JP2000190748A - 車両用駆動装置 - Google Patents

車両用駆動装置

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JP2000190748A
JP2000190748A JP10371314A JP37131498A JP2000190748A JP 2000190748 A JP2000190748 A JP 2000190748A JP 10371314 A JP10371314 A JP 10371314A JP 37131498 A JP37131498 A JP 37131498A JP 2000190748 A JP2000190748 A JP 2000190748A
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rotor
support shaft
engine
bearing
transmission
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JP10371314A
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Atsushi Tabata
淳 田端
Yutaka Taga
豊 多賀
Takatsugu Ibaraki
隆次 茨木
Masashi Nakamura
誠志 中村
Shuji Nagano
周二 永野
Masaya Amano
正弥 天野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2駆動力源に電気エネルギの供給すること
なく、第1駆動力源の出力トルクの変動を吸収もしくは
緩和することの可能な車両用駆動装置を提供する。 【解決手段】 エンジン1またはモータ・ジェネレータ
2の少なくとも一方から出力された動力を、ロックアッ
プクラッチ49を有するトルクコンバータ5を介して出
力する車両用駆動装置おいて、フライホイール3に対し
てモータ・ジェネレータ2のロータ32が連結され、ロ
ータ32とトルクコンバータ5のフロントカバー33
が、スプリング18を有するダンパ4により連結されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関と電動
機などの少なくとも二種類の駆動力源を備えた車両用駆
動装置に関し、特にこれらの駆動力源から出力された動
力をトルクコンバータなどの流体伝動装置を介して出力
するように構成された駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などの車両の駆動力源とし
て一般に使用されている内燃機関(エンジン)に加え
て、第2の駆動力源として電動機(モータ)を搭載した
車両が開発されている。この種の車両では、電動機の出
力する動力が、車両の走行のためには必ずしも充分では
ないが、電動機の出力の制御性がよいこと、電動機によ
ってエネルギの回生をおこなうことできること、電動機
は排ガスを生じないことなどの利点を生かして電動機を
使用するように構成している。
【0003】ところで、内燃機関は低車速域における燃
焼状態が不安定であるため、出力トルクの変動や回転変
動が生じやすく、車両の乗り心地が低下する一因になっ
ている。このような、低車速域における内燃機関の回転
脈動を吸収することの可能なトルク制御装置の一例が、
特開平8−168104号公報に記載されている。この
公報に記載された発明は、内燃機関の出力軸にモータ・
ジェネレータが設けられ、かつ、直結クラッチを有する
トルクコンバータを介して機関出力が変速機に連結され
ている。また、バッテリからモータ・ジェネレータに供
給される電力を制御するインバータが設けられている。
【0004】そして、低車速域においてエンジンの回転
脈動をキャンセルするように、モータ・ジェネレータの
供給トルクが制御される。具体的には、出力軸の回転速
度の時間変化に基づいてエンジンの脈動トルクが求めら
れ、この脈動トルクと正反対のトルクを発生するよう
に、インバータを制御している。その結果、低車速域に
おけるトルクコンバータのロックアップが可能になり、
燃費の向上と、ドライバビリティの悪化の防止とを実現
できるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された発明においては、エンジントルクの変動
を吸収するためにモータ・ジェネレータに電気エネルギ
を供給しなければならず、不経済であった。また、モー
タ・ジェネレータ自体、またはモータ・ジェネレータの
制御系統にフェールが生じた場合や、バッテリの充電量
が低下して電気エネルギを供給できなくなった場合は、
エンジントルクを変動を吸収もしくは緩和することがで
きなくなる問題もあった。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、第1駆動力源の出力トルクの変動を、よ
り効果的に吸収することの可能な車両用駆動装置を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、燃料の燃焼に
よって動力を生じる第1駆動力源からの動力、または電
気的エネルギによって動力を生じる第2駆動力源からの
動力の少なくとも一方を、ロックアップクラッチを有す
る流体伝動装置を介して出力する車両用駆動装置おい
て、前記第1駆動力源の出力部材と前記第2駆動力源の
ロータとが一体回転する状態に連結されているととも
に、前記ロータと前記流体伝動装置の入力部材とが、弾
性部材を有する制振機構により連結されていることを特
徴とするものである。
【0008】請求項1の発明によれば、第2駆動力源の
ロータが回転慣性質量体として機能し、その回転慣性モ
ーメント、および弾性部材の伸縮により、第1駆動力源
のトルク変動が吸収もしくは緩和される。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記ロータと同心状に配置され、かつ、前記ロータ
と出力部材とを連結する円筒部材と、前記入力部材に対
して同心状に取り付けられた支持軸とを有し、前記円筒
部材の内部に前記支持軸が配置され、前記円筒部材と前
記支持軸とを相対回転可能に接続する第1の軸受と、前
記円筒部材または前記支持軸のいずれか一方に取り付け
