JP2000201388A - 電子機器の電気信号/音響変換部の構造 - Google Patents

電子機器の電気信号/音響変換部の構造

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JP2000201388A
JP2000201388A JP11002087A JP208799A JP2000201388A JP 2000201388 A JP2000201388 A JP 2000201388A JP 11002087 A JP11002087 A JP 11002087A JP 208799 A JP208799 A JP 208799A JP 2000201388 A JP2000201388 A JP 2000201388A
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electric signal
acoustic converter
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electronic device
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JP11002087A
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Inventor
Hiroyuki Fujiwara
宏之 藤原
Kenji Iwahara
健児 岩原
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物の排出や異物の除去を好適に行うことが
可能な電子機器の電気信号/音響変換部の構造を提供す
る。 【解決手段】 筐体2の内部に設けられた電気信号/音
響変換器4と、筐体2を内外に貫通して設けられた通音
孔5(15)と、電気信号/音響変換器4と通音孔5と
を連通させる導音部6とを備えた電子機器の電気信号/
音響変換部3の構造である。通音孔5の筐体2の内部側
の端部の少なくとも一部が、導音部6の隅部6aに位置
する。導音部6の内部の異物を通音孔(15)へと案内
するための案内部(28,38)を備える。案内部(2
8,38)の筐体2の内部側の端部の少なくとも一部が
導音部6の隅部6aに位置する。案内部(28,38)
は筐体2の内部側に向かうほど大径となっている。案内
部(28,38)と通音孔(15)とで漏斗型形状をな
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の電気信
号/音響変換部の構造において、特に、異物の排出や異
物の除去の為の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気信号/音響変換器とは、電気信号を
音響に変換するスピーカ、又は、音響を電気信号に変換
するマイクロフォンのことを指す。従って、電子機器の
電気信号/音響変換部とは、電子機器にスピーカが設け
られた部分、又は、電子機器にマイクロフォンが設けら
れた部分を指す。電気信号/音響変換器としてスピーカ
を例にとって、従来の電気信号/音響変換部の構造につ
いて以下に説明する。
【0003】図6は従来の電子機器のスピーカ部(電気
信号/音響変換部)の放音孔(通音孔)の形状を示す一
部破断の側断面図である。図6に示されるように、スピ
ーカ110は本体111、錐状部112等により概略構
成されており、内部に導音部113を有する連接筒11
4を介して、筐体100(筐体100は一部のみ図示)
の内部に設けられている。筐体100には、筐体100
を内外に貫通して通音孔115,115,…が設けられ
ている。
【0004】従来、同図に示されるように通音孔11
5,115,…の筐体100の内部側の端部は導音部1
13の隅部113aに位置した構造とはなっていなかっ
た。
【0005】また、従来は、スピーカの防塵や防水のた
めに、通音孔の内側に防塵膜や防水膜を設けたタイプの
ものや、あるいは、筐体に通音孔を設けず筐体を薄く形
成することでスピーカの出力により筐体が振動して外部
に音響を伝えるタイプのものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、通音孔115,115,…の筐体100の内部側の
端部は導音部113の隅部113aに位置していなかっ
たため、導音部113の内部に侵入してしまった異物
