JP2000204096A - 金属組成物、およびそれを用いた電子放出素子製造用金属組成物、電子放出素子の製造方法、電子放出素子および画像形成装置 - Google Patents

金属組成物、およびそれを用いた電子放出素子製造用金属組成物、電子放出素子の製造方法、電子放出素子および画像形成装置

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JP2000204096A
JP2000204096A JP318199A JP318199A JP2000204096A JP 2000204096 A JP2000204096 A JP 2000204096A JP 318199 A JP318199 A JP 318199A JP 318199 A JP318199 A JP 318199A JP 2000204096 A JP2000204096 A JP 2000204096A
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emitting device
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Yasuko Tomita
康子 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間経過に伴う金属の析出が起こらない安定
性の優れた金属組成物を用いた電子放出素子の製造方法
を提供する。 【解決手段】 電子放出材料を含む金属組成物を基板に
部分的に付与する工程と前記の金属組成物を付与された
基板を加熱焼成する工程とを経て電子放出部を形成する
表面伝導型電子放出素子の製造方法において、前記の金
属組成物に、水を主成分とし一座配位子金属錯体を含有
し、更にアミノ酸を含む液体である電子放出素子製造用
金属組成物を用いる電子放出素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一座配位子金属錯体
を安定化した金属組成物、およびそれを用いた電子放出
素子製造用金属組成物、およびそれを用いた電子放出素
子の製造方法、電子放出素子及び画像形成装置に関し、
更に詳しくはインクジェット方式に適した安定性の優れ
た電子放出素子製造用金属組成物、およびそれを用いた
電子放出素子の製造方法、表示素子及び画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】冷陰極電子源として表面伝導型電子放出
素子(以下SCE素子と略す)が知られている。SCE
素子は基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行
に電流を流すことにより、電子放出が起こる現象を利用
するものである。この表面伝導型電子放出素子として
は、エリンソン等によるSnO2薄膜を用いたもの
[M.I.Elinson,“Radio Eng.E
lectron Pys.”,10、(1965)]の
ほか、Au薄膜を用いたもの[G.Dittmer:
“Thin Solid Films”、9、317
(1972)]、In23/SnO2薄膜を用いたもの
[M.Hartwell and C.G.Fonst
ad:“IEEE Trans.ED Conf.”、
519(1975)]、カーボン薄膜を用いたもの[荒
木久 他:“真空”、第26巻、第1号、22頁(19
83)]等が報告されている。
【0003】これらのSCE素子の典型的な素子構成と
して前述のM.ハートウェルの素子構成を図10により
説明する。同図において11は絶縁性基板である。14
は電子放出部を含む薄膜で、後述のフォーミングと呼ば
れる通電処理を行い電子放出部13を形成したものであ
る。また図中の素子の長さLlはおよそ0.5mm〜l
mm、素子の幅W1は約0.lmmである。
【0004】従来、これらのSCE素子においては、電
子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜を予めフォーミ
ングと呼ばれる通電処理によって電子放出部13を形成
するのが一般的であった。即ち、フォーミングとは前記
電子放出部形成用薄膜の両端に電極15、16を用いて
電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破
壊、変形もしくは変質させることにより、電気的に高抵
抗な状態の電子放出部13を形成することである。尚、
フォーミングにより電子放出部形成用薄膜の一部に亀裂
が発生しその亀裂付近から電子放出が行われ電子放出部
13となる場合もある。
【0005】前記のフォーミング処理をしたSCE素子
は、上述の電子放出部を含む薄膜14に電圧を印加して
素子表面に電流を流すことにより、上述の電子放出部1
3より電子を放出するものである。
【0006】電子放出部を含む薄膜は絶縁性基板上に導
電性材料が堆積された導電性薄膜からなるものであっ
て、絶縁性基板上に導電性材料を蒸着、スパッタリング
等の堆積技術で直接形成することが知られている。また
最近では、真空装置を必要とせず大面積の基板上でも安
価に素子を形成可能な方法として、有機金属組成物の溶
液を塗布乾燥し加熱焼成により有機成分を熱分解除去し
て金属もしくは金属酸化物の導電性薄膜を作成する方法
も提案されている(特開平8−180803号公報)。
さらに、前述の塗布乾燥、加熱焼成を行う有機金属組成
物における好適なものとして、水溶性有機金属化合物を
用いた方法(特開平8−277294号公報)も提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにいったん
金属組成物溶液を基板に塗布し、さらにこれを加熱焼成
して導電性薄膜を形成するために用いられる金属組成物
溶液は、有機金属化合物、特に水溶性有機金属化合物を
含有する場合が多い。このような有機金属化合物として
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸などの金属有機酸塩やアンミ
ン錯体、有機アンミン錯体などの有機金属錯体を挙げる
ことができる。
【0008】これらの有機金属化合物、特に有機金属錯
体を含有する金属組成物溶液は、溶液を調製してから時
間が経過していくと、有機金属錯体の配位子が金属から
遊離して、金属組成物溶液中に金属が析出するという問
題が発生することがある。特に、一座配位子の金属錯体
では配位子の脱離による金属の析出が顕著であり、比較
的短期間でも金属組成物中に析出した金属が観察される
場合があった。このような金属の析出した金属組成物溶
液を塗布して導電性薄膜を作成しても、均一な薄膜が作
成できないのは自明である。
【0009】また、金属組成物をインクジェット方式を
用いて付与する場合には、析出した金属がインクジェッ
ト装置の微細なオリフィスをふさいでインク吐出不可能
