JPH11245930A - 缶及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

缶及びその製造方法並びに製造装置

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JPH11245930A
JPH11245930A JP5252698A JP5252698A JPH11245930A JP H11245930 A JPH11245930 A JP H11245930A JP 5252698 A JP5252698 A JP 5252698A JP 5252698 A JP5252698 A JP 5252698A JP H11245930 A JPH11245930 A JP H11245930A
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JP
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annular convex
axial direction
punch
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JP5252698A
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Tatsuya Hanabusa
達也 花房
Masahiro Hosoi
正宏 細井
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を図ることが
できるとともに、缶底及びその周辺部に変形を生じるこ
とがなく、十分な缶強度を確保することができる缶及び
その製造方法並びに製造装置の提供。 【解決手段】 缶胴11と環状凸部17の内周壁(アウ
ターウォール)17cとの境界部(凸曲面部)20に複
数の凹部21を円周方向に形成することにより、前記境
界部20の剛性が高められて、垂直荷重に十分に耐えら
れる強度が確保され、缶底及びその周辺部の変形が確実
に阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶底に、缶胴の内
部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の
周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成
の缶及びその製造方法並びに製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料用に用いる缶としては、有底
円筒状に形成した缶胴の開口部に、缶蓋を固定して構成
するアルミ合金製の2ピース缶が知られている。この2
ピース缶の缶胴を製造するには、先ず、絞り装置を用い
てアルミ合金製の素板を打ち抜き・絞り加工してカップ
状部材を成形する。次いで、このカップを保持しつつ内
部にパンチスリーブを挿入して再絞り・しごき加工を施
すとともに、パンチスリーブと同軸上に対向配置した先
端が半球面状のドーム成形部との間にカップの底部を挟
みつつ底部の周縁部を絞って、図10に示す底部形状の
缶胴1を得る。
【0003】従って、缶胴1の缶底3には、缶胴1の内
部側へ球面状に凹んだドーム部5と、このドーム部5の
周縁に連なり缶胴1の外部側へ缶軸方向に突出した環状
凸部(リム)7とが形成される。この環状凸部7は、缶
胴1を直立させた際に接地する脚となり、缶胴1の直立
安定性及び支持強度を向上させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、省資
源化や低コスト化の観点から缶の薄肉化が図られてお
り、缶強度が低下することに起因して種々の不都合が生
じている。その一つとして、内容物封入後の内圧の作用
によって缶底3の環状凸部7が、下方に突出しつつ半径
方向外方へ変形する、いわゆるボトムグロースの問題が
ある。このボトムグロースを生じさせる要因の一つに、
環状凸部7の外周壁であるアウターウォール7aの剛性
不足がある。すなわち、アウターウォール7aは、缶胴
1と、環状凸部7の先端のノーズ部7bとの間に連なる
凹曲面状の周壁となって形成されている。缶底3の内圧
が加わった際に、アウターウォール7aの曲率半径が大
きいと剛性が不足し、アウターウォール7aの円周方
向、及び缶軸方向にひずみが生じ、特に缶軸方向のひず
みが大きくなると、環状凸部7を下方、及び半径方向外
方へ変形させることになる。そして、ボトムグロースが
生じれば、缶の全高が高くなり、製品出荷前では、搬送
コンベア上に引っ掛かったり、梱包を困難にするなど多
くの問題を発生させた。そのような不具合を解消するた
めに、環状凸部7の直径を小さく成形加工して、耐圧強
度を向上させることが考えられるが、この場合には、缶