を、例えば筐体100の方向を変えるなどすることによ
り通音孔115,115,…を通して筐体100の外部
に排出しようとしても、異物がこの隅部113aに滞留
しやすいためこの異物を排出するのは困難であった。
【0007】また、防塵膜や防水膜を用いたタイプのも
のでは、例えば、スピーカの磁力によってこれら防塵膜
や防水膜に異物が引きつけられて付着してしまい、通音
孔を塞いでしまう可能性があるといった問題があった。
【0008】さらに、筐体に通音孔を設けず筐体を薄く
形成することでスピーカの出力により筐体が振動して外
部に音響を伝えるタイプのものでは、防水・防塵対策は
万全であるものの、音質が悪くなるといった問題があっ
た。
【0009】本発明の課題は、異物の排出や異物の除去
を好適に行うことが可能な電子機器の電気信号/音響変
換部の構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、請求項1記載の発明は、筐体の内部に設けられた電
気信号/音響変換器と、前記筐体を内外に貫通して設け
られた通音孔と、前記電気信号/音響変換器と前記通音
孔とを連通させる導音部とを備えた電子機器の電気信号
/音響変換部の構造であって、前記通音孔の前記筐体の
内部側の端部の少なくとも一部が、前記導音部の隅部に
位置すること、を特徴としている。
【0011】電気信号/音響変換器としては、電気信号
を音響に変換するスピーカと、音響を電気信号に変換す
るマイクロフォンとがある。
【0012】請求項1記載の発明によれば、通音孔の筐
体の内部側の端部の少なくとも一部が、導音部の隅部に
位置するので、電子機器の向きを変えることにより、導
音部の内部に侵入してしまった異物が滞留しがちな隅部
から通音孔を通して異物を外部に排出できる。あるい
は、電子機器の向きを変えることにより異物を導音部の
隅部に移動させ、さらにこの隅部から通音孔を通して異
物を筐体の外部に排出することが出来る。つまり、導音
部に侵入した異物の排出を容易に行うことが出来る。
【0013】請求項2記載の発明は、筐体の内部に設け
られた電気信号/音響変換器と、前記筐体を内外に貫通
して設けられた通音孔と、前記電気信号/音響変換器と
前記通音孔とを連通させる導音部とを備えた電子機器の
電気信号/音響変換部の構造であって、前記導音部の内
部の異物を前記通音孔へと案内するための案内部を備え
たこと、を特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明によれば、導音部に異
物が侵入してしまった場合にも、電子機器の向きを変え
ることで、案内部により異物を通音孔へと案内して移動
させることができ、さらにこの通音孔を通して異物を筐
体の外部に排出することが出来る。つまり、導音部に侵
入した異物の排出を容易に行うことが出来る。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の電
子機器の電気信号/音響変換部の構造であって、前記案
内部の前記筐体の内部側の端部の少なくとも一部が前記
導音部の隅部に位置すること、を特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明によれば、案内部の筐
体の内部側の端部の少なくとも一部が導音部の隅部に位
置するので、電子機器の向きを変えることによって、導
音部の内部に侵入してしまった異物が滞留しがちな隅部
から案内部により異物を通音孔へと案内することが出来
る。よって、導音部に侵入した異物の排出を、より好適
に行うことが出来る。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の電子機器の電気信号/音響変換部の構造であって、
前記案内部は前記筐体の内部側に向かうほど大径となっ
ていること、を特徴としている。
【0018】案内部としては、例えば、錐状の形状を有
していることが挙げられるが、必ずしも対称形に形成さ
れている必然性はなく、例えば、錐状の形状を縦に分割
したような形状でも良い。
【0019】請求項4記載の発明によれば、案内部は筐
体の内部側に向かうほど大径となっているので、導音部
の内部に侵入してしまった異物を、案内部の大径側で広
範に収集することができる。よって、導音部に侵入した
異物の排出を、より好適に行うことが出来る。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項4記載の電
