JP2000203016A - インクジェットヘッドの駆動装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動装置

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JP2000203016A
JP2000203016A JP1127199A JP1127199A JP2000203016A JP 2000203016 A JP2000203016 A JP 2000203016A JP 1127199 A JP1127199 A JP 1127199A JP 1127199 A JP1127199 A JP 1127199A JP 2000203016 A JP2000203016 A JP 2000203016A
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jet head
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Shinji Tanaka
田中  慎二
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 静電気型インクジェットヘッドを駆動する駆
動装置の電気素子部品を駆動電圧を下げることなく、部
品コストを低減する。 【解決手段】 第1実施例)インク滴を吐出させるとき
に、第1の電極46と第2の電極50とに符号の異なる
電位を与えるドライバ回路71、72を備えた。 第2実施例)第1電極46に与える電位の大きさと第2
電極に与える電位の大きさが略同じである構成とした。 第3実施例)インク滴を吐出するときのみ第1電極及び
第2電極50にGND電位と異なる電位を与える構成と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッドの
駆動装置に関し、特に静電気力を用いるインクジェット
ヘッドの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェ
ット記録装置において使用するインクジェットヘッド
は、インク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連
通する吐出室(圧力室、加圧液室、液室、インク流路等
とも称される。)と、この吐出室内のインクを加圧する
エネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えて、
エネルギー発生手段を駆動することで吐出室内インクを
加圧してノズル孔からインク滴を吐出させるものであ
り、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク
・オン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】従来、吐出室内のインクを加圧するエネル
ギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素子を
用いて吐出室の壁面を形成する振動板を変形させて吐出
室内容積を変化させてインク滴を吐出させるようにした
もの(特開平2−51734号公報参照)、或いは、発
熱抵抗体を用いて吐出室内でインクを加熱して気泡を発
生させることによる圧力でインク滴を吐出させるように
したもの(特開昭61−59911号公報参照)などが
知られている。
【0004】しかしながら、上述した従来のインクジェ
ットヘツドのうち、前者の圧電素子を用いる方式におい
ては、吐出室に圧力を生じさせるために振動板に圧電素
子のチップを貼り付ける工程が複雑であり、特にインク
ジェット記録装置では高速、高印字品質が求められてき
ており、これに対応するためにはマルチノズル化、ノズ
ルの高密度化が不可欠であるが、圧電素子を微細に加工
し、多数の圧電素子を振動板に接着することは、極めて
煩雑で多くの時間がかかる。しかも、高密度化の結果、
圧電素子を幅数十〜百数十μmで加工する必要が生じて
きているが、従前の機械加工における寸法、形状精度で
は加工品質にばらつきが発生するために印字品質のばら
つきが大きくなる。
【0005】また、後者のインクを加熱する方式におい
ては、圧電素子を用いる場合の問題は生じないものの、
発熱抵抗体の急速な加熱、冷却の繰り返し、気泡消滅時
の衝撃によって、発熱抵抗体がダメージを受けるため
に、総じてインクジェットヘッドの寿命が短くなる。
【0006】そこで、こうした問題を解決するものとし
て、特開平6−71882号公報に記載されているよう
に、インク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連
通する吐出室と、この吐出室の少なくとも一つの壁面を
形成する振動板となる第1の電極と、この第1の電極に
対向配置した第2の電極とを有し、第1の電極を第2の
電極との間で発生させる静電気力によって変形させて吐
出内容積を変化させてインク滴を吐出する静電気力型イ
ンクジェットヘッドが提案されており、この静電気力を
用いる方式にあっては、小型、高密度、高印字品質及び
長寿命を達成できるという利点がある。
【0007】ところで、従来の静電気力型インクジェッ