られたスナップリングと、前記支持軸の外周に取り付け
られ、かつ、前記第1の軸受および前記スナップリング
に当接するスリーブとにより、前記円筒部材と前記入力
部材とが軸線方向に位置決めされていることを特徴とす
るものである。
【0010】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の作用が生じるほか、スリーブと第1の軸受およびスナ
ップリングとが当接することにより、軸線方向における
入力部材と円筒部材との位置決めがおこなわれ、その組
付け位置精度が向上する。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記ロータに対して同心状に取り付けられた円筒部
材と、前記入力部材に対して同心状に取り付けられた支
持軸とを有し、前記円筒部材の内部に前記支持軸が配置
され、前記支持軸に取り付けられた第2の軸受と、前記
第1駆動力源の出力部材に取り付けられた第3の軸受と
により、前記円筒部材が半径方向に位置決めされている
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項3の発明によれば、請求項1と同様
の作用が生じるほか、円筒部材が軸線方向の2点で支持
されるため、円筒部材の半径方向における位置決め精度
が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
具体的に説明する。図2はこの発明による駆動装置が適
用されたハイブリッド車の基本的な構成を示すブロック
図であり、図3は図2のシステムの連結状態を示すすモ
デル図である。このハイブリッド車には、第1駆動力源
1が搭載され、第1駆動力源1の出力側に第2駆動力源
2が搭載されている。その第1駆動力源1は、燃料の燃
焼によって動力を出力する形式の装置であり、ガソリン
エンジンやディーゼルエンジンのほかに、液化石油ガス
や天然ガスなどのガス燃料を燃焼させるエンジンなどが
その例である。この発明は、その第1駆動力源1として
出力されるトルクが繰り返し変動(脈動)するエンジン
を使用した場合に、特に有効である。なお、以下の説明
では、第1駆動力源1をエンジン1と記す。
【0014】第2駆動力源2は、要は、エンジン1とは
異なる種類の駆動力源であり、原理的にはトルクの変動
(脈動)を生じさせることなく動力を出力することので
きる装置であり、電気的エネルギを回転運動などの運動
エネルギに変換して出力することのできる電動機がその
例である。特に、この発明は、発電機能(回生機能)の
ある電動機を使用した場合に、有効である。なお、以下
の説明では、第2駆動力源2をモータ・ジェネレータ2
と記す。さらに、エンジン1およびモータ・ジェネレー
タ2の出力側には、制振機構としてのダンパ4を介して
流体伝動装置5が連結され、流体伝動装置5の出力側に
は変速機6が配置されている。
【0015】前記モータ・ジェネレータ2は、エンジン
1の出力部材およびダンパ4に接続されている。すなわ
ちエンジン1の動力またはモータ・ジェネレータ2の動
力の少なくとも一方を、トルクコンバータ5を介して変
速機6に出力できるように構成されている。このモータ
・ジェネレータ2としては、例えば永久磁石型同期モー
タが使用されており、モータ・ジェネレータ2の出力部
材であるロータ(後述)の回転角度を検出するためのレ
ゾルバ7が、モータ・ジェネレータ2と並列に配列され
ている。
【0016】上記流体伝動装置5は、要は、流体を介し
て動力を伝達することのできる構成であればよく、トル
クの増幅作用のない装置、あるいはトルクの増幅作用の
ある装置(トルクコンバータ)のいずれであってもよ
い。また、流体を介して相互にトルクの伝達をおこなう
入力側の部材と出力側の部材とを選択的に直接連結する
ロックアップクラッチを備えている流体伝動装置が使用
されている。以下、流体伝動装置5として、ロックアッ
プクラッチ付きのトルクコンバータ(T/C)5を例に
示す。
【0017】一方、変速機6は、入力回転数と出力回転
数との比(変速比)を適宜に変更することのできる装置
であって、有段式の変速機や変速比を連続的に変化させ
ることのできる無段変速機などを採用することができ
る。また自動変速機と手動変速機とのいずれであっても
よい。以下の説明では、変速機6として自動変速機(A
T)6を使用した例を示す。
【0018】以下、エンジン1からトルクコンバータ5
に至る動力伝達経路の構成を図1に基づいて具体的に説
明する。前記トルクコンバータ5を収容しているコンバ
ータハウジング10のエンジン1側の端部に、アダプタ
11が取り付けられている。このアダプタ11は、コン
バータハウジング10の開口端とほぼ等しい外径の円筒
状の部材であって、コンバータハウジング10の端部と
エンジン1との間に挟み込んだ状態に固定されている。
このアダプタ11の内周面で軸線方向での中間部には、
中心部に向けて適宜に屈曲して延びた隔壁部12が一体
に形成されている。その隔壁部12には、クランクシャ
フト13およびトルクコンバータ5の回転時における中
心軸線A1と同心状に貫通孔が形成されている。
【0019】前記アダプタ11の内周側の空間部のうち
隔壁部12によって仕切られたエンジン1側の空間部
に、エンジン1の出力部材であるクランクシャフト13
の先端部が延びている。また、エンジン1のクランクシ
ャフト13にフライホイール3が連結されている。この
フライホイール3は、従来のガソリンエンジンやディー
ゼルエンジンに取り付けられているものと同様に、エン
ジン1のトルクの変動を抑制するためのものであり、回
転慣性モーメントの大きい円板状の部材である。このフ
ライホイール3は、ラージ部101と、このラージ部1
01よりも外径の小さいスモール部102とを有する。
そして、ラージ部101とクランクシャフト13とがボ
ルト14により固定され、ラージ部101とスモール部
102とがボルト19により固定されている。なお、ス
モール部102の内周には内歯118が形成されてい
る。
【0020】前記隔壁部12の内周端には、軸線方向に
延びた比較的短い円筒部20が形成され、この円筒部2
0の内周に軸受(ラジアル軸受)21が嵌合されてい
る。円筒部20の内周面にはスナップリング22が取り
付けられ、かつ、段部123が形成されている。このス
ナップリング22と段部123とにより、円筒部20と
