JP2000190184A - ドリル再研削における自動位置決め方法 - Google Patents

ドリル再研削における自動位置決め方法

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JP2000190184A
JP2000190184A JP37833198A JP37833198A JP2000190184A JP 2000190184 A JP2000190184 A JP 2000190184A JP 37833198 A JP37833198 A JP 37833198A JP 37833198 A JP37833198 A JP 37833198A JP 2000190184 A JP2000190184 A JP 2000190184A
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motor
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tip
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Shosuke Hori
庄輔 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドリルの再研削において、砥石車の砥面に対す
るドリルの被研削面の位置決めを自動で行うことを可能
とする。 【解決手段】 ドリル1の先端が常に同一の位置になる
ような方法で、ドリルチャック12でクランプしたの
ち、ドリル先端部2をリング状光源31で照射し、一対
の切刃面7からの反射光を主体にして拡大レンズ筒32
に入射させてCCDカメラ33に一対の切刃面7の拡大
投影像を結像させ、該拡大投影像を画像処理システム3
4に点対称図形25として認識させるとともに、その分
割主軸35を算出させて、あらかじめ登録された基準軸
36との角度差30を算定させ、さらに、角度差30を
信号数に換算して制御システム40に送り、ドリルチャ
ック12に結合されたモータA37を回転させて分割主
軸35を基準軸36に一致させることによりドリル1の
向きを設定する方法とドリル1が基準軸36に対して直
角な方向に、設定した角度だけ旋回する構造とすること
により、ドリル1の切刃面7を自動的に被研削位置に設
定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】プリント配線板の製作におい
ては、配線板に導通その他を目的とする細孔を多数明け
る工程がある。この工程で使用されるドリル1の直径1
0は概ね2mm程度から0.1mm程度の範囲のものが
使用されているが、これらのドリル1は孔明け作業によ
って刃先が磨耗するため一定の孔数を明けると交換しな
ければならない。ドリル1は細径になるほど寿命は短
く、かつ、高価になるので、一定数の孔明けを行ったド
リル1は刃先を再研削して、繰り返し使用することが一
般的に行われている。
【0002】ドリル1の刃先を再研削する装置は以前か
ら市販されているが、いずれも作業者が顕微鏡を覗きな
がら、一本づつドリル1の被研削面の向きを設定し、送
り量を定めて研削を行う方式のものであり、ドリル1の
被研削面の向きと送り量を自動で設定して研削を行う自
動装置は存在しなかった。本発明はプリント配線板の孔
明け等に使用されるドリル1の刃先を再研削する場合
に、被研削面の位置決めを自動的に行うことを可能とす
る技術を提供するものである。
【0003】
【従来の技術】図1はドリル1を側面から見た全体像を
示す。ここで、2はドリル1の先端部であり、3は首下
部であり、10はドリル1の直径であり、5はドリル1
の中心軸である。また、4はシャンク部の直径で、38
はシャンク部の長さである。シャンク部の直径4および
長さ38はドリル1の直径10に関わりなく一般に同一
に定められているが、ドリル1の全長39はドリル1の
直径10によって異なるものである。図2はドリル1を
先端方向から見た拡大投影図で、6は切削を行う切刃で
ある。また、本発明では7を切刃面、8を逃げ面と称す
る。一般に、切刃6が軸5を回転中心軸として成す仮想
円錐面に対して、切刃面7は15度の逃げ角を有し、逃
げ面8は切刃面7に対してさらに15度の逃げ角を有し
ている。なお、9は該切刃面7と該逃げ面8との交線で
ある。図2においてA方向から見たドリル1の先端部分
2の拡大投影図が図3で、B方向から見た先端部分2の
拡大投影図が図4である。図4において11は一対の切
刃6が形成する先端角である。ドリル1は孔明け作業を
行うことによって切刃6が磨耗または欠損する。再研削
作業は切刃面7を再研削して磨耗や欠損をした切刃6を
鋭利な刃に復元するとともに、逃げ面8の再研削も同時
に行うものである。
【0004】図5は従来の再研削装置を模式的に示した
ものであり、これに基づいて従来の再研削作業を説明す
る。まず、再研削すべきドリル1のシャンク部をドリル
チャック12にクランプし、切り込みハンドル13で送
り台14を前進させ、ドリル1の先端部2を実体顕微鏡
15で観察できる位置まで進める。この位置はカップ型
の切刃面用砥石車16の凹部18または逃げ面用砥石車
17の凹部19の近傍であり、ここでインデックスハン
ドル20を操作して、切刃面7が切刃面用砥石車16の
砥面21に平行になる位置を定めてインデックスハンド
ル20を固定し、次に切り込みハンドル13を操作して
所望の切り込み量だけドリル1を送り、切り込みハンド
ル13を固定する。切刃面用砥石車16および逃げ面用
砥石車17にはカップ型が用いられ、カップの縁に相当
する面が砥面21および22となる。通常、切刃面用砥
石車16と逃げ面用砥石車17は一対に並べて用いら
れ、逃げ面用砥石車17は切刃面用砥石車16に対して
水平方向に一定の角度傾けて配列される。この傾き角度
はドリル1の切刃面7に対する逃げ面8の成す角度に合
わせて設定されており、かつ、ドリル1が切刃面用砥石
車16の砥面21に合わせて位置決めをされたときに、
