JP2000192325A - 高異形断面繊維 - Google Patents

高異形断面繊維

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JP2000192325A
JP2000192325A JP28228099A JP28228099A JP2000192325A JP 2000192325 A JP2000192325 A JP 2000192325A JP 28228099 A JP28228099 A JP 28228099A JP 28228099 A JP28228099 A JP 28228099A JP 2000192325 A JP2000192325 A JP 2000192325A
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Satoshi Hirai
諭 平井
Mototada Fukuhara
基忠 福原
Yoshihiro Konno
吉宏 近野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】深色性、吸水性、カバリング性、軽量保温性、
ドライなタッチに優れた高異形断面繊維を提供する。 【解決手段】熱可塑性重合体からなり、1カ所の中空部
を有する中空基部と中空基部からのびる枝部からなる略
δ型断面繊維であって、中空基部と枝部とで形成される
凹部が2ヶ所存在し、一方の凹部は中空基部の中心から
枝部の最先端に引いた線分が横切る湾状部を形成すると
ともに、枝部の繊維厚さ(T)が実質的に一定であるこ
とを特徴とする高異形断面繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高異形断面繊維に
関する。さらに詳しくは、深色性、吸水性、カバリング
性、軽量保温性、ドライなタッチに優れた高異形断面繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から熱可塑性重合体からなる繊維の
断面形状を異形化し、様々な光沢や風合を有する繊維に
関する試みがなされている。特に、その断面形状を三角
形にすることによって、絹に似た光沢を有する繊維とし
て実用化されている。しかしながら、近年、ニーズが多
様化し、合繊の持つ独特な光沢感や風合が求められるよ
うになり、様々な断面形状の繊維や特殊な製造方法に関
する提案がなされてきている。
【0003】例えば、特開昭53−119318号公報
には、6の字型のスパイラル断面繊維であって、スパイ
ラル断面の外側が捲縮(ヘリックスコイル)の内側とな
るテクスチャードヤーンが開示されている。該繊維は、
溶融紡糸の際に非対称冷却が施されているために、嵩高
性とスパイラル断面による吸水性を有する。しかしなが
ら、断面形状がスパイラルであるため、カバリング性が
不十分であるという欠点がある。
【0004】また、特開昭50−40813号公報、特
開昭50−40819号公報には、中空部を形成しうる
円柱状主孔と複数個の副孔からなり、必要に応じて主孔
と副孔をスリットで連結した異形ノズルが開示されてい
る。該ノズルを用いて得た繊維は、溶融紡糸の際に非対
称冷却が施されているために、優れた嵩高性を有する繊
維となる。しかしながら、副孔が円形孔からなり、中空
孔との間に2ヶ所もしくはそれ以上のくびれを有するも
のの、くびれ部の深さが浅く、染色した場合の深色性が
低いという欠点を有する。また、副孔が大きすぎると、
副孔の吐出線速度が速くなり、紡糸安定性が低下すると
いう欠点がある。
【0005】また、特開昭59−106510号公報に
は、スリットの左右両端に一対の円形もしくは非円形の
副孔(中空孔)が連結され、副孔の中心がスリット長手
軸延長上にない扁平異形断面繊維用紡糸口金が提案され
ている。この紡糸口金を用いると、副孔の吐出線速度が
速くなるため、ポリマーが旋回しながら螺旋状に吐出さ
れ、独特な外観形状を有する捩れ繊維が得られる。しか
しながら、上記繊維は、口金直下で旋回して得られるた
め、断面形状が不均一で、糸斑の大きな繊維となるほ
か、紡糸安定性が低下するという欠点がある。
【0006】また、特開昭60−167923号公報に
は、断面形状が三角形状の傘部と幹部からなる茸状断面
繊維が開示されている。該繊維は、絹様の光沢とドライ
なタッチを発現しうるものの、軽量保温性の点で不十分
である。
【0007】また、特開昭60−185809号公報に
は、単一の溶融重合体を吐出断面積の異なる一対の吐出
孔から流速差を有する一対の重合体流として吐出し、吐