軸受21とが軸線方向に位置決めされている。そして、
軸受21の内周側に円筒形状の入力軸23が嵌合され、
入力軸23の外周面にスナップリング103が取り付け
られ、かつ、段部124が形成されている。この段部1
24とスナップリング103とにより、軸受21と入力
軸23とが軸線方向に位置決めされている。
【0021】さらに、クランクシャフト13におけるト
ルクコンバータ5側の端部には凹部104が形成されて
おり、入力軸23の一端が凹部104内に配置されてい
る。そして、凹部104に嵌合された円筒形状のカラー
(滑り軸受)105Aにより、入力軸23が回転可能に
支持されている。さらにまた、入力軸23の外周面にお
ける軸受21とカラー105Aとの間には外歯119が
形成されており、入力軸23の外歯119と、スモール
部102の内歯118とがスプライン嵌合されている。
【0022】一方、前記トルクコンバータ5のフロント
カバー33におけるエンジン1側の外端面には、円筒形
状の支持軸105が固定されている。この支持軸105
はクランクシャフト3と同心状に配置されている。そし
て、この支持軸105の自由端が凹部104内に配置さ
れている。前記入力軸23の内周におけるトルクコンバ
ータ5側の端部には軸受(ラジアル軸受)106が嵌合
されており、入力軸23の内周にスナップリング107
が取り付けられている。また、入力軸23の内周には段
部125が形成されている。この段部125とスナップ
リング107とにより、軸受106と入力軸23とが軸
線方向に位置決めされている。さらに、支持軸105に
おけるクランクシャフト13側の外周端にはスナップリ
ング108が取り付けられているとともに、支持軸10
5の外周における軸受106とスナップリング108と
の間には、円筒形状のスリーブ109が取り付けられて
いる。このようにして、スリーブ109が軸受およびス
ナップリング108に当接するように構成されている。
【0023】前記モータ・ジェネレータ2は、コンバー
タハウジング10の内部空間と、アダプタ11の内部空
間との境界部分に配置されている。モータ・ジェネレー
タ2は環状のロータ32を有し、前記入力軸23の外周
における軸受21よりもトルクコンバータ5に近い位置
に、ロータ32の内周端が溶接固定されている。このロ
ータ32は、円板状の部材の外周部に永久磁石112を
取り付けたものである。なお、入力軸23が前記軸受2
1を介して隔壁部12によって軸線方向に位置決めされ
ていることにより、ロータ32も入力軸23と共に軸受
21を介して隔壁部12によって軸線方向での位置が決
められている。上記構成により、フロントカバー33と
ロータ32との軸線方向の隙間が所定の値に設定されて
いる。
【0024】上記ロータ32の外周側にはステータ34
が配置されている。このステータ34は、積層鉄心11
0とコイル111とからなるものであって、このステー
タ34はアダプタ11の内周面に固定されている。そし
て積層鉄心110がロータ32における永久磁石112
と半径方向で接近して対向しており、これに対してコイ
ル111が積層鉄心110に対して軸線方向に張り出し
ている。したがってモータ・ジェネレータ2は、コイル
111が軸線方向に突出し、これに対してロータ32の
永久磁石112の部分がコイル111よりも軸線方向で
内側に大きく入り込んでいる。
【0025】さらに前記レゾルバ7は隔壁部12とロー
タ32との間に配置されており、このレゾルバ7はロー
タ25とステータ29とを有する。ロータ32における
隔壁部12側の端面には、円筒部20よりも外周に位置
する円筒部113が形成され、円筒部113の外周にロ
ータ25が固定されている。また、ステータ29はロー
タ25の外周側に配置されており、このステータ29は
ボルト30により隔壁部12に対して固定されている。
このようにして、ステータ29が、軸線方向における位
置が前記ロータ25と一致され、ロータ25の外周面に
接近した位置に配置されている。なお、ボルト30がス
テータ29を貫通している部分は円周方向に沿う長孔と
なっており、図1に示すように、ボルト30は隔壁部1
2よりエンジン1側から挿入されて隔壁部12に螺合し
ている。したがって、ボルト30をゆるめた状態でステ
ータ29を円周方向に回動させることにより、ロータ2
5に対するステータ29の円周方向での相対位置を調整
できるように構成されている。
【0026】また、前記ダンパ4は、モータ・ジェネレ
ータ2のロータ32と、トルクコンバータ5のフロント
カバー32との間に配置されている。このダンパ4は、
入力軸23から入力される動力の変動を減衰させて、す
なわち振動もしくは脈動の振幅を小さく(平準化)して
トルクコンバータ5に出力する機構であり、必要に応じ
て各種の構成のものを使用することができる。一般的に
は、相対回転可能な入力側の部材と出力側の部材との間
に弾性部材を介在させ、その弾性部材の伸縮によって振
動を減衰させる構成のものを使用することができる。
【0027】ダンパ4は、半径方向で外側に延びた平板
部を有する駆動側部材15と、その駆動側部材15に対
向して配置された板状の従動側部材17と、駆動側部材
15および従動側部材17が取り付けられた円筒形状の
ハブ16と、駆動側部材15と従動側部材17との間に
保持され、駆動側部材15と従動側部材17とが相対回
転することによって、これらの部材15,17によって
圧縮されるダンパスプリング18とによって構成されて
いる。そしてその駆動側部材15における半径方向で内
側に延びた平板部がハブ16に対して相対回転不可能に
固定され、フロントカバー33の外端面に接合された環
状のピース材114と、従動側部材17の外周端とがス
プライン嵌合されている。
【0028】一方、フロントカバー33は、トルクコン
バータ5におけるポンプシェル35と一体化されてトル
クコンバータ5の外側を覆う部材であって、図1に示す
ような異形断面の円板状の部材である。このフロントカ
バー33の中心部分および半径方向での中間部分は、半
径方向に沿う比較的単純な平板形状である。これに対し
てフロントカバー33の外周側の部分は、前記コイル1
11の内周側を通り、かつ、コイル111の軸線方向の
側面に到るように屈曲されている。そして、フロントカ
バー33の外周端と、ポンプシェル35の外周端とが、
溶接などの固定手段により接合されている。
【0029】ポンプシェル35は、従来のトルクコンバ
ータのポンプシェルと同様に、回転中心から半径方向に
延びた部分が、いわゆる椀形断面に湾曲した形状を成し
ており、その椀形に湾曲した部分の内面に、ポンプブレ
ードが固定されてポンプインペラを構成している。そし
てこのポンプシェル35の内周端には、前記入力軸23
と中心軸線A1を一致させた円筒軸36が溶接固定され
ている。そしてこの円筒軸36が、油圧ポンプ37のボ
デー38におけるボス部39の内周側に挿入され、その
ボス部39の内周部に挿入したブッシュ40によって軸
線方向に移動し得る状態で回転可能に保持されている。
なお、このブッシュ40は滑り軸受であり、これに替え
て軸線方向への移動を許容できるころがり軸受を使用す
ることもできる。
【0030】前記ボデー38は、トランスミッションハ
ウジング121の内周面に固定されるとともに、その内
部にロータ37Aを回転自在に収容しており、前記ポン
プシェル35における円筒軸36の先端部がそのロータ
37Aに係合している。すなわち入力軸23に伝達され
た動力によって油圧ポンプ37を駆動するように構成さ
れている。なお、ボス部39の先端部と円筒軸36の外
周面との間にオイルシール41が配置されている。した
がって、前記軸受21,106をシール軸受とすること
により、モータ・ジェネレータ2が収容されている空間
部を液密状態に維持することが可能である。
【0031】上記の円筒軸36の内周側に、円筒状の固
定軸42が、同一軸線上に配置されている。この固定軸
42は、油圧ポンプ37のボデー38に一体化された支
持用の軸であって、その先端部がトルクコンバータ5の
内部にまで延びている。そしてこの固定軸42の先端部
外周に一方向クラッチ43のインナーレース115がス
プライン嵌合して取り付けられており、またその一方向
クラッチ43のアウターレース116にステータ35A
が取り付けられている。
【0032】さらに固定軸42の内周側には変速機入力
軸44が挿入され、固定軸42の内周面と変速機入力軸
44との間に配置した軸受45によって、変速機入力軸
44が回転自在に支持されている。この変速機入力軸4
4の先端部は、前記固定軸42の先端部方向に突出して
おり、その先端部にハブ46がスプライン嵌合されてい
る。なお、このハブ46と変速機入力軸44との間はオ
イルシール47によって液密状態に封止されている。さ
らにまた、ハブ46とフロントカバー33との間にはス
ラスト軸受117が配置されている。
【0033】ハブ46には、タービンランナ48とロッ
クアップクラッチ49とが連結されている。タービンラ
ンナ48は、椀形に湾曲したシェルの内面に複数のブレ
ードを固定した構造であって、前記ポンプシェル35と
ほぼ対称形状を成しており、前記ステータ35Aを挟ん
でポンプシェル35と対向して配置されている。
【0034】ロックアップクラッチ49は、多板構造の
クラッチであって、前記フロントカバー33の内面に対
向した位置に設けられている。すなわちフロントカバー
33の中間部で半径方向に沿う平板状の部分の正面に対
向してクラッチドラム50が配置されている。このクラ
ッチドラム50は、ほぼ有底円筒状を成す部材であっ
て、フロントカバー33の中間部の内面に対向する位置
に配置されるとともに、その内周側の端部で前記ハブ4
6にリベットによって固定・一体化されている。このク
ラッチドラム50の円筒状を成す外周部の内面に摩擦板
51がスプライン嵌合されている。
【0035】またこの摩擦板51を挟んでフロントカバ
ー33の内面と対向する位置に他の摩擦板52が配置さ
れている。また、フロントカバー33の内面にはリング
状のリテーナ53が取り付けられている。そして、摩擦
板52がリテーナ53の外周側に嵌合されている。さら
にこれらの摩擦板51,52を挟んでフロントカバー3
3の内面に対向する位置にピストン54が軸線方向に前
後動するように配置されている。このピストン54は、
環状の板状体であって、その内周部によって前記ハブ4
6に液密状態を維持して摺動自在に嵌合するとともに、
外周部がクラッチドラム50の円筒状部分の内周面に摺
接している。
【0036】上述したフロントカバー33およびポンプ
シェル35によって区画されている空間部、すなわちト
ルクコンバータ5の内部にはオイル(オートマチックト
ランスミッションフルード)が充填されており、入力軸
23と共にポンプシェル35が回転して生じるオイルの
螺旋流がタービンランナ48に供給されてタービンラン
ナ48が回転し、その結果、入力軸23から変速機入力
軸44に動力が伝達される。
【0037】また、ピストン54の背面側すなわち摩擦
板51,52とは反対側の油圧を、正面側すなわち摩擦
板51,52側の油圧より高くすることにより、ピスト
ン54が摩擦板51,52をフロントカバー33の内面
との間に挟み付け、その結果、フロントカバー33から
これらの摩擦板51,52を介してクラッチドラム50
ならびにハブ46および変速機入力軸44に動力が伝達
される。すなわちロックアップクラッチ49が係合する
ことにより、このロックアップクラッチ49を介して入
力軸23から変速機入力軸44に直接動力が伝達され
る。また、上記のトルクコンバータ5におけるステータ
35Aの作用およびこれを支持している一方向クラッチ
43の作用は、従来のトルクコンバータと同様であるの
で、その説明は省略する。
【0038】上述したようにトルクコンバータ5は、フ
ロントカバー33およびポンプシェル35ならびに入力
軸23の一部と円筒軸36の一部とによって構成された
中空容器の内部にオイルを充填した構造であり、そのオ
イルの圧力が高くなると、その全体が幾分軸線方向に膨
張する。その場合、図1に示す構成では、フロントカバ
ー33が、入力軸23、軸受21,106によって軸線
方向に対しては移動しないように支持され、これに対し
て円筒軸36がブッシュ40によって支持されているの
で、トルクコンバータ5の油圧の上昇による変形は、円
筒軸36の軸線方向の変位によって吸収される。その結
果、モータ・ジェネレータ2におけるロータ32とステ
ータ34との軸線方向での相対位置や、レゾルバ7にお
けるロータ25とステータ29との軸線方向での相対位
置にズレが生じることや、フロントカバー33とロータ
32との軸線方向の隙間が減少することなどが防止され
ている。
【0039】上記の駆動装置を構成している各要素の配
列順序は、図2および図3のとおりである。すなわちこ
こに示す例は、エンジン1を車両の前後方向に向けて配
置したFR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に
適する配置例であり、エンジン1の出力側にモータ・ジ
ェネレータ2が配置され、そのモータ・ジェネレータ2
の出力側にトルクコンバータ5を介して自動変速機6が
配置されている。この自動変速機6は、後述する歯車変
速機部55と油圧制御部56とを備えており、歯車変速
機部55から後方側に延びた出力軸57を介して動力を
出力するようになっている。
【0040】また、油圧制御部56は、前記ロックアッ
プクラッチ49の係合・解放の制御および変速制御なら
びに摩擦係合装置の係合圧の制御をおこなうためのもの
であって、複数の電磁バルブや切り換えバルブならびに
調圧バルブを備え、電磁バルブを電気的に制御すること
により、上記の各制御を実行するように構成されてい
る。なお、この油圧制御部56としては、従来知られて
いる自動変速機用の油圧制御装置を採用することができ
る。
【0041】さらに、トルクコンバータ5および油圧制
御部56に隣接して他の油圧制御部120が設けられて
いる。この油圧制御部120は、機能的には油圧制御部
56と同様の機能を備えており、電動機(図示せず)な
どにより駆動される電動オイルポンプ(図示せず)と、
この電動オイルポンプと前記オイルポンプ37との油路
を切り換えるバルブ(図示せず)とを有する。
【0042】前述したようにモータ・ジェネレータ2は
入力軸23に連結されており、したがってモータ・ジェ
ネレータ2を駆動することによりモータ走行をおこな
い、また反対に入力軸23からモータ・ジェネレータ2
に動力を伝達することにより、モータ・ジェネレータ2
で発電をおこなってエネルギの回生をおこなう。そのた
めに、モータ・ジェネレータ2には、図4に示すよう
に、インバータ57を介してバッテリ58が接続されて
いる。
【0043】そのインバータ57は、モータ・ジェネレ
ータ2の制御のために従来使用されているものと同様で
あって、モータ・ジェネレータ2に対する電流および周
波数を制御し、またモータ・ジェネレータ2で発電する
際の電流を制御するように構成されている。そして、そ
れらの制御をおこなうためにコントローラ59が設けら
れている。このコントローラ59は、一例としてマイク
ロコンピュータを主体とするものであって、エンジン1
の始動要求、発進あるいは加速要求、さらには制動要求
などに従ってインバータ57およびバッテリ58を制御
するように構成されている。
【0044】その制御の例を挙げると、エンジン1の始
動要求があると、バッテリ58からモータ・ジェネレー
タ2に電流を供給してモータ・ジェネレータ2を駆動
し、その動力によってクランクシャフト13を回転さ
せ、同時にエンジン1に燃料を供給してエンジン1を始
動する。また発進や加速などのために大きい駆動力が要
求された場合には、モータ・ジェネレータ2をバッテリ
58の電力で駆動し、エンジン1による動力に加えてモ
ータ・ジェネレータ2による動力をトルクコンバータ5
に入力する。
【0045】さらに制動操作に伴う制動要求があった場
合には、モータ・ジェネレータ2を入力軸23から伝達
される動力によって回転させて発電をおこなわせ、その
電流をバッテリ58に供給して充電する。したがって運
動エネルギを電気エネルギに変換するので、これが車両
の走行に対しては負荷となり、制動力を得ることができ
る。なお、バッテリ58がほぼ満杯まで充電されていた
り、あるいは温度が上限程度まで高くなっていれば、バ
ッテリ58に対する充電が制限されるので、充電回路を
開くなどの制御によって充電を中止する。
【0046】上記のエンジン1やモータ・ジェネレータ
2ならびに自動変速機6などの各装置は、車両の状態を
示す各種のデータに基づいて制御される。例えば図5に
示すように、マイクロコンピュータを主体とする総合制
御装置(ECU)60に各種の信号を入力し、その入力
された信号に基づく演算結果を制御信号として出力する
ようになっている。
【0047】この入力信号の例を挙げれば、ABS(ア
ンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安
定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エ
ンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイ
ッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:
充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッ
ガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速
信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サ
イドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン
・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開
度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車
両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッ
チからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、
レゾルバ信号などである。
【0048】また、出力信号の例を挙げると、点火信
号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、前記
コントローラ59への信号、減速装置への信号、ATソ
レノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイ
ドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、自動停止
制御実施インジケータへの信号、自動停止制御未実施イ
ンジケータへの信号、スポートモードインジケータへの
信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアッ
プコントロールバルブへの信号などである。
【0049】この発明に係る上記の駆動装置は、基本的
には、走行のための動力をエンジン1によって出力し、
またエンジン1によって減速し、モータ・ジェネレータ
2は走行のための駆動力あるいは制動力を補助するため
に使用される。したがって前記自動変速機6は後進段を
含む複数の変速段を設定することができるように構成さ
れている。その歯車変速機部55の一例を図6に示して
ある。
【0050】ここに示す構成では、前進5段・後進1段
の変速段を設定するように構成されている。すなわちこ
こに示す自動変速機6は、トルクコンバータ5に続けて
副変速部61と、主変速部62とを備えている。これら
の副変速部61および主変速部62はトランスミッショ
ンハウジング121の内部に配置されている。その副変
速部61は、いわゆるオーバードライブ部であって1組
のシングルピニオン型遊星歯車機構63によって構成さ
れ、キャリヤ64が前記変速機入力軸44に連結され、
またこのキャリヤ64とサンギヤ65との間に一方向ク
ラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されて
いる。
【0051】なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ
65がキャリヤ64に対して相対的に正回転(変速機入
力軸44の回転方向の回転)する場合に係合するように
なっている。またサンギヤ65の回転を選択的に止める
多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速
部61の出力要素であるリングギヤ66が、主変速部6
2の入力要素である中間軸67に接続されている。
【0052】したがって副変速部61は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中
間軸67が変速機入力軸44と同速度で回転し、低速段
となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の
回転を止めた状態では、リングギヤ66が変速機入力軸
44に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0053】他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構
70,80,90を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ
81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャ
リヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三
者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸57が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギ
ヤ83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結さ
れている。
【0054】この主変速部62の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3
遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車
機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0055】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,8
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とコン
バータハウジング10との間には、第1一方向クラッチ
F1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に
配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギ
ヤ71,81が逆回転(変速機入力軸44の回転方向と
は反対方向の回転)しようとする際に係合するようにな
っている。
【0056】多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第
1遊星歯車機構70のキャリヤ72とコンバータハウジ
ング10との間に設けられている。そして第3遊星歯車
機構90のリングギヤ93の回転を止めるブレーキとし
て多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向ク
ラッチF2 とがコンバータハウジング10との間に並列
に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2
はリングギヤ93が逆回転しようとする際に係合するよ
うになっている。
【0057】上述した各変速部61,62の回転部材の
うち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタ
ービン回転数センサ68と、出力軸57の回転数を検出
する出力軸回転数センサ69とが設けられている。
【0058】上記の自動変速機6では、各クラッチやブ
レーキを図7の作動図表に示すように係合・解放するこ
とにより前進5段・後進1段の変速段を設定することが
できる。なお、図7において○印は係合状態、空欄は解
放状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は
係合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示
す。
【0059】図7に示すP(パーキング)、R(リバー
ス:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1
st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示
しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することに
より設定される。そのシフトレバーによって設定される
各シフトポジションは、P(パーキング)ポジション、
R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジシ
ョン、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポ
ジション、2ポジション、L(ロー)ポジションであ
る。
【0060】ここで、Dポジションは車速やアクセル開
度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第
5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポ
ジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは
第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および
第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するため
のポジションである。なお、“3”ポジションないしL
ポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジ
ションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速
段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効か
せるように構成されている。
【0061】ここで、実施形態とこの発明との対応関係
を説明する。すなわち、エンジン1がこの発明の第1駆
動力源に相当し、モータ・ジェネレータ2がこの発明の
第2駆動力源に相当し、トルクコンバータ5がこの発明
の流体伝動装置に相当し、クランクシャフト13および
フライホイール3がこの発明の出力部材に相当し、フロ
ントカバー33がこの発明の入力部材に相当し、スプリ
ング18がこの発明の弾性部材に相当し、ダンパ4がこ
の発明の制振機構に相当し、入力軸23がこの発明の円
筒部材に相当し、軸受106がこの発明の第1の軸受ま
たは第2の軸受に相当し、カラー105Aがこの発明の
第3の軸受に相当する。
【0062】ここで、図1に示す駆動装置の組み付け手
順を説明する。まず、ロックアップクラッチ49および
支持軸105を有するトルクコンバータ5の全体を組み
立て、トルクコンバータサブアッセンブリ(組立体)が
形成される。一方、アダプタ11には、モータ・ジェネ
レータ2のステータ34と、レゾルバ7のステータ29
(仮止め状態)と、軸受21と、入力軸23および軸受
106と、モータ・ジェネレータ2のロータ32とを組
み付け、アダプタサブアッセンブリ(組立体)が形成さ
れる。
【0063】そして、トルクコンバータサブアッセンブ
リとアダプタサブアッセンブリとを軸線方向に相対移動
して近づけ、支持軸105を入力軸23の内部に挿入す
るとともに、ピース部材114と従動側部材17とをス
プライン嵌合させる。そして、支持軸105の段部12
2と軸受106の端面とが当接し、トルクコンバータサ
ブアッセンブリとアダプタサブアッセンブリとの軸線方
向の位置決めがおこなわれる。ついで、入力軸23と支
持軸105との間にスリーブ109が挿入されるととも
に、支持軸105に対してスナップリング108が取り
付けられ、入力軸23と支持軸105とが軸線方向に位
置決めされる。
【0064】また、コンバータハウジング10とトラン
スミッションハウジング121とが結合され、かつ、ト
ランスミッションハウジング121の内部に主変速部6
2および副変速部61が収納されているトランスミッシ
ョンサブアッセンブリと、アダプタ11とを軸線方向に
相対移動して近づけ、変速機入力軸44とハブ46とを
スプライン嵌合するとともに、コンバータハウジング1
0の端面とアダプタ11の端面とを当接させ、図示しな
いボルトによりコンバータハウジング10とアダプタ1
1とを固定する。
【0065】そして、レゾルバ7のステータ29を円周
方向に移動させてロータ25との位相を調整した後、ボ
ルト30を本締めし、ステータ29を固定する。さら
に、アダプタアッセンブリおよびトルクコンバータアッ
センブリならびにトランスミッションアッセンブリの組
立体と、エンジン1とを軸線方向に相対移動して近づ
け、入力軸23とスモール部102とをスプライン嵌合
させるとともに、アダプタ11とエンジン1とをボルト
(図示せず)により固定し、駆動装置の組立が完了す
る。
【0066】上述した駆動装置では、エンジン1を駆動
すると、そのクランクシャフト13と共にフライホイー
ル3が回転する。エンジン1は燃料の燃焼に伴うピスト
ンの直線運動を回転運動に変換して動力を出力するもの
であるから、その出力トルクが燃料の燃焼に応じて変動
する。これに対してフライホイール3の回転慣性モーメ
ントが大きいので、エンジン1の出力トルクの変動(脈
動)がこのフライホイール3によって平準化される。ま
た、フライホイール3のトルクは入力軸23に伝達され
るとともに、ダンパ4を介してトルクコンバータ5のフ
ロントカバー33に伝達される。
【0067】ここで、モータ・ジェネレータ2のロータ
32が回転慣性質量体として機能し、フライホイール3
と同様の慣性モーメントにより、入力軸23に伝達され
るトルクの変動が平準化される。また、入力軸23のト
ルクはダンパ4を介してトルクコンバータ5に伝達され
るため、スプリング18の伸縮により再度トルク変動が
吸収もしくは緩和される。つまり、機械的な構成により
エンジントルクの変動を吸収もしくは緩和することが可
能である。したがって、モータ・ジェネレータ2自体も
しくは電気系統のフェール時にも、ロックアップクラッ
チ49の係合車速を可及的に低車速化して燃費を向上
し、かつ、車両の乗り心地を向上することができる。
【0068】また、駆動装置の組立時においては、スリ
ーブ109および軸受106とスナップリング108と
が当接することにより、スナップリング108によりス
ラスト方向の反力を受け止めている。したがって、軸線
方向における支持軸105と入力軸23との位置決めが
おこなわれ、その組付け位置精度が向上し、トルクコン
バータ5が軸線方向に膨張した場合においても、フロン
トカバー33とロータ32と隙間が減少することなく所
定値に維持される。さらに、入力軸23が軸受106お
よびカラー105Aにより、軸線方向の2点で支持され
ているため、入力軸23の半径方向における位置決め精
度が向上し、動力伝達系の振動やガタが抑制される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、第2駆動力源のロータの回転慣性モーメントによ
り、円筒部材から制振機構に伝達されるトルクの変動が
平準化される。また、制振機構に伝達されたトルクは、
弾性部材の伸縮により再度トルク変動が吸収もしくは緩
和される。つまり、機械的な構成により第1駆動力源の
出力トルクの変動を吸収もしくは緩和することが可能で
ある。したがって、第1駆動力源自体もしくは第1駆動
力源の制御系統にフェールが発生した場合や、電気エネ
ルギの不足している場合においても、ロックアップクラ
ッチの係合車速を低車速化することができ、燃費の向上
と、車両の乗り心地の向上とを図ることができる。
【0070】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を得られる他、駆動装置の組立時においては、第
1の軸受および第2の軸受とスナップリングとが当接す
ることにより、スナップリングによりスラスト方向の反
力を受け止めている。したがって、軸線方向における流
体伝動装置と円筒部材との位置決めがおこなわれ、その
組付け位置精度が高められ、製品品質が向上するする。
【0071】請求項3の発明によれば、請求項1と同様
の効果を得られる他、円筒部材が第1の軸受および第2
の軸受により、軸線方向の2点で支持されているため、
円筒部材の半径方向における位置決め精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の駆動装置の一例を具体的に示す部
分断面図である。
【図2】 この発明の駆動装置の構成を原理的に示すブ
ロック図である。
【図3】 この発明の一例におけるエンジンから変速機
までの各要素の配列を示す模式図である。
【図4】 図2および図3に示されたモータ・ジェネレ
ータの制御系統を示すブロック図である。
【図5】 この発明の一例における総合制御装置におけ
る入出力信号を示す図である。
【図6】 この発明の一例における自動変速機のギヤト
レーンを示すスケルトン図である。
【図7】 その自動変速機の各変速段を設定するための
クラッチおよびブレーキの係合作動表を示す図表であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 3…フ
ライホイール、 4…ダンパ、 5…トルクコンバー
タ、 13…クランクシャフト、 18…スプリング、
21,106…軸受、 23…入力軸、 33…フロ
ントカバー、 105…支持軸、 105A,109…
カラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 (72)発明者 茨木 隆次 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 誠志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 永野 周二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 天野 正弥 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA02 AA03 AA04 AB27 AC03 AC21 AC36 AC78 AD02 AD11 3G093 AA05 AA07 AA14 AA16 AB00 AB01 BA33 5H115 PA01 PA12 PG04 PI16 PI22 PI29 PO17 PU01 PU10 PU23 QE01 QI03 QI04 QN02 RB08 RE02 RE03 SE05 SE08 TB01 TD20 TE02 TE08 TI01 TO02 TO21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料の燃焼によって動力を生じる第1駆
    動力源からの動力、または電気的エネルギによって動力
    を生じる第2駆動力源からの動力の少なくとも一方を、
    ロックアップクラッチを有する流体伝動装置を介して出
    力する車両用駆動装置おいて、 前記第1駆動力源の出力部材と前記第2駆動力源のロー
    タとが一体回転する状態に連結されているとともに、前
    記ロータと前記流体伝動装置の入力部材とが、弾性部材
    を有する制振機構により連結されていることを特徴とす
    る車両用駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記ロータと同心状に配置され、かつ、
    前記ロータと出力部材とを連結する円筒部材と、前記入
    力部材に対して同心状に取り付けられた支持軸とを有
    し、前記円筒部材の内部に前記支持軸が配置され、前記
    円筒部材と前記支持軸とを相対回転可能に接続する第1
    の軸受と、前記円筒部材または前記支持軸のいずれか一
    方に取り付けられたスナップリングと、前記支持軸の外
    周に取り付けられ、かつ、前記第1の軸受および前記ス
    ナップリングに当接するスリーブとにより、前記円筒部
    材と前記入力部材とが軸線方向に位置決めされているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記ロータに対して同心状に取り付けら
    れた円筒部材と、前記入力部材に対して同心状に取り付
    けられた支持軸とを有し、前記円筒部材の内部に前記支
    持軸が配置され、前記支持軸に取り付けられた第2の軸
    受と、前記第1駆動力源の出力部材に取り付けられた第
    3の軸受とにより、前記円筒部材が半径方向に位置決め
    されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆
    動装置。
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