逃げ面用砥石車17の砥面22が逃げ面8を適正量研削
するようにあらかじめ砥面22の位置設定がなされてい
る。砥面22の位置調整は逃げ面用砥石車17を前後に
平行に移動させる機構により行われるようになってい
る。
【0005】上記のようにカッブ型砥石車16または1
7の凹部18または19の内側で、ドリル1の向きと切
り込み量を設定したのちに、ドリル1の首下部3の一部
を先端受け23で固定する。先端受け23には、ドリル
1の首下部3の一部をV字型またはU字型などの小溝で
受けて上方から押し板で固定する方式や、または、首下
部3を左右から挟み込んで固定する方式などがあり、い
ずれも電磁弁やカム機構やばねなどを組み合わせた自動
開閉式になっていて、後述する主送りネジ26の駆動モ
ータと連動して作動する場合が多い。また、先端受け2
3で固定する位置はできるだけドリル1の先端部2の近
くが望ましいが、先端受け23が砥石車16および17
の砥面21および22に接触しない程度にしなければな
らない。
【0006】ここで、主送りネジ26をモータで駆動す
ると、主送り台24が砥石車16及び17の砥面21お
よび22に平行に直進し、ドリル1の切刃面7と逃げ面
8が、回転する砥石車16および17の砥面21および
22に接触して連続的に研削される。切刃面7と逃げ面
8が研削される順序は2つの砥石車16および17の配
列方法によって決まる。また、主送り台24の経路には
リミットスイッチが配置されていて、切刃面7および逃
げ面8の研削が終了する位置でモータが逆回転をして、
主送り台24が始点位置に戻る構造となっている。ここ
で、インデックスハンドル20を操作してドリル1を1
80度回転させ、残る側の切刃面7と逃げ面8を研削位
置に露呈して、再度モータを駆動させると、主送り台2
4が再度往復移動をして上記と同様に残る側の切刃面7
と逃げ面8の研削を終了することになる。
【0007】なお、ドリル1は種類によって先端角11
が異なるものであるから、ドリル1の先端角11に合わ
せて、切刃面用砥石車16の砥面21に対するドリル1
の中心軸5の方向を変えなければならない。図5で模式
的に示すように、ドリル1の中心軸5の方向変更は角度
設定台27を用いて行う。角度設定台27は送り台14
を移動させる送りネジ28を固定搭載した状態で主送り
台24に搭載されている。角度設定台27と主送り台2
4とは角度設定台27の下面に設けられた角度設定軸2
9と主送り台24に設けられた軸孔によって接合されて
いて、角度設定台27は角度設定軸29を中心にして主
送り台24上を手動で回転させることができる構造とな
っている。また、角度設定台27の端部または主送り台
24上にはドリル1の中心軸5方向の角度に対応した角
度目盛りが付してあり、角度設定後は止めネジ等で固定
する構造となっている。
【0008】従来のドリル1の再研削装置の概要は上記
の如くである。作業者の眼の疲労を緩和するために、前
記実体顕微鏡15に代えて高精度のCRT画面を見なが
ら位置決めを行うことも可能であるし、また、インデッ
クスハンドル20にモータを併用して、主送り台24を
駆動するモータと連動させ、片側の切刃面7と逃げ面8
を研削したのちに、ドリル1を自動的に180度反転さ
せて連続的に残る側を研削するなどの自動化も行われて
いるが、最も基本的な作業であるドリル1の向きと切り
込み量の設定は作業者の目視による判断で行わなければ
ならないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ドリ
ル1の切刃面7を切刃面用砥石車16の砥面21に平行
に設定する作業と該切刃面7の切り込み量を設定する作
業は、作業者が一本一本のドリル1を顕微鏡で覗きなが
ら行っているのが実態である。この作業は「0004」
で記載したような方法で行われるが、ドリル1の設定位
置が適切でなかったり、または、研削量が適量でなかっ
たりすると、いろいろな品質不良が発生する。このた
め、ドリル1の再研削作業には良好な視力と経験に基づ
く判断力が要求される。このように、ドリル1の再研削
作業は労働集約作業そのものであって、作業者の眼の疲
労を招くという問題の他に、品質のばらつきが生じやす
いという問題もある。さらに、ドリル1の直径10が
0.3mm以下の極細径になると作業に特別の熟練が必
要とされるため、作業者不足となり、ドリルのリサイク
ルが十分に機能しないという問題も生じている。
【0010】本発明は、従来作業者の目視判断で行って
いたドリル1の向きの設定と切り込み量の設定を自動で
行う技術を提供するものであり、これによって作業者の
眼の過労を防止するとともに、品質のばらつきが生じな
い再研削方法を可能とし、さらに0.3mm以下の極細
径ドリルのリサイクルも容易にするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】図6を用いて説明する。
ドリルチャック12でクランプされたドリル1の中心軸
5の延長線上にリング状光源31を配置し、また、その
後方に拡大レンズ筒32を配置する。リング状光源31
と拡大レンズ筒32は、それらの共通中心軸52をドリ
ル1の中心軸5の延長線上に置いた状態で、一体で自動
的に移動ができるように配置され、かつ、リング状光源
31は単独で共通中心軸52上の一定範囲内を手動で移
動が可能な構造とする。ドリル1の先端部2が拡大レン
ズ筒32のピントに合う位置になるように拡大レンズ筒
32とドリル1の先端部2の距離を定めて、拡大レンズ
筒32とリング状光源31の位置を固定したのち、リン
グ状光源31の位置を手動で適切に調整すると、ドリル
1の先端部2からの反射光のうち、逃げ面8からの反射
光を散乱させ、切刃面7からの反射光を主体にして拡大
レンズ筒32へ入射させることが可能となる。
【0012】拡大レンズ筒32にはCCDカメラ33を
結合し、CCDカメラ33は画像処理システム34に結
線するものとする。拡大レンズ筒32の焦点深度を十分
に大きくすればドリル1の一対の切刃面7全体の拡大投
