JP2000204398A - 洗浄剤 - Google Patents
洗浄剤Info
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Abstract
かつ沸点が1気圧において210℃以下の直鎖状又は分
岐状オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とす
る洗浄剤。 【効果】 本発明の洗浄剤は、オゾン層を破壊せず、被
洗浄物を変質させることなく優れた洗浄能力を有するの
で、機械部品、電気電子部品、精密部品、光学部品及び
繊維に対して、浸漬洗浄の他、蒸気洗浄、手ふき用の洗
浄剤として優れた効果を発揮する。
Description
油系溶剤の代替洗浄剤として、光学部品や電子部品、金
属部品、プラスチック部品、更には衣類等の繊維の洗浄
に用いることができる洗浄剤に関する。
り、レンズなどの光学部品、鉄などの金属部品、シリコ
ンウエハーなどの半導体部品及び衣類などのドライクリ
ーニングの洗浄剤として、フロン、パークロロエチレ
ン、トリクロロエタンに代表される塩素系溶剤や、パラ
フィン、ナフテンに代表される石油系溶剤を使用するこ
とが知られている。いずれの溶剤を使用するかは使用目
的もしくは対象によって適宜選択されている。
乾燥速度が早い等の優れた性質を有しているものの、オ
ゾン層破壊及び地下水汚染の原因物質となっており、地
球環境保護の立場からその使用は厳しく制限される方向
にある。また、石油系溶剤は作業環境の観点から許容濃
度勧告値100ppm(ガソリン)が設定されており、
溶剤中毒に対して充分な注意を払わなければならない。
ーン油を用いた溶剤系が検討されている。例えば、特開
平8−302397号公報には、オクタメチルシクロテ
トラシロキサンと乳酸ブチル等との共沸様組成物が洗浄
剤として有効である旨の記載がある。しかしながら、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンは環状シロキサンで
あるため、酸又はアルカリにより開環重合が起こり、高
分子シロキサンが生成してしまう問題がある。更に、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンは融点が17℃と比
較的高いため、冬季には保管中に凍結して作業性が非効
率になることも考えられる。一方、特開平6−9329
4号公報にはオクタメチルトリシロキサンとプロピレン
グリコールエチルエーテルアセテートとの共沸組成物に
よる洗浄剤が開示されている。オクタメチルトリシロキ
サンは表面張力が小さいため浸透性に優れており、更に
直鎖状ポリシロキサンであるため、前述の開環重合が生
じないものの、洗浄力を表すカウリブタノール値(KB
値)が小さく、ほとんど洗浄力を有していない。そのた
め、KB値の大きい他の有機化合物との混合物、更には
蒸留再使用時に液組成が変わらないようにするために共
沸組成物にする必要があり、その実現のためには存在割
合を共沸組成±0.5%と極めて狭い範囲に調製しなく
てはならない。
種々検討されてきてはいるものの、未だ決定的な代替溶
剤が見つかっていないのが現状である。
れたもので、プラスチック、繊維等の被洗浄物を変質さ
せることなく、優れた洗浄力を有し、オゾン層を破壊す
ることなく、安全性に優れた洗浄剤を提供することを目
的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、カウリブタノール値(KB値)が10以上で、沸点
が1気圧において210℃以下の直鎖状又は分岐状オル
ガノポリシロキサン、特に下記式(1)で表されるオル
ガノポリシロキサンが、金属、シリコン、プラスチッ
ク、繊維などを浸し、変質させることがなく、これらの
被洗浄物の汚れに対する浸透性に優れ、高い洗浄力を発
揮し、またオゾン層を破壊する等の不都合もなく、安全
性に優れていることを知見し、本発明をなすに至った。
るアルキル基であるが、Rのうち少なくとも1個はnが
2〜4であるアルキル基である。mは0又は1であ
る。)
本発明の洗浄剤は、カウリブタノール値が10以上であ
り、かつ沸点が1気圧において210℃以下の直鎖状又
は分岐状オルガノポリシロキサンを含有するものであ
る。
溶剤の樹脂に対する溶解力を示す指標であり、洗浄性の
目安として使われる。数値の大きいものほど油脂や樹脂
に対する溶解力が大きいことを表す。KB値の測定方法
