JP2000199899A - 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置

Info

Publication number
JP2000199899A
JP2000199899A JP11000971A JP97199A JP2000199899A JP 2000199899 A JP2000199899 A JP 2000199899A JP 11000971 A JP11000971 A JP 11000971A JP 97199 A JP97199 A JP 97199A JP 2000199899 A JP2000199899 A JP 2000199899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
liquid crystal
pixel electrode
crystal display
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11000971A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Hirota
昇一 廣田
Makoto Tsumura
津村  誠
Kayao Takemoto
一八男 竹本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11000971A priority Critical patent/JP2000199899A/ja
Publication of JP2000199899A publication Critical patent/JP2000199899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】容量分割に起因する液晶への印加電圧の低下を
抑え、かつ画素電極の反射率を高める液晶表示素子を提
供する。 【解決手段】画素回路をマトリクス状に配置した表示部
を有するアクティブマトリクス基板1の画素電極層3を、
金属で形成された画素電極105と、該画素電極105上に設
けられた配向制御膜108と、画素電極105と配向制御膜10
8との間に形成された第1の誘電体膜106と第2の誘電体
膜107とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に関
し、特に光源から出射された光を受けて画像を形成する
反射型の液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在主流の液晶プロジェクタ用の液晶表
示素子は透過型方式であるが、液晶プロジェクタを高精
細化するために、液晶表示素子の大きさを変えずに画素
ピッチを小さくしていった場合、1画素あたりの面積に
占める開口部の面積の割合であるいわゆる開口率は大幅
に低下する。スイッチングトランジスタや配線の占める
面積は、画素ピッチを小さくしていった場合、1画素あ
たりの面積に占める割合が大きくなるためである。
【0003】一方、反射型の液晶表示素子においては、
スイッチングトランジスタや配線層上にも反射画素電極
を形成することができるために、画素ピッチを小さくし
ても開口率の低下は極めて小さい。したがって、高精細
な液晶プロジェクタにおいては反射型が有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反射型の液晶表示素子
においては、金属で形成された反射画素電極が液晶と接
触することにより腐食することを防止するために、厚い
保護膜を形成する必要があった。
【0005】画素電極と対向電極との間に印加される電
圧は、保護膜と液晶との間で容量分割される。厚い保護
膜を形成した場合、その容量は小さくなるため、容量分
割により保護膜に印可される電圧は増大し、その結果液
晶への印加電圧は大きく低下する。
【0006】液晶駆動にはある一定の電圧が必要であ
り、保護膜への容量分割による印可電圧分を見込んだ電
圧を画素電極に印可する必要がある。しかしながら、各
画素毎に配置されたスイッチングトランジスタにも一定
の耐圧があるため、むやみに画素電極への印加電圧を高
くすることはできない。したがって、保護膜と液晶層と
の間での容量分割による液晶駆動電圧の低下を低く抑え
ること或いは液晶駆動電圧の低下をなくすことは、スイ
ッチングトランジスタの信頼性の観点からも重要であ
る。
【0007】本発明の目的は、容量分割に起因する液晶
への印加電圧の低下を抑え、かつ画素電極の反射率を高
める液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における液晶表示素子の特徴とするところ
は、画素回路をマトリクス状に配置した表示部を有する