影像をCCDカメラ33に結像させることができる。C
CDカメラ33の結像は画像処理システム34に送られ
て、ここで適切な処理が行われ、点対称図形25として
認識される。このようにして画像処理システム34内で
認識された点対称図形25はモニター画面で確認するこ
とができる。
【0013】図2はドリル1を先端方向から見た投影図
であるが、図6で示す点対称図形25は図2に対応する
ものである。すなわち、図6で示される点対称図形25
は図2における一対の切刃面7の投影図そのものであ
る。ここで、画像処理システム34に適切なソフトを組
み込むことによって、該点対称図形25について、図心
54を通り一対の切刃面7と逃げ面8との交線9に平行
になる軸35を求めることができる。本発明においては
該軸35を分割主軸と称する。理論的には、一対の切刃
面7と逃げ面8が正しく研削されているならば、図心5
4はドリル1の中心軸5と一致し、かつ、該分割主軸3
5は図2における一対の切刃面7と逃げ面8とが成す交
線9と一致することになる。また、逃げ面8の研削量に
過不足があって、一対の交線9にギャップが生じていた
り、または、研削量が過剰で交線9が互いにオーバーラ
ップしている場合には、分割主軸35は一対の交線9と
は一致しないが、ドリル1の中心軸5を通り、一対の交
線9に平行な軸となるものである。以上のことから、一
対の切刃面7の投影像から成る点対称図形25の分割主
軸35の方向を認識することによって、切刃面7および
逃げ面8の向きを認識することができることになる。な
お、本発明ではリング状光源31を使用しているため、
ドリルチャック12に任意にクランプされたドリル1の
切刃面7がどの向きであっても、常に切刃面7からの一
定の反射光を拡大レンズ筒32に入射させることができ
るという効果があり、ドリル1がドリルチャック12に
挿入されたときの向きに関係なく分割主軸35を求める
ことができるものである。
【0014】ここで、ドリルチャック12を制御システ
ム40による回転角度制御が可能なモータA37に結合
し、また、画像処理システム34を制御システム40に
結線することによって、画像処理システム34から制御
システム40に信号を発して、モータA37を所望の角
度だけ回転させることが可能となる。すなわち、画像処
理システム34にあらかじめ所望の方向の軸を登録して
おいて、これを基準軸36と定め、任意の向きにクラン
プされたドリル1の分割主軸35の方向を該基準軸36
の方向と比べて、その角度差30を算出し、該角度差3
0を該モータA37の信号数に変換して制御システム4
0に伝達し、制御システム40から発信された信号数だ
けモータA37を回転させることによって、分割主軸3
5を基準軸36に一致させることが可能となる。モータ
A37としては、パルスモータやサーボモータまたはエ
ンコーダーを用いるモータなどの回転角度を制御できる
各種モータから選定することが可能である。
【0015】一方、ドリル1の切刃面7が再研削される
ためには、該切刃面7が切刃面用砥石車16の砥面21
に平行に接触しなければならない。ドリル1がドリルチ
ャック12でクランプされた状態で、CCDカメラ33
に一対の切刃面7が結像されたときのドリル1の位置を
ドリル1の始点とし、一対の切刃面7の一つが切刃面用
砥石車16の砥面21に平行に接する位置を終点とし
て、始点から終点までの移動を一定の自動動作で行うよ
うな構造にすれば、終点における切刃面7の向きから逆
算して、始点における切刃面7の向きを決定することが
可能である。始点において決定された切刃面7の向きに
対応する分割主軸35を求め、これを基準軸36と定め
て、あらかじめ画像処理システム34に登録しておけ
ば、「0014」で記載した方法により、任意にドリル
チャック12にクランプされたドリル1の分割主軸35
の方向と登録された該基準軸36の方向との角度差30
を算出させ、制御システム40を介してモータA37を
回転させて、該分割主軸35を登録された該基準軸36
に一致させることが可能となる。
【0016】「0013」で記載したように、分割主軸
35の方向は図2におけるドリル1の切刃面7と逃げ面
8が成す交線9の方向と一致するものであるから、分割
主軸35の方向を定めることは切刃面7の向きを定める
ことになる。本発明は「0014」および「0015」
の方法により、任意の向きでドリルチャック12にクラ
ンプされたドリル1の切刃面7の向きを、あらかじめ画
像処理システム34に登録した方向に揃えることを可能
とするものである。
【0017】ここで、個々にドリルチャック12にクラ
ンプされるドリル1の切刃面7を拡大レンズ筒32およ
びリング状光源31で捉えて結像させるためには、個々
のドリル1の先端部2が拡大レンズ筒32およびリング
状光源31に対して常に同一の位置に設定されることが
必要となる。本発明では図7で示す方法を提案する。ド
リルチャック12としてはばね式チャックを用いるとと
もに、ドリルチャック12内の中空部41に適切な強度
を有する圧縮ばね42を設置して、挿入されたドリル1
の底面を押し上げる構造にする。また、該ドリルチャッ
ク12の近傍に、チャック開閉レバー43を作動させる
回転カムシリンダA44と、位置決めレバー45を作動
させる回転カムシリンダB46を配置する。
【0018】回転カムシリンダーとは、シリンダー内部
に設置されたモータを回転させると内蔵されたカム機構
によって軸が回転しながら螺旋状に上昇または下降を行
う機能を有する汎用機能部品であり、本発明では回転カ
ムシリンダーA44の軸の上端にF字型切り込みを付し
たレバーを取り付けたものをチャック開閉レバー43と
し、回転カムシリンダーB46の軸の上端に底面が平坦
なレバーを取り付けたものを位置決めレバー45とし
た。また、回転カムシリンダーA44およびB46に内
蔵されているモータをそれぞれ制御システム40に結線
して、次のような一連の動作を行うようにプログラムし
た。
【0019】回転カムシリンダーA44を作動させる
と、軸先端のチャック開閉レバー43が螺旋状に降下し
