JP2000197938A - 缶の製造方法および製造装置 - Google Patents

缶の製造方法および製造装置

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JP2000197938A JP37165798A JP37165798A JP2000197938A JP 2000197938 A JP2000197938 A JP 2000197938A JP 37165798 A JP37165798 A JP 37165798A JP 37165798 A JP37165798 A JP 37165798A JP 2000197938 A JP2000197938 A JP 2000197938A
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昭二 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を図ることが
できるとともに、缶底に変形を生じることがなく、十分
な缶強度を確保することができる缶の製造方法および製
造装置の提供。 【解決手段】 缶胴11の外周面を吸着して、ワーク
(缶)37を一旦固定し、この状態で、搬送等を行い、
次いで、缶胴11を吸着したままの状態で缶胴11の上
端をベース33に当接した後、複数のポンチ爪43の先
端を缶底13の所定位置に当接し、さらに、これらのポ
ンチ爪43の先端を半径方向に移動して、缶底13の所
定位置に複数の凹部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶底に、缶胴の内
部側へ凹むドーム部を形成するとともに、このドーム部
の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構
成の缶の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料用に用いる缶としては、有底
円筒状に形成した缶胴の開口部に、缶蓋を固定して構成
するアルミ合金製の2ピース缶が知られている。この2
ピース缶の缶胴を製造するには、まず、絞り装置を用い
てアルミ合金製の素板を打ち抜き・絞り加工してカップ
状部材を成形する。次いで、このカップを保持しつつ内
部にパンチスリーブを挿入して再絞り・しごき加工を施
すとともに、上記パンチスリーブと、このパンチスリー
ブの軸線に一致した状態で対向配置され、かつ半球面状
の先端を有するドーム成形部との間に、カップの底部を
挟みつつ底部の周縁部を絞って、図8に示す底部形状の
缶胴1を得る。
【0003】したがって、缶胴1の缶底3には、缶胴1
の内部側へ球面状に凹んだドーム部5と、このドーム部
5の周縁に連なり缶胴1の外部側へ缶軸方向に突出した
環状凸部(リム)7とが形成される。この環状凸部7
は、缶胴1を直立させた際に接地する脚となり、缶胴1
の直立安定性および支持強度を向上させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、省資
源化や低コスト化の観点から缶の薄肉化が図られてお
り、缶強度が低下することに起因して種々の不都合が生
じている。
【0005】その一つに、内容物封入後の内圧の作用に
よって缶底3の環状凸部7が、図9の鎖線で示すように
下方へ突出しつつ半径方向外方へ変形する、所謂ボトム
グロースがある。このボトムグロースを生じさせる要因
の一つに、環状凸部7の内周壁であるインナーウォール
7aの剛性不足がある。
【0006】インナーウォール7aは、一方の周縁が、
凹曲面部であるカウンターシンクR部9を介してドーム
部5に連なるとともに、他方の周縁が、環状凸部7の先
端であるノーズ部7bに連なっている。缶底3に内圧が
作用すると、薄肉のインナーウォール7aには円周方向
の応力と、缶軸方向の応力との平面応力が生じる。
【0007】この時インナーウォール7aの剛性が不足
していると、インナーウォール7aの円周方向、および
缶軸方向にひずみが生じ、特に缶軸方向のひずみ(伸
び)が大きくなると、環状凸部7を下方、および半径方
向外方へ変形させることになる。そして、ボトムグロー
スが生じれば、缶の全高が高くなり、製品出荷前では、
搬送コンベア上で引っ掛かったり、梱包を困難としたり
するなどの問題を発生させた。
【0008】また、缶の薄肉化に伴い缶底の落下強度が
不足するという問題がある。すなわち、缶が落下する