はASTM D1133−61に記載があり、カウリ樹
脂のブタノール溶液にサンプル溶剤を滴下し、カウリ樹
脂を析出させるのに要した溶剤の量(ml)を求めるも
のである。従って、KB値は大きい方が汚れを除去する
には良い結果を与えるが、洗浄剤として使用するために
は10以上が好ましい。これより小さいKB値では良好
な洗浄力を期待できない。
性が良好であること、及び経済的に蒸留再使用すること
を考慮すると沸点の範囲は1気圧において210℃以下
が望ましい。
サンの構造は直鎖状又は分岐状のオルガノポリシロキサ
ンである。トリメチルシロキシ等の末端基を有しないオ
クタメチルポリシロキサン等の環状シロキサンでは酸も
しくはアルカリの混入で開環反応が起こり、次々と環状
シロキサンが重合して粘度の高い不揮発性のオルガノポ
リシロキサンが生成するため、被洗浄物をかえって汚染
してしまう結果となる。直鎖状又は分岐状のシロキサン
は末端基を有しているので、被洗浄物を汚染するような
オルガノポリシロキサンは生成せず、蒸留再使用が容易
に可能な洗浄剤となり得る。
状又は分岐状のオルガノポリシロキサンとしては、上記
KB値及び沸点を有しているものであればいずれのもの
でもよいが、特に下記式(1)で表されるものが好まし
い。
数)で示されるアルキル基、即ちメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、又はtert−ブチル基であるが、Rの少なくとも
1個はnが2〜4であるアルキル基、即ち上記のうちメ
チル基以外のアルキル基である。また、mは0又は1で
ある。
サンとして、3−トリメチルシロキシヘプタメチルトリ
シロキサン等が挙げられ、直鎖状シロキサンとしては、
3−エチルヘプタメチルトリシロキサン、1−エチルヘ
プタメチルトリシロキサン、1−プロピルヘプタメチル
トリシロキサン、1−ブチルヘプタメチルトリシロキサ
ン、1,5−ジエチル−1,1,3,3,5,5−ヘキ
サメチルトリシロキサン、1,3−ジエチル−1,1,
3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、3−プロピ
ルヘプタメチルトリシロキサン、3−ブチルヘプタメチ
ルトリシロキサン、ペンタメチルプロピルジシロキサ
ン、ペンタメチルブチルジシロキサン、ペンタメチルヘ
キシルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジプロピルジシロキサン、1,1,3,3−テ
トラメチル−1,3−ジエチルジシロキサン、1,3−
ジメチル−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサ
ン、1,1,1−トリメチル−3,3,3−トリエチル
ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ジイソブチルジシロキサン等が挙げられる。上記のオ
ルガノポリシロキサンは、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンとオレフィンとのヒドロシリレーション、シラ
ノールとクロロシランとの脱塩酸反応もしくはクロロシ
ランの共加水分解等に代表される公知の合成法により得
ることができる。
率低下のために界面活性剤を添加しても良く、洗浄剤の
長期に渡る性能維持のために酸化安定剤、腐食抑制剤を
加えても良い。
分とするものであるが、被洗浄物としては、金属、シリ
コン、プラスチック、セラミック、ガラス、繊維など、
いずれの材質のものでも良く、また洗浄法としては、浸
漬法、蒸気洗浄法、スプレー法、手ふきなど、公知の洗
浄法を採用することができる。
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
シロキサンの合成 2Lの4つ口フラスコにトリエチルアミン202g(2
mol)、ヘキサン100ml及びメチルエチルケトン
100mlを加え、氷水浴に浸した。フラスコ中にトリ
メチルシラノール216g(2.4mol)メチルエチ
ルケトン溶液とエチルメチルジクロロシラン143g
(1.0mol)ヘキサン溶液をそれぞれ同時に滴下し
た。滴下後、水洗中和し、濃縮、常圧蒸留して、3−エ
チルヘプタメチルトリシロキサンを得た。沸点174
℃。
リシロキサンの合成 1Lの4つ口フラスコに1,1,1,3,5,5,5−
ヘプタメチルトリシロキサン222g(1.0mol)