てドリルチャック12の開閉リング47を押し下げ、ド
リルチャック12を開いた状態にする。ここでドリル1
を挿入すると、ドリル1は内蔵された圧縮ばね42によ
り一定高さまで押し上げられた状態になる。ここで回転
カムシリンダーB46を作動させると、位置決めレバー
45が螺旋状に降下しながら、平坦な下端面でドリル1
の先端を押し下げて、あらかじめ設定された位置で停止
する。この信号を受けると回転カムシリンダーA44が
逆作動して上昇し、チャック開閉レバー43がドリルチ
ャック12の開閉リング47から離れ、ドリルチャック
12がドリル1をクランプし、続いて回転カムシリンダ
ーB46が逆作動して位置決めレバー45がドリル先端
から離れて螺旋状に上昇する。
【0020】このようにして位置決めレバー45が降下
して停止する位置をあらかじめ設定しておき、ドリル先
端が位置決めレバー45の底面に突き当たっている状態
でドリル1をクランプすることによって、ドリル1の先
端の位置を常に一定にした状態でドリルチャック12で
クランプすることが可能となる。また、これによって、
「0011」で記載するように、拡大レンズ筒32およ
びリング状光源31を定位置においたときに、それらと
ドリル切刃面7の距離を常に一定にすることが可能とな
るものである。また、上記のドリルチャック12を開閉
するチャック開閉レバー43の作動およびドリル1の先
端位置決めに係る位置決めレバー45の作動と、上述の
切刃面7の向きを設定するモータA37の作動とを、制
御システム40を介して連動させることによって、ドリ
ル1をドリルチャック12に挿入してから、先端位置を
定めてクランプし、さらに、分割主軸35の方向を、登
録した基準軸36の方向に一致させるまでの一連の位置
決め動作を自動的に行わせることが可能となる。
【0021】次に「0015」で記載したように、ドリ
ル1がドリルチャック12でクランプされた位置から切
刃面用砥石車16の砥面21に平行な位置に達するまで
の自動的移動方法について述べる。一対の切刃面7と逃
げ面8との交線9が分割主軸35と一致するように正し
く研削されているドリル1においては、一対の切刃面7
と逃げ面8との交線9とドリル1の中心軸5を含む平面
に対して、一般に切刃面7は75度の角度を有するよう
に構成されている。従って切刃面7が切刃面用砥石車1
6の砥面21に平行に置かれた状態を、一対の切刃面7
と逃げ面8との交線9とドリル軸5を含む平面で切った
状態は、図8で示すように、砥面21の断面とドリル1
の中心軸5の成す角49は先端角11の2分の1の角度
となり、かつ、砥面21は切断面である紙面に対しては
75度の角度を成すことになる。
【0022】また、該一対の切刃面7と逃げ面8との交
線9とドリル1の中心軸5を含む平面内に、ドリル1の
中心軸5に直交する軸を設け、これをドリル1の旋回軸
48とする。ドリル1の中心軸5と砥面21の断面とが
成す角度49は先端角の2分の1であるから、旋回軸4
8と砥面21の断面とが成す角度50は90度から先端
角の2分の1を差し引いた角度となる。ここで、旋回軸
48を制御システム40によって回転角度の制御が可能
なモータB51の軸または該軸に結着された延長軸と
し、モータA37の躯体を結合具を介して旋回軸48に
結合すれば、ドリル1、ドリルチャック12およびモー
タA37を一体にして、旋回軸48を中心にして旋回さ
せる構造とすることができる。
【0023】図8の状態において、ドリル1が紙面に対
して上方に旋回するように旋回軸48を回転させ、ドリ
ル1が旋回する途中の所望の位置を「0015」記載の
ドリル1の始点位置に定め、始点位置において「001
1」記載の拡大レンズ筒32とリング状光源31を、そ
れらの共通中心線52がドリル1の中心軸5の延長線と
一致するように配置する。始点位置で拡大レンズ筒32
のピントをドリル1の先端部2に合わせ、さらにリング
状光源31の位置を調整して、一対の切刃面7からの反
射光を主体にして拡大レンズ筒32に入射させるように
し、CCDカメラ33と画像処理システム34を介して
モニター画面でドリル1を観察すると、切刃面7と逃げ
面8との交線9の投影線は、旋回軸48であるモータB
51の軸またはその延長軸の方向と同一方向になってい
ることがわかる。「0013」で記載したように、該交
線9の投影線は理論的には図6で示す点対称図形25の
分割主軸35と一致または平行になるものであるから、
分割主軸35もモータB51の軸と同一方向になってい
ることになる。
【0024】すなわち、「0022」および「002
3」で記載した構造とし、ドリル1の始点位置において
ドリル1を任意の向きでドリルチャック12でクランプ
する。ここで「0014」および「0015」で記載し
た基準軸36の方向をモータB51の軸方向に定めて画
像処理システム34に登録しておくと、「0014」お
よび「0015」で記載した方法で、ドリル1の分割主
軸35の方向が、基準軸36の方向であるモータB51
の軸方向と一致するように、モータA37が回転する。
分割主軸35の方向が基準軸36の方向と一致したのち
に、モータB51の軸をドリル1の終点位置に向かって
回転させると、ドリル1は図8で示すように切刃面7が
砥面21に平行な位置に達することになる。この位置に
先端受け23を配置しておき、ドリル1の首下部3の先
端近傍を支持させる。モータB51を制御システム40
に結線し、画像処理システム34およびモータA37と
の関連動作を制御システム40にプログラムすることに
よって、ドリル1をドリルチャック12でクランプした
始点位置から砥面21に平行になる終点位置までの移動
を自動的に行わせることが可能となる。
【0025】なお、切刃面7の再研削を行うためには、
図8で示すような切刃面7が砥面21に平行になる終点
位置から、さらに被研削量に対応する距離だけ切刃面7
を砥石車の凹部18または19内に平行移動をさせなけ
ればならない。切刃面7の被研削量は厳密には切刃6の
磨耗程度によって異なってくるものであるが、経験的に