と、その衝撃により、落下時の衝撃に弱い部位である缶
底3のドーム部5の周辺部が膨出して、最悪の場合破損
に至ることになる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、缶の薄肉化、特に缶底の
薄肉化を図ることができるとともに、缶底に変形を生じ
ることがなく、十分な缶強度を確保することができる缶
の製造方法および製造装置の提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の缶の
製造方法は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形
成するとともに、このドーム部の周縁に缶軸方向外方に
突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造方
法であって、缶胴を吸着した状態で、この缶胴を缶軸方
向に沿って移動させて、缶胴の上端をベースに当接し
て、この缶胴の缶軸方向の移動を規制するとともに、円
周方向に複数設けた半径方向に移動可能なポンチ爪の先
端を、上記環状凸部の先端のノーズ部より半径方向内側
の領域あるいは半径方向外側の領域に当接して、このポ
ンチ爪の先端を半径方向に移動することで上記環状凸部
のノーズ部より半径方向内側の領域あるいは半径方向外
側の領域に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数
成形するものである。この請求項1にあっては、缶胴の
外周面を吸着して、缶を固定し、この状態で、搬送、受
け渡し等を行い、次いで、缶胴を吸着したままの状態で
缶胴の上端をベースに当接した後、複数のポンチ爪の先
端を缶底の所定位置に当接し、さらに、これらのポンチ
爪の先端を半径方向に移動して、缶底の所定位置に複数
の凹部を形成する。
【0011】本発明の請求項2の缶の製造装置は、缶底
に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、
このドーム部の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部
を形成した構成の缶を製造する製造装置であって、缶胴
の外周面を吸着する吸着部材と、上記缶胴の上端に当接
してこの缶胴の缶軸方向上端側への移動を規制するベー
スと、半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設け
られ、この先端が上記ベース方向へ向けて突出して配置
され、かつ上記ベースに移動を規制された缶胴の缶軸方
向に前後移動可能に設けられたポンチ爪と、上記缶胴の
缶軸方向に前後移動可能に設けられ、上記ポンチ爪の先
端に当接してこのポンチ爪の先端を半径方向に移動させ
る作動部材と、上記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設
けられ、上記缶胴を上記ベースに当接する押圧部材とを
具備したものである。この請求項2にあっては、吸着部
材によって缶胴の外周面を吸着された状態で、ベースと
押圧部材との間に搬送されてきた缶の上端を、この押圧
部材によって、ベースに当接し、かつ複数のポンチ爪の
先端を缶底の所定位置に当接した後、作動部材によっ
て、これらのポンチ爪の先端を半径方向に移動して、缶
底の所定位置に複数の凹部を形成する。
【0012】本発明の請求項3は、押圧部材が、ポンチ
爪による成形時にドーム部を支持するものである。この
請求項3にあっては、凹部成形時に、押圧部材によっ
て、ドーム部を押圧支持することにより、ドーム部が変
形することがなく、所定のドーム部形状が保持されるか
ら、内容物封入後の内圧の作用に対する十分な耐圧強度
が確保される。
【0013】本発明の請求項4は、ポンチ爪による成形
がネッキング工程において実施されるものである。この
請求項4にあっては、缶胴の上端部を形成するネッキン
グ工程の中の一工程として、凹部成形を行うことによ
り、ターレット方式で缶胴の外周面を吸着保持し、搬送
しながら成形加工を行えるから、極めて合理的にかつ円
滑に缶底の成形が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る缶の製造方法
および製造装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。まず、本実施の一形態の製造装置で製造
