JP2000190436A - 化粧シ―ト及び化粧板 - Google Patents

化粧シ―ト及び化粧板

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JP2000190436A JP37419098A JP37419098A JP2000190436A JP 2000190436 A JP2000190436 A JP 2000190436A JP 37419098 A JP37419098 A JP 37419098A JP 37419098 A JP37419098 A JP 37419098A JP 2000190436 A JP2000190436 A JP 2000190436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の内装、建具の表面化粧、車両内装の
表面化粧等に使用される電離放射線硬化型樹脂が保護層
として形成された化粧シートは、熱成形性、エンボス加
工性、耐熱性、透明性にはすぐれているが、基材シート
と保護層の密着性が必ずしも十分ではなかった。特に実
際に使用されて紫外線の照射を受けると剥離し易くなる
という問題があり、この問題は従来から公知の方法では
十分に解決することができなかった。 【解決手段】 オレフィン系樹脂からなる基材シート2
に印刷層3を形成し、その印刷層3上に電離放射線硬化
型樹脂より構成される保護層4を積層してなる化粧シー
ト1において、印刷層が形成された基材シートと保護層
の長手方向における加熱収縮率の差が±1%以内、及び
巾方向における加熱収縮率の差が±1%以内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装の表面化粧等に利用可能であ
り、装飾性に優れた化粧シート及び化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の内装剤等の用途には
塩化ビニルシート等の基材シートの表面に木目等の絵柄
を設け、該絵柄の表面に保護層として、透明塩化ビニル
シート等の熱可塑性樹脂を積層して構成されたシート
や、木目等の立体感を出す為に、前記保護層の表面に木
目柄に対応した凹凸模様等のエンボス加工を施したシー
トが化粧シートとして使用されてきた。
【0003】近年、上記化粧シートに代わるものとし
て、高密度ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、着色
剤、及び無機充填剤を含む材料から構成される着色シー
ト上に直接又は他の層を介して電離放射線硬化型樹脂が
保護層として形成されたシートが化粧シートとして提案
された(特開平10−45926号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記電離放射線硬化型
樹脂が保護層として形成された化粧シートは、熱成形
性、エンボス加工性、耐熱性、透明性にはすぐれている
が、基材シートと保護層の密着性が必ずしも十分ではな
く、特に実際に使用されて紫外線の照射を受けると剥離
し易くなるという問題があった。この問題は、基材シー
トの表面に易接着性樹脂を塗布したり、コロナ放電処理
をする等という従来から公知の方法では解決することが
できなかった。
【0005】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めのものである。即ち、オレフィン系樹脂からなる基材
シート上に印刷層を形成し、その印刷層上に電離放射線
硬化型樹脂から構成される保護層を積層してなる化粧シ
ートであって、該基材シートと保護層の密着性に優れ、
且つ熱成形性、透明性、耐光性に優れた化粧シートを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
オレフィン系樹脂からなる基材シートに印刷層を形成
し、その印刷層上に電離放射線硬化型樹脂より構成され
る保護層を積層してなる化粧シートにおいて、前記印刷
層が形成された基材シートと前記保護層の長手方向にお
ける加熱収縮率の差が±1%以内、及び巾方向における
加熱収縮率の差が±1%以内であることを要旨とする。
【0007】本発明の化粧シートは、保護層の表面にエ
ンボス加工を施すことが好ましく、該エンボス凹部に着
色層を施すことが更に好ましい。又、本発明の化粧板
は、前記各種の化粧シートが化粧板基材に貼着されて構
成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、本発明の化粧シート1の基本的構
成を示す縦断面図である。図1において、2はオレフィ
ン系樹脂からなる基材シートであって、該基材シート2
の表面には印刷層3が設けられ、該印刷層3の表面には
電離放射線硬化性樹脂からなる保護層4が形成されてい
る。
【0009】基材シート2は、オレフィン系樹脂であれ
ばよいが、主原料がハードセグメントとしての高密度
ポリエチレン又はポリプロピレンのいずれかからなり、
これにソフトセグメントとしてのエラストマー及び無機
充填剤を添加してなる混合物が挙げられる。また、特
開平9−111055号公報、特開平5−77371号
公報、特開平7−316358号公報等に記載されるエ
チレン−プロピレン−ブテン共重合体を基材シート2に
用いることもでき、特公平6−23278号公報記載
のハードセグメントであるアイソタクチックポリプロピ
レンとソフトセグメントとしてのアタクチックポリプロ
ピレンとの混合物を基材シート2に用いることもでき
る。
【0010】前記のオレフィン系樹脂におけるハード
セグメントとしての高密度ポリエチレンとしては、好ま
しくは、比重が0.94〜0.96のポリエチレンであ
って、低圧法で得られる結晶化度が高く、分子に枝分か
