JP3703957B2 - 缶及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶及びその製造方法並びに製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲料用に用いる缶としては、有底円筒状に形成した缶胴の開口部に、缶蓋を固定して構成するアルミ合金製の2ピース缶が知られている。この2ピース缶の缶胴を製造するには、先ず、絞り装置を用いてアルミ合金製の素板を打ち抜き・絞り加工してカップ状部材を成形する。次いで、このカップを保持しつつ内部にパンチスリーブを挿入して再絞り・しごき加工を施すとともに、パンチスリーブと同軸上に対向配置した先端が半球面状のドーム成形部との間にカップの底部を挟みつつ底部の周縁部を絞って、図17に示す底部形状の缶胴1を得る。
【0003】
従って、缶胴1の缶底3には、缶胴1の内部側へ球面状に凹んだドーム部5と、このドーム部5の周縁に連なり缶胴1の外部側へ缶軸方向に突出した環状凸部(リム)7とが形成される。この環状凸部7は、缶胴1を直立させた際に接地する脚となり、缶胴1の直立安定性及び支持強度を向上させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、省資源化や低コスト化の観点から缶の薄肉化が図られており、缶強度が低下することに起因して種々の不都合が生じている。
その一つに、内容物封入後の内圧の作用によって缶底3の環状凸部7が、図18の鎖線で示すように下方へ突出しつつ半径方向外方へ変形する、所謂ボトムグロースがある。このボトムグロースを生じさせる要因の一つに、環状凸部7の内周壁であるインナーウォール7aの剛性不足がある。インナーウォール7aは、一方の周縁が、凹曲面部であるカウンターシンクR部9を介してドーム部5に連なるとともに、他方の周縁が、環状凸部7の先端であるノーズ部7bに連なっている。缶底3に内圧が作用すると、薄肉のインナーウォール7aには円周方向の応力と、缶軸方向の応力との平面応力が生じる。この時インナーウォール7aの剛性が不足していると、インナーウォール7aの円周方向、及び缶軸方向にひずみが生じ、特に缶軸方向のひずみ(伸び)が大きくなると、環状凸部7を下方、及び半径方向外方へ変形させることになる。
そして、ボトムグロースが生じれば、缶の全高が高くなり、製品出荷前では、搬送コンベア上で引っ掛かったり、梱包を困難としたりするなどの問題を発生させた。
また、缶の薄肉化に伴い缶底の落下強度が不足するという問題がある。すなわち、缶が落下すると、その衝撃により、落下時の衝撃に弱い部位である缶底3のドーム部5の周辺部が膨出して、最悪の場合破損に至ることになる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を図ることができるとともに、缶底に変形を生じることがなく、十分な缶強度を確保することができる缶及びその製造方法並びに製造装置の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1の缶の構成は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁部に、凹曲面部を介して、缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶であって、前記環状凸部の内周壁に、該内周壁を半径方向外方側へ押圧することにより、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数形成するとともに、該凹部が、前記凹曲面部を介して、ドーム部の周辺部まで延出したことを特徴とするものである。
この缶では、内周壁の円周方向に複数の凹部が形成され、内周壁の剛性、特に、缶軸方向の応力に対する剛性が高められることになり、内圧の作用によっても内周壁に缶軸方向のひずみ(伸び)が生じなくなり、環状凸部の下方、及び半径方向外方への変形が阻止される。
さらに、この缶では、ドーム部の周辺部まで延出した凹部によって、内圧に対抗する耐圧強度の向上のみならず、ドーム部の周辺部の剛性が高められることにより、落下強度の大幅な向上が図られ、缶底が落下時の衝撃に十分に耐えられる。
【0006】
本発明の請求項2は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁部に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶であって、前記環状凸部の内周壁に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数形成するとともに、前記ドーム部の周辺部に、缶胴の内部側へ凹む第2の凹部を円周方向に複数形成したことを特徴とするものである。
この缶では、内周壁の円周方向に複数の凹部が形成され、内周壁の剛性、特に、缶軸方向の応力に対する剛性が高められることになり、内圧の作用によっても内周壁に缶軸方向のひずみ(伸び)が生じなくなり、環状凸部の下方、及び半径方向外方への変形が阻止される。さらに、この缶では、前記第2の凹部によって、ドーム部の周辺部の剛性を高めて、落下強度の向上を図る。
