、汚れに対する効果が少なく、0.5μ
mを越える場合は、画像部のインキ乗りが遅れるという
欠点が見られる。
01〜0.5μmが好ましい。その厚みのが、0.01
μm未満の場合、汚れに対する効果が少なく、0.5μ
mを越える場合は、画像部のインキ乗りが遅れるという
欠点が見られる。
【0061】本発明に係わる平版印刷原版においては、
前記親水性ポリマー層中に1〜30重量パーセントの疎
水性化合物を含有することが好ましい。本発明の銀粒子
は、インキ受容性であり、単独でもインキを乗せる性質
を有する。しかし、親水性ポリマー層中に疎水性化合物
を含有させておくことにより、インキ乗りを安定化させ
ることができる。
前記親水性ポリマー層中に1〜30重量パーセントの疎
水性化合物を含有することが好ましい。本発明の銀粒子
は、インキ受容性であり、単独でもインキを乗せる性質
を有する。しかし、親水性ポリマー層中に疎水性化合物
を含有させておくことにより、インキ乗りを安定化させ
ることができる。
【0062】本発明に係わる平版印刷原版において用い
られる疎水性化合物としては、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル等のフタル酸エステル、リン酸トリクレジ
ル等のリン酸エステル等の公知のオイル類や各種の動物
油や植物油を挙げることが出来る。また、フェニルメル
カプトテトラゾール等の疎水性基を有するメルカプトテ
トラゾール誘導体等も有効である。
られる疎水性化合物としては、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル等のフタル酸エステル、リン酸トリクレジ
ル等のリン酸エステル等の公知のオイル類や各種の動物
油や植物油を挙げることが出来る。また、フェニルメル
カプトテトラゾール等の疎水性基を有するメルカプトテ
トラゾール誘導体等も有効である。
【0063】本発明に係わる平版印刷原版において用い
られる疎水性化合物の中で、メルカプト基及び一つ以上
の疎水性置換基を有するもの化合物が好ましい。このよ
うな疎水性化合物の例としては、フェニルメルカプトテ
トラゾール等のメルカプトテトラゾール誘導体、又は、
下記の一般式1に記載のメルカプトトリアゾール誘導
体、下記の一般式2に記載のメルカプトオキサジアゾー
ル誘導体等がある。
られる疎水性化合物の中で、メルカプト基及び一つ以上
の疎水性置換基を有するもの化合物が好ましい。このよ
うな疎水性化合物の例としては、フェニルメルカプトテ
トラゾール等のメルカプトテトラゾール誘導体、又は、
下記の一般式1に記載のメルカプトトリアゾール誘導
体、下記の一般式2に記載のメルカプトオキサジアゾー
ル誘導体等がある。
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】式中、R6はアルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、R7は水素又はアシル基である。
好ましくは、上記R6が3〜16の炭素原子を含むアル
キル基を表すものである。
アラルキル基であり、R7は水素又はアシル基である。
好ましくは、上記R6が3〜16の炭素原子を含むアル
キル基を表すものである。
【0067】また、このような疎水性化合物としては、
インキ受容性を賦与する化合物も好ましく、例えば特公
昭48−29723号公報、米国特許第3,721,5
59号明細書等に記載されている。
インキ受容性を賦与する化合物も好ましく、例えば特公
昭48−29723号公報、米国特許第3,721,5
59号明細書等に記載されている。
【0068】本発明に係わる平版印刷原版においては、
疎水性化合物を含有させた親水性ポリマー層は、銀薄膜
が形成された後、塗布されることにより形成される。疎
水性化合物は、公知のオイル分散技術を用いて、親水性
ポリマー水溶液に添加されても良いし、適当な溶剤に溶
解された後、親水性ポリマー水溶液に添加されても良
い。また、メルカプト基及び一つ以上の疎水性置換基を
有するもの化合物については、特開平6−79982号
および同7−248630号公報に記載のアミン化合物
を用いて溶解させ、親水性ポリマーに添加することもで
きる。
疎水性化合物を含有させた親水性ポリマー層は、銀薄膜
が形成された後、塗布されることにより形成される。疎
