JP2000201971A - 体液吸収性物品 - Google Patents

体液吸収性物品

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JP2000201971A JP11011840A JP1184099A JP2000201971A JP 2000201971 A JP2000201971 A JP 2000201971A JP 11011840 A JP11011840 A JP 11011840A JP 1184099 A JP1184099 A JP 1184099A JP 2000201971 A JP2000201971 A JP 2000201971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体液吸収性物品の装着時に、ムレを防止する
とともに、体液から生じる臭気成分を消臭して、外部へ
の不快な臭いの漏れを確実に防止する。そして、装着者
に、快適な装着感と安心感を与える製品を得る。 【解決手段】 非透水性で通気性を有する裏面シート2
と、透水性を有する表面シート1との間に、体液吸収性
の吸収層3を配置する。この吸収層3に、消臭剤を配置
して体液吸収性物品を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理用ナプキン、おり
もの用シート、軽失禁用シート、失禁用使い捨てパン
ツ、使い捨て紙おむつ、その他の体液吸収性物品に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生理用ナプキンの装着時は、体液
の漏れ、長時間の装着によって生じるムレの不快感、体
液から生じる臭気等の問題点があり、これらを解決しよ
うとするための製品が多く開発されている。そして、体
液の漏れを防止するとともに、ムレによる不快感を解消
するために、従来、非透水性であるが、通気性を有する
フィルム等を裏面シートに使用した製品が存在する。
【0003】このフィルムには、空気や水蒸気を自由に
流通するが、分子量の大きい水分は通さないものが用い
られている。その製造方法の一例としては、炭酸カルシ
ウム等の粉体を多量に配合してポリオレフィンフィルム
を形成した後、このポリオレフィンフィルムを延伸する
事により、ポリオレフィンと粉体の界面に空隙を生じさ
せたものである。このような裏面シートを使用した体液
吸収性物品は、体液の漏れを良好に防止するとともに、
ムレを防いで、装着者に快適な装着感を与えるものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生理時
の経血等は、独特の臭気を発するので、前述の如く裏面
シートの通気性が良好であると、この臭気まで外部に漏
れてしまう可能性が高かった。そして、装着者は、臭気
が外部に漏れる事に対して強い嫌悪感や不安感を感じる
ものである。従って、通気性が良好であるという事は、
ムレは防ぐものの、装着者にとっては必ずしも喜ばしい
事ではなかった。
【0005】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、非透水性で通気性が良好な裏面シート
を使用して形成した体液吸収性物品に、消臭剤を配合す
る事により、ムレによる不快感を良好に解消可能とする
とともに、体液から生じる臭気成分を確実に消臭しよう
とするものである。その結果、体液吸収性物品の装着者
に、不快な臭いが外部に漏れる事のない安心感を与える
とともに、良好なムレ防止効果により快適な装着感を与
えようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題
を解決するため、非透水性で通気性を有する裏面シート
と、透水性を有する表面シートとの間に、体液吸収性の
吸収層を配置し、この吸収層に消臭剤を配置して成るも
のである。
【0007】また、吸収層への消臭剤の配置は、吸収層
内部に分散して行っても良い。
【0008】また、吸収層への消臭剤の配置は、吸収層
の表面シート側及び/又は裏面シート側に配置するもの
であっても良い。
【0009】また、吸収層の表面シート側及び/又は裏
面シート側に配置する消臭剤は、吸収層とは別個にシー