トヘッドの駆動装置にあっては、図11に示すように、
GND及び正の電圧Vccに接続したドライバ回路10
0を用いてインクジェットヘッドの第1の電極101及
び第2の電極102間に電圧を印加するようにし、例え
ば、図12(a)に示すように第1の電極101は常に
GND電位を与え、同図(b)に示すように第2の電極
102には制御信号(印字データ)に応じてインク滴を
吐出しないとき(非インク滴吐出時)はGND電位を与
え、インク滴を吐出させるとき(インク滴吐出時)はイ
ンク滴吐出に必要な電位V0が得られる正の矩形波電位
(+V0)を与える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、静電気力型
インクジェットヘッドを駆動する駆動装置においては、
インク滴吐出時の第1の電極(振動板)と第2の電極と
の電位差(駆動電圧)の大きさに応じてヘッド周辺の電
気素子部品の仕様が決まり、駆動電圧を大きくすると、
電気素子部品としても耐圧の高いものを使用しなければ
ならず、部品コストも高くなる。
【0009】この場合、ヘッドの駆動電圧を小さくする
ためには、振動板(第1の電極)の厚みを薄くし、振動
板の短辺を長くし、第1の電極と第2の電極との間のギ
ャップを狭くすればよいのであるが、現実には、インク
滴吐出圧力、集積度、製造技術、振動板の必要変位量な
どの制約によって駆動電圧を小さくするにも限界があ
る。
【0010】この結果、駆動電圧の大きさに応じて電気
素子部品を選択しなければならないので、部品コストは
駆動電圧の大きさで決まり、部品コストを下げることが
困難である。
【0011】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、駆動電圧を下げることなくヘッド周辺の電気素
子部品の部品コストを低減することを目的として、より
個別的には、請求項1の発明は駆動電圧を下げることな
くヘッド周辺の電気素子部品の部品コストを低減し、請
求項2の発明は請求項1の発明よりも更に部品コストを
低減し、請求項3の発明は消費電力の低減を図り、請求
項4の発明はマルチヘッドにおけるインク滴吐出安定性
を向上することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドの駆動装置は、イ
ンク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する
吐出室と、この吐出室の少なくとも一つの壁面を形成す
る振動板となる第1の電極と、この第1の電極に対向配
置した第2の電極とを有し、前記第1の電極を第2の電
極との間で発生させる静電気力によって変形させて前記
インク滴を吐出させるインクジェットヘッドの駆動装置
において、インク滴を吐出させるときに、前記第1の電
極と第2の電極とに符号の異なる電位を与える手段を備
えた構成とした。
【0013】請求項2のインクジェットヘッドの駆動装
置は、上記請求項1のインクジェットヘッドの駆動装置
において、前記第1の電極に与える電位の大きさと前記
第2の電極に与える電位の大きさが略同じである構成と
した。
【0014】請求項3のインクジェットヘッドの駆動装
置は、上記請求項1又は2のインクジェットヘッドの駆
動装置において、インク滴を吐出するときにのみ前記第
1の電極及び第2の電極にGND電位と異なる電位を与
える構成とした。
【0015】請求項4のインクジェットヘッドの駆動装
置は、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット
ヘッドの駆動装置において、少なくとも1つのノズル孔
からインク滴を吐出させるときに、インク滴を吐出させ
ないノズル孔に対応する1又は複数の第2の電極に対し
てGND電位と異なる電位を与える構成とした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェットヘッドの駆動装置を備えたインクジェット記録装
置の機構部を示す概略構成図である。
【0017】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、装置本
体1の下方部には前方側から多数枚の用紙3を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)4を抜
き差し自在に装着することができ、給紙カセット4から
給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所
要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ
6に排紙する。
【0018】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架した主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とで
キャリッジ13を主走査方向(図1で紙面垂直方向)に
摺動自在に保持し、このキャリッジ13の下面側にはイ
エロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラッ
ク(Bk)の各色のインク滴を吐出するノズルを有する