水性化合物は、公知のオイル分散技術を用いて、親水性
ポリマー水溶液に添加されても良いし、適当な溶剤に溶
解された後、親水性ポリマー水溶液に添加されても良
い。また、メルカプト基及び一つ以上の疎水性置換基を
有するもの化合物については、特開平6−79982号
および同7−248630号公報に記載のアミン化合物
を用いて溶解させ、親水性ポリマーに添加することもで
きる。
【0069】本発明に係わる平版印刷原版においては、
平均粒子サイズが0.005〜0.2μmの銀粒子から
なる銀薄膜が好ましい。このような銀粒子からなる銀薄
膜は、ヒートモードのレーザ露光により除去されやす
く、また、印刷適性も優れている。平均粒子サイズが
0.2μmを越える銀粒子からなる銀薄膜や、0.00
5μm未満の真空蒸着した銀薄膜はインキが乗りにく
く、その結果、印刷物の画質が悪くなる。
平均粒子サイズが0.005〜0.2μmの銀粒子から
なる銀薄膜が好ましい。このような銀粒子からなる銀薄
膜は、ヒートモードのレーザ露光により除去されやす
く、また、印刷適性も優れている。平均粒子サイズが
0.2μmを越える銀粒子からなる銀薄膜や、0.00
5μm未満の真空蒸着した銀薄膜はインキが乗りにく
く、その結果、印刷物の画質が悪くなる。
【0070】このような粒状性の銀粒子から構成され
る、銀薄膜を作製するためには、本発明の拡散転写現像
液による現像方法が有効である。この方法で形成される
銀粒子の平均粒子サイズは、プレートの層構成、ハロゲ
ン化銀乳剤のハロゲン組成、乳剤粒子の平均粒子サイ
ズ、現像抑制剤等のプレート構成要素や、現像主薬、ハ
ロゲン化銀溶剤、現像抑制剤等の拡散転写現像液構成要
素、及び、拡散転写現像処理条件に依存する。これらの
因子については、例えば、米国特許第3,728,11
4号、同第4,134,769号、同第4,160,6
70号、同第4,336,321号、同第4,501,
811号、同第4,510,228号、同第4,62
1,041号明細書、特開昭63−260491号、特
開平3−116151号、同4−282295号公報等
に記載されている。銀薄膜を構成する銀粒子を0.00
5〜0.2ミクロンに制御するためには、これらの公知
技術を最適化することにより達成される。
る、銀薄膜を作製するためには、本発明の拡散転写現像
液による現像方法が有効である。この方法で形成される
銀粒子の平均粒子サイズは、プレートの層構成、ハロゲ
ン化銀乳剤のハロゲン組成、乳剤粒子の平均粒子サイ
ズ、現像抑制剤等のプレート構成要素や、現像主薬、ハ
ロゲン化銀溶剤、現像抑制剤等の拡散転写現像液構成要
素、及び、拡散転写現像処理条件に依存する。これらの
因子については、例えば、米国特許第3,728,11
4号、同第4,134,769号、同第4,160,6
70号、同第4,336,321号、同第4,501,
811号、同第4,510,228号、同第4,62
1,041号明細書、特開昭63−260491号、特
開平3−116151号、同4−282295号公報等
に記載されている。銀薄膜を構成する銀粒子を0.00
5〜0.2ミクロンに制御するためには、これらの公知
技術を最適化することにより達成される。
【0071】銀薄膜を構成する銀粒子の粒子径を測定す
るための方法としては、電子顕微鏡にて写真撮影を行
い、その写真から各々の銀粒子のサイズを測定して、平
均値を算出する。簡易法としては、平均的な粒子をピッ
クアップし、その粒子サイズを測定してもよい。
るための方法としては、電子顕微鏡にて写真撮影を行
い、その写真から各々の銀粒子のサイズを測定して、平
均値を算出する。簡易法としては、平均的な粒子をピッ
クアップし、その粒子サイズを測定してもよい。
【0072】本発明に係わる平版印刷原版において、ア
ブレーション適性(即ち本発明の方法における平版印刷
原版の感度と言える)は、銀薄膜の膜厚に依存するが、
薄いと耐刷性が低下する。このため描画に用いるレーザ
出力により、銀薄膜の厚みを決定することが好ましい。
出力が1W以上であれば厚めに設定することが出来る
が、それ以下の場合には0.05ミクロン〜5ミクロン
の範囲で設置することが好ましい。
ブレーション適性(即ち本発明の方法における平版印刷
原版の感度と言える)は、銀薄膜の膜厚に依存するが、
薄いと耐刷性が低下する。このため描画に用いるレーザ
