JP2000198879A - 抗菌・防カビ性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌・防カビ性樹脂組成物

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JP2000198879A
JP2000198879A JP10373741A JP37374198A JP2000198879A JP 2000198879 A JP2000198879 A JP 2000198879A JP 10373741 A JP10373741 A JP 10373741A JP 37374198 A JP37374198 A JP 37374198A JP 2000198879 A JP2000198879 A JP 2000198879A
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nhco
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Hiroki Koma
寛紀 高麗
Takuya Maeda
拓也 前田
Munehiro Yoshida
宗弘 吉田
Takeyasu Kunikata
健靖 国方
Koji Wada
耕治 和田
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Inui Corp
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INUI KK
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    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗菌・防カビ性が要求される分野に広範囲に
利用することができる抗菌・防カビ性に優れた樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 高分子樹脂と下記一般式で示される抗菌
性ビス第四アンモニウム塩化合物とからなることを特徴
とする抗菌・防カビ性樹脂組成物。 [式中、2つのR1は同一もしくは異なり、それぞれ炭
素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18のアルケ
ニル基を表し;2つのR2は同一もしくは異なり、それ
ぞれ水素原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し;R3
炭素数2〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のアル
ケニレン基を表し;Y1は−NHCO−、−CONH
−、−NHCS−、−COO−、−COS−、−O−又
は−S−を表し;Y2は−CONH−、−NHCO−、
−CSNH−、−OOC−、−SOC−、−O−又は−
S−を表し;Xはアニオンを表す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁紙をはじめ種々
の抗菌グッズのような健康・衛生面で抗菌・抗カビ性が
要求される分野で広範囲に利用することができる抗菌・
防カビ性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子樹脂を素材とする成形品は本来防
カビ性が比較的良好であり、各種の建材の表装材、家庭
用品、靴のインソール等に使用されているが、防カビ性
をさらに向上させるために、高分子樹脂にチアベンダゾ
ールやヒ素系、イミダゾール系、チアゾール系などの各
種の防カビ剤を配合することが行われている(例えば、
特開平1−259054号公報、特開平7−20709
0号公報等参照)。
【0003】ところが、近年、樹脂製品の用途が多様化
し、カビの成育を阻止するだけでは不充分となり、大腸
菌やブドウ球菌などの各種バクテリアに対しても充分に
耐性を有するものが要求されるようになりつつあり、例
えば、病院内での感染が問題となっているメチシリン耐
性黄色ブドウ球菌(MRSA)の増殖を抑制するための
繊維素材が開発されており、また、大腸菌の繁殖を抑制
するための抗菌剤を配合したプラスチック部材を用いた
冷蔵庫、洗濯機、食器乾燥機などの家電製品が実用化さ
れつつある。
【0004】抗菌剤を高分子樹脂に配合した例として
は、塩化ベンザルコニウム、第四アンモニウム塩、クロ
ルヘキシジンなどを配合したものが挙げられるが(例え
ば、特開平1−259054号公報、特開平9−324
070号公報等参照)、これらの抗菌剤は細菌類には効
果があるが、防カビ効果はなく、防菌・防カビ効果を有
する高分子樹脂製品とするためには、防カビ剤を併用す
る必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グラ
ム陽性及びグラム陰性のいずれの細菌類に対しても優れ
た抗菌効果を発揮するのみならず、同時に真菌類に対し
ても優れた防カビ効果を示し、健康・衛生面で抗菌・防
カビ性が要求される分野で広範囲に利用することができ
る樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子樹脂
と、下記一般式
【0007】
【化2】 [式中、2つのR1は同一もしくは異なり、それぞれ炭
