JP2000198821A - 塩化ビニル―酢酸ビニル系共重合体および組成物 - Google Patents

塩化ビニル―酢酸ビニル系共重合体および組成物

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JP2000198821A
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vinyl
vinyl acetate
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acetate copolymer
acid
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悟 ▼つる▲見
Satoru Tsurumi
Yukihisa Hoshino
幸久 星野
Masanori Teshigawara
正則 勅使河原
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた密着性および高度な耐候性を有し、かつ
広範な有機系溶媒選択性を有する塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系共重合体、およびそけを含有してなる塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体組成物を提供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸および/または酸無水
物成分(A)と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステ
ル成分(B)をモル比(A/B)が1.0×10 -4から
1.6×102の範囲で含有してなる塩化ビニル−酢酸
ビニル系共重合体は耐候性、密着性、キシレン希釈率等
の物性において優れその組成物は塗料に好適に使用され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和カルボン酸
および/または酸無水物成分(A)と炭素数4以上の長
鎖脂肪酸ビニルエステル成分(B)のモル比(A/B)
が1.0×10-4から1.6×102の範囲で含有して
なる塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体およびその組成
物に関し、本発明の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
は、優れた密着性および高度な耐候性を有し、かつ広範
な有機系溶媒選択性を有するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体はそ
の密着性、柔軟性、難燃性などの優れた性能から塗料、
接着剤、インクなどに使用される樹脂組成物として広く
使用されている。また、これら塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体はアルコール類、エステル類、ケトン類、芳
香族炭化水素類、水等の溶媒又は分散媒と共に塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体組成物として使用されてい
る。
【0003】塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体を有機
系溶媒に溶解した塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体組
成物を塗料として用いる場合、密着性および耐候性の他
に、塗料を希釈する際に有機系溶媒選択性が広いこと、
つまり、広範な有機系溶媒選択性を有することが塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系共重合体に要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系共重合体を改善し、優れた密着性お
よび高度な耐候性を有し、かつ広範な有機系溶媒選択性
を有する塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、およびそ
けを含有してなる塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体組
成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系共重合体組成物中に、不飽和カルボ
ン酸および/または酸無水物と炭素数4以上の長鎖脂肪
酸ビニルエステルの成分を特定のモル比の範囲内で共重
合することによって、優れた密着性および高度な耐候性
を有し、かつ広範な有機系溶媒選択性を有する塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体を得るものであり、当該共重
合体はその有機系溶媒選択性が広いので例えば塗料に好
適に使用される塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体組成
物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体は不飽和カルボン酸および/または酸無水物
の成分(A)と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステ
ル成分(B)を共重合してなるものである。
【0007】ここで、不飽和カルボン酸としては、例え
ばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、
ビニル安息香酸がある。また、酸無水物としては、例え
ば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸
などのカルボン酸を有するビニル単量体がある。不飽和
カルボン酸と酸無水物は単独で共重合しても、あるいは
両成分を共重合してもよい。
【0008】炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステル
としては、例えばネオデカン酸ビニルエステル、ラウリ
ル酸ビニルエステル、ステアリン酸ビニルエステルなど
がある。
【0009】塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体中に共
重合される不飽和カルボン酸および/または酸無水物の
成分(A)と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステル
の成分(B)のモル比(A/B)は1.0×10-4から
1.6×102である。モル比がその範囲を外れると密
着性等の物性が低下し好ましくない。
【0010】AおよびBの成分の合計は共重合体中に1
から50重量%であることが好ましい。1重量%より小
さいと密着性が低下する傾向となる。50重量%を超え
ると特に不飽和カルボン酸および/又は酸無水物が多い
場合耐水性が低下する傾向となる。
【0011】不飽和カルボン酸および/または酸無水物
の成分と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステルの成
分のモル比、含有量は塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体を製造する際にその仕込み量より算出することができ
る。或いは、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体をNM
R、塩素含量の測定等により測定することによっても求
めることが出来る。この方法は塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体を製造する際に単量体が残存する状態で重合
を停止するような方法を用いた場合に好適に使用するこ
とができる。
【0012】本発明の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体は各種有機溶剤に溶解させて塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体組成物とすることができ、この物に更に顔
料、染料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
等を添加したものは塗料として好適に使用することがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、以下の各例中の部は重量部を表す。
【0014】(実施例1)撹拌機、導入管を付けた5L
のSUS製オートクレーブに酢酸ビニル25部、作業中
作業中不飽和カルボン酸成分としてマレイン酸0.8
部、炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステル成分とし
てネオデカン酸ビニルエステル(商品名ベオバ10、シ
ェルジャパン社製)5部、酢酸エチル34.5部、トル
エン27.5部およびラジカル発生剤パーブチルO(日
本油脂社製)0.5部を仕込み、密封して窒素加圧した
後、減圧して塩化ビニル70部を仕込んだ。これを60
℃の水浴中で撹拌しながら40時間保温して、重合反応
を行った。得られた塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
にトルエン50部を加え、固形分45%の塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体組成物を得た。塩化ビニル−酢酸
ビニル系共重合体中のマレイン酸とネオデカン酸ビニル
エステルのモル比はその仕込み量より(0.8/11
6.07)/(5/199)となりその値は0.27で
あった。また両成分はその仕込み量より5.8重量%で
あった。
【0015】(比較例1)実施例1と同様な装置に酢酸
ビニル30部、マレイン酸0.8部、酢酸エチル34.
