JP2000192284A - シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 - Google Patents
シリンダブロックの表面処理用マスキング装置Info
- Publication number
- JP2000192284A JP2000192284A JP10366602A JP36660298A JP2000192284A JP 2000192284 A JP2000192284 A JP 2000192284A JP 10366602 A JP10366602 A JP 10366602A JP 36660298 A JP36660298 A JP 36660298A JP 2000192284 A JP2000192284 A JP 2000192284A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder block
- crankcase
- surface treatment
- cylinder
- masking device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
キ焦げ等の不良を発生させず、ジャーナル部を有するシ
リンダブロックにも採用することができるシリンダブロ
ックの表面処理用マスキング装置を提供する。 【解決手段】 シリンダボア面2に表面処理を施す際
に、シール部材をシリンダブロック1に当接することに
よって処理液28をシールするシリンダブロックの表面
処理用マスキング装置において、上記シール部材123
を、その表面に上記ジャーナル部6の形状に合致する断
面略半円状の突起部128を一体成形した板状部材と
し、該突起部128が上記ジャーナル部6に当接するよ
うに、シール部材123をクランクケース部4の下面4
aに押し当てることによって、クランクケース部4の下
面全体をマスキングする。
Description
を構成するシリンダブロックにおいて、ピストンが摺動
するシリンダボア内壁にメッキや前処理等の表面処理に
用いるマスキング装置に関する。
13と図14に示すようなディープスカートタイプのベ
アリングキャップ式シリンダブロック420が主流であ
る。このシリンダブロック420の下部には、クランク
ケース部421が一体成形されており、該クランクケー
ス部421の下面は複雑な形状を有する開口部422と
なっている。この開口部422には、通常、ベアリング
キャップ423aと呼ばれる部材を組み込んでいる。一
方、エンジンの軽量化を目的として、シリンダブロック
を鋳鉄からアルミ合金へと材質を変更することが行われ
ており、このアルミニウム製シリンダブロックの場合に
は、ベアリングキャップの倒れによるシリンダブロック
本体の騒音や振動が大きく、ベアリングキャップの支持
剛性を上げる必要がある。そのため、最近のアルミニウ
ム製シリンダブロックには、図15に示すようなハーフ
スカートタイプ424で図5に示すようなラダービーム
130を組み込んだ構造が採用されるようになってい
る。該シリンダブロック424に形成されたシリンダボ
アは、ピストンの摺動面となるため、耐摩耗性を向上さ
せることを目的として、シリンダボア面に鋳鉄ライナー
を配設したり、さらに高性能化を図るため、ニッケル等
のメッキを施している。このメッキを施す方法として、
処理液を収容したタンク内へ被処理物であるワークを浸
漬させてメッキする電気メッキ等が一般に用いられてい
る。しかし、これらの方法ではメッキを施すべきシリン
ダボア内面以外の部位にもメッキ皮膜が形成されてしま
うため、処理薬品の減少が著しく、また、複雑な形状の
ワークを処理すると、処理液の持ち出しや次工程への持
ち込みが多くなるため、コストが多大となり、液管理も
煩雑となる。
リンダボア内面にのみ処理液を導入させて処理効率を高
める方法が採用されている。この場合、シリンダブロッ
クの開口部両端、つまりシリンダヘッド側の開口部と、
クランクケース部側の開口部とを処理液が漏れないよう
にシールする必要があった。ここで、上述したディープ
スカートタイプのシリンダブロック420においては、
クランクケース部421側の開口部422は複雑な形状
なため、シールするのが困難であったが、上記ハーフス
カートタイプのシリンダブロック424は、上記シリン
ダヘッド側開口部422が平滑な加工面であるので、ガ
スケット等の柔軟なゴム板等を押圧すればシールするこ
とが可能である。上記シリンダボア面のうち、クランク
ケース部側端部のシール方法としては、例えば特開平7
−118891号公報に記載された図16に示すよう
に、弾性シール部材400に外方へ膨出する力を与えて
シリンダボア内壁401に圧接させてシールする方法、
又は特開平8−53798号公報に記載されているよう
に、予め型取りしたシール部材や膨張変形可能なシール
部材をシリンダ端部へ押圧してシールする方法がある。