【0008】
本発明の請求項3の缶の製造方法は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造方法であって、缶胴の缶軸方向の移動を規制するとともに、円周方向に複数設けた半径方向に移動可能なポンチ爪の先端を、前記環状凸部の先端のノーズ部より半径方向内側の領域に当接し、さらに、ドーム部にドーム支持部材を嵌合,かつ付勢することにより、該ドーム部の中央部を下方へ変形させないように支持した状態で、前記ポンチ爪の先端を半径方向外方に移動することで前記環状凸部のノーズ部より半径方向内側の領域に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数成形することを特徴とするものである。
この缶の製造方法では、ポンチ爪を半径方向外方に移動することにより、環状凸部のノーズ部を境にして半径方向内側の領域に凹部が確実に成形される。また、環状凸部を成形した後の缶底に、ポンチ爪が当接され、環状凸部の成形とは別途に凹部が成形されることにより、平面方向の応力と、厚み方向の応力とが内周壁に同時に作用しなくなり、環状凸部と同時に凹部を成形した場合に、生じやすい過酷な塑性変形による凹部での亀裂が生じない。さらに、ポンチ爪が拡径する前に、ドーム部にドーム支持部材が嵌合され、ドーム部が支持されることにより、成形加工中のドーム部の変形が防止され、加工時にドーム中央部が下方に移動するのを防ぎ、かつドーム中央部をより深く加工できる。従って、所望のドーム部形状が得られて、十分なドーム部の耐圧強度が確保される。
【0009】
本発明の請求項4は、前記請求項3に記載の、ポンチ爪の先端を環状凸部のノーズ部より半径方向内側の領域に当接するに際し、環状凸部の外周に環状のアウタダイスを嵌合することを特徴とするものである。
この缶の製造方法では、ポンチ爪が拡径する前に、環状凸部にアウタダイスが嵌合され、環状凸部が外方から支持されることにより、環状凸部の外方への変形が防止される。
また、本発明の請求項5は、前記請求項3または4に記載の、前記凹部成形後、ポンチ爪の先端を半径方向内方に移動することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項6の缶の製造装置は、缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造装置であって、缶胴の上端に当接して該缶胴の缶軸方向上端側への移動を規制するベースと、半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設けられ、該先端が前記ベース方向へ向けて突出して配置され、かつ前記ベースに移動を規制された缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられたポンチ爪と、該ポンチ爪の内方に前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記ポンチ爪の先端に当接して該ポンチ爪の先端を外方に移動させる拡径部材と、該拡径部材の内方に、前記ドーム部側に付勢された状態で前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記付勢により、前記ドーム部の中央部を下方へ変形させないように支持するドーム支持部材とを具備したことを特徴とするものである。この缶の製造装置では、拡径部材を軸線方向に移動(前進)することにより、該拡径部材によってポンチ爪の先端が押し拡げられて、缶の環状凸部のノーズ部より内側の領域に凹部が成形されるとともに、拡径部材を後退することにより、ポンチ爪の先端が、半径方向内方に戻る。さらに、ドーム支持部材を軸線方向に移動することにより、該ドーム支持部材とベース間に缶胴が挟持されて、缶底のドーム部がドーム支持部材によってしっかりと支持されるから、成形加工時に缶底のドーム部に変形を生じることがなく、加工時にドーム中央部が下方に移動するのを防ぎ、かつドーム中央部をより深く加工できる。
【0012】
本発明の請求項は、前記請求項の構成に加えて、ポンチ爪の外方に、環状凸部の外周壁に嵌合する環状のアウタダイスを缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けたことを特徴とするものである。
この缶の製造装置では、環状凸部の外周壁に嵌合するアウタダイスによって、環状凸部が外方から支持される。
また、本発明の請求項8は、前記請求項6または7に記載の、前記拡径部材の先端部外周面は、先細状に形成された外周傾斜面とされ、該拡径部材は、前記外周傾斜面が前記ポンチ爪先端の内面側に当接するように該ポンチ爪の内方に設けられ、前記ポンチ爪の先端は、前記拡径部材が前後移動することにより、弾性変形させられ半径方向に移動可能とされた構成となっていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る缶及びその製造方法並びに製造装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す缶の底部を断面にした要部側面図、図2は図1の缶を底部側から視た平面図、図3は図1に示した凹部の拡大斜視図である。