れ構造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが用い
られる。また、ハードセグメントとしてのポリプロピレ
ンとしては、好ましくは、アイソタクチックポリプロピ
レンが用いられる。
【0011】前記のソフトセグメントとしてのエラス
トマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴ
ム、オレフィンエラストマー等が用いられる。水素添加
ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なく
とも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化を抑えて、その柔軟性を向上さ
せる。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、
アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル
・イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等がある。
オレフィンエラストマーとしては、2種類又は3種類以
上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも1
種類加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしてはエ
チレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、ポ
リエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノ
ルボルネン等が使用される。好ましいオレフィンエラス
トマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分
とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これらのエラ
ストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄等の架橋
剤を用いて、過重架橋させても良い。
【0012】これらエラストマーの添加量としては、1
0〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。1
0重量%より低いと一定荷重伸度の変化が急峻になり過
ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性、易接着性の低下が生
じ、60重量%より高いと透明性、耐候性および耐クリ
ープ性の低下が生ずる。
【0013】又、前記の無機充填剤としては、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の平均粒径
0.1〜10ミクロン程度の粉末が用いられる。添加量
としては、1〜60重量%程度、好ましくは5〜30重
量%程度である。1重量%未満では耐クリープ変形性及
び易接着性の低下が生じ、60重量%を超えると破断時
伸度及び耐衝撃性の低下が生じる。
【0014】前記のオレフィン系樹脂としては、エチ
レン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑
性エラストマーが用いられる。ここで、ブテンとして
は、1ブテン、2ブテン、イソブチレンの3種の構造異
性体のいずれも用いることができる。共重合体として
は、ランダム共重合体であって、非晶質の部分を一部含
む。
【0015】上記エチレン・プロピレン・ブテン共重合
体樹脂の好ましい具体例としては、次の(i)〜(iii)
が挙げられる。
【0016】(i)特開平9−111055号公報に記
載されるエチレン、プロピレン及びブテンの3元共重合
体によるランダム共重合体。単量体成分の重量比率はプ
ロピレンが90重量%以上である。メルトフローレート
は、230°C、2.16kgの条件下で1〜50g/
10分であることが好ましい。このような3元ランダム
共重合体100重量部に対して、上記ランダム共重合体
は、燐酸アリールエステル化合物を主成分とする透明造
核剤を0.01〜50重量部、炭素数を12〜22の脂
肪酸アミド0.003〜0.3重量部を溶融混練してな
るものである。
【0017】(ii)特開平5−77371号公報に記載さ
れるエチレン、プロピレン及びブテンの3元共重合体で
あって、プロピレン重量比率が50重量%以上の非晶質
重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを
80〜0重量%添加してなるエチレン・プロピレン・ブ
テン共重合体。
【0018】(iii)特開平7−316358号公報に記
載されるエチレン、プロピレン、1ブテンの3元共重合
体であって、プロピレン及び/又は1ブテン含有率が5
0重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に、
アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオレフ
ィン80〜0重量%を混合した組成物に対して、Nアシ
ルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ酸エステル等の油
ゲル化剤を0.5重量%添加したエチレン・プロピレン
・ブテン共重合体。
【0019】上記(i)〜(iii)のエチレン・プロピレ
ン・ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、該
エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂に必要に応