5部、トルエン27.5部およびラジカル発生剤パーブ
チルO(日本油脂社製)0.5部を仕込み、密封して窒
素加圧した後、減圧して塩化ビニル70部を仕込んだ。
これを60℃の水浴中で撹拌しながら40時間保温し
て、重合反応を行った。重合終了後トルエン50部を加
え、固形分45%の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
組成物を得た。
【0016】(比較例2)実施例1と同様な装置に酢酸
ビニル25部、ネオデカン酸ビニルエステル(商品名ベ
オバ10、シェルジャパン社製)5部、酢酸エチル3
4.5部、トルエン27.5部およびラジカル発生剤パ
ーブチルO(日本油脂社製)0.5部を仕込み、密封し
て窒素加圧した後、減圧して塩化ビニル70部を仕込ん
だ。これを60℃の水浴中で撹拌しながら40時間保温
して、重合反応を行った。重合終了後トルエン50部を
加え、固形分45%の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体組成物を得た。
【0017】(塗料の作成)実施例1、比較例1、2で
得られた塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体組成物16
0gに酸化チタン70g、トルエン25g及び1.5m
mのガラスビーズ300gを500mlのポリエチ瓶に
秤量し、ペイントシェーカーで3時間震盪して酸化チタ
ンを分散させた後、ガラスビーズを濾過して除き、塗料
を得た。
【0018】(耐候性の評価)試験片として、ステンレ
スのプレート70mm×150mmに上記塗料を膜厚が
60μmになるようにスプレー塗装し、室温で168時
間乾燥したものを用いた。
【0019】試験片のサンシャインカーボンアーク灯式
耐候性試験は、JIS K 5400の促進耐候性の運
転条件に準じ、初期光沢に対する光沢保持率を測定し
た。
【0020】(密着性の評価)試験片として、ケイ酸カ
ルシウム板50mm×100mmに乾燥後の塗布量が9
0g/m2となるように刷毛塗りし、室温で16時間乾
燥したものを用いた。
【0021】試験片の密着性試験は、試験片をカッター
ナイフで3mm間隔で碁盤目状に6×7目を切り、セロ
ハン粘着テープを圧着した後、引き剥がして塗膜の残存
状態を見た。 ○:塗膜が剥離しない ×:塗膜が剥離した
【0022】(有機溶媒選択性の評価:キシレン希釈
率)実施例1,比較例1、2で得られた塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体組成物30gを200mlビーカー
に入れ、スターラーによって撹拌しながらキシレンを6
ml/分の速度で滴下し、白濁するまでのキシレン滴下
量を測定した。
【0023】キシレン希釈率は、下記の式1に従い求め
た。
【0024】
【式1】
【0025】本願発明の実施例1は表1において良好な
物性を示したが、不飽和カルボン酸および/または酸無
水物成分または炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステ
ル成分のどちらかの成分を欠く比較例は実施例1に比較
し耐候性、密着性、キシレン希釈率で劣ることが明らか
である。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】不飽和カルボン酸および/または酸無水
物成分(A)と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステ
ル成分(B)をモル比(A/B)が1.0×10-4から
1.6×102の範囲で含有してなる塩化ビニル−酢酸
ビニル系共重合体は耐候性、密着性、キシレン希釈率等
の物性において優れその組成物は塗料に好適に使用され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CD061 CF041 GA02 GA06 MA07 MA09 NA03 NA12 4J100 AB07R AC03P AG04Q AG05S AJ08R AJ09R AK31R AK32R BA16R CA06 JA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸および/または酸無水物
    成分(A)と炭素数4以上の長鎖脂肪酸ビニルエステル
    成分(B)をモル比(A/B)が1.0×10-4から
    1.6×102の範囲で含有してなる塩化ビニル−酢酸
    ビニル系共重合体。
  2. 【請求項2】AおよびBの成分の合計が共重合体中に1
    から50重量%である請求項1記載の塩化ビニル−酢酸
    ビニル系共重合体。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2の塩化ビニル−酢酸
    ビニル系共重合体を含有してなる塩化ビニル−酢酸ビニ
    ル系共重合体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019029787A1 (de) * 2017-08-07 2019-02-14 Wacker Chemie Ag Copolymerisate von vinylchlorid, vinylacetat und langkettigen vinylestern
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