来のシリンダブロックの表面処理方法、マスキング方法
及びこれらに用いる装置では、以下のような問題があっ
た。 1)図16及び図17に示すように、シリンダボア内壁
401又はシリンダボア端部402でシールしてメッキ
を行うと、シール部位にはメッキ層403が形成されな
いために、シリンダボア面401に形成されたメッキ層
403に段差404が発生する。近年ではエンジンを小
型化するとともに、このコンパクトなエンジンで大きな
排気量を得るために、ピストンが摺動下死点に達したと
きに、ピストンの側面下部に位置するスカート部がメッ
キ層403の段差部404よりも下方まで下がるように
してシリンダブロック高さを最小限に抑えるようなエン
ジンの設計を行っている。しかし、この場合、ピストン
スカート部がメッキ層403の段差404に引っかかり
メッキ剥離を発生させてしまう問題があった。また、シ
リンダボア端部402のアルミ素材が露出している部位
は摺動性に劣るため、焼付きや摩耗などの不具合を生じ
易く、ピストンによりたたかれて変形することがあっ
た。
酸ニッケル浴を用いてメッキを行う場合、メッキ析出反
応と並行して電気分解により水素や酸素などのガスが発
生し、特にメッキ液のpHが低い場合は水素ガスの発生
が増加する。また、メッキ前処理工程において、混酸エ
ッチングや硫酸浴による陽極酸化処理及び電解エッチン
グを行う場合も大量のガスが発生する。しかし、図18
に示すように、シリンダボア内壁401又はシリンダボ
ア端部402でシールする構造では、これらの発生した
ガス405がシリンダボア401内のシール部近傍に滞
留するため、通電不良、メッキの析出が妨げられること
によるメッキ膜厚減少及びメッキ焦げなどの不具合が発
生するおそれがあった。
液を流動させるフロー方式のメッキ及びメッキ前処理に
おいて、シリンダボア内壁401又はシリンダボア端部
402でシールする場合、図18に示すように、シール
部付近の液流406が乱れ、流速の低下、停滞、異常流
速又はメッキ液の流れ方向がシール位置において急激に
逆転することがあった。炭化珪素等の微粒子を共析させ
る分散メッキにおいて、メッキ液の流速が不均一になる
と、流速の遅い場合はメッキ焦げ、過度の微粒子共析現
象であるメッキベタ不良となり、流速の速い場合は微粒
子共析量の低下やメッキのてかりといった不具合が発生
するおそれがあった。これらの不具合は、微粒子を共析
させない場合にも同様に発生することがある。
されたシリンダブロックでは、クランクケース側から見
ると、クランクシャフトを支持するジャーナル部がシリ
ンダボアを横切るように、つまりシリンダボアを塞ぐよ
うに設けられている。そのため、クランクケース側から
シール部材を挿入する場合、ジャーナル部を通過させる
ためには、一度シール部材を収縮させて変形させ、ジャ
ーナル部を通過した後、拡張させて復元させる必要があ
った。したがって、シール部材は、寸法的にかなり大き
な収縮や拡張等の変形に耐える耐久性や耐摩耗性が要求
され、メッキ液や前処理液等に対する耐薬品性も良好で
ある必要があり、シール部材として適当な材料を選定す
ることが難しくなっている。
ンクケースの上部に二つのシリンダが二股に分かれて配
置され、側面から見てV字状に形成されている。この二
つのシリンダが長手方向に交互に重ならないように配設
されている場合は、特開平8−74095号公報に示す
ようなシール装置が使用できるが、一般にはエンジンを
小型化するために、二つのシリンダは重なるように配置
されている。このようなV型エンジンにメッキを施す場
合、クランクケース側からシール部材を挿入する場合
は、2個のシール装置が干渉してしまうので、シール装
置を小型化したり、オフセットさせるなどの構造的制約
が多くなり、シリンダブロックの形状によってはマスキ
ング装置をシリンダボア内に挿入できなかった。そのた
め、特開平8−144082号公報に記載されたよう
に、V型の片バンクずつ、2回に分けてメッキしなくて
はならず、処理工程が2倍必要でコストが高かった。
は、一般に、シリンダボア内へ陽極を挿入した状態で電
圧を印加してメッキを行う。図17に示すように、シリ
ンダボア内壁401及びシリンダボア端部402でシー
ルする場合、電極407の陽極長さはシリンダボア長さ
よりも短くなってしまい、極間距離の長くなるシール位
置408においてはメッキ皮膜403の膜厚が薄くなる
おそれがあった。そこで、シール位置408に所望のメ
ッキ膜厚を施そうとするとメッキ時間を延長しなければ
ならず、この場合、シリンダボア401の一般面の膜厚
が大きくなりすぎ、ホーニング加工における研削量が多
くなって、コスト的に不利となった。また、電解エッチ
ングなどのメッキ前処理においても、電極との距離が遠
いシール位置408はエッチングされにくくなり、密着
不良の原因となった。シール位置408に所望のエッチ
ングを施そうとすると、シリンダボア円筒部のエッチン