する缶について、図5〜図7に基づいて説明する。図5
は缶の一例を示す要部側面図、図6は図5の缶を底部側
から視た平面図、図7は缶の他の一例を示す底部側から
視た平面図である。
【0015】缶胴11の缶底13には、缶胴11の内部
側へ凹むドーム部15を形成してある。ドーム部15の
周縁には、缶胴11の外部側へ缶軸方向に突出した環状
凸部(リム)17を形成してある。環状凸部17は、先
端のノーズ部17aと、ノーズ部17aより半径方向内
側の内周壁(インナーウォール)17bと、ノーズ部1
7aより半径方向外方の外周壁(アウターウォール)1
7cとからなる。
【0016】インナーウォール17bは環状の凹曲面部
(カウンターシンクR部)19を介してドーム部15に
連なり、ノーズ部17aはアウターウォール17cを介
して缶胴11に連なる。図5と図6の缶23において、
インナーウォール17bには、缶胴11の内部側へ凹む
四角形状の凹部21を円周方向に複数形成してある。な
お、凹部21の形状は、これに限らず、四角形以外のそ
の他の多角形、あるいは円形であってもよい。
【0017】上記凹部21の数は、円周方向の凹部21
の幅と、凹部21どうしのピッチとを考慮してインナー
ウォール17bの剛性が高まるように最適に設定する。
この例では、図6に示すように、凹部21と略同等の幅
分の間隔を隔てて、12箇所の凹部21をインナーウォ
ール17bの周方向に等間隔で形成してある。
【0018】また、図7の缶24においては、インナー
ウォール17bからドーム部15の周辺部にかけて、缶
胴11の内部側へ凹む四角形状の凹部22を円周方向に
複数形成してある。
【0019】このように構成された缶を製造する製造装
置について、図1〜図4に基づいて説明する。この場
合、図7に示す缶24を製造するものとして説明する。
図1は本実施形態の缶の製造装置による缶底の成形加工
前の状態を示す断面図、図2は缶底にポンチ爪が嵌合し
た状態を示す断面図、図3は缶底の成形加工時を示す断
面図、図4は缶底の成形加工後を示す断面図である。
【0020】これらの図において符号31はターレット
機構のポケット部(吸着部材)である。このポケット部
31は、回転円板の外周部に所定間隔をあけて多数形成
されており、バキューム吸引により缶胴11の外周面を
吸着保持するようになっている。そして、上記ターレッ
ト機構の所定位置にあるポケット部31を挟んで、缶胴
11の上端を支持するベース33と、缶底13に凹部2
2を成形する成形機構41とが対向配置されている。
【0021】この成形機構41は、上記凹部22を成形
するポンチ爪43と、このポンチ爪43の内方に上記缶
胴11の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、上記ポン
チ爪43の先端に当接してこのポンチ爪43の先端を外
方に移動させる拡径部材(作動部材)45と、この拡径
部材45の内方に上記缶胴11の缶軸方向に前後移動可
能に設けられ、上記ドーム部15に当接して支持するド
ーム支持部材(押圧部材)47とにより概略構成してあ
る。
【0022】ポンチ爪43は、バネ鋼、ダイス鋼等から
なる円筒の先端側を複数本に分割して形成したもので、
ポンチ爪43のリング状の基端フランジ部43aを環状
部材49のへこみ部49aに装着して、この環状部材4
9にボルト51によって取り付けてある。そして、この
環状部材49は中空軸61に取り付けてある。ポンチ爪
43の先端43bは、その中間部43cに比べて半径方
向の幅を大きく形成してあり、先端43bが弾性変形し
て半径方向に移動可能になっている。
【0023】ポンチ爪43の先端面43dは先にいくほ
ど半径方向内側にいくように傾斜する傾斜面となってお
り、この先端面43dが上記缶底13に形成された凹部
22の形状に対応している。また、ポンチ爪43の各先
端43bの内面側は、円筒状の拡径部材45の先細状に
形成された先端の外周傾斜面45aに当接するようにな
っている。
【0024】拡径部材45の内部には小径孔部45bを
形成してあり、この小径孔部45bにリング状のブッシ
ュ53を装着してある。ブッシュ53の内部にはボルト
55を摺動可能に装着してあり、ボルト55には上記ド
ーム支持部材47をねじ込んである。ドーム支持部材4
7はT字状の断面形状を有するもので、このドーム支持
部材47の先端面47aは凸曲面状に形成してある。