はドリル1の直径10のサイズごとに被研削量を一定値
に定めても実用上の支障は生じない。切刃面7の被研削
量を一定値に定めれば、図8において、ドリル1を中心
軸5の方向に直進させる距離を定めることができる。モ
ータB51を送り台に固定し、該送り台が図8における
切断面に平行な平面内をモータB51の軸に直角な方向
に直進移動する構造とすることによって、ドリル1を中
心軸5の方向に直進移動させることができる。
【0026】また、該送り台を制御システム40により
回転制御が可能なモータで駆動する構造とし、さらに、
該モータを制御システム40に結線することによって、
あらかじめ所望の送り量を設定してドリル1を移動させ
ることが可能となる。また、「0024」で述べたモー
タA37とモータB51の連動プログラムに該送り台の
駆動モータの作動を加えることによって、ドリルチャッ
ク12に挿入したドリル1を被研削位置まで自動的に移
動させることが可能となる。
【0027】ここで、逃げ面用砥石車17の配置や砥面
22の位置設定を、図5で示すような従来の方法と同様
に行い、また、主送り台24の機構やリミットスイッチ
などを従来と同様の方式を用いるとともに、制御システ
ム40にそれぞれを結線して作動順序をプログラムする
ことによって、自動的に被研削位置に設定したドリル1
を自動的に再研削することが可能となるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】図9は本発明の実施の形態を模式
的に示した図である。架台55上に支持具を介して切刃
面用砥石車16と逃げ面用砥石車17を並べて設置し
た。いずれもカップ型の砥石車とし、切刃面用砥石車1
6は砥面21を垂直面に対して15度傾斜させて設置
し、また、逃げ面用砥石車17は砥面22を垂直面に対
して30度傾斜させて設置した。この傾斜角はドリル1
の切刃面7と逃げ面8の逃げ角度に対応して定めたもの
である。また、逃げ面用砥石車17は逃げ面8の研削量
を調整できるように、前後に水平に移動できる構造とし
た。それぞれの砥石車16および17はベルトを介して
モータによって一定速度で回転駆動されるようにした。
【0029】また、架台55上の該2つの砥石車16お
よび17の砥面21および22に面した位置に、主送り
ネジ26と主送り台24から成る直進移動機構を配置
し、主送りネジ26の軸方向が切刃面用砥石車16の砥
面21および逃げ面用砥石車17の砥面22に平行にな
るように、主送りネジ26を支持具を介して水平な架台
55上に固定した。切刃面用砥石車16の砥面21と主
送り台24との距離については後述する方法によって定
めた。また、主送りネジ26は別途架台に固定されたモ
ータによってベルトを介して駆動されるようにし、主送
り台24の移動経路には2つのリミットスイッチを後述
する適切な距離をおいて配置し、一方は主送り台24の
始点位置とし、他方は終点位置とした。
【0030】上記主送りネジ26駆動用のモータおよび
2つのリミットスイッチをそれぞれ制御システム40に
結線した。また、主送り台24には角度設定台27を水
平に搭載し、主送り台24と該角度設定台27とは、角
度設定台27の下面に附与された角度設定軸29と主送
り台24に加工された軸孔によって回転自在に接合され
る構造とし、かつ、設定位置で固定するためのストッパ
ーを設けた。また、該角度設定台27には送り台14と
送りネジ28から成る直進移動機構を水平に搭載し、送
りネジ28を支持具を介して角度設定台27に固定し
た。さらに、送りネジ28には制御システム40による
回転角度制御が可能なモータC53を固定具を介して結
合し、該モータC53を制御システム40に結線した。
なお、モータC53に与えられる1信号当たりの送り台
14の移動量の単位が0.02mm以下となるようにモ
ータC53と送りネジ28のピッチを選定した。
【0031】さらに、送り台14には制御システム40
による回転角度制御が可能なモータB51を搭載した。
また、該モータB51の軸が水平になるようにして送り
台14に固定するとともに、該モータB51の水平な軸
の高さが「0028」記載の切刃面用砥石車16の回転
中心の高さとほぼ同一になるようにし、かつ、該モータ
B51の軸の方向が送りネジ28の軸方向に対して直角
になるように設定した。また、モータB51の軸に延長
軸を結合し、該延長軸端部に軸受けを設け、該軸受けを
送り台14に固定した。なお、モータB51の回転角度
精度は設定角度に対して1度以内の誤差範囲のものを選
定した。また、制御システム40による回転角度制御が
可能なモータA37の軸がモータB51の軸に直交する
ように、モータA37の躯体を結合具を介してモータB
51の延長軸に固定した。また、モータA37およびモ
ータB51をそれぞれ制御システム40に結線するとと
もに、モータA37の軸には結合具を介してドリルチャ
ック12を結合した。該ドリルチャック12はコイルば
ねによってチャックを開閉する型を用い、ドリルチャッ
ク12の中空部41に小サイズの圧縮ばね42を内蔵す
る構造とし、該内蔵された圧縮ばね42はドリル1を押
し上げるのに十分なばね力を有するものとした。また、
モータB51の軸を回転させて、モータA37の軸とそ
こに結合されたドリルチャック12が垂直な状態になっ
た位置をモータB51の始点位置と定めて制御システム
40に登録した。
【0032】また、架台55上に2つの支持具を立て、
それぞれに回転カムシリンダーA44およびB46を取
り付けた。回転カムシリンダーA44の軸先端にはF字
型のチャック開閉レバー43を設け、また、回転カムシ
リンダーB46の軸先端には平坦な底面を有する位置決
めレバー45を設けて、2つのレバーがそれぞれ、垂直
な状態にあるドリルチャック12を中心に作動するよう
に、2つの回転カムシリンダー44および46の設置位
置を定めた。ここで、回転カムシリンダーA44を作動
させると、チャック開閉レバー43がドリルチャック1
2の開閉リングを押し下げてドリルチャック12を開
き、該ドリルチャック12にドリル1を挿入してから回