グ量が過大となってしまい、シリンダボア401の半径
が所定寸法よりも拡大してしまうなどの寸法精度の低下
や、エッチングによる多量のスマット発生により密着性
を悪化させるおそれがあった。
ア内面にメッキ皮膜の段差やメッキ焦げ等の不良を発生
させず、ジャーナル部を有するシリンダブロックにも採
用することができるシリンダブロックの表面処理用マス
キング装置を提供することを目的とする。
成するため、シリンダブロック本体部の下部にクランク
ケース部を一体成形し、該クランクケース部の下面を略
平面状の一般面に形成するとともに、この一般面の一部
を略半円状のジャーナル部に形成したシリンダブロック
における本体部に、上記クランクケース部の内部空間に
連通して形成されたシリンダボア面に表面処理を施す際
に、シール部材をシリンダブロックに当接することによ
って処理液をシールするシリンダブロックの表面処理用
マスキング装置において、上記シール部材を、その表面
に上記ジャーナル部の形状に合致する断面略半円状の突
起部を一体成形した板状部材に構成している。上記マス
キング装置によれば、上記突起部が上記ジャーナル部に
当接するように、シール部材をクランクケース部の下面
に押し当てることによって、クランクケース部の下面全
体をマスキングすることができる。このマスキングをす
る位置は、クランクケース部の端面でシールするため、
シリンダボア端部における処理液の流れが不均一になる
ことを防止することができる。なお、上記表面処理に
は、メッキ処理やメッキの前処理等が含まれる。
持部材に一体的に取り付けることができる。上記シール
部材をクランクケース部の下面に押し当てることによっ
て、クランクケース部の下面全体をマスキングすると同
時に、シリンダブロックを支持することができる。この
ため、表面処理ラインのラインタクトを短縮できる。本
発明の他の態様では、上記シール部材を弾性体から成る
ように構成することができる。弾性体としては、例えば
シリコンゴム等の種々の弾性体が含まれるため、クラン
クケース部のマスキングを確実に且つ容易にすることが
できる。本発明の他の態様では、ハーフスカートタイプ
のシリンダブロックに適用することができる。上記ハー
フスカートタイプのシリンダブロックは、そのクランク
ケース部の端面が平滑な加工面であるため、マスキング
を容易に確実にすることができる。本発明の他の態様で
は、多気筒エンジン用シリンダブロックにも適用するこ
とができる。従来は、例えばV型エンジンのような多気
筒エンジンの場合は、その気筒ごとにマスキングをする
必要があったが、本発明によれば、一度にマスキングを
することができ、複雑な設備が不要である。
ロックの表面処理用マスキング装置について、図面を用
いて詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕まず、第1の実施の形態を、表面
処理装置、マスキング装置、V型シリンダへの適用、被
処理物、及び表面処理ラインの概要の順に説明する。
図である。被処理物であるシリンダブロック1はヘッド
面3を下側にしてワーク支持台23に載置されている。
ヘッド面3とワーク支持台23との間にはシリコンゴム
板などのヘッド面シール材24を配設することにより、
ヘッド面3側がシールされるようになっている。ワーク
支持台23には位置決め用ノックピン25が配置されて
おり、シリンダブロック1をワーク支持台23の上へ載
置するときにはヘッド面3に設けられているシリンダヘ
ッド固定用ボルト穴等の加工穴26にノックピン25を
挿入することで、ワークチャッキング時の位置決めが高
精度に行えるようにしている。ワーク支持台23及びヘ
ッド面シール材24には、シリンダボア2に連通する開
口部23a,24aが設けられており、シリンダブロッ
ク1がワーク支持台23上に固定された状態でシリンダ
ボア27と上記開口部23a,24aとが連通するよう
になっている。これらの開口部23a,24aを介して
処理液28が流通するように構成されている。さらに、
ワーク支持台23の下方には、シリンダボア2内への処
理液流入が可能なように、電極31及び固定台32に形
成された処理液流入口33,34が形成されている。
た中空パイプ状の筒部35を有し、該筒部35は、シリ
ンダボア2と一定の間隔をもって位置するように固定さ
れている。電極31には、前処理及びメッキ処理に用い
られる電源40からのリード線41を固定するリード線
固定部42が設けられている。ワーク支持台23,電極
31及び固定台32はボルト43を介して固定されてお
り、ワーク支持台23と電極31との間、電極31と固
定台32との間には、液漏れ防止及び電気的絶縁のため
にシリコンゴムなどの絶縁性シール材44,45を挟着
している。なお、これらの固定に金属製ボルトを使用す
る場合には、必要に応じて絶縁カラーや絶縁ワッシャー
を使用することが好ましい。
ュ状多孔金属板内に金属ニッケルペレット等を充填した
可溶性電極(ニッケルメッキの場合)や、チタンパイプ