缶胴11の缶底13には、缶胴11の内部側へ凹むドーム部15を形成してある。ドーム部15の周縁には、缶胴11の外部側へ缶軸方向に突出した環状凸部(リム)17を形成してある。
【0015】
環状凸部17は、先端のノーズ部17aと、ノーズ部17aより半径方向内側の内周壁(インナーウォール)17bと、ノーズ部17aより半径方向外方の外周壁(アウターウォール)17cとからなる。インナーウォール17bは環状の凹曲面部(カウンターシンクR部)19を介してドーム部15に連なり、ノーズ部17aはアウターウォール17cを介して缶胴11に連なる。
インナーウォール17bには、缶胴11の内部側へ凹む凹部21を円周方向に複数形成してある。この例による凹部21は、四角形であり、図3に示すように上辺21aがカウンターシンクR部19に位置し、下辺21bがノーズ部17aの先端に一致している。即ち、凹部21は、上辺21aと、この上辺21aに隣接する左右の二辺21c、21dとで三方から包囲され、下辺21bで開放された凹部形状となっている。従って、ノーズ部17aの厚みは、この凹部21の形成された箇所で、凹部21を凹ませた深さ分、薄くなっている。
【0016】
なお、凹部21は、下辺21bをノーズ部17aの先端に一致させずに、周囲の閉じた凹部形状としても良く、その形状も四角形以外のその他の多角形、或いは円形であっても良い。
凹部21の数は、円周方向の凹部21の幅と、凹部21どうしのピッチとを考慮してインナーウォール17bの剛性が高まるように最適に設定する。この例では、図2に示すように、凹部21と略同等の幅分の間隔を隔てて、12箇所の凹部21をインナーウォール17bの周方向に等間隔で形成してある。
【0017】
このように構成した缶23では、インナーウォール17bの円周方向に複数の凹部21が形成され、インナーウォール17bの剛性、特に、缶軸方向の応力に対する剛性が高められることになる。従って、内圧の作用によってもインナーウォール17bに缶軸方向のひずみ(伸び)が生じなくなり、環状凸部17の下方、及び半径方向外方への変形が阻止されることになる。
上述の缶23によれば、インナーウォール17bの円周方向に複数の凹部21を設けたので、インナーウォール17bの剛性を高めて、インナーウォール17bに生じるひずみを抑制し、環状凸部17の変形を防止することができる。
【0018】
次に、上述の缶23を製造する製造装置の構成を図4から図7に基づき説明する。
図4は製造装置の縦断面図、図5は図4に示した拡径機構の要部拡大断面図、図6は図5のA−A矢視図、図7は図4に示したターレット機構を回転軸方向から視た平面図である。
本実施形態の製造装置31は、缶胴11の上端に当接して缶胴11の缶軸方向の移動を規制するベース33と、ベース33に垂直な軸線方向で前後移動可能となった拡径機構35と、ベース33と拡径機構35との間に凹部21の未だ形成されていない缶(ワーク)37を供給するターレット機構39とにより概略構成してある。
【0019】
缶胴11は、絞り加工により素板から有底円筒状のカップを成形する絞り工程と、カップにパンチスリーブを挿入して再絞り加工及びしごき加工を施すとともに、缶底13をパンチスリーブとドーム成形部とで挟んでドーム部15を成形する再絞り・しごき加工及び缶底成形工程と、缶胴11の外面を印刷する印刷工程と、缶胴11の開口上端部(ネック)を形成するネッキング工程とを順次経て製造されて行く。本実施形態では、このうちネッキング工程の中の一工程に製造装置31を設けてある。
【0020】
ベース33は、製造装置31の不図示のフレームに固設してあり、一側面がワーク37の上端を当接する当接面33aとなっている。ワーク37は、上端をベース33の当接面33aに当接することで、缶軸方向上端側への移動が規制されることになる。
【0021】
拡径機構35は、中空軸41と、中空軸41の先端に設けた環状のアウタダイス43と、アウタダイス43の内周に位置するように中空軸41の先端からベース33へ向けて突設したポンチ爪45と、中空軸41の中空部41aに軸線方向で前後移動可能に設けた中心軸47とにより概略構成してある。
【0022】
この実施形態による製造装置31では、ポンチ爪45と、アウタダイス43とでヘッド部49を構成してあり、このヘッド部49を中空軸41の先端に固定してある。図5に示すようにアウタダイス43には、缶底13のアウターウォール17cに沿った内周面43aと、この内周面43aに連なり環状凸部17のノーズ部17aに当接するノーズ当接段部43bとを形成してある。
【0023】
ポンチ爪45の先端45cは、ヘッド部49の基体である筒体45aの前端側の周縁に、薄肉のヒンジ部45bを介して連設してあり、かつ円周方向に複数設けてある。ポンチ爪45の先端45cは自由端となってベース33へ向かって突出している。ポンチ爪45は、バネ鋼などにより形成することで、ヒンジ部45bで可撓性を有し、ポンチ爪45の先端45cが筒体45aの半径方向へ移動可能となっている。この例によるポンチ爪45の先端45cは、筒体45aの円周方向に、ポンチ爪45の先端45cと同等の間隔を隔てて12本設けてある(図6参照)。