ト状に形成し、吸収層の表面シート側及び/又は裏面シ
ート側に積層するものであっても良い。
【0010】
【作用】本発明は上述の如く形成したものであるから、
体液吸収性物品の装着者から排出される、経血、膣内分
泌物、尿、汗等の体液は、臭いの粒子とともに透水性の
表面シートを通過して、吸収層側に流動し、この吸収層
内に吸収される。この吸収過程で、体液は、吸収層に配
置した消臭剤と接触する。この消臭剤との接触により、
体液の臭気成分が消臭される。そして、体液は、臭気成
分が除去された状態で吸収層内に閉じ込められるものと
なる。また、裏面シートは、非透水性であるので、吸収
層の体液が外部に漏れるのを確実に防止して、ショーツ
等を汚す事はないものとなる。
【0011】また、体液は、装着者の体温で暖められて
蒸気化するため、通気性の悪い製品では、湿気によって
肌のムレが生じ、装着者に不快感を与えていた。しか
し、本発明の吸収性物品では、この湿気は通気性の良好
な裏面シートから外部に良好に拡散するので、湿気が製
品内部にこもる事がなく、ムレを良好に防止するものと
なる。また、このように裏面シート側から湿気が外部に
拡散しても、前述の如く、体液中の臭気成分が良好に消
臭されているので、外部に不快な臭気が漏れる事はない
ものとなる。このように、本発明の体液吸収性物品は、
ムレを防ぐとともに外部への臭いの漏れを良好に防ぐの
で、快適な装着感と安心感が長く持続するものとなる。
【0012】また、吸収層に配置する消臭剤は、従来公
知の適宜のものを用いる事ができるが、例えば、活性
炭、亜鉛華、硫酸第一鉄、コバルトフタルシアニン誘導
体、亜鉛華内包合成ヘクトライト等を使用する事ができ
る。これらは、経血や尿等の臭気成分を良好に消臭する
事が可能であるとともに、人体にも悪影響を及ぼさず、
安全な使用が可能なものである。
【0013】また、消臭剤は、吸収層の内部に混合する
ものであっても良いし、吸収層の表面シート側及び/又
は裏面シート側に積層等の手段により配置するものであ
っても良い。そして、何れの位置に配置しても、吸収性
物品の装着時に、体液の臭気成分を良好に消臭するの
で、外部に不快な臭いを漏らさず、装着者に安心感を与
えるものとなる。ちなみに、消臭剤は、吸収層の表面シ
ート側に配置すれば、体液が吸収層に吸収される過程
で、消臭剤と接触する確率が高いから、良好な消臭が行
われる。
【0014】一方、消臭剤を、吸収層の裏面シート側に
配置すれば、通気性の良好な裏面シート側から、水蒸気
や空気とともに体液の臭気成分が拡散しようとした場合
に、この臭気成分が、消臭剤と接触し、良好な消臭が行
われる。また、消臭剤を、吸収層の表面シート側と裏面
シート側の両側に配置すれば、コスト高となるが、臭気
成分が、表面シート側及び裏面シート側の何れの側から
拡散しようとしても、消臭剤と確実に接触して消臭さ
れ、外部に不快な臭いを漏らさないものとなる。
【0015】また、吸収層の内部に消臭剤を混合する場
合は、吸収層を形成する際に、予め消臭剤を混合してい
るので、体液吸収性物品を形成する際に、消臭剤を配置
する工程を省く事ができる。
【0016】また、消臭剤を、吸収層の表面シート側及
び/又は裏面シート側に配置する場合は、吸収層の両面
又は片面に、粉末状や顆粒状の消臭剤をそのまま配置し
ても良いが、作業上扱いにくい事がある。そのため、消
臭剤を紙に吸着させたり、パルプ内に混入してシート状
に形成し、吸収層の表面シート側及び/又は裏面シート
側に配置すれば、吸収性物品の製造時に消臭剤の扱いが
容易となるとともに、消臭剤の配置工程を製造ライン上
にも組み込み易いものとなる。
【0017】上述の如く消臭剤をシート状とするには、
消臭剤を、吸収層の両面又は片面に層状に塗布又は接着
してシート状に配置する方法がある。また、紙状パルプ
の表面に、消臭剤を塗布又は接着したり、紙状パルプに
液体状等の消臭剤を吸着する事により、シート状の消臭
剤を得て、このシート状の消臭剤を、吸収層の両面又は
片面に配置する方法もある。または、綿状パルプの繊維
内に、顆粒状、粉末状の消臭剤を分散し、この綿状パル
プをシート状に形成すれば、パルプの繊維が消臭剤に絡
みつくので、消臭剤の安定性が向上する。また、不織布
を形成する過程で、不織布繊維と消臭剤とを混合して、
