JP2000198043A - 回転継手 - Google Patents

回転継手

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JP2000198043A
JP2000198043A JP11001875A JP187599A JP2000198043A JP 2000198043 A JP2000198043 A JP 2000198043A JP 11001875 A JP11001875 A JP 11001875A JP 187599 A JP187599 A JP 187599A JP 2000198043 A JP2000198043 A JP 2000198043A
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passage
joint
fixed
lubricant
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JP11001875A
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Shigehiko Hashimoto
成彦 橋本
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の含有量が比較的少ない流体が供給さ
れる場合であっても、固定側継手板と回転側継手板との
間に生じる摩擦を確実に緩和して使用することが可能で
ある回転継手を提供する。 【解決手段】 回転継手15の通路部材19に潤滑油供
給通路19cを設けて、回転継手15の流体通路19a
を介して主軸3にミストエアーを送出し主軸3を回転駆
動する際に、シール部材17及び28が接触するシール
部30に潤滑油供給通路19cを介して潤滑油を確実に
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械用の主軸
の後端部側に設けられ、流体送出装置より送出される流
体を主軸の流体通路内に供給する回転継手に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械用の主軸を回転駆動してその主
軸の先端部に取付けられた工具によりワーク(被加工
物)を加工する際に使用される流体としては、以下のよ
うなものが考えられる。 高圧クーラント ミストエアー(オイルミストを含んだエアー) ドライエアー
【0003】の高圧クーラントは、例えば水溶性の切
削油などからなり、ワークの高送り切削や深穴加工を行
う場合に、主として加工時におけるワーク及び工具の冷
却や加工屑の除去を目的として使用されるものである。
のミストエアーは、高圧で送出される空気中に僅かな
切削油を混入したものであり、周囲環境への配慮や、加
工後のワーク等の洗浄を容易にする目的でクーラントに
代わって使用されるものである。また、のドライエア
ーは、高圧空気からなるものであり、加工後におけるワ
ーク等の冷却や加工屑の除去を目的として使用されるも
のである。
【0004】そして、の高圧クーラント及びのミス
トエアーは、流体送出装置から回転継手を介して主軸内
部に軸心を貫通するように設けられた流路(流体通路)
に供給され、先端部の工具からワークに対して噴射され
るようになっている。また、のドライエアーは、主軸
の外部からノズル等により工具及びワークに対して噴射
されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、のミスト
エアーは、比較的最近適用することが提案されたもので
ある。従って、これら3種の流体を適当な用途に応じて
使い分けることを想定すると、全て、主軸内部に設けら
れた流路を介して供給することができれば利便性が良
い。
【0006】しかし、従来の回転継手を用いて主軸内部
の流路に3種の流体を供給するには、以下のような問題
があった。即ち、回転継手には、本体側に設けられた固
定側継手板と主軸側に設けられた回転側継手板とが主軸
の回転時に接触して、外部に流体が飛散することを防止
するシール部が存在する。そのシール部においては、回
転側継手板が主軸の回転に応じて高速回転するため固定
側継手板との間に摩擦が生じることから、両者の間に摩
擦を緩和するための潤滑油(潤滑剤)を供給する必要が
ある。そして、従来の回転継手を用いての高圧クーラ
ントを供給する場合には、そのクーラントがシール部に
も自動的に供給されるので、接触面には潤滑油の膜が形
成されることから問題はなかった。
【0007】しかしながら、のドライエアーを供給す
ることを想定すると、シール部に潤滑油として供給され
るものは全くなくなり、また、のミストエアーの場合
も、その中に含有されている切削油の割合は極めて僅か
である。従って、これらを供給した場合には、両継手板
の接触面には油膜が形成されず、継手板が摩耗して最悪
破壊に到るおそれがある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、潤滑剤の含有量が比較的少ない流体
が供給される場合であっても、固定側継手板と回転側継
手板との間に生じる摩擦を確実に緩和して使用すること
が可能である回転継手を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の回転継手は、回転駆動される工作機
械用主軸の後端部側に配置され、前記主軸内部に設けら
れた主軸側流体通路と同軸上に配置される継手側流体通
路を有する通路部材を備え、流体送出装置より送出され
る流体を前記継手側流体通路を介して前記主軸側流体通
路に供給するものにおいて、前記通路部材側に設けられ
る固定側継手板と、前記主軸側に設けられる回転側継手
板とを備え、前記固定側継手板と前記回転側継手板とが
接触するシール部に外部より潤滑剤を供給するための潤
滑剤供給通路を、前記通路部材に配置したことを特徴と
する。
【0010】斯様に構成すれば、固定側継手板と回転側
継手板とが接触するシール部には、通路部材に配置され
た潤滑剤供給通路を介して外部より潤滑剤が供給され
る。従って、主軸側流体通路に供給する流体が、例えば
ミストエアーやドライエアーのように潤滑剤となる成分
(例えば、切削油)を殆ど若しくは全く含まないもので
ある場合でも、シール部には、潤滑剤を確実に供給する
ことができる。
【0011】そして、構造上、固定側継手板は継手側流
体通路の先端面(即ち、回転側継手板との接触面)付近
に配置され、回転側継手板は主軸側流体通路の先端面
(即ち、固定側継手板との接触面)付近に配置されるこ
とから、潤滑剤供給通路を継手側流体通路を有する通路
部材に配置したことにより、潤滑剤を外部に飛散させな
いような状態でシール部に供給することが可能である。
【0012】この場合、請求項2に記載したように、前
記シール部に前記潤滑剤を供給するための供給口を、前
記固定側継手板と前記回転側継手板との接触面の近傍に
配置するのが好ましく、斯様に構成すれば、両継手板の
接触面に対して潤滑剤を効率良く供給することができ
る。
【0013】また、請求項3に記載したように、前記固
定側継手板を、前記通路部材の外周側に配置すると共
に、外部より与えられる駆動力によって当該固定側継手
板を軸方向に駆動させ、前記固定側継手板に接触させる
ように構成される継手板駆動部を備え、前記通路部材の
先端部分を、前記回転側継手板の内周側に挿入すると良
い。
【0014】斯様に構成すれば、通路部材の先端部分よ
り切削油を含む流体が主軸側に向けて噴射されても、そ
の先端部分の周辺は回転側継手板の内周部によって囲ま
れることとなり、更に、その外部には固定側継手板と回
転側継手板とが接触するシール部が位置することになる
ので、切削油が外部に飛散することを一層確実に防止で
きる。
【0015】更に、請求項4に記載したように、前記継
手板駆動部を、継手本体の内部に配置され外部より与え
られる前記駆動力が直接印加される第1駆動部と、この
第1駆動部の内部に配置され前記固定側継手板が取付け
られる第2駆動部とで構成すると共に、前記第1駆動部
と継手本体との間に配置され、当該第1駆動部を反駆動
方向に付勢する復帰用ばねと、前記第1駆動部と前記第
2駆動部との間に配置され、当該第2駆動部を前記駆動
方向に付勢して、前記第1駆動部の駆動ストロークが最
大となった場合に前記固定側継手板と前記回転側継手板
との接触圧を一定にする定加圧用ばねとを備えると良
い。
【0016】斯様に構成すれば、主軸を回転駆動させる
場合に、復帰用ばねの付勢力に抗する駆動力を外部より
第1駆動部に印加して当該第1駆動部を最大ストローク
まで駆動させると、第2駆動部を駆動方向に付勢する定
加圧用ばねの作用によって、回転側継手板に対する固定
側継手板の接触圧を所望の値で一定に付与することがで