【0024】
筒体45aの後端には、筒体45aの同心円で外周から突出したフランジ部45dを形成してある。フランジ部45dは、中空軸41の先端外周に複数箇所で固定される固定金具55(図4参照)により、中空軸41の先端面に脱着可能に固定してある。
【0025】
このポンチ爪45の外周には、上述のアウタダイス43が軸線方向に移動自在に挿嵌してある。なお、ポンチ爪45とアウタダイス43との間には、ポンチ爪45の先端45cを半径方向外方へ移動させるための間隙56を設けてある。アウタダイス43には、フランジ部45dの後面から円周方向複数箇所で挿通したボルト57を螺合してある。ボルト57を螺合したアウタダイス43の後端と、フランジ部45dの前面との間には、間隙59を設けてある。
【0026】
このボルト57の外周には、バネ部材(コイルバネ)61を挿入してあり、コイルバネ61は圧縮された状態で、一端をアウタダイス43に当接し、他端をフランジ部45dに当接している。従って、アウタダイス43は、コイルバネ61のバネ力により中空軸41の先端から前方へ突出するように付勢されている。
【0027】
また、フランジ部45dには、中空軸41の前端面との間に、ボルト57の頭部57aの可動空間58を設けてあり、ボルト57は頭部57aが可動空間58内で可動する範囲で、軸方向に前後移動可能となっている。即ち、前方へ付勢されたアウタダイス43は、前方からの押圧力により、コイルバネ61の付勢力に抗して、この移動量分、後退可能となっている。
【0028】
従って、このヘッド部49の構成では、ポンチ爪45がそのフランジ部45dにおいて固定金具55により中空軸41の先端に一体固定されるとともに、アウタダイス43がポンチ爪45のフランジ部45dを介して中空軸41に対して前後移動可能に取り付けられている。
【0029】
ポンチ爪45の先端45cの内周面には、ポンチ爪45の先端に向けて中空軸41の中心側に傾斜する傾斜面63を形成してある。従って、円周方向に配設したポンチ爪45の先端45cの内周面に内接する内接円は、傾斜面63が形成されることで、ポンチ爪45の先端方向に向かうにしたがって内径が小さくなる。
【0030】
中空軸41の中空部41aには、中心軸47を前後移動可能に挿嵌してある。中心軸47の先端には、筒体45aの内周に軸線方向で移動可能となる円柱状のコア部(拡径部材)65をボルト67により固定してある。コア部65の外径は、ポンチ爪45の先端45cに内接する内接円の内径より大きく形成してある。コア部65は、中心軸47の移動により、ポンチ爪45の先端近傍まで移動するようになっている。従って、ポンチ爪45の先端45cは、コア部65が前進することにより、傾斜面63がコア部65の外周に摺動して、半径方向外方に移動するようになっている。また、中心軸47、コア部65及びボルト67には、それぞれ貫通孔を形成してあり、これらの貫通孔を介して缶底13側に圧縮空気を供給し得るようになっている。
【0031】
上述した中空軸41と、中心軸47とは、不図示の円周カムを後端面に摺接することで、所望のタイミングで、軸線方向へ所定距離移動されるようになっている。
【0032】
図7に示すように、ターレット機構39には、拡径機構35の軸線と平行な回転軸71により回転自在となった把持板73を設けてある。把持板73の円周方向には、缶胴11を保持可能としたポケット部75を等間隔で複数設けてある。ポケット部75は、例えばバキュームにより缶胴11を吸着保持するようになっている。上述した拡径機構35は、任意のポケット部75の位置に、このポケット部75に把持された缶胴11と同軸上で配置してある。
【0033】
ターレット機構39は、把持板73を回転することで、ポケット部75に把持したワーク37を拡径機構35へ供給するとともに、拡径機構35にて成形の施された缶23を、拡径機構35から移動して、次の工程へ受渡しするようになっている。
【0034】
次に、このように構成した製造装置31を用いての缶23の製造方法を説明する。図8は製造装置の拡径機構を缶底に当接した状態を示す部分断面図、図9は図8のポンチ爪を拡径した状態を示す要部拡大断面図である。
先ず、図4に示すように、缶底13を成形したワーク37を、ターレット機構39により、ベース33と拡径機構35との間に供給し、上端部をベース33の当接面33aに当接して、拡径機構35と同軸上に位置決めする。
【0035】
次いで、中空軸41と中心軸47とを、不図示の円周カムにより同時にベース33側へ移動し、図8に示すようにポンチ爪45の先端45cが缶底13のカウンターシンクR部19近傍に当接する位置で停止する。この際、アウタダイス43は、ポンチ爪45の先端45cより前方に付勢されているため、ポンチ爪45の先端45cより先に缶底13のアウターウォール17c及びノーズ部17aに、内周面43a及びノーズ当接段部43bが当接し、その反力により、コイルバネ61を圧縮して矢印a方向へ後退する。