静電気力型インクジェットヘッドからなる記録ヘッド1
4をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッ
ジ5の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給す
るための各インクタンク(インクカートリッジ)15を
交換可能に装着している。
【0019】なお、記録ヘッド14としては、各色のイ
ンク滴を吐出する複数個のヘッドを主走査方向に並べて
配置したものでも、或いは、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドを用いたものでもよい。
【0020】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセ
ット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフ
リクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材
23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ロ
ーラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられ
る搬送コロ25及び搬送ローラ15からの用紙3の送り
出し角度を規定する搬送コロ26とを設けている。
【0021】そして、キャリッジ5の主走査方向の移動
範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3
を記録ヘッド4の下方側で案内する用紙ガイド部材であ
る印写受け部材27を設けている。
【0022】この印写受け部材27の用紙搬送方向下流
側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動さ
れる搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排
紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、
排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設して
いる。
【0023】ここで、記録ヘッド14を構成している静
電気力型インクジェットヘッドについて図2乃至図4を
参照して説明する。なお、図2は静電気力型インクジェ
ットヘッドの基本構成を説明する振動板短辺方向の要部
断面説明図、図3は同ヘッドの振動板長辺方向の断面説
明図、図4は同ヘッドの第3基板から見た平面説明図で
ある。
【0024】このインクジェットヘッドは、Si基板等
からなる第1の基板41と、この第1の基板41の上側
に設けた第2の基板42と、第1の基板41の下側に設
けたパイレックスガラス基板等からなる第3の基板(電
極基板)43等とを備え、複数のノズル孔44と、この
ノズル孔44が連通する液室45とを形成している。
【0025】第1の基板41には、液室45を形成する
と凹部47と、液室45の底部となりその壁面を形成す
る変形可能な振動板(第1の電極)46を形成してい
る。本実施形態においては、振動板46の大きさは、2
00μm(短辺)×3mm(長辺)×5μm(膜厚)と
している。
【0026】また、第2の基板42にはノズル孔44
と、液室45を形成する凹部48と、共通液室と液室4
5とを連通するインク供給路49とを形成している。更
に、第3の基板43には振動板46に所定のギャップ
(ここでは、1μmとしている。)を置いて対向する第
2の電極50(Ni膜)を設け、この第2の電極50と
第1の電極である振動板46によってアクチュエータ部
を構成する。
【0027】このインクジェットヘッドにおいては、第
1の電極である振動板46と第2の電極50との間に駆
動電圧を印加することによって静電気力によって振動板
46が変形して、液室45の内容積が変化することによ
ってノズル孔44からインク滴が吐出される。
【0028】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図5を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)60と、必要な固定
情報を格納したROM61と、ワーキングメモリ等とし
て使用するRAM62と、画像情報を処理したデータを
格納する画像メモリ63と、パラレル入出力(PIO)
ポート64と、入力バッファ65と、ゲートアレー(G
A)或いはパラレル入出力(PIO)ポート66と、ヘ
ッド駆動回路68及びドライバ69等を備えている。
【0029】ここで、PIOポート64にはホスト側か
らの画像情報の他、両面印刷を行うか否かを示す情報、
用紙の種別を示す情報、図示しない操作パネルからの各
種指示情報、キャリッジ13のホームポジション(基準
位置)を検知するホームポジションセンサ等の各種セン
サからの信号等が入力され、またこのPIOポート64
を介してホスト側や操作パネル側に対して所要の情報が
送出される。
【0030】また、ヘッド駆動回路68は、PIOポー
ト66を介して与えられる各種データ及び信号に基づい