軸に直交する面内において、環状凸部7のノーズ部7b
と缶胴1との間の距離が大きくなるために、缶を積み重
ねた際などに缶にかかる垂直荷重に対して弱くなるとい
う問題が生じる。そして、このように、垂直荷重に対す
る強度が不足すると、缶が缶胴1と缶底3との境界部付
近から半径方向外方に膨出し、ついには破損にいたると
いう問題が生じる。本発明は上記状況に鑑みてなされた
もので、缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を図ることがで
きるとともに、缶底及びその周辺部に変形を生じること
がなく、十分な缶強度を確保することができる缶及びそ
の製造方法並びに製造装置の提供を目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の缶
は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成すると
ともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に突出する環
状凸部を形成した構成の缶であって、前記缶胴と環状凸
部の外周壁との境界部に、缶胴の内部側に凹む凹部を円
周方向に複数形成したことを特徴とするものである。こ
の缶にあっては、缶胴と環状凸部の外周壁との境界部に
複数の凹部を円周方向に形成することにより、前記境界
部の剛性が高められて、垂直荷重に十分に耐えられる強
度が確保され、缶底及びその周辺部の変形が確実に阻止
される。
【0006】本発明の請求項2の缶は、前記請求項1の
構成に加えて、凹部が前記境界部から環状凸部の外周壁
のノーズ部よりの位置まで延出したことを特徴とするも
のである。この缶にあっては、前記境界部からノーズ部
よりの位置まで延出させた凹部によって、缶胴と缶底の
環状凸部の外周壁との境界部の剛性が高められて、想定
される垂直荷重に対して確実に耐えられるとともに、環
状凸部の外周壁の剛性も容易に高められて、耐圧強度の
向上が図られ、缶底及びその周辺部の変形が防止され
る。
【0007】本発明の請求項3の缶は、前記請求項1の
構成に加えて、環状凸部の外周壁に、缶胴の内部側に凹
む凹所を円周方向に複数形成したことを特徴とするもの
である。この缶にあっては、請求項1の凹部によって、
垂直荷重に対する十分な強度を確保するとともに、環状
凸部の外周壁に円周方向に形成した複数の凹所によっ
て、環状凸部の外周壁の剛性を高めて、耐圧強度の向上
を図る。
【0008】本発明の缶の製造方法は、缶底に、缶胴の
内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部
の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構
成の缶を製造する製造方法であって、缶胴の上端を、ベ
ースに当接して該缶胴の缶軸方向の移動を規制するとと
もに、前記ドーム部にドーム嵌入部を嵌合し、該ドーム
嵌入部の外方に位置して円周方向に複数設けた半径方向
に移動可能なポンチ爪の先端を、前記缶胴と環状凸部の
外周壁との境界部に当接して、該ポンチ爪の先端を半径
方向内方に移動することで前記境界部に、缶胴の内部側
へ凹む凹部を円周方向に複数成形することを特徴とする
ものである。この缶の製造方法にあっては、ポンチ爪を
半径方向に移動することにより、缶胴と環状凸部の外周
壁との境界部に凹部が確実に成形されるとともに、ドー
ム部にドーム嵌入部を嵌入することにより、ベースとド
ーム嵌入部とによって、缶胴が確実に支持固定され、か
つ凹部成形時のドーム部の変形が円滑に抑えられ、しか
も環状凸部が前記凹部の成形加工時に半径方向内方に逃
げることがなく、容易に所定形状の凹部の成形加工が行
われる。
【0009】本発明の缶の製造装置は、缶底に、缶胴の
内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部
の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構
成の缶を製造する製造装置であって、缶胴の上端に当接
して該缶胴の缶軸方向上端側への移動を規制するベース
と、該ベースの当接面に垂直な軸線方向に前後移動可能
で前記ドーム部に嵌合するドーム嵌入部と、半径方向に
移動可能な先端が円周方向に複数設けられ、かつ前記ド
ーム嵌入部の外方に配置されたポンチ爪と、該ポンチ爪
の外方に前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けら
れ、前記ポンチ爪の先端に当接して該ポンチ爪の先端を
内方に移動させる縮径部材とを具備してなり、前記ポン
チ爪の先端を前記缶胴と環状凸部の外周壁との境界部に
当接するように構成したことを特徴とするものである。