に白金メッキを施した不溶性電極が使用可能である。ま
た、電解エッチングなどの前処理にはステンレス材など
も用いることができる。メッキ工程では、上記電極31
を陽極となるように、電解エッチング工程では陰極とな
るように電源(整流器)40に接続する。また、シリン
ダボア2の内部に処理液28を流すため、処理液タンク
65から送液ポンプ66により、処理液流入口33,3
4及び筒部35内部を通るように構成されている。処理
液28は、一旦、シリンダブロック1のクランクケース
部4の上部(車両搭載状態における下部)に流入した
後、均一な流れとなってシリンダボア内周面2を流れ、
処理液導出通路67を通って処理液タンク65へ排出さ
れる。なお、本実施の形態は、特にメッキ処理を行う場
合の装置を示したものであり、整流器40によりシリン
ダブロック1を陰極、電極31を陽極としてメッキ液2
8を流しながら通電することにより、シリンダボア2の
内周面にメッキ処理が施される。
説明する。このマスキング装置22は、図示しないエア
シリンダー等に連結されており、上下方向に移動できる
ように支持され、上部にはロッド54が配設されてい
る。該ロッド54の下端には取付板126が取り付けら
れ、該取付板126に支持部材127がボルト125に
よって締結されている。該支持部材127にはゴム等の
弾性体からなるシール部材123が一体的に成形されて
いる。このシール部材123は、図2に示すように、平
面視略矩形状をしており、その幅方向の中央部には長さ
方向に沿って断面略半円状の突起部128が形成されて
いる。この突起部128は、後述するシリンダブロック
1のジャーナル部をシールするために設けられたもので
ある。
22をV型6気筒エンジンブロック60のシールに適用
した断面図を示す。これらの図から判るように、クラン
クケース部4の端面4aにシール部材123を当接する
という一方向からのシールで済み、各気筒ごとに2方向
からシールを施す必要がない。また、上記電極31を上
下に移動可能にし、シリンダブロック1をワーク支持台
23にセットしてから電極31をシリンダボア2の内部
に挿入し、こののち、クランクケース部4の端部4aを
シールするようにすれば、1回のチャッキングで一度に
全気筒をマスキングできる。これによって、簡単な設備
でV型シリンダブロック60の表面処理を迅速に非常に
効率良く行うことができる。
なラダービーム式シリンダブロックに適用できる。この
シリンダブロック1は、下部にクランクケース部(スカ
ート部)4が一体成形されたものであり、該クランクケ
ース部4の下面4aには、図示しないクランクシャフト
を支持するためのジャーナル部6が略半円状に形成され
ている。このシリンダブロック1の下部にはラダービー
ム130が配設され、これらのシリンダブロック1の下
面4aとラダービーム130の上面130aとで形成さ
れる断面略円形の間隙に上記クランクシャフトを回転可
能に支持している。なお、このクランクシャフトの下部
にはオイルパン131が配設されている。上記クランク
ケース部4の端面4aは、従来のベアリングキャップ式
のような複雑な形状ではなく、さらに全周に亘って機械
加工が施されるため、寸法のバラツキが少なく、容易に
シールすることができる。
面処理する処理ラインの概略図を示す。これらの図6と
図7に示すように、まず、シリンダブロック1は、トラ
ンスファ装置150により搬送治具151上に載置され
たのち、該搬送治具151によって処理装置152内に
搬送される(操作1)。次いで、搬送治具151をエジ
ェクタ153によって下降させ、ヘッド面3が下側に配
置されたシリンダブロック1をワーク支持台23の上に
セットして次工程に送られる(操作2)。陽極31は4
つのシリンダ内にセットされ、図1に示すように、シリ
ンダブロック1の上からシール部材123が配設された
支持部材127が下降し、該シール部材123をクラン
クケース部4の壁面56に押し当てることによって、ク
ランクケース部4の開口部4bをシールすると共に、シ
リンダブロック1を支持する(操作3)。
28をシリンダブロック1内部に流入させ、ワーク支持
台23の処理液導出通路67を介して処理液タンク65
へと循環させる。処理液28を流しながら処理を行った
のち、シール部材123と支持部材127を上昇させる
(操作4)。エジェクタ153によって搬送治具151
と共にシリンダブロック1を上昇させる(操作5)。搬
送治具151によってシリンダブロック1を処理装置1
52の外部へ搬送し、トランスファ装置150に戻す。
トランスファ装置150は、A工程で処理したシリンダ
ブロック1をB工程へ搬送する。処理装置152は、メ
ッキ処理ラインの場合、脱脂装置、前処理装置、メッキ
処理装置がトランスファ装置によって連結されている。
ここで、図6と図7に示すような表面処理ラインをシリ
ンダブロック1の機械加工ラインにインライン化する場