て、記録ヘッド(インクジェットヘッド)14の各ノズ
ルに対応する第1の電極(振動板)46と第2の電極5
0の内の画像情報に応じた駆動ノズル(インク滴を吐出
させるノズル)の第2の電極50に対して所要の駆動波
形を印加する。
【0031】このヘッド駆動回路68は、図6に示すよ
うに1つのノズル孔44に対応する第1の電極(振動
板)46及び第2の電極50からなるアクチュエータに
対して2つのドライバ回路71、72を備えている。ド
ライバ回路71には電源電圧−Vccを給電すると共に
他方をGNDに接続して、印写データに応じてアクチュ
エータの第1の電極46に対して所定の電位を与える。
ドライバ回路72には電源電圧+Vccを給電すると共
に他方をGNDに接続して、印写データに応じてアクチ
ュエータの第2の電極50に対して所定の電位を与え
る。
【0032】さらに、ドライバ69は、PIOポート6
6を介して与えられる駆動データに応じてキャリッジ1
3を主走査方向に走査させるモータ73、搬送ローラ2
4を用紙搬送方向(副走査方向)に回転させるモータ7
4を各々駆動制御する。
【0033】次に、以上のように構成したインクジェッ
ト記録装置におけるヘッド駆動について図7をも参照し
て説明する。本実施形態の静電力型インクジェットヘッ
ドにおいて600dpi程度のインク滴吐出量を得るに
は、振動板46を0.13μm程度変位させる必要があ
り、このためには第1の電極(振動板46)と第2の電
極50との間に印加する駆動電圧の大きさとしては10
0V程度必要になる。
【0034】ここで、図6に示すヘッド駆動回路68の
ドライバ回路71から図7(a)に示すようにアクチュ
エータの第1の電極46に対して電位−V1を与える。
一方、ドライバ回路72から第2の電極50に対して与
える電位を同図(b)に示すように時間T1〜T4で変
化させた場合、インク滴が吐出されるために必要な駆動
電圧をV0としたとき、第1の電極46に与える電位−
V1との電位差がV0以上になるのは、第1の電極46
に与える電位と符号の異なる電位+(V0−V1)を与
える時間T3の間のみである。
【0035】この時間T3においては第1、第2の電極
46、50に与える電位の符号が異なることから駆動電
圧は電位差V0以上になるが、それぞれの第1、第2の
電極46、50に与える電位の絶対値は電位差V0より
小さくなる。したがって、ヘッドの周辺の電気素子部品
の耐圧は小さくて済み、電気素子部品の部品コストを下
げることができる。
【0036】これを確認するため、図11に示す従来の
駆動装置によって図12に示すように第1の電極46は
GND電位とし、第2の電極50に対して、インク滴吐
出時に、12kHz、20μsec幅、トランジション0
%、+100Vの矩形波電圧を与え、インク滴非吐出時
はGND電位を駆動電圧として与えた。
【0037】一方、本実施形態の駆動装置によって図7
に示す(同図(b)の時間T3の部分)ように、第1の
電極46に−35Vの電位を与え、第2の電極50に対
して、インク滴吐出時に、12kHz、20μsec幅、
トランジション0%、+65Vの矩形波を与え、インク
滴非吐出時はGND電位とする駆動電圧を与えた。この
場合、ドライバ回路71には常時−35Vの電圧を出力
させる印写データを与え、ドライバ回路72にはインク
滴吐出に応じた印写データを与えることによって、イン
ク滴吐出時に+65Vの電圧を出力させる。
【0038】この結果、いずれの駆動装置によっても振
動板46には同等の変位出力が得られ、インク滴を吐出
することができた。この場合、本実施形態では従来装置
と異なって2つのドライバ回路を用いているが、ドライ
バ回路自体もより安価のものを用いることができ、さら
に周辺の電気素子部品としても耐圧の小さい安価なもの
を用いることができて、全体として従来装置よりも2/
3程度にコストを低減することができた。
【0039】次に本発明の第2実施形態について図8を
も参照して説明する。なお、インクジェット記録装置の
制御部及びヘッド駆動回路の構成は上記第1実施形態と
同様である。
【0040】この実施形態においては、インクジェット
ヘッドのアクチュエータの第1の電極46、第2の電極
50に対して符号の異なる絶対値が同じ電位を印加して
いる。すなわち、同図(a)に示すようにドライバ回路
71から常時第1の電極46に対して−V2の電位を与
え、同図(b)に示すようにドライバ回路72からイン
ク滴を吐出させるノズル孔44に応じた印写データに応
じてインク滴吐出時に第2の電極50に対して+V2の
電位を与えている(2*V2=V0、V0はインク滴吐
出に必要な駆動電圧)。
【0041】例えば、第1の電極46に対して−50V
の電位を与え、第2の電極50に対して、インク滴吐出
時に、12kHz、20μsec幅、トランジション0
%、+50Vの矩形波を与え、インク滴非吐出時はGN
Dとして駆動電圧を与えることによって、第1の電極4
6と第2の電極50との間に駆動電圧100Vを与える
ことができる。
【0042】したがって、上記第1実施形態と比べた場
合、同実施形態では耐圧65Vの電気素子部品が必要で
あるのに対して、第2実施形態では耐圧50Vの電気素
子部品を用いることができ、部品コストは更に下がるこ
とになる。
【0043】このように第1の電極及び第2の電極に符