出力により、銀薄膜の厚みを決定することが好ましい。
出力が1W以上であれば厚めに設定することが出来る
が、それ以下の場合には0.05ミクロン〜5ミクロン
の範囲で設置することが好ましい。
【0073】本発明に係わる平版印刷原版においては、
拡散転写現像液中にアミン化合物を含有させることによ
り、更に、アブレーション適性に優れた銀膜を形成させ
ることができる。このようにして作製された銀薄膜は、
更に優れたインキ受容性を示す。本発明に用いるアミン
化合物は、アンモニア、置換もしくは無置換の飽和もし
くは不飽和の、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、アルカノイル基、アロイル基、複
素環基によって置換されたものであり、これらの置換基
は互いに結合して環を形成していても良い。
拡散転写現像液中にアミン化合物を含有させることによ
り、更に、アブレーション適性に優れた銀膜を形成させ
ることができる。このようにして作製された銀薄膜は、
更に優れたインキ受容性を示す。本発明に用いるアミン
化合物は、アンモニア、置換もしくは無置換の飽和もし
くは不飽和の、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、アルカノイル基、アロイル基、複
素環基によって置換されたものであり、これらの置換基
は互いに結合して環を形成していても良い。
【0074】以下にその具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
されるものではない。
【0075】
【化3】
【0076】これらのアミン化合物は銀イオンに対して
モル数で0.1〜100倍、更に好ましくは1〜50倍
用いる。
モル数で0.1〜100倍、更に好ましくは1〜50倍
用いる。
【0077】光吸収剤としては一般的に染料又は顔料で
あれば良く、例えばカーボンブラック、シアニン、無金
属又は金属フタロシアニン、金属ジチオレン、アントラ
キノン等を挙げることができる。
あれば良く、例えばカーボンブラック、シアニン、無金
属又は金属フタロシアニン、金属ジチオレン、アントラ
キノン等を挙げることができる。
【0078】また粗面化され陽極酸化処理されたアルミ
ベースに光吸収剤を含有させる場合においては、一般的
に黒染と呼ばれる、化学的あるいは電気化学的な金属着
色法を用いることができ、有機もしくは無機の染料を浸
漬染色により、陽極酸化膜が有する微細な多孔に染料を
導入し、後に封孔処理を行い染色することができる。
ベースに光吸収剤を含有させる場合においては、一般的
に黒染と呼ばれる、化学的あるいは電気化学的な金属着
色法を用いることができ、有機もしくは無機の染料を浸
漬染色により、陽極酸化膜が有する微細な多孔に染料を
導入し、後に封孔処理を行い染色することができる。
【0079】また、支持体の裏面には、描画装置などで
の搬送性を考慮してマット剤や帯電防止剤を含む層を設
けても良い。
の搬送性を考慮してマット剤や帯電防止剤を含む層を設
けても良い。
【0080】本発明に係わる平版印刷原版の製版方法に
おいて、陽極酸化された表面を露出させるために用いら
れるレーザとしては、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、A
rレーザ、He/Neレーザ、He/Cdレーザ、Kr
レーザ等の気体レーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレ
ーザ、Nd/YAGレーザ等の固体レーザ、GaAs/
GaAlAs、InGaAsレーザ等の半導体レーザ、
KrFレーザ、XeClレーザ、XeFレーザ、Ar2
等のエキシマレーザ等を挙げることができる。
おいて、陽極酸化された表面を露出させるために用いら
れるレーザとしては、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、A
rレーザ、He/Neレーザ、He/Cdレーザ、Kr
レーザ等の気体レーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレ
ーザ、Nd/YAGレーザ等の固体レーザ、GaAs/
GaAlAs、InGaAsレーザ等の半導体レーザ、
KrFレーザ、XeClレーザ、XeFレーザ、Ar2