不織布繊維を消臭剤に絡みつかせながら不織布を形成
し、シート状の消臭剤を得る方法もある。何れの場合で
も、粉末又は顆粒状の消臭剤に比べて、シート状の消臭
剤の方が扱いが容易であるとともに、吸収性物品への消
臭剤の均一な分散を可能として、効果的な消臭が行える
ものとなる。
【0018】また、消臭剤は、吸収層と均一な面積で配
置すれば、体液や臭気成分があらゆる方向に拡散して
も、吸収性物品の全面で臭気成分を確実に吸収して、外
部に漏らす事はないものとなる。しかしながら、コスト
高となったり、消臭剤の性質や分量によっては、ごわつ
いて肌触りを悪くする事がある。一方、消臭剤は、吸収
層よりも狭い面積で配置すれば、臭気成分の拡散時のカ
バー力は低下するが、体液の集中し易い位置に配置する
事により、効果的な消臭が可能となる。また、全面に消
臭剤を配置するよりも、肌触りが良好となるとともに低
コストで製品を形成する事できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を生理用ナプキンで実施した一
例を、図面に於て説明すれば、(1)は表面シートで、多
数の流通孔を設けたポリオレフィンフィルムや、不織布
で形成する事により、透水性に優れたものであるととも
に通気性も有している。また、この表面シート(1)の裏
面側に配置した裏面シート(2)は、非透水性で体液を外
部に漏らさないが、通気性を有して水蒸気や空気等が流
通可能な素材を使用している。
【0020】この素材は、一例として、ポリオレフィン
フィルムを形成する際に、原料に炭酸カルシウム等の粉
体を多量に配合して形成し、その後、ポリオレフィンフ
ィルムを延伸して得たものである。この延伸により、ポ
リオレフィンと粉体の界面に空隙を生じさせている。こ
の空隙は、表面シート(1)に開口した流通孔と比べて小
さく、分子量の大きな水分は通さないが、水蒸気や空気
等の気体は自由に流通するものであるため、裏面シート
(2)は非透水性と通気性を持つものとなる。
【0021】また、裏面シート(2)は、前記空隙を有す
るポリオレフィンフィルムで、不織布の両面をラミネー
トした素材を使用しても良い。この素材だと、ポリオレ
フィンフィルムのみの場合よりも、製造の手間や材料が
掛かってコスト高となる可能性があるが、ポリオレフィ
ンフィルムのみの場合よりも、裏面シート(2)に適度な
張りを持たせる事ができる。そのため、体液吸収性物品
の装着時のヨレやズレを良好に防止して、装着感や体液
の漏れ防止効果を向上させるものとなる。尚、裏面シー
ト(2)は、非透水性で通気性を有するものであれば、こ
れら以外の適宜の素材を用いても良い。そして、裏面シ
ート(2)の外面には、ホットメルトを塗布する事によ
り、ショーツへの止着部(4)を形成し、その表面を離型
紙(図示せず)で被覆している。
【0022】また、表面シート(1)と裏面シート(2)と
の間に、パルプや適宜の高吸水性ポリマー(図示せず)等
から成る吸収層(3)を配置している。この吸収層(3)と
表面シート(1)との間、及び吸収層(3)と裏面シート
(2)との間には、吸収シート(5)を各々配置している。
この吸収シート(5)は、吸収層(3)の上面全体または下
面全体を被覆可能な面積とするとともに、パルプや不織
布等の体液吸収性の素材を用いて形成している。
【0023】そして、この吸収層(3)に、消臭剤として
活性炭(6)を配置している。この活性炭(6)は、粉末状
又は顆粒状のものを吸収層(3)の表面にそのまま配置し
ても良いが、軽くて飛散し易いため、扱いが面倒であ
る。そのため、製品の製造に手間が掛かったり、仕上が
りが悪くなる等の不具合を生じる虞れがある。また、製
品の運搬時や装着時の刺激で、活性炭(6)が吸収層(3)
の表面を移動して不均一に分散され、消臭効果や肌触り
を低下させる可能性がある。
【0024】そのため、本実施例では、活性炭(6)をパ
ルプ中に混合して、活性炭配合シート(7)を形成してい
る。この活性炭配合シート(7)を、表面シート(1)側の
吸収シート(5)と、吸収層(3)との間に配置している。
このように消臭剤をシート状に形成する事により、パル
プの繊維が活性炭(6)に絡みついて片寄りを防止し、活
性炭(6)の均一な分布を維持する事が可能となる。更