子機器の電気信号/音響変換部の構造であって、前記案
内部と前記通音孔とで漏斗型形状をなしていること、こ
とを特徴としている。
【0021】請求項5記載の発明によれば、案内部と通
音孔とで漏斗型形状をなしているので、漏斗型形状の錐
形部で異物を広範に収集して該錐形部と漏斗型形状の筒
形部との継ぎ目へと異物をスムーズに案内できるととも
に、漏斗型形状の筒形部を通して異物を外部へと排出で
きる。
【0022】請求項6記載の発明は、筐体内部に設けら
れた電気信号/音響変換器と、該電気信号/音響変換器
に所定周波数の信号を発生する信号発生回路とを備え、
前記電気信号/音響変換器に対して前記信号発生回路に
より所定周波数の信号を発生することにより該電気信号
/音響変換器を振動させて該電気信号/音響変換器に付
着した異物を払い飛ばすこと、を特徴としている。
【0023】ここで、原則として電気信号/音響変換器
は電気信号を音響に変換するスピーカのことである。
【0024】請求項6記載の発明によれば、電気信号/
音響変換器に異物が付着したとしても、電気信号/音響
変換器に対して信号発生回路により所定周波数の信号を
発生することにより電気信号/音響変換器を振動させて
電気信号/音響変換器に付着した異物を払い飛ばして除
去できる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項6記載の電
気信号/音響変換部の構造であって、前記電気信号/音
響変換器は、該電気信号/音響変換器の内部への異物の
侵入を防止する侵入防止膜を備え、前記電気信号/音響
変換器に対して所定周波数の信号を発生することによる
音響出力による音圧の作用で前記侵入防止膜の前記振動
を行い該侵入防止膜に付着した異物を払い飛ばすこと、
を特徴としている。
【0026】侵入防止膜としては、例えば、塵の侵入を
防止する防塵膜や水の侵入を防止する防水膜が挙げられ
る。
【0027】請求項7記載の発明によれば、電気信号/
音響変換器の音響出力による音圧の作用で侵入防止膜の
振動を行い、侵入防止膜に付着した異物を払い飛ばして
除去することができる。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項7記載の電
子機器の電気信号/音響変換部の構造であって、前記侵
入防止膜の固有振動数に対応させて前記信号発生回路の
出力を調節して前記侵入防止膜の前記振動を行うこと、
を特徴としている。
【0029】請求項8記載の発明によれば、侵入防止膜
の固有振動数に対応させて信号発生回路の出力を調節し
て侵入防止膜の振動を行うので、侵入防止膜を効率的に
振動させることができ、侵入防止膜に付着した異物の除
去をより好適に行うことが出来る。
【0030】請求項9記載の発明は、請求項8記載の電
子機器の電気信号/音響変換部の構造であって、前記所
定周波数は、前記侵入防止膜の共振周波数であること、
を特徴としている。
【0031】請求項9記載の発明によれば、前記所定周
波数が侵入防止膜の共振周波数であるので共振周波数で
侵入防止膜の振動を行うことができ、侵入防止膜の振動
を最大限効率的に行うことができ、侵入防止膜に付着し
た異物をより好適に除去することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態例>以下に、
本発明に係る第1の実施の形態例を図1および図2に基
づいて説明する。図1は本発明に係る第1の実施の形態
例としての電子機器の電気信号/音響変換部の構造を示
す一部破断の側断面図、図2は第1の実施の形態例の変
形例を示す一部破断の側断面図である。
【0033】先ず、図1に本発明に係る要部のみが示さ
れる電子機器1は、筐体2および筐体2の内部に収容さ
れた各種の内部機器類等によって概略構成されている。
図1に示されるのは電子機器1のスピーカ部(電気信号
/音響変換部)3である。スピーカ部3は筐体2の内部
に設けられたスピーカ(電気信号/音響変換器)4と、
スピーカ4が発音した音響を筐体2の外部に伝播させる
ために筐体2を内外に貫通して設けられた通音孔5,
5,…と、スピーカ4と通音孔5,5とを連通させる空
間である導音部6とを備えている。
【0034】スピーカ4は図示しない信号線を介して図
示しない回路基板と接続されており、回路基板から電気
信号を送信されることで、振動板を振動させてこの電気
信号を音響へと変換する。
【0035】ここで、図1に示されるように、通音孔
5,5,…は通音孔5,5,…の筐体2の内部側の端部