等のエキシマレーザ等を挙げることができる。
【0081】
【実施例】以下本発明を実施例により詳説するが、本発
明はその主旨を超えない限り、下記実施例に限定される
ものではない。
明はその主旨を超えない限り、下記実施例に限定される
ものではない。
【0082】幅300mm、厚み0.2mmのA105
0タイプアルミニウム板帯を1.3m/minの処理速
度で移動させ、50℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に
30秒間浸漬した後、水洗し、間接給電方式の電解槽
に、20℃の1.5%塩酸を満たし、電源より20A/
dm2、50Hzの単相交流電流を60秒間流して、交
流電解粗面化し、水洗し、その後60℃、6%硝酸水溶
液に30秒間浸漬してデスマットし、水洗し、その後2
5℃、20%硫酸中に60秒間通して5A/dm 2の直
流電流で陽極酸化し、水洗し、その後乾燥して、ウェブ
状のオフセット印刷版用アルミベースを得た。
0タイプアルミニウム板帯を1.3m/minの処理速
度で移動させ、50℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に
30秒間浸漬した後、水洗し、間接給電方式の電解槽
に、20℃の1.5%塩酸を満たし、電源より20A/
dm2、50Hzの単相交流電流を60秒間流して、交
流電解粗面化し、水洗し、その後60℃、6%硝酸水溶
液に30秒間浸漬してデスマットし、水洗し、その後2
5℃、20%硫酸中に60秒間通して5A/dm 2の直
流電流で陽極酸化し、水洗し、その後乾燥して、ウェブ
状のオフセット印刷版用アルミベースを得た。
【0083】このようにして作製しウェブ状のアルミニ
ウムベース上に、特開昭53−21602号公報の実施
例2に記載の核塗布液(親水性ポリマーとしてはNo.
3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重合体4mg
/m2の割合で含む)を塗布し、乾燥し巻き取った。
ウムベース上に、特開昭53−21602号公報の実施
例2に記載の核塗布液(親水性ポリマーとしてはNo.
3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重合体4mg
/m2の割合で含む)を塗布し、乾燥し巻き取った。
【0084】上記の物理現像核層を塗布したウェブ状の
アルミベース(支持体1)を図3に示した製造装置を用
い、各処理部においては下記に示す処理液及び処理条件
を用いて銀薄膜を作製した。
アルミベース(支持体1)を図3に示した製造装置を用
い、各処理部においては下記に示す処理液及び処理条件
を用いて銀薄膜を作製した。
【0085】<製造装置>図3に例示の製造装置は、ハ
ロゲン化銀乳剤塗布手段101を有する塗布部A、拡散
転写現像液供給手段201を有する現像部B、安定液供
給手段302を有する第2現像部C、アルカリ処理液供
給手段を有す402から構成されている第3現像部D、
中性もしくは酸性処理液供給手段を有する502から構
成されている第4現像部Eから構成されている。上記支
持体1は、搬送手段である、図示しない駆動手段により
駆動されるロール102、203、301、及びロール
対303、304により構成された搬送路601に従っ
て図中矢印9の進行方向から搬送される。まず、支持体
上に、塗布部Aにおいて、ハロゲン化銀乳剤がハロゲン
化銀乳剤塗布手段101により塗布される。さらに現像
部Bにおいて、拡散転写現像液を拡散転写現像液供給手
段201から供給して塗布現像が行われ、次に、版面絞
液手段204で版面の現像液が一定量除去される。次い
で第2現像部Cにおいて、安定液供給手段302から安
定液を供給して中和した後、版面掻き取り手段305が
版面に接触し乳剤層が除去される。次に、絞りロール対
303、304により絞液され、第3現像部Dにおいて
アルカリ処理液供給手段402からアルカリ処理液が供
給され絞りロール対403、404により絞液され、次
いで第4現像部Eにおいて中性もしくは酸性処理液が供
給され版面のpHが中和され、絞りロール504により
絞液されるようになっている。
ロゲン化銀乳剤塗布手段101を有する塗布部A、拡散
転写現像液供給手段201を有する現像部B、安定液供
