JP2000192032A - X線増感紙用蛍光体及びx線増感紙 - Google Patents

X線増感紙用蛍光体及びx線増感紙

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JP2000192032A
JP2000192032A JP10368803A JP36880398A JP2000192032A JP 2000192032 A JP2000192032 A JP 2000192032A JP 10368803 A JP10368803 A JP 10368803A JP 36880398 A JP36880398 A JP 36880398A JP 2000192032 A JP2000192032 A JP 2000192032A
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Japan
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phosphor
ray
intensifying screen
ray intensifying
alkaline earth
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JP10368803A
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Inventor
Hiroyuki Nagao
弘之 長尾
Mitsusachi Sumitomo
三幸 住友
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残光成分の少ないX線増感紙用蛍光体及びX
線増感紙を提供することを目的とする。 【構成】 2価ユーロピウム付活アルカリ土類金属フッ
化ハロゲン化物蛍光体において、その化学組成式が下記
の範囲にあることを特徴とするX線増感紙用蛍光体及び
それを用いたX線増感紙。 MFX・aM’X’:bEu,cLn 0<a≦0.01 0<b≦0.2 0<c≦0.1 ただし、組成式中のMはCa、Sr及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属であ
り、M’はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、Ln
はEr、Tmからなる群より選ばれる少なくとも1種の
希土類元素であり、XはCl、Br及びIからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素であり、X’
はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なく
とも1種のハロゲン元素である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線増感紙用蛍光体
及びX線増感紙に係り、特にX線を照射した際に十分な
輝度を有し、X線照射後の残光の少ない二価ユーロピウ
ム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体及びそ
れを用いたX線増感紙に関する。
【0002】
【従来の技術】X線増感紙用蛍光体は、X線増感紙とし
てX線写真フィルムと組み合わせて使用され、医療用放
射線撮影または工業用放射線撮影における撮影系の感度
を向上させる。一般にこのX線増感紙は、増感紙ベース
と、その上に塗布された有機バインダー及び蛍光体を含
む蛍光体層と、この蛍光体層上を覆う10μm程度の透
明な保護膜とを有する。X線写真フィルムは、その両側
に20〜30μm程度の厚さで形成された乳剤層とX線
増感紙の保護膜とが接するように2枚1組のX線増感紙
に挟まれて使用される。
【0003】係るX線増感紙に使用される蛍光体には、
発光効率が高いこと、残光成分が少ないこと及びX線フ
ィルムの分光感度に合った発光スペクトルを有すること
等の特性が要求される。
【0004】一般に、発光効率の高い蛍光体を塗布した
X線増感紙は、撮影系の感度が高いため、X線照射量が
少なくても撮影が可能であることから、医療用放射線撮
影において被検者のX線被爆線量が低減でき、工業用放
射線撮影においても検査効率が改善される。蛍光体の残
光成分が多いと、X線増感紙は繰り返し使用されるの
で、次の撮影に前回の撮影像が重複したり、ベース濃度
を増大して写真コントラストを低下させる。また、蛍光
体の発光スペクトルがX線フィルムの分光感度に合わな
いと、蛍光体の発光の一部は、フィルムにおいて、入射
側に塗布された乳剤に吸収されずに散乱及び通過する。
このように散乱及び通過した光により、反対側の乳剤層
に吸収される光いわゆるクロスオーバー光が生じ、X線
像の鮮鋭度を低下させる。
【0005】画質の優れた蛍光体として、従来のCaW
4蛍光体に代わり、Gd22S:Tb、BaFBr:
Eu、LaOBr:Tm、YTaO4:Tm等の蛍光体
が実用化されている。なかでもBaFBr:Eu蛍光体
はX線発光効率が高く、発光スペクトルは390nmに
ピーク波長があり、レギュラータイプX線フィルムの分
光感度によく合っているため、X線増感紙用蛍光体とし
てかなり研究され使用されている。しかし、この蛍光体
は、感度はCaWO4蛍光体の2倍以上であり、鮮鋭度
はクロスオーバー光が少ないため非常に良いが、残光特