【0025】拡径部材45の小径孔部45bに装着され
たブッシュ53は、その先端にフランジ53aを形成し
てあり、このフランジ53aが上記小径孔部45bに係
止することにより、ブッシュ53の基端側(図1〜図4
において右側)への移動が規制されている。拡径部材4
5、ドーム支持部材47、ブッシュ53およびボルト5
5で構成される空間内にはリング57とスプリング59
を装着してあり、このスプリング59によってドーム支
持部材47とボルト55とが先端側(図1〜図4におい
て左側)へ付勢されるようになっている。拡径部材45
の基端フランジ部45cは、中心軸63にボルト(不図
示)によって取り付けてある。
【0026】上記中空軸61と、中心軸63とは、不図
示の円周カムをそれらの後端面に摺接することで、それ
ぞれ所望のタイミングで、軸線方向へ所定距離移動され
るようになっている。
【0027】なお、缶胴11は、絞り加工により素板か
ら有底円筒状のカップを成形する絞り工程と、カップに
パンチスリーブを挿入して再絞り加工およびしごき加工
を施すとともに、缶底13をパンチスリーブとドーム成
形部とで挟んでドーム部15を成形する再絞り・しごき
加工および缶底成形工程と、缶胴11の外面を印刷する
印刷工程と、缶胴11の開口上端部(ネック)を形成す
るネッキング工程とを順次経て製造されて行く。本実施
形態では、このうちネッキング工程の中の一工程に上記
回転円板の外周部にポケット部31を有するターレット
機構、ベース33および成形機構41を設けてある。
【0028】次に、このように構成した製造装置を用い
て缶24に凹部22を成形する製造方法を説明する。ま
ず、缶底13を成形したワーク37を、ターレット機構
のポケット部31に収容して吸着支持するとともに、該
ポケット部31を外周部に形成した回転円板を回転する
ことにより、ベース33と成形機構41との間に供給す
る(図1参照)。
【0029】次いで、成形機構41を、不図示の円周カ
ムによりベース側(図1〜図4において左側)へ移動す
ることにより、ポンチ爪43の先端が、缶底13の環状
凸部17のインナーウォール17bからドーム部15に
かけた部位に当接する位置で停止する。
【0030】この際、ドーム支持部材47は、スプリン
グ59によって、ポンチ爪43の先端より前方に付勢さ
れているため、ポンチ爪43の先端より先に缶底13の
ドーム部15に、先端面47aが当接し、缶底13を押
圧することにより、ワーク37が上記ポケット部31の
吸着力に抗しながらベース33側に移動し、ワーク37
の上端開口部がベース33に当接して位置決め固定され
る一方、その反力により、スプリング59を圧縮してド
ーム支持部材47と、ポンチ爪43および拡径部材45
との間の間隔が狭くなる。
【0031】この結果、ワーク37は、スプリング59
で付勢されたドーム支持部材47によって、ベース33
側(図1〜図4において左側)へ押し付けられて、ベー
ス33とドーム支持部材47とで挟持される。また、こ
の状態で、ドーム支持部材47の先端面47aが、ワー
ク37のドーム部15に当接することで、成形工程にお
けるドーム部15の変形が規制されることになる。これ
により、所望の形状のドーム部15が得られ、内容物封
入後の内圧に十分に対抗できる耐圧強度が確保される。
【0032】次に、不図示の円周カムにより、拡径部材
45を、ベース33側にさらに移動させる。これによ
り、拡径部材45の外周傾斜面45aがポンチ爪43の
内周面に押し付けられ、ポンチ爪43の先割れ状の先端
43bを拡径する。この結果、ポンチ爪43は、環状凸
部17のインナーウォール17bからドーム部15にか
けての領域を押圧して、この領域に円周方向に複数の凹
部22を成形する。
【0033】さらに、凹部22を成形した後、拡径部材
45を後退させることにより、ポンチ爪43は弾性力に
より半径方向内側に移動する。次いで、成形機構41を
缶底13から離れる方向へ後退させる。この時、後退す
るポンチ爪43および拡径部材45に対して、ドーム支
持部材47は、スプリング59の付勢力により、その前
進位置に停止したままの状態で、缶底13を押圧し続け
るから、万一、缶底13からポンチ爪43が円滑に離れ
ていない場合にも、缶底13からポンチ爪43を確実に
引き離す。
【0034】また、この場合、ワーク37は、スプリン
グ59の付勢力により、ベース33とドーム支持部材4
7との間にしっかりと挟持されるとともに、ターレット