【0036】
従って、この状態で、ワーク37は、コイルバネ61で付勢されたアウタダイス43によって、ベース33側へ押し付けられて、ベース33とアウタダイス43とで挟持される。
【0037】
また、この状態で、アウタダイス43の内周面43a及びノーズ当接段部43bとが、環状凸部17のアウターウォール17c及びノーズ部17aに当接することで、環状凸部17の外方への変形が規制されることになる。
【0038】
次に、不図示の円周カムにより、中心軸47のみを前進させ、図9に示すようにコア部65をポンチ爪45の先端45cの内周側に突出させる。コア部65がポンチ爪45の先端45cの内周側に突出すると、コア部65の外周がポンチ爪45の傾斜面63に摺動し、全てのポンチ爪45の先端45cを半径方向外方に移動させる。
【0039】
この結果、ポンチ爪45の先端45cは、環状凸部17のインナーウォール17bを押圧して、インナーウォール17bの円周方向に複数の凹部21を成形する。この際、環状凸部17には、外方に拡がろうとする応力が作用するが、アウタダイス43の内周面43a及びノーズ当接段部43bを、アウターウォール17c及びノーズ部17aに当接しているため、外方へ拡がる変形が環状凸部17に生じることがない。
【0040】
凹部21を成形した後、中心軸47を後退させることにより、ポンチ爪45の先端45cは再び弾性力により半径方向内側に移動する。
次いで、拡径機構35を缶底13から離れる方向へ後退させる。この時、アウタダイス43は、コイルバネ61の付勢力により、前方に移動し、缶底13を押圧し続けるから、万一、缶底13からポンチ爪45の先端45cが離れにくい場合には、アウタダイス43が缶底13からポンチ爪45を円滑に引き離す。この場合、中心軸47、ボルト67及びコア部65に形成された貫通孔を用いて圧縮空気を缶底13側に供給することにより、缶底13とポンチ爪45との引き離しを確実に行うようにしても良い。その後、アウタダイス43は、成形加工された缶底13から離れ、次の缶底13の押圧に備えて待機位置に戻る。以上により、インナーウォール17bへの凹部21の成形を終了する。
【0041】
凹部21の成形が終了した缶23は、ターレット機構39の把持板73を回転することにより、ベース33と拡径機構35との間から移動し、次工程へと受け渡される。
【0042】
上述の製造方法では、環状凸部17を成形した後の缶底13に、拡径機構35を当接し、環状凸部17との成形とは別途に凹部21を成形するので、平面方向の応力と、厚み方向の応力とがインナーウォール17bに同時に作用せず、環状凸部17と同時に凹部21を成形した場合に、生じやすい過酷な塑性変形による凹部21での亀裂が生じない。
また、ポンチ爪45が拡径する前に、環状凸部17にアウタダイス43が嵌合され、環状凸部17が外方から支持されることにより、環状凸部17の外方への変形が防止される。
【0043】
上述の製造装置では、環状凸部17の外周に嵌合するアウタダイス43が中空軸41の先端に設けられ、このアウタダイス43が環状凸部17に嵌合され、環状凸部17が外方から支持される。
また、中空軸41を軸線方向に移動することで、ワーク37が挟持され、中心軸47を軸線方向に移動することで、ポンチ爪45が拡径されるので、軸線方向の駆動のみにより凹部21の成形が可能となる。
【0044】
そして、この実施形態による製造装置31では、アウタダイス43が中空軸41の先端に可動自在に設けられ、かつコイルバネ61により前方に付勢され、拡径機構35の前進時に、コイルバネ61による適宜な付勢力により缶底13が押圧されることになる。
【0045】
次に、図10を参照して本発明の第2の実施の形態を示す缶について説明する。なお、図1から図3に示す前記缶と同様の構成の部分については同符号を付けて説明を簡略化する。図10においては、インナーウォール17bからドーム部15の周辺部にかけて、缶胴11の内部側へ凹む四角形状の凹部22を円周方向に複数形成してある。
このように構成した缶24では、インナーウォール17bからドーム部15にかけて、円周方向に複数の凹部22が形成されているから、缶底13の各部の剛性が高められることになる。このうち、凹部22のインナーウォール17bよりの部位は、内容物封入後の内圧に対抗するために設けられたものであり、これによって、インナーウォール17b付近が内圧に耐えきれずに外方に膨出することが阻止されることになる。また、ドーム部15の周辺部に形成された凹部22は、落下強度の向上に寄与するものである。すなわち、前記凹部22が形成されたことにより、落下時の衝撃に弱い部位であるドーム部15の周辺部の剛性が高められて、落下強度が大幅に向上する。なお、前記凹部22はインナーウォール17bからドーム部15にかけて成形されているが、耐圧強度向上に寄与するインナーウォール17bよりの部位と、落下強度向上に寄与するドーム部15の周辺部との2つの凹部に分けて成形しても良い。
【0046】