アクティブマトリクス基板の画素電極層を、金属で形成
された画素電極と、該画素電極上に設けられた配向制御
膜と、前記画素電極と前記配向制御膜との間に形成され
た少なくとも2層の積層膜とで構成することにある。
【0009】具体的には本発明は次に掲げる素子及び装
置を提供する。本発明は、能動素子と信号配線と画素電
極層とからなる画素回路をマトリクス状に配置した表示
部を有するアクティブマトリクス基板と、前記アクティ
ブマトリクス基板に対向し透明電極を有するガラス基板
と、前記アクティブマトリクス基板と前記ガラス基板と
の間に保持された液晶層とを有する液晶表示素子におい
て、前記画素電極層は、金属で形成された画素電極と、
該画素電極上に設けられた配向制御膜と、前記画素電極
と前記配向制御膜との間に形成された少なくとも2層の
積層膜とを有することを特徴とする液晶表示素子を提供
する。
【0010】好ましくは、前記積層膜は、2層から4層
の絶縁膜で構成されている。
【0011】好ましくは、前記積層膜は2層の絶縁膜で
構成され、前記2層の絶縁膜はそれぞれ酸化シリコン膜
と窒化シリコン膜とで形成されている。
【0012】好ましくは、前記酸化シリコン膜の膜厚が
60nmから100nmの範囲内であり、前記窒化シリコン膜の
膜厚が50nmから90nmの範囲内である。
【0013】好ましくは、前記積層膜は、絶縁膜と導電
膜とで構成されている。
【0014】好ましくは、前記積層膜は、前記積層膜
は、前記絶縁膜である酸化シリコン膜と前記導電膜であ
るインジウム錫酸化物膜とにより形成されており、更に
前記インジウム錫酸化物膜と前記画素電極とを電気的に
接続する第3の膜が、前記酸化シリコン膜と前記インジ
ウム錫酸化物膜との間に形成されている。
【0015】好ましくは、前記酸化シリコン膜の膜厚が
60nmから100nmの範囲内であり、前記インジウム錫酸化
物膜の膜厚が60nmから100nmの範囲内である。
【0016】また、本発明は、入射する光を位相変調し
反射させ画像として出力する液晶表示素子を有する液晶
表示装置において、前記液晶表示素子は、能動素子と信
号配線と画素電極層とからなる画素回路をマトリクス状
に配置した表示部を有するアクティブマトリクス基板
と、前記アクティブマトリクス基板に対向し透明電極を
有するガラス基板と、前記アクティブマトリクス基板と
前記ガラス基板との間に保持された液晶層とを有し、前
記画素電極層を、金属で形成された画素電極と、該画素
電極上に設けられた配向制御膜と、前記画素電極と前記
配向制御膜との間に形成された少なくとも2層の絶縁膜
または導電膜の積層膜とで構成することにより、前記画
素電極の前記光の反射率を高めることを特徴とする液晶
表示装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示素子及び
それを用いた液晶表示装置の実施の形態例を、図を用い
て説明する。
【0018】(実施の形態例1)図1に、本発明の実施
の形態例1に係わる液晶表示素子のセルの模式断面図を
示す。また、図2に図1の液晶表示素子の画素部の上面
拡大図を示す。図1は、図2中のA-A'間の断面を示して
いる。
【0019】本実施の形態例の液晶表示素子は、概ね以
下に述べるような構成である。第1の基板である反射型
のアクティブマトリクス基板1は、単結晶シリコン基板1
03上に各々が独立して配置された能動素子101と、画素
電極層3と、能動素子101を駆動する信号配線及び画素電
極層3の画素電極105と能動素子とを電気的に接続する配
線層114等から構成された配線層と、から構成され、第
2の基板である対向ガラス基板2は、ガラス基板112上に
形成した、インジウム錫酸化物で形成された透明電極11
1と、第2の配向制御膜110とで構成され、前記反射型ア
クティブマトリクス基板と前記対向ガラス基板との間
に、複数の化合物を組成化した液晶層109を挟持して液
晶表示素子が構成されている。
【0020】また、画素電極層3は、反射板を兼ねた画
素電極105と、保護膜を兼ねた絶縁膜である第1の誘電
体膜106及び第2の誘電体膜107と、第1の配向制御膜10
8とで構成されている。
【0021】ここで、アクティブマトリクス基板1の構
成を詳細に説明する。本実施の形態例のアクティブマト
リクス基板1は、単結晶シリコンウエハ上に形成したも
のであり、通常の単結晶シリコンウエハ上の半導体プロ
セスによって形成したものである。
【0022】アクティブマトリクス基板1は、液晶駆動
用の能動素子101としてMOS(Metal Oxide Semiconducto
r)トランジスタを用いたもので、シリコン基板とp型ウ
ェル上に形成したソース拡散層とソース電極とドレイン
拡散層とドレイン電極とポリシリコンゲートなどからMO
Sトランジスタを形成した。また、ソース電極とシリコ