が導音部6の隅部6aに位置するように設けられてい
る。
【0036】従って、導音部6の内部に異物が侵入して
しまった場合にも、電子機器1の向きを変えることによ
り導音部6の内部に侵入してしまった異物が滞留しがち
な隅部6aから通音孔5,5,…を通して異物を筐体2
の外部に排出できる。あるいは、導音部6の内部に異物
が侵入してしまった場合にも、電子機器1の向きを変え
ることにより異物を重力に従って移動させて、異物を導
音部6の隅部6aに移動させ、さらにこの隅部6aから
通音孔5,5,…を通して異物を筐体2の外部に排出す
ることが出来る。
【0037】以上のような構成の第1の実施の形態例に
よれば、導音部6の内部に異物が侵入してしまっても、
例えば、電子機器1の向きを変えるなどして、異物を導
音部6の隅部6aに移動させ、さらに通音孔5,5,…
を通して異物を排出することが出来る。つまり、導音部
6に侵入した異物の排出を容易に行うことが出来る。
【0038】<変形例>上記の第1の実施の形態例で
は、通音孔5,5が筐体2を垂直に貫通しているため、
通音孔5,5,…の筐体2の内部側の端部と、同外部側
の端部との位置が筐体2を挟んで対応しているが、例え
ば、図2に示されるように、筐体2を斜めに貫通するよ
うに通音孔15,15を設けて、通音孔15,15,…
の筐体2の内部側の端部と、同外部側の端部との位置が
筐体2を挟んで対応しないようにしてもよい。このよう
にすることで、デザイン(レイアウト)面での自由度を
向上させることが出来る。
【0039】なお、上記の第1の実施の形態例、および
その変形例において、それぞれ図示上は2つずつの通音
孔5,5,…、通音孔15,15,…を備えた構成とし
たが、通音孔5,5,…、15,15,…の数は適宜変
更可能である。
【0040】<第2の実施の形態例>以下に、本発明に
係る第2の実施の形態例を図3および図4に基づいて説
明する。図3は本発明に係る第2の実施の形態例として
の電子機器の電気信号/音響変換部の構造を示す一部破
断の側断面図、図4は第2の実施の形態例の変形例を示
す一部破断の側断面図である。
【0041】第2の実施の形態例の電子機器20の各構
成要素のうち、第1の実施の形態例の電子機器1と同様
の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略
する。図3に示されるように、第2の実施の形態例の電
子機器20のスピーカ部23(電気信号/音響変換部)
は、第1の実施の形態例の電子機器1と比較して、導音
部6の内部の異物を通音孔25,25,…へと案内する
ための案内部28,28,…を筐体2の内部側に備えて
いる点が異なる。
【0042】同図に断面形状が示されるように、案内部
28,28,…は、例えば錐状の形状を有しており、筐
体2の内部側に向かうほど大径となっている。また、案
内部28,28,…のそれぞれの小径側の端部が通音孔
25,25,…の内側端部と連接され、一組の案内部2
8と通音孔25とでそれぞれ漏斗状形状をなしている。
【0043】よって、電子機器20の向き(即ち案内部
28,28,…の向きでもある)を変えることで、導音
部6の内部に侵入してしまった異物を、案内部28,2
8,…の大径側で広範に収集することができるととも
に、案内部28,28,…の内周に沿って、この異物を
通音孔25,25,…の内部側の端部へと案内すること
が出来る。
【0044】また、例えば、案内部28,28,…のそ
れぞれの大径側の端部の少なくとも一部は導音部6の隅
部6aに位置している。よって、導音部6の内部に侵入
してしまった異物が滞留しがちな隅部6aから通音孔2
5,25,…までの異物の案内を好適になしうる。
【0045】このように、第2の実施の形態例によれ
ば、導音部6に異物が侵入してしまった場合にも、例え
ば、電子機器20の向きを変えることにより異物を重力
に従って移動させて、案内部28,28,…により異物
を通音孔25,25,…へと案内して移動させることが
でき、さらにこの通音孔25,25,…を通して異物を
筐体2の外部に排出することが出来る。つまり、導音部
6に侵入した異物の排出を容易に行うことが出来る。
【0046】<変形例>上記の第2の実施の形態例で
は、案内部28,28,…が錐状の形状を有していた
が、例えば、図4に示されるように、案内部38,3
8,…が椀型形状を有するスピーカ部(電気信号/音響
変換部)33としても良い(この場合でも一組の案内部
