JP2000204415A - ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法 - Google Patents
ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法Info
- Publication number
- JP2000204415A JP2000204415A JP480399A JP480399A JP2000204415A JP 2000204415 A JP2000204415 A JP 2000204415A JP 480399 A JP480399 A JP 480399A JP 480399 A JP480399 A JP 480399A JP 2000204415 A JP2000204415 A JP 2000204415A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- heating
- temperature
- hot rolling
- furnace
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
ロールと素材との焼付きにる肌荒れ疵の発生を防止す
る。 【解決手段】 フェライト系ステンレス鋼の鋼片を熱間
圧延するに際し、被圧延材料であるステンレス鋼片の加
熱温度と加熱炉内の在炉時間を、スケール厚みの指標(S
I)が下記の(1)式を満足する条件で行う。また、加熱炉
から抽出後、仕上温度900℃以上で熱間圧延を行う。こ
れによって、十分な厚みのスケールが生成し、ロールと
素材との焼付きによる肌荒れを防止できる。 SI=317×t1×exp(-19521/T1+9.87)+371×t2×exp(-1952
1/T2+9.87)+3×t3×exp(-19521/T3+9.87)-939≧300・・
・(1)式 ただし、t1:予熱帯在炉時間(min)、T1:予熱帯温度
(℃)、t2:加熱帯在炉時間(min)、T2:加熱帯温度(℃)、t
3:均熱帯在炉時間(min)、T3:均熱帯温度(℃)
Description
ンレス鋼片を熱間圧延する際、鋼帯表面に発生する焼付
き肌荒れと称する欠陥を防止する方法に関する。
鋼帯表面に焼付き肌荒れと称する表面欠陥が発生する場
合がある。この肌荒れは、ステンレス鋼のような加熱炉
内でスケールの生成し難い材料で顕著に発生する。一般
にスケールは、潤滑性を有するばかりでなく、ロールと
素材との間に存在するため、ロールと素材との直接接触
を妨げ、ロールと素材とが焼付くのを防止する役割を果
たしている。したがって、スケール厚の薄いステンレス
鋼では、熱間圧延時にロールと素材とが焼付いて、前記
の焼付き肌荒れが顕著に発生し易い。
レス鋼片の熱間圧延でも発生するが、特にJIS-SUS430で
代表されるフェライト系ステンレス鋼片の熱間圧延で顕
著に発生する。この焼付き肌荒れは、冷間圧延後も消失
せずに最終製品に残存するため、熱間圧延、酸洗後にコ
イルグラインダー等による表面研削の手入れをしなけれ
ばならず、歩留の低下、製造コストの上昇を招くという
問題点を有している。
+N)≦0.03%以下で、TiとZrが特定の関係を満足する領域
内のフェライト系ステンレス鋼を1200℃以下に加熱し
て、850℃以下の仕上温度で熱間圧延したのち、目標温
度T(℃)を、T(℃)=(Zr%)×100+(Ti%)×60+910であらわ
すとき、当該熱延板を5分以内に目標温度より50℃低い
温度まで昇温せしめ、次いで5分以内で目標温度に達せ
しめ、更に目標温度±20℃で5分以内加熱した後放冷す
る熱延板焼鈍し、以後通常の方法で冷延焼鈍板とする方
法(特開昭55-94445号公報)が提案されている。
るフェライト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片にショット
ブラスト処理して表層0.1mm以内にHv:250以上の加工歪
を付与したのち、鋳片加熱炉に装入して均一な厚みのス
ケールを生成させ、しかる後熱間圧延する方法(特開平6
-306455号公報)、Cr:13〜19%のステンレス鋼中の、C+N+
O+S:0.0100%以下を満足する組成の鋼スラブを1000〜115
0℃に加熱し、最終パスにおける摩擦係数を0.30以下と
しかつ圧下率を40%以上とする熱間粗圧延を施した後、
熱間仕上圧延を施す方法(特開平7-268485号公報)が提案
されている。
公報に開示の方法は、Zr、Ti添加鋼を対象としており、
しかも、特開昭55-94445号公報で述べている肌荒れは、
結晶粒に起因する微小な凹凸欠陥を対象とするものであ
り、焼付き肌荒れとは発生機構が全く異なるものであ
る。
号公報に開示の方法は、いずれもスケールが鋼帯表面に
噛み込んだ肌荒れあるいはスケール厚みを均一に生成さ
せることにより、鋼帯表面の局部的なスケール残存を防
止するものであって、焼付き肌荒れを解消するものでは
ない。
ェライト系ステンレス鋼片を熱間圧延時の焼付き肌荒れ
を防止できる肌荒れ防止方法を提供することにある。
を熱間圧延時の肌荒れ防止方法の特徴は、ステンレス鋼
の鋼片を熱間圧延するに際し、被圧延材料であるステン
レス鋼片の加熱温度と加熱炉内の在炉時間を、スケール
厚みの指標(SI)が下記の(1)式を満足する条件で行うこ
と。また、加熱炉から抽出後、仕上温度900℃以上で熱
間圧延を行うことにある。 SI=317×t1×exp(-19521/T1+9.87)+371×t2×exp(-19521/T2+9.87)+3×t3×ex p(-19521/T3+9.87)-939≧300・・・(1)式 ただし、t1:予熱帯在炉時間(min)、T1:予熱帯温度
(℃)、t2:加熱帯在炉時間(min)、T2:加熱帯温度(℃)、t
3:均熱帯在炉時間(min)、T3:均熱帯温度(℃)
るように加熱炉での在炉時間、加熱温度を制御すること
によって、加熱炉で十分な厚みのスケールを付与でき、
かつ、仕上温度900℃以上で熱間圧延を行うことによっ