になるなど、問題はより重大である。従って長期間にわ
たって金属組成物中の金属錯体を安定化する方法、特に
一座配位子の金属錯体を安定化する方法の開発が望まれ
ていた。
【0010】本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑
みてなされたものである。本発明の目的は、時間経過に
伴う金属の析出を防止した、一座配位子金属錯体の安定
化に優れた金属組成物を提供することにある。また、本
発明の目的は、時間経過に伴う金属の析出が起こらない
安定性の優れた電子放出素子製造用の金属組成物を提供
することにある。さらに、本発明は、電子放出部形成用
薄膜の製造工程において、安定性の優れた金属組成物を
用いることにより、長期間にわたって特性の安定した電
子放出素子、表示素子、画像形成装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、水を主成分と
し、一座配位子金属錯体を含有する金属組成物におい
て、アミノ酸を含有することを特徴とする一座配位子金
属錯体を安定化した金属組成物を提案するものである。
【0012】また本発明は、水を主成分とし一座配位子
金属錯体を含有する金属組成物において、アミノ酸を含
有することを特徴とする安定化された電子放出素子製造
用金属組成物を提案するものである。
【0013】さらに本発明は電子放出素子の製造方法と
して、電子放出材料を含む金属組成物を基板に部分的に
付与する工程と前記の金属組成物を付与された基板を加
熱焼成する工程とを経て電子放出部を形成する表面伝導
型電子放出素子の製造方法において、前記の金属組成物
が水を主成分とし一座配位子金属錯体を含有し、更にア
ミノ酸を含む液体であることを特徴とする電子放出素子
製造用金属組成物を用いる電子放出素子の製造方法を提
案するものである。
【0014】本発明で用いられる一座配位子金属錯体は
水溶性の金属化合物であって、金属のアミン錯体、有機
アミン錯体、あるいはアミノ基及び水酸基を有するアミ
ノアルコール錯体等である。
【0015】本発明で用いられる前記の有機金属化合物
の金属元素としては、白金、パラジウム、ルテニウム等
の白金族元素、金、銀、銅、クロム、タンタル、鉄、タ
ングステン、鉛、亜鉛、スズ等を用いることができる。
【0016】特に水に対する溶解性が良好で溶液が長期
にわたり保存可能な安定性を有し、焼成の容易な有機金
属化合物として、金属のエタノールアミン・カルボン酸
錯体をあげることができる。具体的には、エタノールア
ミンと酢酸基とパラジウムとからなる有機金属化合物が
良好に用いられる。
【0017】前記金属組成物に含有される一座配位子金
属錯体の含有量は、用いる金属化合物の種類によって最
適な範囲が多少異なるが、一般には0.1重量%以上8
重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上3重量%
以下の範囲が適当である。金属化合物の濃度が低すぎる
場合、基板に所望の量の金属を付与するために多量の前
記溶液の液滴の付与が必要になり、その結果液滴付与に
要する時間が長くなるのみならず、基板上に無用に大き
な液溜りを生じてしまい所望の位置のみに金属を付与す
る目的が達成できなくなる。逆に前記溶液の金属化合物
の濃度が高すぎると、基板に付与された液滴が後の工程
で乾燥あるいは焼成される際に著しく不均一化し、その
結果として電子放出部の導電膜が不均一になり電子放出
素子の特性を悪化させる。
【0018】本発明で用いられる金属組成物液体に含有
されるアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、セリン、ホモセリン、ス
レオニン、オルニチン、アルギニン、アスパラギン、シ
トルリン、グルタミン、リジンなどの脂肪族アミノ酸、
フェニルアラニン、チロシンなどの芳香族アミノ酸、ト
リプトファン、プロリン、ヒスチジンなどの複素環アミ
ノ酸などが挙げられる。
【0019】前記アミノ酸の濃度範囲は、用いるアミノ
酸の種類によって最適な範囲が多少異なるが、一般には
重量で0.lppm以上3重量%以下、より好ましくは
lppm以上1重量%以下の範囲が適当である。アミノ
酸濃度が低すぎる場合は一座配位子金属錯体の安定化効
果が不十分であり、金属の析出を防止するという目的が
達成できなくなる。逆にアミノ酸濃度が高すぎると、金
属組成物の物性が大きく変化し、たとえば金属組成物の
粘度が上昇したり表面張力が低下したりして、基板の所
望の位置に金属組成物を付与することができなくなって
しまう。
【0020】本発明の金属組成物における前記の部分エ
ステル化ポリビニルアルコールとは、ビニルアルコール
単位とビニルエステル単位とを含んでなる高分子であ
る。例えば通常に入手可能な「完全」加水分解ポリビニ
ルアルコールを各種のアシル化剤、すなわち無水酢酸等
のカルボン酸無水物や塩化アセチル等のカルボン酸無水
物により部分的にエステル化して得られる部分エステル
化ポリビニルアルコールである。また通常のポリビニル
アルコールの製造工程、すなわちポリ酢酸ビニルの加水
分解によるポリビニルアルコールの製造において、ポリ
酢酸ビニルの加水分解を反応途中で停止し完全に加水分
解せずに得られるいわゆる部分加水分解ポリビニルアル
コールもまた部分エステル化ポリビニルアルコールにあ
たる。入手の容易性とコストの面からは、この部分加水
分解ポリビニルアルコールが本発明に用いられる部分エ
ステル化ポリビニルアルコールとして最も有用である。
【0021】前記エステルを形成するアシル基としては
上述したアセチル基のほか、プロピオニル基、ブチロイ
ル基、ステアロイル基等の脂肪族カルボン酸由来のアシ
ル基が利用可能である。これらアシル基は炭素原子数2
以上であることが必要である。一方、本発明に利用でき
るアシル基の炭素原子数の上限については明確な限界が
みいだされず、少なくとも実験的には炭素数18のアシ
ル基は有効である。
【0022】前記の部分エステル化ポリビニルアルコー
ルのエステル化率は25モル%以下が好適であり、特に
22モル%以下が最も有効である。なおここで言うエス
テル化率とは、高分子の全ビニルアルコール繰り返し単
位数に対する結合したアシル基の数の割合のことで、こ
れは元素分析や赤外吸収分析などの手段で定量すること
ができる。
【0023】前記の部分エステル化ポリビニルアルコー
ルの重合度は200以上2000以下が好ましい。この
範囲未満においては金属組成物の塗膜が安定に形成され
難い。またこの範囲を越える場合においては金属組成物
の溶液粘度が高くなり、塗布工程において使用に問題を
生じたり塗膜が厚くなる傾向がある。適当な厚さの電子
放出部導電膜の形成には重合度450以上1200以下
の部分エステル化ポリビニルアルコールの使用が最も良
好である。
【0024】本発明で用いる前記金属組成物における前
記の部分エステル化ポリビニルアルコールの濃度は0.