号の異なる大きさの略同じ電位を与えることによって、
第1の電極及び第2の電極の大きい方の電位を最小にす
ることができ、ヘッド周辺の電気素子部品の耐圧を最も
小さくすることができて、さらにコストを低減すること
ができる。
【0044】次に本発明の第3実施形態について図9を
も参照して説明する。なお、インクジェット記録装置の
制御部及びヘッド駆動回路の構成は上記第1実施形態と
同様である。
【0045】この実施形態においては、インクジェット
ヘッドのアクチュエータの第1の電極46、第2の電極
50に対して符号の異なる絶対値が同じ電位を、インク
滴吐出時のみ印加している。すなわち、同図(a)に示
すようにドライバ回路71からインク滴を吐出させるノ
ズル孔44に応じた印写データに応じてインク滴吐出時
に第1の電極46に対して−電位を与え、同図(b)に
示すようにドライバ回路72からインク滴を吐出させる
ノズル孔44に応じた印写データに応じてインク滴吐出
時に第2の電極50に対して+電位を与えている。な
お、この場合、第1、第2の電極46、50に与える電
位の大きさは前記第1実施形態、第2実施形態のいずれ
でもよいが、ここでは第2実施形態によっている。
【0046】例えば、第1の電極46に対してインク滴
吐出時に、12kHz、20μsec幅、トランジション
0%、−50Vの矩形波を与え、インク滴非吐出時はG
NDとし、第2の電極50に対して、インク滴吐出時
に、12kHz、20μsec幅、トランジション0%、
+50Vの矩形波を与え、インク滴非吐出時はGNDと
して駆動電圧を与えることによって、第1の電極46と
第2の電極50との間に駆動電圧100Vを与えること
ができる。
【0047】これを上記第2実施形態と比べた場合、上
記第2実施形態では電気素子部品の耐圧は連続使用時の
値を見る必要があったが、インク滴吐出時のみ第1、第
2の電極に電圧を印加することにより、連続駆動ではな
いために、電気素子部品の定格を落としつつ、上記第
1、第2実施形態と同等の振動板変位を得ることができ
る。
【0048】このように第1の電極及び第2の電極に符
号の異なる電位をインク滴吐出時のみ与えることによっ
て、第1の電極及び第2の電極に対する電圧印加時間が
短くなって消費電力を抑えることができる。また、この
ときアクチュエータは連続駆動ではないので、電気素子
部品の定格を落とすことができて、部品コストを更に下
げることができる。
【0049】次に、本発明の第4実施形態について図1
0を参照して説明する。なお、インクジェット記録装置
の制御部及びヘッド駆動回路の構成は上記第1実施形態
と同様である。
【0050】この実施形態においては、インクジェット
ヘッドのアクチュエータの第1の電極46、第2の電極
50に対して符号の異なる絶対値が同じ電位を、インク
滴吐出時のみ印加すると共に、インク滴非吐出時には、
第1、第2の電極46、50に同じ符号の電位を与える
ようにしている。
【0051】すなわち、各ノズル孔44に対応するすべ
ての第1の電極46には共通電極としてドライバ回路7
1からインク滴を吐出させるタイミングで−電位を与え
る。したがって、着目するノズル孔44に対応する第1
の電極46にも同図(a)に示すように、ドライバ回路
71からインク滴を吐出させるタイミングで−電位が与
えられる。
【0052】一方、着目するノズル孔44に対応する第
2の電極50には、インク滴を吐出するときに同図
(b)に示すようにドライバ回路72から上記第3実施
形態と同様に+電位を与える(同図のインク滴吐出のタ
イミング)。これと共に、着目するノズル孔44がイン
ク滴を吐出しない非駆動ノズルになるときには、他の駆
動ノズルのインク滴吐出タイミングで、第1の電極46
と同様にドライバ回路71から−電位を与えるようにす
る(同図の他のアクチュエータ駆動時のタイミング)。
【0053】例えば、少なくとも1つのアクチュエータ
を駆動するときには、すべての第1の電極46に対し
て、12kHz、20μsec幅、トランジション0%、
−50Vの矩形波を与え、すべてのアクチュエータが非
駆動のときには、第1の電極46はGNDとする。ま
た、着目するアクチュエータの駆動時に、当該第2の電
極50に対して、12kHz、20μsec幅、トランジ
ション0%、+50Vの矩形波を与え、他の非駆動のア
クチュエータの第2の電極50に対しては、12kH
z、20μsec幅、トランジション0%、−50Vの矩
形波を与え、すべてのアクチュエータが非駆動ノズルの
ときにはすべての第2の電極50をGNDにする。
【0054】このように少なくとも1つのノズル孔から
インク滴を吐出させるときに、インク滴を吐出させない
ノズル孔(非駆動ノズル)に対応する第2の電極に対し
てGND電位と異なる電位を与えることにより、非駆動
ノズルのノズル孔内のメニスカス振動が防止され、イン
ク滴吐出を引き起こすことが防止されて、安定した動作
を行うことができる。
【0055】この場合、非駆動ノズルの内の駆動ノズル
(着目するアクチュエータ)に隣接する1又は複数の非
駆動ノズルの第2の電極にのみGNDと異なる電位を与
えるようにすることもできる。このようにすれば、消費
電力を低減しつつ、非駆動ノズルのメニスカス面の振動
を防止することができる。
