JP2000202508A - 固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法 - Google Patents

固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法

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JP2000202508A
JP2000202508A JP31671099A JP31671099A JP2000202508A JP 2000202508 A JP2000202508 A JP 2000202508A JP 31671099 A JP31671099 A JP 31671099A JP 31671099 A JP31671099 A JP 31671099A JP 2000202508 A JP2000202508 A JP 2000202508A
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Takeshi Inoue
剛 井上
Hide Uchida
秀 内田
Shoichi Araya
省一 荒谷
Shuichi Hamauzu
修一 濱渦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼材等の金属材料の冷間圧延において、潤滑
方法の改良により飛躍的な高速かつ高圧下での圧延を可
能にする。 【解決手段】 冷間圧延における被圧延材とワークロー
ルとの間の潤滑方法において、ワークロールおよび被圧
延材の少なくとも一方の、少なくともロール入側に、固
形潤滑剤を押し付けて供給する。固形潤滑剤は、その材
質の選定により、容易に疎水性とすることが可能であ
り、またロールや被圧延材の表面への付着性を高くする
ことが可能であり、多量の冷却水と共に用いても十分な
厚さの潤滑膜を確実に形成し維持することができる。こ
のように固形潤滑を行うことにより、高速・高圧下での
冷間圧延においても、一定の潤滑膜を形成・維持するこ
とができるので、焼付き、ロール摩耗、チャタリング等
を確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被圧延材とワーク
ロールとの間の潤滑方法を改良した冷間圧延方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼材等の金属材料の冷間圧延において
は、ワークロールの摩耗を防止するために、また焼付き
やチャタリング等による圧延製品の表面品質の劣化を防
止するために、ワークロールの冷却とワークロール/被
圧延材間の潤滑が非常に重要である。
【0003】そのため従来は、金属材料の冷間圧延にお
いて冷却と潤滑とを同時に行うものとして、油のみによ
るニート潤滑か、あるいは水と油を混合したエマルショ
ンにより潤滑を行ってきた。その際、油に種々の添加剤
を混合して、被圧延材の表面特性や潤滑性に最適な潤滑
剤が開発されてきた。また、特に焼付き防止のために、
ロール表面に炭化物を析出させたものを用いることも行
われてきた。
【0004】一方、冷間圧延製品の生産性向上を目的と
して、近年、冷間圧延の高速化および高圧下率化が要請
されており、ワークロールの摩耗や製品の表面品質劣化
を防止するためにより冷却効果を高めると同時に十分な
潤滑効果を確保することが重要となる。
【0005】しかし、冷却効果を高めるために多量の冷
却水を用いると、エマルション潤滑剤等の液状潤滑剤で
は、一旦形成された潤滑膜が冷却水に流されてしまった
り、先に冷却水の膜が形成されてしまい潤滑膜の形成が
阻まれたりして、必要な潤滑膜を形成し維持することが
困難になる。
【0006】更に、圧下率が高くなるほど咬込み角が大
きくなるため、液状潤滑により形成される潤滑膜の厚さ
が小さくなり、十分な厚さの潤滑膜が形成されない。
【0007】このように従来は、潤滑技術が障壁となっ
て、冷間圧延の高速化・高圧下率化に限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、潤滑方法を
改良することにより上記従来の問題を解消し、ワークロ
ールの摩耗や製品の表面品質劣化を防止した飛躍的な高