じて更に他のポリオレフィン樹脂を混合して用いても良
い。
【0020】前記のオレフィン系樹脂としては、特公
平6−23278号公報記載の(A)ソフトセグメント
として数平均分子量Mnが25000以上、且つ重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7
の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン1
0〜90重量%と、(B)ハードセグメントとしてのメ
ルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタ
ン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン90〜10
重量%との混合物からなる軟質ポリプロピレンが挙げら
れる。
【0021】上記のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの中でも、アイソタクチックポリプロピレンとアタク
チックポリプロピレンの混合物からなり、且つアタクチ
ックポリプロピレンの重量比率が5〜50重量%のもの
が好ましく、アタクチックポリプロピレンの重量比率が
20〜40重量%のものが特に好ましい。アタクチック
ポリプロピレンの重量比率が5重量%未満ではエンボス
加工をしたり、3次元形状や凹凸形状の物品に成形加工
する際にネッキングによる不均一なシートの変形や、そ
の結果としての皺、絵柄の歪み等が生ずる。一方、アタ
クチックポリプロピレンの重量比率が50重量%を超え
ると、シート自体が変形し易くなり、シートを印刷機に
通した時にシートが変形し、絵柄の歪み、多色刷の場合
に見当が合わなくなる等の不良が発生しやすくなり、成
形時においてはシートが破れ易くなる。
【0022】前記基材シート2のオレフィン系樹脂中に
は必要に応じて、着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸
収剤、ラジカル捕捉剤等が添加される。着色剤として
は、チタン白、亜鉛華、べんがら、朱、群青、コバルト
ブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔
料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリド
ン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等
の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉
からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸
亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。着
色剤は、基材シートに化粧シートとして必要な色彩を持
たせるために添加され、透明着色と不透明(隠蔽)着色
のいずれでも構わないが、一般的には被着体を隠蔽する
ために不透明着色が好ましい。
【0023】又、熱安定剤としては、フェノール系、サ
ルファイト系、フェニルアルカン系、フィスファイト
系、アミン系等公知のものが使用でき、熱加工時の熱変
色等の劣化の防止の向上を図る場合に用いられる。難燃
剤は、難燃性を付与する場合に添加され、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウムなどの粉末が用いられる。
【0024】紫外線吸収剤は、樹脂により良好な耐候性
(耐光性)を付与するためのものであり、ベンゾトリア
ソール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、又は、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物が用いられる。その
他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメ
タクリロイル基を導入した反応型紫外線吸収剤も用いら
れる。尚、これらの紫外線吸収剤の添加量は、通常0.
5〜10重量%程度である
【0025】紫外線による劣化を更に防止し、耐候性を
向上させるためには、ラジカル捕捉剤を添加することが
好ましい。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ビペリジニル)セバケー
ト、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ビペリジニル)セバケート、その他、例えば特
公平4−82625号公報に開示されている化合物等の
ヒンダード系ラジカル捕捉剤、ビペリジニル系ラジカル
捕捉剤等が使用される。
【0026】基材シート2は、これらの前記材料をブレ
ンドしたものをカレンダー加工等の常用の方法により製
膜して得ることができる。基材シートの厚みは40〜2
00μm、好ましくは100μm程度である。
【0027】基材シート2の表面には、易接着層の塗
布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易
接着処理を施すことが好ましい。易接着層(プライマー
層、或いはアンカー層ともいう)としては、アクリル樹
脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ポリエ
チレンを使用することができるが、ウレタン樹脂が特に
好ましい。
【0028】易接着層に使用できる上記ポリウレタン樹
脂は、ポリオ−ル(多価アルコ−ル)を主剤とし、イソ
シアネ−トを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンであ
る。上記ポリオ−ルとしては、分子中に2個以上の水酸
基を有するもので、例えばポリエチレングリコ−ル、ポ
リプロピレングリコ−ル、アクリルポリオ−ル、ポリエ
ステルポリオ−ル、ポリエーテルポリオール等を使用で
きる。上記イソシアネ−トとしては、分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する多価イソシアネート、4,
4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソ
シアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の脂肪族(または脂環族)イソシアネートが用いら
れる。或いは、これらのイソシアネートの付加体又は多
量体を用いることもできる。
【0029】易接着層に使用できる上記アクリル樹脂と
しては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)
アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、
ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メ
チル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)ア
クリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、
エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)ア
クリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアク
リル樹脂(但し、ここで(メタ)アクリルとはアクリル
又はメタアクリルを意味するものとし、以下同様であ
る。)が用いられる。
【0030】印刷層3は、絵柄印刷、着色印刷等により
形成される。印刷層は、具体的には顔料添加による着色
(透明又は不透明)の模様又はベタ印刷等からなり、グ
ラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、
転写シートからの転写印刷等の公知の印刷法を用い、イ
ンキ(或いは塗料)にて形成する。印刷層3の模様とし
ては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何
学図形、文字、記号等がある。印刷層3に用いられるイ
ンキは、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、
1種又は2種以上混合して用いる。またこれに顔料等を
添加したものでもよい。
【0031】印刷層3は基材シート2表面の全面に設け
ても部分的に設けても何れでもよい。又、印刷層3は図
1に示すように、基材シート2の表面全面に設けたべ夕
印刷層31と、該印刷層の表面に部分的に設けた模様印
刷層32とから構成してもよい。更に、印刷層3は保護
層4の表面に設けることもできる。
【0032】印刷層3として金属膜を形成することもで
きる。例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の
金属を真空蒸着、スパッタリング等の方法で金属薄膜と
して製膜して設けることができ、或いはこれらの組み合
わせとして設けることもできる。該金属膜も全面に設け
ることもでき、部分的に設けることもできる。
【0033】保護層4は、化粧シートに耐汚染性、耐擦
傷性、エンボス加工性、及び耐熱性を付与するために設
けるものであって、電離放射線硬化型樹脂を主成分とす
る。保護層4の加熱収縮率は、基材シート2の加熱収縮
率との差が長手方向においては1%以内、巾方向におい
ても1%以内になるように調節する必要がある。上記各
々の方向における加熱収縮率の差が1%を超えると、保
護層4と基材シート2との層間密着性が低下する。特に
紫外線の照射を受けて、化粧シート1の温度が上昇する
と、保護層4と基材シート2との間に過剰な剪断力が働
き上記層間の接着性が悪くなる。
【0034】保護層4の長手方向、巾方向の加熱収縮率
を調節する手法としては、加熱収縮率の異なる複数の電
離放射線硬化型樹脂を混合して用いる方法が挙げられ
る。具体的には、例えば、分子量が大きい軟質ウレタン
アクリレートオリゴマーと分子量が小さい硬質ウレタン
アクリレートオリゴマーの混合物を電離放射線硬化型樹
脂として用いれば、保護層4の加熱収縮率を調節するこ
とができる。即ち、分子量が大きい軟質ウレタンアクリ
レートオリゴマーは加熱収縮率が小さいが、分子量が小
さい硬質ウレタンアクリレートオリゴマーは加熱収縮率
が大きいので、これらを配合する割合を適宜変化するこ
とによって保護層4の加熱収縮率を調節することができ
る。
【0035】本発明において用いる電離放射線硬化型樹
脂は、上記ウレタンアクリレートオリゴマーに限定され
ず、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有
するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを
適宜混合した、電離放射線により硬化可能な組成物であ
って、且つ加熱収縮率が異なる電離放射線硬化型樹脂で
あれば、適宜選択して用いることができる。又、用いる
電離放射線硬化型樹脂の数も二種類には限定されること
はなく、複数であっても構わない。尚、ここで電離放射
線とは、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合或い
は架橋し得るエネルギー量子を育するものを意味し、通
常紫外線または電子線等を意味する。
【0036】電離放射線硬化型樹脂を硬化させるのに紫
外線、更には可視光線を用いる場合は、電離放射線硬化