素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18のアルケ
ニル基を表し;2つのR2は同一もしくは異なり、それ
ぞれ水素原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し;R3
炭素数2〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のアル
ケニレン基又は場合により炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基もしくは炭素数2〜6
のアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいフェ
ニル基もしくはキシリレン基を表し;Y1は−NHCO
−、−CONH−、−NHCS−、−COO−、−CO
S−、−O−又は−S−を表し;Y2は−CONH−、
−NHCO−、−CSNH−、−OOC−、−SOC
−、−O−又は−S−を表し;Xはアニオンを表す]で
示される抗菌性ビス第四アンモニウム塩化合物とからな
ることを特徴とする抗菌・防カビ性樹脂組成物を提供す
るものである。
【0008】以下、本発明の抗菌・防カビ性樹脂組成物
について、さらに詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、「アルキル
基」は直鎖状又は分枝鎖状であり、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−
ブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−ペンチ
ル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シルなどが挙げられ、抗菌力の観点からR1としてのア
ルキル基は炭素数が7以上のものが好適である。
【0010】「アルケニル基」は直鎖状又は分枝鎖状で
あり、例えば、アリル、メタリル、ペンテニル、ヘキセ
ニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、
ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデ
セニル、オクタデセニルなどが挙げられる。
【0011】「アルコキシ基」はアルキル部分が上記の
意味を有するアルキルオキシ基であり、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、ブト
キシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert
−ブトキシなどが挙げられる。
【0012】「アルキレン基」としては
【0013】
【化3】 で示されるタイプのものが好適であり、ここでnは2〜
18、特に3〜8の範囲内にあることが好ましい。
【0014】「アルケニレン基」としては、例えば−C
H=CH−、−CH=CH−CH2−、−CH2−CH=
CH−CH2−等が挙げられる。
【0015】「アルコキシカルボニル基」はアルキル部
分が上記の意味を有するアルキルオキシカルボニル基で
あり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなどが挙げられる。
【0016】「ハロゲン原子」はフッ素、塩素、臭素及
びヨウ素を包含する。
【0017】「アニオン」としては、ハロゲンイオン
(Cl-、Br-、I-など)硝酸根(NO3 -)などの無
機アニオンや、酢酸イオン(CH3COO-)、プロピオ
ン酸イオン(C25COO-)などの有機酸アニオンが
包含される。
【0018】しかして、本発明において抗菌剤として使
用される前記式(I)の化合物の具体例を挙げれば次の
とおりである。
【0019】N,N′−ヘキサメチレンビス(4−カル
バモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(イヌ
イ(株)製、「ダイマー38」)、N,N′−ヘキサメ
チレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウ
ムアセテート)(イヌイ(株)製、「ダイマー38
A」)、4,4′−(テトラメチレンジカルボニルジア
ミノ)ビス(1−デシルピリジニウム ブロマイド)
(イヌイ(株)製、「ダイマー136」)、4,4′−
(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デ
シルピリジニウム アセテート)(イヌイ(株)製、
「ダイマー136A」)、1,4−テトラメチレンビス
(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム
ブロマイド)、1,6−ヘキサメチレンビス(3−カル
バモイル−1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、
1,6−オクタメチレンビス(3−カルバモイル−1−
テトラデシルピリジニウム ブロマイド)、3,3′−
(1,3−トリメチレンジカルボニルジアミノ)ビス
(1−ドデシルピリジニウム ブロマイド)、4,4′
−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクチルピリジニ
ウム アイオダイド)、3,3′−(m−キシリルジチ
オ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム ブロマイ
ド)、N,N′−(p−フェニレン)ビス(4−カルバ
モイル−1−オクチルピリジニウム ブロマイド)、
N,N′−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル
−1−ドデシルピリジニウム ブロマイド)、4,4′
−(p−フタルアミド)ビス(1−オクチルピリジニウ
ム ブロマイド)、3,3′−(m−フタルアミド)ビ
ス(1−オクタデシルピリジニウム アイオダイド)、
4,4′−(1,8−オクタメチレンジオキシ)ビス(1
−ドデシルピリジニウム ブロマイド)、3,3′−
(1,6−ヘキサメチレンジオキシ)ビス(1−ヘキサ
ドデシルピリジニウム ブロマイド)、4,4′−(1,
6−ヘキサメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−
オクチルピリジニウム ブロマイド)、3,3′−(1,
6−テトラメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−
ドデシルピリジニウム ブロマイド)、4,4′−(1,
4−テトラメチレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−
オクチルピリジニウム ブロマイド)、3,3′−(p
−フタロイルジオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム
クロライド)、4,4′−(1,8−オクタメチレンジ
カルボニルジチオキシ)ビス(1−オクタデシルピリジ
ニウム ブロマイド)、3,3′−(m−フタロイルジ
チオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム アイオダイ
ド)など。
【0020】前記式(I)の化合物は、例えば、本願出
願人の出願に係る特開平9−110692号公報、特開
平10−95773号公報、特願平9−104021号
明細書、特願平10−282071号明細書、平成10
年10月28日付の発明の名称が「抗菌活性を有するビ
ス第四アンモニウム塩化合物及びその製造方法」の特許
出願(整理番号9810084)明細書等に開示されて
おり、或いはこれらの公報又は明細書に記載の方法に準
じて製造することができる。
【0021】一方、本発明に従い前記式(I)の抗菌性
化合物を配合することができる高分子樹脂の種類には特
に制約はなく、本発明の樹脂組成物の用途等に応じて自
由に選ぶことができる。使用し得る樹脂の具体例として
は、例えば、塩化ビニル系ポリマー、ウレタン系ポリマ
ー、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、エチ
レン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、アミド系ポリ
マー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン
系ポリマー、スチレン系ポリマー、エステル系ポリマ
ー、ナイロン系ポリマー、セルロース誘導体、カーボネ
ート系ポリマー、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ビ
ニルアルコール系ポリマー、ビニルエステル系ポリマ
ー、合成ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。
【0022】本発明の抗菌・防カビ性樹脂組成物は、上
記の如き高分子樹脂中に前記式(I)の抗菌性化合物を
均一に分散させることにより調製することができる。例
えば、高分子樹脂に式(I)の化合物を加えて溶融混練
する方法、高分子樹脂の溶液中に式(I)の化合物又
は、その溶液を加えて混合する方法、高分子樹脂の原料
となるモノマーに式(I)の化合物を混合した後該モノ
マーを重合させる方法等により、本発明の樹脂組成物を
得ることができる。或いはまた、高分子樹脂に式(I)
の化合物を化学的に結合させることもできる。
【0023】高分子樹脂に対する式(I)の化合物の配
合量は、厳密に制限されるものではなく、用いる樹脂や
式(I)の化合物の種類、得られる樹脂組成物の用途等
に応じて変えることができるが、一般には、高分子樹脂
100重量部あたり0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜1重量部の範囲内とすることができる。
【0024】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
可塑剤、充填剤、着色剤(染料、顔料など)、紫外線吸
収剤等を適宜配合してもよい。
【0025】本発明の樹脂組成物は、その用途等に応じ
て種々の形態に加工することができる。例えば、本発明
の樹脂組成物は、押出成形、射出成形、溶液流延法、紡
糸法等それ自体既知の樹脂加工法によって、フィルム
状、シート状、板状、繊維状、立体状に成形し、例え
ば、内装材(壁紙など)、床材(タイルなど)、家電製
品(冷蔵庫、洗濯機、乾燥機など)等に利用することが
できる。
【0026】また、本発明の樹脂組成物は、塗料用溶剤
に溶解ないし分散させ、適宜、顔料、架橋剤、その他の