【0056】なお、本発明に係る静電型インクジェット
ヘッドの構成は上記実施例のものに限定されない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドの駆動装置によれば、インク滴を吐出す
るノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室と、この
吐出室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板となる
第1の電極と、この第1の電極に対向配置した第2の電
極とを有し、第1の電極を第2の電極との間で発生させ
る静電気力によって変形させてインク滴を吐出させるイ
ンクジェットヘッドの駆動装置において、インク滴を吐
出させるときに、第1の電極と第2の電極とに符号の異
なる電位を与える手段を備えたので、駆動電圧を下げる
ことなくヘッド周辺の電気素子部品に要求される耐圧を
下げることができ、部品コストを低減できる。
【0058】請求項2のインクジェットヘッドの駆動装
置によれば、上記請求項1のインクジェットヘッドの駆
動装置において、第1の電極に与える電位の大きさと第
2の電極に与える電位の大きさが略同じである構成とし
たので、更に部品コストを低減することができる。
【0059】請求項3のインクジェットヘッドの駆動装
置によれば、上記請求項1又は2のインクジェットヘッ
ドの駆動装置において、インク滴を吐出するときにのみ
第1の電極及び第2の電極にGND電位と異なる電位を
与える構成としたので、部品コストを更に低減できると
共に、消費電力を少なくすることができる。
【0060】請求項4のインクジェットヘッドの駆動装
置によれば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジ
ェットヘッドの駆動装置において、少なくとも1つのノ
ズル孔からインク滴を吐出させるときに、インク滴を吐
出させないノズル孔に対応する1又は複数の第2の電極
に対してGND電位と異なる電位を与える構成としたの
で、非駆動ノズルのメニスカス振動を抑制して安定した
インク滴吐出動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの駆動装置
を備えたインクジェット記録装置の機構部を示す概略構
成図
【図2】同記録装置の記録ヘッドを構成する静電気力型
インクジェットヘッドの基本構成を説明する要部断面説
明図
【図3】図2の要部側面断面説明図
【図4】図2の要部平面説明図
【図5】同記録装置の制御部の概略を示すブロック図
【図6】同制御部のヘッド駆動回路を示すブロック図
【図7】同記録装置における本発明の第1実施形態を説
明する説明図
【図8】同記録装置における本発明の第2実施形態を説
明する説明図
【図9】同記録装置における本発明の第3実施形態を説
明する説明図
【図10】同記録装置における本発明の第3実施形態を
説明する説明図
【図11】従来のインクジェットヘッドの駆動装置のヘ
ッド駆動回路を説明するブロック図
【図12】同従来のヘッド駆動回路による電位の印加の
説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、41…第1の基
板、42…第2の基板、43…第3の基板、44…ノズ
ル孔、45…液室、46…振動板(第1の電極)、50
…第2の電極、68…ヘッド駆動回路、71、72…ド
ライバ回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室の少なくとも一
    つの壁面を形成する振動板となる第1の電極と、この第
    1の電極に対向配置した第2の電極とを有し、前記第1
    の電極を第2の電極との間で発生させる静電気力によっ
    て変形させて前記インク滴を吐出させるインクジェット
    ヘッドの駆動装置において、インク滴を吐出させるとき
    に、前記第1の電極と第2の電極とに符号の異なる電位
    を与える手段を備えたことを特徴とするインクジェット
    ヘッドの駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の駆動装置において、前記第1の電極に与える電位の大
    きさと前記第2の電極に与える電位の大きさが略同じで
    あることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドの駆動装置において、インク滴を吐出するときに
    のみ前記第1の電極及び第2の電極にGND電位と異な
    る電位を与えることを特徴とするインクジェットヘッド
    の駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドの駆動装置において、少なくとも1つ
    のノズル孔からインク滴を吐出させるときに、インク滴
    を吐出させないノズル孔に対応する1又は複数の第2の
    電極に対してGND電位と異なる電位を与えることを特
    徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
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