に、消臭剤の取り扱いが容易となるので、生理用ナプキ
ンへの消臭剤の配置工程を、製造ラインに組み込み易
く、機械操作性を向上するものとなる。また、活性炭
(6)をパルプに分散するとともに、活性炭配合シート
(7)を吸収シート(5)と表面シート(1)で被覆している
ので、活性炭(6)の黒色が目立たず、視覚的にも好まし
いものとなる。
【0025】また、前記活性炭配合シート(7)は、図
1、図2に示す如く、吸収層(3)よりも狭い面積で形成
するとともに、体液の集中し易い吸収層(3)の中央部に
配置している。そのため、体液の臭気成分と活性炭(6)
との接触を効率的に行え、効果的な消臭が可能となる。
また、活性炭(6)によるかさばりを防止して、生理用ナ
プキン(8)の良好な肌触りも与えるものとなる。
【0026】上述の如き生理用ナプキン(8)を装着する
と、装着者から排出された体液が、表面シート(1)の表
面に落下する。この体液は、血液だけでなく、子宮内組
織、膣内分泌物、汗等が含まれており、様々な臭気成分
を発するものである。これらの臭気成分とともに体液
は、表面シート(1)の流通孔を介して吸収シート(5)側
に流動し、更にこの吸収シート(5)を通過して、吸収層
(3)に到達する。
【0027】この流動過程で、体液は、吸収シート(5)
と吸収層(3)との間に配置した活性炭配合シート(7)と
接触する。この接触により、体液中の臭気成分が、活性
炭(6)に物理的に吸着されて、消臭が行われるものとな
る。尚、本実施例では、活性炭配合シート(7)を、図2
に示す如く、体液の集中する中央部に配置しているの
で、活性炭(6)と臭気成分との接触が効率的に行われる
ため、良好な消臭が可能となる。そして、体液は、臭気
成分を取り除かれた後に、吸収層(3)に吸収されるもの
となる。
【0028】そして、この生理用ナプキン(8)の裏面シ
ート(2)は、通気性に優れているため、生理用ナプキン
(8)の内外で自由に空気が流通する。そのため、従来の
消臭剤を配合していない製品では、体液の臭気成分が裏
面シート(2)を介して外部に拡散し、装着者に不快感を
与えていた。しかしながら、本発明の生理用ナプキン
は、前述の如く、吸収層(3)に配置した活性炭(6)によ
り、体液の臭気成分が良好に消臭されているので、この
通気性に優れた裏面シート(2)から臭気成分が外部に漏
れる事はないものとなる。従って、生理用ナプキン(8)
の装着者に、安心感を与えるものとなる。
【0029】また、吸収層(3)内の体液中の水分が、装
着者の体温で気化し、従来はこの湿気が肌のムレ等の原
因となっていた。しかし、本発明の生理用ナプキン(8)
では、この湿気が通気性に優れた裏面シート(2)を介し
て外部に拡散するので、装着者は、快適な装着感を持続
する事ができる。この際も、体液中の臭気成分が良好に
消臭されているから、湿気のみが外部に拡散し、不快な
臭いは漏らさないものとなる。しかも、裏面シート(2)
は、非透水性であるので、湿気は逃がしても、体液の漏
れは確実に防止するので、装着者に良好な安心感を与え
るものとなる。
【0030】また、上記実施例では、吸収層(3)とは別
個に形成した活性炭配合シート(7)を、この吸収層(3)
の表面シート(1)側に配置しているが、他の異なる第2
実施例では、図3に示す如く、吸収層(3)のパルプ中
に、活性炭(6)を分散している。また、この活性炭(6)
の分散は、パルプ全体に行っても良いが、本実施例で
は、図3に示す如く、体液の集中する中央部に分散する
事により、体液と活性炭(6)の接触を効率的に行うとと
もに、活性炭(6)の使用量を抑えている。このように形
成すると、活性炭配合シート(7)を形成する材料や手間
を省いて、低コストで生理用ナプキン(8)を形成する事
ができる。しかしながら、第2実施例では、従来品の吸
収層(3)を使用するのではなく、活性炭(6)を混入した
吸収層(3)を新たに形成する必要があるが、第1実施例
では、従来品の吸収層(3)の上面に活性炭配合シート
(7)を配置するだけで製品を形成できる利点がある。
【0031】また、吸収層(3)内には、高吸水性ポリマ
ー(10)を配合する事により、体液をゲル化して吸収層
(3)内に閉じこめ、外部への体液の漏れ防止性を高めて
