JP2000199785A - 遅延時間検出方法 - Google Patents

遅延時間検出方法

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JP2000199785A
JP2000199785A JP11173830A JP17383099A JP2000199785A JP 2000199785 A JP2000199785 A JP 2000199785A JP 11173830 A JP11173830 A JP 11173830A JP 17383099 A JP17383099 A JP 17383099A JP 2000199785 A JP2000199785 A JP 2000199785A
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Hiroshi Endo
浩 遠藤
Yasushi Aoyanagi
靖 青柳
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波の伝搬遅延時間を精度良く検出するとと
もに、処理時間の高速化を図る。 【解決手段】 遅延回路15からのPN符号によって送
信部13で帯域拡散された電波に基づく反射波を受信部
17で受信した後、遅延させたPN符号で逆拡散し、逆
拡散された信号の相関値に基づき、演算処理部11で伝
搬遅延時間を検出する遅延時間検出方法において、演算
処理部は、逆拡散後に少なくとも3つの一対の情報、例
えば(D1,A1)、(D2,A2)、(D3,A3)からな
る一対の遅延時間と相関値を読み取り、読み取った情報
のうち、相関のピーク値に最も近い相関値A2と前記ピ
ーク値とのずれ時間Dを、これら一対の情報を代入した
以下の式 D=0.5×|A3−A1|×|D3−D2|/|A3−A2
| 又はD=0.5×|A3−A1|×|D2−D1|/|A2
−A1|によって求め、ずれ時間Dから電波の伝搬遅延
時間を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
技術を用いて電波の伝搬遅延時間を検出する遅延時間検
出方法に関し、特にレーダ装置における電波の伝搬遅延
時間を検出する遅延時間検出方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来、この種のレーダ装置では、
車両に用いられたものがあり、同期補足としてスライデ
ィング相関方式を用いたものがある。このようなレーダ
装置には、例えば特願平5−295220号に記載され
たものがあり、上記装置では、相関の演算回数を減らす
ために、疑似雑音信号にチップずつの遅延シフトを与
え、相関が検出された時点で、そのチップを含めた前後
3チップ分について、必要精度に応じた第2の遅延で相
関検出を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記装置で
は、例えば自動車等の車両に用いられて、疑似雑音信号
のチップレートが40MHz(25ns)で100mま
での範囲に対して1mの精度を得るためには、距離精度
をΔS(m)、PN符号の遅延時間のシフト単位をΔT
(s)、電磁波の伝搬速度をc(m/s)とすると、 ΔS=ΔT×c/2 …(1) となり、上記(1)式からΔTは、 ΔT=2×ΔS/c =(2×1×109)/(3×108)≒6.67ns となって、上記6.67ns間隔で検出することとな
る。これにより、相関回数は、100×6.67/25
=26.68となって、少なくとも27回必要となり、
後はターゲットの台数に応じて、第2の遅延による相関
回数が増え、これに伴って距離検出等の処理時間が増加
するという問題点があった。
【0004】また、上記装置では、反射された電波に基
づく受信信号の振幅を、疑似雑音信号の遅延時間毎に測
定して自己相関を検出し、その遅延時間を電波の伝搬時
間とするので、実際の相関のピーク時と上記検出された
相関時とでは、時間にずれが生じることがあり、電波の
伝搬遅延時間の検出精度にバラツキが生じるという問題
点もあった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、電波の伝搬遅延時間を精度良く検出するとともに、
処理時間の高速化が図られる遅延時間検出方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、送信部で疑似雑音信号によって帯域拡
散された電波に基づく反射波を受信部で受信した後、遅
延させた疑似雑音信号で逆拡散し、該逆拡散された信号
の相関値に基づき、演算処理部で伝搬遅延時間を検出す
る遅延時間検出方法において、前記逆拡散後の相関値を
読み取り、互いに対応している一対の情報からなる前記
疑似雑音信号の遅延時間と前記相関値との関係に基づい
て、前記電波の伝搬遅延時間を検出する遅延時間検出方
法が提供される。
【0007】すなわち、逆拡散後に少なくとも3つの一
対の情報、例えば相関値が大きい上位3つの情報(D
1,A1)、(D2,A2)、(D3,A3)からなる一対の
遅延時間と相関値を読み取り、読み取った情報のうち、
相関のピーク値に最も近い相関値A2と前記ピーク値と
のずれ時間Dを、これら一対の情報を代入した以下の式 D=0.5×|A3−A1|×|D3−D2|/|A3−A2
| 又はD=0.5×|A3−A1|×|D2−D1|/|A2
−A1|によって求め、ずれ時間Dから前記電波の伝搬
遅延時間を検出する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る遅延時間検出方法の
一実施形態を図1乃至図6の図面を用いて説明する。図
1は、本発明に係る遅延時間検出方法を用いたレーダ装
置の一実施例の概略構成を示すブロック図である。図に
おいて、本実施例のレーダ装置は、各種制御及び入力す
る信号に対する演算処理を行う演算処理部11と、演算
処理部11に接続されて疑似雑音符号列からなる疑似雑
音信号(以下、「PN符号」という)を発生させるPN
ジェネレータ12と、直接拡散方式によって帯域拡散さ
れた電波を送信する送信部13と、送信用アンテナ14
と、演算処理部11及びPNジェネレータ12に接続さ
れてPN符号を所定時間遅延させて出力する遅延回路1
5と、受信用アンテナ16と、物体10からの反射波を
受信して逆拡散する受信部17と、受信部17によって
受信された受信信号をダウンコンバートするダウンコン
バータ18と、高周波回路19とから構成されている。
なお、送信用アンテナ14と受信用アンテナ16は、サ
ーキュレータ、その他の手段で送受信共用にすることも
可能である。また、高周波回路19は、送信部13及び
受信部17の共用部分であり、これら送信部13及び受
信部17内に含ませることも可能である。
【0009】PNジェネレータ12は、演算処理部11
の制御により、所定長さ(周期)のランダムなPN符号
を送信部13及び遅延回路15に出力している。高周波
回路19では、送信部13において入力するPN符号に
よって広帯域に拡散された信号から高周波信号を生成し
ており、上記高周波信号は、送信用アンテナ14を介
し、電磁波として送信される。なお、例えば本実施例の
レーダ装置を一般の自動車に用いた場合には、送信部1
3を介して高周波回路19で生成される信号は、レーダ
として最適な周波数を有するミリ波帯の信号、例えば7
7GHzの高周波信号である。
【0010】一方、遅延回路15は、演算処理部11の
制御により、入力したPN信号を所定時間だけ遅延させ
て受信部17に出力している。上記送信された電波は、
例えば所定距離だけ離れた物体10に到達し、物体10
によって反射され、受信アンテナ16及び高周波回路1
9を介し、受信信号として受信部17に受信される。受
信部17は、上記受信信号を遅延回路15からのPN信
号で逆拡散して相関をとっている。ここで、相関がとれ
た場合には、受信部17は、中間周波数帯に鋭いピーク
が立った信号を出力する。
【0011】送信部13、受信部17、ダウンコンバー
タ部18及び高周波回路19は、図1の一実施例の構成
を示す図2のような機能ブロックからなる。すなわち、
送信部13は、中間周波数帯の信号を発振する発振器1
3aと、上記中間周波数帯の信号をPNジェネレータ1
2からのPN符号で拡散するミキサ13bとから構成さ
れている。
【0012】高周波回路19は、ミリ波帯のローカル信
号を発振する発振器19aと、上記ローカル信号を送信
用及び受信用の信号に電力分配する電力分配器19b
と、上記分配されたローカル信号とミキサ13bで拡散
された中間周波数帯の信号をミリ波帯の信号に周波数変
換するアップコンバータ19cと、アップコンバータ1
9cからの出力のうち、所定帯域の出力のみを通過させ
るフィルタ19dと、電力分配器19bからのローカル
信号と受信アンテナ16で受信された受信信号とをミキ
シングし、中間周波数帯の信号にダウンコンバートする
ダウンコンバータ19eとから構成されている。
【0013】受信部17は、上記ダウンコンバートされ
た中間周波数帯の信号を遅延回路15で遅延されたPN
符号とミキシングして逆拡散するミキサ17aから構成
されている。ダウンコンバータ18は、送信部13の発
振器13aが発振する信号の中間周波数から数10kH
z離れた周波数の信号を発振する発振器18aと、受信
部17から入力する中間周波数帯の信号と発振器18a
からの信号をミキシングして低周波数帯の信号へ変換す
るミキサ18bとから構成されている。
【0014】本実施例では、例えば送信部13の発振器
13aから1GHzの信号を、高周波回路19の発振器
19aから76GHzの信号をそれぞれ発振させ、77
GHz帯の信号を得ている。さらに、本実施例では、ダ
ウンコンバータ18の発振器18aから1.04GHz
の信号を発振させることで、40kHzの低周波信号を
基本周波数成分として出力している。
【0015】例えば、レーダ装置の相対速度計測範囲を
±200km/hとすると、77GHz帯の信号の場
合、±28kHzのドップラシフトを受けるので、結果
として12kHz〜68kHzの低周波信号がダウンコン
バータ18の出力信号となる。また、演算処理部11
は、図示しないフィルタを有し、上記フィルタでダウン
コンバータ18からの低周波信号(12kHz〜68k
Hz)を通過させて相関検出を行い、物体の存在を検出
している。
【0016】本発明では、スペクトラム拡散技術におい
て、自己相関関数が±1チップの範囲で相関値のピーク
を持つ三角形形状になる性質を利用して、遅延時間のシ
フト単位となる疑似雑音信号のチップ数n(0<n≦
0.66)を与えながら相関値を読み取り、3つ以上の
互いに対応する遅延時間と相関値の一対の情報から、相
関のピーク値に最も近い相関値と上記ピーク値とのずれ
時間Dを求める。
【0017】ところで、上記遅延時間のシフト単位とな
る疑似雑音信号のチップ数nは、ゼロに近づくと相関回
数が増え、これに伴って処理時間が増加し、また0.6
6に近づくと上記三角形形状の裾の部分に相関値が現れ
ることとなり、その結果、相関値がしきい値近くなって
判別できないことも考えられる。そこで、本実施例で
は、上記疑似雑音信号のチップ数nを、0.4<n<
0.6、望ましくは相関値がしきい値近くになることが
なく、また装置のハード的にも設定容易な0.5に設定
する。演算処理部11は、上記設定された0.5チップ
ずつの遅延時間のシフト単位を遅延回路15に与えなが
ら、ダウンコンバータ18からその時の相関値を読み取
る。
【0018】図3は、0.5チップずつの遅延時間のシ
フト単位を与えながら、その時の受信強度で示される相
関値を読み取ったもので、遅延シフト回数と受信強度と
の関係の一例を示した関係図であり、遅延シフト回数
(遅延時間に相当する)がD0〜D4付近にかけて相関の
ピーク値を持つ三角形形状が現れている。図4及び図5
は、この三角形形状を拡大した図であり、そのうちの遅
延シフト回数がD0,D1,D2,D3の時の相関値を読み
取った値を、それぞれA0,A1,A2,A3とする。
【0019】次に、本実施例では、相関値の大きい上位
3つの一対の情報、すなわち(D1,A1)、(D2,A
2)、(D3,A3)を選ぶ。このとき、相関値の本来の
ピークに最も近いD2(検出された中で相関値が最も大
きいもの)は、上記ピークからDだけずれており、A1
>A3の場合には、上記ずれ時間Dは下記の式から求め
ることができる。 D=0.5×|A3−A1|×|D3−D2|/|A3−A2| …(2)
【0020】すなわち、図4に示した斜線部の直角三角
形は、互いに合同であり、これら直角三角形と、直角三
角形A2A3(D3−D2)とは、相似関係にある。従っ
て、各辺の比を求めると、 |A3−A2|:0.5×|A3−A1|=|D3−D2|:
D となり、この関係からずれ時間Dを求めると、(2)式
のようになる。
【0021】また、同様にA3>A1の場合には、上記ず
れ時間Dは下記の式から求めることができる。 D=0.5×|A3−A1|×|D2−D1|/|A2−A1| …(3) すなわち、図5に示した斜線部の直角三角形は、互いに
合同であり、これら直角三角形と、直角三角形A2A1
(D2−D1)とは、相似関係にある。従って、各辺の比
を求めると、 |A2−A1|:0.5×|A3−A1|=|D2−D1|:
D となり、この関係からずれ時間Dを求めると、(3)式
のようになる。
【0022】例えば、PN符号のチップレートを40M
Hzとすると、1チップは25ns(すなわち、1/4
0MHz)となり、0.5チップは12.5nsとな
る。なお、本実施例では、20MHzの発振子の周波数
を逓倍して40MHzのクロック周波数を得る。従っ
て、ΔSは(1)式から、 ΔS=ΔT×c/2 =12.5×10-9×3×108/2=1.875m となる。従って、求めたΔSにずれ時間Dを掛け合わせ
れば、演算値ΔS×Dが物体との距離となる。
【0023】また、検出距離100mの場合、1.87
5mのシフト単位で処理を行うと、100/1.875
≒54となり、演算処理部11による演算は、54回で
済むことになる。次に、以下に示す表1の実測データに
基づいて電波の伝搬遅延時間を求める。なお、本実測例
では、PN符号の遅延時間を距離に置き換えて示すこと
にする。従って、電波の伝搬遅延時間も被測定対象の物
体との距離として表される。
【0024】
【表1】
【0025】この実測例では、14.5mに相当する位
置に物体(自動車)が存在し、その時の受信レベルのデ
ータである。この実測例では、0.5チップ、すなわち
1.875mの遅延シフトを与えることから、7回目の
遅延シフトは、13.125mの観測点であることを意
味し、この時の測定値(受信強度)は、117という値
になる。同様に、8,9回目の遅延シフトは、15m、
16.875mの観測点であることを意味し、この時の
測定値(受信強度)は、158,83という値になる。
【0026】まず、演算処理部11は、A1−A3>0
か、A1−A3=0かどうか判断する。ここで、A1−A3
>0の場合には、D2の位置が実際の相関値のピークよ
り後の位置に存在すると判断して、(2)式に基づいて
ずれ時間Dを求めた後に、D2−Dを演算して実際の相
関値のピークが存在する電波の伝搬遅延時間に相当する
距離Lを求める。
【0027】また、A1−A3<0の場合には、D2の位
置が実際の相関値のピークより前の位置に存在すると判
断して、(3)式に基づいてずれ時間Dを求めた後に、
D2+Dを演算して上記距離Lを求める。また、D=0
の場合、すなわち相関値A1とA3の値が同じ場合には、
D2の位置が実際の相関値のピークの位置と判断して、
上記距離Lを求める。
【0028】ここで、上記実測データでは、A1−A3>
0の場合なので、遅延シフト回数7〜9の遅延シフト回
数と受信強度を、図4に示した遅延シフト回数D1〜D3
と受信強度A1〜A3に当てはめると、(2)式から、 D=0.5×|83−117|×|16.875−15|/|83−158| =0.425 となる。
【0029】さらに、演算処理部11は、A1−A3>0
と判断しているので、L=D2−D=15−0.425
=14.575を演算することにより、ほぼ14.5m
という物体との距離を求めることができる。なお、本実
施例では、20MHzの発振子を用いており、図6に示
すように、この発振周波数を逓倍回路15aで4逓倍
し、その信号を54個のフリップフロップ15b1〜1
5b54で構成された遅延回路15のクロック周波数とす
る。各フリップフロップの出力は、セレクタ15cに入
力された後、演算処理部11からの制御によって順次選
択され、逆拡散用のPN符号として受信部17内の図示
しないミキサへ入力される。なお、本実施例において、
フリップフロップの数を54個としたのは、上述したご
とく、検出距離100mの場合に1.875mのシフト
単位で処理を行うためである。
【0030】このように、本実施例では、相関がとられ
る±1チップの範囲で、3つ以上の互いに対応する遅延
時間と相関値の一対の情報を検出し、上記情報から相関
のピーク値に最も近い相関値と上記ピーク値とのずれ時
間Dを求めるので、電波の伝搬遅延時間を精度良く検出
できる。本実施例では、さらに検出した伝搬遅延時間か
ら物体との距離を求めるので、チップレートやシフトレ
ジスタを高速化することなく、距離精度の向上が図られ
る。
【0031】また、本発明と上述した従来方式との比較
を行うと、従来方式では上述したごとく、チップレート
を40MHzとすると、100mまでの範囲を検出する
ための相関回数は、少なくとも27回必要となり、検出
された物体が1つの場合には、3チップ分すなわち25
ns×3=75nsを1mの精度、つまり6.67ns
間隔で相関演算を実施することになるから、75/6.