38と通音孔25とで漏斗型形状をなしている)。
【0047】なお、上記の第2の実施の形態例、および
その変形例において、それぞれ図示上は2つずつの通音
孔25,25,…、案内部28,28,…、38,3
8,…を備えた構成としたが、通音孔25,25,…、
案内部28,28,…、38,38,…の数は適宜変更
可能である。また、一組の案内部28と通音孔25、又
は一組の案内部38と通音孔25とでそれぞれ漏斗型形
状をなしているが、この他でも、案内部が筐体2の内部
側に向かうほど大径となっている形状であることが挙げ
られ、例えば、錐状の形状を縦に分割したような形状で
も良い。さらに、案内部28,28,…、38,38,
…のそれぞれの大径側の端部の少なくとも一部は導音部
6の隅部6aに位置している構成としたが、この構成も
必然ではなく、導音部6の内部の異物を通音孔25,2
5,…へと案内するための案内部を備えていればよい。
【0048】また、上述の第1・第2の実施の各形態例
(各変形例とも)では、導音部が電気信号/音響変換器
(スピーカ)と独立して存在する場合を示したが、導音
部が独立しては存在せず、電気信号/音響変換器の一部
が導音部であってもよい(例えば、スピーカのコーンの
内側部分が導音部である場合等)。また、いずれの例に
おいても、電気信号/音響変換部としてスピーカ部3を
例示し、電気信号を音響へと変換する電気信号/音響変
換器としてスピーカ4を例示したが、本発明はこれに限
らず、電気信号/音響変換器として音響を電気信号へと
変換するマイクロフォンを用いても良い。この場合、電
気信号/音響変換部はマイクロフォン部となる。
【0049】<第3の実施の形態例>以下に、本発明に
係る第3の実施の形態例を図5に基づいて説明する。図
5は本発明に係る第3及び第4の実施の形態例としての
電子機器の電気信号/音響変換部の構造を説明するため
のブロック図である。
【0050】第3の実施の形態例の電子機器40の各構
成要素のうち、第1の実施の形態例の電子機器1と同様
の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略
する。
【0051】電子機器40のスピーカ(電気信号/音響
変換器)4は、アンプ51と電気的に接続され、アンプ
51は低周波発振回路(信号発生回路)50と電気的に
接続されている。低周波発振回路50から所定周波数の
電気信号(信号)はアンプ51で増幅されてスピーカ4
へと伝達され、スピーカ4によりこの電気信号が音響へ
と変換される。この音響出力は、導音部6から通音孔4
5,45,…を介して筐体2の外部へ伝播する。
【0052】ここで、電子機器40の導音部6の内部に
は、スピーカ4側へと塵や水等の異物が侵入するのを防
止する防水膜(侵入防止膜)48が、導音部6の全断面
に亘って設けられている。スピーカ4により音響を発生
させることで、音圧の作用により、この防水膜48が振
動する。従って、防水膜48に異物が付着していた場
合、この振動によりこの異物を払い飛ばして除去するこ
とが出来る。
【0053】以上のような構成の第3の実施の形態例に
よれば、防水膜48に異物が付着したとしても、スピー
カ4による音響出力により、音圧の作用で防水膜48を
振動させることで防止膜48に付着した異物を払い飛ば
して除去することが出来る。
【0054】<第4の実施の形態例>以下に、本発明に
係る第4の実施の形態例を図5に基づいて説明する。こ
の第4の実施の形態例では、上記の第3の実施の形態例
とほぼ同一の電子機器40を用いて、第3の実施の形態
例と異なる方法で防水膜48を振動させるものである。
即ち、第4の実施の形態例では、防水膜48の固有振動
数に対応させてスピーカ4が有する低周波発振回路50
の出力を調節して防水膜48の振動を行い、低い音圧で
効率よく防水膜48を振動させることを特徴としてい
る。
【0055】この第4の実施の形態例における低周波発
振回路50の出力周波数の調節の仕方としては、以下に
示すいくつかのバリエーションが挙げられる。 防水膜48の共振周波数で防水膜48が振動するよう
に低周波発振回路50の出力周波数を調節する。 防水膜48の共振周波数付近で防水膜48が振動する
ように低周波発振回路50の出力周波数を調節する。 防水膜48の共振周波数、又は共振周波数付近を通過
するように、低周波発振回路50の出力周波数を連続
的、又は段階的(例えば100Hzステップ毎等、この
間隔は任意)に変化させる。ここで、このためには、出