給手段302を有する第2現像部C、アルカリ処理液供
給手段を有す402から構成されている第3現像部D、
中性もしくは酸性処理液供給手段を有する502から構
成されている第4現像部Eから構成されている。上記支
持体1は、搬送手段である、図示しない駆動手段により
駆動されるロール102、203、301、及びロール
対303、304により構成された搬送路601に従っ
て図中矢印9の進行方向から搬送される。まず、支持体
上に、塗布部Aにおいて、ハロゲン化銀乳剤がハロゲン
化銀乳剤塗布手段101により塗布される。さらに現像
部Bにおいて、拡散転写現像液を拡散転写現像液供給手
段201から供給して塗布現像が行われ、次に、版面絞
液手段204で版面の現像液が一定量除去される。次い
で第2現像部Cにおいて、安定液供給手段302から安
定液を供給して中和した後、版面掻き取り手段305が
版面に接触し乳剤層が除去される。次に、絞りロール対
303、304により絞液され、第3現像部Dにおいて
アルカリ処理液供給手段402からアルカリ処理液が供
給され絞りロール対403、404により絞液され、次
いで第4現像部Eにおいて中性もしくは酸性処理液が供
給され版面のpHが中和され、絞りロール504により
絞液されるようになっている。
【0086】<ハロゲン化銀乳剤>不活性ゼラチンの水
溶液を60℃に保ち、強く攪拌しながら、塩化ナトリウ
ムと臭化カリウムの混合水溶液(臭化カリウム29.5
モル%)及び硝酸銀水溶液を同時に加えることにより、
平均粒子サイズ0.28μmの塩臭化銀乳剤を調製し、
0.5モル%/1モルAgに相当するヨウ化カリウムを
添加し、表面置換させた。ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀
70%、臭化銀29.5%、及び、ヨウ化銀0.5%か
らなる、全粒子の90重量%が平均粒子サイズの±30
%以内にある、単分散の塩ヨウ臭化銀乳剤を用いて、ゼ
ラチン濃度7%の乳剤塗液を作製し、塗布部Aの図示し
ないハロゲン化銀乳剤液貯液漕内にて35℃で保持し
た。
溶液を60℃に保ち、強く攪拌しながら、塩化ナトリウ
ムと臭化カリウムの混合水溶液(臭化カリウム29.5
モル%)及び硝酸銀水溶液を同時に加えることにより、
平均粒子サイズ0.28μmの塩臭化銀乳剤を調製し、
0.5モル%/1モルAgに相当するヨウ化カリウムを
添加し、表面置換させた。ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀
70%、臭化銀29.5%、及び、ヨウ化銀0.5%か
らなる、全粒子の90重量%が平均粒子サイズの±30
%以内にある、単分散の塩ヨウ臭化銀乳剤を用いて、ゼ
ラチン濃度7%の乳剤塗液を作製し、塗布部Aの図示し
ないハロゲン化銀乳剤液貯液漕内にて35℃で保持し
た。
【0087】 <拡散転写現像液> 水酸化ナトリウム 25g 亜硫酸ナトリウム 100g ハイドロキノン 25g 4−ハイドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル− 3−ピラゾリドン 4g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 8g チオ硫酸ナトリウム 8g N−メチルエタノールアミン 50g カルボキシメチルセルロース 5g グリセリン 40g 水を加えて 1,000ml 上記の如く拡散転写現像液を調整し、現像部Bの図示し
ない拡散転写現像液貯液漕内にて23℃で保持した。
ない拡散転写現像液貯液漕内にて23℃で保持した。
【0088】 <安定液> りん酸1カリウム 40g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 5g 水を加えて 1,000ml 上記の安定液を調製し、第2現像部Cの図示しない安定
液貯液漕にて35℃で保持した。
液貯液漕にて35℃で保持した。
【0089】<アルカリ処理液>アルカリ処理液は以下
の配合で調整した処理液を、第3現像部Dの図示しない
貯液槽に順次入れ替えて用いた。尚、それぞれの処理液
について市販のpHメーター(HORIBA製pH M
ETER F−22)を用いてpHの測定を行った。
の配合で調整した処理液を、第3現像部Dの図示しない
貯液槽に順次入れ替えて用いた。尚、それぞれの処理液
