JP2000202400A - ダイオキシン類含有物処理装置及び方法 - Google Patents

ダイオキシン類含有物処理装置及び方法

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JP2000202400A
JP2000202400A JP11008437A JP843799A JP2000202400A JP 2000202400 A JP2000202400 A JP 2000202400A JP 11008437 A JP11008437 A JP 11008437A JP 843799 A JP843799 A JP 843799A JP 2000202400 A JP2000202400 A JP 2000202400A
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water
dioxins
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JP11008437A
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Ryuzo Hiraoka
龍三 平岡
Tsuneo Abe
恒夫 阿部
Hideo Sato
秀男 佐藤
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Original Assignee
IHI Corp
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却施設などでの灰および吸着活性炭に
含まれるダイオキシン類を、新たな有害物質を発生させ
ることなく連続的かつ効率的に分解除去するプロセスを
実現する。 【解決手段】 ダイオキシン類含有物に含まれるダイオ
キシン類を分解する装置であって、粉粒状のダイオキシ
ン類含有物が充填された反応容器Aと、反応容器Aの一
端に連結され、反応容器Aに所定の高温かつ高圧状態の
活性化水を供給する活性化水供給手段Bと、反応容器A
の他端に連結され、反応容器A内を送通して排出された
活性化水を回収する処理水回収手段Cとを備えるように
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却処理施設
などの灰や排ガス処理用の吸着活性炭に含まれるダイオ
キシン類を分解除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみおよび産業廃棄物などのごみ焼
却施設において、焼却処理した際の残渣である焼却灰や
飛灰(飛散灰)あるいは排ガスには、人体に有害な物質
であるダイオキシン類が含まれており、現在、各種方面
に渡って、ごみ焼却処理施設におけるダイオキシン類の
処理対策が講じられている。この対策のうち、ごみ焼却
処理施設などから捕集された灰に含まれるダイオキシン
類を処理する一般的な対策として、熱分解炉によって灰
を不活性雰囲気下の高温で加熱し、灰に含まれるダイオ
キシン類の脱塩素・熱分解を図るといったものがある。
また、排ガスなどの気中に含まれるダイオキシン類は、
一般に、排ガス煙道中に活性炭の粉末を散布したり、活
性炭などが充填された吸着部に排ガスを通したりするな
どして、活性炭に吸着させるといったことが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱分解
炉による処理対策は、不活性雰囲気下で高温の適切な処
理環境で加熱しないと、ダイオキシン類が分解されなか
ったり、あるいは分解されたダイオキシン類が再合成さ
れてしまうという課題がある。さらに、この熱分解処理
で発生する排ガスにはダイオキシン類が含まれるので、
吸着部を設けて活性炭にダイオキシン類を吸着させると
いった排ガスに対する対策を改めて講じる必要がある。
また、ダイオキシン類を吸着させた吸着活性炭は、その
有効的な処理方法が確立されておらず、保管や焼却処理
といったことを行っていることが多い。このため、吸着
活性炭を保管する場所の確保や管理が困難であったり、
吸着活性炭の焼却処理に伴ってダイオキシン類が含まれ
る排ガスを再度発生させてしまうという課題がある。そ
の上、活性炭は比較的高価であるのでダイオキシン類の
吸着用に用いるにあたって、材料コストが大きくなって
しまうという問題がある。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ごみ焼却施設などでの灰および吸着活
性炭に含まれるダイオキシン類を、新たな有害物質を発
生させることなく連続的かつ効率的に分解除去するプロ