いる。また、この高吸水性ポリマー(10)により、臭気
成分が吸着されて吸収層(3)内に閉じこめられるので、
生理用ナプキン(8)の消臭効果が向上するものとなる。
【0032】本実施例の生理用ナプキン(8)を装着する
と、体液は、吸収層(3)内に流動した際に、活性炭(6)
と接触して、良好に消臭された後、吸収層(3)内に閉じ
こめられる。そのため、臭気成分が裏面シート(2)を介
して外部に放出される事はないし、蒸気化した体液が裏
面シート(2)側から外部に拡散しても、外部に不快な臭
いが漏れる事はなく、ムレを良好に防ぐものとなり、生
理用ナプキン(8)の快適な装着が可能となる。
【0033】また、体液は、臭気成分を確実に除去して
吸収層(3)内に閉じこめても、時間の経過に伴い、酸化
・腐敗して、新たな臭気が発生する事がある。すると、
この臭気成分が、体液が気化して生じた水蒸気ととも
に、裏面シート(2)を介して外部に拡散しようとする。
また、表面シート(1)側にも水蒸気が上昇し、外部に拡
散する事もある。
【0034】そして、上記第1実施例では、吸収層(3)
の表面シート(1)側に活性炭配合シート(7)を配置して
いるので、表面シート(1)側に水蒸気が上昇する過程
で、臭気成分が活性炭配合シート(7)により消臭される
が、裏面シート(2)側には、消臭剤を配置していないの
で、酸化・腐敗臭がこの裏面シート(2)を介して外部に
拡散してしまう虞れがある。また、第2実施例では、吸
収層(3)の中央部に均一に活性炭(6)を配置しているの
で、体液の酸化・腐敗臭は、ある程度はこの吸収層(3)
内で消臭されるが、十分ではない。
【0035】従って、他の異なる第3実施例では、図4
に示す如く、吸収層(3)の表面シート(2)側に、活性炭
配合シート(7)を配置するだけでなく、吸収層(3)と裏
面シート(2)との間にも、消臭剤を配置している。この
消臭剤は、不織布にコバルトフタルシアニン誘導体を染
着して形成した、コバルトフタルシアニン誘導体染着不
織布(11)を使用している。また、このコバルトフタル
シアニン誘導体染着不織布(11)は、吸収層(3)と略同
面積に形成している。
【0036】このような生理用ナプキン(8)を装着した
場合は、体液は、表面シート(1)と吸収シート(5)を通
過して、大部分が吸収層(3)側に流動する。この流動過
程で、体液は活性炭配合シート(7)と接触し、活性炭
(6)に臭気成分を除去された後、吸収層(3)内に吸収さ
れるので、外部に不快な臭いを漏らさないものとなる。
しかし、時間の経過と装着者の体温の作用により、体液
が気化するとともに、酸化・腐敗して臭気が発生する。
そして、この臭気を含んだ水蒸気が、通気性の良好な裏
面シート(2)を介して外部に拡散しようとする。この拡
散経路には、コバルトフタルシアニン誘導体染着不織布
(11)を配置しているので、臭気成分が消臭され、水蒸
気のみが外部に拡散するものとなる。
【0037】また、コバルトフタルシアニン誘導体染着
不織布(11)は、吸収層(3)と略同面積に形成している
ので、臭気成分を含んだ水蒸気が、広く拡散しようとし
ても、水蒸気とコバルトフタルシアニン誘導体染着不織
布(11)と確実に接触し、この水蒸気から臭気成分が良
好に消臭されるものである。また、臭気成分を含んだ水
蒸気が、表面シート(1)側に上昇して拡散しようとして
も、表面シート(1)側に配置した活性炭配合シート(7)
により、臭気成分が消臭されるので、表面シート(1)側
からは、水蒸気のみが外部に放出されるものとなる。
【0038】また、体液が大量に排出された場合は、吸
収層(3)の中央部に配置した活性炭配合シート(7)との
接触が良好に行われずに、臭気成分を含んだまま、この
吸収層(3)内に吸収される事がある。そして、臭気成分
や水蒸気が、通気性の良好な裏面シート(2)を通過し
て、外部に拡散しようとする。しかしながら、この裏面
シート(2)側に配置したコバルトフタルシアニン誘導体
染着不織布(11)と臭気成分とが接触し、良好な消臭が
行われるため、外部には水蒸気のみが拡散されて不快な
臭気が漏れる事がないものとなる。
【0039】このように、本実施例の生理用ナプキン
(8)では、体液が吸収層(3)に吸収される過程で、表面