67≒11となり、合計で27+11=38回の演算が
必要になる。これをまとめると以下の表2のようにな
る。
【0032】
【表2】
【0033】例えば、PN符号の符号長が255チップ
の場合、1周期の符号長の演算に要する論理的な演算時
間は、チップレートが40MHzであるので、25ns
×255=6.375μsとなる。実際の演算処理の過
程においては、図2に示す回路構成に関係して、演算処
理部11に含まれる図示しないフィルタの通過遅延特性
が演算時間を支配している。演算処理部11に構成され
るフィルタの特性により通過遅延特性は異なるが、例え
ば12kHz〜68kHzを通過させるようにカットオフ
周波数80kHzを有する4次連立チェビシェフのロー
パスフィルタを用いた場合、最大で約13μsという通
過遅延が実測値として得られた。上述の例で考えた場
合、物体が1つでは、13μs×(54−38)=20
8μsの時間だけ、従来方式が有利であるが、物体が3
つになると、13μs×(60−54)=78μsの時
間だけ、本発明が有利になり、さらに物体の数が増えれ
ば増えるほどに、本発明の方が演算時間が短くなって、
処理時間が速まることになる。実際の交通量の多い道路
上では、前方に複数台の車両が存在する場合が多いの
で、本発明に係る遅延時間検出方法を用いたレーダを車
両に搭載することによって、処理時間の高速化が可能と
なる。また、現実的な問題として、トンネル内や防音壁
のある高速道路等では、道路の路側がいろいろな距離の
物体として検出される。このような環境下において、従
来方式を用いた場合には、演算回数は極端に悪化する
が、本発明に係る遅延時間検出方法を用いた場合には、
演算回数が固定なので、影響を受けることがないという
効果もある。
【0034】さらに、従来方式では、上記相関検出の後
に、例えばドップラシフトによる相対速度測定を行うの
で、その処理時間も考慮する必要がある。例えば、送信
周波数が77GHzのサンプリングの場合、相対速度1
km/hに相当するドップラシフトは140Hzとな
る。200kHzのサンプリングでA/D変換を行う場
合、1024ポイントのサンプリングで、195Hzの
周波数分解能が実現でき、相対速度に換算してほぼ1k
m/hの分解能が実現できる。この時の観測時間(FF
T処理時間)は、(1/200kHz)×1024≒
5.1msが必要となる。これに対して本発明では、上
記手順で求めた電波の伝搬遅延時間から、物体との距離
を正確に求めることができ、公知の追跡処理によってそ
の物体の前回の時に検出された距離と今回検出された距
離とから相対速度を正確に求めることができるので、速
度精度の向上が図られるとともに、さらなる処理時間の
高速化が可能となる。
【0035】本発明は、これら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
実施が可能である。例えば、道路の路側に本発明に係る
遅延時間検出方法を用いたレーダ装置を設置して、上記
道路上を走行している物体の距離を検出することで、上
記物体が走行している車線を認識することも可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、疑似
雑音信号によって帯域拡散された電波に基づく反射波を
受信した後、遅延させた疑似雑音信号で逆拡散し、該逆
拡散された信号の相関値に基づき、伝搬遅延時間を検出
する遅延時間検出方法において、逆拡散後に互いに対応
している疑似雑音信号の遅延時間とその時の相関値から
なる一対の情報を少なくとも3つ読み取り、読み取った
情報のうち、相関のピーク値に最も近い相関値と前記ピ
ーク値とのずれ時間を求め、該ずれ時間から前記電波の
伝搬遅延時間を検出するので、相関値がピーク時におけ
る電波の伝搬遅延時間を検出することができ、上記伝搬
遅延時間を精度良く検出するとともに、処理時間の高速
化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延時間検出方法を用いたレーダ
装置の一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】送信部、受信部、ダウンコンバータ部及び高周
波回路の具体的な機能ブロックを含んだ図1の一実施例
の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の構成において、PN符号の遅延時間のシ
フト単位が0.5チップの時の受信強度と遅延シフト回
数の関係を示す関係図である。
【図4】図3中の主要部を拡大した拡大図である。
【図5】同じく、図3中の主要部を拡大した拡大図であ
る。
【図6】図1に示した遅延回路の構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
10 物体 11 演算処理部 12 PNジェネレータ 13 送信部 13a,18a,19a 発振器 13b,17a,18b ミキサ 14,16 アンテナ 15 遅延回路 15a 逓倍回路 15b1〜15b54 フリップフロップ 15c セレクタ 17 受信部 18,19e ダウンコンバータ 19 高周波回路 19b 電力分配器 19c アップコンバータ 19d フィルタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疑似雑音信号によって帯域拡散された電
    波に基づく反射波を受信した後、遅延させた疑似雑音信
    号で逆拡散し、該逆拡散された信号の相関値に基づき、
    伝搬遅延時間を検出する遅延時間検出方法において、 前記逆拡散後の相関値を読み取り、前記疑似雑音信号の
    遅延時間と前記相関値との関係に基づいて、前記電波の
    伝搬遅延時間を検出することを特徴とする遅延時間検出
    方法。
  2. 【請求項2】 前記遅延時間と相関値は、互いに対応し
    ている一対の情報からなり、前記遅延時間検出方法で
    は、前記逆拡散後に少なくとも3つの前記一対の情報を
    読み取り、該読み取った情報から前記電波の伝搬遅延時
    間を検出することを特徴とする請求項1に記載の遅延時
    間検出方法。
  3. 【請求項3】 前記遅延時間検出方法では、前記読み取
    った情報のうち、相関のピーク値に最も近い相関値と前
    記ピーク値とのずれ時間を求め、該ずれ時間から前記電
    波の伝搬遅延時間を検出することを特徴とする請求項2
    に記載の遅延時間検出方法。
  4. 【請求項4】 前記3つの一対の遅延時間と相関値の情
    報がそれぞれ(D1,A1)、(D2,A2)、(D3,A
    3)とし、かつ、前記情報のうち前記ピーク値に最も近
    い情報を(D2,A2)とすると、前記ずれ時間Dは、 D=0.5×|A3−A1|×|D3−D2|/|A3−A2
    | 又はD=0.5×|A3−A1|×|D2−D1|/|A2
    −A1|によって求めることを特徴とする請求項3に記
    載の遅延時間検出方法。
  5. 【請求項5】 前記検出した電波の伝搬遅延時間に基づ
    いて前記物体との距離を求めることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の遅延時間検出方法。
  6. 【請求項6】 前記物体との距離は、D2−D、又はD2
    +Dに基づいて求めることを特徴とする請求項4又は5
    に記載の遅延時間検出方法。
  7. 【請求項7】 前記検出した電波の伝搬遅延時間に基づ
    いて前記物体との相対速度を求めることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の遅延時間検出方法。
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