この缶の製造装置にあっては、ドーム嵌入部を軸線方向
に移動することにより、該ドーム嵌入部とベース間に缶
胴がしっかりと挟持されて、成形加工時に缶底のドーム
部に変形を生じることがない一方、縮径部材が軸線方向
に移動することにより、該縮径部材によってポンチ爪が
押し縮められて、前記缶胴と環状凸部の外周壁との境界
部に凹部が形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る缶及びその製
造方法並びに製造装置の好適な実施の形態を図面を参照
して詳細に説明する。図1は缶の底部を断面にした要部
側面図、図2は図1の缶を底部側から視た平面図であ
る。
【0011】缶胴11の缶底13には、缶胴11の内部
側へ凹むドーム部15を形成してある。ドーム部15の
周縁には、缶胴11の外部側へ缶軸方向に突出した環状
凸部(リム)17を形成してある。環状凸部17は、先
端のノーズ部17aと、ノーズ部17aより半径方向内
側の内周壁(インナーウォール)17bと、ノーズ部1
7aより半径方向外方の外周壁(アウターウォール)1
7cとからなる。インナーウォール17bは環状の凹曲
面部19を介してドーム部15に連なり、ノーズ部17
aはアウターウォール17c及び環状の凸曲面部20を
介して缶胴11に連なる。アウターウォール17cは、
缶胴11の内部側へ凹む凹曲面状となっている。缶胴1
1と缶底13の環状凸部17のアウターウォール17c
との境界部、すなわち、凸曲面部20付近には、缶胴1
1の内部側へ凹む四角形状の凹部21を円周方向に複数
形成してある。
【0012】なお、凹部21の形状は四角形以外のその
他の多角形、あるいは円形等であってもよい。凹部21
の数は、円周方向の凹部21の幅と、凹部21同志のピ
ッチとを考慮して缶の剛性が高まるように最適に設定す
る。この例では、図2に示すように、凹部21に比べて
若干大きい幅分の間隔を隔てて、12箇所の凹部21を
前記凸曲面部20付近に円周方向に等間隔で形成してあ
る。
【0013】このように構成した缶23では、缶胴11
と環状凸部17のアウターウォール17cとの境界部で
ある凸曲面部20の円周方向に複数の凹部21が形成さ
れているから、前記境界部20付近の剛性が高められる
ことになる。この結果、缶が積み重ねられた際などに缶
胴11を介して前記境界部20付近に加わる垂直荷重に
対して十分な強度が確保されることにより、前記境界部
20付近が耐えきれずに外方に膨出することが阻止され
ることになる。
【0014】図3と図4は本発明の他の実施の形態を示
すもので、図3は缶の底部を断面にした要部側面図、図
4は図3の缶を底部側から視た平面図である。この缶
は、図1と図2に示す缶とほぼ同様の構成を有するもの
で、同様の構成の部分は同符号を付けて説明を簡略化す
る。図3と図4に示す缶においては、図1と図2に示す
缶の凹部21の代わりに、前記境界部20から環状凸部
17のノーズ部17a付近まで延出した凹部22を円周
方向に複数形成したものである。
【0015】このように凹部22を形成することによ
り、缶底及びその周辺部の剛性が高められることにな
る。すなわち、前記凹部22の、前記境界部20付近の
部位によって、前記凹部21と同様に、境界部20付近
の剛性が高められ、この結果、垂直荷重に対する強度が
大幅に向上するとともに、前記凹部22の、アウターウ
ォール17cの部位によって、アウターウォール17c
の剛性が高められて、内容物封入後の内圧の作用によっ
てもアウターウォール17cにひずみが生じることがな
く、耐圧強度の向上が図られる。
【0016】図5と図6は本発明の別の実施の形態を示
すもので、図5は缶の底部を断面にした要部側面図、図
6は図5の缶を底部側から視た平面図である。この缶
は、図1と図2に示す缶とほぼ同様の構成を有するもの
で、同様の構成の部分は同符号を付けて説明を簡略化す
る。図5と図6に示す缶においては、図1と図2に示す
凹部21に加えて、アウターウォール17cには、缶胴
11の内部側へ凹む凹所24を円周方向に複数形成して
ある。
【0017】このように凹部21及び凹所24をそれぞ
れ形成することにより、凹部21によって、前述したよ
うに、境界部20付近の垂直荷重に対する強度を向上さ
せるとともに、凹所24によって、アウターウォール1
7cの変形を抑えて、耐圧強度を向上させる。
【0018】次に、図1から図6に示した各実施の形態
の缶23を製造する本発明に係る製造装置の構成を図7
から図9に基づいて説明する。図7は缶の製造装置の断
面図、図8は、図7に示した縮径機構の断面図、図8は
ターレット機構を回転軸方向から視た平面図である。製
造装置31は、缶胴11の上端に当接して缶胴11の缶
軸方向の移動を規制するベース33と、ベース33に垂
直な軸線方向で前後移動可能となった縮径機構35と、
ベース33と成形機構35との間に凹部21、22の未