ン基板との間に保持容量102を設けた。層間絶縁のため
にスピンオングラス絶縁層を設けている。
【0023】能動素子であるMOSトランジスタ101で制御
された電気信号は、スルーホールコンタクト115を経て
画素電極105に与えられ、対向した透明電極111との間に
電圧を印加し液晶層109を駆動する。
【0024】画素電極105の材料に要求される特性は可
視光領域での反射率が良好なことであり、例えばアルミ
ニウムあるいは銀等が候補として挙げられる。
【0025】ここでは、画素電極の材料としてアルミニ
ウムを用いた例について説明する。画素電極105は、平
坦な面上に形成したほうが安定した膜形成が可能であ
り、かつ良好な反射特性を得ることが可能であるため、
画素電極105の下地として設ける絶縁層113は、予め化学
的機械研摩法を用いて表面研磨を行い、十分に平坦化し
ておく必要がある。画素電極105はスパッタ法により形
成し、その厚みは概ね200nmとした。
【0026】画素電極105と配線層との間には、遮光電
極層104を設けてある。これは、液晶表示素子への照射
光が画素電極間から基板内に入射して拡散領域等に光照
射することにより発生する光伝導起因の蓄積電荷リーク
を防止する効果がある。
【0027】第1の配向制御膜108の形成は、以下のよ
うにして行った。まず、基板上に配向制御膜の前駆体で
あるポリアミック酸の濃度5%の溶液を、スピンコートに
より塗布した。なお、配向制御膜の前駆体はポリイミド
前駆体であるポリアミック酸であり、モノマー成分とし
てはジアミン化合物として長鎖アルキル基を含有する
1、2-ジアミンオクタデカンとp-フェニレンジアミンと
を1:9のモル比で混入したものを用い、1、2、3、4-ブタ
ンテトラカルボン酸二無水物及び1、2、3、4-シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物の酸無水物にポリアミッ
ク酸として合成したものである。
【0028】ポリイミド前駆体膜を形成した後、加熱焼
成によりイミド化を行なった。本配向膜を使用すると、
基板に垂直に配向するいわゆるホメオトロピック配向が
得られる。
【0029】液晶層109の材料としては、複数の化合物
を組成化した誘電異方性が負のネマチック液晶材料であ
るメルク社製のMJ951152を用いた。液晶層の厚みは3.5
μmとした。
【0030】液晶表示原理としては、ホメオトロピック
電界制御複屈折モードを用いた。
【0031】また、画素電極105と第1の配向制御膜108
との間に保護膜として第1の誘電体層106及び第2の誘
電体層107を設けた。
【0032】液晶表示素子の光利用効率は、画素電極10
5の反射率と、一つの画素電極105の面積が一つの画素に
占める割合であるいわゆる開口率に依存する。画素電極
105の材料としてアルミニウムを用いたが、アルミニウ
ムの光吸収率は接する膜の屈折率に依存し、接する膜の
屈折率が1に近いほど光吸収率は小さくなる。
【0033】したがって、画素電極105の反射率の観点
からは、第1の誘電体膜106の材料の屈折率は小さいこ
とが望まれる。一方、第2の誘電体膜107の材料の屈折
率は逆に大きいことが望まれる。なぜなら、第1の誘電
体膜106の屈折率と第2の誘電体膜107の屈折率差が大き
いほど、干渉効果が強く働き反射率向上が期待できるか
らである。また、良好な保護膜として働かせるために
は、少なくともどちらか一方の誘電体膜の材料の透水性
が十分小さい必要がある。
【0034】したがって、第1の誘電体層106の材料と
しては、例えば低屈折率材料である酸化シリコン膜を用
いた。また、第2の誘電体層107の材料としては、例え
ば透水性が小さくまた高誘電率材料である窒化シリコン
膜を用いた。第1及び第2の誘電体層共にプラズマCVD
(Chemical Vapor Deposition)法により形成した。酸
化シリコン膜の膜厚は概ね80nmとし、窒化シリコン膜の
膜厚は概ね70nmとした。
【0035】保護膜を誘電体膜の2層積層構造としたこ
とにより、たとえ一方の誘電体膜にピンホールが発生し
たとしても、他方の誘電体膜によって保護される。した
がって、各層の膜厚が薄くてもピンホールの発生による
画素電極の腐食は防止することが可能である。
【0036】図3は、酸化シリコン膜厚および窒化シリ
コン膜厚に対する等反射率曲線を示す。横軸は酸化シリ
コン膜厚で、縦軸は窒化シリコン膜厚である。図3中の
実線は等反射率曲線を示している。光源の波長は550nm
である。本実施例の誘電体膜厚条件は、反射率が最も高
くなる膜厚条件である図3中の×印に位置する。各誘電
体膜の膜厚は、酸化シリコン膜の膜厚が80nm、窒化シリ
コン膜の膜厚が70nmである。
【0037】作成した誘電体膜の膜厚には、製造条件に
より約±20nm程度誤差を生じるが、図3からもわかるよ