力周波数を連続的、又は段階的に変化させることが可能
なプログラマブル低周波発振回路(プログラムに従って
発振周波数を変化させることが出来る低周波発振回路)
を用いることが挙げられる。
【0056】以上のような構成の第4の実施の形態例に
よれば、防水膜48の固有振動数に対応させてスピーカ
4が有する低周波発振回路50の出力を調節して防水膜
48の振動を行うので、防水膜48を振動させるための
特別な振動発生手段を用いる必要がないとともに、防水
膜48を低い音圧で効率的に振動させることができ、防
水膜48に付着した異物の除去を好適に行うことが出来
る。特に、少なくとも防水膜48の共振周波数での防水
膜48の振動を行う場合には、最大限効率的に防水膜4
8を振動させることができ、防水膜48に付着した異物
の除去をより好適に行える。
【0057】なお、上記の第3、および第4の各実施の
形態例では、侵入防止膜として防水膜48を用いる構成
としたが、侵入防止膜としては、この他にも例えば、防
塵膜であることが挙げられる。さらに、侵入防止膜を有
さない構成(第1及び第2の実施形態)に適用できるこ
とはいうまでもない。また、上記実施形態例では、低周
波発振回路50及びアンプ51を独立して構成したが、
図示しないスピーカ駆動回路と共用しても良い。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る電子機器の電
気信号/音響変換部の構造によれば、通音孔の筐体の内
部側の端部の少なくとも一部が、導音部の隅部に位置す
るので、導音部に侵入した異物の排出を容易に行うこと
が出来る。
【0059】請求項2記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、案内部により異物を
通音孔へと案内して移動させることができ、さらにこの
通音孔を通して異物を筐体の外部へと容易に排出するこ
とが出来る。
【0060】請求項3記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、案内部の筐体の内部
側の端部の少なくとも一部が導音部の隅部に位置するの
で、導音部の内部に侵入してしまった異物が滞留しがち
な隅部から案内部により異物を通音孔へと案内すること
ができ、導音部に侵入した異物の排出を、より好適に行
うことが出来る。
【0061】請求項4記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、案内部は筐体の内部
側に向かうほど大径となっているので、導音部の内部に
侵入してしまった異物を、案内部の大径側で広範に収集
することができ、導音部に侵入した異物の排出を、より
好適に行うことが出来る。
【0062】請求項5記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、案内部と通音孔とで
漏斗型形状をなしているので、漏斗型形状の錐形部で異
物を広範に収集して該錐形部と漏斗型形状の筒形部との
継ぎ目へと異物をスムーズに案内できるとともに、漏斗
型形状の筒形部を通して異物を外部へと排出できる。
【0063】請求項6記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、電気信号/音響変換
器に異物が付着したとしても、電気信号/音響変換器を
振動させて電気信号/音響変換器に付着した異物を払い
飛ばして除去することができる。
【0064】請求項7記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、防塵膜や防水膜等の
侵入防止膜に異物が付着したとしても、電気信号/音響
変換器の音響出力による音圧の作用で侵入防止膜の振動
を行い、侵入防止膜に付着した異物を払い飛ばして除去
することができる。
【0065】請求項8記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、侵入防止膜の固有振
動数に対応させて信号発生回路の出力を調節して侵入防
止膜の振動を行うので、侵入防止膜を効率的に振動させ
ることができ、侵入防止膜に付着した異物の除去をより
好適に行うことが出来る。
【0066】請求項9記載の発明に係る電子機器の電気
信号/音響変換部の構造によれば、侵入防止膜の共振周
波数で侵入防止膜の振動を行うことができ、侵入防止膜
の振動を最大限効率的に行うことができ、侵入防止膜に