出孔断面積の大なる中空の吐出孔から吐出した低速重合
体流に、吐出断面積が小なる吐出孔から吐出した高速重
合体流を衝突バウンドさせつつ接触せしめて得る、潜在
嵩高性マルチフィラメントの製造方法が開示されてい
る。該方法によって得られる潜在嵩高性マルチフィラメ
ントは、糸長さ方向に大きな太さ変化、収縮率変化を有
するため、優れた嵩高性を発揮できるものの、周期的な
太さ変化、周期的な染色性変化を有するため、一般衣料
用の繊維として展開することが困難であるという欠点を
有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、深色性、吸水性、カバリン
グ性、軽量保温性、ドライなタッチに優れた高異形断面
繊維を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、熱可塑性重合体からなり、1カ所の中空部を有する
中空基部と中空基部からのびる枝部からなる略δ型断面
繊維であって、中空基部と枝部とで形成される凹部が2
ヶ所存在し、一方の凹部は中空基部の中心から枝部の最
先端に引いた線分が横切る湾状部を形成するとともに、
枝部の繊維厚さ(T)が実質的に一定であることを特徴
とする高異形断面繊維によって達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高異形断面繊維に
ついて詳述する。
【0011】本発明でいう熱可塑性重合体とは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを意味
するが、高異形断面形成性、強度、染色性などの点か
ら、ポリエチレンテレフタレート、もしくはポリアミド
であることが好ましく、ドライなタッチを発揮し易い点
で、ポリエチレンテレフタレートであることがより好ま
しい。
【0012】本発明においては、1カ所の中空部を有す
る中空基部と中空基部からのびる枝部からなる略δ型断
面繊維であることが重要である。1カ所の中空部を有す
る中空基部と中空基部からのびる枝部からなる異形断面
繊維であっても、6あるいは9の字型であっては、外接
円直径を大きくすることが困難であり、本発明の目的と
するカバリング性を得ることができず、中空部からのび
る凹部を有する突出した枝部によるドライなタッチを得
ることができない。また、凹部を1カ所有するC型断
面、U型断面や、凹部を2カ所有するW型断面、S型断
面は、フィラメント同志が重なり合って密に嵌合し易
く、繊維の嵩高性が低下し易いが、1カ所の中空部を有
することで、フィラメント同志の密な重なり合いを防ぐ
ことが可能となる。
【0013】また、本発明においては、中空基部と枝部
とで形成される凹部が2ヶ所存在し、一方の凹部は中空
基部の中心から枝部の最先端に引いた線分が横切る湾状
部(図4のA部)を形成することが重要である。中空基
部の中心とは、中空基部の外縁2点を通る最小外接円の
中心をいう。湾状部を形成することによって、吸水性と
染色した場合の深色性を発揮できる。また、湾状部と他
方の凹部が存在することによって、より一層、染色した
場合の深色性を発揮できる。中空基部が複数存在する断
面では、吸水性とドライなタッチおよび染色した場合の
深色性を発揮できず、また、複雑な口金形状となるため
好ましくない。また、凹部が3以上である枝部が存在す
る断面では、繊維がフィブリル化しやすい他、複雑な口
金形状となるため好ましくない。すなわち、1ヶ所の中
空基部と枝部とで形成される凹部が2ヶ所存在し、一方
の凹部は中空基部の中心から枝部の最先端に引いた線分
が横切る湾状部を形成するδ型の断面とすることによっ
て、はじめて深色性、吸水性、カバリング性、軽量保温
性、およびドライなタッチのいずれをも発揮したものと
することができる。
【0014】また、本発明においては、枝部の繊維厚さ
(T)が実質的に一定であることが、重要である。本発
明でいう枝部とは、中空基部からのびる突出部の内、繊
維厚さが実質的に一定となる点から突出部の先端までの
範囲をいう。中空基部から枝部に至る領域は、繊維厚さ
が徐々に薄くなる中間領域であり、枝部からは除く。ま
た、最先端部の円弧(180°以内)部分は、急激に繊
維厚さが減少し、ゼロとなる部分であり、枝部の繊維厚
さの計算からは除く。枝部の繊維厚さ(T)が実質的に
一定とは、枝部の若干の厚さ変化は許容できるが、枝部
における繊維の最大厚さと最小厚さの差を最大厚さで除
した値が、0.2を越えないことを意味する。枝部の先
端部が厚すぎると、フィラメントの枝部同志が嵌合した
際に、引っ掛かり易く、カバリング性が低下するため好