速・高圧下を可能とした冷間圧延方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によれば、冷間圧延における被圧延材とワ
ークロールとの間の潤滑方法において、ワークロールお
よび被圧延材の少なくとも一方の、少なくともロール入
側に、固形潤滑剤を押し付けて供給することを特徴とす
る固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法が提供される。
【0010】固形潤滑剤は、その材質の選定により、容
易に疎水性とすることが可能であり、またロールや被圧
延材の表面への付着性を高くすることが可能であり、多
量の冷却水と共に用いても、ワークロールおよび被圧延
材の少なくとも一方の、少なくともロール入側に、固形
潤滑剤を押し付けて供給することにより、十分な厚さの
潤滑膜を確実に形成し維持することができる。また、少
なくとも固形潤滑剤の融点が、固形潤滑剤を供給するワ
ークロールの圧延中の最高温度よりも高い固形潤滑剤を
用いることにより、ロールの熱による固形潤滑剤の消耗
を抑制でき、さらに、この際、固形潤滑剤を水をかけな
がら使用することにより固形潤滑剤とロールとの焼付き
等による転着を抑制でき、固形潤滑剤の消耗を少なくで
きる。さらに、固形潤滑剤のワークロールへの押し付け
圧力を0.01kgf/cm2 以上にすることにより、固形潤
滑剤の付着量を確保し、ロール肌荒れ(ロール焼付きも
含む)抑制やロール摩耗低減などの潤滑効果が十分に得
られる。
【0011】このように固形潤滑を行うことにより、高
速・高圧下での冷間圧延においても、一定の潤滑膜を形
成・維持することができるので、焼付き、ロール摩耗、
チャタリング等を確実に防止できる。また、一旦ロール
もしくは被圧延材に付着した固形潤滑剤が疎水性のもの
であれば、焼付き防止に効果のあるロール冷却を強化す
るため、冷却水の量を大幅に増量させても、潤滑効果を
失わずに、ロール強冷却が可能になる。
【0012】すなわち、本発明の要旨とするところは以
下の通りである。 (1)冷間圧延における被圧延材とワークロールとの間
の潤滑方法において、ワークロールおよび被圧延材の少
なくとも一方の、少なくともロール入側に、固形潤滑剤
を押し付けて供給することを特徴とする固形潤滑剤を用
いた冷間圧延方法。 (2)前記固形潤滑剤は、ワックス系固形潤滑剤または
ワックス系固形潤滑剤に粉末状潤滑剤を添加して成るこ
とを特徴とする上記(1)記載の固形潤滑剤を用いた冷
間圧延方法。 (3)前記ワックス系固形潤滑剤は、融点が30℃以上
であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の
固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法。 (4)前記ワックス系固形潤滑剤は、飽和脂肪酸、不飽
和脂肪酸、エステル、脂肪酸アミド、硬化油、硬化脂肪
酸、金属石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ア
ルコールサルフェート、アルキルメチルタウライド、ポ
リオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、ポリエチレンワックス、パラフ
ィン系炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、キャ
ンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、α
−オレフィン、白蝋、牛脂硬化油、ステアリン酸、およ
びフーローワックスから成る群から選択された一種また
は二種以上の常温で固形である物質から成ることを特徴
とする上記(2)または(3)記載の固形潤滑剤を用い
た冷間圧延方法。 (5)前記粉末状潤滑剤は、黒鉛、二硫化モリブデン、
天然雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、二酸化珪素、燐
酸カルシウム、窒化硼素、タングステン酸化合物、燐酸
化合物、カルボン酸化合物、炭酸ナトリウム、およびガ
ラスから成る群から選択された一種または二種以上の常
温で粉末状である物質から成ることを特徴とする上記
(2)から(4)までのいずれか1項に記載の固形潤滑