きる。
【0017】加えて、請求項5に記載したように、前記
通路部材と前記固定側継手板及び回転側継手板との間に
生じる隙間の寸法を極めて小さくするように形成するの
が好ましい。斯様に構成すれば、主軸側流体通路に供給
する流体の供給圧力が比較的高い場合であっても、当該
隙間部分を介して主軸側より継手側に向かって生じる反
力を極力小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。図2は、主軸装置及び回転継
手の構成を概略的に示す機能ブロック図及び断面図であ
る。主軸装置1は、例えば、中空円筒状のハウジング2
内に、鉄系材料からなる主軸3とその主軸3を回転駆動
させる誘導モータ4とを内蔵するビルトインタイプとし
て構成されているものである。主軸3は、先端部分が他
の部分に対して径大となる形状であり、その先端部分及
び中間部分が玉軸受5及び6によって、ハウジング2に
対して回転自在に支承されている。尚、ハウジング2及
び主軸3は、いずれも鉄系材料で構成されている。
【0019】玉軸受5及び6によって支承されている部
分の略中間に位置する部位の主軸3側には、コア7a及
びかご形巻線(エンドリング)7bからなるロータ7が
配設され、ハウジング2の内周部には、コア7aと所定
ギャップを以て対向するコア8a及び巻線(コイルエン
ド)8bからなるステータ8が配設されることにより、
前述の誘導モータ4が構成されている。
【0020】主軸3の内部には、周知の機構であるドロ
ーバー9,そのドローバー9の先端部に配置されたチャ
ック機構9a及びドローバースプリング10等が配設さ
れている。一方、切削加工用の工具11は、工具シャン
ク12に取付けられており、その工具シャンク12の
(図2中)上端側には、プルスタッド13が設けられて
いる。そして、主軸3側のドローバー9が図示しない駆
動機構によって軸方向に変位することにより、主軸3内
部でチャック機構9aが開閉して、工具シャンク12の
プルスタッド13を把握することで、工具11が主軸3
の先端部に取付けられるようになっている。
【0021】また、主軸3の内部には軸心(ドローバー
9)を貫通するようにして流路(主軸側流体通路)14
が設けられており、プルスタッド13,工具シャンク1
2及び工具11の内部にも、流路14と連通する流路1
3a,12a及び11aが夫々設けられている。更に、
工具11の先端部分である切削加工用刃部の付近には、
その流路11aに繋がると共に外部に連通する吐出孔1
1bを有している。
【0022】図1は、主軸装置1の後端側に設けられて
いる回転継手15を中心とする部分を拡大して示す断面
図である。主軸3の後端部には、回転継手15の一部を
構成するアタッチメント16が取付け固定されている。
そのアタッチメント16には、セラミックなどからなる
円環状のシール部材(回転側継手板)17が配置されて
いる。
【0023】主軸装置1のハウジング2後端部には、上
底部18aを有し(図1中)下方側が開放されてなる円
筒部18bを備えた回転継手15のハウジング(継手本
体)18が取付けられている。上底部18aは、フラン
ジ状の張出しからなる鍔部18cを備えており、その鍔
部18cが主軸装置1のハウジング2に当接した状態で
ハウジング18は固定されている。また、円筒部18b
の下端側には、円周に沿って内周側に突設してなるばね
支持部18dが形成されている。
【0024】上底部18aの中心部には貫通孔18eが
形成されており、その貫通孔18eには、通路部材19
が挿入されている。通路部材19は、その内部を軸心に
沿って貫通するように形成された流路(継手側流体通
路)19aを備え、略中空円筒状をなしている。通路部
材19の上部側には、外周方向へ向けて張り出すように
形成された鍔部19bがあり、その鍔部19bがハウジ
ング18の上底部18aに当接した状態で固定されてい
る。また、上底部18aの貫通孔18eには、通路部材
19の外周面との間にOリング20が配置されている。
【0025】流路19aの上端は、鍔部19bの端面よ
り外方に突出しており、その部分には、流体送出装置2
1のダクト21a(図2参照)が接続されるようになっ
ている。流体送出装置21は、この場合、高圧空気中に
微小量の切削油を混入させたミストエアーを流体として
送出するように構成されており、具体的には図示しない
が、外部のコンプレッサから高圧(数気圧程度)の圧縮