次に、上述の缶24を製造する本発明に係る製造装置の構成を説明する。図11は本実施形態の製造装置の要部を示す分解断面図、図12は缶底の成形加工前の状態を示す断面図、図13は缶底にポンチ爪が嵌合した状態を示す断面図、図14は缶底の成形加工時を示す断面図、図15は缶底の成形加工終了後を示す断面図、図16は缶底の成形加工前と加工後を比較した拡大断面図(中心線をはさんで左半分が成形加工前を、かつ右半分が加工後を示す)である。なお、本実施形態の製造装置において、図4から図9に基づいて上述した製造装置と同様の構成の部分には同符号を付けて説明を省略する。
【0047】
これらの図において符号81は本実施形態の拡径機構であり、この拡径機構81は、ポンチ爪83と、該ポンチ爪83の内方に前記缶胴11の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記ポンチ爪83の先端に当接して該ポンチ爪83の先端を外方に移動させる拡径部材85と、該拡径部材85の内方に前記缶胴11の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記ドーム部15に当接して支持するドーム支持部材87とにより概略構成してある。
【0048】
ポンチ爪83は、バネ鋼、ダイス鋼等からなる円筒の先端側を複数本に分割して形成したもので、ポンチ爪83のリング状の基端フランジ部83aを環状部材89のへこみ部89aに装着して、該環状部材89にボルト91によって取り付けてある。そして、この環状部材89は前記中空軸41に取り付けてある。ポンチ爪83の先端83bは、その中間部83cに比べて半径方向の幅を大きく形成してあり、先端83bが弾性変形して半径方向に移動可能になっている。ポンチ爪83の先端面83dは先にいくほど半径方向内側にいくように傾斜する傾斜面となっており、この先端面83dが前記缶底13に形成された凹部22の形状に対応している。
【0049】
また、ポンチ爪83の各先端83bの内面側は、円筒状の拡径部材85の先細状に形成された先端の外周傾斜面85aに当接するようになっている。拡径部材85の内部には小径孔部85bを形成してあり、この小径孔部85bにリング状のブッシュ93を装着してある。ブッシュ93の内部にはボルト95を摺動可能に装着してあり、ボルト95には前記ドーム支持部材87をねじ込んである。ドーム支持部材87はT字状の断面形状を有するもので、このドーム支持部材87の先端面87aは凸曲面状に形成してある。拡径部材85の小径孔部85bに装着されたブッシュ93は、その先端にフランジ93aを形成してあり、このフランジ93aが前記小径孔部85bに係止することにより、ブッシュ93の基端側(図12から図15において下側)への移動が規制されている。拡径部材85、ドーム支持部材87、ブッシュ93及びボルト95で構成される空間内にはリング97とスプリング99を装着してあり、このスプリング99によってドーム支持部材87とボルト95とが先端側(図12から図16において上側)へ付勢されるようになっている。拡径部材85の基端フランジ部85cは、前記中心軸47にボルト(不図示)によって取り付けてある。
【0050】
次に、このように構成した製造装置を用いての缶24の製造方法を説明する。
先ず、缶底13を成形したワーク37を、ターレット機構により、ベースと拡径機構81との間に供給し、上端部をベースの当接面に当接して、拡径機構81と同軸上に位置決めする。
次いで、拡径機構81を、不図示の円周カムによりベース側(図12から図16において上側)へ移動することにより、ポンチ爪83の先端が、缶底13の環状凸部17のインナーウォール17bからドーム部15にかけた部位に当接する位置で停止する。この際、ドーム支持部材87は、スプリング99によって、ポンチ爪83の先端より前方に付勢されているため、ポンチ爪83の先端より先に缶底13のドーム部15に、先端面87aが当接し、その反力により、スプリング99を圧縮して基端側(図12から図16において下側)へ後退する。
【0051】
従って、この状態で、ワーク37は、スプリング99で付勢されたドーム支持部材87によって、ベース側(図12から図16において上側)へ押し付けられて、ベースとドーム支持部材87とで挟持される。また、この状態で、ドーム支持部材87の先端面87aが、ドーム部15に当接することで、成形工程におけるドーム部15の変形が規制されることになる。これにより、所望の形状のドーム部15が得られ、内容物封入後の内圧に十分に対抗できる耐圧強度が確保される。
【0052】
次に、不図示の円周カムにより、拡径部材85を、ベース側(図12から図16において上側)にさらに移動させる。これにより、拡径部材85の外周傾斜面85aがポンチ爪83の内周面に押し付けられ、ポンチ爪83の先割れ状の先端83bを拡径する。この結果、ポンチ爪83は、環状凸部17のインナーウォール17bからドーム部15にかけての領域を押圧して、この領域に円周方向に複数の凹部22を成形する。
【0053】