剤を用いた冷間圧延方法。 (6)前記被圧延材の幅方向に沿って3箇所以上で前記
固形潤滑剤の供給を行い、各供給箇所においてそれぞれ
固形潤滑剤の種類および押し付け力を設定することによ
り、被圧延材幅方向に沿う摩擦力分布を制御して被圧延
材の幅方向形状を制御することを特徴とする上記(1)
から(5)までのいずれか1項に記載の固形潤滑剤を用
いた冷間圧延方法。 (7)前記固形潤滑剤の融点が、該固形潤滑剤を供給す
るワークロールの圧延中の最高温度よりも高いものを用
いることを特徴とする上記(1)から(6)までのいず
れか1項に記載の固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法。 (8)前記固形潤滑剤に水をかけながらワークロールに
供給することを特徴とする上記(1)から(7)までの
いずれか1項に記載の固形潤滑剤を用いた冷間圧延方
法。 (9)前記固形潤滑剤のワークロールへの押し付け圧力
を、0.01kgf/cm2 以上とすることを特徴とする請求
項1から8までのいずれか1項に記載の固形潤滑剤を用
いた冷間圧延方法。
【0013】
【発明の実施の形態】典型的な固形潤滑剤は、ワックス
系固形潤滑剤またはワックス系固形潤滑剤に固体潤滑剤
を添加して成る。ワックス系固形潤滑剤は、常温(室
温)で粉末状である必要上、融点が30℃以上であるこ
とが望ましい。
【0014】ワックス系固形潤滑剤としては、飽和脂肪
酸、不飽和脂肪酸、エステル、脂肪酸アミド、硬化油、
硬化脂肪酸、金属石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ、アルコールサルフェート、アルキルメチルタウラ
イド、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリエチレンワック
ス、パラフィン系炭化水素系ワックス、カルナウバワッ
クス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、α−オレフィン、白蝋、牛脂硬化油、ステアリ
ン酸、およびフーローワックスから成る群から選択され
た一種または二種以上の常温で固形である物質を用いる
ことができる。
【0015】粉末状潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリ
ブデン、天然雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、二酸化
珪素、燐酸カルシウム、窒化硼素、タングステン酸化合
物、燐酸化合物、カルボン酸化合物、炭酸ナトリウム、
およびガラスから成る群から選択された一種または二種
以上の常温で粉末状である物質を用いることができる。
【0016】一般に、固形潤滑剤の形状は角棒状とし、
その一端を被圧延材または圧延ワークロールに押し付け
て被圧延材表面またはワークロール表面に固形潤滑剤を
付着させる形で供給する。したがって、角棒状固形潤滑
剤は、ロール摩耗、焼付き、チャタリングが発生し易い
被圧延材幅方向部位の寸法に対応した幅とする。
【0017】固形潤滑剤の配置は、ロール摩耗、焼付
き、チャタリングが発生し易い被圧延材幅方向部位に供
給できるように1箇所または複数箇所に配置する。通
常、平板圧延においては、板幅中央部および両側縁部の
合計3箇所に配置することが望ましい。もちろん、3箇
所以上に配置してもさしつかえない。
【0018】所定の潤滑剤供給量を安定して得るため
に、固形潤滑剤として重要な特性は硬さと融点であり、
冷間圧延の操業条件に応じて、押し付け力と、固形潤滑
剤の硬さおよび融点とを適宜組み合わせる。
【0019】本発明の一つの望ましい態様においては、
被圧延材の幅方向に沿って3箇所以上で固形潤滑剤の供
給を行い、各供給箇所においてそれぞれ固形潤滑剤の種
類および押し付け力を設定することにより、被圧延材幅
方向に沿う摩擦力分布を制御して被圧延材の幅方向形状
を制御することができる。
【0020】本発明に用いる固形潤滑剤は、常温で固体
であって、容器に入れなくとも自立的に一定の形状を保
持しているものである。さらに、発明者らは実験によ
り、現状考え得る圧延操業条件に対して、コストおよび
作業効率上、最も好ましい固形潤滑剤の融点および押し
付け圧力の条件を検討した。その結果、少なくとも固形
潤滑剤の融点が、固形潤滑剤を供給するロール表面の圧
延中の最高温度よりも高い融点の固形潤滑剤を用いない
と、ロールの熱によって固形潤滑剤の消耗速度が速くな
ることを見いだした。さらに、固形潤滑剤の効果を引き
出すのに必要な最低限の押し付け圧力条件が、0.01
kgf/cm2 以上であることも発見した。押し付け圧力が
0.01kgf/cm 2 未満では、ロールへの固形潤滑剤の付
着量が少なく、ロール肌荒れ(ロール焼付きも含む)抑
制やロール摩耗低減などの効果が十分に得られない。ま
た、固形潤滑剤を使用するにあたって、固形潤滑剤自体
に水をかけながら使用する必要がある。通常、ロール冷
却水をかけながら操業されているが、このロール冷却水
を固形潤滑剤にかけならが供給しても差し支えない。つ
まり、ロール冷却水をかけているところで、固形潤滑剤
をロールに供給しても良い。もちろん、固形潤滑剤専用
の配管を配して水を直接かけるようにしてもよい。固形
潤滑剤を使用するにあたって水をかけながら使用しなけ
ればならない理由は、水がないロール表面に固形潤滑剤
を押し付けると,固形潤滑剤とロールとが焼付きに近い
状態で転着し、消耗速度が非常に大きくなるためであ
る。従って、従来の油系の潤滑油を使用する場合には、
ロール表面の水を水切り装置で取り除いてから潤滑油を
供給するが、固形潤滑剤はロール表面に水が存在する状
態で供給した方が好ましく、言い換えれば、従来の水切
り装置が不要になる利点もあり、設備メンテナンスの労
力がさらに低減する効果も期待できる。
【0021】
【実施例】〔実施例1〕本発明により、図1に示した固
形潤滑剤供給装置を高速コイル圧延機に設置して、高速
圧延時の焼付き限界とロール摩耗量を調べた。
【0022】この供給装置は、図1(1)に示したよう
に、架台に固定されており、エアーシリンダーにより往
復駆動されるピストンの先端にあるチャックに角棒状の
ワックス系固形潤滑剤の一端を把持し、他端を圧延ワー
クロールの外周面に押し付ける。エアーシリンダー・ピ
ストン系は空圧回路(図示せず)により駆動制御されて
いる。一端をチャックに把持された角棒状固形潤滑剤
は、ワークロールへの押し付け側の箇所をガイドで案内
されており、確実にロール表面の所定部位に押し付けら
れる。ガイドは更に、長い棒状固形潤滑剤がロール回転
による曲げ荷重で折れないように保護する役割も果た
す。
【0023】図1(1)のように角棒状固形潤滑剤を装
着した供給装置を、図1(2)に示したように、鋼板の
中央部および両側縁に対応する箇所(合計3箇所)に各
1基配置した。
【0024】なお図1では、潤滑剤を押し付ける前の状
態を示したが、実際の圧延実施時にはピストンを作動さ
せて潤滑剤を押し出し、ロール表面に押し付ける。ま
た、図1では鋼板の片面側についてのみ示したが、実際
には鋼板の両面側で同図のように固形潤滑剤を供給し
た。
【0025】本実施例においては、固形潤滑剤として、
融点が110℃のワックス系固形潤滑剤に炭酸カルシウ
ムの微粉(平均粒径:約3μm)を10wt%混合したも
のを用い、ロール入側でワークロールの表面に押し付け
て供給した。
【0026】ロール冷却水は、上下のロール幅全体につ
いてロール出側およびロールトップおよびロールボトム
に毎分200リットルで供給した。被圧延材として普通
鋼板(SPCC:焼鈍材)を用い、咬込み前の鋼板温度
は室温、ロール径は100mm、圧下率は20%(板
厚:1.0mm→0.8mm)とし、圧延速度は100
m/分から少しづつ上昇させていき、焼付きの発生する
限界圧延速度を求めた。
【0027】比較のために、上記と同様の圧延条件で、
従来の液状潤滑剤として、濃度3%のエステル系潤滑油
の水エマルションを用いた。
【0028】図2は、液状潤滑剤の供給装置を示したも
のであり、熱間圧延および冷間圧延のいずれでも用いら
れている代表的な形式である。図示した供給装置は、ヘ
ッダーに配列されたノズルから液状潤滑剤をワークロー
ル表面に噴射する。
【0029】上記圧延の結果、従来のエマルション潤滑
による圧延では、圧延速度が約300m/分で焼付きが
発生したのに対して、本発明の固形潤滑剤を用いた圧延
では圧延速度550m/分で焼付きが発生した。
【0030】また、圧延距離200m(焼付き発生前)
の時点で、ロール摩耗量をロール表面の粗度低下量とし
て測定した。その結果、初期粗度0.8μmRaに対し
て、従来のエマルション潤滑による圧延では0.5μm
Raの粗度低下が認められたのに対して、本発明の固形
潤滑剤を用いた圧延では0.1μmRaの粗度低下であ
った。
【0031】このように、本発明の固形潤滑剤を用いた
冷間圧延では、従来の液状潤滑による圧延に比べてロー
ル摩耗および焼付きが顕著に改善された。
【0032】〔実施例2〕本発明の望ましい態様によ
り、固形潤滑供給装置を図1(2)と同様に配置して、
実施例1と同じ普通鋼板(SPCC、焼鈍材)を用い
て、板幅方向での摩擦力分布を変化させることにより形
状制御を行った。
【0033】圧延条件および各固形潤滑供給箇所におけ
る固形潤滑剤供給条件(固形潤滑剤の種類と押し付け圧
力)は下記の通りであった。
【0034】圧延条件:4重式圧延機(ワークロール径
φ165mm、ロール胴長300mm) 圧延速度 30m/min 圧下率 30% 固形潤滑剤供給条件:表1参照 ここで、条件1および2は、板幅方向に潤滑供給条件を
変えて、フラットな材料を用いて圧延実験を行ったもの
である。表1の実験結果に示したように、押し付け圧力
に変化を付けることによって、耳波形状になったり中延
び形状になったりした。これは、固形潤滑剤を押し付け
圧力を変えたことによって、摩擦係数が変化し、エッジ
部と板中央部とで板の延び量が変化したためである。
【0035】次に、圧延機の出側に幅方向の張力検出方
式による形状検出器を取り付けて、その信号によって、
中延びの場合はエッジ部の固形潤滑剤の押し付け圧力を
大きくし、耳波形状の場合は板中央部の固形潤滑剤の押
し付け圧力をエッジ部よりも大きくするような制御を行
って、板形状が耳波や中延びになったときに、固形潤滑
剤の押し付け圧力の変更(制御)で板形状が平坦になる
かどうか圧延実験で調査した。その結果、表1に示した
ように、制御前は形状が著しく不良であったものが、固
形潤滑剤の押し付け圧力を制御することによって、板ク
ラウンが±4μm以下の平坦な形状に制御することが可
能であることが判明した。また、この特性は、固形潤滑
剤を変えても同様の結果を得ることができることを確認
した。
【0036】
【表1】
【0037】〔実施例3〕実施例2と同じく、工場の仕
上熱間圧延ラインのNo.2スタンドの出側にエアーシ
リンダーを用いたワックス潤滑剤の供給装置を設置し、
ワックス潤滑剤の融点、押し付け圧力、およびワックス
潤滑剤への水かけの有無等の条件を変えて、それらの条
件におけるロール焼付き発生状況を調査した。この結果
を表2に示す。表2に示した通り、本発明の条件である
ワックス潤滑剤の融点がロール表面最高温度(75℃)
以上、ワックス潤滑剤への水かけが有り、潤滑剤のロー
ルへの押し付け圧力が0.01kg/cm2 以上の条件
で、ロール肌荒れ(焼付き)の発生の抑制が可能とな
り、数ロット無研削(ロール手入れ無し)で使用可能で
あることが確認できた。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワークロールおよび被圧延材の少なくとも一方の、少な
くともロール入側に、固形潤滑剤を押し付けて供給する
ことにより、飛躍的な高速・高圧下を可能とした冷間圧
延方法が提供される。
【0040】また、固形潤滑剤の種類や押し付け力を被
圧延材幅方向に沿って種々に設定することにより、板幅
方向に沿った形状制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の固形潤滑剤を用いた冷間圧延
方法に用いる固形潤滑剤供給装置の構造例を示す図であ
り、(1)は被圧延材側縁方向から見た装置断面図であ
り、(2)は被圧延材の板面方向から見た平面図であ
る。
【図2】図2は、従来の液体潤滑による冷間圧延方法に
用いる潤滑剤供給装置の代表例を示す図であり、(1)
は被圧延材側縁方向から見た装置断面図であり、(2)
は被圧延材の板面方向から見た平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:24 50:08 (72)発明者 荒谷 省一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 濱渦 修一 福岡県北九州市小倉南区新曽根5−1 三 島光産株式会社機工事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延における被圧延材とワークロー
    ルとの間の潤滑方法において、ワークロールおよび被圧
    延材の少なくとも一方の、少なくともロール入側に、固
    形潤滑剤を押し付けて供給することを特徴とする固形潤
    滑剤を用いた冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記固形潤滑剤は、ワックス系固形潤滑
    剤またはワックス系固形潤滑剤に粉末状潤滑剤を添加し
    て成ることを特徴とする請求項1記載の固形潤滑剤を用
    いた冷間圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記ワックス系固形潤滑剤は、融点が3
    0℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載
    の固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記ワックス系固形潤滑剤は、飽和脂肪
    酸、不飽和脂肪酸、エステル、脂肪酸アミド、硬化油、
    硬化脂肪酸、金属石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
    ーダ、アルコールサルフェート、アルキルメチルタウラ
    イド、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
    ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
    エチレンアルキルアリルエーテル、ポリエチレンワック
    ス、パラフィン系炭化水素系ワックス、カルナウバワッ
    クス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワ
    ックス、α−オレフィン、白蝋、牛脂硬化油、ステアリ
    ン酸、およびフーローワックスから成る群から選択され
    た一種または二種以上の常温で固形である物質から成る
    ことを特徴とする請求項2または3記載の固形潤滑剤を
    用いた冷間圧延方法。
  5. 【請求項5】 前記粉末状潤滑剤は、黒鉛、二硫化モリ
    ブデン、天然雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、二酸化
    珪素、燐酸カルシウム、窒化硼素、タングステン酸化合
    物、燐酸化合物、カルボン酸化合物、炭酸ナトリウム、
    およびガラスから成る群から選択された一種または二種
    以上の常温で粉末状である物質から成ることを特徴とす
    る請求項2から4までのいずれか1項に記載の固形潤滑
    剤を用いた冷間圧延方法。
  6. 【請求項6】 前記被圧延材の幅方向に沿って3箇所以
    上で前記固形潤滑剤の供給を行い、各供給箇所において
    それぞれ固形潤滑剤の種類および押し付け力を設定する
    ことにより、被圧延材幅方向に沿う摩擦力分布を制御し
    て被圧延材の幅方向形状を制御することを特徴とする請
    求項1から5までのいずれか1項に記載の固形潤滑剤を
    用いた冷間圧延方法。
  7. 【請求項7】 前記固形潤滑剤の融点が、該固形潤滑剤
    を供給するワークロールの圧延中の最高温度よりも高い
    ものを用いることを特徴とする請求項1から6までのい
    ずれか1項に記載の固形潤滑剤を用いた冷間圧延方法。
  8. 【請求項8】 前記固形潤滑剤に水をかけながらワーク
    ロールに供給することを特徴とする請求項1から7まで
    のいずれか1項に記載の固形潤滑剤を用いた冷間圧延方
    法。
  9. 【請求項9】 前記固形潤滑剤のワークロールへの押し
    付け圧力を、0.01kgf/cm2 以上とすることを特徴と
    する請求項1から8までのいずれか1項に記載の固形潤
    滑剤を用いた冷間圧延方法。
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