空気(エアー)が与えられると、その圧縮空気にミキシ
ングバルブを介して微小量の切削油を混入させてダクト
21aに送出するようになっている。
【0026】通路部材19の先端部(下端側)は、アタ
ッチメント16側にまで達しており、円環状をなすシー
ル部材17の内周部側に挿入されている。そして、通路
部材19の先端面は、アタッチメント16の上端面と僅
かな間隔を以て対向するようになっている。また、通路
部材19の外周面とシール部材17の内周面との間に生
じる隙間の寸法も、極めて小さくなるように設定されて
いる。
【0027】ハウジング18の内部には、同様に中心部
を通路部材19が貫通する第1駆動部22及び第2駆動
部23が配置されている。第1駆動部22は、ハウジン
グ18と略相似形をなしており、ハウジング18の各部
に対応する上底部22a,円筒部22b,鍔部22c,
支持部22d及び貫通孔22eが形成されている。
【0028】上底部22aにおける鍔部22cの外周面
とハウンジング18の円筒部18bの内周面とが対向す
る部分には、Oリング24が配置されている。また、上
底部22aの貫通孔22eの内周面と通路部材19の外
周面とが対向する部分にも、Oリング25が配置されて
いる。そして、ハウジング18のばね支持部18dと第
1駆動部22の鍔部22cとの間には、第1駆動部22
を上方(反駆動方向)に向かって付勢する復帰用ばね2
6が配置されている。
【0029】ここで、ハウンジング18の上底部18a
には、円筒部18bの内部側に連通するエアー供給孔1
8fが設けられており、そのエアー供給孔18fには駆
動用エアー供給装置27(図2参照)のダクト27aが
接続されるようになっている。そして、エアー供給装置
27より駆動用の加圧されたエアーが供給されると、そ
の駆動用エアーは、復帰用ばね26の付勢力に抗して第
1駆動部22を押し下げる方向に駆動するようになって
いる。
【0030】また、第1駆動部22の円筒部22bは、
その下方側において外径が若干小となる段部22fを有
している。そして、上述のようにエアー供給装置27よ
り駆動用エアーが供給され第1駆動部22が下方に駆動
された場合に、段部22fがハウジング18のばね支持
部18dに当接することによって、第1駆動部22の駆
動ストロークを規制するようになっている。
【0031】第2駆動部23は、第1駆動部22の内部
に配置されており、貫通孔23a(中空部分)に通路部
材19が貫通する略円筒状をなしている。第2駆動部2
3の下端面にはセラミックなどで円環状に形成されてい
るシール部材(固定側継手板)28が取付け固定されて
いる。ここで、シール部材28の内周面と通路部材19
の外周面との間に生じる隙間寸法は、後述する理由によ
って極めて小さく設定されている。
【0032】第2駆動部23の下端側には、外周方向に
突出してなる鍔部23bがあり、その鍔部23bと第1
駆動部22の上底部22aとの間には、第2駆動部23
を駆動方向に付勢する定加圧用ばね29が配置されてお
り、鍔部23bは第1駆動部22の支持部22dに当接
するようになっている。定加圧用ばね29は、シール部
材17及び27が接触することでシール部30を形成し
た場合に、両者の接触圧を付与するために設けられてい
る。
【0033】また、第2駆動部23の貫通孔23aをな
す内周面において、シール部材28が配置されている部
位の上方には、通路部材19の外周面との間にOリング
31が介在するように配置されている。以上のようにハ
ウジング18の内部にある第1駆動部22及び第2駆動
部23を中心とするものが、継手板駆動部32を構成し
ている。
【0034】そして、主軸装置1が回転駆動されず、エ
アー供給装置27より駆動用エアーが供給されない状態
では、復帰用ばね26の付勢力により第1駆動部22が
上方に押し上げられ、第2駆動部23の下端面に配置さ
れているシール部材28と、主軸3の後端部に配置され
ているシール部材17とは、所定の間隔を以て対向する
ようになっている。
【0035】また、通路部材19の内部には、流路19
aに対して図1中左側に、潤滑油供給通路(潤滑剤供給
通路)19cが平行するように配置されている。潤滑油
供給通路19cの上端側は、通路部材19の鍔部19b
に沿って90°曲折し、その先端部分は鍔部19bの外
周面を貫通して外部に突出している。そして、潤滑油供
給通路19cには、潤滑油供給装置33(図2参照)の