ましくない。また、枝部の先端が細すぎる場合、フィブ
リル化し易くなるため、好ましくない。
【0015】また、本発明においては、湾状部の深さ
(Dp)と枝部の繊維の厚さ(T)との比(Dp/T)
を0.5以上とすることが好ましい。湾状部の深さ(D
p)とは、図3に示すように、中空基部の外縁と枝部の
先端部を結ぶ直線から湾状部の底まで引いた垂線の長さ
を意味する。(Dp/T)を0.5以上とすることによ
って、本発明の目的とする深色性、吸水性を好ましく得
ることができ、特に、パイル織物にした場合には、対毛
倒れ性も発揮できる。本発明の効果をより発揮するため
には、(Dp/T)を1.0以上とすることがより好ま
しい。なお、(Dp/T)の上限は特に設定しないが、
あまり大きくすると単繊維間の嵌合が大きくなり、フィ
ブリルが発生しやすい傾向にあるため、3.0程度にす
るのが好ましい。
【0016】また、本発明においては、湾状部の曲率半
径(R1)が中空基部の外接円半径(R2)よりも小さ
いことが好ましい。中空基部の外接円半径(R2)と
は、中空基部の外縁2点を通る最小外接円の半径をい
う。また、湾状部の曲率半径(R1)が複数存在すると
きは、その平均値で表す。かかる構成とすることによっ
て、一方のフィラメントの中空基部と他方のフィラメン
トの枝部とが嵌合し難くなり、より吸水性、カバリング
性を発揮できる。
【0017】また、本発明においては、繊維の外接円直
径(D1)と中空基部の外接円直径(D2)との比(D
1/D2)が1.3〜2.5であることが好ましく、
1.5〜2.0であることがさらに好ましい。繊維の外
接円直径(D1)とは、繊維断面の外縁2点を通る最小
外接円の直径をいう。また、中空基部の外接円直径(D
2)とは、中空基部の外縁2点を通る最小外接円の直径
をいう。(D1/D2)が1.3未満の場合、湾状部を
形成するためには、繊維の厚さを薄くしていく必要があ
り、フィブリルが発生し易くなる傾向にあり、(D1/
D2)が2.5を越えると枝部の長さが長くなり、フィ
ブリルが発生し易くなる傾向にある。すなわち、(D1
/D2)を1.3〜2.5にすることによって、フィブ
リルが発生し難いより好ましい繊維とすることができ、
かつ、本発明の目的とする深色性、吸水性をより好まし
く得ることができる。
【0018】なお、本発明の高異形断面繊維は、マルチ
フィラメントからなるフラットヤーンに限定されるもの
ではなく、短繊維にも好ましく適用できる。短繊維とし
てパイル織物やカットパイル織物にした場合、断面方向
からの深色性、抜染性が強調されるという効果を奏する
他、耐毛倒れ性も発揮できる。
【0019】なお、本発明の高異形断面繊維の中空部
は、丸に限定されるものではなく、三角形状や、四角形
状などの多角形でも良い。また、断面形状はδ型を反転
した形状であっても、勿論良い。また、本発明の高異形
断面繊維には、本発明の目的を損なわない範囲で、粒子
や難撚剤、非相容性の添加剤などが含まれていても良
い。
【0020】次に本発明の高異形断面繊維の好ましい製
造方法について説明する。
【0021】熱可塑性の重合体からなるチップを溶融紡
糸装置に供給し、図1や図2に例示するδ型吐出孔の紡
糸口金を用いて、溶融吐出し、冷却後、油剤を付与して
巻き取ることによって、未延伸繊維を得る。該未延伸糸
を定法の延伸熱処理装置を用いて、図3や図4に例示す
る本発明の高異形断面繊維を得ることができる。また、
本発明の高異形断面の短繊維は、前記紡糸装置の吐出糸
条を巻き取った後、もしくは巻き取ることなく引き揃え
てトウ状とし、一旦缶に収納する。このトウを通常の液
浴延伸装置を用いて延伸し、クリンパーにて捲縮を掛け
た後、カットして短繊維を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレートのチップを図1に示す形状
でスリット巾0.06mmの吐出孔を36孔有する紡糸
口金を用いて、紡糸温度290℃、紡糸速度1350m
/minの条件で溶融紡糸巻取を実施した。得られた未
延伸糸を延伸倍率3.2倍、延伸温度90℃、熱処理温
度120℃で延伸して図3に例示する断面形状で83dt
exのポリエチレンテレフタレート高異形断面繊維を得
た。該繊維の枝部における繊維の最大厚さと最小厚さの
差を最大厚さで除した値が0.05であり、繊維厚さ
(T)は実質的に一定で、4.1μmであった。また、
湾状部の深さ(Dp)は6.5μmであり、(Dp/
T)は、1.6であった。また、中空基部の外接円半径
(R2)よりも湾状部の曲率半径(R1)が小さい断面
で、繊維の外接円直径(D1)と中空基部の外接円直径
(D2)の比(D1/D2)は、2.0であった。該高