転カムシリンダーB46を作動させると、位置決めレバ
ー45が螺旋状に降下して、該レバー45の底面でドリ
ル先端を設定した位置まで押し下げ、さらに設定時間経
過後にチャック開閉レバー43が上方へ戻って、ドリル
チャック12がドリル1をクランプし、そののち位置決
めレバー45が上方へ戻るように作動することを確認し
た。また、該2つの回転カムシリンダー44および46
をそれぞれ制御システム40に結線して上記動作が自動
的に行われるようにプログラムした。なお、該2つの回
転カムシリンダー44および46は主送り台24や、角
度設定台27や、送り台14の作動およびドリル1の旋
回移動に支障となることがない位置に配置した。
【0033】また、架台上に別途支持台を立て、該支持
台に直進ロボット56を固定した。直進ロボット56は
モータとボールネジを内蔵し、モータが回転するとボー
ルネジに直結された直進軸57が直進移動する機能を有
するもので、モータの回転を制御することによって、直
進軸54の直進距離を厳密に制御することができる汎用
機能部品である。本発明の実施においては直進距離が
0.05mm以下の精度で制御できる直進ロボット53
を選定した。また、該直進ロボット56の直進軸57の
移動方向が垂直になるように直進ロボット56を支持台
に固定し、該直進軸57に固定具を介してリング状光源
31と拡大レンズ筒32を、それぞれの共通中心軸52
が垂直で、かつ、垂直状態にあるドリル1の中心軸5と
一致するように取り付けた。なお、リング状光源31を
さらに調整ネジを介して固定具に取り付け、リング状光
源31を単独で垂直方向に位置調整することが可能な構
造にした。なお、拡大レンズ筒32の拡大率は30倍以
上とし、リング状光源31にはハロゲンランプを用い
た。
【0034】ここで、「0030」で記載する角度設定
軸29とドリルチャック12の位置関係を次のように定
めた。すなわち、ドリルチャック12を垂直にした状態
で送り台14を前後に移動させた場合に、ドリルチャッ
ク12の中心軸が設定軸29の真上を通過する構造と
し、ドリルチャック12の中心軸が設定軸29の真上に
来た位置を送り台14の始点位置に定めて制御システム
40に登録した。また、送り台14を該始点位置で停止
させた状態で、垂直状態にしたドリルチャック12でド
リル1をクランプしたとき、ドリル1の中心軸5の延長
上にリング状光源31と拡大レンズ筒32の共通中心軸
が来るように直進ロボット56の位置を定めた。なお、
直進ロボット56およびその支持台は、主送り台24や
角度設定台27や送り台14の作動や、ドリル1の旋回
移動、および、2つの回転カムシリンダー44および4
6の作動に支障となることがないような位置に配置し
た。
【0035】また、「0032」で記載した方法でドリ
ル1の先端位置を定めたのち、手動で直進ロボット53
を徐々に下降させて、ドリル1の先端部2が拡大レンズ
筒32のピントに合う位置を求め、その位置を直進軸5
7の下限位置に定めた。さらにこの状態でリング状光源
31の位置を微調整して、一対の切刃面7の映像が最も
鮮明になる位置をリング状光源31の位置として固定し
た。そののち直進軸57を上昇さサて、位置決めレバー
45とチャック開閉レバー43の作動の支障にならない
位置を直進軸57の上限位置に定めた。ここで直進ロボ
ット56を制御システム40に結線するとともに、上記
直進軸57のそれぞれの位置を制御システム40に登録
した。また、拡大レンズ筒32にはCCDカメラ33を
結合し、該CCDカメラ33を画像処理システム34に
結線した。ここで、CCDカメラ33は45万画素以上
の能力のあるものを選定し、該画像処理システム34に
は少なくとも、CCDカメラ33に結像した画像の2値
化処理を行う機能と、2値化処理が施された画像につい
て分割主軸35を算出する機能と、基準軸36を登録す
る機能と、基準軸36と分割主軸35の角度差30を算
出してモータA37に与える信号数に変換する機能およ
び該信号数を制御システム40に発信する機能とを組み
込むとともに、該画像処理システム34を制御システム
40に結線した。また、該画像処理システムの角度読み
取り精度は1度以内とし、さらに、該基準軸36を「0
031」で記載したモータB51の軸と同一の方向に定
めて該画像処理システム34に登録した。なお、制御シ
ステム40によって制御されるモータA37については
1信号当たり1度以内の回転角度制御が可能なモータを
選定した。
【0036】以上の構成としたのち、制御システム40
に次のようにプログラムした。ドリルチャック12が開
いた状態でドリル1を挿入してスイッチを入れると、位
置決めレバー45が作動してドリル1先端を抑える。次
いで一定の時間差をおいてチャック開閉レバー43が作
動して上方に逃げ、ドリルチャック12がドリル1をク
ランプする。次いで一定の時間差をおいて位置決めレバ
ー45が上方へ逃げる。次いで直進ロボット53が作動
してリング状光源31と拡大レンズ筒32が下降し、下
限位置で停止して一対の切刃面7の投影像を画像処理シ
ステム34に送る。画像処理システム34は該投影像を
点対称図形25として認識してその分割主軸35を算出
し、あらかじめ登録された基準軸36との角度差30を
算出する。さらに、画像処理システム34は該角度差3
0をモータA37の信号数に換算して制御システム40
に送り、制御システム40がモータA37を所定角度回
転させる。こののち、直進ロボット53が作動してリン
グ状光源31と拡大レンズ筒32が上方へ逃げ、次いで
モータB51が作動して、モータA37とドリルチャッ
ク12およびドリル1を水平位置まで旋回させる。続い
てモータC53が作動して送り台14を設定された距離
だけ水平移動させて、ドリル切刃面7と逃げ面を被研削
位置に設定する。以上のようにプログラムを行った。
【0037】一方、「0028」で記載した砥石車16
および17については、主送り台24の移動によりドリ
ル1が再研削されるとき、逃げ面8が先に研削され、切
刃面7がその後に研削されるように配列した。また、