ダクト33aが接続されており、潤滑油供給装置33よ
り送出される潤滑油が供給されるようになっている。ま
た、ダクト33aの途中部位には、潤滑油の逆流を防止
するためのチェック弁33bが配置されている。
【0036】潤滑油供給通路19cの下端側は、通路部
材19の先端面手前で90°曲折し、通路部材19の側
面に潤滑油供給孔(供給口)19dを形成して外部と連
通するようになっている。その潤滑油供給孔19dの部
位は、中心が主軸3の後端部に配置されているシール部
材17の(シール部材28に対する)接触面に略一致す
るようになっている。また、主軸装置1の先端部にある
工具11の下方には、テーブル34の上に載置されて固
定されているワーク(被加工物)35がセットされてい
る。
【0037】次に、本実施例の作用について説明する。
先ず、回転継手15のエアー供給孔18fに駆動用エア
ー供給装置27より加圧された駆動用エアーが供給され
る。その駆動用エアーは、復帰用ばね26の付勢力に抗
して第1駆動部22及び第2駆動部23を押し下げる。
すると、第2駆動部23の先端にあるシール部材28
は、主軸3の後端部にあるシール部材17に接触し、第
1駆動部22がハウンジング18の支持部18dに当接
してその駆動ストロークが最大となると、定加圧用ばね
29の付勢力によってシール部材28及び17の接触圧
は一定となる。
【0038】同時に、回転継手15の潤滑油供給通路1
9cに対して潤滑油供給装置33より潤滑油が供給され
る。すると、潤滑油は、潤滑油供給孔19dよりシール
部30に供給されるので、シール部材17及び28の接
触面には油膜が形成されてシール部材28側が回転した
場合に潤滑作用をなすようになる。
【0039】そして、流体送出装置21からミストエア
ーがダクト21aを介して回転継手15の流路19に送
出されると、そのミストエアーは、シール部30を介し
て主軸3の流路14へ送出され、更に工具11の内部を
介して吐出孔11bより外部のワーク35へ吐出され
る。
【0040】次に、主軸装置1に内蔵されている誘導モ
ータ4に通電が行われると、主軸3が回転駆動され、シ
ール部30におけるシール部材28も回転する。そし
て、主軸3の回転数がワーク35の切削加工を行う定常
回転数に達すると、主軸装置1は、図示しない駆動機構
により図1中下方へと移動され、高速で回転している工
具11によってワーク35を切削加工する。この時、工
具11の吐出孔11bから吐出されるミストエアーの高
圧空気により工具11及びワーク35は冷却されると共
に、ワーク35の切削屑が周辺部に飛ばされる。また、
ミストエアーに含まれている粒子状の切削油によって、
切削加工における潤滑作用が生じる。
【0041】この場合、ミストエアーに含有される切削
油の量は極めて僅かであり、しかも、回転継手15の通
路部材19の先端部はシール部材28の内周部に挿入さ
れていることから、軸方向に高圧で送出される微量な切
削油の一部がシール部30にまで達する保証はない。
【0042】しかしながら、シール部30には、潤滑油
供給装置33より通路部材19に設けた潤滑油供給通路
19cを介して潤滑油が確実に供給され、シール部材1
7及び28間の摩擦は緩和されるので、ミストエアーに
含有される切削油がシール部30に達して潤滑作用をな
すことを期待する必要はない。
【0043】以上のように本実施例によれば、回転継手
15の通路部材19に潤滑油供給通路19cを設け、回
転継手15の流路19aを介して主軸3にミストエアー
を送出して主軸3を回転駆動する際に、固定側と回転側
との直接の接触部分となるシール部30に潤滑油が確実
に供給されるようにした。従って、切削用流体として切
削油の含有量が極めて僅かであるミストエアーを用いる
場合であっても、シール部材17及び28間の摩擦を確
実に緩和することができ、両者の寿命を長期化すること
が可能となる。
【0044】また、シール部30に潤滑油を供給するた
めの潤滑油供給孔19dを、シール部材17及び28の
接触面にかかるるように配置したので、当該接触面に対
して潤滑油を効率良く供給することができる。そして、
潤滑剤供給通路19cを通路部材19に配置したことに
より、潤滑油を外部に飛散させないようにしてシール部
30に供給することができるので、周囲環境の悪化を防
止することもできる。
【0045】更に、本実施例によれば、シール部材17
を通路部材19の外周側に配置すると共に、エアー供給