合、図8のようにシリンダブロック1とラダービーム1
30を一体化する前で且つクランクケース部4の端面4
aを加工した後に表面処理ラインを入れる。これによ
り、シリンダブロック1のクランクケース部4の端面4
aは機械加工されて表面が滑らかになるので、面精度が
良好であり、シールが容易に行える。シリンダブロック
1のシール面が処理液28により、腐食等の悪影響を受
ける場合は、表面処理をクランクケース部の端面4aを
仕上げ加工する工程の前にすれば良い。
スキング装置22による作用を以下に説明する。まず、
図1に示すように、シリンダブロック1を車両搭載状態
における上下の向きと反対向きにしたまま、表面処理装
置21にセットする。こののち、ロッド122を下降さ
せて支持部材127とシール部材123をクランクケー
ス部4の端面4aに当接させる。このシール部材123
は、上述したように中央に突起部128を有しているた
め、該突起部128によってクランクケース部6のジャ
ーナル部6がシールされる。次いで、前処理液又はメッ
キ液等の処理液28は、処理液タンク65から送液ポン
プ66によって圧送され、処理液流入口34、電極31
の筒部35内を通ってシリンダボア2内へ導入される。
そして、ワーク支持台23に設けられた処理液導出通路
67から、回収用配管68を介して処理液貯蔵タンク6
5へ戻るように構成されている。
液28は、クランクケース部4の上部内に一旦滞留し、
均一な流れとなってシリンダボア端部37を通過するた
め、シリンダボア2の内周面全体に均一なメッキを施す
ことができる。特に、セラミックス粒子等を分散させた
複合メッキの場合、粒子の共析は液の流速に大きく影響
されるため、流れが不均一な部分では、粒子の分散状態
も不均一となる。本発明では、従来、処理液の流れが不
均一となっていたシリンダボア端部37の流れを均一に
することができ、セラミックス粒子の共析もシリンダボ
ア内周面の全体で均一となる。また、クランクケース部
側の開口部4bの支持とシールを同時に行うことができ
るため、生産性が向上すると共に、複雑なシール部材を
必要としないため、設備が簡単な構造となる。
た第1の実施の形態と同一部位については、その説明を
省略する。図9と図10は第2の実施の形態に係る表面
処理装置221及びマスキング装置222を示す断面
図、図11はシール部材123を示す斜視図である。図
の下部には貫通孔を設けていない固定台232と絶縁性
シール材45が配設されており、該シール材45の上部
には上方に延びる筒部35を有する電極31が配設され
ている。この筒部31は内部が中空に形成されており、
その先端部36には内部に処理液28が流入しないよう
に、筒部用蓋35aが配設されている。また、処理液2
8をシリンダボア2の内周面へ導出するように、ワーク
支持台23に処理液導入路34を設けている。そして、
シリンダブロック1のクランクケース部4の端面4a
は、クランクケース部開口部4bとシール部材123の
開口部129と支持部材227の開口部227aを連通
させる形で、シール部材123と支持部材227で塞が
れている。該支持部材227の内部は、中空部に形成さ
れ、処理液導出路67に連通している。支持部材227
の上面は、ボルト125によって取付板126に固定さ
れており、該取付板126はロッド122に連結してい
る。
説明する。処理液28は、処理液タンク65から送液ポ
ンプ66によって固定台232の処理液導入路34に導
入される。こののち、シリンダブロック1のシリンダボ
ア2の内部を通って上方に流通し、クランクケース部下
側開口部4bからシール部材123の開口部129を通
って支持部材227の内部に流入し、処理液導出路67
から配管68を介して処理液タンク65に戻される。
形態、及び第2の実施の形態と重複する部位について
は、その説明を省略する。図12は、シリンダブロック
1を車両搭載状態と上下同じ向きにセットして表面処理
を施している状態を示している。表面処理装置321及
びマスキング装置322の構造は、上記第1の実施の形
態とほぼ同一であり、図の下部にマスキング装置322
が配設され、該マスキング装置322の上部にシリンダ
ブロック1が載置されている。このシリンダブロック1
のクランクケース部4の端面4aがシール部材123に
よってシールされ、図の上部に配設された固定台332
は、ロッド122を有する取付板126に取り付けられ
ている。上記第3の実施の形態によれば、処理液タンク
65から送液ポンプ66によって上方に吸い上げられた
処理液28は、固定台332の処理液流入口334から
電極31の内部に導入され、該電極31の先端部36か
らシリンダボア2の内部に流入し、処理液導出路67か
ら配管68を介して処理液タンク65に戻される。
エンジン用シリンダブロックに適用でき、一度に全部の
気筒をマスキングすることができる。特に、ハーフスカ
ートタイプのシリンダブロックに適用した場合、クラン
クケースの端面が加工面であるため、マスキングが確実
且つ容易にすることができる。
キング装置を示す断面図である。
シリンダブロックに適用した状態を示す断面図である。
品を示す斜視図である。
図である。
図である。
ロック生産ライン全体の工程図である。
及びマスキング装置を示す断面図である。
を示す斜視図である。
置及びマスキング装置を示す断面図である。
る。
ハーフスカートタイプとの形状の相違を示す概略図であ
る。
場合のメッキ層を示す断面図である。
液の流れを示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダブロック本体部の下部にクラン
クケース部を一体成形し、該クランクケース部の下面を
略平面状の一般面に形成するとともに、この一般面の一
部を略半円状のジャーナル部に形成したシリンダブロッ
クにおける本体部に、上記クランクケース部の内部空間
に連通して形成されたシリンダボア面に表面処理を施す
際に、シール部材をシリンダブロックに当接することに
よって処理液をシールするシリンダブロックの表面処理
用マスキング装置において、 上記シール部材を、その表面に上記ジャーナル部の形状
に合致する断面略半円状の突起部を一体成形した板状部
材とし、該突起部が上記ジャーナル部に当接するよう
に、シール部材をクランクケース部の下面に押し当てる
ことによって、クランクケース部の下面全体をマスキン
グすることを特徴とするシリンダブロックの表面処理用
マスキング装置。 - 【請求項2】 上記シール部材を支持部材に一体的に取
り付け、該シール部材をクランクケース部の下面に押し
当てることによって、クランクケース部の下面全体をマ
スキングすると同時に、シリンダブロックを支持するよ
うに構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリン
ダブロックの表面処理用マスキング装置。 - 【請求項3】 上記シール部材が、弾性体から成ること
を特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダブロック
の表面処理用マスキング装置。 - 【請求項4】 上記シリンダブロックがハーフスカート
タイプであることを特徴とする請求項1から3のいずれ
かに記載のシリンダブロックの表面処理用マスキング装
置。 - 【請求項5】 上記シリンダブロックが多気筒エンジン
用シリンダブロックであることを特徴とする請求項1か
ら4のいずれかに記載のシリンダブロックの表面処理用
マスキング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36660298A JP3496813B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36660298A JP3496813B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192284A true JP2000192284A (ja) | 2000-07-11 |
JP3496813B2 JP3496813B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=18487191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36660298A Expired - Fee Related JP3496813B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3496813B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009043630A1 (de) | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Suzuki Motor Corp., Hamamatsu-Shi | Verfahren und Vorrichtung zum Galvanisier-Vorbehandeln eines Zylinderblocks |
CN104818507A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-08-05 | 中航飞机股份有限公司西安飞机分公司 | 一种防止内筒零件斜坡处电镀铬层爆皮的方法 |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP36660298A patent/JP3496813B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009043630A1 (de) | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Suzuki Motor Corp., Hamamatsu-Shi | Verfahren und Vorrichtung zum Galvanisier-Vorbehandeln eines Zylinderblocks |