機構のポケット部31により吸着保持されているから、
上記ポンチ爪43が缶底13から離れる際に、ワーク3
7(缶)がずれ動くことがなく、所定位置に確実に位置
決め固定されている。
【0035】次いで、上記ドーム支持部材47は、上記
缶底13から離れ、上記スプリング59の付勢力によ
り、上記ポンチ爪43および拡径部材45に対して離れ
た位置関係を保った状態で、次の缶底13の押圧に備え
て待機位置に戻る。以上により、缶底13への凹部22
の成形を終了する。
【0036】凹部22の成形が終了した缶24は、ター
レット機構の回転円板を回転することにより、回転円板
の外周部のポケット部31内に吸着保持された状態でベ
ース33と成形機構41との間から移動し、次工程へと
受け渡される。このようにして、缶底13に容易に凹部
22が成形される。
【0037】ここで、ポンチ爪43は、鋼製の円筒の一
体物の先端側にスリット加工を施すだけで容易に製作さ
れる。したがって、機構が簡単で、メンテナンスが容易
な上に、ポンチ爪43の半径方向への移動が、その弾性
変形によっているから、作動が確実で長期間にわたって
安定して使用することができる。
【0038】このようにして凹部22が成形された缶2
4では、インナーウォール17bからドーム部15にか
けて、円周方向に複数の凹部22が形成されているか
ら、缶底13の各部の剛性が高められることになる。こ
のうち、上記凹部22のインナーウォール17bよりの
部位は、内容物封入後の内圧に対抗するために設けられ
たものであり、これによって、インナーウォール17b
付近が内圧に耐えきれずに外方に膨出することが阻止さ
れることになる。
【0039】また、ドーム部15の周辺部に形成された
凹部22は、落下強度の向上に寄与するものである。す
なわち、上記凹部22が形成されたことにより、落下時
の衝撃に弱い部位であるドーム部15の周辺部の剛性が
高められて、落下強度が大幅に向上する。
【0040】なお、上記凹部22はインナーウォール1
7bからドーム部15にかけて成形されているが、耐圧
強度向上に寄与するインナーウォール17bよりの部位
と、落下強度向上に寄与するドーム部15の周辺部との
2つの凹部に分けて成形してもよい。
【0041】また、本実施形態の製造装置においては、
図5と図6に示す凹部21を形成する場合にも適用でき
る。そして、この凹部21を成形した缶23にあって
は、インナーウォール17bの円周方向に複数の凹部2
1が形成されることにより、インナーウォール17bの
剛性、特に、缶軸方向の応力に対する剛性が高められる
ことになる。したがって、内圧の作用によってもインナ
ーウォール17bに缶軸方向のひずみ(伸び)が生じな
くなり、環状凸部17の下方、および半径方向外方への
変形が阻止されることになる。
【0042】さらに、本実施形態においては、缶底13
の環状凸部17のノーズ部17aより半径方向内側の領
域に凹部を成形する場合について説明したが、上記ノー
ズ部17aより半径方向外側の領域に凹部を成形する場
合にも、適用できることはいうまでもない。この場合、
凹部を環状凸部17のアウターウォール17cに円周方
向に複数の設けた場合には、このアウターウォール17
cの剛性が高められて、内容物封入後の内圧の作用によ
っても、アウターウォール17cにひずみが生じること
がなく、耐圧強度の向上が図られる。
【0043】また、缶胴11と環状凸部17のアウター
ウォール17cとの境界部に複数の凹部を設けた場合に
は、この境界部付近の剛性が高められる。この結果、缶
が積み重ねられた際などに缶胴11を介して上記境界部
付近に加わる垂直荷重に対して十分な強度が確保される
ことにより、上記境界部付近が耐えきれずに外方に膨出
することが阻止される。
【0044】さらに、凹部を環状凸部17のアウターウ
ォール17cおよび缶胴11と環状凸部17のアウター
ウォール17cとの境界部にそれぞれ設けた構成や、上
記環状凸部17のアウターウォール17cから缶胴11
と環状凸部17のアウターウォール17cとの境界部ま
で延在する凹部を設けた構成でもよい。これらの場合に
は、上述した二つの効果、すなわち、アウターウォール
17cの剛性を高めて、耐圧強度の向上を図る効果と、
上記境界部付近の剛性を高めて、缶が積み重ねられた際
などに上記境界部付近に加わる垂直荷重に対して十分な
強度を確保する効果とが得られる。
【0045】このようなノーズ部17aより半径方向外
側の領域に凹部を成形する場合には、その成形機構とし