だ形成されていない缶(ワーク)37を供給するターレ
ット機構39とにより概略構成してある。
【0019】缶胴11は、絞り加工により素板から有底
円筒状のカップを成形する絞り工程と、カップにパンチ
スリーブを挿入して再絞り加工及びしごき加工を施すと
ともに、缶底13をパンチスリーブとドーム成形部とで
挟んでドーム部15を成形する再絞り・しごき加工及び
缶底成形工程と、缶胴11の外面を印刷する印刷工程
と、缶胴11の開口上端部(ネック)を形成するネッキ
ング工程とを順次経て製造されて行く。本実施形態で
は、このうちネッキング工程の中の一工程に製造装置3
1を設けてある。
【0020】ベース33は、製造装置31の不図示のフ
レームに固設してあり、一側面がワーク37の上端を当
接する当接面33aとなっている。ワーク37は、上端
をベース33の当接面33aに当接することで、缶軸方
向上端側への移動が規制されることになる。
【0021】縮径機構35は、ベース33の当接面33
aに垂直な軸線方向に前後移動可能な中空状の中心軸4
1と、この中心軸41の先端に形成した先端小径部41
aに装着され、かつ缶37のドーム部15に嵌入する先
端凸曲面状のドーム嵌入部43と、このドーム嵌入部4
3の外方に位置して中心軸41の先端からベース33へ
向けて突設したポンチ爪45と、このポンチ爪45の外
周に摺動自在に設けられた環状のガイドリング(縮径部
材)47とにより概略構成してある。
【0022】図8に示すように、ポンチ爪45は、例え
ば、バネ鋼、ダイス鋼等からなる円筒の先端側を複数本
に分割して形成したものである。そして、ポンチ爪45
の基部45aは、中心軸41の先端小径部41aに装着
してあり、かつ同じく該中心軸41の先端小径部41a
に装着されている前記ドーム嵌入部43とともにボルト
42によって中心軸41に固定してある。また、中心軸
41とボルト42には、それらの中心に貫通孔を形成し
てあり、これらの貫通孔を介して圧縮空気を供給するこ
とにより、成形加工終了後にドーム嵌入部43と缶37
のドーム部15とを円滑に引き離すようになっている。
【0023】ポンチ爪45の先端45bは、その中間部
45cに比べて半径方向の幅を大きく形成してあり、先
端45bが弾性変形して半径方向に移動可能になってい
る。ポンチ爪45の先端面45dは先にいくほど半径方
向外側にいくように傾斜する傾斜曲面とされており、こ
の先端面45dが、前述した各種の缶の凹部21、22
あるいは凹所24の形状に対応している。ポンチ爪45
の先端外周は先にいくほど半径方向外側にいくように傾
斜する傾斜曲面45eとされている。そして、このポン
チ爪45の傾斜曲面45eに、前記ガイドリング47の
先端内面に形成された傾斜面47aが当接するようにな
っている。このガイドリング47の傾斜面47aは、先
にいくほど半径方向外側にいくように傾斜している。な
お、上述した中心軸41と、ガイドリング47とは、不
図示の円筒カムをそれらの後端面に摺接することで、所
望のタイミングで、軸線方向へ所定距離移動されるよう
になっている。
【0024】図9に示すように、ターレット機構39に
は、縮径機構35の軸線と平行な回転軸71により回転
自在となった把持板73を設けてある。把持板73の円
周方向には、缶胴11を保持可能としたポケット部75
を等間隔で複数設けてある。ポケット部75は、例えば
バキュームにより缶胴11を吸着保持するようになって
いる。上述した縮径機構35は、任意のポケット部75
の位置に、このポケット部75に把持された缶胴11と
同軸上で配置してある。ターレット機構39は、把持板
73を回転することで、ポケット部75に把持したワー
ク37を縮径機構35へ供給するとともに、縮径機構3
5にて成形の施された缶23を、縮径機構35から移動
して、次の工程へ受渡しするようになっている。
【0025】次に、このように構成した製造装置31を
用いて、図1から図6に基づいて説明した各種の缶23
の製造方法を説明する。先ず、缶底13を成形したワー
ク37を、ターレット機構39により、ベース33と縮
径機構35との間に供給し、上端部をベース33の当接
面33aに当接して、縮径機構35と同軸上に位置決め
する。
【0026】次いで、中心軸41を、不図示の円周カム
によりベース33側へ移動することにより、ドーム嵌入
部43をドーム部15に嵌入するとともに、ポンチ爪4
5の先端を、環状凸部17のノーズ部17aから缶胴1
1との境界部20までの間の部位に当接する。この際、
ワーク37は、ドーム嵌入部43によってベース33側
に押し付けられて、ベース33とドーム缶入部43とで
挟持される。また、この状態で、ドーム缶入部43の先
端面が、ドーム部15に当接することで、成形工程にお
けるドーム部15の変形が規制されることになる。これ
により、所望の形状のドーム部15が得られ、内容物封
入後の内圧に十分に対抗できる耐圧強度が確保される。
【0027】次に、不図示の円周カムにより、ガイドリ
ング47をベース33側にさらに移動させる。これによ
り、ガイドリング47の先端内面の傾斜面47aがポン
チ爪45の先端外周の傾斜曲面45eに押し付けられ、
ポンチ爪45の先割れ状の先端45bを縮径する。この
結果、ポンチ爪45は、境界部20あるいはアウターウ
ォール17cを押圧して、この境界部20あるいはアウ
ターウォール17cに円周方向に複数の凹部21、22
あるいは凹所24(図1と図2に示す缶23においては
凹部21、図3と図4に示す缶23においては凹部2
2、図5と図6に示す缶23においては凹部21と凹所
24)を成形する。
【0028】この際、環状凹部17には、半径方向内方
への押圧力が作用するが、ドーム部15にドーム嵌入部
43が嵌入されているため、内方へ縮径する変形が環状
凸部17に生じることがない。また、この際、環状凸部
17は、インナーウォール17bがドーム嵌入部43の
外周に密着して、ドーム嵌入部43の外径に倣って若干
縮径される方向に成形されることになる。
【0029】さらに、凹部21、22あるいは凹所24
を成形した後、ガイドリング47を後退させることによ
り、ポンチ爪45は弾性力により半径方向外側に移動し
て、境界部20あるいはアウターウォール17cから離
反する。次いで、縮径機構35を缶底13から離れる方
向へ後退させ、次の缶底13の押圧に備えた待機位置に
戻すことで、境界部20あるいはアウターウォール17
cへの凹部21、22あるいは凹所24の成形を終了す
る。この場合、中心軸41及びボルト42の貫通孔を介
して圧縮空気を供給することにより、ドーム嵌入部43
を缶底13のドーム部15から容易に引き離すことがで
きる。
【0030】そして、凹部21、22あるいは凹所24
の成形が終了した缶23は、ターレット機構39の把持
板73を回転することにより、ベース33と縮径機構3
5との間から移動し、次工程へと受け渡される。このよ
うにして、缶に容易に凹部21、22あるいは凹所24
が成形される。ここで、ポンチ爪45は、鋼製の円筒の
一体物の先端側にスリット加工を施すだけで容易に製作
される。従って、機構が簡単で、メンテナンスが容易な
上に、ポンチ爪45の半径方向への移動が、その弾性変
形によっているから、作動が確実で長期間にわたって安
定して使用することができる。また、ドーム嵌入部43
及びポンチ爪45は、ボルト42によって中心軸41に
着脱自在に取付けられているから、成形加工する缶底及
びその周辺部の形状に応じてドーム嵌入部43及びポン
チ爪45を適宜選択して交換すれば、各種形状の缶に柔
軟に対応することができる。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1の缶によれば、缶胴と環状凸部の外周壁との境界
部に複数の凹部を円周方向に形成することにより、これ
らの凹部によって前記境界部の剛性が高められて、垂直
荷重に十分に耐えられる強度を円滑に確保することがで
き、缶底及びその周辺部の変形を確実に阻止することが
できる。従って、缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を図る
ことができて、省資源化、低コスト化の要請に十分に応
えることができる。
【0032】本発明の請求項2の缶によれば、前記境界
部からノーズ部よりの位置まで延出させた凹部によっ
て、缶胴と缶底の環状凸部の外周壁との境界部の剛性が
高められて、想定される垂直荷重に対して確実に耐える
ことができるとともに、環状凸部の外周壁の剛性を容易
に高めることができて、耐圧強度の向上を図ることがで
き、缶底及びその周辺部の変形を防止することができ
る。
【0033】本発明の請求項3の缶によれば、請求項1
の凹部によって、垂直荷重に対する十分な強度を確保す
ることができる上に、環状凸部の外周壁に円周方向に形
成した複数の凹所によって、環状凸部の外周壁の剛性を
高めて、耐圧強度の向上を確実に図ることができる。
【0034】本発明の缶の製造方法によれば、ポンチ爪
を半径方向に移動することにより、缶胴と環状凸部の外
周壁との境界部に凹部を確実に成形することができると
ともに、ドーム部にドーム嵌入部を嵌入することによ
り、ベースとドーム嵌入部とによって、缶胴を確実に支
持固定でき、かつ凹部成形時のドーム部の変形を円滑に
抑えることができて、しかも環状凸部が前記凹部の成形
加工時に半径方向内方に逃げることがなく、従って、容
易に所定形状の凹部の成形加工を行うことができる。
【0035】本発明の缶の製造装置によれば、ドーム嵌
入部を軸線方向に移動することにより、該ドーム嵌入部
とベース間に缶胴がしっかりと挟持されて、成形加工時
に缶底のドーム部に変形を生じることがない一方、縮径
部材が軸線方向に移動することにより、該縮径部材によ