セスを実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、ダイオキシン類含有物に含
まれるダイオキシン類を分解除去する装置であって、粉
粒状のダイオキシン類含有物が充填された反応容器と、
反応容器の一端に連結され、反応容器に所定の高温かつ
高圧状態の活性化水を供給する活性化水供給手段と、反
応容器の他端に連結され、反応容器内を送通して排出さ
れた活性化水を回収する処理水回収手段とを備える技術
が採用される。このダイオキシン類処理装置は、ダイオ
キシン類含有物が充填された反応容器の一端から他端に
向かって高温・高圧状態の活性化水が送通して、活性化
水の水熱反応によってダイオキシン類が分解除去され、
反応容器の他端から排出された活性化水が処理水回収手
段に回収される。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1のダイオ
キシン類処理装置において、活性化水供給手段は、所定
濃度のアルカリが含まれた活性化水を反応容器の一端に
供給する技術が採用される。このダイオキシン類含有物
処理装置では、活性化水にアルカリが含まれているの
で、活性化水の水熱反応にアルカリが触媒として働き、
ダイオキシン類の分解が促進される。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1または2
のダイオキシン類処理装置において、複数の反応容器
が、活性化水供給手段および処理水回収手段に対して交
互に連結する技術が採用される。このダイオキシン類含
有物処理装置では、複数の反応容器が交互に連結される
ので、連結状態の反応容器に活性化水が流れている間
に、連結状態でない他の反応容器でダイオキシン類含有
物を交換することが可能となり、これにより連続的な分
解処理を行うことが可能となる。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項1から3の
いずれかのダイオキシン類含有物処理装置において、反
応容器から排出された活性化水を加熱する処理水加熱手
段を備える技術が採用される。このダイオキシン類含有
物処理装置では、反応容器から排出された処理水を加熱
する処理水加熱手段を備えているので、処理水が再び加
熱されて高温・高圧状態に活性化され、反応容器内から
溶け出したダイオキシン類が水熱反応によって分解され
る。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項1から4の
いずれかのダイオキシン類含有物処理装置において、ダ
イオキシン類含有物は、ダイオキシン類を吸着した活性
炭である技術が採用される。このダイオキシン類含有物
処理装置では、反応容器にダイオキシン類を吸着した活
性炭が充填され、活性化水によってそのダイオキシン類
が分解除去される。
【0010】請求項6に係る発明は、ダイオキシン類含
有物に含まれるダイオキシン類を分解除去するダイオキ
シン類含有物処理方法であって、所定の高温かつ高圧状
態の活性化水をダイオキシン類含有物に流して反応さ
せ、流した処理水を回収する技術が採用される。このダ
イオキシン類含有物処理方法では、活性化水の水熱反応
によってダイオキシン含有物に含まれるダイオキシン類
が分解除去され、流れた処理水が回収される。
【0011】請求項7に係る発明は、請求項6のダイオ
キシン類含有物処理方法において、所定の濃度のアルカ
リが含まれた活性化水をダイオキシン類含有物に反応さ
せる技術が採用される。このダイオキシン類含有物処理
装置では、アルカリが含まれた活性化水によってダイオ
キシン類の分解が促進される。
【0012】請求項8に係る発明は、請求項6または7
のいずれかのダイオキシン類含有物処理方法において、
複数の容器に収容されたダイオキシン類含有物に活性化
水をそれぞれ反応させ、他の容器で反応が行われている
間に反応を終えた容器のダイオキシン類含有物を交換す
る技術が採用される。このダイオキシン類含有物処理装
置では、他の容器でダイオキシン類が分解処理されてい
る間に、反応の終えた容器のダイオキシン類含有物を交
換するので、連続的に分解処理を行うことが可能とな
る。
【0013】請求項9に係る発明は、請求項6から8の
いずれかのダイオキシン類含有物処理方法において、ダ
イオキシン類を吸着した活性炭に活性化水を反応させ、
活性炭に含まれるダイオキシン類を分解除去して活性炭
を再生する技術が採用される。このダイオキシン類含有
物処理方法では、吸着活性炭に含まれるダイオキシン類
が活性化水によって分解除去され、反応後の活性炭は再
生され、再びダイオキシン類を吸着させるために用いる
ことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図1を参照して説明する。本実施形態では、ダイオキ
シン類を吸着させた活性炭を処理する。ダイオキシン類
含有物としては他に、ごみ焼却処理施設などでの残渣で
ある焼却灰や飛灰といったものがあり、ダイオキシン類
を吸着させた活性炭は、これら灰よりも一般にダイオキ
シン類濃度が高い。また、この活性炭は、粒径が約1m
m以下の粉粒状の形状をなしている。
【0015】図1は、ダイオキシン類含有物処理装置の
全体構成を示しており、符号Aはダイオキシン含有物で
ある活性炭が充填された反応容器、符号Bは反応容器A
の一端に連結され反応容器Aに所定の高温かつ高圧状態
の活性化水を供給する活性化水供給手段、符号Cは反応
容器Aの他端に連結され、反応容器A内を送通して排出
された処理水を回収する処理水回収手段である。
【0016】活性化水供給手段Bは、水を高圧力:例え
ば10MPaまで加圧した状態にして供給するための加
圧機器1と、この加圧機器1に連結され水を高温:例え
ば300℃に加熱するための加熱機器2とを備えてい
る。
【0017】加圧機器1は、供給する水を例えば大気圧
などで貯留しておく供給タンク3と、この供給タンク3
から水を吸引して例えば10MPa程度の圧力まで加圧
して供給するための供給ポンプ4とを有している。
【0018】供給タンク3内の水には、所定濃度のアル
カリが含まれており、ここで用いられるアルカリは例え
ば水酸化ナトリウムといったものである。このときのア
ルカリ濃度は、活性炭に含まれるダイオキシン類の濃度
に応じて定められている。
【0019】反応容器Aは、上下に長い3つの反応容器
11,12,13からなっており、各容器内部に活性炭
がそれぞれ充填される。そして、各反応容器11,1
2,13は、活性化水供給手段Bおよび処理水回収手段
Cに対して交互に連結するように構成されている。すな
わち、各反応容器11,12,13は、上端および下端
にそれぞれ制御弁14〜19を備えており、上端におい
て制御弁14,15,16をそれぞれ介して処理水回収
手段Cに並列状態で連結され、下端において制御弁1
7,18,19をそれぞれ介して活性化水供給手段Bに
連結されている。各制御弁14〜19は個別に開閉され
るので、例えば、反応容器13にのみ活性化水を流さな
いといった場合には、他の制御弁14,15,17,1
8は開いた状態で、制御弁16および制御弁19が閉ま
った状態となっている。
【0020】また、各反応容器11,12,13は、容
器内の入口付近および出口付近にフィルタ20を備えて
いる。フィルタ20は、容器内に充填された活性炭を通
過させることなく活性化水を無理なく通過させるような
目の細かさであって、さらに送通される活性化水の温度
や圧力に耐え得る高温・高圧仕様のものが適用される。
ここではセラミックや金属の焼結フィルタを用いてお
り、この他、ガラス繊維入りのフィルタといったものも
用いられる。
【0021】また、反応容器Aの下流には、反応容器A
から排出された処理水を例えば300℃程度に加熱する
処理水加熱手段が配される。本実施形態では、この処理
水加熱手段は、前記した加熱機器2であって、反応容器
Aから排出された処理水が加熱機器2内部を通過して加
熱されるように構成されている。すなわち、加熱機器2
は反応容器Aに供給する活性化水と反応容器Aからの処
理水とを同時に加熱するように構成されている。
【0022】そして、処理水回収手段Cは、処理水加熱
手段である加熱機器2を介して反応容器Aと連結されて
いる。処理水回収手段Cは、反応容器Aから排出され加
熱機器2(処理水加熱手段)で再加熱された処理水を取
り扱い可能な所定の温度にまで冷却する冷却器31と、
排出制御用の背圧弁32と、回収タンク33とを有して
いる。背圧弁32は、上流側の圧力が設定された値以上
になると弁を開いて処理水を回収タンク33へ排出する
ようになっており、ここでは排出時の圧力が例えば10
MPa程度に設定されている。
【0023】次に、このようなダイオキシン類含有物処
理装置における処理プロセスについて説明する。このダ
イオキシン類含有物処理装置では、加圧機器1を作動さ
せて、例えば10MPa程度の所定の圧力とした水を加
熱機器2に供給して、例えば300℃といった温度まで
加熱し、この高温・高圧の活性化水を反応容器Aの下端
から供給する。反応容器Aにおいて、下端から供給され
た活性化水は、容器内部を送通して上端から排出され
る。
【0024】この際に、反応容器Aに充填された活性炭
は、高温・高圧の活性化水が反応容器Aの下から上へ向
かって流れることで、活性化水の水熱反応により活性炭
に含まれるダイオキシン類が分解される。また、この活
性化水にはあらかじめ所定濃度のアルカリが含まれてお