塗料用添加物を配合することにより、抗菌塗料の形態に
することもできる。
【0027】さらに、本発明の樹脂組成物は、繊維製品
及び紙製品の抗菌・防カビ加工用として、有機溶剤溶液
又は水性エマルジョンの形態で繊維製品や紙製品に適用
することができる。その適用法としては、例えば、パデ
ィング法、浸漬法、スプレー法、プリント法、コーティ
ング法、グラビア加工法、泡加工法などが挙げられる。
このような繊維製品及び紙製品の処理に適した高分子樹
脂としては、例えば、澱粉系、カルボキシメチルセルロ
ース系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、塩化ビ
ニル系、酢酸ビニル系、フッ素系、シリコン系、ポリア
ミド系、ポリエステル系、グリオキザール系、ポリフッ
化ビニリデン系、スチレン、ブタジエン系、アクリロニ
トリル・ブタジエン系、アクリレート系、エチレン・酢
酸ビニル系、アクリル・エチレン・酢酸ビニル系、エチ
レン・塩化ビニル系などが挙げられる。
【0028】また、本発明の樹脂組成物を用いて抗菌・
防カビ加工をすることができる繊維製品及び紙製品の種
類には特に制約はなく、例えば、ポリエステル系繊維、
ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系
繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維;アセテー
トなどの半合成繊維;レーヨンなどの再生繊維;木綿、
麻、羊毛、絹、パルプなどの天然繊維;あるいはこれら
を混紡、混織、交撚、交織、交編、混綿した混用素材な
どの材料を各種の形態、例えば、フィラメント、ステー
プルなどの繊維;フィラメント糸、紡績糸などの糸;織
物、編物、不織布などの布帛;繊維を抄いて紙状にした
もの、あるいはこれらから得られる繊維製品、紙製品な
どの形態のものが挙げられる。
【0029】本発明の樹脂組成物を用いて加工された繊
維製品及び紙製品としては、例えば、病院用リネン製
品、衛生加工製品、寝装品、靴下、サポーター、カーペ
ット、トイレタリー用品、調理用台所用品、玩具類、電
気製品のフィルター類、ぬれティシュ、ヘルメット、壁
紙などが挙げられる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0031】実施例1 エーテル系ウレタンとエステル系ウレタンにダイマー3
8、ダイマー136または銀系無機抗菌剤を1phr添
加した抗菌ウレタンを得た。得られた抗菌ウレタンを用
いてフィルム密着法に従い抗菌試験をおこなった。すな
わち、各試験片(5cm×5cm)を、それぞれ滅菌シ
ャーレに入れ、試験面に各接種用菌液0.5mlを接種
し、その上に被膜フィルムを被せて蓋をし、37℃、2
4時間保存した。その後、試験片および被覆フィルムに
付着している菌をSCDLP培地(9.5ml)を用い
てシャーレー中に十分に洗い出し、この洗い出した液1
ml中の生菌数を寒天平板培養法により測定した。試験
は1サンプルにつき3検体でおこない、生菌数は3検体
の平均値で算出した。なお、菌としては黄色ブドウ球菌
(Staphylococcus aureus IFO 12732)及び大腸菌
(Escherichia coliK12 W3110)の2種を使用した。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 上記表1の結果から明らかなように、抗菌剤としてダイ
マー38及びダイマー136は、充分に機能しうること
がわかる。
【0033】実施例2 ポリ塩化ビニルにダイマー38、ダイマー136または
亜鉛系無機抗菌剤を添加した0.5%防カビ塩ビシート
を得た。得られた防カビ塩ビシートを用いて防カビ壁紙
性能表示規定で定められた試験方法に従い防カビ試験を
おこなった。すなわち、無機塩類寒天培地が入ったシャ
ーレに壁紙(4cm×4cm)をのせ、混合胞子懸濁液
0.5mlを寒天培地と試験片との面に均等にまきか
け、フタをして、温度28℃で、1週間ごとに9週間、
カビの発育状況を観察した。なお、カビには、クロコウ
ジカビ(Aspergillus niger IFO 6341)、アオカビ
(Penicillium funiculosum IFO 6345)、ケタマカ
ビ(Chaetomium globosum IFO 6347)、オウレオバ
シディウム(Aureobasidium pullulans IFO 6353)
の4種を混合胞子懸濁液にして使用した。結果を表2に
示す。表2中の各記号○、△、×の意味は以下の通りで
ある。
【0034】○ = 混合胞子懸濁液を接種した塩ビシー
トの部分に菌糸の発育が認められない。
【0035】△ = 混合胞子懸濁液を接種した塩ビシー
トの部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積
の1/3を越えない。
【0036】× = 混合胞子懸濁液を接種した塩ビシー
トの部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積
の1/3を越える。
【0037】
【表2】 上記表2の結果から明らかなように、ダイマー38又は
ダイマー136入り防カビ塩ビシートは、市販されてい
る亜鉛系無機抗菌剤入り防カビ塩ビシートより強い防カ
ビ力を示し、特に、ダイマー136入り防カビ塩ビシー