「0029」で記載した主送り台24と砥石車16およ
び17の距離については次のように定めた。送り台14
を「0034」で記載した始点位置に固定した状態で、
モータB51を回転させてドリル1を水平な状態にする
際に、ドリル1が砥石車16および17に接触しない範
囲で、できるだけ砥石車16および17に近づくように
砥石車16および17と主送り台24との距離を定め
た。このようにして、送り台14が始点位置にあるとき
のドリルチャック12と砥石車16および17との位置
関係を定めたことにより、送り台14の始点位置におい
てドリル1を水平状態にしてからドリル1の先端部2を
被研削位置まで移動させる距離を算定することが可能と
なった。「0025」で記載したように、実務的にはド
リル1の被研削量はドリル1の直径10に応じてほぼ一
定に定めることが可能であるから、対象となるドリル1
について被研削量を定めたのち、上記の位置関係に基づ
いて送り台14の始点位置からの移動距離を仮設定し
た。しかし、実際には機械的作動誤差を考慮しなければ
ならないため、仮設定値で再研削試験を行ってから微調
整を施し、ドリル1の直径10ごとに送り台14の移動
距離を定めて制御システム40に登録した。
【0038】また、ドリル1が被研削位置に達したとき
にドリル首下部3を支持するための先端受け23を配置
した。先端受け23は角度設定台27に固定され、先端
にドリル首下部3の径に合わせた半円状の小溝を有した
ものを用い、ドリル首下部3が該半円状小溝に挿入され
たのち、上方から電磁弁で作動する抑え板で押しつける
構造とした。また、半円状小溝の位置は砥石車16およ
び17の砥面21および22に接触しない程度にできる
だけドリル1の先端部2に近づけて配置した。また、ド
リル1の切刃面7が逃げ面用砥石車17の凹部19に面
しているときの主送り台24の位置を主送り台24の始
点位置として、ここに始点用リミットスイッチを配置し
た。また、主送り台24の移動によりドリルの逃げ面8
が逃げ面用砥石車17の砥面22を通過し、次いで切刃
面7が切刃面用砥石車16の砥面21を通過して切刃面
用砥石車16の凹部18に至った位置を主送り台24の
終点とし、ここに終点用リミットスイッチを配置した。
【0039】以上のような構成とし、先端受け23の抑
え板の電磁弁と主送り台24の駆動モータと始点用リミ
ットスイッチおよび終点用リミットスイッチを制御シス
テム40に結線して、「0036」で記載したプログラ
ムを次のように拡張した。すなわち、モータB51が作
動してドリル1を水平状態にしたのち、モータC53が
作動して送り台14を設定距離だけ前進させて切刃面7
と逃げ面8を被研削位置に露呈する。次いで先端受け2
3の抑え板用の電磁弁が作動して、ドリル1の先端部2
近傍を固定したのち、主送りネジ26を駆動するモータ
が作動して主送り台24を直進させ、ドリル1の逃げ面
8と切刃面7を順次再研削する。主送り台24が終点用
リミットスイッチを作動させると該駆動モータが逆回転
をして、主送り台24が始点位置に戻り始点用リミット
スイッチを作動させる。
【0040】ここでモータA37が作動を開始して、ド
リル1を180度回転させ、未研削の切刃面7と逃げ面
8を被研削位置に露呈する。このあと設定時間経過後、
主送りネジ26を駆動するモータが再作動して主送り台
24が移動し、未研削の逃げ面8と切刃面7が再研削さ
れる。主送り台24が終点用のリミットスイッチを作動
させると駆動モータが逆回転して主送り台24が再度始
点に戻る。ここで、先端抑えの電磁弁が解放されて抑え
板が離れる。以上で再研削が終了するが、このあと設定
時間経過後、モータC53が始点位置に戻り、次いでモ
ータB51が始点位置に戻る。次いでチャック開閉レバ
ー43が作動してドリルチャック12を開き、ドリル1
の取り出しができる状態にする、という一連の動作を行
うように制御システム40にプログラムした。
【0041】以上のように構成した装置を用いて実際に
再研削をおこなった。まず、砥石車のモータを作動させ
て砥石車16および17の回転が安定したことを確認し
てから、0.2mm径の再研削すべきドリル1をドリル
チャック12に挿入してスタートスイッチをオンにする
と、位置決めレバー45とチャック開閉レバー43が作
動して、ドリル1の先端部2が設定した位置になるよう
にクランプされ、リング状光源31と拡大レンズ筒32
が設定位置まで下降して、ドリル1の先端方向からの画
像が画像処理システム34に取り込まれ、モータA37
が作動して切刃面7の向きが設定された。この様子は画
像処理システム34から出力されるモニター画面で確認
することができた。このあとモータB51が回転してド
リル1が水平位置まで旋回し、次いで送り台14が設定
した距離だけ前進してドリル首下部3が先端受け23の
溝に挿入され、同時に抑え板がドリル1を抑え、主送り
台24が移動して片側の逃げ面8と切刃面7を連続して
研削して始点に戻った。
【0042】ここで、モータA37が作動してドリル1
が180度反転すると再度主送り台24が移動して、残
る側の研削を行って始点に戻り、先端受けの抑え板が離
れ、送り台14が始点に戻り、さらにドリル1が逆旋回
して垂直状態になった。次いでチャック開閉レバーが作
動してドリルチャック12が開いた。スタートスイッチ
をオンにしてからドリル1を取り出すまでに要した時間
は約30秒であった。また、再研削されたドリル1を専
用の実体顕微鏡で検査したところ、切刃面7と逃げ面8
は良好な仕上がりであることが確認された。続いて同一
種類のドリル1の再研削を続け、全数について検査を行
ったが、不具合品の発生は見られなかった。このよう
に、作業者はドリル1をドリルチャック12から取り出
し、次のドリル1を挿入する作業を行うだけで、細径ド
リルの再研削を効率的に、かつ、品質のばらつきがなく
行うことができた。
【0043】
【発明の効果】本発明の実施により下記の効果が確認さ
れた。効果の第一は作業者の眼の酷使や、品質を保つた
めの長時間にわたる緊張作業を大幅に緩和することがで