り、このアルカリが触媒的な働きをしてダイオキシン類
の分解を促進する。ダイオキシン類の分解は時間の経過
とともに進み、一定時間が経過すると容器内部の活性炭
に含まれるダイオキシン類はほとんどすべてが分解除去
される。
【0025】また、本プロセスでは、反応容器11,1
2,13を活性化水供給手段Bおよび処理水回収手段C
に対して交互に連結することで連続的な分解処理を行
う。例えば、すべての反応容器11,12,13に活性
化水が送通されていた状態から反応容器11の内部に充
填された活性炭の反応が終了した際には、他の制御弁1
5,16,18,19は開状態のままで制御弁14およ
び制御弁17を閉状態にして活性化水が反応容器11に
流れるのを止める。そして、他の反応容器12,13で
は活性炭が活性化水によって分解処理されている間に、
反応容器11内の反応を終えた活性炭を取り出して新た
な活性炭を反応容器11内部に充填する。そして、制御
弁14および制御弁17を再び開状態とすると反応容器
11内に活性化水が送通して活性炭に含まれるダイオキ
シン類が分解除去される。
【0026】その後、他の反応容器12,13のいずれ
かにおいて活性炭の反応が終了すると、上述したものと
同様に活性炭の交換が行われ、以後、この一連の処理が
交互に行われる。すなわち、ここでは反応容器11,1
2,13が活性化水供給手段Bおよび処理水回収手段C
に並列に連結されているので、他の容器で反応が行われ
ている間に反応を終えた容器の活性炭を交換するといっ
たことが行われ、常にいずれかの容器ではダイオキシン
類の分解が行われる連続的な処理が滞りなく行われる。
また、3つの反応容器11,12,13を備えているの
で、処理時間の長い活性炭を1つの容器で反応させてお
いて、他の2つの容器では比較的短時間の分解処理を行
うといったことも行われ、ダイオキシン類の濃度差など
による容器ごとの処理時間の違いにも柔軟に効率よく対
応する。
【0027】反応容器Aの他端から排出された処理水
は、再び加熱機器2によって例えば300℃程度の温度
まで加熱される。加熱機器2によって、反応させた処理
水を再加熱するのは、ダイオキシン類が確実に分解され
た状態の処理水を回収するためである。つまり、各反応
容器11,12,13に活性化水の供給を開始した初期
段階では、活性炭からダイオキシン類が分解されない状
態で溶出して処理水に活性炭がわずかに流れ込むといっ
たことが起こることがある。こうした処理水を再加熱す
ることで処理水内で水熱反応を促進させ、処理水中に流
れ出たダイオキシン類を確実に分解する。
【0028】そして、加熱機器2によって再加熱された
処理水は、冷却器31によって取り扱い可能な温度にま
で冷却され、背圧弁32より排出され、回収タンク33
に回収される。
【0029】次に、図2は、(a)水、(b)水酸化ナ
トリウム溶液、(c)水酸化ナトリウム溶液+アセトン
の3種類の各処理液において、飛灰と各処理液とを反応
させるとともに、処理温度を変化させた際のダイオキシ
ン分解率を示すグラフである。ここで処理条件は、飛灰
2g+処理液20ml、飛灰ダイオキシン濃度:25n
gTEQ/g、処理時間:20分、である。グラフから
明らかなように、処理液を水酸化ナトリウム溶液とする
ことで、ダイオキシンを効率的に分解することができる
とともに、処理温度300℃においてダイオキシンを1
00%近く分解することが可能であることが分かる。な
お、ダイオキシンの分解を促進させるための溶液は水酸
化ナトリウム溶液には限らず、他のアルカリ溶液でも同
様の傾向を示すことが確かめられている。
【0030】また、図3は、ダイオキシンが吸着した吸
着活性炭を水酸化ナトリウム溶液で反応させ、分解処理
前に対する分解処理後の活性炭残存量の割合を示すグラ
フである。このグラフから分かるように、どの処理温度
(200℃,300℃,400℃)においても、処理後
の吸着活性炭はほぼ処理前の状態で残存しており、この
ことより、ダイオキシンを分解して再生された活性炭
は、再利用可能な状態であることが分かる。
【0031】このように、本実施形態のダイオキシン類
含有物処理装置は、高温・高圧の活性化水を活性炭に流
すことで、活性化水の水熱反応によって活性炭に含まれ
るダイオキシン類を分解除去することができ、また、複
数の反応容器11,12,13が活性化水供給手段Bお
よび処理水回収手段Cに並列に連結されているので、活
性化水供給手段Bから連続的に活性化水を供給させた状
態でダイオキシン類を連続的に分解除去することができ
る。これらのことより、このダイオキシン類含有物処理
装置では、新たな有害物質を発生させることなく効率的
にダイオキシン類を分解除去するプロセスを実現でき
る。また、反応容器11,12,13に充填された活性