異形断面繊維を用いて、経緯使いの織物を得た。該織物
は、深色性、吸水性、カバリング性、軽量保温性に優
れ、ドライなタッチのある極めて良好な織物であった。 実施例2 ポリエチレンテレフタレートのチップを図2に示す形状
でスリット巾0.06mmの吐出孔を36孔有する紡糸
口金を用いて、紡糸温度290℃、紡糸速度1350m
/minの条件で溶融紡糸巻取を実施した。得られた未
延伸糸を延伸倍率3.4倍、延伸温度90℃、熱処理温
度120℃で延伸して、湾状部の曲率半径が中空基部の
外接円半径よりも小さい図4に例示する断面形状で83
dtexのポリエチレンテレフタレート高異形断面繊維を得
た。該繊維の枝部における繊維の最大厚さと最小厚さの
差を最大厚さで除した値が0.05であり、繊維厚さ
(T)は実質的に一定で、4.0μmであった。また、
湾状部の深さ(Dp)は7.3μmであり、(Dp/
T)は、1.8であった。また、中空基部の外接円半径
(R2)よりも湾状部の曲率半径(R1)が小さい断面
であった。また、繊維の外接円直径(D1)と中空基部
の外接円直径(D2)の比(D1/D2)は、1.6で
あった。該高異形断面繊維を用いて、経緯使いの織物を
得た。該織物は、深色性、吸水性、カバリング性、軽量
保温性に優れ、ドライなタッチとマイルドな光沢のある
極めて良好な織物であった。 実施例3 ナイロン6のチップを図2に示す形状でスリット巾0.
07mmである吐出孔を24孔有する紡糸口金を用い
て、紡糸温度260℃、紡糸速度800m/minの条
件で溶融紡糸巻取を実施した。得られた未延伸糸を延伸
倍率3.4倍で延伸して、枝部を構成する凹部の曲率半
径が中空部の外接円半径よりも小さい78dtexのポリア
ミド高異形断面繊維を得た。該繊維の枝部における繊維
の最大厚さと最小厚さの差を最大厚さで除した値が0.
07であり、繊維厚さ(T)は実質的に一定で、5.2
μm、(Dp)は7.5μm、(Dp/T)は、1.4で
あった。また、中空基部の外接円半径よりも湾状部の曲
率半径が小さく、(D1/D2)は、1.7であった。
該高異形断面繊維を用いて、経緯使いの織物を得た。該
織物は、深色性、吸水性、カバリング性、軽量保温性に
優れた織物であった。 実施例4 ポリエチレンテレフタレートのチップを図2に示す形状
でスリット巾0.06mmの吐出孔を36孔有する紡糸
口金を用いて、紡糸温度290℃、紡糸速度1350m
/minの条件で溶融紡糸巻取を実施した。得られた未
延伸糸を引き揃え、延伸繊度111000dtexとした
後、延伸倍率3.4倍、液浴温度95℃で延伸し、引き
続きクリンパーにて10山/25mmの捲縮を掛け、1
40℃のセッターで熱セットした後51mmにカットし
て、単糸繊度3dtexの高異形断面短繊維を得た。該短繊
維の枝部における繊維の最大厚さと最小厚さの差を最大
厚さで除した値が0.04であり、繊維厚さ(T)は実
質的に一定で、4.3μm、湾状部の深さ(Dp)は
5.4μmであり、(Dp/T)は、1.3であった。
また、中空基部の外接円半径よりも湾状部の曲率半径が
小さく、(D1/D2)は、1.6であった。該短繊維
を紡績した後、該紡績糸を用いて、カットパイル織物を
得た。該織物は、深色性、吸水性、カバリング性、軽量
保温性に加え、抜染性、耐毛倒れ性に優れた極めて良好
なカットパイル織物であった。 比較例1 ポリエチレンテレフタレートのチップを図5(a)に示
す形状でスリット巾が0.07mmである吐出孔を24
孔有する紡糸口金を用いて、紡糸温度290℃、紡糸速
度1350m/minの条件で溶融紡糸巻取を実施し
た。得られた未延伸糸を延伸倍率3.4倍、延伸温度9
0℃、熱処理温度120℃で延伸して図5(b)に近似
した中空部を2ヶ所有する眼鏡状断面のポリエチレンテ
レフタレート繊維を得た。該繊維を用いて経緯使いの織
物を得た。該織物を構成するフィラメントは、中空部を
2ヶ所有するため、軽量性が優れていたものの、本発明
の目的とする深色性、ドライなタッチを保持していない
織物であった。 比較例2 図6(a)に示す口金を用いた他は、比較例1と同様な
条件で図6(b)に近似した中空部から伸びる枝部がS
字型(凹部を3ヶ所有する)であるポリエチレンテレフ
タレート繊維を得た。該繊維は、枝部の長さが長いた
め、十分なカバリング性を有するものの、フィブリル化
しやすく、該繊維からなる経緯使いの織物は、品位の劣
る織物であった。 比較例3 図7(a)に示す口金を用いた他は、比較例1と同様な
条件で溶融紡糸を実施した。該口金は、枝部を構成する
先端部が大きいため、先端部の吐出線速度が速く、吐出