装置27より与えられる駆動用エアーによってシール部
材17を軸方向に駆動させシール部材28に接触させる
継手板駆動部32を備え、通路部材19の先端部分を、
シール部材28の内周側に挿入するようにしたので、通
路部材19の先端部分よりミストエアーが主軸3側に向
けて噴射されても、その先端部分の周辺はシール部材2
8の内周部によって囲まれ、更に、その外部にはシール
部30が位置することになるので、切削油が外部に飛散
することを一層確実に防止できる。
【0046】更にまた、継手板駆動部31を、ハウジン
グ18内部にエアー供給装置27より与えられる駆動力
が直接印加される第1駆動部22を配置し、この第1駆
動部22の内部にシール部材17が取付けられる第2駆
動部23を配置して、第1駆動部22とハウンジング1
8との間に復帰用ばね26を配置し、第1駆動部22と
第2駆動部23との間に定加圧用ばね29を配置した。
【0047】従って、主軸3を回転駆動させる場合に、
復帰用ばね29の付勢力に抗する駆動力をエアー供給装
置27により第1駆動部22に印加し第1駆動部22を
最大ストロークまで駆動させると、第2駆動部23を駆
動方向に付勢する定加圧用ばね29の作用によってシー
ル部材28に対するシール部材17の接触圧を所望の値
で一定に付与することができる。
【0048】加えて、通路部材19とシール部材17及
び28との間に生じる隙間の寸法を極めて小さくするよ
うに形成したので、主軸3側の流路14に供給するミス
トエアーの送出圧力が比較的高い場合であっても、当該
隙間部分を介して主軸2側より回転継手15側に向かっ
て生じる反力を極力小さくして、定加圧用ばね26によ
って付与しようとした所期の接触圧をシール部30に与
えることが可能となる。
【0049】本発明は上記し且つ図面に記載した実施例
にのみ限定されるものではなく、次のような変形または
拡張が可能である。流体は、ミストエアーに限らず通常
のクーラントでも良い。また、切削加工の途中でワーク
35を冷却したり、或いは切削屑を除去するために用い
るドライエアーであっても良い。第2駆動部及び定加圧
用ばねは必要に応じて設ければ良い。そして、固定側継
手板を第1駆動部の先端面に配置し、外力により直接固
定側継手板と回転側継手板とを接触させるようにしても
良い。固定側継手板は、通路部材の外周側に配置するも
のに限らない。例えば、固定側継手板を通路部材の先端
に配置し、通路部材自体を外力により駆動して両継手板
を接触させるようにしても良い。この場合、潤滑剤供給
通路の供給口は、固定側継手板の接触面に連通するよう
に設けたり、或いは、流路において両継手板の接触面の
近傍となる部位に連通するように設ければ良い。尚、供
給口を通路部材の外周側に設けるものは含まない。潤滑
剤は、潤滑油に限ることなく、潤滑作用をなす物質から
なるものであれば良い。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1記載の回転継手によれ
ば、固定側継手板と回転側継手板とが接触するシール部
には通路部材に配置された潤滑剤供給通路を介して外部
より潤滑剤が供給されるので、主軸側流体通路に供給す
る流体が、例えばミストエアーやドライエアーのように
潤滑剤となる成分を殆ど若しくは全く含まないものであ
っても、シール部には潤滑剤を確実に供給することがで
きる。そして、潤滑剤供給通路を継手側流体通路を有す
る通路部材に配置したことにより、潤滑剤を外部に飛散
させないような状態でシール部に供給することが可能で
あり、周囲環境の悪化を防止することもできる。
【0051】請求項2記載の回転継手によれば、シール
部に潤滑剤を供給するための供給口を固定側継手板と回
転側継手板との接触面の近傍に配置したので、両継手板
の接触面に対して潤滑剤を効率良く供給することができ
る。
【0052】請求項3記載の回転継手によれば、通路部
材の先端部分より切削油を含む流体が主軸側に向けて噴
射されても、その先端部分の周辺は回転側継手板の内周
部によって囲まれると共に、更に、その外部には固定側
継手板と回転側継手板とが接触するシール部が位置する
ことになるので、切削油が外部に飛散することを一層確
実に防止できる。
【0053】請求項4記載の回転継手によれば、主軸を
回転駆動させる場合に、復帰用ばねの付勢力に抗する駆
動力を外部より第1駆動部に印加し、第1駆動部を最大