ってポンチ爪が押し縮められて、前記缶胴と環状凸部の
外周壁との境界部に凹部を容易に形成することができ
る。従って、縮径部材の軸線方向の移動だけでポンチ爪
による缶への成形を容易にかつ確実に行うことができる
とともに、機構が簡単でメンテナンスが容易な上に、長
期間にわたって安定的に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す缶の底部を
断面にした要部側面図である。
【図2】 図1の缶を底部側から視た平面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示す缶の底部を
断面にした要部側面図である。
【図4】 図3の缶を底部側から視た平面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示す缶の底部を
断面にした要部側面図である。
【図6】 図5の缶を底部側から視た平面図である。
【図7】 缶の製造装置の一例を示す断面図である。
【図8】 図7に示した縮径機構の断面図である。
【図9】 ターレット機構を回転軸方向から視た平面図
である。
【図10】 従来の缶の底部を断面にした側面図であ
る。
【符号の説明】
11 缶胴 13 缶底 15 ドーム部 17 環状凸部 17a ノーズ部 17b インナーウォール(内周壁) 17c アウターウォール(外周壁) 20 凸曲面部(境界部) 21、22 凹部 23 缶 24 凹所 31 製造装置 33 ベース 33a 当接面 35 縮径機構 43 ドーム嵌入部 45 ポンチ爪 47 ガイドリング(縮径部材)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を
    形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に
    突出する環状凸部を形成した構成の缶であって、 前記缶胴と環状凸部の外周壁との境界部に、缶胴の内部
    側に凹む凹部を円周方向に複数形成したことを特徴とす
    る缶。
  2. 【請求項2】 凹部が環状凸部の外周壁のノーズ部より
    の位置まで延出したことを特徴とする請求項1記載の
    缶。
  3. 【請求項3】 環状凸部の外周壁に、缶胴の内部側に凹
    む凹所を円周方向に複数形成したことを特徴とする請求
    項1記載の缶。
  4. 【請求項4】 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を
    形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に
    突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造方
    法であって、 缶胴の上端を、ベースに当接して該缶胴の缶軸方向の移
    動を規制するとともに、前記ドーム部にドーム嵌入部を
    嵌合し、該ドーム嵌入部の外方に位置して円周方向に複
    数設けた半径方向に移動可能なポンチ爪の先端を、前記
    缶胴と環状凸部の外周壁との境界部に当接して、該ポン
    チ爪の先端を半径方向内方に移動することで前記境界部
    に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数成形する
    ことを特徴とする缶の製造方法。
  5. 【請求項5】 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を
    形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に
    突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造装
    置であって、 缶胴の上端に当接して該缶胴の缶軸方向上端側への移動
    を規制するベースと、 該ベースの当接面に垂直な軸線方向に前後移動可能で前
    記ドーム部に嵌合するドーム嵌入部と、 半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設けられ、
    かつ前記ドーム嵌入部の外方に配置されたポンチ爪と、 該ポンチ爪の外方に前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能
    に設けられ、前記ポンチ爪の先端に当接して該ポンチ爪
    の先端を内方に移動させる縮径部材とを具備してなり、 前記ポンチ爪の先端を前記缶胴と環状凸部の外周壁との
    境界部に当接するように構成したことを特徴とする缶の
    製造装置。
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