01重量%以上0.5重量%以下が適当である。この濃
度未満においては前記高分子の添加の効果が充分認めら
れない。この濃度を越える場合においては金属組成物の
粘度の上昇により塗布工程に問題が生じたり、加熱焼成
の際に高分子成分の分解消失が完全に進まず電子放出部
に有機成分が残留する結果になる場合がある。
【0025】本発明で用いる前記金属組成物は、水溶性
多価アルコールを含むことが望ましい。ここで言う多価
アルコールとは分子内に複数のアルコール性水酸基を有
する化合物のことである。特に炭素数2ないし4の常温
において液体の多価アルコール、具体的にはエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、2
−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエ
チレングリコール、グリセリン、l,2,4−ブタント
リオール等が本発明の金属組成物への添加に有用であ
る。
【0026】前記の多価アルコールは本発明で用いる前
記金属組成物に5重量%以下、特に0.05重量%ない
し3重量%の範囲で含有させることが望ましい。これよ
り高濃度では基板に塗布した金属組成物の乾燥が遅くな
り好ましくない。
【0027】また本発明で用いる前記金属組成物は、水
溶性一価アルコールを含むことが望ましい。用いること
のできる水溶性一価アルコールは炭素原子数1ないし4
の常温で液体の水溶性一価アルコールで、具体例として
はメタノール、エタノール、プロパノール、2−ブタノ
ール等をあげることができる。
【0028】前記の水溶性一価アルコールは前記の金属
組成物に対して35重量%以下となるように加えられる
べきで、これ以上の添加は前記の水溶性有機金属化合物
の溶解性を低下せしめたり、基板に部分的に塗布した場
合に基板上で塗膜が広がってしまい所望の領域に限って
塗膜を形成することが困難になる場合がある。前記の金
属組成物を基板に部分的に塗布する場合には特に好まし
くは前記の水溶性一価アルコールを5ないし35重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0029】また本発明で用いる前記金属組成物に含有
される水は、好ましくは蒸留水やイオン交換水が用いら
れ、その含有量は95〜50重量%、好ましくは90〜
60重量%が望ましい。
【0030】前記の金属組成物を絶縁性基板上に塗布し
て塗膜とした後、後述するように乾燥加熱焼成すること
により有機成分が分解消失して導電性薄膜が基板上に形
成される。前記の塗布手段としてはディッピング、スピ
ン塗布、スプレー塗布等の従来公知の液体塗布手段を用
いることができる。特に前述した水を主成分とし金属化
合物とエステル化率5モル%未満のポリビニルアルコー
ルを含有する液体である金属組成物を用いるならば塗布
する基板の材質や塗布手段にほとんど依存することなく
容易に均質な塗膜を形成することができ、均質な導電性
薄膜とすることができる。
【0031】通常、電子放出素子を作成する目的におい
て前記の導電性薄膜は基板上の所定の位置に所定の形状
として形成する必要がある。そのような導電性薄膜の部
分的形成の方法としては、導電性薄膜をいったん基板上
に形成した後に不要部分を除去することにより所定位置
にのみ導電性薄膜を残す方法、あるいは、前記の金属組
成物の塗膜をいったん基板上に形成した後に不要な塗膜
部分を除去してから加熱焼成して所定位置にのみ導電性
薄膜を形成する方法あるいは、基板上の所定の位置のみ
に前記の金属組成物を塗布して加熱焼成することにより
所定位置にのみ導電性薄膜を形成する方法を用いること
ができる。
【0032】前記の基板上の所定位置のみに金属組成物
を塗布する工程は、マスクを介してディッピング、スピ
ン塗布、スプレー塗布等の従来公知の液体塗布手段を用
いて行う工程であってもよいが、マスクを用いることな
く基板上の所定の位置にのみ前記金属組成物の液滴を付
与する工程であってもよい。
【0033】上記の金属組成物の液滴を基板に付与する
手段は、液滴を形成し付与することが可能ならば任意の
方法でよいが、特に微小な液滴を効率良く適度な精度で
発生付与でき制御性も良好なインクジェット方式が便利
である。インクジェット方式にはピエゾ素子等のメカニ
カルな衝撃により液滴を発生付与するものや、微小ヒー
タ等で液を加熱し突沸により液滴を発生付与するバブル
ジェット方式などがあるが、いずの方式でも十ナノグラ
ム程度から数十マイクログラム程度までの微小液滴を再
現性良く発生し基板に付与することができる。
【0034】前記液滴付与工程においては基板上の同一
位置に液滴を必ずしも一回付与するのみに限る必要はな
く、液滴を複数回付与して所望量の金属組成物を基板上
に与えてもよい。液滴を基板上に独立した状態に付与す
るならば一般には基板上に円形かそれに近い形状の小塗
膜となる。しかし基板上の付与位置を前記の円形の直径
より小さい距離だけ離れた位置にずらして複数の液滴を
付与することにより、連続した任意の形状の大きな塗膜
を形成することが可能である。
【0035】上記手段で基板に付与された金属組成物は
乾燥、焼成工程を経て導電性無機微粒子膜とすることに
より、基板上に電子放出のための無機微粒子膜を形成す
る。なおここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が集合
した膜であり、微視的に微粒子が個々に分散配置した状
態のみならず、微粒子が互いに隣接あるいは重なり合っ
た状態(島状も含む)の膜をさす。また微粒子膜の粒径
とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子について
の径を意味する。
【0036】乾燥工程は通常用いられる自然乾燥、送風
乾燥、熱乾燥等を用いればよい。前記の液体の金属組成
物が付与された基板を例えば70℃ないし130℃の電
気乾燥器に30秒ないし2分程度入れることにより乾燥
することができる。焼成工程は通常用いられる加熱手段
を用いればよい。焼成の温度は有機金属化合物が分解し
て無機微粒子が生成するに充分な温度とすべきである
が、通常は150℃以上、500℃以下とする。焼成は
還元性気体雰囲気、酸化性気体雰囲気、不活性気体雰囲
気あるいは真空のいずれも利用し得る。還元性あるいは
真空の条件下では有機金属化合物の熱分解により金属微
粒子が生成することが多い。一方、酸化性の条件下では
金属酸化物の微粒子が生成することが多い。しかし焼成
雰囲気と生成微粒子の酸化状態は単純に前記のように定
まるものでない。例えば酸化性気体雰囲気下での焼成工
程であっても有機金属化合物が分解して最初に生成する
ものは金属微粒子であって、さらに焼成を続けることに
より前記の金属が酸化されて金属酸化物の微粒子が生成
するという場合もある。生成したものが金属であれ、金
属酸化物であれ、導電性を有する微粒子膜を形成してい
るならば本発明の電子放出素子に利用することができ
る。焼成装置の簡略化や製造コストの低減の観点からは
空気雰囲気下で行なう焼成工程が優れている。最適な焼
成時間は用いる有機金属化合物の種類、焼成雰囲気や焼
成温度により変わるが、通常は2分ないし40分程度で
ある。焼成温度は一定でもよいが、所定のプログラムに
したがって変化させてもよい。前記の乾燥工程と焼成工
程とは必ずしも区別された別工程として行なう必要はな
く、連続して同時に行なってもかまわない。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の表面伝導型電子放出素子
の基本的構成について説明する。図1は、本発明の表面
伝導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、同図中
図1(a)は平面図、図1(b)はAA線断面図であ
る。また1は基体、2と3は素子電極、4は導電性薄
膜、5は電子放出部である。図2は、本発明の表面伝導
型電子放出素子の構成の別な例を示す模式図であり、同
図中図2(a)は平面図、図2(b)はBB線断面図で
ある。
【0038】基体1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2を積層したガラ
ス基体及びアルミナ等のセラミックス及びSi基体等を
用いることができる。