型樹脂に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤として
は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メ
タロセン、等が挙げられる。又、光重合促進剤(増感
剤)としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ
−n−ブチルホスフィン等を、更に混合して用いること
ができる。光重合開始剤の添加量は、1〜10重量%の
範囲が、硬化性が良好であることから好ましい。また光
重合開始剤の種類としては、ベンゾフェノン系が硬化性
が良好であることから好ましい。
【0037】本発明においては、球状粒子を分散混合す
ることによっても保護層4の加熱収縮率を微調節するこ
とができる。球状粒子を分散混合することは、耐擦傷性
を付加することができる点でも好ましい。球状粒子の材
質は加熱収縮率を調節することができれば、無機粒子及
び有機樹脂粒子のいずれも用いることができるが、耐摩
耗性、硬度も付与することができる点で、無機粒子が推
奨される。
【0038】球状粒子の材質は、具体的には、シリカ、
α−アルミナ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、黒
鉛などの無機粒子、および架橋アクリルなどの合成樹脂
ビーズ等の有機樹脂粒子が挙げられる。特に,好ましい
球状粒子は、シリカである。
【0039】電離放射線硬化型樹脂からなる保護層4に
は、加熱収縮率の調節が可能であるという条件下におい
て、電離放射線非硬化型樹脂を添加することができる。
該電離放射線非硬化型樹脂としてはウレタン系、繊維素
系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いら
れ、特に繊維素系、ウレタン系、ブチラール系は、可撓
性の点から好ましい。
【0040】保護層4には、必要に応じて着色剤、熱安
定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等を添加
することができる。但し、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉
剤を添加した場合は、電子線で硬化させることが好まし
い。
【0041】保護層4を形成するための塗工組成物に
は、粘度を調整するために、樹脂の成分を溶解可能であ
り、常圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤を、組
成物中に60重量%以下の範囲で用いることができる。
溶剤の添加量が60重量%以下の範囲であれば、乾燥が
スムーズであり、生産スピードの大きな低下がない。
【0042】上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ア
ミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピル
エーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。
【0043】保護層4を形成するには以下の方法を用い
ことができる。 基材シートの表面に塗工組成物を直接塗工する直接コ
ーティング法、又は、剥離性の基材表面に電離放射線
硬化型樹脂からなる保護層4を予め形成した後、該層を
基材シートの表面に転写する、転写コーティング法が用
いられる。
【0044】上記の直接コーティング法としては、グ
ラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフ
セットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバ
ースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディ
ップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイ
ヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流
しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることが
できるが、好ましいのはグラビアコートである。
【0045】上記の転写コーティング法は、下記の
(a)〜(d)に示す、一旦薄いシート(フィルム)基
材に塗膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材の表面
に被覆する方法や、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体
物に接着するラミネート法(a,b)、一旦離型性支持
体シート上に塗膜と必要に応じて接着剤層を形成し塗膜
を架橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側を立体
物に接着後、支持体シートのみ剥離する転写法(c)等
の手段を利用することができる。即ち、(a)特公平2
−42080号公報、特公平4−19924号公報等に
開示されるような射出成形同時転写法或いは特公昭50
−19132号公報に開示されるような射出成形同時ラ
ミネート法や、(b)特開平4−288214号公報、
特開平5−57786号公報に開示されるような真空成
形同時転写法或いは特公昭56−45768号公報に開
示されるような真空成形同時ラミネート法や、(c)特
公昭59−51900号公報、特公昭61ー5895号
公報、特公平3−2666号公報等に開示されるよう
に、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時ラミネ
ート法や、(d)実公大15−31122号公報等に開
示されているVカット加工同時ラミネート法或いは特公
昭56−7866号公報等に開示されているVカット加
工同時転写法などが挙げられる。尚、薄いシート基材
に、樹脂層を形成する方法は上記の直接コーティング法
と同じ各種のコーティング手段を用いることができる。
【0046】又、下記の(A)〜(D)の工程を順次行
う方法を用いることもできる(特開平2−26673号
公報等記載)。 (A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シートに、未硬化
液状の電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工する工程。 (B)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗布面が基材
と接するようにラミネートする工程。 (C)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放
射線を照射して架橋、硬化させる工程。 (D)合成樹脂シートを剥離除去する工程。 上記の工程において、電離放射線硬化型樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を設ける。
【0047】図2は、本発明の具体的構成例を示す縦断
面図である。図2において、5は前記易接着層、6は保
護層4の表面にエンボス加工により形成した凹凸模様の
エンボス凹部、7は凹凸模様のエンボス凹部に形成した
着色層である。
【0048】前記凹凸模様は、例えば印刷層3を設けた
部分に対応するように設けても、また、印刷層3を設け
た部分の全面に設けてもいずれでもよい。凹凸模様のパ
ターンは、例えば木目、石目、砂目等の天然物の凹凸形
状を模写したもの、文字記号、万線、各種の抽象模様、
各種艶消し表面、鏡面光沢等が挙げられる。
【0049】前記凹凸模様のエンボス凹部6を保護層4
の表面に設ける方法は、例えば上記の転写コーティング
法の際に、賦形フィルムを用いた、キャスト同時賦形方
法が用いられる。また、保護層を塗工して硬化させずに
未硬化の状態であれば、平板プレス機、ロールエンボス
機等公知の各種プレス、エンボス機等を用い、熱、圧力
によりエンボス板の凹凸形状を賦形し、その後保護層を
硬化させる方法等を用いることができる。
【0050】前記凹凸模様6のエンボス凹部に形成した
着色層7は、ワイピング法により形成することができ
る。ワイピング法としては、ドクターブレードコート法
またはナイフコート法にてエンボス凹部を含む表面全面
にインキを塗布した後、凹陥部以外の表面からインキを
除去することにより、エンボス凹部のみにインキ層7を
形成する方法を用いることができる。該着色インキとし
ては、有機顔料と無機顔料、光輝性顔料等の着色顔料
と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹
脂等の結着剤樹脂と、ベヒクルとからなるインキ、エマ
ルジョン型の水系タイプインキを使用でき、通常は着色
インキを使用するが、透明又は半透明のインキを使用す
ることもできる。
【0051】本発明にかかる化粧板は、図3に示すよう
に、上記の基材シート2、印刷層3、電離放射線硬化型
樹脂からなる保護層4が順次積層された化粧シート1を
化粧板基材9に貼着してなるものである。図3に示すよ
うに化粧シート1の接着は、化粧板基材9の表面に接着
剤8を塗布した後、化粧シート1を接着剤8と接するよ
うに化粧板基材9に積層して一体化することで、図3に
示すように化粧板10が得られる。接着剤8は、化粧シ
ート1側に塗布してもよい。
【0052】前記化粧板基材9としては、木材単板、木
材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)等
の木質板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、珪酸カ
ルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート
板、中空押出セメント板等のセメント板、パルプセメン
ト板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメン
ト板、陶器、磁器、せっ器、土器、硝子、琺瑯等のセラ
ミックス板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾ
ル塗工鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板、ポリオ
レフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカー
ボネート板等の熱可塑性樹脂板、フェノール樹脂板、尿
素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹
脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化型樹
脂板、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織
布、布吊、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して
複合化したいわゆるFRP板等の樹脂板が挙げられる。
また、化粧板基材は上記各種基材の2種以上を接着剤、
熱融着等の公知の手段により積層した複合基材を用いて
もよい。
【0053】接着剤としては、化粧板基材9と化粧シー
ト1が接着可能なものであればよく、例えば酢ビ系、尿
素系等が挙げられる。
【0054】次に具体的に実施例を挙げて本発明を更に
説明する。
【実施例】実施例1及び比較例1〜3において共通して
使用する印刷層が形成された基材シートを以下に述べる
方法で作製した。ポリプロピレンとエラストマーの混合
物を主成分とする三菱化学MKV株式会社製「SB00
6LBR−1」(厚み80μm)を基材シートとして使
用し、該基材シートにコロナ放電処理を施してから、グ
ラビア印刷法により株式会社昭和インク工業所製「AF
Sメジューム」(二液硬化型のウレタン系樹脂)を使用
して塗工量1g/m2 の易接着層を形成した。次に、絵
柄インキとして株式会社昭和インク工業所製「TMK」
(アクリル/ウレタン系樹脂)を使用してグラビア印刷
法により木目印刷を施こすとにより印刷層が形成された
基材シートを得た(以下、「シートA」と略称す
る。)。
【0055】実施例2、3及び比較例4、5において共
通して使用するシートBを以下に述べる方法で作製し
た。基材シートとして既に易接着層が形成されているポ
リエチレンとエラストマーの混合物を主成分とするタツ
ノ化学株式会社製「F21SAW003」(厚み90μ
m)を使用し、実施例1と同様の絵柄インキを使用して
グラビア印刷法による木目印刷を施こすとにより印刷層
が形成された基材シートを得た(以下、「シートB」と
略称する。)。
【0056】実施例1 シートAの印刷層が形成された表面上に下記組成の大日
精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「EBS0
4」をロールコート方式で30g/m2 塗工した。次
に、電子線を照射(照射線量5Mrad、加速電圧17
5KV、ラインスピード40m/min)し、電離放射
線硬化型樹脂「EBS04」からなる層を硬化させて保
護層を形成し(以下、該硬化した層を「保護層C」と略
称する。」)、化粧シートを得た。
【0057】 電離放射線硬化型樹脂「EBS04」の組成 分子量が大きい軟質ウレタンアクリレートオリゴマー 80重量部 分子量が小さい硬質ウレタンアクリレートオリゴマー 20重量部 シリカ 10重量部
【0058】実施例2 シートBの印刷層が形成された表面上に下記組成の大日
精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「EBS0
2マットK」をロールコート方式で30g/m 2 塗工し
た。次に、実施例1と同様に電子線を照射し、電離放射
線硬化型樹脂「EBS02マットK」からなる層を硬化
させて保護層を形成し(以下、該硬化した層を「保護層
D」と略称する。」)、化粧シートを得た。
【0059】 電離放射線硬化型樹脂「EBS02マットK」の組成 分子量が大きい軟質ウレタンアクリレートオリゴマー 70重量部 分子量が小さい硬質ウレタンアクリレートオリゴマー 30重量部 シリカ 10重量部
【0060】実施例3 シートBの印刷層が形成された表面上に下記組成の大日
精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「EBS0
2(15M・S)」をロールコート方式で30g/m2
塗工した。次に、実施例1と同様に電子線を照射し、電
離放射線硬化型樹脂「EBS02(15M・S)」を硬
化させて保護層を形成し(以下、該硬化した層を「保護
層E」と略称する。」)、化粧シートを得た。
【0061】 電離放射線硬化型樹脂「EBS02(15M・S)」の組成 分子量が大きい軟質ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 分子量が小さい硬質ウレタンアクリレートオリゴマー 40重量部 シリカ 10重量部
【0062】比較例1 シートAの印刷層が形成された表面上に実施例2と同様
に大日精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「E
BS02マットK」をロールコート方式で30g/m2
塗工した。次に、実施例1と同様に電子線を照射し、電
離放射線硬化型樹脂「EBS02マットK」を硬化させ
て保護層Dを形成し、化粧シートを得た。
【0063】比較例2 シートAの印刷層が形成された表面上に実施例3と同様
に大日精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「E
BS02(15M・S)」をロールコート方式で30g
/m2 塗工した。次に、実施例1と同様に電子線を照射
し、電離放射線硬化型樹脂「EBS02(15M・
S)」を硬化させて保護層Eを形成し、化粧シートを得
た。
【0064】比較例3 シートAの印刷層が形成された表面上に下記組成の大日
精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「EBS0
3マットK」をロールコート方式で30g/m 2 塗工し
た。次に、実施例1と同様に電子線を照射し、電離放射
線硬化型樹脂「EBS03マットK」からなる層を硬化
させて保護層を形成し(以下、該硬化した層を「保護層
F」と略称する。」)、化粧シートを得た。
【0065】 電離放射線硬化型樹脂「EBS03マット」の組成 分子量が小さい硬質ウレタンアクリレートオリゴマー 100重量部 シリカ 10重量部
【0066】比較例4 シートBの印刷層が形成された表面上に実施例1と同様
に大日精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「E
BS04」をロールコート方式で30g/m2塗工して
保護層を形成した。次に、実施例1と同様に電子線を照
射し、電離放射線硬化型樹脂「EBS04」を硬化させ
て保護層Cを形成し、化粧シートを得た。
【0067】比較例5 シートBの印刷層が形成された表面上に比較例3と同様
に大日精化工業株式会社製の電離放射線硬化型樹脂「E
BS03マット」をロールコート方式で30g/m2
工した。次に、実施例1と同様に電子線を照射し、電離
放射線硬化型樹脂「EBS03マットK」からなる層を
硬化させて保護層Fを形成し、化粧シートを得た。
【0068】実施例1〜3、比較例1〜5によって得ら
れた化粧シートについて、環境試験を行った後、印刷層
が形成された基材シートと保護層の密着性を碁盤目セロ
テープ密着試験により評価した結果を該基材シートと該
保護層間の加熱収縮率の差と共に表1に示す。又、該基
材シートA、Bの加熱収縮率を表2に、該保護層C、
D、E、Fの加熱収縮率を表3に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】 注 符号「−」は、測定試料が収縮したことを表わす。
【0071】
【表3】 注 符号「−」は、測定試料が収縮したことを表わす。
【0072】環境試験は、化粧シートを−20℃の雰囲
気における12時間の放置、及び60℃の雰囲気におけ
る12時間の放置を順次4回繰り返すことにより行っ
た。
【0073】碁盤目セロテープ密着試験は、化粧シート
を表面を2ミリ間隔の縦横10区分の碁盤目状にカッタ
ーで切り、粘着性テープを貼った後に剥がす作業をセロ
テープを取り替えながら10回繰り返した後、何枚の枡
目が剥がれずに残っているかを数えることにより行っ
た。
【0074】基材シートの加熱収縮率は、基材シートか
ら12cm角の試験片を10枚切り取り、各試験片に十
字の標線を入れてから、恒温槽を使用して空気中80℃
の雰囲気に24時間放置し、24時間経過後に取り出
し、室温まで冷却してから試験片の標線の寸法を測り、
各試験片の加熱収縮率を次式により算出し、試験片10
枚の各測定値を平均して求めた。尚、加熱収縮率は収縮
方向を負の方向として表わす。
【0075】
【数1】加熱収縮率(%)=〔(加熱後の標線の寸法−
加熱前の標線の寸法)÷加熱前の標線の寸法〕×100
【0076】印刷層が形成された基材シートと保護層の
加熱収縮率の差は次式により算出した。
【0077】
【数2】加熱収縮率の差(%)=保護層の加熱収縮率
(%)−印刷層が形成された基材シートの加熱収縮率
(%)
【0078】保護層の加熱収縮率の測定用の試験片は、
表面易接着処理が施されていない東レ株式会社製PET
シート「50E−20」(厚み50μm)に電離放射線
硬化型樹脂をロールコート方式で30g/m2 塗工し、
次に、電子線を照射(照射線量5Mrad、加速電圧1
75KV、ラインスピード40m/min)して電離放
射線硬化型樹脂を硬化させた後、該硬化した電離放射線
硬化型樹脂シートをPET層から剥離することによって
作製した。
【0079】表1から明かなようにオレフィン樹脂から
なる基材シートと電離放射線硬化型樹脂からなる保護層
との長手方向及び巾方向における加熱収縮率の差が、共
に±1%以内であれば、上記両層間の密着性が良く、環
境試験を行った後の碁盤目セロテープ密着試験において
保護層の剥離は全く起きないが、長手方向又は巾方向の
どちらかにおける加熱収縮率の差が±1%を超えると層
間密着性が悪くなり、保護層の剥離が起きるようにな
る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により得ら
れたオレフィン系樹脂の基材シートと電離放射線硬化型
樹脂の保護層からなる化粧シート及び該化粧シートを貼
付してなる化粧板は、基材シートと保護層の層間密着性
が従来の化粧シート等に比較して優れており、紫外線の
照射後においても上記両層間の剥離が起きにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧シートの基本的構成を示す縦断面図
である。
【図2】本発明化粧シートの具体的構成を示す縦断面図
である。
【図3】本発明化粧板の1例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 基材シート 3 印刷層 4 保護層 5 易接着層 6 エンボス凹部 7 着色層 8 接着剤 9 化粧板の基材 10 化粧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03 AK25 AK51 AT00C BA02 BA03 BA10B BA10C BA26 CC02B DD09B EJ08 EJ53 GB08 GB33 HB00 HB31B JA03B JB14 JK06 JL01 JL10B JL11 JN01 JN30 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる基材シートの
    表面上に印刷層を形成し、その印刷層上に電離放射線硬
    化型樹脂より構成される保護層を積層してなる化粧シー
    トにおいて、印刷層が形成された基材シートと保護層の
    長手方向における加熱収縮率の差が±1%以内、及び巾
    方向における加熱収縮率の差が±1%以内であることを
    特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 保護層の表面にエンボス加工を施したこ
    とを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】 保護層の表面にエンボス加工を施し、エ
    ンボス凹部に着色層を施したことを特徴とする請求項1
    記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の化粧シートを化粧板基材
    に貼着してなることを特徴とする化粧板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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