JP2000204759A - コンクリ―ト型枠構造及び型枠用横支柱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 間隔を離して二つの型枠を立設し、型枠同士
の横ばたに伸縮自在な横支柱を設置して型枠間の間隔を
保持するようにしたコンクリート型枠がある。この型枠
において、型枠同士の間隔が規定値より広い場合、横
ばた間に鎖を巻き掛ける、その鎖の両端をターンバッ
クルで繋いでリングにする、前記ターンバックルを縮
めてリングを縮小しその力で横ばた同士を牽引する、と
いう方法で対処していたが、そのような方法では作業性
が悪い問題点があった。 【解決手段】 前記コンクリート型枠において、横支柱
３の両端に、横ばた２に当て沿える当板３ｂと、横ばた
２に引っ掛ける牽引片７とを併設し、その当板３ｂと牽
引片７で型枠１の前記横ばた２を挟み込むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、壁と壁の間に空間
を形成するために間隔を離して二以上の型枠を立設し、
隣り合う型枠同士の横ばたに伸縮自在な横支柱を設置し
て型枠間の間隔を保持するようにしたコンクリート型枠
構造及び型枠用横支柱に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ケーブルダクトや排水路のよう
な断面凹形状のコンクリート構造体に対応するコンクリ
ート型枠は、図４に示したように、間隔を離して二つの
型枠１，１を立設し、型枠１，１同士の横ばた２に伸縮
自在な横支柱３を設置して型枠１，１間の間隔を保持す
るようにしている。なお、図４において符号４は型パネ
ル、５はセパレータ、６は縦ばたである。

【０００３】しかして、従来の横支柱３は、伸縮自在構
造の軸部３ａの両端に平板状の当板３ｂが固着されてお
り、その当板３ｂを横ばた２に当て沿えて押し付ける構
造になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図４において型枠１，
１同士の間隔が規定値より広い場合、従来は、 横ばた２，２間に鎖を巻き掛ける、 その鎖の両端をターンバックルで繋いで無端状のリン
グにする、 前記ターンバックルを縮めて鎖のリングを縮小し、そ
の力で横ばた２，２同士を牽引する、 という方法で対処していたが、この従来方法は作業性が
きわめて悪い。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑みな
されたもので、請求項１に記載したように、壁と壁の間
に空間を形成するために間隔を離して二以上の型枠を立
設し、隣り合う型枠同士の横ばたに伸縮自在な横支柱を
設置して型枠間の間隔を保持するようにしたコンクリー
ト型枠において、前記横支柱の両端に、横ばたに当て沿
える当板と、横ばたに引っ掛ける牽引片とを併設し、そ
の当板と牽引片の間で型枠の前記横ばたを挟み込むよう
にしたコンクリート型枠構造を提供する。

【０００６】また、請求項２に記載したように、壁と壁
の間に空間を形成するために間隔を離して立設した型枠
に対し、隣り合う型枠同士の横ばたに設置して型枠間の
間隔を保持するようにした伸縮自在な型枠用横支柱にお
いて、前記横ばたに当て沿える当板と、横ばたに引っ掛
ける牽引片とを併設し、その当板と牽引片の間で型枠の
横ばたを挟み込むようにした型枠用横支柱を提供する。

【０００７】上記本発明において、牽引片を型枠の横ば
たに係合させた状態で横支柱を縮めると、その力で横ば
たを牽引することができる。従って、従来の鎖とターン
バックルによる型枠間の間隔調整が不要になる。

【０００８】また、請求項３に記載したように、前記牽
引片を当板に対して着脱自在にすれば、牽引片が邪魔な
場合に取り外すことができるから、必要に応じて従来の
横支柱と同じ使い方ができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、図１は要部の斜視図、図
２はコンクリート型枠の断面図、図３は横支柱の要部を
示す分解斜視図である。

【００１０】例えば、ケーブルダクトや排水路のような
断面凹形状のコンクリート構造体に対応するコンクリー
ト型枠は、図２に示したように、間隔を離して二つの型
枠１，１を立設し、型枠１，１同士の横ばた２に伸縮自
在な横支柱３を設置して型枠１，１間の間隔を保持する
ようにしている。なお、図２において符号４は型パネ
ル、５はセパレータ、６は縦ばたである。