付着した異物をより好適に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態例としての電子
機器の電気信号/音響変換部の構造を示す一部破断の側
断面図である。
【図2】第1の実施の形態例の変形例を示す一部破断の
側断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態例としての電子
機器の電気信号/音響変換部の構造を示す一部破断の側
断面図である。
【図4】第2の実施の形態例の変形例を示す一部破断の
側断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施の形態例としての電子
機器の電気信号/音響変換部の構造を説明するためのブ
ロック図である。
【図6】従来の電子機器のスピーカ部(電気信号/音響
変換部)の放音孔(通音孔)の形状を示す一部破断の側
断面図である。
【符号の説明】
1,10 電子機器 2 筐体 3 電気信号/音響変換部(スピーカ部) 4 電気信号/音響変換器(スピーカ) 5,15 通音孔 6 導音部 6a 隅部 20,30 電子機器 23,33 電気信号/音響変換部(スピーカ部) 25 通音孔 28,38 案内部 40 電子機器 48 侵入防止膜(防水膜) 50 発振回路(低周波発振回路)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筐体の内部に設けられた電気信号/音響変
    換器と、前記筐体を内外に貫通して設けられた通音孔
    と、前記電気信号/音響変換器と前記通音孔とを連通さ
    せる導音部とを備えた電子機器の電気信号/音響変換部
    の構造であって、 前記通音孔の前記筐体の内部側の端部の少なくとも一部
    が、前記導音部の隅部に位置すること、を特徴とする電
    子機器の電気信号/音響変換部の構造。
  2. 【請求項2】筐体の内部に設けられた電気信号/音響変
    換器と、前記筐体を内外に貫通して設けられた通音孔
    と、前記電気信号/音響変換器と前記通音孔とを連通さ
    せる導音部とを備えた電子機器の電気信号/音響変換部
    の構造であって、 前記導音部の内部の異物を前記通音孔へと案内するため
    の案内部を備えたこと、を特徴とする電子機器の電気信
    号/音響変換部の構造。
  3. 【請求項3】前記案内部の前記筐体の内部側の端部の少
    なくとも一部が前記導音部の隅部に位置すること、を特
    徴とする請求項2記載の電子機器の電気信号/音響変換
    部の構造。
  4. 【請求項4】前記案内部は前記筐体の内部側に向かうほ
    ど大径となっていること、を特徴とする請求項2又は3
    記載の電子機器の電気信号/音響変換部の構造。
  5. 【請求項5】前記案内部と前記通音孔とで漏斗型形状を
    なしていること、を特徴とする請求項4記載の電子機器
    の電気信号/音響変換部の構造。
  6. 【請求項6】筐体内部に設けられた電気信号/音響変換
    器と、該電気信号/音響変換器に所定周波数の信号を発
    生する信号発生回路とを備え、 前記電気信号/音響変換器に対して前記信号発生回路に
    より所定周波数の信号を発生することにより該電気信号
    /音響変換器を振動させて該電気信号/音響変換器に付
    着した異物を払い飛ばすこと、を特徴とする電子機器の
    電気信号/音響変換部の構造。
  7. 【請求項7】前記電気信号/音響変換器は、該電気信号
    /音響変換器の内部への異物の侵入を防止する侵入防止
    膜を備え、 前記電気信号/音響変換器に対して所定周波数の信号を
    発生することによる音響出力による音圧の作用で前記侵
    入防止膜の前記振動を行い該侵入防止膜に付着した異物
    を払い飛ばすこと、を特徴とする請求項6記載の電子機
    器の電気信号/音響変換部の構造。
  8. 【請求項8】前記侵入防止膜の固有振動数に対応させて
    前記信号発生回路の出力を調節して前記侵入防止膜の前
    記振動を行うこと、を特徴とする請求項7記載の電子機
    器の電気信号/音響変換部の構造。
  9. 【請求項9】前記所定周波数は、前記侵入防止膜の共振
    周波数であること、を特徴とする請求項8記載の電子機
    器の電気信号/音響変換部の構造。
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