炭は、ダイオキシン類が分解除去されることでもとの状
態に再生され、再びダイオキシン類の吸着用として利用
可能な状態となる。
【0032】なお、反応容器Aは、ここで説明したよう
に3つの反応容器11,12,13に限るものではな
く、2つあるいは4つ以上としてもよい。また、反応容
器11,12,13に充填されるダイオキシン類含有物
は、活性炭に限らず灰などの他のダイオキシン類含有物
でもよい。
【0033】さらに、制御弁14〜19を電気信号で自
動的に開閉する自動開閉バルブとするとともに、予め確
認された活性炭の反応時間を制御手段などに記憶させて
おき、制御弁14〜19の開閉が所定時間ごとに自動的
に行われ、反応の終了した容器への活性化水の供給を停
止させるといった構成としてもよい。この構成では、予
め定められた反応時間ごとに制御弁14〜19が開閉す
るので、その開閉動作に応じて活性炭を交換すればよ
く、より効率的に連続処理を実施することが可能とな
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るダ
イオキシン類含有物処理装置は、ダイオキシン類含有物
が充填された反応容器の一端から他端に向かって高温・
高圧状態の活性化水が送通して、活性化水の水熱反応に
よってダイオキシン類含有物に含まれるダイオキシン類
が分解除去され、そして反応容器の他端から排出された
活性化水が処理水回収手段に回収されるので、新たな有
害物質を発生することなく効率的にダイオキシン類を分
解除去するプロセスを実現することができる。
【0035】請求項2に係るダイオキシン類含有物処理
装置では、活性化水にアルカリが含まれているので、活
性化水の水熱反応にアルカリが触媒として働き、ダイオ
キシン類の分解が促進される。また、アルカリを加えな
い水に比べて低い処理温度においてもほぼすべてのダイ
オキシン類を分解することが可能であるので、ダイオキ
シン類含有物に含まれるダイオキシン類を確実に分解除
去することができる。
【0036】請求項3に係るダイオキシン類含有物処理
装置では、複数の反応容器が交互に連結されるので、連
結された反応容器には活性化水が流れ、取り外された反
応容器には新たなダイオキシン類含有物が交換して充填
され、これにより連続的な分解処理を行うことができ
る。また、複数の反応容器を備えているので、ダイオキ
シン類の濃度差などによる容器ごとの処理時間の違いに
も柔軟に効率よく対応することができる。
【0037】請求項4に係るダイオキシン類含有物処理
装置では、反応容器から排出された処理水を加熱する処
理水加熱手段を備えているので、処理水が加熱手段によ
って再び加熱されて高温・高圧状態に活性化されて反応
容器内から溶け出したダイオキシン類が水熱反応によっ
て分解される。このため、回収される処理水にダイオキ
シン類が含まれている可能性は極めて低く、確実な分解
処理を実現することが可能となる。
【0038】請求項5に係るダイオキシン類含有物処理
装置では、活性炭に含まれるダイオキシン類が活性化水
によって分解除去されて、活性炭が再生されるので、こ
の活性炭を焼却施設などで再利用することが可能とな
る。活性炭の再利用によって、比較的高価な活性炭の材
料コストを大幅に削減できるので、活性炭を用いた排ガ
ス処理における稼動コストを大幅に低減させることがで
きる。
【0039】請求項6に係るダイオキシン類含有物処理
方法は、活性化水の水熱反応によってダイオキシン類含
有物に含まれるダイオキシン類が分解除去され、流れた
処理水が回収されるので、新たな有害物質を発生するこ
となく効率的にダイオキシン類を分解除去するプロセス
を実現することができる。また、処理には燃焼を伴わな
いので、分解されたダイオキシン類が再合成する可能性
は極めて低い。
【0040】請求項7に係るダイオキシン類含有物処理
方法では、活性化水の水熱反応にアルカリが触媒として
働き、ダイオキシン類の分解が促進される。また、アル
カリを加えない水に比べて低い処理温度においてもほぼ
すべてのダイオキシン類を分解することが可能であるの
で、ダイオキシン類含有物に含まれるダイオキシン類を
確実に分解除去することができる。
【0041】請求項8に係るダイオキシン類含有物処理
方法では、他の容器でダイオキシン類が分解処理されて
いる間に、反応の終えた容器のダイオキシン類含有物を
交換するので、連続的にダイオキシン類を分解処理する
プロセスを実現できる。
【0042】請求項9に係るダイオキシン類含有物処理
方法では、吸着活性炭に含まれるダイオキシン類が活性
化水によって分解除去され、活性炭が再生されるので、
この活性炭を焼却施設などで再利用することが可能とな
る。活性炭の再利用によって、比較的高価な活性炭の材