て、ノーズ部17aより半径方向外側の領域に当接する
複数のポンチ爪と、このポンチ爪の外側に位置し、かつ
該ポンチ爪を半径方向内方に移動させる縮径部材(作動
部材)とを用いて、この縮径部材によって、上記ポンチ
爪を半径方向内方に縮径させることにより、ポンチ爪を
ノーズ部17aより半径方向外側の領域に押し当て、こ
の領域を缶胴11の内部側にへこませるようにすればよ
い。
【0046】この場合、上記各凹部21、22成形時と
同様に、缶底13のドーム部15にドーム支持部材を嵌
入させることにより、成形時のワーク37をベース33
との間で強固に挟持できるとともに、ドーム部15の成
形時における変形を防止できる。また、環状凸部17の
ノーズ部17aを挟んで、半径方向内側の領域と、半径
方向外側の領域とに、それぞれポンチ爪を当接し、各ポ
ンチ爪を拡径部材および縮径部材によって、半径方向外
方および半径方向内方に、それぞれ拡径および縮径させ
ることにより、同一工程において、上記ノーズ部17a
より半径方向内側の領域および半径方向外側の領域にそ
れぞれ凹部を成形するようにしてもよいことはいうまで
もない。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1の缶の製造方法は、缶
胴を吸着した状態で、この缶胴を缶軸方向に沿って移動
させて、缶胴の上端をベースに当接して、この缶胴の缶
軸方向の移動を規制するとともに、円周方向に複数設け
た半径方向に移動可能なポンチ爪の先端を、上記環状凸
部の先端のノーズ部より半径方向内側の領域あるいは半
径方向外側の領域に当接して、このポンチ爪の先端を半
径方向に移動することで上記環状凸部のノーズ部より半
径方向内側の領域あるいは半径方向外側の領域に、缶胴
の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数成形するものであ
るから、缶胴の外周面を吸着保持して、缶の搬送等を行
い、次いで、缶胴を吸着したままの状態で缶胴の上端を
ベースに当接した後、複数のポンチ爪の先端を缶底の所
定位置に当接し、さらに、これらのポンチ爪の先端を半
径方向に移動して、缶底の所定位置に複数の凹部を形成
することにより、凹部の成形時に、缶を円滑にハンドリ
ングして確実に所定位置に位置決め固定でき、容易に缶
底に凹部の成形を行うことができる。したがって、缶の
薄肉化、特に缶底の薄肉化を図ることができるととも
に、缶底に変形を生じることがなく、十分な缶強度を確
保することができる。
【0048】本発明の請求項2の缶の製造装置は、缶胴
の外周面を吸着する吸着部材と、上記缶胴の上端に当接
してこの缶胴の缶軸方向上端側への移動を規制するベー
スと、半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設け
られ、この先端が上記ベース方向へ向けて突出して配置
され、かつ上記ベースに移動を規制された缶胴の缶軸方
向に前後移動可能に設けられたポンチ爪と、上記缶胴の
缶軸方向に前後移動可能に設けられ、上記ポンチ爪の先
端に当接してこのポンチ爪の先端を半径方向に移動させ
る作動部材と、上記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設
けられ、上記缶胴を上記ベースに当接する押圧部材とを
具備したものであるから、吸着部材によって缶胴の外周
面を吸着された状態で、ベースと押圧部材との間に搬送
されてきた缶の上端を、この押圧部材によって、ベース
に当接し、かつ複数のポンチ爪の先端を缶底の所定位置
に当接した後、作動部材によって、これらのポンチ爪の
先端を半径方向に移動して、缶底の所定位置に複数の凹
部を形成することにより、缶のベースへの位置決め固定
を確実に行うことができ、缶の搬送、受け渡しなどのハ
ンドリングを円滑に行うことができるとともに、十分な
強度を確保した薄肉の缶を容易にかつ迅速に製造するこ
とができる。
【0049】本発明の請求項3は、押圧部材が、ポンチ
爪による成形時にドーム部を支持するものであるから、
凹部成形時に、押圧部材によって、ドーム部を押圧支持
することにより、ドーム部が変形することがなく、所定
のドーム部形状を保持することができ、したがって内容
物封入後の内圧に対する十分な耐圧強度を確保すること
ができる。
【0050】本発明の請求項4は、ポンチ爪による成形
がネッキング工程において実施されるものであるから、