シート(1)側に配置した活性炭配合シート(7)により、
臭気成分が除去されるとともに、裏面シート(2)側に配
置したコバルトフタルシアニン誘導体染着不織布(11)
でも臭気成分の消臭を行うので、外部への不快な臭気の
漏れを確実に防止する事が可能となる。そして、湿気は
裏面シート(2)を介して外部に拡散するので、生理用ナ
プキン(8)の装着時のムレを良好に防止するとともに、
不快な臭気の漏れを防いで、快適な装着を可能とするも
のである。
【0040】また、上記各実施例では、生理用ナプキン
(8)に、非透水性で通気性を有する裏面シート(2)を使
用するとともに消臭剤を配合しているが、おりもの用シ
ート、失禁者用使い捨てパンツ、使い捨て紙おむつ、そ
の他の吸収性物品で本発明を実施する事も可能である。
この場合も、吸収性物品の大きさや排泄物、体液の分量
に応じて、適宜の分量や分布面積、及び分布位置で消臭
剤を配合するのが好ましい。何れの製品に於いても、吸
収層(3)に配置した消臭剤により、排泄物や体液から生
じる臭気を良好に消臭する。そして、臭気成分を外部に
漏らさないが、湿気は外部に拡散してムレを防止するの
で、装着者に快適な装着感と安心感を与えるものとな
る。
【0041】また、上記各実施例では、消臭剤として活
性炭、コバルトフタルシアニン誘導体を使用している
が、その他にも、亜鉛華、硫酸第一鉄、亜鉛華内包合成
ヘクトライト等を使用する事ができる。これらは、何れ
も消臭機能に優れ、経血や尿等の体液の不快な臭気を良
好に消臭する事が可能であるとともに、人体にも悪影響
を及ぼさず、安全な使用が可能なものである。
【0042】
【発明の効果】本発明は上述の如く、体液吸収性物品の
裏面シートに、非透水性で通気性を有する部材を使用す
るとともに、吸収層に消臭剤を配合する事により、体液
の漏れを防止するが、湿気を外部に拡散して、ムレを良
好に防止するとともに、体液中の臭気成分を消臭して、
外部に不快な臭いを漏らさないものとなる。そのため、
装着者は快適な装着感を持続可能であるとともに、体液
の漏れや臭いの漏れを憂慮する事がなく、安心感を得る
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の生理用ナプキンの平面
図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の第2実施例の生理用ナプキンの断面
図。
【図4】本発明の第3実施例の生理用ナプキンの断面
図。
【符号の説明】
1 表面シート 2 裏面シート 3 吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 哲之 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 株式会 社資生堂第1リサーチセンター内 Fターム(参考) 3B029 BB02 BC02 BC06 BC07 BD18 BD22 HB05 4C003 AA06 HA01 4C098 AA09 CC02 CC03 CC28 CD10 CE05 CE06 DD01 DD03 DD05 DD10 DD16 DD19 DD24 DD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非透水性で通気性を有する裏面シート
    と、透水性を有する表面シートとの間に、体液吸収性の
    吸収層を配置し、この吸収層に消臭剤を配置する事を特
    徴とする体液吸収性物品。
  2. 【請求項2】 吸収層への消臭剤の配置は、吸収層内部
    に分散して行う事を特徴とする請求項1の体液吸収性物
    品。
  3. 【請求項3】 吸収層への消臭剤の配置は、吸収層の表
    面シート側及び/又は裏面シート側に配置するものであ
    る事を特徴とする請求項1の体液吸収性物品。
  4. 【請求項4】 吸収層の表面シート側及び/又は裏面シ
    ート側に配置する消臭剤は、吸収層とは別個にシート状
    に形成し、吸収層の表面シート側及び/又は裏面シート
    側に積層する事を特徴とする請求項1又は3の体液吸収
    性物品。
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