うに、その場合においても反射率の低下はたかだか1%程
度であり実用上問題はない。したがって、酸化シリコン
膜の膜厚は60nmから100nm程度、窒化シリコン膜の膜厚
は50nmから90nm程度に制御できればよい。
【0038】本実施の形態例は、第1の誘電体膜106及
び第2の誘電体膜107の材料として、各々酸化シリコン
膜及び窒化シリコン膜を提案したが、透明でかつ上記の
特性を備えた材料であれば他の材料を用いてもよい。第
1の誘電体膜106の材料の酸化シリコンの他の候補とし
てはフッ化マグネシウムや酸化アルミニウムなどが好適
である。第2の誘電体膜107の材料の窒化シリコンの他
の候補としては、一酸化シリコン、酸化ジルコニウム、
酸化チタンなどが好適である。
【0039】また、本実施の形態例では、保護膜を誘電
体膜、すなわち絶縁膜の2層積層構造としたが、これを
3層積層構造、4層積層構造と層を積み重ねることも可
能である。
【0040】(実施の形態例2)図4は、本発明の実施
の形態例2に係わる液晶表示素子のセルの模式断面図を
示す。また、図5に図4の液晶表示素子の画素部の上面
拡大図を示す。図4は、図5中のB-B'間の断面を示して
いる。
【0041】実施の形態例1との相違点は、実施の形態
例1における第2の誘電体膜の代わりに透明電極を用い
た点である。画素電極層31の画素電極105の材料として
は実施の形態例1と同様アルミニウムを用いた。透明電
極の材料としてはインジウム錫酸化物(以下ITOと略記;
Indium Tin Oxide)を用いた。
【0042】インジウム錫酸化物の屈折率は、製造条件
にも依存するが、概ね1.8から1.9程度と比較的高屈折率
であり、第2の誘電体膜の材料として好適である。アル
ミニウム電極を液晶との接触による腐食から保護するた
めの保護膜として、酸化シリコン膜202とITO膜203との
積層膜をアルミニウム電極上に形成した。ITO膜203はス
パッタ法により形成した。酸化シリコン膜202はプラズ
マCVD法により形成した。
【0043】また、酸化シリコン膜202には、アルミニ
ウム電極105とITO電極203との間でコンタクトをとるた
めにスルーホールを形成してある。アルミニウム電極10
5とITO電極203との間で直接コンタクトをとろうとする
と、界面に酸化アルミニウム膜が形成されるためコンタ
クト抵抗が高くなるという問題点がある。
【0044】したがって、アルミニウム電極105とITO電
極203との間でコンタクトをとるために、ITO電極203と
アルミニウム電極105との間にチタン膜による第3の層
であるバッファ層201を設けた。チタン膜はスパッタ法
により形成した。チタン膜の膜厚は100nmとした。
【0045】チタンの反射率はアルミニウムに比べて低
いので、光利用効率の観点からは、バッファ層201のア
ルミニウム電極105上に占める面積の割合は極力小さく
する必要がある。バッファ層201の材料としてはチタン
の他にクロム、クロム−モリブデン合金、タングステン
などを用いることができる。
【0046】また、バッファ層201の材料に要求される
特性はITO及びアルミニウムの双方と良好なコンタクト
のとれることであり、その特性を備えた材料であればバ
ッファ層201の材料は上記の材料のみに限定されるもの
ではない。
【0047】アクティブマトリクス基板11上のITO電極2
03と対向ガラス基板2上のITO電極111との間にあるの
は、第1の配向膜108、第2の配向膜110及び液晶層109
のみであり、ITO電極203及びITO電極111間に印加した電
圧は有効に液晶層109の駆動電圧として働く。
【0048】図6は、酸化シリコン膜厚およびITO膜厚
に対する等反射率曲線を示す。横軸は酸化シリコン膜厚
で、縦軸はITO膜厚である。図6中の実線は等反射率曲
線を示している。光源の波長は550nmである。本実施例
の誘電体膜厚条件は、反射率が最も高くなる膜厚条件で
ある図6中の×印に位置する。各膜厚は、酸化シリコン
膜の膜厚が80nm、ITO膜の膜厚が80nmである。
【0049】作成した誘電体膜の膜厚には、製造条件に
より約±20nm程度誤差を生じるが、図6からもわかるよ
うに、その場合においても反射率の低下はたかだか1%程
度であり実用上問題は無い。したがって、酸化シリコン
膜の膜厚は60nmから100nm程度、ITO膜の膜厚は60nmから
100nm程度に制御できればよい。
【0050】(実施の形態例3)実施の形態例2におい
ては、透明電極、すなわち第2の誘電体膜の材料として
インジウム錫酸化物を用いたが、第2の誘電体膜を窒化
シリコン膜とインジウム錫酸化物膜の2層膜とすると、
保護膜全体としての透水性を低減でき、信頼性がより向
上する。このときの窒化シリコン膜とインジウム錫酸化
物膜の膜厚は、両者の膜厚を合わせて概ね60nmから100n