について市販のpHメーター(HORIBA製pH M
ETER F−22)を用いてpHの測定を行った。
【0090】<アルカリ処理液1> 水酸化ナトリウム(純正化学株式会社製) 4.0g 純水で合計 1000mlに調製 pH12.84
【0091】<アルカリ処理液2> 水酸化ナトリウム(純正化学株式会社製) 0.4g 純水で合計 1000mlに調製 pH11.70
【0092】<アルカリ処理液3> 水酸化カリウム(純正化学株式会社製) 5.6g 純水で合計 1000mlに調整 pH12.91
【0093】<アルカリ処理液4> クエン酸(純正化学株式会社製) 6.5g 純水で合計 1000mlに調整 pH2.31
【0094】<アルカリ処理液5> 1N硫酸(純正化学株式会社製) 100ml 純水で合計1000mlに調製 pH1.23
【0095】第4現像部Eにおける中性または酸性処理
液としては、ことわりのないかぎり市販のアラビアガム
を含有するガム液を希釈してpH5.5に調整したもの
(ガム液1)を使用した。
液としては、ことわりのないかぎり市販のアラビアガム
を含有するガム液を希釈してpH5.5に調整したもの
(ガム液1)を使用した。
【0096】このようにして作製した平版印刷原版を波
長1064nmの8WのYAGレーザで露光し、粒状性
の銀粒子をアブレーションして平版印刷版を得た。
長1064nmの8WのYAGレーザで露光し、粒状性
の銀粒子をアブレーションして平版印刷版を得た。
【0097】このようにして得られた平版印刷版のレー
ザ露光部の着色濃度を、マクベス反射濃度計により上記
の核液塗布前のアルミベースの濃度との濃度差として求
めた。
ザ露光部の着色濃度を、マクベス反射濃度計により上記
の核液塗布前のアルミベースの濃度との濃度差として求
めた。
【0098】また上記平版印刷版を、オフセット印刷機
(三菱重工(株)製ダイヤ3H)に装着し、版面給水方
式(ADモード)を用い、湿し水としては日研製アスト
ロマークIII2%にイソプロピルアルコール2%を加え
たものを用い、インキとしては大日本インキ社製GEO
S−G墨のNタイプを用い、印刷を行って、1万枚印刷
終了時の耐刷性を評価した。
(三菱重工(株)製ダイヤ3H)に装着し、版面給水方
式(ADモード)を用い、湿し水としては日研製アスト
ロマークIII2%にイソプロピルアルコール2%を加え
たものを用い、インキとしては大日本インキ社製GEO
S−G墨のNタイプを用い、印刷を行って、1万枚印刷
終了時の耐刷性を評価した。
【0099】得られた結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】表中で○は良好、×は不良、△はその中間
であることを示す。
であることを示す。
【0102】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の平版印刷
原版の製造方法を用いることにより、ヒートモードのレ
ーザ露光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷
版の、銀膜のレーザー露光部の着色が低減する効果をも
たらす。本発明により製造された平版印刷原版の製版
は、明室下でも作業が行え、かつ現像液を使用すること
がないので作業環境が非常に良好である。また、レーザ
を用いての直接描画方法に対応することができ、高解像
性を有する画像を低コストで得ることができ、且つ、優
れた印刷適性を有するという秀逸な効果をもたらす。
原版の製造方法を用いることにより、ヒートモードのレ
ーザ露光を用いて銀薄膜を除去することにより平版印刷
版の、銀膜のレーザー露光部の着色が低減する効果をも
たらす。本発明により製造された平版印刷原版の製版
は、明室下でも作業が行え、かつ現像液を使用すること
がないので作業環境が非常に良好である。また、レーザ
を用いての直接描画方法に対応することができ、高解像
性を有する画像を低コストで得ることができ、且つ、優
れた印刷適性を有するという秀逸な効果をもたらす。
【図1】本発明を用いて製造される平版印刷原版の一例
を表す概念図である。
を表す概念図である。
【図2】本発明を実施するための製造装置の一例を表す
概略図である。
概略図である。
【図3】本発明を実施するための製造装置の一例を表す
概念図である。