さらに、凹部22を成形した後、拡径部材85を後退させることにより、ポンチ爪83は弾性力により半径方向内側に移動する。次いで、拡径機構81を缶底13から離れる方向へ後退させる。この時、ドーム支持部材87は、スプリング99の付勢力により、前方に移動し缶底13を押圧し続けるから、万一、缶底13からポンチ爪83が円滑に離れていない場合にも、缶底13からポンチ爪83を確実に引き離す。次いで、前記ドーム支持部材87は、次の缶底13の押圧に備えて待機位置に戻る。以上により、缶底13への凹部22の成形を終了する。
【0054】
凹部22の成形が終了した缶24は、ターレット機構39の把持板73を回転することにより、ベースと拡径機構81との間から移動し、次工程へと受け渡される。このようにして、缶底13に容易に凹部22が成形される。ここで、ポンチ爪83は、鋼製の円筒の一体物の先端側にスリット加工を施すだけで容易に製作される。従って、機構が簡単で、メンテナンスが容易な上に、ポンチ爪83の半径方向への移動が、その弾性変形によっているから、作動が確実で長期間にわたって安定して使用することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の缶によれば、環状凸部の内周壁の円周方向に複数の凹部を設けたので、内周壁の剛性を高めて、内周壁に生じるひずみを抑制することができ、環状凸部の変形を防止することができる。この結果、製品出荷前における搬送コンベア上での引っ掛かり、梱包の障害などを防止することができる。従って、缶の薄肉化、特に缶底の薄肉化を円滑に図ることができて、省資源化、低コスト化の要請に十分に応えることができる。さらに、ドーム部の周辺部まで延出した凹部によって、ドーム部の周辺部の剛性が高められることにより、落下強度の大幅な向上を図ることができて、落下時の衝撃に確実に耐えることができる。
【0056】
本発明の請求項2によれば、環状凸部の内周壁の円周方向に複数の凹部を設けたので、環状凸部の内周壁の剛性を高めることにより、耐圧強度の向上を図ることができるとともに、第2の凹部によって、ドーム部の周辺部の剛性を高めることにより、落下強度の向上を容易に図ることができる。
【0058】
本発明の請求項の缶の製造方法によれば、ポンチ爪を半径方向外方に移動することにより、環状凸部のノーズ部を境にして半径方向内側の領域に凹部を確実に成形することができる。また、環状凸部を成形した後の缶底に、ポンチ爪が当接され、環状凸部の成形とは別途に凹部が成形されることにより、平面方向の応力と、厚み方向の応力とが内周壁に同時に作用しなくなり、環状凸部と同時に凹部を成形した場合に、生じやすい過酷な塑性変形による凹部での亀裂が生じることがない。さらに、ネッキング工程の一部で加工が行えるため、新たな成形ラインを増設することなく、凹部を成形することができる。さらにまた、ポンチ爪が拡径する前に、ドーム部にドーム支持部材が嵌合され、ドーム部が支持されることにより、成形加工中のドーム部の変形が防止され、加工時にドーム中央部が下方に移動するのを防ぎ、かつドーム中央部をより深く加工できる。従って、所望のドーム部形状を得ることができて、十分なドーム部の耐圧強度を確保することができる。
【0059】
本発明の請求項によれば、ポンチ爪が拡径する前に、環状凸部にアウタダイスが嵌合され、環状凸部が外方から支持されることにより、環状凸部の外方への変形を確実に防止することができる。
【0061】
本発明の請求項の缶の製造装置によれば、拡径部材を軸線方向に移動することにより、該拡径部材によってポンチ爪の先端を押し拡げて、缶の環状凸部のノーズ部より内側の領域に凹部を成形することができる。従って、軸線方向の駆動のみにより凹部を成形することができ、ネッキング工程での実施を容易に可能にすることができる。さらに、ドーム支持部材を軸線方向に移動することにより、該ドーム支持部材とベース間に缶胴が挟持されて、缶底のドーム部がドーム支持部材によってしっかりと支持されるから、成形加工時に缶底のドーム部に変形を生じることがなく、加工時にドーム中央部が下方に移動するのを防ぎ、かつドーム中央部をより深く加工できる。従って、所望の形状のドーム部を得ることができて、十分な耐圧強度を保持した缶を容易に成形することができる。
【0062】
本発明の請求項によれば、環状凸部の外周壁に嵌合するアウタダイスによって、環状凸部が外方から支持されることにより、環状凸部の外方への変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す缶の底部を断面にした要部側面図である。
【図2】 図1の缶を底部側から視た平面図である。
【図3】 図1に示した凹部の拡大斜視図である。
【図4】 本発明に係る缶を製造する製造装置の縦断面図である。
【図5】 図4に示した拡径機構の要部拡大断面図である。
【図6】 図5のA−A矢視図である。
【図7】 図4に示したターレット機構を回転軸方向から視た平面図である。
【図8】 拡径機構を缶底に当接した状態を示す部分断面図である。
【図9】 図8のポンチ爪を拡径した状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態を示す缶を底部側から視た平面図である。
【図11】 製造装置の要部を示す分解断面図である。
【図12】 缶底の成形加工前の状態を示す断面図である。