缶胴の上端部を形成するネッキング工程の中の一工程と
して、凹部成形を行うことにより、ターレット方式で缶
胴の外周面を吸着保持し、搬送しながら成形加工を行う
ことができて、極めて合理的にかつ円滑に缶底の成形を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示す缶の製造装置に
よる缶底の成形加工前の状態を説明する断面図である。
【図2】 缶底にポンチ爪が嵌合した状態を示す断面図
である。
【図3】 缶底の成形加工時を示す断面図である。
【図4】 缶底の成形加工後を示す断面図である。
【図5】 缶の一例を示す要部側面図である。
【図6】 図5の缶を底部側から視た平面図である。
【図7】 缶の他の一例を示す底部側から視た平面図で
ある。
【図8】 従来の缶の底部を断面にした側面図である。
【図9】 従来の缶の底部を断面にした要部拡大図であ
る。
【符号の説明】
11 缶胴 13 缶底 15 ドーム部 17 環状凸部 17a ノーズ部 21、22 凹部 23、24 缶 31 ポケット部(吸着部材) 33 ベース 37 ワーク(缶) 41 成形機構 43 ポンチ爪 45 拡径部材(作動部材) 47 ドーム支持部材(押圧部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を
    形成するとともに、このドーム部の周縁に缶軸方向外方
    に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造
    方法であって、 缶胴の外周面を吸着した状態で、この缶胴を缶軸方向に
    沿って移動させて、缶胴の上端をベースに当接して、こ
    の缶胴の缶軸方向の移動を規制するとともに、円周方向
    に複数設けた半径方向に移動可能なポンチ爪の先端を、
    上記環状凸部の先端のノーズ部より半径方向内側の領域
    あるいは半径方向外側の領域に当接して、このポンチ爪
    の先端を半径方向に移動することで上記環状凸部のノー
    ズ部より半径方向内側の領域あるいは半径方向外側の領
    域に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数成形す
    ることを特徴とする缶の製造方法。
  2. 【請求項2】 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を
    形成するとともに、このドーム部の周縁に缶軸方向外方
    に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造
    装置であって、 缶胴の外周面を吸着する吸着部材と、 上記缶胴の上端に当接してこの缶胴の缶軸方向上端側へ
    の移動を規制するベースと、 半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設けられ、
    この先端が上記ベース方向へ向けて突出して配置され、
    かつ上記ベースに移動を規制された缶胴の缶軸方向に前
    後移動可能に設けられたポンチ爪と、 上記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、上記ポ
    ンチ爪の先端に当接してこのポンチ爪の先端を半径方向
    に移動させる作動部材と、 上記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、上記缶
    胴を上記ベースに当接する押圧部材とを具備したことを
    特徴とする缶の製造装置。
  3. 【請求項3】 押圧部材が、ポンチ爪による成形時にド
    ーム部を支持することを特徴とする請求項2記載の缶の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 ポンチ爪による成形がネッキング工程に
    おいて実施されることを特徴とする請求項2または3記
    載の缶の製造装置。
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JP2003040235A (ja) * 2001-08-03 2003-02-13 Toyo Seikan Kaisha Ltd 密封缶

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