【0039】対向する素子電極2、3の材料としては、
一般的な導体材料を用いることができる。これは例えば
Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、C
u、Pd等の金属或は合金及びPd、Ag、Au、Ru
2、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等か
ら構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導
電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜選
択することができる。
【0040】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
薄膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して設計さ
れる。素子電極間隔Lは、好ましくは数千Åから数百μ
mの範囲とすることができ、より好ましくは素子電極間
に印加する電圧等を考慮して数μmから数十μmの範囲
とすることができる。素子電極長さWは、電極の抵抗
値、電子放出特性を考慮して、数μmから数百μmの範
囲とすることができる。素子電極2、3の膜厚dは、数
百Åから数μmの範囲とすることができる。
【0041】尚、図1に示した構成だけでなく、基体1
上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2、3の順に積
層した構成とすることもできる。
【0042】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は、素子電極2、3へのステップカ
バレージ、素子電極2、3間の抵抗値及び後述するフォ
ーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は、
数Åから数千Åの範囲とするのが好ましく、より好まし
くは10Åより500Åの範囲とするのが良い。その抵
抗値は、Rsが1×102から1×107Ω/□の値であ
る。なおRsは、厚さがt、幅がwで長さがlの薄膜の
長さ方向に測定した抵抗Rを、R=Rs(1/w)とお
いたときに現れる値である。本明細書において、フォー
ミング処理については、通電処理を例に挙げて説明する
が、フォーミング処理はこれに限られるものではなく、
膜に亀裂を生じさせて高抵抗状態を形成する処理を包含
するものである。
【0043】導電性薄膜4を構成する材料は、Pd、P
t、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、F
e、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属の中から適宜
選択される。これらの金属は、導電性薄膜材料有機金属
化合物を形成する。
【0044】ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体
として島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、数Åから数千Åの範囲、好ましく
は、10Åから200Åの範囲である。
【0045】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング、活性
化工程に依存したものとなる。電子放出部5の内部に
は、数Åから数百Åの範囲の粒径の導電性微粒子が存在
する場合もある。この導電性微粒子は、導電性薄膜4を
構成する材料の元素の一部、あるいは全ての元素を含有
するものとなる。亀裂の先端部及びその近傍の導電性薄
膜4には、炭素及び炭素化合物を有する。炭素及び炭素
化合物とは、例えばグラファイト(いわいるHOPG、
PG、GCを包含する。HOPGはほぼ完全なグラファ
イトの結晶構造、PGは結晶粒が200Å程度で結晶構
造がやや乱れたもの、GCは結晶粒が20Å程度になり
結晶構造の乱れがさらに大きくなったものを指す。)、
非晶質カーボン(アモルファスカーボン及び、アモルフ
ァスカーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を指
す。)であり、その膜厚は、500Å以下の範囲とする
のが好ましく、300Å以下の範囲とすることがより好
ましい。
【0046】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法があるが、本発明の製造方法を図3
に模式的に示す。以下、図1及び図3を参照しながら本
発明の製造方法の一例について説明する。図3において
も、図1に示した部位と同じ部位には図1に付した符号
と同一の符号を付している。 工程−1:基体、素子電極の形成工程 基体1を洗剤、純水および有機溶剤等を用いて充分に洗
浄し、真空蒸着法、スパッタ法等により素子電極材料を
堆積後、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて基体
1上に素子電極2、3を形成する(図3(a)参照)。
【0047】工程−2:基体の表面エネルギーを調整す
る工程 工程−1で作成した基体を、温水洗浄やO3アッシング
等の親水処理を施した後、シリカゲルを乾燥剤としたデ
シケータ中で、基体の表面エネルギーを飽和状態になる
まで放置する。放置時間は、24時間以上でほぼ飽和す
る。本工程では、基体の表面状態は撥水面と変化する。
【0048】工程−3:有機金属含有水溶液を基体に付
与する工程 有機金属含有水溶液の液滴6をインクジェットノズル7
からバブルジェット法やピエゾジェット法と呼ばれるイ
ンクジェット法によって、各素子電極及び素子電極間に
付与する(図3(b)参照)。なお、有機金属含有水溶
液の基体への付与法は、スピンナーを用いた塗布法によ
っても良いが、この場合は所望の導電性薄膜の形態をう
るため、パターニング工程が必要となる。
【0049】工程−4:有機金属含有水溶液を熱分解
し、導電性薄膜を形成する工程 工程−3で基体に付与された有機金属含有水溶液は、基
体を焼成炉やホットプレート状で、大気中等の雰囲気で
熱分解され、金属あるいは金属酸化物となる。こうし
て、微粒子形態の導電性薄膜4が作成される。
【0050】工程−5:通電フォーミング工程 つづいて、フォーミング工程を施す。このフォーミング
工程は、パルス状の電圧を素子電極2、3間に印加通電
することで、導電性薄膜4に、構造の変化した電子放出
部5が形成される(図3(d)参照)。通電フオーミン
グによれば、導電性薄膜4に局所的に破壊、変形もしく
は変質等の構造の変化した部位で、亀裂が形成される。
【0051】工程−6:活性化工程 フォーミングを終えた素子には活性化工程と呼ばれる処
理を施す。活性化工程とは、この工程により、素子電流
If、放出電流Ieが、著しく変化する工程である。
【0052】活性化工程は、有機物質のガスを含有する
雰囲気下で、パルスの印加を繰り返すことで行うことが
できる。この雰囲気は、充分に排気した真空中に適当な
有機物質のガスを導入することによっても得られる。適
当な有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキン
の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、
カルボン、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることがで
きる。この処理により、雰囲気中に存在する有機物質か
ら、通電フォーミング工程で形成した亀裂の内側にあら
たに炭素あるいは炭素化合物からなる亀裂を形成する。
【0053】工程−7:安定化工程 このような工程を経て得られた電子放出素子は、安定化
工程を行うことが好ましい。この工程は、真空容器内の
有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真
空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に
影響を与えないように、オイルを使用しないものを用い
るのが好ましい。具体的には、ソープションポンプ、イ