【図13】 缶底にポンチ爪が嵌合した状態を示す断面図である。
【図14】 缶底の成形加工時を示す断面図である。
【図15】 缶底の加工後を示す断面図である。
【図16】 缶底の成形加工前と加工後を比較した拡大断面図である。
【図17】 従来の缶の底部を断面にした側面図である。
【図18】 従来の缶の底部を断面にした要部拡大図である。
【符号の説明】
11 缶胴
13 缶底
15 ドーム部
17 環状凸部
17a ノーズ部
17b インナーウォール(内周壁)
17c アウターウォール(外周壁)
21、22 凹部
23、24 缶
31 製造装置
33 ベース
33a 当接面
35、81 拡径機構
37 缶(ワーク)
41 中空軸
43 アウタダイス
43a 内周面
43b 段部
45、83 ポンチ爪
45c、83b 先端
47 中心軸
61 コイルバネ(バネ部材)
63 傾斜面
65 コア部(拡径部材)
85 拡径部材
87 ドーム支持部材

Claims (8)

  1. 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁部に、凹曲面部を介して、缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶であって、
    前記環状凸部の内周壁に、該内周壁を半径方向外方側へ押圧することにより、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数形成するとともに、該凹部が、前記凹曲面部を介して、ドーム部の周辺部まで延出したことを特徴とする缶。
  2. 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁部に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶であって、
    前記環状凸部の内周壁に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数形成するとともに、前記ドーム部の周辺部に、缶胴の内部側へ凹む第2の凹部を円周方向に複数形成したことを特徴とする缶。
  3. 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造方法であって、
    缶胴の缶軸方向の移動を規制するとともに、円周方向に複数設けた半径方向に移動可能なポンチ爪の先端を、前記環状凸部の先端のノーズ部より半径方向内側の領域に当接し、さらに、ドーム部にドーム支持部材を嵌合,かつ付勢することにより、該ドーム部の中央部を下方へ変形させないように支持した状態で、前記ポンチ爪の先端を半径方向外方に移動することで前記環状凸部のノーズ部より半径方向内側の領域に、缶胴の内部側へ凹む凹部を円周方向に複数成形することを特徴とする缶の製造方法。
  4. ポンチ爪の先端を環状凸部のノーズ部より半径方向内側の領域に当接するに際し、環状凸部の外周に環状のアウタダイスを嵌合することを特徴とする請求項3記載の缶の製造方法。
  5. 前記凹部成形後、ポンチ爪の先端を半径方向内方に移動することを特徴とする請求項3または4に記載の缶の製造方法。
  6. 缶底に、缶胴の内部側へ凹むドーム部を形成するとともに、該ドーム部の周縁に缶軸方向外方に突出する環状凸部を形成した構成の缶を製造する製造装置であって、
    缶胴の上端に当接して該缶胴の缶軸方向上端側への移動を規制するベースと、半径方向に移動可能な先端が円周方向に複数設けられ、該先端が前記ベース方向へ向けて突出して配置され、かつ前記ベースに移動を規制された缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられたポンチ爪と、
    該ポンチ爪の内方に前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記ポンチ爪の先端に当接して該ポンチ爪の先端を外方に移動させる拡径部材と、
    該拡径部材の内方に、前記ドーム部側に付勢された状態で前記缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けられ、前記付勢により、前記ドーム部の中央部を下方へ変形させないように支持するドーム支持部材とを具備したことを特徴とする缶の製造装置。
  7. ポンチ爪の外方に、環状凸部の外周壁に嵌合する環状のアウタダイスを缶胴の缶軸方向に前後移動可能に設けたことを特徴とする請求項6記載の缶の製造装置。
  8. 前記拡径部材の先端部外周面は、先細状に形成された外周傾斜面とされ、
    前記拡径部材は、前記外周傾斜面が前記ポンチ爪先端の内面側に当接するように該ポンチ爪の内方に設けられ、
    前記ポンチ爪の先端は、前記拡径部材が前後移動することにより、弾性変形させられ半径方向に移動可能とされた構成となっていることを特徴とする請求項6または7に記載の缶の製造装置。
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