て、被圧延材の変形抵抗の増加が抑制でき、熱間圧延時
の肌荒れを防止することができる。
テンレス鋼片の熱間圧延では加熱炉で生成するスケール
の厚みが薄く、その後の熱間圧延においてロールと被圧
延材の間でのスケール潤滑作用が減少し、かつ圧延仕上
温度が低いと被圧延材の変形抵抗が増加してこれを助長
するため、ロールと被圧延材とが焼付いてロール肌荒れ
が生じ易くなると考えた。
スケールによる潤滑作用を増大させ、焼付き肌荒れ防止
効果を発揮できる領域を確認するため、フェライト系ス
テンレス鋼のスラブの加熱炉在炉時間(分)、加熱温度
(℃)および圧延仕上温度の肌荒れに及ぼす影響につい
て、圧延試験を行った。そして、スケール厚みの指標(S
I)として、加熱条件(加熱炉在炉時間、加熱温度)と鋼帯
表面のX線回析装置によるX線スケール強度の関係を多重
回帰して求めたものが前記(1)式である。
合、スケール厚みの指標(SI)が前記(1)式を満足する条
件、すなわち、SI≧300としているが、400以上では肌荒
れが全く発生していないことから、望ましくは400以上
とするのが好ましい。また、前記(1)式で求めたスケー
ル厚みの指標(SI)が300以上であっても、仕上温度が900
℃未満では、被圧延材の変形抵抗が増加してロールと被
圧延材の焼付きが助長され、焼付き肌荒れが発生するた
め、仕上温度は900℃以上を確保することが必要であ
る。
ール厚みの指標SI<300では、加熱炉でスケールが十分
に生成せず、スケールによる潤滑作用が不足してロール
と被圧延材が焼付き、焼付き肌荒れ疵が発生する。
炉時間(分)、加熱温度(℃)を、前記スケール厚みの指標
(SI)が前記(1)式を満足する条件で行い、かつ、仕上温
度を900℃以上とする必要がある。また、その他の熱間
圧延条件は、通常の熱間圧延条件でよい。
JISで規定のSUS405〜444、SUSXM8〜27の鋼材をいう。
S430)のスラブを、表1、表2に示すように、加熱炉の予
熱帯温度(T1)を1100〜1150℃、加熱帯温度(T2)を1150〜
1200℃、均熱帯温度(T3)を1200〜1230℃、予熱帯在炉時
間(t1)を50〜150分、加熱帯在炉時間(t2)を50〜150分、
均熱帯在炉時間(t3)を30〜100分の範囲で変化させると
共に、仕上温度を850〜1000℃の範囲で変化させて熱間
圧延し、板厚3.2mmの熱延鋼帯を製造した。
炉の出側でのスケール厚みの指標(SI)を前記(1)式によ
り計算すると共に、肌荒れの状況を目視観察により調査
した。その結果を表3、表4に示す。なお、表3、表4中の
肌荒れの状況欄の、×は肌荒れ疵あり、△は肌荒れ疵若
干あり、○は肌荒れ疵全くなしを示す。また、前記(1)
式の計算値と仕上温度と肌荒れ状況との関係を図1に示
す。
満、仕上温度が900℃以上の圧延No.1〜8、(1)式の計算
値が300以上、仕上温度が900℃以下の圧延No.9〜19の比
較例は、いずれも肌荒れ疵が発生していた。これに対
し、表4、図1に示すように、(1)式の計算値が300以上、
仕上温度が900℃以上の圧延No.20〜38の本発明例では、
圧延No.20、25に若干肌荒れ疵が発生したものの、その
他については肌荒れ疵が皆無であった。
肌荒れ防止方法は、スケール厚みの指標(SI)が前記(1)
式を満足するように加熱炉での在炉時間、加熱温度を制
御することによって、加熱炉で十分な厚みのスケールを
付与でき、かつ、仕上温度900℃以上で熱間圧延を行う
ことによって、被圧延材の変形抵抗の増加が抑制でき、
ロールと被圧延材間での潤滑不足による熱間圧延時の肌
荒れを防止することができる。
肌荒れ状況との関係を示すグラフである
Claims (1)
- 【請求項1】 フェライト系ステンレス鋼の鋼片を熱間
圧延するに際し、被圧延材料であるステンレス鋼片の加
熱温度と加熱炉内の在炉時間を、スケール厚みの指標(S
I)が下記の(1)式を満足する条件で行い、加熱炉から抽
出後、仕上温度900℃以上で熱間圧延を行うことを特徴
とするステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法。 SI=317×t1×exp(-19521/T1+9.87)+371×t2×exp(-19521/T2+9.87)+3×t3×ex p(-19521/T3+9.87)-939≧300・・・(1)式 ただし、t1:予熱帯在炉時間(min)、T1:予熱帯温度
(℃)、 t2:加熱帯在炉時間(min)、T2:加熱帯温度(℃)、 t3:均熱帯在炉時間(min)、T3:均熱帯温度(℃)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP480399A JP2000204415A (ja) | 1999-01-12 | 1999-01-12 | ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP480399A JP2000204415A (ja) | 1999-01-12 | 1999-01-12 | ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000204415A true JP2000204415A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=11593935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP480399A Withdrawn JP2000204415A (ja) | 1999-01-12 | 1999-01-12 | ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000204415A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100434200C (zh) * | 2006-12-31 | 2008-11-19 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 防止镍铬轧辊表面氧化膜剥落的方法 |