とトルエン300g及び塩化白金酸50mgを加えた。
そこへプロピレンガスを吹き込み、ガスクロマトグラフ
ィーにて反応を追跡した。原料の1,1,1,3,5,
5,5−ヘプタメチルトリシロキサンが消失した時点で
反応を終了し、濃縮、蒸留し、目的物を得た。沸点18
9℃。
シロキサンの合成 1Lの4つ口フラスコに1,1,1,3,5,5,5−
ヘプタメチルトリシロキサン222g(1.0mol)
とトルエン300g及び塩化白金酸50mgを加えた。
そこへブテンガスを吹き込み、ガスクロマトグラフィー
にて反応を追跡した。原料の1,1,1,3,5,5,
5−ヘプタメチルトリシロキサンが消失した時点で反応
を終了し、濃縮、蒸留し、目的物を得た。沸点204
℃。
沸点の結果を表1に示す。なお、KB値はASTM D
1133−61の方法によって測定した。
プロピレン(PP)、ポリエステル布及び綿布にモータ
ー油を塗布し、以下の方法にて洗浄した。合成例1〜3
で得られた洗浄液を各々第1槽に充填し、撹拌しながら
洗浄した後、第2槽にも第1槽と同じ種類の洗浄液を充
填し、撹拌しながら更に洗浄した。被洗浄物を60℃の
乾燥機にて60分乾燥後、モーター油の残り具合を観察
した。比較例として、ヘキサメチルジシロキサン及びオ
クタメチルトリシロキサンを用いて、同じ方法で洗浄を
行った。結果を表2に示す。 評価結果 ○:モーター油残存せず ×:モーター油残存
されなかった。
ず、被洗浄物を変質させることなく優れた洗浄能力を有
するので、機械部品、電気電子部品、精密部品、光学部
品及び繊維に対して、浸漬洗浄の他、蒸気洗浄、手ふき
用の洗浄剤として優れた効果を発揮する。
Claims (2)
- 【請求項1】 カウリブタノール値が10以上であり、
かつ沸点が1気圧において210℃以下の直鎖状又は分
岐状オルガノポリシロキサンを含有することを特徴とす
る洗浄剤。 - 【請求項2】 オルガノポリシロキサンが、下記式
(1) 【化1】 (式中、RはCnH2n+1(nは1〜4の整数)で示され
るアルキル基であるが、Rのうち少なくとも1個はnが
2〜4であるアルキル基である。mは0又は1であ
る。)で表されるものである請求項1記載の洗浄剤。
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Publications (2)
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000313900A (ja) * | 1999-04-09 | 2000-11-14 | General Electric Co <Ge> | クリーニング組成物並びに方法 |
WO2003042221A1 (de) * | 2001-11-13 | 2003-05-22 | Ge Bayer Silicones Gmbh & Co. Kg | Verwendung von siloxanen als verdampfbare träger |
JP2018180536A (ja) * | 2017-04-13 | 2018-11-15 | エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド | 液晶カプセルを含む液晶表示装置およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP00358699A patent/JP3748004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7374771B2 (en) | 2001-11-13 | 2008-05-20 | Ge Bayer Silicones Gmbh & Co., Kg | Use of siloxanes as vaporizable carriers |
CN100413871C (zh) * | 2001-11-13 | 2008-08-27 | Ge拜尔硅股份有限公司 | 硅氧烷作为可汽化载体的应用 |
JP2018180536A (ja) * | 2017-04-13 | 2018-11-15 | エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド | 液晶カプセルを含む液晶表示装置およびその製造方法 |
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