mになるようにすればよい。
【0051】(投写型液晶表示装置の実施例)本発明の
液晶表示素子を用いた投写型液晶表示装置である液晶プ
ロジェクタの実施の形態例について、以下に述べる。
【0052】図7に、本実施の形態例の液晶プロジェク
タの構成を示す。液晶プロジェクタは、白色光源301
と、偏光ビームスプリッタ302と、ダイクロイックミラ
ー303,304と、本発明の液晶表示素子と、投写レンズか
ら構成されている。
【0053】白色光源301より出射した光は偏光ビーム
スプリッタ302により紙面に垂直な偏光成分のみ反射さ
れ、ダイクロイックミラー303,304により赤色、青色、
緑色の三原色光に分離され、それぞれ液晶表示素子305
R,305G,305Bに入射する。入射した光は、各液晶表示素
子305R,305G,305B内の液晶層において位相変調を受け、
画素電極により反射され再びダイクロイックミラー303,
304により色合成され、紙面に平行な偏光成分のみが偏
光ビームスプリッタ302を透過し、投写レンズ306を通じ
てスクリーン(図7には記載されていない)へと投写さ
れる。
【0054】以上の構成により、明るくかつ鮮明な画面
がスクリーンに映し出される。
【0055】(反射型カラー液晶ディスプレイの実施
例)次に、本発明の液晶表示素子を用いた液晶表示装置
である反射型カラー液晶ディスプレイの実施の形態例に
ついて、以下に述べる。
【0056】図8に、本実施の形態例の反射型カラー液
晶ディスプレイの構成を示す。反射型カラー液晶ディス
プレイは、ガラス基板401上にスイッチングトランジス
タ402のマトリクスからなるアクティブマトリクスを形
成したアクティブマトリクス基板と、該アクティブマト
リクス基板と所定間隔で対面する透明電極407ならびに
三原色カラーフィルタ408とブラックマトリクス409とを
有するガラス基板410と、前記一対の基板間に前記所定
間隔で保持された配向制御膜及び液晶層406とからなる
液晶ディスプレイであり、アクティブマトリクス基板上
に形成した画素回路における画素電極層は、スイッチン
グトランジスタ402に接続されたアルミニウム合金から
なる凹凸反射電極404ならびに酸化シリコン膜及び窒化
シリコン膜405とからなる。
【0057】液晶表示モードしては反射型のツイストネ
マティックモードを用いた。したがって、液晶ディスプ
レイの表面には移送板411及び偏向板412が貼付されてい
る。
【0058】反射型液晶ディスプレイは室内照明のよう
な外光を光源として用いる。光源の位置は液晶ディスプ
レイに対し必ずしも特定の方向にある分けではない。し
たがって、反射型液晶ディスプレイは散乱性を有してい
る必要がある。
【0059】本実施例の液晶ディスプレイにおいては、
適切な散乱性を付与するために、アルミニウム電極層の
下地層403をフォトエッチング工程により凹凸に加工し
ておき、その上にアルミニウム電極層を構成することに
より適切な散乱性を有する凹凸反射電極404を得た。
【0060】以上の構成により、明るくかつ低消費電力
な反射型液晶ディスプレイを実現することができた。
【0061】散乱性を付与する方式として、本実施の形
態例のような凹凸反射電極404を用いる方式の他に、反
射電極は鏡面とし偏向板412の内側に拡散フィルムを貼
付する方式を用いても良い。
【0062】本実施の形態例においては、アクティブマ
トリクスを形成する基板としてガラス基板を用いたが、
シリコン基板を用いても良い。シリコン基板は微細加工
が可能であるので画素の大きさを小さくすることができ
ディスプレイの大きさを小さくすることが可能である。
このようなディスプレイは、ヘッドマウントディスプレ
イのような軽量、かつコンパクトなディスプレイが要求
される用途に用いられる。
【0063】また、実施の形態例2のように、ITO電極
をアクティブマトリクス基板の最上層に形成した場合、
液晶印加電圧の低下の問題がなくなる。これは、反射型
カラーディスプレイの大きな特徴である低消費電力化に
大きく寄与する。
【0064】本実施の形態例においては偏向板を用いる
液晶表示モードを用いたが、ゲストホストモードのよう
な偏向板が不要な方式を用いても本発明の効果は同様に
作用する。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、画素電極層の画素電極
と配向制御膜との間に少なくとも2層の積層膜を形成
し、各層の膜厚を100nm以下とすることにより、容量分
割に起因する液晶への印加電圧の低下を最小限に抑えか
つ、各層にピンホールが発生したとしても相補的にふさ
ぐことができるため、積層膜の保護膜としての信頼性を
向上させることができる。
【0066】また、画素電極の反射率を積層膜がない場
合に比べて高めることができる。
【0067】また、積層膜のうち最上層をインジウム錫
酸化物膜によって形成することにより、容量分割に起因
する液晶への印加電圧の低下を防止することが可能にな
る。
【0068】また、本発明の液晶表示素子を用いた液晶
表示装置の画像を、明るくかつ鮮明にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例1に係わる液晶表示素子
のセルの模式断面図である。
【図2】図1の液晶表示素子の画素部の上面拡大図であ
る。
【図3】酸化シリコン膜厚及び窒化シリコン膜厚に対す
る等反射率曲線図である。
【図4】本発明の実施の形態例2に係わる液晶表示素子
のセルの模式断面図である。
【図5】図4の液晶表示素子の画素部の上面拡大図であ
る。
【図6】酸化シリコン膜厚及びITO膜厚に対する等反射
率曲線図である。
【図7】本発明の液晶表示素子を用いた液晶表示装置で
ある液晶プロジェクタの模式図である。
【図8】本発明の液晶表示素子を用いた液晶表示装置で
ある反射型カラー液晶ディスプレイの模式図である。
【符号の説明】
1,11…アクティブマトリクス基板、2…対向ガラス基
板、3,31…画素電極層、101…能動素子(MOSトランジス
タ)、102…保持容量、103…単結晶シリコン基板、104
…遮光電極層、105…画素電極(アルミニウム電極)、1
06…第1の誘電体膜、107…第2の誘電体膜、108…配向
制御膜、109…液晶層、110…配向制御膜、111…透明電
極、112…ガラス基板、113…絶縁層、114…配線層、115
…スルーホールコンタクト、201…バッファ層、202…酸
化シリコン膜、203…ITO膜、301…白色光源、302…偏光
ビームスプリッタ、303,304…ダイクロイックミラー、3
05…液晶表示素子、306…投写レンズ系、401…ガラス基
板、402…スイッチングトランジスタ、403…下地層、40
4…凹凸反射電極、405…酸化シリコン膜及び窒化シリコ
ン膜、406…配向制御膜及び液晶層、407…透明電極、40
8…カラーフィルタ、409…ブラックマトリクス、410…
ラス基板、411…位相板、412…偏向板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 一八男 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 Fターム(参考) 2H090 HA03 HB03X HB04X HB08Y HC05 HD06 HD07 LA01 LA04 LA20 MA01 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14Y FA31Y FB08 GA02 GA06 GA07 GA13 GA16 HA07 HA08 LA16 MA07 2H092 GA17 HA03 HA05 JA46 JB07 JB38 JB56 JB61 MA05 MA08 NA23 PA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】能動素子と信号配線と画素電極層とからな
    る画素回路をマトリクス状に配置した表示部を有するア
    クティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス
    基板に対向し透明電極を有するガラス基板と、前記アク
    ティブマトリクス基板と前記ガラス基板との間に保持さ
    れた液晶層とを有する液晶表示素子において、 前記画素電極層は、金属で形成された画素電極と、該画
    素電極上に設けられた配向制御膜と、前記画素電極と前
    記配向制御膜との間に形成された少なくとも2層の積層
    膜とを有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記積層膜は、2層か
    ら4層の絶縁膜で構成されていることを特徴とする液晶
    表示素子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記積
    層膜は2層の絶縁膜で構成され、前記2層の絶縁膜はそ
    れぞれ酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とで形成されて
    いることを特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記酸化シリコン膜の
    膜厚が60nmから100nmの範囲内であり、前記窒化シリコ
    ン膜の膜厚が50nmから90nmの範囲内であることを特徴と
    する液晶表示素子。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記積層膜は、絶縁膜
    と導電膜とで構成されていることを特徴とする液晶表示
    素子。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項5において、前記積
    層膜は、前記絶縁膜である酸化シリコン膜と前記導電膜
    であるインジウム錫酸化物膜とにより形成されており、
    更に前記インジウム錫酸化物膜と前記画素電極とを電気
    的に接続する第3の膜が、前記酸化シリコン膜と前記イ
    ンジウム錫酸化物膜との間に形成されていることを特徴
    とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記酸化シリコン膜の
    膜厚が60nmから100nmの範囲内であり、前記インジウム
    錫酸化物膜の膜厚が60nmから100nmの範囲内であること
    を特徴とする液晶表示素子。
  8. 【請求項8】入射する光を位相変調し反射させ画像とし
    て出力する液晶表示素子を有する液晶表示装置におい
    て、 前記液晶表示素子は、能動素子と信号配線と画素電極層
    とからなる画素回路をマトリクス状に配置した表示部を
    有するアクティブマトリクス基板と、前記アクティブマ
    トリクス基板に対向し透明電極を有するガラス基板と、
    前記アクティブマトリクス基板と前記ガラス基板との間
    に保持された液晶層とを有し、前記画素電極層を、金属
    で形成された画素電極と、該画素電極上に設けられた配
    向制御膜と、前記画素電極と前記配向制御膜との間に形
    成された少なくとも2層の絶縁膜または導電膜の積層膜
    とで構成することにより、前記画素電極の前記光の反射
    率を高めることを特徴とする液晶表示装置。
JP11000971A 1999-01-06 1999-01-06 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置 Pending JP2000199899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11000971A JP2000199899A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11000971A JP2000199899A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000199899A true JP2000199899A (ja) 2000-07-18

Family

ID=11488520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11000971A Pending JP2000199899A (ja) 1999-01-06 1999-01-06 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000199899A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258325A (ja) * 2001-02-12 2002-09-11 Samsung Electronics Co Ltd 薄膜トランジスタ液晶表示装置
JP2006350148A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Victor Co Of Japan Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
JP2008026430A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
JP2012003150A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Fujitsu Semiconductor Ltd 半導体装置
WO2020250623A1 (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 ソニー株式会社 電極構造体、液晶表示装置、投射型表示装置及び電極構造体の製造方法
WO2023272546A1 (zh) * 2021-06-30 2023-01-05 京东方科技集团股份有限公司 显示模组及其驱动方法、显示装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258325A (ja) * 2001-02-12 2002-09-11 Samsung Electronics Co Ltd 薄膜トランジスタ液晶表示装置
JP4707263B2 (ja) * 2001-02-12 2011-06-22 三星電子株式会社 薄膜トランジスタ液晶表示装置
JP2006350148A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Victor Co Of Japan Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
JP2008026430A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
JP2012003150A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Fujitsu Semiconductor Ltd 半導体装置
WO2020250623A1 (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 ソニー株式会社 電極構造体、液晶表示装置、投射型表示装置及び電極構造体の製造方法
JP7432599B2 (ja) 2019-06-10 2024-02-16 ソニーグループ株式会社 電極構造体、液晶表示装置、投射型表示装置及び電極構造体の製造方法
US11971633B2 (en) 2019-06-10 2024-04-30 Sony Semiconductor Solutions Corporation Electrode structure, liquid crystal display device, projective display device, and method of manufacturing electrode structure
WO2023272546A1 (zh) * 2021-06-30 2023-01-05 京东方科技集团股份有限公司 显示模组及其驱动方法、显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3201990B2 (ja) ちらつきのない反射性液晶セル
JP3361278B2 (ja) 反射型液晶表示装置とその製造方法、ならびに回路基板の製造方法
TW565722B (en) Liquid crystal display and electronic device
US7440042B2 (en) Liquid crystal display device
WO1999040479A1 (fr) Dispositif a cristaux liquides et dispositif electronique
JPS6126646B2 (ja)
US7790488B2 (en) Method for fabricating an in-plane switching mode liquid crystal display device
KR100663850B1 (ko) 확산 반사판, 그 제조 방법 및 반사형 표시 장치
JPH112707A (ja) 銀の増反射膜及びそれを用いた反射型液晶表示装置
JP4036498B2 (ja) アクティブマトリクス型液晶表示装置
JPH11337961A (ja) 反射型液晶表示装置およびその製造方法
WO2022007197A1 (zh) 一种液晶显示面板
US6172726B1 (en) Reflection type liquid crystal display device in which pixel electrodes have surface irregularities due to disposal over switching elements
JP2000199899A (ja) 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置
JP2005148745A (ja) アレイ基板、その製造方法及びこれを有する液晶表示装置
US6147727A (en) Reflection type liquid crystal display device
JP3076242B2 (ja) 液晶表示装置
JPH10333168A (ja) 液晶表示装置および液晶表示システム
JPH1164818A (ja) 反射型液晶表示素子
JP2010243629A (ja) 液晶装置および電子機器
JP2004233959A (ja) 液晶表示装置
JPH07230101A (ja) 液晶表示素子およびそれを用いた投射型表示装置
KR100319103B1 (ko) 반사형 액정 표시소자
JP4389579B2 (ja) 液晶装置、投射型表示装置
JP5153088B2 (ja) アクティブマトリクス基板、液晶表示装置及びアクティブマトリクス基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050830