CN112387948A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-02-23 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种减少200系不锈钢热轧卷边部山鳞的生产方法 |
CN113172089A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-27 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 一种高碳马氏体不锈钢炉卷轧机生产方法 |
-
1999
- 1999-01-12 JP JP480399A patent/JP2000204415A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100434200C (zh) * | 2006-12-31 | 2008-11-19 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 防止镍铬轧辊表面氧化膜剥落的方法 |
CN112387948A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-02-23 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种减少200系不锈钢热轧卷边部山鳞的生产方法 |
CN113172089A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-27 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 一种高碳马氏体不锈钢炉卷轧机生产方法 |
CN113172089B (zh) * | 2021-03-31 | 2023-04-07 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 一种高碳马氏体不锈钢炉卷轧机生产方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3181714B1 (en) | Material for cold-rolled stainless steel sheets | |
JP2008240046A (ja) | 熱間プレス時のスケール密着性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP5099126B2 (ja) | 軟質ブリキ鋼板及びその製造方法 | |
JP5335179B2 (ja) | 熱延コイル及びその製造方法 | |
JP3241114B2 (ja) | リジング性および加工性に優れたフエライト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP2000204415A (ja) | ステンレス鋼片を熱間圧延時の肌荒れ防止方法 | |
JPH0414171B2 (ja) | ||
JP2004043938A (ja) | 外観性能に優れたアルミニウム合金焼鈍板の製造方法 | |
JPS6328829A (ja) | Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法 | |
EP0463182B2 (en) | METHOD OF MANUFACTURING Cr-Ni STAINLESS STEEL SHEET EXCELLENT IN SURFACE QUALITY AND MATERIAL THEREOF | |
JPH1112652A (ja) | 均一な光沢面を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JPH02410B2 (ja) | ||
JP3839090B2 (ja) | スケールの耐剥離性に優れた熱処理用鋼板の製造方法 | |
JPS63121623A (ja) | 耐リジング性と化成処理性に優れる深絞り用冷延鋼板の製造方法 | |
JPH07173537A (ja) | オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法 | |
JP3918266B2 (ja) | 均一な光沢面を有するオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP3695212B2 (ja) | ステンレス鋼帯の冷間圧延方法 | |
JP3562084B2 (ja) | 熱延鋼板の製造方法 | |
JP2980486B2 (ja) | 非時効低イヤリング容器用鋼板の製造方法 | |
JPH02263930A (ja) | 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法 | |
JP2001098321A (ja) | 熱延鋼帯の製造方法 | |
JPH1071404A (ja) | 光沢の良好なばね用ステンレス鋼帯の製造方法 | |
JPH07180012A (ja) | 表面の美麗なチタン板の製造方法 | |
JPS63119907A (ja) | 鋼板の温間圧延方法 | |
JPS6112828A (ja) | 表面性状及び加工性の優れたフエライト系ステンレス薄鋼板の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20050131 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050218 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050316 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |