JP2000199191A - 製紙用単層織物 - Google Patents

製紙用単層織物

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JP2000199191A JP11038991A JP3899199A JP2000199191A JP 2000199191 A JP2000199191 A JP 2000199191A JP 11038991 A JP11038991 A JP 11038991A JP 3899199 A JP3899199 A JP 3899199A JP 2000199191 A JP2000199191 A JP 2000199191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保水性が小さく、緯糸の繊維保持性が良好で
補助緯糸の移動の生じない製紙用単層織物を提供する。 【解決手段】 経糸が連続する複数の緯糸の上側を通つ
て製紙面にクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の緯
糸の下側を通って走行面にクリンプを形成する緯糸摩耗
型の織物本体の、各緯糸間に緯糸より線径の小さい補助
緯糸を配置した織物であって、経糸が緯糸を下側から織
り込む位置の前後で、該緯糸と隣り合う補助緯糸を該経
糸が上側から織り込むことを特徴とする製紙用単層織物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用織物に関
し、特には抄紙用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙方法は周知の技術であって、まずパ
ルプ繊維等を含む製紙原料が、ヘッドボックスからエン
ドレスに形成されて抄紙機のロール間に掛け入れられ走
行している抄紙用織物上に供給される。抄紙用織物の原
料が供給される側が製紙面、その反対側が走行面であ
る。供給された原料は抄紙用織物の走行に伴って移動
し、移動中に織物の走行面側に設置されたサクションボ
ックスやフォイル等の脱水装置によって、水分が除去さ
れ、湿紙が形成される。すなわち、抄紙用織物がフィル
ターとして機能し、パルプ繊維と水を分離するのであ
る。この抄紙ゾーンで形成された湿紙は、次にプレスゾ
ーンとドライヤーゾーンに移送される。プレスゾーンで
は、湿紙は製紙用フェルトによって移送され、製紙用フ
ェルトと共にプレスロール間でニップ圧によって搾水さ
れ、さらに水分が除去される。ドライヤーゾーンでは、
湿紙は製紙用キャンバスによって移送され、乾燥されて
紙が製造される。製紙用織物は、合成樹脂モノフィラメ
ント等の経糸、緯糸を用いて織機で製織される。無端状
に形成するには周知の織継やピンシーム等によって無端
状に形成されるか、袋織り織機により製織の段階で無端
状に形成される。袋織りの場合は織機上と使用時では経
糸と緯糸の関係が逆になる。
【0003】本明細書において、経糸とは、製紙機械の
機械方向すなわち使用時に織物の進行方向に伸びている
糸であり、緯糸とは、製紙機械の機械横断方面すなわち
織物の巾方向に伸びている糸である。製紙用織物、特に
抄紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。表面
平滑性の向上、紙のワイヤーマーク発生防止、製紙の歩
留まりの向上、良好なろ水性、耐摩耗性、寸法安定性、
走行安定性等である。近年、抄紙スピードの高速化、中
性抄造の増加、填料の使用量の増加、製紙会社のコスト
ダウン政策にともない、上記要求に対しての早期解決が
強く望まれている。抄紙スピードが高速になると、必然
的に脱水スピードが高速になり、脱水力も強力になる。
製紙原料は抄紙用織物を介して脱水されるのであるか
ら、水分は抄紙用織物の糸間に形成されている網目を通
って除去されるのである。これが▲ろ▼水空間である。
ところが、製紙原料から除去されるのは水分だけではな
く、細かい繊維や填料等も一緒に抜け出すので、リテン
ション(製紙の歩留まり)が低下する。また、織物上に
残って形成された湿紙も脱水力によって、織物製紙面に
押しつけられるため、糸が存在している部分では、糸が
湿紙にくい込み、逆に糸が存在しない網目間では湿紙が
網目間にくい込んで、湿紙表面上に糸と網目のマークが
発生する。また、網目間には繊維がより滞留するために
繊維密度が過密になり、紙の繊維密度の粗密も発生し、
紙に厚薄が生ずる。これがワイヤーマーク、ろ水マーク
と呼ばれるものである。また、湿紙のくい込みが大きく
なったり、繊維のささり込みが発生すると湿紙をフェル
トへ移送する場合の抄紙織物からの湿紙剥離性が悪くな
るという問題も発生する。ワイヤーマークを完全になく
すことは不可能であるが、これを極力小さく、目立たな
くするために、織物の製紙面を細かくして、繊維支持性
と平滑性の向上を図らなくてはならない。脱水スピード
が高速になり、脱水力が強力になると、当然繊維の抜け
やワイヤーマークの発生は顕著になるため、抄紙用織物
の性能のさらなる向上が必要となる。また、繊維は織物
走行方向に配向するため、特に緯糸の繊維支持性を向上
させる必要がある。また、高速の条件下で良好に脱水す
るためには優れたろ水性が要求される。優れたろ水性を
有すれば、脱水の真空圧を抑えることができ、前述した
網目間への繊維のもぐり込みや抜けが少なくなり、ワイ
ヤーマークの発生をなくし、リテンションを向上させる
ことが可能となる。また、抄紙スピードが高速になる
と、ロール回転部等で織物に含まれている水が飛び散っ
て水しぶきが発生し、その水滴が湿紙に落ちてマークを
発生させるので織物の保水性を小さくすることも要求さ
れる。近年、ハイブリドフォーマーやギャップフォーマ
ーのようなツインワイヤー方式の抄紙機が急激に増加し
てきたため、この問題が、解決しなくてはならない最重
要課題の1つとなっている。
【0004】一方、中性抄造の増加は耐摩耗性の向上に
対する要求をさらに強いものとした。中性抄造は填料と
して炭酸カルシウムを使用するため、酸性抄造とは異な
り走行面の糸を激しく摩耗させるのである。また、抄紙
スピードの高速化や、繊維の歩留まりによるろ水低下に
伴う過剰脱水が条件をさらに苛酷にする。耐摩耗性を向
上させるためには、織物組織を緯糸摩耗型の組織にした
り、糸の材質を変更したりという対策が取られている。
一般的に使用中の織物の耐摩耗性の向上と姿勢安定性の
維持の点からは、織物の緯糸に耐摩耗作用を受け持たせ
ることが好ましい。経糸が摩耗すると当然のことではあ
るが、引張強度が低下して織物の寸法が伸び、さらに摩
耗して経糸が摩耗切断すると織物自体が切断して使用寿
命が尽きてしまう。また、耐摩耗性の優れているポリア
ミドモノフィラメントを緯糸に使用することも試みられ
ているが、この試みは織物の構造自体を改善するもので
はなく、単に使用する材料の性質を利用するたけであっ
て、画期的効果は得られず、半面ポリアミドモノフィラ
メントを用いた織物は姿勢安定性が悪いという欠点があ
った。また、走行面の緯糸に太い糸を使用することも試
みられたが、経糸と緯糸のバランスが崩れ、クリンプ性
が悪化してワイヤーマーク発生の原因となる等の欠点が
あり実用上問題があった。
【0005】紙のワイヤーマークの発生を防止するため
には経糸および緯糸の本数密度を増やし、繊維の支持性
を向上させることが考えられるが、そのためには経糸、
緯糸の線径を細くする必要がある。しかし、現在一般的
に使用されている周知の経糸1重緯糸2重織物では線径
を細くすると耐摩耗性、剛性、姿勢安定性が低下してし
まう。このように、製紙用織物は、耐摩耗性や剛性を向
上させようと線径を太くすると表面性が損なわれ、紙に
ワイヤーマークが発生し、逆に表面性を向上させようと
線径を細くして本数密度を増やすと耐摩耗性や剛性が低
下してしまうというように、いわば相反する問題を抱え
ていた。
【0006】上述の問題を解決するために製紙面側と走
行面側とを夫々別々の経糸、緯糸を用いて構成して、両
層の織物を接結糸によって一体化させた織物での試みも
なされている。すなわち、製紙面側織物には線径の小さ
い経糸、緯糸を使用して緻密な製紙面を形成し、走行面
側織物には線径の大きい経糸、緯糸を使用して耐摩耗性
の大きい走行面を形成するのである。しかしながら、こ
れも必ずしも満足のいくものではなかった。なぜならば
接結糸と製紙面側の糸とが交差する接結部において、接
結糸が製紙面側織物を走行面側に引き込むために製紙面
側織物表面に凹みが発生し、実際に紙を抄いた時に、こ
の凹みのマークが紙に転写されワイヤーマークが発生す
る。また、この凹みを極力少なくするために、接結糸の
線径を小さくしたり接結糸の本数を少なくすると、接結
糸が弱くなるため、接結糸が製紙面側織物と走行面側織
物の間でもまれて内部摩耗が起こり、さらに接結力が弱
くなって、製紙面側織物と走行面側織物の間に間隙が発
生したり、分離して使用寿命が尽きる問題が生じた。ま
た、2層織物であるので、抄紙用織物の厚さも厚くな
り、前述した保水性が大きくなるという問題もあった。
【0007】ところで、効果的に繊維の支持性を向上さ
せ、紙にワイヤーマークを発生させずに、良質な紙を抄
造するためには、好適には緯糸で繊維を支持する必要が
ある。なぜならば、一般的にヘッドボックスから抄紙用
織物上に供給されるパルプ繊維は機械方向、すなわち経
糸方向に配向するからである。経糸間の凹みを緯糸で分