糸条が旋回し、安定した紡糸性が得られなかった。ま
た、得られた少量の繊維は、図7(b)に近似した断面
の繊維であった。該繊維は、先端部が太くなっているた
め、該繊維の枝部における繊維の最大厚さと最小厚さの
差を最大厚さで除した値が0.5であり、繊維厚さ
(T)が実質的に一定でなく、フィブリル化し易かった
他、枝部同志が嵌合し易くカバリング性が低かった。 実施例5〜9 ポリエチレンテレフタレートのチップを図1に示す形状
でスリット巾、スリット長さ、枝部を構成する凹部の曲
率、および中空部を構成するスリットのRを変更した吐
出孔を24孔有する紡糸口金を用いた他は、実施例4と
同様にして表1に示す高異形断面短繊維を得た。実施例
5は、(Dp/T)が小さく、湾状部の曲率半径が中空
基部の外接円半径よりも大きいため、深色性がやや低
く、フィブリルがやや発生しやすい傾向にあった。ま
た、実施例9は、(D1/D2)が小さく、カバリング
性がやや低い傾向にあった。実施例7および実施例8
は、本発明の目的とする効果をより好ましく発揮でき
た。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によって得られる高異形断面繊維
は、深色性、吸水性、カバリング性、軽量保温性、ドラ
イなタッチに優れた織編物が得られる。特にパイル織物
にしたときに、上記効果に加えて抜染性、耐毛倒れ性を
も顕著に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高異形断面繊維を得るための紡糸口金
吐出孔の例示図である。
【図2】本発明の高異形断面繊維を得るための他の紡糸
口金吐出孔の例示図である。
【図3】T、Dp、D1、D2を説明する本発明の高異
形断面繊維の例示図である。
【図4】湾状部(A)、R1、R2を説明する本発明の
高異形断面繊維の例示図である。
【図5】比較例で用いた紡糸口金吐出孔、繊維断面の例
示図である。
【図6】比較例で用いた紡糸口金吐出孔、繊維断面の例
示図である。
【図7】比較例で用いた紡糸口金吐出孔、繊維断面の例
示図である。
【符号の説明】
A :湾状部 T :枝部の繊維厚さ Dp:湾状部の深さ R1:中空基部の外接円半径 R2:湾状部の曲率半径 D1:繊維の外接円直径 D2:中空基部の外接円直径

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性重合体からなり、1カ所の中空部
    を有する中空基部と中空基部からのびる枝部からなる略
    δ型断面繊維であって、中空基部と枝部とで形成される
    凹部が2ヶ所存在し、一方の凹部は中空基部の中心から
    枝部の最先端に引いた線分が横切る湾状部を形成すると
    ともに、枝部の繊維厚さ(T)が実質的に一定であるこ
    とを特徴とする高異形断面繊維。
  2. 【請求項2】熱可塑性重合体がポリエチレンテレフタレ
    ートであることを特徴とする請求項1記載の高異形断面
    繊維。
  3. 【請求項3】湾状部の深さ(Dp)と枝部の厚さ(T)
    との比(Dp/T)が0.5以上であることを特徴とす
    る請求項1もしくは2記載の高異形断面繊維。
  4. 【請求項4】湾状部の曲率半径(R1)が中空基部の外
    接円半径(R2)よりも小さいことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項記載の高異形断面繊維。
  5. 【請求項5】繊維の外接円直径(D1)と中空基部の外
    接円直径(D2)との比(D1/D2)が1.3〜2.
    5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    記載の高異形断面繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003129409A (ja) * 2001-10-26 2003-05-08 Otsuka Chem Co Ltd 人工芝構造体
CN114540966A (zh) * 2022-03-01 2022-05-27 江苏恒科新材料有限公司 一种高中空度仿羊毛卷曲长丝的制备方法
CN115012049A (zh) * 2022-05-19 2022-09-06 张家港江苏科技大学产业技术研究院 一种中空纤维及其加工设备和加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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