【００１１】前記横支柱３は、伸縮自在な軸部３ａの両
端に、横ばた２に当て沿える平板状の当板３ｂと、横ば
た２に引っ掛かけて牽引する鍵型の牽引片７とを設けて
なる。前記牽引片７は、当板３ｂに対して着脱自在に取
り付けられている。すなわち、図３に示したように当板
３ｂの上部中央に貫通孔８を穿設し、一方、牽引片７に
当板３ｂの前記貫通孔８に連通するネジ孔９を形成し、
当板３ｂ側の貫通孔８に蝶ネジ１０を通してそれを牽引
片７のネジ孔９に締め付けるのである。従って、蝶ネジ
１０を外せば、牽引片７が取り外せる。

【００１２】なお、横支柱３の軸部３ａは前記のように
伸縮自在であるが、そのための構造はターンバックルを
含むネジ式、油圧シリンダーなどの液圧式、ガスシリン
ダーなどの気圧式等、伸縮の双方向に対して力を発揮す
るものであれば、どのようなものでもよい。

【００１３】本発明は以上のように構成されているた
め、図１，図２のように、当板３ｂと牽引片７の間に横
ばた２を挟み込むようにして横支柱３を隣り合う型枠
１，１同士の間に設置する。そして、型枠１，１同士の
間隔が規定値より狭い場合は横支柱３の軸部３ａを伸ば
す。そうすると、横支柱３の当板３ｂが横ばた２に当た
って全体で突張り力を発揮し、型枠１，１の間隔が押し
広がる。一方、型枠１，１同士の間隔が規定値より広い
場合は横支柱３の軸部３ａを縮める。そうすると、横支
柱３の牽引片７が横ばた２に掛かって全体で引張力を発
揮し、型枠１，１同士の間隔が狭まる。

【００１４】この状態で型枠１内にコンクリートＣを充
填すると、その圧力が型枠１に加わるが、横支柱３が両
型枠１，１間で突張り状態になるため、型枠１，１の間
隔が正確に保たれる。

【００１５】また、本発明の横支柱３は、当板３ｂに対
して牽引片７が着脱自在になっているため、横支柱３を
例えば図２のように型枠１の外側をほおづえ式に支える
ような用途に使用する場合には、牽引片７を取り外せば
よい。

【００１６】以上本発明を実施の形態について説明した
が、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。例えば、実施形態ではコンクリート型枠をケー
ブルダクトや排水路を形成するものとして例示したが、
本発明は、複数の壁と壁を間隔を離して並べる場合のコ
ンクリート型枠のすべてに適用可能である。また、実施
形態では当板３ｂに対して牽引片７を着脱自在とするの
に蝶ネジ１０を使用したが、例えば蝶ネジ１０を通常の
ボルトとナットの組み合わせにするなど、牽引片７を着
脱自在にするための構造はどのようなものでもよく、ま
た、当板３ｂに対して牽引片７を蝶番などで回動自在に
連結し、牽引片７が回動して当板３ｂの正面から外れる
ようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、当板と牽引片の間に横ばたを
挟み込ませた状態にして横支柱を縮めることにより、横
ばたを牽引して型枠間の間隔を狭方向に調整することが
できるため、従来の鎖とターンバックルによる型枠と型
枠の間隔調整が不要になる効果がある。

【００１８】また、牽引片を当板に対して着脱自在にす
れば、牽引片が邪魔な場合に取り外すことができるか
ら、必要に応じて従来の横支柱と同じ使い方に切り替え
ることが可能である、などの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 要部の斜視図である。

【図２】 コンクリート型枠の断面図である。

【図３】 横支柱の要部を示す分解斜視図である。

【図４】 従来技術を示すコンクリート型枠の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ …型枠 ２ …横ばた ３ …横支柱 ３ｂ…当板 ７ …牽引片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁と壁の間に空間を形成するために間隔
   を離して二以上の型枠を立設し、隣り合う型枠同士の横
   ばたに伸縮自在な横支柱を設置して型枠間の間隔を保持
   するようにしたコンクリート型枠において、 前記横支柱の両端に、横ばたに当て沿える当板と、横ば
   たに引っ掛ける牽引片とを併設し、その当板と牽引片で
   型枠の前記横ばたを挟み込むようにしたことを特徴とす
   るコンクリート型枠構造。
2. 【請求項２】 壁と壁の間に空間を形成するために間隔
   を離して立設した型枠に対し、隣り合う型枠同士の横ば
   たに設置して型枠間の間隔を保持するようにした伸縮自
   在な型枠用横支柱において、 前記横ばたに当て沿える当板と、横ばたに引っ掛ける牽
   引片とを併設し、その当板と牽引片の間で型枠の横ばた
   を挟み込むようにしたことを特徴とする型枠用横支柱。
3. 【請求項３】 前記牽引片を当板に対して着脱自在にし
   たことを特徴とする請求項２記載の型枠用横支柱。