きることであり、第二は作業者の個人差や勘違いがなく
なるため、再研削されたドリルの品質が極めて安定する
ことである。また、効果の第三は特別の熟練を必要とせ
ずに、だれにでも0.3mm以下の微細径のドリルの再
研削が可能になるため、微細径ドリルのリサイクルが円
滑になり、製品のコスト削減に寄与できることである。
さらに、効果の第四として、本発明を応用すれば、ドリ
ルの取り出しと供給をロボットで行わせることによっ
て、無人の自動再研削装置が可能となることが挙げられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドリル1の全体図
【図2】ドリル1の先端方向から見た拡大図
【図3】図2においてA方向から見たドリル1の先端部
分の拡大図
【図4】図2においてB方向から見たドリル1の先端部
分の拡大図
【図5】従来のドリル再研削装置の模式図
【図6】本発明のシステム図
【図7】本発明のドリル先端の位置決め方法
【図8】ドリル1の切刃面7が砥面21に平行になった
ときの断面図
【図9】本発明の実施形態を示す模式図
【符号の説明】
1 ドリル 2 ドリル1の先端部 3 ドリル1の首下部 4 ドリル1のシャンク部 5 ドリル1の中心軸 6 切刃 7 切刃面 8 逃げ面 9 切刃面7と逃げ面8との交線 10 ドリル1の直径 11 先端角 12 ドリルチャック 13 切り込みハンドル 14 送り台 15 実体顕微鏡 16 切刃面用砥石車 17 逃げ面用砥石車 18 切刃面用砥石車16の凹部 19 逃げ面用砥石車17の凹部 20 インデックスハンドル 21 切刃面用砥石車16の砥面 22 逃げ面用砥石車17の砥面 23 先端受け 24 主送り台 25 点対称図形 26 主送りネジ 27 角度設定台 28 送りネジ 29 角度設定軸 30 基準軸36と分割主軸35の角度差 31 リング状光源 32 拡大レンズ筒 33 CCDカメラ 34 画像処理システム 35 分割主軸 36 基準軸 37 モータA 38 ドリル1のシャンク部の長さ 39 ドリル1の全長 40 制御システム 41 ドリルチャック12の中空部 42 圧縮ばね 43 チャック開閉レバー 44 回転カムシリンダーA 45 位置決めレバー 46 回転カムシリンダーB 47 開閉リング 48 旋回軸 49 ドリル1の中心軸5と切刃面用砥面21の成
す角 50 旋回軸48と切刃面用砥面21の成す角 51 モータB 52 リング状光源31と拡大レンズ筒32の共通
中心軸 53 モータC 54 点対称図形の図心 55 架台 56 直進ロボット 57 直進軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御システム40によって回転角度制御が
    なされるモータA37の軸にドリルチャック12を結合
    し、該ドリルチャック12にクランプされたドリル1の
    中心軸5の延長上にリング状光源31と拡大レンズ筒3
    2を配置し、該拡大レンズ筒32にはCCDカメラ33
    を結合するとともに、該CCDカメラ33を画像処理シ
    ステム34に結線し、さらに該画像処理システム34を
    上記制御システム40に結線して構成される装置におい
    て、該リング状光源31からドリル1の先端部2を照射
    して、一対の切刃面7からの反射光を主体にして拡大レ
    ンズ筒32に入射させるようにし、該拡大レンズ筒32
    によってCCDカメラ33に拡大結像される一対の切刃
    面7の投影像を画像処理システム34に点対称図形25
    として認識させるとともに、該点対称図形25の分割主
    軸35を算出させ、あらかじめ該画像処理システム34
    に登録された基準軸36と比較させてその角度差30を
    算出させ、さらに該角度差30をモータA37の信号数
    に変換して制御システム40を介してモータA37に発
    信し、該モータA37を該角度差30だけ回転させて分
    割主軸35を基準軸36に一致させることにより、ドリ
    ル1の切刃面7を常に一定の向きに設定することを特徴
    とするドリル自動位置決め方法。
  2. 【請求項2】中空部41に圧縮ばね42を内蔵したバネ
    開閉型ドリルチャック12の近傍に、あらかじめ設定さ
    れた距離を回転しながら上下移動する軸を有する2つの
    回転カムシリンダー44および46を配置し、一方の回
    転カムシリンダー44の軸にはF字型のチャック開閉レ
    バー43を取り付け、また、他方の回転カムシリンダー
    46の軸には平面状の底面を有する位置決めレバー45
    を取り付けた構成とし、該二つの回転カムシリンダー4
    4および46を制御システム40に結線して、交互に作
    動するようにプログラムを設定し、ドリル先端が所望の
    位置に設定した位置決めレバー45の底面に突き当たっ
    た状態のときに、ドリル1をドリルチャック12でクラ
    ンプすることによりドリル先端を常に同一位置に設定す
    ることを特徴とするドリル先端自動位置決め方法。
  3. 【請求項3】「請求項2」の方法を用いてドリル先端の
    位置を定めたのち、「請求項1」の方法によりドリル1
    の切刃面7の向きを設定するように構成した装置におい
    て、「請求項1」記載の該基準軸36の方向に該分割主
    軸35を一致させたのちに、モータA37とこれに結合
    されたドリルチャック12および該ドリルチャック12
    にクランプされたドリル1とを一体として、該基準軸3
    6に対して平行に配置された旋回軸48を中心にして、
    該基準軸36に直角な方向に、あらかじめ定めた角度だ
    け旋回させることにより、再研削すべき切刃面7を常に
    同一の位置および同一の向きに設定することを特徴とす
    るドリル自動位置決め方法。
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