概念図である。
1 アルミベース 2 粗面化処理され陽極酸化処理された表面層 3 銀薄膜 11、101 ハロゲン化銀乳剤塗布手段 21、201 拡散転写現像液塗布手段 22、204 版面絞液手段 31、302 安定液供給手段 32、305 版面掻き取り手段 41 搬送路 12、23、24、33、34、35、102、20
2、203、301、303、304、401、40
3、404、501、503、504 ロール 402 アルカリ処理液供給手段 502 酸処理液供給手段 601 搬送路
2、203、301、303、304、401、40
3、404、501、503、504 ロール 402 アルカリ処理液供給手段 502 酸処理液供給手段 601 搬送路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 章男 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA06 AA09 BA16 BA20 EA04 EA23 2H114 AA04 BA01 FA17 GA05 GA06
Claims (5)
- 【請求項1】 ヒートモードのレーザ露光を用いて銀薄
膜を除去することにより平版印刷版を作製するため用い
る平版印刷原版の製造方法において、少なくとも、平版
印刷原版の支持体にハロゲン化銀乳剤を塗布し、拡散転
写現像液により現像し、安定液により現像を停止した後
に、アルカリ性処理液で版面を処理することを特徴とす
る平版印刷原版の製造方法。 - 【請求項2】 該アルカリ性処理液のpHが12以上で
あることを特徴とする請求項1記載の平版印刷原版の製
造方法。 - 【請求項3】 該アルカリ性処理液での処理時間が3秒
以上60秒以下であることを特徴とする請求項1または
2記載の平版印刷原版の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリ性処理液で版面を処理した後、
少なくとも版面を中性から酸性処理液で処理することを
特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の平版印刷原版
の製造方法。 - 【請求項5】 ヒートモードのレーザ露光を用いて銀膜
を除去することにより平版印刷原版を作製するため用い
る平版印刷原理の製造装置であって、平版印刷原版の支
持体の搬送手段を有し、搬送手段の搬送路に沿って、少
なくとも、ハロゲン化銀乳剤塗布手段を有する塗布部、
拡散転写現像液供給手段を有する現像部、安定液供給手
段、アルカリ性処理液供給手段を順に有することを特徴
とする平版印刷原版の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18003999A JP2001013689A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 平版印刷原版の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18003999A JP2001013689A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 平版印刷原版の製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001013689A true JP2001013689A (ja) | 2001-01-19 |
Family
ID=16076422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18003999A Pending JP2001013689A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 平版印刷原版の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001013689A (ja) |
-
1999
- 1999-06-25 JP JP18003999A patent/JP2001013689A/ja active Pending
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