料コストを大幅に削減できるので、活性炭を用いた排ガ
ス処理において稼動コストを大幅に低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイオキシン類含有物処理装置
の一実施形態を示す構成図である。
【図2】 ダイオキシンの分解処理に及ぼす温度の影響
を示すグラフである。
【図3】 ダイオキシン吸着活性炭の再生処理後の残存
量を示すグラフである。
【符号の説明】
A 反応容器 B 活性化水供給手段 C 処理水回収手段
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 秀男 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA21 BA04 DA41 EA09 EA11 EA13 4D004 AA50 AB07 AC04 CA39 CB02 CB31 CB42 CC03 CC12 DA02 DA06 DA07 4G066 AA05B BA09 CA33 DA02 GA01 GA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン類含有物に含まれるダイオ
    キシン類を分解除去する装置であって、 粉粒状のダイオキシン類含有物が充填された反応容器
    (A)と、 該反応容器(A)の一端に連結され、反応容器(A)に
    所定の高温かつ高圧状態の活性化水を供給する活性化水
    供給手段(B)と、 前記反応容器(A)の他端に連結され、反応容器(A)
    内を送通して排出された前記活性化水を回収する処理水
    回収手段(C)とを備えることを特徴とするダイオキシ
    ン類含有物処理装置。
  2. 【請求項2】 活性化水供給手段(B)は、所定濃度の
    アルカリが含まれた活性化水を前記反応容器(A)の一
    端に供給することを特徴とする請求項1記載のダイオキ
    シン類含有物処理装置。
  3. 【請求項3】 複数の前記反応容器(A)が、前記活性
    化水供給手段(B)および前記処理水回収手段(C)に
    対して交互に連結することを特徴とする請求項1または
    2記載のダイオキシン類含有物処理装置。
  4. 【請求項4】 反応容器(A)から排出された処理水を
    加熱する処理水加熱手段21を備えることを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載のダイオキシン類含有
    物処理装置。
  5. 【請求項5】 ダイオキシン類含有物は、ダイオキシン
    類を吸着した活性炭であることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載のダイオキシン類含有物処理装
    置。
  6. 【請求項6】 ダイオキシン類含有物に含まれるダイオ
    キシン類を分解除去するダイオキシン類含有物処理方法
    であって、 所定の高温かつ高圧状態の活性化水をダイオキシン類含
    有物に流して反応させ、流した処理水を回収することを
    特徴とするダイオキシン類含有物処理方法。
  7. 【請求項7】 所定の濃度のアルカリが含まれた活性化
    水をダイオキシン類含有物に反応させることを特徴とす
    る請求項6記載のダイオキシン類含有物処理方法。
  8. 【請求項8】 複数の容器に収容されたダイオキシン類
    含有物に活性化水をそれぞれ反応させ、他の容器で反応
    が行われている間に反応を終えた容器のダイオキシン類
    含有物を交換することを特徴とする請求項6または7記
    載のダイオキシン類含有物処理方法。
  9. 【請求項9】 ダイオキシン類を吸着した活性炭に活性
    化水を反応させ、活性炭に含まれるダイオキシン類を分
    解して活性炭を再生することを特徴とする請求項6から
    8のいずれかに記載のダイオキシン類含有物処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002327897A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Osaka Gas Co Ltd 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法
JP2003035399A (ja) * 2000-08-11 2003-02-07 Osaka Gas Co Ltd 天然ガスの吸着貯蔵装置および吸着貯蔵方法

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