性が劣るのが欠点である。X線残光の短いBaFBr:
Eu蛍光体が開発されるなら、X線増感紙用として理想
的な特性の蛍光体が実現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑みてなされたもので、X線発光効率が高く、X
線フィルムの分光感度に合った発光スペクトルを有し、
しかも残光成分が少ないX線増感紙用蛍光体を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、撮影系の感度
が高く、鮮鋭度が良い上に、残光成分が少ないX線増感
紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述の課題を
解決する目的で、2価ユーロピウム付活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物蛍光体について、残光成分を少なく
するための研究を種々行った結果、特定の共付活剤を導
入することで課題が解決できることを見い出し本発明を
完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の2価ユーロピウム付活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体は、その化学
組成式が下記の範囲にあることを特徴とする。 MFX・aM’X’:bEu,cLn 0<a≦0.01 0<b≦0.2 0<c≦0.1 ただし、組成式中のMはCa、Sr及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属であ
り、M’はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、Ln
はEr、Tm、Ho、Ybからなる群より選ばれる少な
くとも1種の希土類元素であり、XはCl、Br及びI
からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素
であり、X’はF、Cl、Br及びIからなる群より選
ばれる少なくとも1種のハロゲン元素である。
【0009】本発明の2価ユーロピウム付活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物蛍光体に導入する付活剤、共付
活剤及びアルカリ金属ハロゲン化物は、発光特性に大き
く影響する。例えば、上記組成式中のM、Xがそれぞれ
Ba、Brの場合、それぞれ次に示すような範囲に調整
する。
【0010】付活剤のEuの濃度bについては、蛍光体
1モルに対し0.2モル以下の範囲に調整する。なぜな
ら0.2モルよりも多くなると残光量は少ないが、濃度
消光のため、X線励起による発光輝度が低下するからで
ある。bのさらに好ましい範囲は0.001≦b≦0.
1の範囲である。
【0011】共付活剤Lnを導入することにより著しく
残光量は減少する。共付活剤LnとしてEr、Tm、H
o、Ybからなる群より選ばれた少くとも一種の希土類
元素が有効である。共付活剤Lnの濃度cについては、
0<c≦0.1の範囲で残光量は減少し、cの値が0.
1より大きいと残光量は増大する。cのさらに好ましい
範囲は0.00001≦c≦0.01の範囲である。
【0012】なお共付活剤として、上記希土類元素(E
r、Tm、Ho、Yb)に加えて、Ce、Pr、Nd、
Gd、Tb、Dyを導入しても、残光特性の効果を減ず
ることはなかった。
【0013】共付活剤Lnに加えて、さらにアルカリ金
属ハロゲン化物M’X’を導入することにより相乗効果
を発揮し、残光量の減少に非常に効果がある。アルカリ
金属ハロゲン化物M’X’として、M’はLi、Na、
K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも1
種のアルカリ金属、X’はF、Cl、Br及びIからな
る群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素が有効
である。アルカリ金属ハロゲン化物M’X’の濃度aに
ついては、 0<a≦0.01の範囲で残光量は減少
し、aの値が0.01より大きいと残光量は増大する。
aのさらに好ましい範囲は0.00001≦a≦0.0
01の範囲である。
【0014】本発明の2価ユーロピウム付活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物蛍光体は、X線発光効率が高
く、X線フィルムの分光感度に合った発光スペクトルを
有することに加えて、顕著に改良された残光特性を示
す。
【0015】また、本発明の蛍光体をX線増感紙に利用
することにより、撮影系の感度が高く、クロスオーバー
光が少ないため鮮鋭度が良い上に、残光成分が少ないこ
とから、繰り返し使用しても、次の撮影に前回の撮影像
が重複したり、ベース濃度を増大して写真コントラスト
を低下させるようなことが防止され、画質の優れたX線
画像を定常的に得ることができる。
【0016】本発明の2価ユーロピウム付活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物蛍光体は、下記に示す製造方法
によって製造される。先ず蛍光体原料として次のものを
用いる。 1)組成式がMF2で表されるアルカリ土類金属の弗化
物(ただしMはCa、Sr及びBaからなる群より選ば
れる少なくとも1種のアルカリ土類金属である) 2)組成式がMX2で表されるアルカリ土類金属のハロ
ゲン化物(ただしMはCa、 Sr及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属であ
り、XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少な
くとも1種のハロゲン 元素である) 3)組成式がM’X’で表されるアルカリ金属のハロゲ
ン化物(ただしM’はLi、Na、K、Rb及びCsか
らなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属で
ある) 4)組成式がEuX”3で表されるハロゲン化ユーロピ
ウム(ただしX”はF、C l、Br及びIからなる群
より選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素である)、
酸化ユーロピウム(Eu23)及び炭酸塩、硝酸塩、
シュウ酸塩、水酸化物等 の高温で容易に酸化物(Eu
23)になるようなユーロピウム化合物のうちの 少な
くとも1種の化合物。 5)組成式がLnX”3で表される希土類ハロゲン化物
(ただしLnはEr、Tm、 Ho、Ybからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種の希土類元素であり、X”
は上記同様とする)、希土類酸化物及び炭酸塩、硝酸
塩、シュウ酸塩、水酸化 物等の高温で容易に酸化物に
なるような希土類化合物のうちの少なくとも1種 の化
合物。
【0017】なお上記蛍光体原料のうちMF、MX、E
uX”3、LnX”3は所定のモル比で化学的に沈殿させ
たものを使用してもよい。
【0018】これらの蛍光体原料を所定のモル比になる
ように秤量し、さらに適当な融剤(ハロゲン化アンモニ
ウム等)を加えて混合し、得られた原料混合物を耐熱性
容器に充填して焼成する。焼成温度は600〜1000
℃の範囲が好ましく、より好ましくは700〜950℃
の範囲である。なぜならば、600℃より低い焼成温度
では結晶化や粒子成長が不十分であり、1000℃より
高い温度では焼結が進み、いずれの場合も目標とする粒
径及び粒子形状の蛍光体を製造することが困難になるか
らである。焼成時間は、焼成量、耐熱性容器への充填
量、焼成温度等によって異なるので一概には言えない
が、一般的には1〜12時間が適当である。また、焼成
雰囲気は、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気の弱
還元性雰囲気が適当であり、このような弱還元性雰囲気
で焼成することによって、三価のユーロピウムは二価に
還元される。
【0019】上記焼成条件で焼成して得られる焼成物を
メタノール等の有機溶媒中でほぐし、固液分離、乾燥、
篩して本発明のX線増感紙用二価ユーロピウム付活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体が得られる。
【0020】本発明の特長を、図1〜図4を参照して詳
述する。図1の曲線A、B、C、Dはそれぞれ、比較用
として示した従来のBaFBr:0.01Eu(曲線
A)、BaFBr・0.00008NaBr:0.01
Eu(曲線B)、BaFBr:0.01Eu,0.00
01Er(曲線C)なる蛍光体と、本発明のBaFBr
・0.00008NaBr:0.01Eu,0.000
1Er(曲線D)なる蛍光体の残光特性を示す。図1
は、縦軸に相対残光量([一定時間経過後の発光量/
X線刺激時の発光量]の比)、横軸に残光
の減衰時間(X線の照射を停止してからの経過時間)を
示しており、両軸とも対数目盛をとっている。図1によ
れば、曲線Dで示される本発明の蛍光体は、共付活剤E
rに加えて、さらにNaBrを導入することにより相乗
効果を発揮し、曲線A、B、Cで示される従来の蛍光体
に比し、著しく残光特性が優れていることがわかる。
【0021】図2は本発明のBaFBr・aNaBr:
0.01Eu,0.0001Erなる蛍光体のNaBr
濃度aの値とX線照射後1000秒経過後の残光量の関
係を示したものである。ここで横軸のa値は対数目盛を
とっている。この図からNaBrの最適濃度範囲として
a値が0.00001≦a≦0.001の範囲で残光量
は著しく減少することがわかる。
【0022】図3は本発明のBaFBr・0.0000
8NaBr:bEu,0.0001Erなる蛍光体のE
u濃度bの値とX線照射後1000秒経過後の残光量の
関係を示したものである。ここで横軸のb値は対数目盛
をとっている。この図からEuの最適濃度範囲としてb
値が0.001≦b≦0.1の範囲で残光量は著しく減
少することがわかる。
【0023】図4は本発明のBaFBr・0.0000
8NaBr:0.01Eu,cErなる蛍光体のEr濃
度cの値とX線照射後1000秒経過後の残光量の関係
を示したものである。ここで横軸のc値は対数目盛をと
っている。この図からErの最適濃度範囲としてc値が
0.00001≦c≦0.01の範囲で残光量は著しく
減少することがわかる。
【0024】図1〜図4において、蛍光体の残光量の測
定は、蛍光体を測定セルに充填し、これに管電圧50k
VのX線を120秒間照射し、照射終了後の残光量を測
定したものである。なお図2〜図4の残光量は従来のB
aFBr・0.00008NaBr:0.01Euなる
蛍光体のX線照射後1000秒経過後の残光量を基準値
(100%)とする相対値で示している。
【0025】
【実施例】[実施例1]蛍光体原料として、BaF2
736g(4.20mol)、BaBr2を1248g
(4.20mol)、NaBrを0.07g(0.00
07mol)、EuF3を17.6g(0.084mo
l)、ErF3を0.19g(0.00084mo
l)、さらに融剤としてNH4Brを4g添加し、ボー
ルミルにより十分に混合した後、石英ルツボに充填し、
一酸化炭素を含む二酸化炭素雰囲気中にて840℃の温
度で4時間焼成する。この焼成物をメタノール中でほぐ
し、固液分離、乾燥、篩して二価ユーロピウム付活弗化
臭化バリウム蛍光体(BaFBr・0.00008Na
Br:0.01Eu,0.0001Er)を得る。
【0026】[実施例2〜15] 実施例2・・・・ErF3 0.94g 実施例3・・・・ErF3 0.09g 実施例4・・・・TmF3 0.95g 実施例5・・・・TmF3 0.19g 実施例6・・・・TmF3 0.09g 実施例7・・・・HoF3 0.93g 実施例8・・・・HoF3 0.19g 実施例9・・・・HoF3 0.09g 実施例10・・・YbF3 0.97g 実施例11・・・YbF3 0.19g 実施例12・・・YbF3 0.10g 実施例13・・・ErF3 0.09g、TmF3 0.0
9g 実施例14・・・ErF3 0.09g、HoF3 0.0
9g 実施例15・・・ErF3 0.09g、YbF3 0.1
0g 実施例2〜15は、実施例1で用いるErF3 0.19
gの代わりに、それぞれ上記原料を用いて実施例1と同
様に行い、次の組成式の蛍光体を得る。 実施例2・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0005Er 実施例3・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Er 実施例4・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0005Tm 実施例5・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0001Tm 実施例6・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Tm 実施例7・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0005Ho 実施例8・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0001Ho 実施例9・・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Ho 実施例10・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0005Yb 実施例11・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.0001Yb 実施例12・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Yb 実施例13・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Er,0.00005T
m 実施例14・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Er,0.00005H
o 実施例15・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu,0.00005Er,0.00005Y
【0027】[実施例16]蛍光体原料として、CaF
2を328g(4.20mol)、CaCl2を466g
(4.20mol)、KClを0.05g(0.000
7mol)、EuF 3を17.6g(0.084mo
l)、ErF3を0.19g(0.00084mo
l)、さらに融剤としてNH4Clを2.2g添加し、
ボールミルにより十分に混合する。以下実施例1と同様
に行い、次の組成式の蛍光体を得る。 実施例16・・CaFCl・0.00008KCl:
0.01Eu,0.0001Er
【0028】[実施例17]蛍光体原料として、 Sr
2を528g(4.20mol)、SrBr2を333
g(2.10mol)、SrI2を717g(2.10
mol)、CsBrを0.15g(0.0007mo
l)、EuF3を17.6g(0.084mol)、E
rF3を0.19g(0.00084mol)、さらに
融剤としてNH4Brを4g添加し、ボールミルにより
十分に混合する。以下実施例1と同様に行い、次の組成
式の蛍光体を得る。 実施例17・・SrFBr0.50.5・0.00008C
sBr:0.01Eu,0.0001Er
【0029】[比較例1]実施例1で用いるErF3
使用しない以外は実施例1と同様に行い、次の組成式の
蛍光体を得る。 比較例1・・BaFBr・0.00008NaBr:
0.01Eu
【0030】実施例1〜17及び比較例1で得られる蛍
光体のX線励起における発光輝度及び残光量を表1に示
す。表1の残光量は、蛍光体を測定セルに充填し、これ
に管電圧50kVのX線を120秒間照射し、照射終了
後1000秒経過後の残光量を示したものである。発光
輝度及び残光量は、比較例1で得られる蛍光体を基準値
(100%)とする相対値で表している。この表から、
実施例1〜15の本発明の蛍光体は、比較例1の従来の
蛍光体に比べ、発光輝度は同等以上で、残光量が非常に
少ないことがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】次に実施例1〜17及び比較例1で得られ
る蛍光体を用いて、X線増感紙を下記に示す方法で作製
する。すなわち、蛍光体92重量部と線状ポリエステル
樹脂8重量部とを混合し、これにメチルエチルケトンと
硝化度11.5%のニトロセルロースを加え、蛍光体分
散液を得る。この蛍光体分散液にフタル酸ジエチル、フ
タル酸及びメチルエチルケトンを加え、ホモジナイザー
を用いて十分に攪拌、混合する。このようにして結合剤
と蛍光体との混合比が1:10(重量比)、粘度30P
as(25℃)の蛍光体塗布液を調製する。支持体とし
て二酸化チタン練り込みポリエステルシート(支持体厚
み200μm)を用い、これをガラス板上に水平に置
き、この塗布液を支持体にドクターブレードを使用して
均一に塗布し、自然乾燥する。さらに乾燥機中で60
℃、8時間乾燥し、支持体上に180μmの蛍光体層を
形成する。この蛍光体層上にポリエチレン透明フィルム
をポリエステル系接着剤を用いて接着し、透明保護膜
(厚み10μm)を形成し、X線増感紙を得る。
【0033】上記X線増感紙のX線励起における写真感
度及び残光量を表2に示す。表2の残光量は次のように
測定する。先ず、X線増感紙をカセッテに装填し、管電
圧60kVのX線を照射する。次にそのカセッテにレギ
ュラータイプのX線写真フィルムを入れて1000秒放
置後、フィルムを現像し、写真濃度から残光量を求め
る。写真感度及び残光量は、比較例1の蛍光体を用いて
作製されるX線増感紙を基準値(100%)とする相対
値で表している。この表から、実施例1〜15の本発明
の蛍光体を用いて作製されるX線増感紙は、比較例1に
比べ写真感度は同等以上で、残光量が非常に少ないこと
がわかる。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体におい
て、共付活剤としてEr、Tm、Ho、Ybを導入する
ことにより、また共付活剤に加えてさらにアルカリ金属
ハロゲン化物を導入することにより相乗効果を発揮し、
従来の蛍光体に比べ著しく残光量の少ない蛍光体を達成
できる。本発明の蛍光体は、X線発光効率が高く、X線
フィルムの分光感度に合った発光スペクトルを有するこ
とに加えて、顕著に改良された残光特性を示すことか
ら、X線増感紙に利用することにより、撮影系の感度が
高く、クロスオーバー光が少ないため鮮鋭度が良い上
に、残光成分が少ないことから、繰り返し使用しても、
次の撮影に前回の撮影像が重複したり、ベース濃度を増
大して写真コントラストを低下させるようなことが防止
され、画質の優れたX線画像を定常的に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られる蛍光体と従来の蛍
光体の残光特性を比較したグラフ
【図2】BaFBr・aNaBr:0.01Eu,0.
0001Er蛍光体のNaBr濃度a値とX線照射後1
000秒経過後の残光量の関係を示す特性図。
【図3】BaFBr・0.00008NaBr:bE
u,0.0001Er蛍光体のEu濃度b値とX線照射
後1000秒経過後の残光量の関係を示す特性図。
【図4】BaFBr・0.00008NaBr:0.0
1Eu,cEr蛍光体のEr濃度c値とX線照射後10
00秒経過後の残光量の関係を示す特性図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価ユーロピウム付活アルカリ土類金属
    弗化ハロゲン化物蛍光体において、その化学組成式が下
    記の範囲にあることを特徴とするX線増感紙用蛍光体。 MFX・aM’X’:bEu,cLn 0<a≦0.01 0<b≦0.2 0<c≦0.1 ただし、組成式中のMはCa、Sr及びBaからなる群
    より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属であ
    り、M’はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、Ln
    はEr、Tm、Ho、Ybからなる群より選ばれる少な
    くとも1種の希土類元素であり、XはCl、Br及びI
    からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素
    であり、X’はF、Cl、Br及びIからなる群より選
    ばれる少なくとも1種のハロゲン元素である。
  2. 【請求項2】 前記化学組成式のa、b及びcが下記の
    範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第一項記載
    のX線増感紙用蛍光体。 0.00001≦a≦0.001 0.001≦b≦0.1 0.00001≦c≦0.01
  3. 【請求項3】 請求項1及び2に記載の蛍光体を用いる
    ことを特徴とするX線増感紙
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