オンポンプ等の真空排気装置を挙げることが出来る。
【0054】さらに真空容器内を排気するときには、真
空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子
に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好まし
い。このときの加熱条件は、150〜300℃で数時間
以上が望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、
真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸
条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の
圧力は極力低くすることが必要で、1〜3×10-7To
rr以下が好ましく、さらにl×10-8Torr以下が
特に好ましい。
【0055】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が充分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても充分安定な
特性を維持することが出来る。
【0056】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
素子電流If、放出電流Ieが、安定する。
【0057】上記本発明の電子放出素子の構成及び製造
方法は、電子放出素子を基体上に複数個形成した電子源
にも適用できる。複数の電子放出素子の基体上の配列方
法は、実施例で説明する単純マトリクス以外も配置さ
れ、これに限るものではない。
【0058】次に、本発明の画像形成装置の構成、及び
製造方法を図6を用いて説明する。図6は、本発明の画
像形成装置の一例を示す概略図である。図6において、
67は前記本発明の電子放出素子を複数配した電子源基
体、61は電子源基体67を固定したリアプレート、6
6はガラス基体63の内面に蛍光膜64とメタルバック
65等が形成されたフェースプレートである。62は支
持枠であり、該支持枠62にはリアプレート61、フェ
ースプレート66がフリットガラス等を用いて接続され
ている。これらより外囲器は、例えば大気中あるいは窒
素中で、400〜500℃の温度範囲で10分以上焼成
することで、封着して構成される。
【0059】60は本発明の電子放出素子である。6
8、69は前記本発明の電子放出素子の一対の素子電極
と接続された行方向配線及び列方向配線である。
【0060】外囲器50は、上述の如くフェースプレー
ト66、支持枠62、リアプレート61で構成される。
リアプレート61は主に基体67の強度を補強する目的
で設けられるため、基体67自体で充分な強度を持つ場
合は別体のリアプレート61は不要とすることができ
る。即ち、基体67に直接支持枠62を封着し、フェー
スプレート66、支持枠62及び基体67で外囲器を構
成しても良い。一方、フェースプレート66、リアプレ
ート61間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を
設置することにより、大気圧に対して充分な強度をもつ
外囲器を構成することもできる。
【0061】蛍光膜64は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場
合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいは
ブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材と蛍光体
とから構成することができる。
【0062】フェースプレート66には、さらに蛍光膜
の導電性を高めるため、蛍光膜64の外面側に透明電極
(不図示)を設けても良い。
【0063】次に本発明の画像形成装置の製造方法の一
例について説明する。 工程−1:基体、素子電極、配線などの形成工程 素子電極を電子放出素子の製造方法の工程−1と同様の
方法で作成する。また、行、列配線はスクリーン印刷法
や公知のフォトリソとスパッタ法などの半導体の作成法
により形成する。
【0064】工程−2:基体の表面エネルギーを調整す
る工程 電子放出素子の製造方法の工程−2と同じ方法で行う。 工程−3:有機金属含有水溶液を基体に付与する工程 電子放出素子の製造方法の工程−3と同じ方法で行う。 工程−4:有機金属含有水溶液を熱分解し、導電性薄膜
を形成する工程 電子放出素子の製造方法の工程−4と同じ方法で行う。
【0065】工程−5:通電フォーミング工程 工程−4を終えた基体を真空チャンバーに配置し、次に
真空チャンバー内を充分に排気する。その後、電子放出
素子の製造方法の工程−5と同様の処理を施す。
【0066】工程−6:活性化工程 真空チャンバーに前述した有機ガスを導入し、電子放出
素子の製造方法の工程−6と同様の処理を施す。
【0067】工程−7:封着工程 前記フェースプレートと支持枠とリアプレートをフリッ
トを介して封着し、外囲器を形成する。
【0068】工程−8:安定化工程 前記外囲器を不図示の排気管より充分に排気し、電子放
出素子の製造方法の工程−7と同様の安定化工程を施
し、最後にゲッタをフラッシュする。
【0069】以上のような本発明の画像形成装置の製造
方法は、これに限るわけではなく、後述の実施例のよう
に、外囲器を形成した後に工程−5以降を行っても良
く、工程順、工程もこれに限るものではない。
【0070】
【実施例】以下、本発明の一座配位子金属錯体を安定化
した金属組成物、及びそれを用いた電子放出素子製造用
金属組成物、電子放出素子、電子源、及び画像形成装置
の製造方法の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0071】実施例1 本実施例の安定化した一座配位子金属錯体含有金属組成
物の調製法を以下に示す。
【0072】テトラモノエタノールアミン−パラジウム
酢酸1.0g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平
均重合度300)0.lg、エチレングリコール1.0
g、2−プロパノール20g、アラニン0.lgをとり
水を加えて100gとし、混合、溶解した。この溶液を
ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過
した。
【0073】この金属組成物を40℃の恒温槽に一ケ月
放置して安定性を評価したところ、金属組成物溶液の色
変化や金属の析出もなく、安定であった。
【0074】比較例1 実施例1において、アラニンを除いた以外は実施例1と
同様にして比較例1の金属組成物を調製した。この比較
例1の金属組成物を実施例1と同様にして40℃の恒温
槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、溶液の色
がやや褐色を帯びて、黒い金属の析出もみられた。
【0075】実施例2 テトラモノエタノールアミン−パラジウム酢酸0.6
g、88%ケン化ポリピニルアルコール(平均重合度5
00)0.05g、ジエチレングリコール0.7g、2
−プロパノール15g、アルギニン0.0lgをとり水
を加えて100gとし、混合、溶解した。この溶液をポ
アサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過し
た。
【0076】この金属組成物を実施例1と同様に40℃
の恒温槽に一ケ月放置して安定性を評価したところ、金
属組成物溶液の色変化や金属の析出もなく、安定であっ
た。
【0077】比較例2 実施例2において、アルギニンを除いた以外は実施例2
と同様にして比較例2の金属組成物を調製した。この比
較例2の金属組成物を実施例2と同様にして40℃の恒
温槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、溶液の
色がやや褐色を帯びて、黒い金属の析出もみられた。
【0078】実施例3 テトラモノエタノールアミン−パラジウム酢酸1.0
g、80%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度3
00)0.lg、エチレングリコール1.5g、2−プ
ロパノール15g、チロシン0.05gをとり水を加え
て100gとし、混合、溶解した。この溶液をポアサイ
ズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過した。
【0079】この金属組成物を実施例1と同様に40℃
の恒温槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、金
属組成物溶液の色変化や金属の析出もなく、安定であっ
た。
【0080】比較例3 実施例3において、チロシンを除いた以外は実施例3と
同様にして比較例3の金属組成物を調製した。この比較
例3の金属組成物を実施例3と同様にして40℃の恒温
槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、溶液の色
がやや褐色を帯びて、黒い金属の析出もみられた。
【0081】実施例4 酢酸パラジウム−ビス(N,N−ジブチルエタノールア
ミン)1.0g、2−プロパノール15g、グリシン
0.05gをとり水を加えて100gとし、混合、溶解
した。この溶液をポアサイズ0.25μmのメンブレン
フィルターでろ過した。
【0082】この金属組成物を実施例1と同様に40℃
の恒温槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、金
属組成物溶液の色変化や金属の析出もなく、安定であっ
た。
【0083】比較例4 実施例4において、グリシンを除いた以外は実施例4と
同様にして比較例4の金属組成物を調製した。この比較
例4の金属組成物を実施例4と同様にして40℃の恒温
槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、溶液の色
がやや褐色を帯びて、黒い金属の析出もみられた。
【0084】実施例5 酢酸パラジウム−ジ(N−ジブチルエタノールアミン)
1.0g、2−プロパノール20g、チロシン0.05
gをとり水を加えて100gとし、混合、溶解した。こ
の溶液をポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルタ
ーでろ過した。この金属組成物を実施例1と同様に40
℃の恒温槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、
金属組成物溶液の色変化や金属の析出もなく、安定であ
った。
【0085】比較例5 実施例5において、グリシンを除いた以外は実施例5と
同様にして比較例5の金属組成物を調製した。この比較
例5の金属組成物を実施例5と同様にして40℃の恒温
槽に一ヶ月放置して安定性を評価したところ、溶液の色
がやや褐色を帯びて、黒い金属の析出もみられた。
【0086】実施例6 本発明にかかわる基本的な表面伝導型電子放出素子の構
成は、図1の電子放出素子と同様である。なお、図1と
同一の符号を用いたものは同一のものを示す。
【0087】以下、順を追って製造方法の説明を図1及
び図3に基づいて説明する。 工程−a 清浄化した青板ガラス1上に、素子電極のパターンをホ
トレジスト(RD−2000N−41、日立化成社製)
形成し、真空蒸着法により厚さ500ÅのPtを堆積し
た。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、堆積膜
をリフトオフし、素子電極間隔Lは30μmとした素子
電極2、3を形成した。さらに純水で洗浄した。
【0088】工程−b 素子電極2、3を形成した基体1に150℃で30分問
のO3アッシング処理を施した後、シリカゲルを乾燥剤
としたデシケータ中で、2日間放置した。
【0089】工程−c 実施例1の40℃にて一ヶ月放置した金属組成物の液滴
をバブルジェット方式のインクジェット装置(キヤノン
(株)製、バブルジェットプリンタヘッドBC−01を
使用)によって、工程−aで形成した素子電極及び素子
電極間に4回同箇所に付与した。
【0090】工程−d 工程−cで作成した試料を、350℃で30分間大気中
焼成した。こうして形成されたPdOからなる微粒子構
造の導電性薄膜を形成した。以上の工程により基体1上
に、素子電極2、3、導電性薄膜4などを形成した。
【0091】次に、工程−dを終えた本実施例の基体を
図7の真空処理装置に設置した。真空ポンプにて1×1
-8Torrの真空度まで排気した。図7の真空処理装
置について説明する。図7は真空処理装置の一例を示す
模式図であり、この真空処理装置はフォーミング工程、
活性化工程、安定化工程を行えるだけではなく、測定評
価装置としての機能をも兼ね備えている。図7において
も、図1に示した部位と同じ部位には図1に付した符号
と同一の符号を付している。
【0092】図7において、75は真空容器であり、7
6は排気ポンプである。真空容器75内には電子放出素
子が配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する
基体であり、2及び3は素子電極、4は導電性薄膜、5
は電子放出部である。71は電子放出素子に素子電圧V
fを印加するための電源、70は素子電極2、3間の導
電性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流
計、74は素子の電子放出部より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極である。73はアノー
ド電極74に電圧を印加するための高圧電源、72は素
子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定す
るための電流計である。一例として、アノード電極の電
圧をlkV〜10kVの範囲とし、アノード電極と電子
放出素子との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定
を行うことができる。また、77は活性化工程を行う際
に使用する有機ガス発生源である。
【0093】真空容器75内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ76は、ターボポンプ、ドライポン
プ、イオンポンプ等からなる超高真空装置系により構成
した。ここに示した電子源基体を配した真空処理装置の
全体は、不図示のヒーターにより350℃まで加熱でき
る。
【0094】工程−e つづいて、図7の真空処理装置内でフォーミング工程を
施した。素子電極2、3間に通電を行うと、導電性薄膜
4の部位に亀裂が形成された。通電フォーミングの電圧
波形はパルス波形で、パルス波高値を0Vから0.lV
ステップで増加させる電圧パルスを印加した。電圧波形
のパルス幅とパルス間隔はそれぞれlmsec、10m
secとした矩形波とした。通電フォーミング処理の終
了は、導電性薄膜の抵抗値がlMΩ以上とした。
【0095】図4に本実施例で用いたフォーミング波形
を示す。なお、素子電極2、3において、一方の電極を
低電位として他方を高電位側として電圧は印加される。
【0096】工程−f フォーミングを終えた素子には活性化工程と呼ばれる処
理を行った。活性化工程とはフォーミングで形成した高
抵抗部に炭素及び炭素化合物を形成することで、素子電
流If、放出電流Ieが著しく変化する工程である。
【0097】活性化工程は、アセトンガスを測定装置に
1×10-3Torr導入し、パルス波高値15V、パル
ス幅lmsec、パルス間隔10msecとした矩形波
のパルスの印加を20分繰返した。
【0098】図5に活性化工程で用いたパルス波形を示
す。本実施例では、素子電極2、3に対して交互に低、
高電位がパルス間隔毎に入れ替わるように印加した。
【0099】工程−g つづいて、安定化工程を行った。安定化工程は、真空容
器内の雰囲気などに存在する有機ガスを排気し、炭素あ
るいは炭素化合物の堆積を抑制し、素子電流If、放出
電流Ieを安定させる工程である。真空容器全体を25
0℃加熱して、真空容器内壁や電子放出素子に吸着した
有機物質分子を排気した。このとき、真空度はl×10
-8Torrであった。
【0100】その後、この真空度で電子放出素子の電子
放出特性を測定したところ、素子電流If2.2mA、
放出電流Ie2.9μAであった。
【0101】比較例6 実施例6の工程−cにおいて、実施例1の金属組成物の
替わりに比較例1の40℃にて一ヶ月放置した金属組成
物を使用した以外は実施例6と同様にして比較例6の表
面伝導型電子放出素子を作製した。この電子放出素子の
電子放出特性を測定したところ、放出電流は観測できな
かった。そこで素子の導電性薄膜部を光学顕微鏡で観察
したところ、数μmから十数μmの凝集物が存在し、不
均一な膜となっていた。
【0102】実施例7 本実施例は、画像形成装置を作成した例である。電子源
の一部の平面図を図8(a)に示す。また、一部の素子
の断面図を図8(b)に示す。図において、91は基
体、98はDxnに対応する行方向配線、99はDyn
に対応する列方向配線、94は導電性薄膜、92、93
は素子電極、97は層間絶縁層である。本実施例の画像
形成装置は図6と同様であるが、リアプレートとして基
体を用いた。図9は、NTSC方式のテレビ信号に基づ
いたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成例で
ある。
【0103】次に、製造方法を工程順に従って具体的に
説明する。 工程−1:清浄化した青板ガラス基体1上に素子電極9
2、93をオフセット印刷法によって作成した。素子電
極間隔Lは20μm、素子電極の幅Wを125μmとし
た。
【0104】工程−2:列配線をスクリーン印刷法で作
成した。次に、厚さ1.0μmの層間絶縁層51をスク
リーン印刷法により作成した。さらに、行配線を印刷し
た。
【0105】工程−3:工程−2で作成した基体を80
℃の温水洗浄後、シリカゲルを乾燥剤としたデシケータ
中で2日間放置した。
【0106】工程−4:実施例2の40℃にて一ヶ月放
置した金属組成物の液滴をピエゾジェット法と呼ばれる
インクジェット法によって、各素子電極及び素子電極間
に4回同箇所に付与し、350℃で30分間大気中焼成
して導電性薄膜を形成した。
【0107】工程−5:次にフェースプレートを形成し
た。フェースプレートは、ガラス基体の内面に蛍光体が
配置された蛍光膜とメタルバックが形成されて構成とし
た。蛍光体の配列は、三原色蛍光体の各蛍光体間ブラッ
クストライプを設けた。ブラックストライプの材料とし
ては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料を用
いた。これらは、いずれもスクリーン印刷法によって形
成した。
【0108】工程−6:工程−1〜4で形成した基体を
リアプレートとして、支持枠を介してフェースプレート
を封着した。支持枠には予め通排気に使用される排気管
を接着した。
【0109】工程−7:1×10-7Torrまで排気
後、各配線Dxn、Dymより各素子に電圧を供給でき
る製造装置で、ライン毎にフォーミングを行った。フォ
ーミングの条件は、実施例6と同様である。
【0110】工程−8:1×10-7Torrまで排気
後、アセトンを10-3Torrまで排気管から導入し、
各配線Dxn、Dymより各素子に電圧を供給できる製
造装置で、線順走査を実施例6と同様のパルス電圧が各
素子に印加されるように電圧を印加し、活性化工程を行
った。各ライン25分間の電圧印加されたとき、各ライ
ンとも素子電流が平均で3mAになったとき、活性化工
程を終了した。
【0111】工程−9:続いて、排気管より排気を充分
に行った後、250℃で3時間容器全体を加熱しながら
排気した。最後にゲッタをフラッシュし、排気管を封止
した。
【0112】以上のようにして作成した単純マトリクス
配列の電子源を用いて構成した画像形成装置に、NTS
C方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う
ための駆動回路の構成例について、図9を用いて説明す
る。
【0113】図9において、101は画像表示表示パネ
ル、102は走査回路、103は制御回路、104はシ
フトレジスタである。105はラインメモリ、106は
同期信号分離回路、107は変調信号発生器、Vxおよ
びVaは直流電圧源である。なお、本実施例では、m=
150、n=450とした。
【0114】表示パネル101は、端子Doxl〜Do
xm、端子Doy1〜Doyn、及び高圧端子Hvを介
して外部の電気回路と接続している。端子Doxl〜D
oxmには、表示パネル内に設けられている電子源、即
ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された電子放出
素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号
が印加される。
【0115】端子Dyl〜Dynには、前記走査信号に
より選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電子
ビームを制御する為の変調信号が印加される。高圧端子
Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流
電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出され
る電子ビームに蛍光体を励起するのに充分なエネルギー
を付与する為の加速電圧である。
【0116】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、Sl〜Smで模式的に示している)ある。各スイッ
チング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V
(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネ
ル101の端子Doxl〜Doxmと電気的に接続され
る。Sl〜Smの各スイッチング素子は、制御回路10
3が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するも
のであり、例えばFETのようなスイッチング素子を組
み合わせることにより構成することができる。
【0117】直流電圧源Vxは、本例の場合には電子放
出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき、走査
されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しき
い値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定
されている。
【0118】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信
号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよび
Tmryの各制御信号を発生する。
【0119】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分
離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表
した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力さ
れる。
【0120】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであると言うこともでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Idl〜IdnのN個の並列信号として前記シフト
レジスタ104より出力される。
【0121】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Idl〜Idnの内容を記憶する。記憶された
内容は、I′dl〜I′dnとして出力され、変調信号
発生器107に入力される。変調信号発生器107は、
画像データI′dl〜I′dnの各々に応じて電子放出
素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、そ
の出力信号は、端子Doy1〜Doynを通じて表示パ
ネル101内の電子放出素子に印加される。
【0122】ここでは、パルス幅変調方式によって変調
を行った。パルス幅変調方式を実施するに際しては、変
調信号発生装置107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0123】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶
が所定の速度で行われれば良いからである。
【0124】このような駆動回路により、表示パネルの
各電子放出素子に、容器外端子Doxl〜Doxm、D
oy1〜Doynを介して電圧を印加することにより、
電子放出が生ずる。
【0125】高圧端子Hvを介してメタルバック55に
高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子
は蛍光膜54に衝突し、発光が生じて画像が形成され
る。以上のような工程によって、輝度のバラツキが少な
く安定な画像形成装置を再現性良く製造することができ
る。
【0126】比較例7 実施例7の工程4において、実施例2の金属組成物の替
わりに比較例2の40℃にて一ヶ月放置した金属組成物
を使用した以外は実施例7と同様にして比較例7の画像
形成装置を作製することを試みたが、ピエゾジェットの
液滴吐出ノズルから液滴を吐出することができなかっ
た。
【0127】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、時
間経過に伴って発生する一座配位子金属錯体からの配位
子脱離による金属の析出を防止することが可能となり、
一座配位子金属錯体を安定化した金属組成を提供するこ
とができる。
【0128】従ってこのような安定化された電子放出素
子製造用金属組成物を加熱焼成することにより、長期間
にわたって均一な導電性薄膜を形成することが可能であ
る。
【0129】更に、金属組成物をインクジエツト方式を
用いて付与する場合においても、長期間にわたってイン
クジエツト装置の微細なオリフィスをふさぐこともなく
液滴を吐出可能であるため、表面伝導型電子放出素子の
電子放出部形成用薄膜の製造工程に有効である。
【0130】以上のように本発明は、長期間にわたって
特性の安定した電子放出素子、表示素子、画像形成装置
を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の概略の構成を示す概略
図である。
【図2】本発明の電子放出素子の他の概略の構成を示す
概略図である。
【図3】本発明の製造方法を示す工程図である。
【図4】実施例6で用いた通電フォーミング波形を示す
図である。
【図5】実施例6の活性化工程で用いたパルス波形を示
す図である。
【図6】本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【図7】実施例6で用いた真空処理装置を示す概略図で
ある。
【図8】実施例7での電子源の一部を示す概略図であ
る。
【図9】実施例7でのテレビジョン表示を行うための駆
動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】従来の電子放出素子を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基体 2、3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 50 外囲器 60 電子放出素子 61 リアプレート 62 支持枠 63 ガラス基体 64 蛍光膜 65 メタルバック 66 フェースプレート 67 電子源基体 68 行方向配線 69 列方向配線 70 電流計 71 電源 72 電流計 73 高圧電源 74 アノード電極 75 真空容器 76 排気ポンプ 77 有機ガス発生源 91 基体 92、93 素子電極 94 導電性薄膜 97 層間絶縁層 98 Dxnに対応する行方向配線 99 Dynに対応する列方向配線 10l 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 Vx、Va 直流電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07C 215/08 C07C 215/08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を主成分とし、一座配位子金属錯体を
    含有する金属組成物において、アミノ酸を含有すること
    を特徴とする一座配位子金属錯体を安定化した金属組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記の一座配位子金属錯体が白金族元素
    の水溶性有機金属化合物である請求項1記載の金属組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記の水溶性有機金属化合物が、パラジ
    ウムと酢酸基とエタノールアミンとを含有する請求項2
    記載の金属組成物。
  4. 【請求項4】 前記の金属組成物が部分エステル化ポリ
    ビニルアルコールを含有する請求項1乃至3のいずれか
    の項に記載の金属組成物。
  5. 【請求項5】 前記の金属組成物が水溶性多価アルコー
    ルを含有する請求項1乃至3のいずれかの項に記載の金
    属組成物。
  6. 【請求項6】 前記の金属組成物が一価アルコールを含
    有する請求項1乃至3のいずれかの項に記載の金属組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の金属
    組成物からなる電子放出素子製造用金属組成物。
  8. 【請求項8】 対向する電極間に電子放出部を有する表
    面伝導型電子放出素子で、電子放出材料を含む金属組成
    物を基板に付与する工程と前記の金属組成物を付与され
    た基板を加熱焼成する工程とを経て電子放出部を形成す
    る表面伝導型電子放出素子の製造方法において、前記金
    属組成物に請求項1乃至6のいずれかに記載の金属組成
    物を用いることを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記の金属組成物を基板に付与する工程
    が、前記金属組成物の液滴を基板に付与する工程である
    請求項8記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記の液滴付与手段がインクジェット
    方式である請求項9記載の電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記のインクジェット方式がバブルジ
    ェット方式である請求項10記載の電子放出素子の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至11のいずれかに記載の
    製造方法に従い製造されたことを特徴とする電子放出素
    子。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の電子放出素子を用い
    たことを特徴とする表示素子。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の電子放出素子を用い
    たことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008537947A (ja) * 2005-04-07 2008-10-02 コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジイ 揮発性ニッケルアミノアルコキシド錯体及びそれを用いたニッケル薄膜の蒸着法

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JP4700103B2 (ja) * 2005-04-07 2011-06-15 コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジイ 揮発性ニッケルアミノアルコキシド錯体及びそれを用いたニッケル薄膜の蒸着法

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