ストロークまで駆動させると、第2駆動部を駆動方向に
付勢する定加圧用ばねの作用によって回転側継手板に対
する固定側継手板の接触圧を所望の値で一定に付与する
ことができる。
【0054】請求項5記載の回転継手によれば、通路部
材と固定側継手板及び側継手板との間に生じる隙間の寸
法を極めて小さくするように形成したので、主軸側流体
通路に供給する流体の供給圧力が比較的高い場合であっ
ても、当該隙間部分を介して主軸側より継手側に向かっ
て生じる反力を極力小さくすることができ、定加圧用ば
ねによって付与しようとした所期の接触圧をシール部に
与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】主軸装置の後端側に設けられている回転継手を
中心とする部分を拡大して示す断面図
【図2】主軸装置及び回転継手の構成を概略的に示す機
能ブロック図及び断面図
【符号の説明】
1は主軸装置、3は主軸、9は工具、14は流路(主軸
側流体通路)、15は回転継手、17はシール部材(回
転側継手板)、18はハウジング(継手本体)、19は
通路部材、19aは流路(継手側流体通路)、19cは
潤滑油供給通路(潤滑剤供給通路)、19dは潤滑油供
給孔(供給口)、21は流体送出装置、22は第1駆動
部、23は第2駆動部、26は復帰用ばね、28はシー
ル部材(固定側継手板)、29は定加圧用ばね、30は
シール部を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される工作機械用主軸の後端部
    側に配置され、前記主軸内部に設けられた主軸側流体通
    路と同軸上に配置される継手側流体通路を有する通路部
    材を備え、流体送出装置より送出される流体を前記継手
    側流体通路を介して前記主軸側流体通路に供給する回転
    継手において、 前記通路部材側に設けられる固定側継手板と、 前記主軸側に設けられる回転側継手板とを備え、 前記固定側継手板と前記回転側継手板とが接触するシー
    ル部に外部より潤滑剤を供給するための潤滑剤供給通路
    を、前記通路部材に配置したことを特徴とする回転継
    手。
  2. 【請求項2】 前記シール部に前記潤滑剤を供給するた
    めの供給口を、前記固定側継手板と前記回転側継手板と
    の接触面の近傍に配置したことを特徴とする請求項1記
    載の回転継手。
  3. 【請求項3】 前記固定側継手板は、前記通路部材の外
    周側に配置されると共に、 外部より与えられる駆動力によって当該固定側継手板を
    軸方向に駆動させ、前記固定側継手板に接触させるよう
    に構成される継手板駆動部を備え、 前記通路部材の先端部分は、前記回転側継手板の内周側
    に挿入されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の回転継手。
  4. 【請求項4】 前記継手板駆動部は、継手本体の内部に
    配置され外部より与えられる前記駆動力が直接印加され
    る第1駆動部と、この第1駆動部の内部に配置され前記
    固定側継手板が取付けられる第2駆動部とで構成される
    と共に、 前記第1駆動部と継手本体との間に配置され、当該第1
    駆動部を反駆動方向に付勢する復帰用ばねと、 前記第1駆動部と前記第2駆動部との間に配置され、当
    該第2駆動部を前記駆動方向に付勢して、前記第1駆動
    部の駆動ストロークが最大となった場合に前記固定側継
    手板と前記回転側継手板との接触圧を一定にする定加圧
    用ばねとを備えていることを特徴とする請求項3記載の
    回転継手。
  5. 【請求項5】 前記通路部材と前記固定側継手板及び回
    転側継手板との間に生じる隙間の寸法を極めて小さくす
    るように形成したことを特徴とする請求項3または4記
    載の回転継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018522742A (ja) * 2015-05-05 2018-08-16 ビエロマティク ロイゼ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト マイクロ潤滑装置

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