断して繊維を支持することにより、繊維が経糸間に滞留
するのを防止するのである。そこで、上記の複数の問題
を解決するために、緯糸摩耗型の単層織物に補助緯糸を
配置した製紙用単層織物が、特開平2−68383、特
開平2−68384、特開平2−68385、特開平3
−279485で提案されている。単層の織物であるた
め厚さが薄く保水性が小さく、織物本体が緯糸摩耗型で
あるため耐摩耗性も良好で、補助緯糸を配置して織物本
体に形成されている凹みを埋め、表面平滑性、緯糸の繊
維支持性を向上させることができ、上記目的を達成し、
ある程度の効果が証明されているが、補助緯糸の織り込
みが少なく、保持性が十分でないので、高圧のシャワー
が当たったりすると補助緯糸が振動してフィブリル化す
るという問題もあった。また、補助緯糸の織り込みが少
ないために、補助緯糸の曲がり形状がしっかりと形成さ
れてなく、織物を無端状に形成するための織り継ぎ作業
時に、補助緯糸と経糸との噛み合わせが悪く、織り継ぎ
部に凹凸が発生して、平滑性が損なわれるという問題も
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑みて、保水性が小さく、耐摩耗性、表面平滑性、緯糸
の繊維支持性が良好で、補助緯糸の織り込みが強力で補
助緯糸の移動が発生しない製紙用単層織物を提供しよう
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 経糸が連続する複数の緯糸の上側を通って製紙
面にクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の緯糸の下
側を通って走行面にクリンプを形成する緯糸摩耗型の織
物本体の、各緯糸間に緯糸より線径の小さい補助緯糸を
配置した織物であって、経糸が緯糸を下側から織り込む
位置の前後で、該緯糸と隣り合う補助緯糸を該経糸が上
側から織り込むことを特徴とする製紙用単層織物。 2. 経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後以外の
位置では、補助緯糸を経糸の上側に配置した、1項に記
載された製紙用単層織物。 3. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下
側を通った後連続する4本の緯糸の上を通る経糸を順次
緯糸2本分ずらして配置した5シャフトの朱子織の織物
である、1項または2項に記載された製紙用単層織物。 4. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下
側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を綾を
崩してずらして配置した4シャフトの崩し綾織の織物で
ある、1項または2項に記載された製紙用単層織物。 5. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下
側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を順次
緯糸1本分ずらして配置した4シャフトの綾織の織物で
ある、1項または2項に記載された製紙用単層織物。」
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、織物本体を経糸
が連続する複数の緯糸の上側を通って製紙面側に長いク
リンプを形成し、緯糸が連続する複数の経糸の下側を通
って走行面側に長いクリンプを形成する緯糸摩耗型の単
層織物とし、織物本体の緯糸間に補助緯糸を配置し、経
糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、該経糸が該
緯糸と隣り合う補助緯糸を上側から織り込む構成とした
ことである。単層織物であるため、織物の厚さを薄くし
て保水性を小さくすることができ、抄紙機が高速になっ
てもロール回転部等で織物に含まれている水が飛び散っ
て水滴が湿紙に落ちてマークを発生させる問題が発生し
ない。また、緯糸摩耗型にしたことにより緯糸が経糸の
摩耗を保護する構造となり耐摩耗性が良好となる。ま
た、緯糸間に補助緯糸を配置したことにより、緯糸の繊
維支持性、表面平滑性が向上し、ワイヤーマークの発生
防止、パルプ繊維の経糸間への滞留防止がなされる。補
助緯糸は全緯糸間に配置することが表面の均一性からみ
て好ましい。そして、この補助緯糸を経糸が緯糸を下側
から織り込む位置の前後で上側から織り込む構成とした
ことにより、補助緯糸が強力に組織内に織り込まれ、補
助緯糸の移動が発生することなく保持性が良好であり、
曲がり形状もしっかりと形成される。
【0011】経糸が緯糸を下側から織り込む位置とは、
経糸が緯糸の下側に配置される位置であり、経糸が最も
下方に配置されている部分であり、その前後とは経糸が
緯糸の上側から緯糸の下側へと向かう途中と、経糸が緯
糸の下側から緯糸の上側へと向かう途中の2箇所であっ
て、経糸が補助緯糸を上側から織り込む場合に最も下方
で織り込める位置である。その位置で織り込んでいるた
め、強力に補助緯糸を下側に引き込んで組織内に深く織
り込むことができるのである。また、前後で織り込むと
結果として完全組織内で補助緯糸を2回織り込むことと
なるため、織り込む箇所が多くなりこれも補助緯糸の保
持性を増やす要因となっている。さらに、経糸が緯糸を
下側から織り込む位置の前後の補助緯糸を上側から織り
込んだ位置以外の部分で、補助緯糸を経糸の上側に配置
させることにより表面平滑性をさらに向上させることが
できる。
【0012】織物を形成する糸は、経糸と緯糸の交差部
で直角に曲がってクリンプが矩形状に形成されるわけで
はなく、交差部では通常曲線状に曲がるのでクリンプは
弓状に形成される。例えば製紙面側に形成される経糸の
クリンプは、緯糸を下側から織り込む位置と次に緯糸を
下側から織り込む位置の間で弓状に製紙面側に突き出し
て形成され、その織り込み位置間の中央部が最も製紙面
側に突出する。したがって、製紙面に高低差ができて凹
みが発生し表面平滑性が損なわれる。前述した従来の補
助緯糸を配置した製紙用単層織物は、この凹みに補助緯
糸を配置して表面平滑性を向上させるという思想でなさ
れたものであるが、前述したような問題があった。
【0013】本発明は、従来の凹みを埋めるという思想
とは異なり、経糸のクリンプの弓状の形状を直線状に近
付けて高低差を少なくすることによって表面平滑性を向
上させているのである。すなわち、経糸が緯糸を下側か
ら織り込む位置の前後で、経糸が緯糸の上側から緯糸の
下側へ下向かう途中と、経糸が緯糸の下側から緯糸の上
側へと向かう途中の、補助緯糸が経糸の下側に配置され
て織り込まれている部分では、補助緯糸が経糸を上側に
押し上げ、その他の経糸が緯糸の上側に配置されて製紙
面側にクリンプを形成している部分の補助緯糸が経糸の
上側に配置されている部分では補助緯糸が経糸を下側に
押し下げるため、経糸が補助緯糸を織り込む部分では経
糸の屈曲が直角に近付き、経糸のクリンプ部分ではクリ
ンプ形状が弓状から直線状になって製紙面が平滑になる
のである。これについては後に図面を示して詳しく説明
する。
【0014】また、経糸が直線状に形成されることによ
って経糸方向の伸び剛性も良好になる。本発明に使用さ
れる糸としては製紙用織物に望まれる特性によって自由
に選択でき特に限定されない。例えば、モノフィラメン
トの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工
や崇高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、
バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、
モール糸、あるいはこれらをより合わせたりして組み合
わせた糸等が使用できる。また、糸の断面形状も円形だ
けでなく四角形状、星型の矩形状、偏平形状、楕円形
状、中空等の糸が使用できる。また、糸の材質として
も、自由に選択でき、ポリエステル、ナイロン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプ
ロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエチレンテレフタレート、綿、ウール、金属等が使用
できる。勿論、共重合体やこれらの材質に目的に応じて
色々な物質をブレンドしたり含有させた糸を使用しても
よい。
【0015】一般的には、製紙面側経糸、走行面側経
糸、製紙面側緯糸には剛性があり、寸法安定性が優れて
いるポリエステルモノフィラメントを用いるのが好まし
く、線径が小さく耐シャワー性、耐フィブリル化性が要
求される補助緯糸にはナイロンモノフィラメントを用い
るのが好ましい。また、耐摩耗性が要求される走行面側
緯糸にはポリエステルモノフィラメントとナイロンモノ
フィラメントを交互に配置する等、交織するのが剛性を
確保しつつ耐摩耗性を向上できて好ましい。また、組織
上は本来1本の糸であるところに、同組織で糸を複数本
引き揃えて配置することもできる。細かい線径の糸を引
き揃えて配置することによって、表面性の向上と、織物
の厚さを薄くすることが可能となる。
【0016】
【実施例】本発明を実施例を示して説明する。図1、
2、3は本発明の実施例の完全組織を示す意匠図であ
り、図4、5は従来例の完全組織を示す意匠図である。
完全組織とは、織物組織の最小の繰り返し単位であっ
て、この完全組織が上下左右につながって織物全体の組
織が形成される。図6は図1の実施例のI−I′線に沿
った断面図であり、図7は図4のII−II′線に沿っ
た断面図であり、図8は図5のIII−III′線に沿
った断面図である。図面において、経糸はアラビア数
字、例えば1、2、3、で示し、緯糸はダッシュを付し
たアラビア数字、例えば1′、2′、3′、で示し、補
助緯糸はダブルダッシュを付したアラビア数字、例えば
1″、2″、3″、で示す。また、×印は経糸が緯糸、
補助緯糸の上側に位置している位置を示し、白抜きの□
は経糸が緯糸、補助緯糸の下側に位置している位置を示
す。
【0017】図1が本発明の実施例1の完全組織を示す
意匠図である。図1の意匠図において1、2、3、4、
5が経糸であり、1′、3′、5′、7′、9′が緯
糸、2″、4″、6″、8″、10″が補助緯糸であ
る。本実施例の補助緯糸を除いた織物、すなわち本実施
例の本体織物は5シャフトの4/1朱子織りの織物であ
る。これは、補助緯糸を除いた本体織物のみを見た場
合、経糸1は緯糸1′の下側を通った後連続する4本の
緯糸3′、5′、7′、9′の上側をっ通って製紙面側
に長いクリンプを形成しており、この経糸1を順次緯糸
2本分ずらすことによって経糸2、3、4、5と配置し
て完全組織を形成していることからよく理解できる。次
に補助緯糸をみてみると、まず、補助緯糸はそれぞれの
緯糸間に配置されていることが理解できる。補助緯糸が
配置されているため緯糸方向の繊維支持性が良好であ
る。本実施例では全ての緯糸間に補助緯糸を配置した
が、これに限定されるわけではなく、例えば、1間隔ご
とに配置することもできる。そして、補助緯糸は経糸に
よって、経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で上
側から織り込まれていることが理解できる。例えば、経
糸1は緯糸1′を下側から織り込んでおり、その前後に
位置する下側に続く完全組織の補助緯糸10″と補助緯
糸2″を上側から織り込んでいる。また、補助緯糸は完
全組織で経糸によって2箇所で上側から織り込まれてい
ることがわかる。例えば、補助緯糸2″は経糸1と経糸
4によって上側から織り込まれている。また、本実施例
では補助緯糸が前記位置で経糸により上側から織り込ま
れている位置以外の部分では全て経糸の上側に配置され
ている。例えば、補助緯糸2″は経糸1と経糸4によっ
て上側から織り込まれているが、それ以外の経糸2、
3、5との交差部では上側に配置されている。また、経
糸1についてみると、経糸1が上側から織り込んでいる
補助緯糸10″と補助緯糸2″以外の補助緯糸4″、
6″、8″は経糸1の上側に配置されている。経糸1に
沿った断面図である図6からも上記の構成がよく理解さ
れる。そして、補助緯糸10″と2″が経糸1を上方に
押し上げ、補助緯糸4″、6″、8″が経糸1を下方に
押し下げることによって、経糸1の形状を直線状にし製
紙面の平滑性を向上させるのである。また、織物の厚さ
を薄くすることもできるのである。
【0018】図4に示した従来例である補助緯糸を配置
していない4/1朱子織りの単層織物の完全組織を示し
た意匠図のII−II′線に沿った断面図である図7の
経糸1の形状と比較すると本発明の経糸がいかに直線状
に形成されているかが理解できる。また、図5は特開平
2−68383公報に示される補助緯糸を配置した単層
織物の完全組織を示した意匠図である。図5のIII−
III′線に沿った断面図である図8を見ると、経糸1
が緯糸の下方から上方へ上がる部分等に形成される凹み
に補助緯糸を配置、例えば経糸1が緯糸1′の下方から
緯糸3′の上方に上がる部分に形成された凹みに補助緯
糸2″を配置して平滑性を向上させていることが判り、
本発明とは構成が全く異なることが理解できる。また図
5の例では、経糸が緯糸の上方から上方へ渡る部分で補
助緯糸を上側から織り込んでいるため、補助緯糸を組織
内の下方へ織り込む力が小さいので前述したような補助
緯糸の保持性が十分でない等の問題があった。
【0019】図2、図3は本発明の他の実施例の完全組
織を示す意匠図である。図2の実施例は本体織物が3/
1綾織の実施例であって、図3の実施例は本体織物が3
/1崩し綾織の実施例である。経糸、緯糸の符号は図1
1と同様である。
【0020】比較試験 次に図1に示した実施例と、図4、5に示した例を比較
例1、比較例2として比較試験を示し、本発明の効果を
説明する。織物構成と試験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(註)シート平滑度:中質紙配合の原料パ
ルプを使用し、タッピスタンダードシートテストマシン
で坪量70g/m相当の紙シートを抄造し、常法に従
って平滑シート作成し、ベックの平滑度計にて織物面に
接していた紙の平滑度を測定した。耐シャワー性:補助
緯糸の保持性を比較するために、実施例と比較例を枠体
に設置し、高圧シャワーを当てて補助緯糸がフィブリル
化するまでの時間を測定した。 伸び剛性:巾10mmのサンプルを引張試験機にセット
して7Kg張力時の伸びを測定した。
【0023】
【発明の効果】本発明は、前述のように単層構造の緯糸
摩耗型であるため、厚さが薄くて保水性が小さく、ろ水
性が良好であって、耐摩耗性が良好である。また、補助
緯糸が配置されているため表面平滑性、緯糸の繊維支持
性、ワイヤーマーク性が良好である。また、経糸を直線
状の形成させる構造であるため、さらに厚さを薄くする
ことができるとともに伸び剛性をも向上させることがで
きる。また、補助緯糸の織り込みが強力なため補助緯糸
の保持性が良好であり、補助緯糸が移動したりすること
がなく耐フィブリル化性も良好となる。また、補助緯糸
がしっかり曲がって形状が安定するため織り継ぎ作業に
不便が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図3】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図4】従来例の完全組織を示す意匠図である。
【図5】従来例の完全組織を示す意匠図である。
【図6】図1のI−I′線に沿った断面図である。
【図7】図1のII−II′線に沿った断面図である。
【図8】図1のIII−III′線に沿った断面図であ
る。
【符号の説明】
1 経糸 2 経糸 3 経糸 4 経糸 5 経糸 1′ 緯糸 3′ 緯糸 6′ 緯糸 9′ 緯糸 2″ 補助緯糸 4″ 補助緯糸 6″ 補助緯糸 8″ 補助緯糸 10″ 補助緯糸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸が連続する複数の緯糸の上側を通っ
    て製紙面にクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の緯
    糸の下側を通って走行面にクリンプを形成する緯糸摩耗
    型の織物本体の、各緯糸間に緯糸より線径の小さい補助
    緯糸を配置した織物であって、 経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、該緯糸と
    隣り合う補助緯糸を該経糸が上側から織り込むことを特
    徴とする製紙用単層織物。
  2. 【請求項2】 経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前
    後以外の位置では、補助緯糸を経糸の上側に配置した、
    請求項1に記載された製紙用単層織物。
  3. 【請求項3】 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の
    緯糸の下側を通った後連続する4本の緯糸の上を通る経
    糸を順次緯糸2本分ずらして配置した5シャフトの朱子
    織の織物である、請求項1または2に記載された製紙用
    単層織物。
  4. 【請求項4】 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の
    緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経
    糸を綾を崩してずらして配置した4シャフトの崩し綾織
    の織物である、請求項1または2に記載された製紙用単
    層織物。
  5. 【請求項5】 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の
    緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経
    糸を順次緯糸1本分ずらして配置した4シャフトの綾織
    の織物である、請求項1または2に記載された製紙用単
    層織物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116634A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Nippon Filcon Co Ltd 絞り緯糸を配置した工業用多層織物
CN101405444B (zh) * 2006-01-31 2011-05-18 阿斯顿约翰逊公司 单层造纸器织物

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