DE102009043630B4 (de) * | 2008-09-30 | 2013-02-14 | Suzuki Motor Corp. | Vorrichtung und Verfahren zum Galvanisier-Vorbehandeln eines Motorblocks |
US8449753B2 (en) | 2008-09-30 | 2013-05-28 | Suzuki Motor Corporation | Plating pretreatment apparatus and method for cylinder block |
CN104818507A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-08-05 | 中航飞机股份有限公司西安飞机分公司 | 一种防止内筒零件斜坡处电镀铬层爆皮的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3496813B2 (ja) | 2004-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3296543B2 (ja) | めっき被覆アルミニウム合金、及びそのシリンダーブロック、めっき処理ライン、めっき方法 | |
KR100706069B1 (ko) | 부분 도금 장치 | |
EP0882817B1 (en) | Apparatus and method for electroplating rotogravure cylinder using ultrasonic energy | |
US5032244A (en) | Anodic treatment apparatus for aluminium alloy pistons | |
EP0989209A2 (en) | Electroplating apparatus | |
JP3496813B2 (ja) | シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 | |
JP3496814B2 (ja) | シリンダブロックの表面処理装置、及び表面処理用マスキング装置 | |
JP2000192286A (ja) | シリンダブロックの表面処理用マスキング装置 | |
JP2000192287A (ja) | シリンダブロックの表面処理方法、マスキング方法及びこれらに用いる装置 | |
US5666933A (en) | Sleeveless cylinder block without marginal plating coating | |
JP3915762B2 (ja) | 部分メッキ装置 | |
JP3835099B2 (ja) | メッキ処理装置 | |
JP3395948B2 (ja) | シリンダ内面のめっき処理方法とそのめっき前処理方法及びそのめっき処理装置とめっき前処理装置 | |
US8142628B2 (en) | Sealing jig and sealing method for cylinder block plating apparatus | |
CN101613873A (zh) | 用于电镀气缸体的电镀装置和方法 | |
JP2000026996A (ja) | アルミニウム部品及びその製造方法 | |
US5682676A (en) | Method for surface treatment of work having plural cylinders with different axial alignments | |
KR20080009907A (ko) | 차량용 피스톤 부분표면처리장치 | |
EP2388358A1 (en) | Method and apparatus for anodizing objects | |
JPS6046195B2 (ja) | 高速メツキ装置 | |
JP2001192891A (ja) | アルミニウム合金部品及びその製造方法 | |
JP4009970B2 (ja) | シリンダーブロック | |
JP2014214375A (ja) | シリンダブロック、シリンダブロックのめっき処理装置、およびシリンダブロックのめっき処理方法 | |
JPS61268848A (ja) | シリンダの製造方法 | |
RU2190045C2 (ru) | Устройство для микродугового оксидирования поджимной и подшипниковой обойм шестеренного насоса |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |