JP2000190277A

JP2000190277A - カッタ―

Info

Publication number: JP2000190277A
Application number: JP10371539A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Sakamoto; 健坂本; Hiroyuki Yanagida; 浩幸柳田
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1998-12-25
Filing date: 1998-12-25
Publication date: 2000-07-11

Abstract

(57)【要約】【課題】接触物を傷つけにくく、かつ切断性能を低下
させることのないカッターを提供する【解決手段】ロール状に巻かれたシート材１１を引き
出して切断する際に用いられる、連設する多数の切断歯
１４からなるカッター１０であって、各切断歯１４がそ
の突出先端面１５に鋭角部を備えておらず、且つこの先
端面１５と側面１６との少なくとも一方の交差部１７
が、鋭角となっている。各切断歯１４の少なくとも先端
部は、突出方向の中心線Ｃに対して線対称の形状を有す
るようにすることができ、また突出先端面１５と側面１
６との交差部１７における頂点の曲率半径は０．２０ｍ
ｍ以下とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状に巻かれ
たシート部材を引き出して切断する際に用いられるカッ
ターに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ラッピ
ングフィルムやアルミホイル、セロハンテープ等はロー
ル状に巻かれたシート部材であって、ロール状態から引
き出し、所望の長さに切断して使用される。このような
シート部材の切断には、鋸刃状のカッターが使用される
が、各切断歯の先端が鋭角に尖っているため、これに接
触する物を傷つけ易い。

【０００３】特開平９−７７０５５号公報には、先端が
平坦な台形状の切断歯からなるカッターが開示され、接
触物が傷つくのを回避しているが、切断性能が劣ること
になる。

【０００４】本発明は、接触物を傷つけにくく、かつ切
断性能を低下させることのないカッターを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のカッターは、ラ
ッピングフィルム、アルミホイル、セロハンテープ等の
ロール状に巻かれたシート部材を引き出して切断する際
に用いられる、連設する多数の切断歯からなるカッター
であって、各切断歯がその突出先端面に鋭角部を備えて
おらず、且つ該先端面と側面との少なくとも一方の交差
部が鋭角となっている。

【０００６】ここで、上記突出先端面とは、カッターの
先端部分に向かって（カッターの長手方向の垂直な方向
に向かって）接触物を押し付けた際に、当該接触物が当
接する領域に位置する面を意味し、必ずしも平坦な先端
面のみを意味するものではなく、接触物が弾性ないしは
可撓性を有する場合には、先端部分に凹凸があってもそ
れに沿って当接することができるので、このような凹凸
面をも含むものである。また、突出先端面に鋭角部を備
えていないとは、当該突出先端面に９０度以下の鋭利な
部分がなく、９０度を越える鈍角部や、曲面、あるいは
平坦面によって構成されていることを意味する。さら
に、各切断刃の側面は、各切断刃の基端部分から突出先
端面に至る部分を意味するが、必ずしも、各切断刃の基
端部分から上記突出先端面に向かって直線状に延設する
形状のものである必要はなく、屈曲部を介して上記先端
面と鋭角に交差するようにすることもできる。さらにま
た、切断歯が連続するカッターの先端は、全体として、
直線状だけに留まらず、中央部が突形状となったり、両
端部が突出していてもよい。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態にかか
るカッター１０は、図２に示すように、ロール状に巻か
れたシート部材としてのラッピングフィルム１１を収容
するロール収納箱１２の縁部、又は開閉可能な蓋体１３
の縁部に沿って取り付けられ、ラッピングフィルム１１
をロール収納箱１２から引き出して、所望の長さに切断
する際に使用される。

【０００８】カッター１０は、金属製（ステンレス、ブ
リキ等）、硬質プラスチック製、硬質セラミック製、紙
を芯材とするもの（例えば紙に樹脂を含浸させたもの）
等からなり、好ましくは０．０５〜１ｍｍの厚さを備え
る。

【０００９】また、カッター１０は、図１に示すよう
に、連設する多数の切断歯１４を有し、各切断歯１４
は、その突出先端面１５が平坦面となっていて鋭角部を
備えておらず、且つこの先端面１５と両側の側面１６と
の交差部１７が、好ましくは１０〜９０度、さらに好ま
しくは３０〜６０度の角度で交差する鋭角となってい
る。本実施例では、交差部の角度が４５°であるが、鋭
角であればこの角度に限ることはない。

【００１０】一対の側面１６は、カッター１０の基端部
１８から、互いの間隔を狭めるようにしながら突出先端
面１５に向かって延設され、しかる後に外側に折れ曲が
って、鋭角で突出先端面１５と接合する。このようにし
て鋭角な交差部１７を形成することにより、基端部１８
から側面１６を垂直に延設させた後に外側に折り曲がら
せたものと比較して（図３（ｅ）参照）、各切断歯１４
の剛性を高めることができる。また、各切断歯１４が、
少なくとも先端部が突出方向の中心線Ｃに対して線対称
の形状を有することにより、左右何れの方向からでも、
ラッピングフィルム１１を容易に切断することができ
る。

【００１１】本実施形態のカッター１０によれば、その
突出先端面１５が鋭角部の無い平坦面となっていること
により、接触物が傷つくのを回避することができ、ま
た、突出先端面１５と側面１６との交差部１７が鋭角と
なっていることにより、ラッピングフィルム１１を斜め
方向に引っ張るようにして交差部１７に容易に食い込ま
せて、切断作業を容易に行うことが可能になる。

【００１２】また、本実施形態のカッター１０によれ
ば、突出先端面１５と側面１６との交差部１７における
頂点の曲率半径が０．２０ｍｍ以下、好ましくは０．０
８ｍｍ以下となっており、これによってさらに効果的に
ラッピングフィルム１１を食い込ませて、切断性能を向
上させることができる。

【００１３】図３（ａ）〜（ｋ）は、本実施形態にかか
るカッター１０を構成する切断歯１４の他の形状を示す
ものである。すなわち、（ａ）は、切断歯１４の配設間
隔をひろげたものであり、これによって、伸びやすいラ
ッピングフィルム１１をも効果的に切断することができ
る。（ｂ）は突出先端面１５を湾曲状にしたものであ
り、（ｃ）は突出先端面１５を鈍角に突出させたもので
ある。また、（ｄ）は、側面１６を湾曲状にしたもので
あり、（ｅ）は、側面１６を基端部１８から垂直に延設
させた後に外側に折れ曲がらせたものである。さらに、
（ｆ）は、側面１６を２段階に折れ曲がらせたものであ
り、（ｇ）は、基端部１８から直線状に側面１６を延設
させて鋭角な交差部１７を形成したものである。さらに
また、（ｈ）は、各切断刃１４の片側にのみ鋭角な交差
部１７を設けたものである。（ｉ），（ｊ），（ｋ）
は、先端部のみが左右対称な形状を備え、先端部より下
方を斜めに延設して、基端部１８に接続するようにした
ものである。これらの切断１４によっても、上述と同様
の作用効果が得られる。

【００１４】

【実施例】上記図１と同様の形状を有する実施例に係る
カッター５０（図４（ａ））と、比較例１（図４
（ｂ））及び比較例２（図４（ｃ））の鋸刃状のカッタ
−５１，５２について、下記〔評価試験方法〕により試
験を行いシート状物５３の切断性を評価した。それらの
結果を下記〔表１〕に示す。なお、各カッター５０，５
１，５２の切断歯は０．２ｍｍ厚さのＳＵＳ板加工品で
あり、歯山ピッチＬは５ｍｍである。また、実施例に係
るカッター５０の切断歯の平坦な突出先端面の幅Ｂは２
ｍｍ、側面の折れ曲がり部の幅ｂは１ｍｍである。

【００１５】〔評価試験方法〕図４（ａ）及び（ｂ）に
示す如く、収納箱２から、シート状物５３としてオレフ
ィン系樹脂食品用の市販のラッピングフィルムを１５ｃ
ｍ引出した後、シート状物５３の端縁３１より１５ｍｍ
の位置を引張り基点３２として、θ_H＝１５度及び切断
速度（引張速度）５０ｍ／ｍｉｎ．で、シート状物５３
を矢標Ｈと矢標Ｖとの合成矢標方向へ引張って、刃先５
４でこれを切断する。このような操作を、θ_Vを変えて
それぞれ１０回繰り返し、それぞれの切断開始時の引張
抵抗値（ｃＮ）を測定して平均値を算出した。尚、図４
（ｂ）における矢標Ｈ及びＶはそれぞれ、シート状物５
３の引張り方向の水平成分及び垂直成分を示す。また、
矢標Ｈは、矢標ｂ［垂直壁２１と直交する方向（収納箱
２の底面と水平方向）］とのなす角度がθ_Hであり、矢
標Ｖは、該矢標ｂとのなす角度がθ_Vである。なお、引
張抵抗値の平均値が小さいほど、切断性に優れているこ
とを示す。

【００１６】

【表１】

【００１７】表１の検証結果によれば、切断初期抵抗値
は、何れの傾きにおいても実施例のカッター５０のほう
が比較例のカッター５１，５２よりも小さいことから、
本発明のカッターを用いることによって、ラッピングフ
ィルム５１の切断性能が向上しており、これによって、
シート材を引き出して切断する際の切断性能が十分確保
されていることが判明する。

【００１８】

【発明の効果】本発明のカッターによれば、人の指等の
接触物を傷つけにくく、かつシート材を引き出して切断
する際の切断性能が十分確保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るカッターの構成を示す
部分拡大平面図である。

【図２】本発明の実施形態に係るカッターを用いてシー
ト材を切断する状況を示す斜視図である。

【図３】（ａ）〜（ｋ）は、カッターを構成する切断歯
の他の形状を示す部分拡大平面図である。

【図４】実施例及び比較例１，２のカッターを示す平面
図ある。

【図５】（ａ）及び（ｄ）は、切断性の評価試験方法の
説明図である。

【符号の説明】

１０カッター１１ラッピングフィルム（シート部材）１４切断歯１５突出先端面１６側面１７交差部１８基端部Ｃ中心線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ロール状に巻かれたシート部材を引き出
して切断する際に用いられる、連設する多数の切断歯か
らなるカッターであって、各切断歯がその突出先端面に
鋭角部を備えておらず、且つ該先端面と側面との少なく
とも一方の交差部が鋭角となっているカッター。
【請求項２】上記各切断歯の先端面が平坦面となって
いる請求項１記載のカッター。