トでは、培養9週間後においてでもカビの発育が観察さ
れず、防カビ力が優れていることがわる。
【0038】参考例1 ダイマー38とダイマー136の最小発育阻止濃度(M
IC)すなわち静菌力を測定し、塩化ベンザルコニウム
の静菌力と比較した。最小発育阻止濃度(MIC)の測
定は、一般的なブロス希釈法に従い、ニュウトリエント
ブロスを用いて、菌懸濁濃度106cell/mlとな
るように調整した定常期状態の菌液を段階希釈した薬剤
溶液と混合し、37℃で、24時間静置培養後、増殖の
有無によりMIC値を決定した。なお、供試菌として、
グラム陰性菌8種およびグラム陽性菌4種を用いた。結
果を表3に示す。
【0039】
【表3】 上記表3の結果から明らかなように、ダイマー38及び
ダイマー136は大腸菌を含むグラム陰性菌8種および
MRSAを含むグラム陽性菌4種のいずれの細菌に対し
ても、同等の強い静菌力を示し、塩化ベンザルコニウム
よりも広い静菌スペクトルを有している。
【0040】参考例2 ダイマー38及びダイマー136の最小発育阻止濃度
(MIC)、すなわち防カビ力を測定し、2−(4−チ
アゾリル)ベンズイミダゾール(以下、「TBZ」とい
う)の防カビ力と比較した。最小発育阻止濃度(MI
C)の測定は、一般的なブロス希釈法に従い、前培養し
た真菌類をそれぞれ湿潤剤添加滅菌水で調整し胞子液を
作製した。その各胞子液を段階希釈した薬剤溶液と混合
し、27℃で、1週間静置培養後、増殖の有無によりM
IC値を決定した。なお、防カビ試験には、カビ10種
を用いた。結果を表4に示す。
【0041】
【表4】 上記表4の結果から明らかなように、ダイマー38及び
ダイマー136は10種のいずれかのカビに対して、T
BZと同等またはそれ以上の防カビ力を示し、広い防カ
ビスペクトルを有している。
【0042】
【発明の効果】本発明の抗菌・防カビ性樹脂組成物は、
従来の第四アンモニウム塩化合物よりも細菌類の繁殖を
抑制し、広い抗菌スペクトルを示す他に、真菌類に対し
ても防カビ効果を有する抗菌性ビス第四アンモニウム塩
化合物を高分子樹脂に含有させているため、健康・衛生
面で抗菌、防カビ性が要求される分野に広範囲に利用す
ることができ、細菌類、真菌類に起因する非衛生的な状
態の改善が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国方 健靖 香川県高松市香西本町1番地イヌイ株式会 社内 (72)発明者 和田 耕治 香川県高松市香西本町1番地イヌイ株式会 社内 Fターム(参考) 4H011 AA02 AA03 BA01 BB09 BB13 BC19 DA01 DC05 DH05 4J002 AA011 AB011 AC011 BB011 BB031 BB061 BB121 BC031 BD041 BD101 BE021 BG051 CG011 CK021 CL001 CP031 EN136 FD186

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂と、下記一般式 【化1】 [式中、2つのR1は同一もしくは異なり、それぞれ炭
    素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18のアルケ
    ニル基を表し;2つのR2は同一もしくは異なり、それ
    ぞれ水素原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6のアル
    キル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し;R3
    炭素数2〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のアル
    ケニレン基又は場合により炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基もしくは炭素数2〜6
    のアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいフェ
    ニル基もしくはキシリレン基を表し;Y1は−NHCO
    −、−CONH−、−NHCS−、−COO−、−CO
    S−、−O−又は−S−を表し;Y2は−CONH−、
    −NHCO−、−CSNH−、−OOC−、−SOC
    −、−O−又は−S−を表し;Xはアニオンを表す]で
    示される抗菌性ビス第四アンモニウム塩化合物とからな
    ることを特徴とする抗菌・防カビ性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 高分子樹脂100重量部あたり抗菌性ビ
    ス第四アンモニウム塩化合物を0.001〜10重量部
    含有する請求項1記載の組成物。
JP10373741A 1998-11-04 1998-12-28 抗菌・防カビ性樹脂組成物 Pending JP2000198879A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004345953A (ja) * 2003-01-16 2004-12-09 Hiroki Koma 抗菌活性を有する新規な第四級アンモニウム塩化合物およびその製造方法

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